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琉球方言におけるり行子音の変遷

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(1)

琉球方言におけるり行子音の変遷

‑ 「 斎場御獄」の事例か ら一

新 垣 公 弥 子 は じめに

本稿は 「琉球方言 におけるり行子音の変遷 ‑ 「保栄茂」の事例か ら‑」 (『沖 縄学』第12号)の姉妹原稿である。

これ まで筆者は琉球方言のワ行子音 の変遷 についてい くつかの考察 を試みた。

概略すれば、次のように述べ られ る。宮古 ・八重 山方言 に見 られ るb音 と沖縄本 島に見 られ る ?やgw音 を一連 の流れ として考察 してきた。前出の 「琉球方言 に おけるワ行子音の変遷 ‑ 「保栄茂」の事例か ら‑

」(

『沖縄学』第12号 2009) では、特 に沖縄本島の地名に見 られ る事例 を基 に、沖縄本島方言 にもり行子音 に 対応す るb音が存在 し、その変化 の過程での残存が 「biIa」(保栄茂)であることを 述べた。ただ、 これだけの資料 をもって沖縄本島方言 のワ行子音 もかつてはb音 であった と結論付けるのは早計である。そ こで、本稿は前出の 「琉球方言 におけ るり行子音 の変遷 ‑ 「保栄茂」の事例か ら‑」 (『沖縄学』第12号 2009)の姉 妹原稿 というべき形式 を取 りなが ら 「斎場御獄」について考察 をす る0

まず本論 に入 る前 に 「斎場御獄」 について概観 してお く。沖縄全域 には、集落 や航海の無事 を見守 る神な どが祭 られている聖地が多 く見 られ る。 これ らは 「御 獄 (うたき)」 と呼ばれている。その中で も 「斎場御獄 (せ‑ふ あー うたき)」は、

琉球王国で最 も格式の高い聖地 とされていた。琉球王国時代、斎場御獄では、神 女で もっとも位 の高い聞得大君 (き こえおおきみ) の就任儀式 「お新下 り (おあ らお り)」や、国の五穀豊穣、平和 を願 い、国王 自らがお参 りす る 「東御廻 り (あ が りうまい)」な ど、国の大切な神事が行われていた。 当時は国王や聞得大君な ど のご く限 られた人 しか入 る ことがで きなか ったが、現在では一般 に も開放 され

「拝み」をす る人が絶えず訪れ る御獄である。

その 「斎場御獄」は 「せ‑ふ あー うたき」のように発音 され る。 これ を音声字 母で記すな らば〔se:◎a:?utaki]となろうか。 この ことが 「保栄茂」 (ぴん) と同様、

沖縄本島 にもワ行子音 に対応す る音声 にb音が存在 した ことの傍証 になるであろ 1

(2)

うことは後述す る。

以下、 これ までの研究の流れ について述べていく。

琉球 におけるい くつかの地域で ワ行子音 にb音が対応す る ことはよ く知 られて いる。その多 くは宮古 ・八重 山地域 に集 中 している ことも先行研究が示す通 りで ある。琉球方言 におけるワ行子音b書 についての関係 を解 明 しよ うと試みたのは 村 山七郎(1981)『琉球語の秘密』 と名嘉真三成(1992)『琉球方言の古層』である。

しか し、その両者はまった く相反す る結論 を導 き出 している。両者の論 を概観す ると、村 山(1981)は(W>b)、名嘉真(1992)は(b>W )と結論づけている。その両者 の論の展開をみると、 どち らも正 しいり行子音 の変化 の流れ を論 じているよ うに 思われる。 しか しなが ら導 き出された結果は まるで相反す るもの となっている。

これは どうしてなのか。 この間題 について筆者は取 り組んできた。新垣 (1998) では一連の流れで前述の両者の論 を説明 した。 しか しそれだけでは不充分 として 内聞 (2004)が提出され、琉球方言 のり行子音の成立 に関 して さ らに踏み込んだ 見解 を示 した。

これ を承けて新垣 (2009)では、内聞(2004)の検証 も兼ねて、 これ までのり行 子音の研究 を順 を追 って観察 しなが ら、琉球方言 におけるり行子音 の成立 につい て考察 したい。 まずは じめにワ行子音 についての先行研究 を年代順 に示す。

[り行子音の記述研究]

1)仲宗根政善 (1934)国頭方言の音韻」『方言』第4巻第10号 春陽堂 2)平山輝男 ・中本正智 (1964)琉球与那国方言の研究』東京堂

3)野原三義(1983)沖縄県国頭村辺野喜方言の助詞」『琉球 の方言8』法政沖縄文化研究所 4)中本正智 (1976)琉球方言音韻 の研究』法政大学 出版局

5)法政大学沖縄文化研究所 (1977)琉球の方言 宮古大神島』

6)中本正智 (1981)『図説琉球語辞典』金鶏社

7)琉球大学方言 クラブ(1991)辺野喜方言 の音韻体 系」琉球大学方言 クラブ [り行子音の分析〕

8)村山七郎 (1981)『琉球語 の秘密』筑摩書房 9)名嘉真三成 (1992)琉球方言 の古層』第一書房

10)新垣公弥子(1998)辺野喜方言 にお けるり行子音 の構造」『国語学会平成10年度秋季大会 発表予稿集』国語学会 (於 :九州大学)

(3)

ll)内聞直仁 (2004)「ワ行古 代 日本語 の子音 の【b音 化 につ いて『国語学』第552 本語学会

12)新垣公弥子 (2009)琉球方言 におけるり行子音の変遷沖縄学』第12号 沖縄学研究所 筆者が研究 を始 めた頃には1)か ら10)までの研究があった。1)か ら7)までは記 述研究であ り、8)9)では琉球方言 のワ行子音 についての分析があった。 しか し、

その双方の検証結果は、まった く相反す るものであった。個 々にその研究結果 を 読み進めるとどち らも諸用例 をあげなが ら、用例 に基づ く考察 をしり行子音 の変 化 の流れ を説明 しているo Lか しその両方が異なる研究結果 を示すのであるが、

それはなぜか。

以下先行研究 にみ られ るワ行子音変遷 を概略示す。

表 1

諸 説 変遷過程

村 山説1981 W>p>bW>b ((八重 山方言)宮古大神島方言)

名嘉真説

1992 b>W (宮古方言)

新垣説1998 b(先 ‑ .辺‑ ,

」 こ て

.

