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KASEAA 51(9) (2013)

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セミナー室

澱粉生合成研究の新潮流-4

キャッサバ澱粉の生産性向上を目指して

内海好規

*

1

,櫻井哲也

*

1

,石谷 学

*

2

,関 原明

*

1 *1理化学研究所環境資源科学研究センター,*2国際熱帯農業センター (CIAT) はじめに 一般に「キャッサバ」と説明するよりも,「タピオカ」 と言えば,ご理解していただけることが多い.「タピオ カ」とは「キャッサバ」の塊根から精製した澱粉のこと である.中南米では「マニオカ」「ユカ」と呼ばれてお り,世界中でさまざまな呼び名で親しまれていると思う のだが,本稿では「キャッサバ」という呼び名に統一し たい.われわれは東南アジアで食糧安全保障や貧困削 減,産業上重要な熱帯作物「キャッサバ」の分子育種研 究をキャッサバ主要生産国であるタイのマヒドン大学や ベトナムの農業遺伝学研究所 (AGI), 世界最大のキャッ サバ遺伝資源を保有するコロンビアの国際熱帯農業セン ター (CIAT) と共同で推進している.これら研究機関 と連携してゲノム解析基盤,分子マーカーの構築, キャッサバ形質転換法の開発を行い,特に東南アジアに おける分子育種を推進している.また,共同研究を介し てこの分野の人材育成にも力を入れている.本稿ではこ のキャッサバ生産の現状と課題,われわれの東南アジア でのキャッサバ分子育種の取り組みについて報告する. キャッサバの栽培地域と生産と利用について キャッサバ(学名: )はトウダイグ サ目トウダイグサ科イモノキ属に分類され,南米が原産 地であり,アフリカおよびアジアの熱帯,亜熱帯地域で 広く栽培されている.キャッサバ塊根は全世界で5 ∼10 億人の重要なエネルギー源となっており,食糧安全保障 上,産業利用上,重要な作物として位置づけられている キャッサバは世界主要食用作物の総収穫面積では第6位 に位置し,2010年度のキャッサバの総生産量は2億 3,671万トンで,地域別では,アフリカ地域で最も生産 量が多く,アジア,南アメリカと続く.国別では西アフ リカのナイジェリア,東南アジアのタイ,インドネシ ア,南アメリカのブラジルで生産量が多い(1).キャッサ バは酸性土壌や貧栄養土などのさまざまな悪環境下にも 耐えうる能力をもち,葉は飼料として,茎は挿し木とし て栽培に利用される.キャッサバは,比較的栽培が容易 で,他作物との混作や輪作も行われ,高地利用に多様性 があることなど,熱帯作物として有利な特性を備えてい る(2).その根には塊根を形成し,生重量当たり20 ∼ 30%の澱粉を蓄積する(図1). 世界のキャッサバの年間総生産量は,この30年間に 倍増し,今世紀に入り世界の総生産量は上昇している. アジアのキャッサバ生産はベトナム,中国,カンボジア などアジア全域に広がり,食糧,家畜飼料と澱粉原料か らバイオマス資源にも用途を広げて拡大が続いている. 一方,アフリカでは,「裏庭の作物」として主に食糧安 全保障の観点から栽培されているが,近年では地域の市 場や生活スタイルの変化から,伝統加工品のインスタン

