[ⅱ] その時の気持ちを教えてください 悔しい ばれない 先生に見つかったらやばい とてもいやな気持ち 不安 焦り これくらい破ってもいいかな 怒られるのがいや 2 あなたは今までに 誘惑に負けそうになりながらもルールやきまりを守ることができたことはありますか [ⅰ] どんな状況でしたか 友達にいけ

全文

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第1学年 道徳学習指導案

平成27年7月1日(水) 第5校時 1 主題名 社会の中で守るべき正義 4-(1) 2 資料名 「傘の下」 (出典 「中学生の道徳 かけがえのない きみだから」学研) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値について 本主題は道徳の内容項目4-(1)「法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自他の権利を 重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規律を高めるように努める。」ことを主な価値としてい る。小学校においては、公徳心をもって法やきまりを守り自他の権利を大切にし、進んで義務を果 たすことを学んできている。これを受けて中学生の発達段階においては、この社会に秩序を与え、 摩擦を最小限にするものが、法やきまりであることを理解していくことが大切である。また、これ らを確実に守ることで、社会の中での人間としてのよりよい生き方にもつながることを学んでいく ことが必要である。つまり、中学生の時期は他律から自律への過程とも捉えることができ、道徳性 の発達は大きな可能性を秘めていると考える。 しかし、正しいことと分かっていても全てを実行できないのも人間である。正義と誘惑の狭間で 葛藤する経験を生かしながら、法やきまりについての意義を十分に考えさせ、社会の秩序と規律を 自ら高めていこうとする意志や意欲を育てていく。 (2) 生徒の実態について 1年生の1学期ということもあり、中学生としての自覚と規範意識を持ち、集団生活をよりよい ものにしようと心の成長が見受けられる生徒や、他者依存性が高く、他からの促しがないと自らき まりを守り、実行に移すことができない生徒など、様々な生徒が混在している。従って、この時期 に「法やきまりを守ることの大切さ・意義」について生徒自らの体験を交えながら考え、深めてい くことは、個人及び集団のよりよい生活につながり、さらには社会の一員としての責任を果たそう とする心を育めると考える。 事前のアンケート結果は以下の通りである。 〈平成27年6月11日実施 〉 ① あなたは、今までに、ついルールや決まりを守れなかったことはありますか。 [ⅰ] どんな状況でしたか。 ・エスカレーターで広がった ・ろう下を走った ・帰宅時間を守らなかった ・遊んではいけないところで遊んだ ・信号無視 ・飲食禁止の公共施設でおかしを食べた

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[ⅱ] その時の気持ちを教えてください。 ・悔しい ・ばれない ・先生に見つかったらやばい ・とてもいやな気持ち ・不安 ・焦り ・これくらい破ってもいいかな ・怒られるのがいや ② あなたは今までに、誘惑に負けそうになりながらもルールやきまりを守ることができたことは ありますか。 [ⅰ] どんな状況でしたか。 ・友達にいけないことを一緒にしようと言われたけど、ダメだよとやめさせた。 ・交通ルール [ⅱ] その時の気持ちを教えてください。 ・嬉しかった ・きまり事だから仕方ない ・気持ちがよい ・面倒くさいけどやらなきゃ ・堂々としていられる ・自信がもてる アンケートから、生徒は「ルール」について幅広く捉えているようである。また、ほぼ全員が日 常生活の中で「ルールを守ることの大切さ」を感じながらも大小問わずルールを守ることができな かった経験があることが分かった。きまりを守ることができないことへの罪悪感や不安はあるもの の、「これくらいは…」「ばれないから」といった心の隙を垣間見ることができた。程度の差こそあ れ、生徒のこのような体験や気持ちは、資料中の「ぼく」への共感につながると考える。反対に、 誘惑がありながらも正しい行動をとれた経験もあるので、「ぼく」の心の中にある「葛藤」や「罪悪 感」を感じる場面での発表に生かしたい。また、振り返りの場面では、正しい価値観をもって判断 できた自分自身に自信をもたせ、誇りに感じた気持ちを考えさせたい。 (3) 資料について 傘を持たずに耳鼻科にやってきた「ぼく」が、診察を終え、帰ろうとすると雨が降っていた。入 り口にある傘立てから、「置き忘れた傘だからいいだろう。」と都合良く解釈し他人の傘を拝借する。 傘の持ち主の女性は、社会の決まりを守り、自身は雨に濡れながらも駆けて行った。後日、事実を 知った「ぼく」は、複雑な気持ちになりながら女性を見送るという内容である。場面ごとに「ぼく」 の心の変容を大切に扱っていくことが大切である。自分を正当化する場面では「ぼく」の心の底に ある罪悪感に気付かせたい。また、女性に申し訳なさを感じ、忘れられない苦い思い出として残る 場面では、「ぼく」の考えの背景にある、よりよく生きたいと思う心を見つめさせたい。 4 ねらい 社会の中で守るべき正義としての法やきまりを大切にし、秩序と規律ある社会を実現しようと する力を培う。