'

̲: 二,

脚 〔

… :三三 ;;

内聞説

2004 W>b (宮古 .八重 山)

琉球方言 におけるり行子音の変遷 について、諸説 の概要 を示す と上記のように なる。

以下、諸説の概要 を紹介 し、比較検討 を進めなが ら、琉球方言 におけるワ行子 音 の変遷 について考察 を深めたい。

1.村 山説

村 山(1981)では琉球方言 のり行子音 に対 して2つの変遷のパター ンを示 してい る。1つは八重山方言 について、2つ 目は宮古大神島方言 についてである。以下、

村 山説 について概略示す。

3

(4)

1. 1 村 山説 における八重 山のワ行子音 の変遷 (W>b)

村 山はそ の著書 『琉球語 の秘密』 の、第 四章 琉球語 にお ける 日本語 の ワ行書 とヤ行書 の対応 (p.67)の中で、宮 良(1930)による八重 山方言 の例 を引用 して次 のように述べて いる。

宮良当壮 (1930年 p.5)の八重 山方言資料 による と、 日本語や沖縄本島 首里方言 のり行書 は八重 山ではバ行書 にな って いる。

日本語

wa(戟) wakaJi(若 し) wakareru(別れ る) waku(湧 く) waJi(鷲)

wasureru(忘れ る) wata(棉)

wataru(渡 る) wara(藁) warau(笑 う) waru(割 る) wi(蘭)

wiru(居 る.坐 る) wo(緒)

wo主(甥)

wobito(夫)>otto

首里方言

Wa!〕 wakasa!〕 wakariju!〕 waさu!) wa∫inutui WaSIJu!〕 wata wataJu!〕 Wara WaraJu!〕 WaJut)

1: u!〕 u: Wn‑ utu

八重 山方言 (宮 良当壮 による) ba

bagasa:

g

bagarirug bagug bas'l'

basikiru!〕 bada badarug bara ba:ro!〕 barug

bt:

b'1‑rug bu:

bu:

butu/budu

日本語 の ワ行 がバ行 として あ らわれ る点 は宮古 群 島 の言語 も同 じで ある (た とえば 「私」はban

,

「若 い」はbakaで ある)。

(5)

いったいW‑とb‑のうち、いずれが古 いのか。

日本語単語 の うちり行子音 をふ くむ もののなかで、アル タイ的起源 と見 ら れ るもののW一にアル タイ諸語 の b‑が対応す る。

以上のよ うに、村 山(1981)は宮 良の八重 山方言 の例 と首里方言 、 日本語 とを比 較 しなが ら、 り行子音 のW‑とb‑ との新古 関係 を検 証 しよ うと試 みて いる。 さ らにはアルタイ諸語 に見 られ る関係 を述べた後 に、次 のよ うな結論 に達 している。

1. 2 村 山説 における宮古大神 島の り行子音 の変遷 (W>p>b) さ らに村 山(1981)では次 のよ うに述べて いる。

☆wopi「甥」はwO/pito「夫」の★wO「男」 と共 通 で あ り、そ れ に、 メ ヒ (姪)の とと同 じpiの接尾 した語形 と見 られ る。wOはオース トロネシア祖語

★uran「人、男」 (>★uhan>★uan>wo)に対応す る。

これ らの単語 の場合、W‑は本源 的で あ り、それ に対応す る宮古、八重 山 方言 のb」まW‑>b‑の変化 の結果 と思われ る。

そ して、この派生的なb‑は宮古諸 島の大神 島方言ではp‑に変わ っている (b‑>p 『琉球 の方言』1977p.16による)。

日本語 wakai(若 い)

wakinoshita(わきの下) wakimizu(湧 き水) wasureru(忘れ る) wataru(渡 る)

ヲヒ (酔<ヱ フ)wepi ヲツ ト (夫)W〇/tto ラ (緒)W 〇

大神島方言 pakakam

paklll'ta paks'1'mik'1' passim patalm

pi:tuull' (酔 って いる) putu

pu:

これ らのば あ い、宮古 の大神 島方言 で はW‑>b‑>p‑ とい う変化 が あったのである。

村 山(1981)は以 上 のよ うに述 べて いる。 この大神 島 にみ られ るり行子音 の[p】

音化 については重要な音声変化で ある と考 え られ、中本 (1981)では 「蘭草」「砂 糖 きび」 といった2例 の用例が【p]音 とな って いる。琉球方言 にお いて 「蘭草」は

「ヰ」 に対応 し、 「砂糖 きび」は 「荻 (ヲギ)」 に対応す る。 これ らの語が大神島

5

(6)

では[pigu](商草)、[pu:k'l'](衣) とな って現れ て いるので あるo上記 にあげた 村 山 (1981)の変化 (W‑>b‑>p‑)が妥 当であるか、否か についての検討は 後述す るが、 ここで重要な ことは、村 山 (1981)では、すで に琉球方言 のワ行子 音 の変遷 といった大 きな流れの中に[p]音が位置づけ られている点である。

2.名嘉真説

名嘉真(1992)では、琉球方言 の特 に宮古方言 のハ行子音 の変遷 を考 えるにあた り、 ワ行子音 と平行 した音変化 を考 えて いる。ハ行 とり行 とを平行的な音変化で 捉 えた点は体系の中で普変化が起 こる ことを考 えれば非常 に重要である といえよ

う。名嘉真(1992 p.17)では次 のよ うに述べ られて いる。

一方、宮古 の ワ行子音b音 も語 中では、ka:rafu《乾 く》、ju:kan《弱 い》、

ja:sll'kan《ひ もじい》、kui《声》 (例は西原)のよ うにbがあ らわれな い。 こ の疑 問はハ行転呼音 と平行 して、

と推定す る ことも可能で あろ うが、 しか しそ の場合で も、古代p書が保持 されて いる宮古方言でなぜ ヤ行d音 が保 たれなか ったのか疑 問で ある。 いず れ にして も宮古 のワ行b音 、与那 国のヤ行d昔 は、今後 さ らに検討す る必要が ある。

この部分で重要な点 は、名嘉真(1992)がハ行転呼音 と平行 的 にり行子音 の変遷 を捉 えている点である。 (中略)以下87ペー ジを引用す る。

‑3 ハ行転呼昔

‑ (略)語 中、語尾 のハ行子音 の変遷は どうであろ うか。周知 の とお り、国語 の 語頭以外 のハ行子音 は、平安時代 に ★p中一W と変化 した。 いわゆ るハ行転呼 音である。

★kapa (皮)‑ka◎a‑kawa

★papi (灰)‑◎a◎i‑◎awi‑ha主

'kepu (今 日)‑ke◎u‑kewn‑ken‑kjo:

★napai(苗)‑nape‑na◎e‑nawa‑nae

(7)

'Iipo(潮)‑Ji◎O‑ Iiwo‑Jio

このハ行転呼音 は琉球方言で も生 じている。南琉球方言か ら前掲 の六方言 の例 を示そ う。

長浜 西原 川平 黒 鳥 . 竹富 祖納

《皮》 ka: ka: ka: ka:. ka: ka:

《灰》 pa† ha主 pai pai pai Higun

《今 日》 kju: kju: kju: kju: kju: Su:

《苗》 na主 na主 nal nal na主 na主

《潮》 Su: Su: Su: Su: Su: Su:

国語 との相異はア段 にお いて、さ らに変化 してWを失 うことで ある。いわば琉 球方言のハ行転呼音 は唇音 を完全 に失 う方 向に進んで いる。

長浜 西原 川平 黒島 竹富 祖納

《川》 ka:ra ga:ra ka:ra ha:ra ka: kara

《縄》 na: na: na: na: na: na:

《合わす》 a:S'1' a:S'1' a:Sln a:Sun a̲:Sun

《変わ る) ka:/ ka:i ka:ru!〕 hawarut) ka:ru!〕 kabaru!〕

《瓦》 ka:ra ka:ra ka:ra ka:ra ka:ra ka:ra

《俵》 ta:ra ta:ra ta:ra ta:ra ta:ra ta:ra

「変わ る」を表す語で黒 島 と祖納で唇音 を有す る ものの、や は り原則 としてWを 消失 している ことが分か る。 しか し、一方ではハ行転呼 しな い語 も見 られ、成立 上注 目され る。

