国⽴研究開発法⼈
⼟⽊研究所 ⾃然共⽣研究センター
公益社団法⼈
全国⼟⽊コンクリートブロック協会
河川景観に配慮した護岸ブロックの
展⽰に関するパンフレット
「河川景観に配慮した護岸ブロックの展示に関するパンフレット」の発刊にあたって
平成
26 年 3 月に「美しい山河を守る災害復旧基本方針」が改定され、「河岸・水際部の形
状などに調和した工法検討に関する留意事項」、「保全すべき環境要素に関する留意事項」
及び「護岸ブロックに関する留意事項」等の充実が図られた。これらのうち、「護岸ブロッ
クに関する留意事項」は、
「河川景観」及び「自然環境」の
2 つに大別し、使用する場合の
留意事項の充実が図られた。この留意事項に関しては、(国研)土木研究所自然共生研究セ
ンターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会との共同研究の成果の一部が反映さ
れている。
河川景観を保全するためには、護岸が周囲の景観と調和し、目立たないことが原則である。
コンクリート系の護岸が露出する場合には、明度・テクスチャー・パターン等それぞれの
留意事項に配慮する必要がある。しかしながら、これらの留意事項のうち、明度以外の留
意事項については定量的な評価方法がないため、その考え方に関して普及が遅れている。
そこで、護岸ブロックに関する留意事項の理解を深めることを目的とし、河川景観に配慮
した護岸ブロックのプロトタイプの展示を行った。本パンフレットは、その普及活動の一
環として作成したものである。
多くの開発者、河川管理者及び技術者に留意事項について理解を深めていただき、より良
い川づくりが進められることを期待している。
目 次
1. 背景と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2. 河川景観に影響を与える要因・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3. 展示ブロックについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
4. 河川景観に関する護岸法面部の留意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
5. 景観 に配慮した 護岸ブロッ ク(一覧)・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ ・4
Before & After(改良前と改良後の比較)
①
表面ハツリ出し積みブロック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
②
石の質感にこだわった護岸ブロック・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
③
ポーラスコンクリート布積配列護岸ブロック・・・・・・・・・・・・・・7
After(改良後のみ)
④
フライアッシュコンクリートを用いた護岸ブロック・・・・・・・・・・・8
⑤
深目地タイプの控え
35cm 大型積みブロック・・・・・・・・・・・・・・・9
⑥
ダイナミックな割面が自然な護岸ブロック・・・・・・・・・・・・・・10
⑦
コブ出し模様大型(1 ㎡)ブロック・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
⑧
6 連結空積ブロック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
⑨
河川景観になじむ布積み護岸ブロック・・・・・・・・・・・・・・・・13
⑩
石積みの伝統を受け継いだ簡素な景観のブロック・・・・・・・・・・・14
6. 交通アクセス・見学の申込方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
1. 背景と目的
平成
22 年 8 月に、「中小河川に関する河道計画の技術基準」が改訂され、翌年には、そ
の解説書として、「多自然川づくりポイントブックⅢ」(以下、PBⅢ)が発刊された。ここ
では、河岸・水際部の計画・設計手法が示されており、護岸が露出する場合には、護岸に
求められる環境上の性能の一つとして河川景観に関する留意点が明記されている。しかし
ながら、提示された性能の多くは定性的な表現に留まっているため、
PBⅢに基づく護岸の
開発や選定が進んでいなかった。また、被災した自然河岸を災害復旧する場合において、
コンクリートブロックなどを用いる場所も多く見られるが、必ずしも環境機能に配慮した
復旧となっていなかった。
そこで、平成
24 年 5 月より(国研)土木研究所自然共生研究センター及び(公社)全国
土木コンクリートブロック協会は、河川景観の保全の観点から護岸ブロックの評価手法の
確立及びその評価手法に照らした景観に配慮した製品の開発・普及を目的に共同研究及び
委員会を行ってきた。平成
26 年 3 月に改定された「美しい山河を守る災害復旧基本方針」
では、その成果の一部が反映され、護岸ブロックの河川景観に関する留意事項が明記され
た。
具体的な留意事項は、以下のとおりである。
①明度・・・・・・・・護岸の明度を6以下とし、周辺環境との明度差を抑える