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5 他の教育活動との関連 家庭との連携 学級通信や学級懇談会などで、クラス・学年・学校として取り組んでいることを積極的に発信し、 保護者に理解してもらえるよう努める。 6 学習指導過程 段階 学習活動・主な発問 予想される生徒の反応 指導上の留意点 ☆ 評価の観点 導 入 気 づ く 5 分 1 アンケート結果を共有 し、ルールの存在意義やそ の価値について話し合う ことを確認・提示する。 ★「今日は『ルールの大 切さ』について考えてい きましょう。」 ・価値や資料への方向付けをす る。 ・ペアによる話合いや座席を移 動等の工夫をする。 ・考えていきたい価値がぶれな いよう、明確に提示する。

事前指導

【4月 学級活動】 ・中学生の規則・学級目標 【5・6月 授業、行事】 ・ルールを守って、取り組む ことに意義がある。

道徳の時間

【1学期】資料名「傘の下」 ・社会の中で守るべき正義と しての法やきまりを大切 にし、秩序と規律ある社会 を実現しようとする力を 培う。 4-(1) 【2学期】資料名「オース トラリアのマス川」 ・法やきまりの意義を理解 し、規律ある社会の実現 に向けて、自分に課せら れた義務を確実に果たそ うとする力を育む。 4-(1)

事後指導

【行事】【部活】【各教科】 ・学校生活や社会の中での 規則、ルールを守る責任 を伝えていく。 ・正しい判断や価値観を持 ち生活できるよう、学校 教育活動全体を通じて、 道 徳 性 を 発 達 さ せ て い く。

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展 開 と ら え る 10 分 2 資料「傘の下」の条件・ 状況を知る。 ・範読 ・「後で話し合いたいところや 自分が気になったところに 線を引きながら聞きましょ う。」 ・「話し合いたいところがあれ ば教えてください。」 ・範読中、話し合いたい場面 に線を引く。 ・展開の時間を確保するために 概要を伝えてから範読する。 ・資料には様々な価値が含まれ るが、ねらいを達成するため に価値を焦点化するような発 問をする。 ・話し合う柱を全て提示し、後 半 に 深 く 話 合 い が で き る よ う、進めていく。 深 め る 10 分 3 「ぼく」の気持ちを中心に (1)~(3)の柱立てを行 い、話し合う。 (1)他人の傘を手にしてし まった「ぼく」はどん な気持ちだったのだろ うか。 (2)なぜ「ぼく」は傘を返 したときに、ほっとし た気持ちになったのだ ろうか。 ・他にも傘があるから大丈 夫。 ・置き忘れた傘だから誰も困 らない。 ・テストが近いから濡れたく ない。 ・誰も困っていない。 ・気づかれていない。 ・テスト勉強も上手くいった からよかった。 ・資料から離れない ・ペープサートを用い、登場人 物への共感を促す。 ・資料中の人物に自分を重ね、 その人物に託して自己を語 らせる。 [弱さへの共感] ・生徒から多様な価値を含んだ 意見が出たとき、本時の価値 からそれていかないように話 合いを進める。 [罪悪感の解消] 【登場人物】 「ぼく」 「女性」 【条件・状況】 ・「ぼく」は病院に来ている。 ・帰り際、雨が降っていた。「ぼく」は傘を忘れてしまった。 ・近々、テストが控えており、濡れたくない。風邪をひきたくない。 ・傘立てには、沢山の傘が置いてある。