平 良 長浜 西原 大浜 黒 島 祖納

《大 きい》 upukan ukukan u◎ukan maiSan ubuhan malSan

《柔 らか い》Japakam Japakam Japakan Ja◎araSan Ja:rahan daran

《美 しい》 aparagkam aparagkam aparagkan kaiSan abarihan abajan

《淡 い》 apakam apakam apakan a◎asan aman

《固 まる》 kupal kupal kupal ko:run

《溢 れ る》 afurui'1' afuri1 afurii abirun

《大根》 upuni upuni u◎uni daikuni ubuni 上の六方言 の語例 は、一部 の語 を除 いて概ね 「オホ シ

「ヤハ ラシ

「アハ レ」

7

(8)

「アハ シ」「コハ‑」「アフル」「オホネ」に相 当す る もので ある。一瞥 して明 らか のよ うに、唇音 を保持す る形式が多 く、 これ らの語 がなぜハ行転呼 しないのか問 題である。 もっ とも、国語 にお いて も 「ハハ(母)

「ホホ (顔)

「ホ トホ ト (殆)」

や 「ア ヒル (家鴨)」な どは、ハ行書 で発音 され る。 しか るに前者は一度ハ行転呼 著 した後 に回帰 した例であ り、後者 はハ行転呼が終 了 した後 に使用 された語で、

言わばハ行転呼の影響 を免れた もので ある。おそ らく上の六方言 の例 は、 この二 つのいずれかの要 因に も合致 しないで あろ う。なぜ な ら、 これ らの語が過去 にハ 行転呼 した形跡はな く、 また借用語 とす る こともで きないか らである。今 の とこ ろ明 らかではないが、国語 の 「アフル (溢)

「ハ フ リ (葬)

「ホ フル (屠)」な ど の語 は、古 くは濁 音 で あった ことを考 慮 し、加 えて黒 島 のubuhan《大 き い)、

abarihan《美 しい》、大浜 のabirun《溢 れ る》、祖 内のabajan《美 しい》、ubuni

《大根》な どは濁音で現れ るので、

国語 祖語 琉球

の変化 を経た可能性が ある。(中略)

‑今後 は、南琉球方言 に特徴 的な ワ行b音、ban《私》、buduI《踊 る》、bI:

《座 る》、bikidum《男)とハ行転呼音★p‑◎‑Wな どとの関係 を明 らか に し、問題 のb音が 日本祖語 にさかのぼ るのか どうか検討す る。

以上のよ うに述べ られている。琉球方言 の り行子音ハ行子音 の変化 とともに示 し、

有声音 と無声音 との対立 関係か ら[p]音 と[b]音 の変化 を平行 的 に考察 しよ うと試 みて いる。 また ここで重要なのは 「祖語」 の(縄)を 「★napa(棉)」 として いる点 である。 これは後述す るが、非常 に重要な指摘で ある と考 え られ る。

3.新垣説(1998)

新垣(1998)では上記 に示 した両者 の理論 を踏 まえ、合わせて辺野喜方言 の事例 か ら、次 のよ うな ワ行子音変遷 の流れ を示 した。 ここでは これ まで の研究がb音 かW書かの問題 として考 え られて いた ことを全琉球方言 の ワ行子音 を網羅 しーっ

(9)

の流れで示 した点が これ までの研究 にはなかった視点である。今後 の展開に重要 であるので考察 の過程 を比較的詳 しく述べてい く。

まず/gw/音 の対応 関係 をみて い く。 り行書 を含 む語嚢 を男女別、年代別 に5人 の話者宮城カマ ト氏(1906生)、山城 ヨシ子氏(1917生)、東恩納寛正氏(1917生)、山 城大栄氏(1927生)、山城マカ氏(1921生)氏か ら1996年か ら1997年の臨地調査で採 取 した資料である。詳細は内聞 ・新垣 (2000)を参照 されたい。

辺野喜方言で/gw/を含む語は、ワ行書 の 「ワ

「ヲ」と 「ガ」に対応す ることが わかった。 このような対応関係が明 らか になっているのは、辺野善 と隣接す る宇 嘉および奥で確認できた。 ここでは辺野書方言 の/gw/についてみてい く。

/gwa/は琉球方言の多 くの地域で 「ガ」に相 当す る音 として現れ る。例 えば南部 前島方言では[so:gwatJi](正月)のようになる。 このような対応関係は、中央語 における漢語昔の影響 によるものであると考 え られ る。つ ま り 「ガ」 に相当す る /gwa/は音そのものの内部変化 (内的要因)によるものではな く、外的要因に起因 す る音であ り、辺野喜方言特有 の音変化ではないため本論考では特 に取 り扱わな い。 ここで問題 となるのは、なぜ り行書が/gwa/に相 当す るのか とい うことで あ る。 り行書 に着 目す ると辺野喜方言では/gwa/音以外 に対応す る語例 も見出せ る。

り行子音/gw/の形成過程についてみると、辺野喜方言 のワ行子音 には仙//gw//W/

の3音が現れ る。そ の中で も/gw/は辺野喜方言特有 の音で あるo この昔 は どのよ うに形成 されたのか、 また この音は琉球方言 のワ行子音 を考察す る上で何 を示唆 しているのかについて考察す る。その手順 としては先ず、南琉球方言 に属す ほと ん どの方言で観察 され る/W/と辺野喜方言 の/gw/の関係 をみていき、次 に先島方言 で観察 され る化/と辺野喜方言 の/gw/の関係 について考察 した。

次 に/gw/と/W/との関係 を見た場合、中央語 にお いて上代ではすでにワ行子音は /W/で あ り、なおかつそれが現在 まで継続 されて いる。 また院政期 の 『類衆名義 抄』に見 られ る 「グ ヮ」の変化 した ものではな く[so:gwatsu](正 月)のように漢語 か らの借用である。一方、現在 の琉球方言で もそのほ とん どの方言が ワ行子音は

9

(10)

/ W

/である。

「ワ」に対応する

/ g

/に着 目すると、辺野喜方言では90歳か ら80歳 までの女性で

/ g wa

/が見 られ、70歳 になると男女 ともに

/ wa

/となっている。 この ことか ら90歳 か ら70歳 までの世代では/gwaノが古 く

/ w

a/が新 しいといえる。

これ らを踏まえて新垣 (1998)では上記のような全琉球方言におけるワ行子音 の変化について述べた。新垣 (1998)で特記すべきは、これ までは各地域 ごとの 音韻対応 としてのり行子音であったバ リエーシ ョンをひ とつの音変化の道筋 とし て示 した点にある。

4.内聞説

内聞(2004)で注 目すべきは、奄美 ・沖縄 と宮古 ・八重山のワ行子音の変化 を分 けて次のように考察 した点にある。

W> b 宮古 .八重山

4.1 琉球方言における母音の変化

琉球方言のワ行子音 に見 られるバ リエーションを解明するには、その後続する 母音が重要な鍵 になることが指摘されている。 まとめて示す と次のようになる。

1)琉球方言のワ行子音に見 られるバ リエーシ ョンを解明するには、その後続す る母音が重要である。

2)母音の形成過程が奄美 ・沖縄 と宮古 ・八重 山では異なるので、その両者 を 分けて考察する必要がある。

以上の2点である。それぞれの母音変化 については内聞 (2004)、遡っては中本 母音の図

1

1

lヽ 〆∵

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"… ̲ . u

i乙 ‑…

̲ ̲ 叫 ̲ ̲ ̲ . u . /

I

、、

・ a

∴ ‑、

奄美.沖縄母音図 宮古・八重山母音園

(11)

(1976)に詳 しいので参照 されたい。

5母音> 3母音> 5母音 (新〔e]【o]の成立 に伴 う) と奄美 ・沖縄の[W]>[b]bw]