②テクスチャー・・・・護岸の素材に適度なテクスチャーを持たせる
③景観パターン・・・・護岸の景観パターンが周囲の景観と調和している
④1単位の大きさ・・・周囲の景観と調和する護岸の素材の大きさとする
⑤ブロックの模様・・・規則的な構造目地の中に、異なる模様目地を付けない
そこで、留意事項について理解を深めていただくことを目的に、共同研究の一環として、
(国研)土木研究所自然共生研究センター内の実験河川において、河川景観に関する留意
事項に配慮した護岸ブロックのプロトタイプの展示を行った。
写真-実験河川展示状況(全景)
12. 河川景観に影響を与える要因について
河川景観と護岸について体系的に述べられている文献、有識者へのヒアリング意見、「護
岸ブロックの性能評価手法に関する委員会」
(2012.12~2014.03)に基づき、護岸の景観に影
響を与えている要因について「護岸ブロック本体による要因」と「護岸ブロック以外の要
因」の2つに分類し、整理した(図
-1)。
図-1 河川景観に影響を与えている要因の整理
「護岸ブロック本体による要因」については、配慮する場合の難易度と効果を想定し、
「よ
り質感の高い護岸」、「適度なばらつきをもち、人工的な規則性が感じられない護岸」、「周
囲の景観と調和し地となる護岸」の
3 つの目標レベルを設定した。また、それらの目標レ
ベルをクリアするために必要な要因を整理した。
「護岸ブロック以外の要因」については、周囲の景観と調和し地となるために、
「天端コ
ンクリート」や「小口止め、水抜きパイプの処理」を最低限考慮しなければならない要因
とした。しかしながら、
「地域性」や、
「背後地との連続性」などその他の要因については、
要因の分析が不十分なため、今後の研究で整理することとした。
3. 展示ブロックについて
展示ブロックは、目標レベル「周囲の景観と調和し地となる護岸」の要因に加え、「ブロ
ックの模様」までを推奨ラインとして設定し、それらの要因に配慮した護岸ブロック及び
小口止めとした。
次頁より、推奨ラインとした各要因の説明及び各展示での改良ポイントや改良点をまと
めたものを記載する。
2景観護岸を使用したテクスチャーの定量的評価に
関する印象調査実験
河川景観に関する護岸法面部の留意事項
~ コンクリート系の護岸工法について ~
背景
護岸ブロックが河川空間内で目立ちやすい存在となり、河川景観に与える影響が大きい
□
このため、「美しい山河を守る災害復旧基本方針」では、護岸が露出する場合に、
□
河岸に護岸を設置する場合、河川景観を保全するため、
護岸が周囲の景観と調和し、目立たないこと
が原則とされている
明度
テクスチャー
景観パターン
1単位の大きさ
ブロックの模様
○ ◇ テクスチャーとは、材料が持つ肌理を表し、素材の感触や質感を意味している ○ 肌理が細かい 色や明るさが均質で、平らな面により 明度も上昇し、人工的な印象となる 景観パターンとは、護岸ブロックの形状、サイズ、積み方、目地などの組合せによって表現される 意匠のことを表す ○ 既往の研究結果より、「穴が目立つ景観パターン」は調和性が低い傾向が見られる ◇ ※ 植物の繁茂等により景観パターンの露出が回避できる場合はこの限りではない 視角が2度以上になると、素材の見かけの大きさが大きすぎると感じ、 逆に視角が0.15度以下になると、素材そのものを認識できない ○ 構造目地 模様目地 構造目地とは、ブロック1つの周りに形成される目地を指す。模様目地とは、ブロック1つの中に 存在する目地を指す。2つの目地の幅や深さが異なると1つのブロックの中に異なる模様が存在し、 奇異な印象を与える ○ 構造目地と模様目地の見分けがつかなくなるような構造 ◇ テクスチャーに乏しい滑面ブロックの使用は行わない ◇ ◇ 河川空間の広さ、人間の身体に対して、大きすぎるものは好ましくない 一方、小さすぎても素材が識別できなくなり、無表情な印象となる河川景観上の護岸法面部に関する留意事項
・護岸の明度を6以下とし、周辺景観との明度差を抑えること
・護岸の素材に適度なテクスチャーを持たせること
・護岸の景観パターンが周囲の景観と調和していること
・周囲の景観と調和する護岸の素材の大きさとすること
・規則的な構造目地の中に、異なる模様目地をつけないこと
既往の研究では、自然石の明度は3~6の範囲である 護岸が護岸周辺の明度より2以上上回ると周辺景観から 浮き上がり、目立つ存在になる (野面石模様) (布積み) 自然素材の明度と彩度 滑面ブロック 擬石ブロック 距離と視角の大きさの関係 素材の大きさの分割例 周辺との明度差が大きい護岸 周辺空間に溶け込んだ護岸 肌理が粗い 全体が不均質となり、凹凸による陰影から 明度の低下や人工的な印象が緩和される 6以下具体的には、以下の項目が留意事項として示されている
□
穴が目立つ景観パターン例 (対象範囲 : 景観パターンが幾つか含まれ、法面全体の景観が評価できる範囲) (対象範囲 : ブロック1個の中における模様) (国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会による共同研究 (例 : 右図は、素材の大きさの目安を表しており、例えば、対象までの距離が10mの場合、35cm程度を越えてくると、大きいと感じられる) (対象範囲 : 対象とするブロックを囲む周りのブロック以上の面積とし、 ブロック間の目地を含んだ平均明度を対象) 3After(改良後のみ)