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(3)女性の様子を見て、「ぼ く」はどんなことを感じ たのだろうか。 ・自分が恥ずかしい。 ・申し訳ない。 ・やらなければよかったな。 ↓ ・してはいけないことがある。 ・きまりは守ることに意義が ある。 ・切り返しの発問(「どうして だろう。」「何がだろう。」)で 背景を語らせる。 [価値の自覚] ・「ぼく」とは対極で描かれて いる「女性」の存在に軽くふ れる。 ☆「ぼく」の心情の変化を捉え ることができたか。 み つ め る 20 分 「 ど う し て ル ー ル が 必 要 な や 4 「今までに誘惑があったけ れど、我慢ができた(ルー ルを守ることができた)こ とはありますか。」【話合い】 ・「どうしてルールを守ろうと 思ったのですか。」 ・「どうしてルールが必要なの だろう。」 【話し合い】 ・本時に話し合ったことから、 自分が学んだことや今後に生 かしたいことを書く。 (交通ルール) (学校のルール) 等で ・○○の時に迷った。 ・○○がありました。 ・他の人に迷惑がかかると思 ったから。 ・守らないと自分や他人が困 る。 ・ルールを守ることは○○だ から大切だと感じた。 ・ルールを守ることに責任が ある。 ・社会の一員として守って行 きたいと思った。 ・資料から離れ、自分自身の行 動について「見つめる」「目覚 める」「まとめる」 ・今までの自分について振り返 らせ、価値について自覚を深 めさせる。 ・教師の説話の中で失敗談や葛 藤を語り、共に悩み、共に学 ぶ姿勢を示す。 ・小グループによる話合いを取 り入れ、友達の考えを聞きな がら自分にない考え方や感じ 方を知り、自分の考え方を深 めさせたい。 ・書く活動を通じて自分の生活 を見つめ直すとともに、これ からの自分にどう生かしてい けるかに気付かせる。 ☆「ルールを守ることの意義」 について考えを深めること ができたか。

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終 末 あ た た め る 5 分 5 価値とリンクした東日本 大震災時の画像を見る。 「決まりを守った人間の 社会ってすごいよね。」 ・東日本大震災の時の画像を見 せることで、今回の道徳的価 値に触れる。 ・心情を高め、余韻と充実感を 残したまま終了する。 7 評価の観点 ・「ぼく」の心情の変化を捉えることができたか。【発言・観察】 ・「ルールを守ることの意義」について考えを深めることができたか。【発言・記述】 8 板書計画 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

黒板脇 : アンケート結果 スクリーン設置

傘 を 手 に し て し ま っ た

元 の 位 置 に 傘 を 返 し た 女 性 が 紺 色 の 傘 を 持 っ て 帰 っ て い く 話し合う価値 「 ル ー ル の 大切さ」 登場人物 「ぼく」「女性」 女性 どうしてルールが 必要なのだろう。 状況 ・傘がない。 ・傘立てには沢 山の傘がある。 ぼく ル ー ル を 守 っ た 。 対 比 ルールを守る責任 よりよい社会を創 ることにつながる。

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9 資料分析表 ① 資料名 「傘の下」 (出典 「中学生の道徳 かけがえのない きみだから」 学研) ② 条件・情況 登場人物 ぼく・女性 条件・情況 ・傘を持たずに耳鼻科にやってきた。診察が終わり、帰ろうとすると雨が降っていた。 ・入り口にある傘立てから、「置き忘れた傘だからいいだろう。」と、都合の良く解釈 し他人の傘を拝借する。 ・持ち主の女性は、「ぼく」に微笑み、自身は濡れながら駆けて行った。 ・後日、事実を知った「ぼく」は、複雑な気持ちになりながら女性を見送る。 ③ 支援の流れ 【話題につなげたい場面】 【キーワード・主人公の心情】 【話合いの柱】 一番奥にあった紺色の傘 を手にした。 誘惑・自己中心的な判断 心の弱さ ・沢山傘があるのだからば れないだろう。 ・雨が降ってきてしまった のだから仕方ない。 心の弱さから、他人の傘を手 にしてしまった「ぼく」はど んな気持ちだったのだろう か。 (同じような経験が無いか、 振り返らせる。) 傘を返したとき、「ぼく」 がほっとした気持ちにな った。 安堵感・罪悪感の解消 正当化 ・誰も困っていないし、気 付かれていない。 ・勉強だってはかどった。 ・何本も傘があるのだから 一本くらいいいじゃな いか。 なぜ「ぼく」は傘を返したと きに、ほっとした気持ちにな ったのだろうか。 元の位置に戻した紺色の 傘を女性が持ち、軽やかな 足取りで帰って行った。 後悔 ・あの日、女性はどんな気 持ちで帰って行ったのだ ろう。申し訳ない。 ・いけないことと分かって いたが、どうしてこんな とをしてしまったのだろ う。 女性の様子を見て、「ぼく」 はどんなことを感じたのだ ろうか。

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