[g]>[W]の変化 には連関性があると考 え次のよ うに述べて いる0

5母音か ら3母音への変化 に伴 って、沖縄本島方言 にも。[W]>[b〕の変化の兆 し はあった ものと考 え られ る。その痕跡が沖縄本島北部方言 に属す国頭村奥方言や、

辺野喜方言 にみ られ る[b]音である (内聞 ・新垣2000)0 奥方言 【bi:】(蘭草)、[bi:ri](坐 る) 辺野喜方言 [bi:】(蘭草)、[bi:T3](坐 る)

用例は少ないが、 ここでは[i]と結合 した もののみが残 って いて、音環境がはっ き りしている。(中略)ワ行 の[b]音 について段 ごとに資料 を整理 してみる。

語嚢 奥方言 辺野暮方言

ワ 私 Wan wan gwan

ヰ 蘭草 (ヰ) bi: bi: ヱ 男 (ヱけ り) ?unga ?unga

(内聞 ・新垣2000を基 に筆者作成) ワ行子音の【b]音化が狭母音化 に伴 って、起 こった言語現象であることを示 して いる。名護市 にも[bi:mata](為又) という地名があるが、 これ もり行子音 の[b]

普化 した痕跡でる。 また沖縄国頭村辺土名 に[bi:n](坐 る)、奄美諸島の中の与論 島立長方言で も[bjun](坐 る)、【bi:](坐れ)のように現れ る (中本1976)0

内間 (2004)では トi]のような環境 に限って[b】音が残存 していると述べ、母普 環境 にこだわ りなが ら〔b]音残存の要因を探 ることに力が注がれている。

また、内聞 (2004)では[d]とb]との関係 について考察がなされている.その連 関性 については、古 くは村 山 (1981)にも見 られ る指摘であるが、り行 の[b][W]

の関係が即、ヤ行の[d]lj]と関係 してい くとい う点はやや論 に飛躍が感 じられる。

両氏の頭の中では豊富な調査資料 と経験か らそ のよ うな論 を導き出 したものと考 え られ るが、その変化 の詳細な説明が必要であるよ うに感 じる。

ill

(12)

5.ワ行子音の変遷 を検証す る

『図説琉球語辞典』 (中本1981)に基づ いて り行子音 の変遷 を検証す る。中本 (1981)にはり行子音 を含む語嚢が収 さめ られている。琉球方言全体 のり行子普 の有様 を考察す る場合、中本 (1981)の研究は大変有効であると考 え られ る。そ の理 由としては、1つ 目には全琉球 を網羅 した広範囲におよぶ研究であること、2 つ 目は語嚢 をその系統 に分類 し分布 を示 していること。3つ 目は、1人の調査者 に よる記述研究で、資料が統一 して いることが理 由である。本書 を引用 しなが ら、

り行子音の変遷過程 について観察す る。

まず、中本(1981)には、り行子音 を含 む語嚢が見 られ る。 「5.1夫」「5.2女 きょ うだい」「5.3腹」「5.4砂糖 きび」「5.5蘭」「5.6線」「5.7女」「5.8男」「5.9男 きょう だい」である. ここで着 目すべ き点 は次 の とお りである。①無声子音【b]が現れ る。②[g]が現れ る。③[b】[p】が現れ る。④①か ら③が現れない。以上のよ うな視 点で中本 (1981)のワ行子音 に対応す る語嚢 の分布地図を観察 してい く。

5.1「夫」

全琉球方言の 「夫」 を表す語は 「ヲッ ト」 に対応す る。次 のよ うな語例がみ ら れる。ウ トウ系には[wutu:][wu:tu]【wutu][wuttu]〔?uto:][?utu][◎utu]、グ トウ系 には[gutu]、ブ トウ系には[butu]lbutu]lbudu][bikidun]lbikidumu]が見 られ る。

詳細 については巻末の地図1を参照 されたい。なお地 図1は中本 (1981p.97)を 基 に筆者が作成 した。

「夫」 という語嚢 の分布 を観察 してみるとワ行子音の部分 に①無声子音[t?]が現 れ る。②[g]が現れ る。 これ らを踏 まえて全琉球 にお けるそ の子音 の変化 を図示 す ると図1のようになる。

図1「夫」 (ヲッ ト)

g

?

以下 中本 (1981 p.96)を引用す る。

夫 を表す琉球語 は、ウ トウ系 ・グ トウ系 ・ブ トウ系で あ り、単一話形 の

(13)

★wopitoにさか のぼ る。奄美大 島北部 は ウウ トウwutu、南部 は ウウ トウ‑

wutu:である。喜界 島 と徳之 島はwutuとウ トウ?utuが ある。沖永 良部 島 と 与論島は圧倒的にwutuである。沖縄北部は?utu、タ トゥー?utu:が多 いが、

沖縄 中南部ではwutu、?utuが多 い。久高島 ・与路 島 ・喜界 島花 良治ではグ トウgutuとなる。

南琉球では語頭音がバ行書 になるのが特色である。宮古がブ トウbutuで、

八重 山はbutuのほかに、ブ ドウbuduのよ うに語 中子音が有声化す る形があ る。 (中略)夫 を表す琉球語は次 のような変化過程 を経ている。

*wopltO )woOutu )wu:tu )wutu wOP.ltO wup.itu ーwuttu 'bupltO ‑boOuto )bu:tu ‑1butu

‑budu

南琉球のり行b書は次 に続 く母音の音声環境 に左右 され ることな く、常にb なので、Wよ り古形 とみることが可能だ。

以上のように述べ られている。中本 (1981)では、おおよそ ワ行子音の変化 に ついてb系統 とW系統 の音変化 にわけている。 またそ の変化 としては (b>W)と 捉 えているといえる。 しか し中本 (1981)では これだけに留 ま り、研究の対象 と

して ワ行子音 にはあま り目が向け られていない。

5.2 「女き ょうだい」

全琉球の 「女き ょうだい」を表す語 は 「ヲナ リ」 に対応す る。 これ についてみ てい く。 この語は、 ヲナ リ系 とブナ リ系の2つに分類 され る。 まず、 ヲナ リ系に 所 属 す る語 には、 [wunar日wonariHwunar/WonarHwuna:r日wunai:Hwunai】 [?unai]ljinai][◎unai]lwuner]lgunai]lgunari][◎inai]があるo また、ブナ リ系に所 属する語には次のような語のバイエーションがみ られ るolbunari]lbunar.l']lbunaru]

lbunal]lbunar]lbuna乙・llP)una乙・11]lbunai]o詳細 については巻末の地図2を参照 さ れたい。なお地図2は中本 (1981p.111)による。

この語 の語 形 のバ リエ ー シ ョンで注 目す べ きは 、屋慶名の [◎unai]と粟国の

【◎inai]、喜界島阿伝 と久高島の[gunai]、喜界島花良治の[gunari]、そ して宮古大 神島のP?unazll']である.