Before & After(改良前と改良後の比較)
景観に配慮した護岸ブロック
(一覧)
表面ハツリ出し
積みブロック
ポーラスコンクリート布積み
配列護岸ブロック
ダイナミックな割面が
自然な護岸ブロック
コブ出し模様大型
(1㎡)ブロック
⑧ 6連結空積ブロック
フライアッシュコンクリートを用いた
護岸ブロック
深目地タイプの控え35cm
大型積みブロック
河川景観になじむ布積み
護岸ブロック
石積みの伝統を受け継いだ
簡素な景観のブロック
Before
After
Before
After
Before
After
石の質感にこだわった
護岸ブロック
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑨
⑩
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(国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会による共同研究 7ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽ᩜタ䠄ṇ㠃䠅 ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ṇ㠃䠅 䝔䜽䝇䝏䝱䞊ᣑ ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䛸ኳ➃䝤䝻䝑䜽༢య
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(国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会による共同研究 8ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽ᩜタ䠄ṇ㠃䠅 ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ṇ㠃䠅 䝔䜽䝇䝏䝱䞊ᣑ ኳ➃᥍䛘ᙧ≧
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(国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会による共同研究 9ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽ᩜタ䠄ṇ㠃䠅 ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ṇ㠃䠅 䝔䜽䝇䝏䝱䞊ᣑ ᑠཱྀṆ䜑䝤䝻䝑䜽
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(国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会による共同研究 10ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽ᩜタ䠄ṇ㠃䠅 ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ṇ㠃䠅 䝔䜽䝇䝏䝱䞊ᣑ ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ഃ㠃䠅
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(国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会による共同研究 11ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽ᩜタ䠄ṇ㠃䠅 ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ṇ㠃䠅 䝔䜽䝇䝏䝱䞊ᣑ ᭤⥺✚ヨ㦂
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(国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会による共同研究 12ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽ᩜタ䠄ṇ㠃䠅 ᨵⰋᚋ ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ṇ㠃䠅 䝔䜽䝇䝏䝱䞊ᣑ ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ഃ㠃䠅
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(国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会による共同研究 13ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽ᩜタ䠄ṇ㠃䠅 ㆤᓊ䝤䝻䝑䜽༢య䠄ṇ㠃䠅 䝔䜽䝇䝏䝱䞊ᣑ ⣽♟ᶍᵝ