13

(14)

喜 界 島 阿伝 と久 高 島 の[gunai]、喜 界 島花 良治 の[gunari]につ いて は、新 垣 (1998)で述べた変化 の流れで説明できる。 また ここで も前述の 「夫」の分布 の よ うに①無声子音 [b]が現れ る。②[g】が現れ る。 これ らを踏 まえて全琉球 にお け るその子音の変化 を図示す ると図2のよ うになる。

図2「女 きょうだい」 (ヲナ リ)

ここでは、屋慶名の【◎unai]と粟国の【◎inai]について、上記 の変化 の中にどのよ うに位置づけ られるのかについて考 える必要がある。

そ して、本稿で、 これ まで に述べてきたよ うに宮古大神 島の[t)unaz・1・]は全琉球 方言のり行子音の大きな流れ を考 える上で重要である。

5.3「腹」

全琉球方言の 「腹」は 「ブタ」 に対応す る。 これ を表す語 としては、 ワ夕系の lwa(:)ta:][wata][watta:]とバ タ系 の[bata][bada][bata]が見 られ るOそれ らの分 布 を観察 してみるとワ夕系は奄美 ・沖縄 に分布 し、バタ系は宮古 ・八重山に分布 していることがわかる。 「腹」で注 目すべき点は、ただ1点である。宮古 の大神島 方言では〔bata]となってお り(D無声子音[t?]が現れ る。 この点 は前述 の 「夫」 「女 きょうだい」の分布 と同様である。 しか しワ行子音 に対応す る[g】は現れない。詳 細 については巻末の地図3を参照されたいOなお地 図3は中本 (1981p.67)による.

図3「腹」 (ワ夕)

5.4 「男」

全琉球の 「男」 を表す語は 「ヱケ リ」 に対応す る。 これ についてみてい く。 こ の語は、ヰキガ系、 ビキ ドモ系、 ビンガ系の3つに分類 され る。ヰキガ系には次

(15)

のよ うな語形がみ られ る。語例は以下 の通 りである。

lwggia]ljigga:]bi8ga]begga]lwigga]bigga]lwuiga][◎uiga][?uggaH?u◎upga]

lwuGiga][?upgwa]biGiga]lwikiga]bikiga:]biki(:)gaH?ike:ga:日?ikiga]bukiga]

[?ukiga][8kiga

Gikiga]。次にビキ ドモ系では【bikidumu日bikidum日bikidun]

lbikindun日bigidunHbi:do:Hbidun]lbidumu]lbiGidun

H

bikidum】で あ る。 ビ ンガ系には【bipga]がみ られ る。

ヰキガ系の語例は奄美 ・沖縄 にみ られ、 ビキ ドモ系は宮古 ・八重 山にみ られ、

そ の分布 の境界は明確である. ここで注 目すべきは屋慶名 にkikiga]がみ られ る ことである。

しか し与那国島では ビンガ系[bigga]がみ られ、これはむ しろヰキガ系 と同様 に ヱケ リに対応するもの と考 え られ る。なぜ与那国のみに飛び火的に見 られ るのか についての考察は別の機会 に譲 る。 ここでは上述の 「腹」同様 に 「①無声子音P]

が現れ る」点が重要である。上記 の資料 を基 に 「男」 という語桑 のワ行子音 の変 化 を示す と次のよ うになる。詳細 については巻末の地図4を参照されたい。なお 地図4は中本 (1981p.89)を基 に作成 した。

図4 「男」 (ヱケ リ)

三 ・ ( ウ p b ) ー W ‑ ‑ ( 9 ◎ ‑ ) < 一 一 ‑ C ー

j 7 I]

(宮古 ・八重山)

'

<:

5.5 「砂糖 きび」

全琉球の 「砂糖 きび」 を表す語 は 「ヲギ」に対応す る。 この語は、ヲギ系 とス ジヤ系の2つに分類 され る。 まず ヲギ系に所属す る語 としては次のような語例が み られる。

lwugi:]lwu:gi(:)]lwu:k][?u:gi:][?ugi:][?u:gi][?ugi]lwu:d3i]lwud3i:]lwu:d3i] 15

(16)

lwud3i][?u:d3i][?ud3i]lwuni][?u:ni]lgud3i]lgud5i]lgui]lguni][◎u(:)d3

i

][如 gi] lbu:gz'l']lbu:dz'l']lpu:k'f]O次にスジャ系には次のような語例が見 られる。[S'1'ddza]

Uindza]Uind3a:Hkittsa][S.l'ttsa][?amas.lC'na][0 ?amada]lJira]oこ こで着 目す べ き は ワ行子音 に対応す る音 に[p]が現れ る ことで ある。 これ までみてきた[b]も現れ てお り、有声無声の対立す る音声の両方が見 られ る点は着 目すべきである (以下

③ [b][p]が現れる、とす る)。 またあわせて②[g]が現れ る。詳細 については巻末の 地図5を参照 されたい。なお地 図5は中本 (1981p.195)による。

図5「砂糖 きび」 (ヲギ[荻])

5.6「蘭」

全琉球の蘭草を表す 「蘭」は 「ヰ」に対応す る。 この語は、ヰ一系 とビー系、

ビゴイ系、カマ系の4つに分類 され る。 まず、 ここで注意すべきは、その対応語 である。ヰ一系、 ビー系は 「蘭」 に対応す る。 しか しビゴイ系は 「備後蘭」 に対 応するので、 ここでは基本的 には考察対象 とは しない。あわせてカマ系について 中本 (1981)では対応語が示 されていないので、 ここでは考察対象 とは しない。

この語で考察の対象 として注 目すべきは、ワ行子音 に対応す る音 に 「③ [b][p]が 現れる」点である。詳細 については図6を参照 されたい。なお巻末の地図6は中 本 (1981p.199)による。

これらの語形を一つの変化の流れで捉えた場合には、次のような一連の流れが考えられる。

図6 「蘭」 (ヰ)

また上記の音声変化 を踏 まえて、中本 (1981)の 「蘭」の分類 にみ られ るよ うな 与那国島の[di:]はヰ一系ではな く、 ビー系 に分類すべきであろ う。与那国島のlj]

>【d]への変化 を考 えれば、与那国島方言 における 「蘭草」の変化は[wi:】>【bi:]>

(17)

lwi:]>bi:]>[di:】の変化を経たと考えなければならないoよって、与那国島の[di:] はヰ一系ではな く、ビー系に分類すべきであると考え られる。

中本 (1976pp.201,205)ではヤ行書 に対応す る音声、 ワ行子音の対応音声に ついて述べ られているが 「蘭」についての用例が示 されていないため、ワ行子音

「ヰ」は[bi】【N]に対応す る旨が述べ られている。本書の段階で もワ行子音の音声 のバ リエーションについては特 に記述がみ られない。

5.7「縁」

全琉球方言の 「縁」を表す語は 「ヱ ン」に対応す る。次のような語例が見 られ る。エ ン系にはljen]、ヰ‑ ン系にはbi:n]bin][?i:n][?in]ljinu]、ヒン系にはkin]、 イヰム系にはbim]、ギ ン系には[gin】がある。 ここで注 目すべきはワ行子音に 「② [g]が現れる」点である。詳細は巻末の地図7を参照されたい。 これ らの変化の流 れは図7のようである。

図7 「縁」 (ヱ ン)

5.8 「女」

全琉球の 「女」を表す語は 「ヲナゴ」に対応する。 これについてみていく。 こ の語は、ヲナゴ系、ヰナグ系、ミ ドモ系、ミヌガ系の4つに分類 される。 しか し 本稿の目的はワ行子音に対応す る音声のバ リエーシ ョンについて観察することな ので、その対応語形がミ ドモ、ミヌガ となるミ ドモ系、ミヌガ系は ここでは考察 の対象外 とする。まず、ヲナゴ系に所属する語 としては次のような例が見 られる。

lwonagu]lwunagu:Hwunagu][?unagu][◎unagu]lwonak]lwuna(:)k】buna(:)k]

[?una(:)k]lwunagu][wunan]lgunau]。

次にヰナグ系の音声バ リエーシ ョンについてみていく。語例は以下 に示す とお りである[winagu]ljunagu]binagu]bina:gu][?inagu:]buna:gu][?inagu]binau]

bunagu]kinagu]lna:gu].上記に示 した 「女」を表す語例はすべて奄美 ・沖縄 に 17

(18)

のみ見 られ る例である。 ここで も注 目すべきは、上述の 「縁」 と同様 「②[g】が現 れ る」点 で あ る。詳 細 につ いて は地 図8を参 照 され た い。なお地 図8は 中本

(1981p.91)による。変化 の流れ を示せば 図8のようになる。

図8「女」 (ヲナゴ)

奄美 ・沖縄 の 「女」 を表す語は、(W> j>

?

i(?u)>脱落)あるいは (W> ◎>

G>脱落)のような変化 を経ているもの と考 え られ る.

つま り奄美 ・沖縄方言でよ く観察 され る 「女」 を表す語は、ヲナゴ系、ヰナグ 系 と分類す るよ りも中本 自身が中本 (1981p.90)で述べ るように[★wominago]に 遡れるのであれば、その変化はワ行子音 の一連の流れの中で説明 して もよいもの であると考 える。

5.9「男きょうだい」

全琉球 の 「男 きょうだい」を表す語嚢 は 「ヱケ リ」 に対応す る。 この語は、ヰ キー系 とビギ リ系の2つに分類 され る。 まず、ヰキー系に所属す る語 としては、

lwiki:][?wiki:]biki:][?iki:]buki:][?uki:][wuki:]bigiri]bigirHwuG:bi]lwuibi] [?uGi:]be:ri]lji:ri日jiri]lje:r]lji:i]lji:Hwui]bexeri]が あ る. また、 ビキ リ系 に所 属す る語 には[bikilHbikir][bugir.I.日bigiru]lbikizi]lbiki:][bigi][bieir'1.]がある。

なお図9は中本 (1981p.109)による。

ここでは、ヰキー系に注 目す る必要がある。 ビキ リ系の母音がすべて[i]である のに対 して、ヰキー系では【i][u][e]といったバ ラエテ ィーがみ られ る。そ こで、こ こでは母音 も含 めてその変化 を示す。詳細 については巻末の地 図9を参照された い。

図9 「男きょうだい」 (ヱケ リ)

(19)

男きょうだいを表す語 はヰキー系 ・ビキ リ系であ り、単一語系の★wekeriに遡る。

そ の語形 は、ヰ キー、イヰ ヒ リ、 ビキ リで ある。ヰ キー は沖縄地域 に分布 し、

lwiki:]biki:H juki:]な どの形がある。イヰ ヒリは奄美地域 にあ り、話 中のkがh のように

[ G ]

音 を留めるが、周辺では、喜界島 ・徳之島のイヰ‑ リbi:ri]沖永良部 島のイヰ‑ lji:]のよ うに Gが脱落 して いる.与論 島は奄美大 島 同様 Gを留め、

ウウヒ‑ ビ[wuGi:bi](★ゑけ り部)で ある。南琉球 になるとワ行頭書がbであるか ら、宮古で ビキズ[bikiz'l']八重 山では[bigir'1']となる。

6.地名に見 られ るり行子音変遷の痕跡 6.1.「保栄茂」の事例

ここでは 「保栄茂 (ぴん)」が語 る琉球方言 の音韻変化 について考察す る。沖縄 本島の南部 に 「保栄茂」 という地域がある。当該地域は現在 「ビン」 と呼ばれて いる。地名 を考察対象 とす る場合 には、後 の当て字なのか否か ということに留意 す る必要があることは周知の通 りである。 この ことをまず断わってか ら、沖縄南 部の地名である 「保栄茂」について考察 してい く。

『沖縄古語大辞典』 には 「保栄茂」の表記 として 「ばへむ」 と立項 されている。

これ をⅠ.PA.表記 してみ る と①[bohemu]とな る。 しか し、漢字表記 をそ の まま I.P.A.表記 してみると②[howemo]となる。 まず、琉球方言全体 の高母音化が当該 地域 にも起 こっていた ことを考 える と③[huwimu]となる。①で問題 となるのは 語頭 の[boHhe】の部分 で ある。琉球方言全体 の高母音化 を考 えれば語 末 の母音 [mu]は妥 当である。 しか し、語 中の[he】については 「栄」 に[he]と当て るのは、

過剰類推であると考 え られ る。おそ らく[we]までにしか遡 ることはできないし、

[we]は、[we]‑[wi]への変化 を起 こして いった と考 え られる。

次 に語頭 の[bo]であるが、 これは非常 に重要な事例である と考 え られ る。先 に も述べたよ うに漢字表記 の[h]が現在発音 されて いるよ うな[b]に変化す る こと難 しい。語頭の 「保」はかつて[p】と発音 されていたであろう。 この ことは全琉球方 言 のハ行子音 の変化 をみ ると容易 に想像で きる。 しか し[p】が[b】に変化す るのは 容易ではない。 この変化が実現 され るには両者が混 同す る状況が必要である。つ ま り、 これ までに見てきたり行の変遷 と、 この 「保栄茂」の音変化は決 して無関 係ではないと考 え られ る。 ワ行 の【b]とかつては[p]であった現在 のハ行 とが[b]の 19

(20)

無性化 とい う[p]とも[b]とも聞 こえるよ うな音 声 を介在 して混 同 した もの と考 え られ る。以下 に 「保栄茂」 の音変化 の過程 を述べ る。

[表

2]

②③④⑤⑥⑦ ]]「」

o

O 二1 u

mmm

ee二‑i

WWW

oo二1u

pニ‑bb。 1.=㍑=

uu

b。b。

い‑ ニ1 ‑

b,a

[[

Ta ]

音 [p]

声子音 [b]音化 中間母音 の高母音化

両唇接近音 の統合

末尾母音 の脱落

母音融合

母音 の共通語

以上[表2]のよ うな音韻変化 を経て 「保栄茂」は 「ホエモ」か ら 「ビン」へ と変化 した もの と考 え られ る。

6.2.「斎場御獄」の事例

ここではまず 「斎場御獄」 について概観 してお く。沖縄全域 には、集落や航海 の無事 を見守 る神な どが祭 られて いる聖地が多 く見 られ る。 これ らは 「御獄 (う たき)」 と呼ばれて いる。そ の中で も 「斎場御獄 (せ いふ あー うたき)」は、琉球 王国で最 も格式 の高 い聖地 とされて いた。琉球王国時代 、斎場御獄では、神女で もっ とも位 の高 い聞得大君 (き こえおお きみ) の就任儀式 「お新下 り (おあ らお り)」や、国の五穀豊穣や平和 を願 い、国王 自らがお参 りす る 「東御廻 り (あが り うまい)」な ど、国の大切な神事が行 われて いた。 当時は国王や聞得大君な どのご く限 られた人 しか入 る ことができなか ったが、現在では一般 にも開放 され 「拝み」

をす る人が絶えず訪れ る御獄で ある。

そ の 「斎 場 御 獄 」 は 「せ ‑ ふ あ うた き」 の よ うに発音 され る。 これ を音 声 字 母 で記 す な らば[se:◎autaki〕とな ろ うか 。 この対 応語 は[saibautaki]また は

(21)

[Jaibautaki]であると考 え られ る。 ここではサ行子音 の音価 までは確定できない。

まず母音 の融合 によ り[se:bautaki]または[Je:bautaki】とな る。次 に語 中の[b]音 が無性化 し、音価 として【p】と非常 に近 い音声 に変化 した ものと考 え られ る。その 結果、無性化 した〔b]は[p]と混 同を起 こし〔p]へ と変化 した。そ して語 中の[p]はも ともの とのハ行子音 とともに[p】>[◎】の変化 を経て【se:◎autaki]と発音 され るに 至 った と考 え られ る。

[表

3]

(∋ [saibautaki] J

@ lle: bautaki] J

@ lle: I?a utaki] J

④ [Je: pa utaki] 1

J e :

◎a utaki]

連母音の融合

無声子音 [b]音化

無声子音[b】の[p]音化 語 中[p]の[◎]書化

7.まとめ

本稿で明 らかにした点は次の とお りである。

1) 無声子音〔b】書の設定

名嘉真(1992)の示すよ うにb音の変化はハ行転呼音 と無関係ではにだろう。 「保 栄茂」の事例 をみて も[bowemo]の古形が[howemo]であるとは考 えに くい。有声 音[b]と対立す る音素 として、やは り平行的に[p]を立て る必要がある。 しか し[p]

が即[b]に変化 したのではな く、む しろ内間 (2004)が示す例のように[b](bの無 声化:pともbとも聞 こえる音声で咽頭 に緊張はない) を設定す る必要がある。加 えて言 えば 内聞 (2004)では八重 山方言 の一部 にしか認め られていない[b】であ るが、「保栄茂」の事例か ら考 えれば、沖縄本島にも

[ b]

が存在 していた可能性が ある.つ ま り全琉球 にお いて、かつては り行子音 に対応す る[t)]が存在 して いた 可能性がある。

21

(22)

2) 「ブナ tJ系」 と 「ヲナ リ系」は同系統、 しか し母音形成過程は異質 中本 (1981)では 「女きょうだい」 を表す語 を次のよ うに分類 している。

女 きょうだいを表す語 は★wonariにさかのぼ り、語頭音 によって ヲナ リ系 とブナ リ系に別れ る。

しか し 「女 きょうだい」を表す語 も上記 に述べてきた語桑 と同様 にW>bへの変化 を辿 った ものと考 え られ、決 して系統的 に異なるもの というわけではない。ただ し、奄美 ・沖縄 と宮古 ・八重 山のb音は母音 の形成が大 き く異なるため、その形 成過程で伴 う母音 (結びつきやす い)が異な るため、現在 のb音残存の状況が異 なるもの と考 え られ る。内聞 (2004)で示 され るよ うに、奄美 ・沖縄 のb音がW に変化 したのに対 して、宮古 ・八重 山のb音が変化 を遅 らせた要因に母音 の形成過 程 と変化があげ られよ う。

「女きょうだい」を表す語 のり行子音はひ とつの古形 に遡れ るであろうし 「ヲナ リ系」 と 「ブナ リ系」に分かれ るのではな く、かつては 「ヲナ リ」が全琉球 に分 布 していたであろうし、次 に 「ブナ リ」 に変化 し、母音形成の違 いによ り、子音 bと母音 との結びつき、そ して定着度合 いに差が生 じ、現在 のよ うに奄美 ・沖縄 は様 々な子音バ リエー シ ョンを生 じ、宮古 ・八重 山にはb音が定着、残存 した も のと考え られ る。つ ま り 「女 きょうだい」を表す 「ブナ リ系

「ヲナ リ系」はワ行 子音の変遷 という一つの流れで説明できるのである。

3) 村 山説 と名嘉真説の考察対象

上記で述べたよ うに村 山説 と名嘉真説は相反す るり行子音の変化過程 を示 して いた。琉球方言のワ行子音 の変化 を村 山は (W>b)とした し、名嘉真は (b>W) とした。一見、相反す る変化 のよ うに見 えるが、 これは一連 の流れの中のある一 部分 をそれぞれがそれぞれの立場か ら検証 した結果であると考 え られ る。 ワ行子 音 の概要 を大 まか に示せば (W>b>W)とい う変化 を辿 る。村 山は前半部分 の (W>b)を、そ して名嘉真は後半部分の (b>W)を切 り取 り、それぞれが検証 し考察 を進めていた ということであろう。そのため、それぞれの検証結果は決 し て間違 った ものではないが、 しか し相反す る結論が導 き出された。 これ らの事実 を踏 まえれば、琉球方言 のり行子音 の変化 は例 えば

Ⅹ‑Y」のような単純な変化 ではないということが考 え られる。琉球方言のワ行子音の変化はかな り複雑な変

(23)

化 を重ねてWやbといった音声 を基盤 に一見、行 きつ戻 りつのよ うな状況である が、い くつかの音変化 を繰 り返 しなが ら現在 の ワ行子音[W]に至 って いるもの と 考 え られ る.大 きな一つの変遷の流れ を示す ことができて もそれは、ひ とつの大 きな道筋に過 ぎず、すべての事象 を網羅 しきれていることにはな らない。それが 琉球方言研究の醍醐味で もあ り、難 しいところで もある。今後はそれぞれの地域 のワ行子音が どのようなパター ンの変化 を辿 ってきたのか音韻対応や変化 を丁寧 に見極めなが ら考察 してい く必要がある。

4) 「保栄茂」の音韻変化 を踏 まえる と、かつて沖縄本島にも無声子音[b]が存在 していた ことが推察 され る。琉球方言 のワ行子音 の一部は古 くは無声子音[b]で あった と考 え られ る。 この無声子音[b]を設定 しなければ、かつて[p]であったで あろう 「保栄茂」の 「保」のような音韻変化 を解 くことはできない。 このことに 辿 り着 くには内聞(2004)の示す祖内の資料が大 き くヒン トとなった ことを記 して お く。 「保栄茂」の事例 を含 めて全琉球方言 の り行子音 の変遷 をまとめると新垣

(1998)のり行子音の変遷の一部は改める必要がある。

5) 「斎場御獄」の音韻変化 を踏 まえると、かつて沖縄本島にも無声子音 [tP]が存 在 していた ことが推察 され る。琉球方言 のり行子音 の一部 は古 くは無声子音[b]

で あった と考 え られ る. この無声子音 [t?]を設定 しなければ、かつてバ行 の子音 [b]であったであろう 「斎場御獄」の 「場」の[b]>[p]>[◎】のよ うな音韻変化 を解 くことはできない。

「保栄茂」の事例な らびに 「斎場御獄」の事例 を含 めて全琉球方言のワ行子音の 変遷 をまとめると新垣 (1998)のり行子音 の変遷の一部は改める必要があるO 図10「全琉球 におけるワ行子音 の変遷」新垣(2010)

6)全琉球 におけるワ行子音 の[b]音残存 を考察す る上では、奄美 ・沖縄 と宮古 ・ 八重山方言の母音の変化 を考察すれば、内聞 (2004)が示すよ うにり行子音 の変 化 も両者 を分けて考察 を進めるほうがよ り、その詳細 を知 ることができる。 しか 23

(24)

しなが ら大きな流れでその変化 を考 えるな らば 「保栄茂」や 「斎場御獄」にみ られ るように、少な くとも現在 には宮古 ・八重山に しか現れない無声子音 [t?]が沖縄本島 にも存在 して いた可能性がある。無声子音 lb]を設定すれば[p]への変化、 また[p]

か ら【◎]への変化 、さ らに[G]へ の変化 も比較的スムーズ に説明す る ことがで きる。

以上が本稿 明 らか にした点である。今後 はさ らに各 ワ行子音残存 の要因 を丁寧 に検証 して いきたい と考 えて いる。

4

轄翁

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2

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(25)

地 図2

ブナ リ系

女きょうだい( ヲナリ)

▲ ブ ナ ルbumar A ア ナ リbunari イヰ ナ イjinai

血 ブ ナ ズbunaFi Aプ チ リ ィbunar‡ E)アナ イOunai

ぬ IZ7サ j<甘unaJi' ▲ ブ チル 'bun18ru Aブ ナ イbunai A ブナtJbun^al

‑ ̲ . . t 屯 A r q J I J h

駈 I v q

g,ネ‑wune: mグナイgu,nai

功 グチ リgunari

団 ア /Jナ イ¢ihai

分布詐 5*JJ#

山 ケウナ t)wunari

Elヲナ ーJwonari

岨 サウナルWunar,WOnar

E)グウテ ー ルWuna】:ど

Eド グナ イーWtLnai:

Glケケ ナ イwtln^ai

flケサイクunBi

鮎与 糾

(26)

地図3

0

′くタ

ba t a

O バ

グb a d a

Lyバ ク

b a t a

腹 ( ワタ)

d ワ(‑.)タ‑

wa ( : ) t a :

白 ワタ

W如a

篭lワ ッダ

ーWa t t a :

告 ! こ ‑ I

沖 永 良 部 ^

甑 与 如

(27)

地図4

ビンガ系‑ ‑ ビキ ドモ系

男 (ヱケリ)

▲ ピソ ガbipga Ilビキ ドサム(ヌ)bikidumu(nu)

凶 ビキ ドゥんbikidum

Elビキ トヶンbikidun

E)ビキ ン ドゥンbikindun

B ビギ ドゥソbigidun

tヨビー ト■‑1/bi:do三

EZビ rゥンbidun

Clピ ドゥムbidumu

E)ピ ヒ ドグ y bi9idun

ロ]ヅ ビ キ ドゥJLbikidum

.16 ‑、

汲珊AI

J ・ A I Z l ▲

塙4

久米

J!LlI.l

J i ■

ングク9uDgWa

/◎ イヰ ヒガ 3'iGlga

O ヰ キガwikiga

㊤ <ヰ 卑ガ‑ jikiga:

③ イヰ キ(‑)ガjiki(軸a

④ イケ ‑ ガ ‑ ike:那:

◎ イキガikiga

⑥ ェヰ ガjukiga

⑦ ウ キガ nkiga

⑧ ンみガ Dkiga

⑨ ヒキ ガikiga

分布請 ヰキガ系 0 ヰ ンガwilga

◎ イヰ ンガ‑ jiDga:

◎ イキ ンガjigga

O ヰ ェン*'jelga

O ヰ ンが wit和a

◎ イキ ンか jiDDa

O ウウ イガ wuiga

⑳ ブ イガuiga

◎ ケ ンガ uDga

◎ タフ ンガ 相中u芯9a

O サケ ヒwuqiga

(28)

砂糖きび 【荻 (ヲギ)】 分布帯

0 シィ ,ジTSidd3a

O シ‑/ザfizldza

◎ シ ンジ ャーJind3争:

◎ キ ッツTkittsa

O 5'ィ・/ツ7・S王ttsa

◎ アマ シ ィヒナ TamaS紬a

e アマ ダ 2amada

◎ シラJira

ロ グジgud3i

E)タ イgui

国 ダニguni 合 ア(‑)ジ如 (:)d3i アギu9i

▲ プーギ汐buigZ王

▲ 7‑ジ ィbu:dzi

▲ 7'‑ キ ィpu:ki

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地図5

(29)

地図6

▲ カ ハマkZPa

蘭 (ヰ)

ビゴイ幕

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○ ビリグbtigu e ビター'/b暮:A

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細 れ

(30)

地図7

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(31)

地図8

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▲ ミヌガ minuI)a 山 ミド ゥム ヌmidumunu

B ミ ドゥムmidumlu

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⑦ イナ ダ?inagu

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⑳ ナ‑ グnaIgu

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〇 ケゥナグwuna/gil O ウナ2'?unagu 争、7ナグ ¢unagu

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鮎叫

(32)

地 図9

▲ ビ キ'Jbikil

▲ ビキ,Ibikir

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▼ ビキ六bikit‡

▼ピキ‑biki:

▼ ビ ギbigi

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Elイヰ キーjikj: Elイキー クiki: mユキ‑3uki: e]ウキ‑℡uki:.

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(33)

地図10

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白地図

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(34)

地点一覧表 (中本 (1981pp.459‑463)を 基 に 筆 者 作 成 *地名の後の番号は地図上の番号を示す)

奄美 志戸桶 61名護 63瀬底 56友 利 63

奄 美大 島 塩道 73屋 部 01粟 国 島 砂 川 21 佐仁 39徳 之 島 呉 我 32前浜 35来 間 島

用 76松原 69平 良 1 渡 名喜 島 来 間 71

根瀬部 34山 23嘉 陽 23渡 名喜 98多 良間 島 名瀬 48平土 野 58辺 野首 93慶 良問諸 島 伸 筋 88 恩勝 89天城 20名嘉真 28座 間味 島 51水納 島

赤木 名 90井 之川 69恩納 21渡嘉敷 島 36水納 08 竜郷 12亀津 37谷 茶 ll 久米 島 八重 山

浦 上 53沖永 良部 島 石 川 41宇江 城 20石垣 島

久 志 42国頭 54伊 良皆 22比嘉 82石垣 72 屋鈍 45事 々知 名 91惣慶 70鳥 島 38川平 66 久 慈大浜 17新 城 58金武 07西銘 80大浜 69 湯 湾 49瀬 名 52屋慶 名 73島尻 71吉 良 19 西仲 間 14田皆 07与儀 35久 高 島 白保 16 小湊 04上城 17大 山 30久 高 75西表 島

古 仁屋 35瀬利 覚 92野 嵩 12宮城 島 祖 納 98 加 計 呂麻 島 知 名 18津 覇 34池 味 74古 見 31 薩川 42与論 島 首 里 78津 堅 島 鳩 間 島

須子茂 44茶花 27那 覇 42津 堅 36鳩 間 18

瀬相 88立長 10新 里 89宮古 小浜 島

押 角 39麦屋 36久 手堅 99池 間 島 小浜 92

諸鈍 61沖縄 与根 24池 間 78黒 島

与論 島 沖縄 本 島 志 多伯 24大神 島 東 筋 20

与路 46奥 95糸 満 39大神 33竹 富 島

請 島 宇嘉 74喜 屋武 76伊 良部 島 仲廟 84

請 阿室 42佐 手 09奥武 49伊 良郭 ll 新 城 島

喜 罪 島 辺土 名 42伊 平屋 島 長 浜 06上地 16 大朝戸 39大 兼久

0 0

我喜 屋 15宮古 島 波 照間 島

湾 05屋古 86伊 是名 島 大浦 41 70

中里 ■22安波 25伊 是 名 島 24平 良 (市 ) 92与 那 国島 阿伝 94具志 堅 85伊 江 島 西原 59祖 納 99 花 良治 71仲 宗根 20東江 43与那覇 27

参照

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