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ト食品や食材がスーパーマーケットで販売されるように なっている(3) 平成23年度の日本の澱粉供給量の実績は,国産コー ンスターチが全体の85%を占め,次が国産ばれいしょ で,その次が輸入澱粉で全体の6.3%を占めている.平 成23年澱粉年度の外国産澱粉の輸入量は,キャッサバ 澱粉が全体の80.6%を占めており,その輸入量は年々増 加している(4).キャッサバ澱粉は化学的に加工もしくは 無加工で食品物性改良材や工業材料として広く利用され ている. キャッサバ澱粉生産向上における課題 上記のようにキャッサバ栽培の目的は大陸,国および 地域によって大きく異なる.キャッサバ澱粉生産向上に 向けて今後取り組むべき課題を下記に列挙した. 1) キャッサバ塊根の高収量化 2) キャッサバ塊根中の澱粉含有量の向上 3) キャッサバの産業利用に向けた澱粉形質の改変 4) 気候変動などによる病害蔓延に対処するための キャッサバ耐病性向上 これらの課題にはキャッサバ澱粉の加工利用に直接か かわる課題もあるが,4) のように広域で取り組まなけ ればならない喫緊の課題もある. キャッサバの単位面積当たりの収量は30年前と比較 し,40%程 度 増 加 し た(2011年, 単 位 面 積 当 た り の キャッサバ塊根収量は12.8 t/haである).これは,高収 量品種の育種と農家への普及によるところが大きい.ま た,作付け面積も全世界で40%増加し,その結果,世 界のキャッサバ塊根の総生産量は30年前と比較して倍 増した.さらなる増産を目指して,幅広い栽培地域適応 力と高収量のキャッサバの育種が望まれている(1) アフリカでは,古くからアジアや南米で報告されてい ないキャッサバ病害虫が蔓延し,総合的な病害虫対策を とる必要に迫られている.主要病害として,Cassava Mosaic Disease (CMD), Cassava brown streak disease, 細菌病には Cassava Bacterial Blight (CBB), Cassava Bacterial Leaf Spot が挙げられる.たとえば,CMDは 1894年にタンザニアで最初に報告され,その後各地に 広がったアフリカの最重要病害であり,新葉への被害が 著しい.CMDの被害により,80%もの減収となること が報告されている(5) 東南アジアではキャッサバに対する病害虫が蔓延した という報告がなかったが,近年,各地でコナジラミ (Whitefly), コナカイガラムシ (Mealybug), CBB,

Cas-sava Witches Broom Disease (CaWB) の蔓延が報告さ れるようになり,これらの病害虫に対する対策が急がれ ている.実際,2009年にタイの東部や北東部の地域や ラオス,カンボジアでコナカイガラムシが大量発生し た.タイだけでも約160,000 haにも及ぶコナカイガラム シの被害が報告され,その結果,この年,国内生産量が 20 ∼ 30%減少し,大きな社会問題となった(6).現在, タイでは農薬と益虫の使用によりコナカイガラムシを防 除するとともに国内および国外からのキャッサバ品種の 移動を厳しく制限している. キャッサバ研究基盤の開発と国際的な研究ネット ワークの構築 日本では熱帯作物であるキャッサバ栽培がほとんど行 われていない.キャッサバは生育期間が長いこと(10 図1■熱帯作物キャッサバは無駄な く利用できる植物である

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∼ 12カ月),低木という特性をもつこと,またアメリ カ,ヨーロッパ,日本などの先進国の食糧安全保障上の 重要な作物でなかったため,ほかの重要穀物と比べその 研究基盤がこれまで十分に整備されてこなかった. 世界標準のキャッサバのゲノム解析基盤を構築するこ とは,キャッサバの育種を効率化するうえで必要不可欠 である.そこで,理研,CIAT(コロンビア),マヒド ン大(タイ)の研究グループは,2009年から3年間の国 際共同研究プロジェクト(科学技術戦略推進費事業,課 題:熱帯作物分子育種基盤構築による食糧保障)を実施 した.理研は,モデル植物で培った完全長cDNA作製, トランスクリプトーム解析,データベース構築など高い ゲノム解析技術をキャッサバに応用するとともに,その ゲノム解析に必要な育種資源はキャッサバ遺伝資源を保 有する CIAT (http://isa.ciat.cgiar.org/urg/) から提供 を受けた.一方,マヒドン大学などのタイグループは, 高塊根収量,高澱粉含有,高シアン含有キャッサバ品種 HuayBong60と低塊根収量,低澱粉含有,低シアン含有 のキャッサバ品種Hanatee間で交配することでF1系統 を作出し,高塊根収量,高澱粉含量などに関するマー カー育種を進めた(7).われわれがこれまで獲得してきた 植物分子育種にかかわる最先端ゲノム科学技術と人材を 結集し,キャッサバ野生種などの有用な遺伝資源を活用 することで国際標準のキャッサバのゲノム解析基盤を構 築するとともに,世界のキャッサバ研究機関とのネット ワークを構築することができた(6) (下記参照). 完全長cDNAクローンの単離 キャッサバに限らず,生物のゲノム研究および基礎研 究を加速するための一つの方法として,完全長cDNA クローンの解析が挙げられる.完全長cDNAクローン はゲノム研究の最重要基盤リソースの一つであり,その 充実度が研究の戦略・進行・結果に大きく影響を与える ことは言うまでもない.完全長cDNAの配列情報解析 は遺伝子機能の理解をはじめとする機能ゲノム解析にお いてとても重要であり,ゲノムシーケンスや翻訳された タンパク質の機能予測を正確に達成できる(8, 9).また, 育種の観点から育種材料の遺伝学的解析や重要形質にか かわる遺伝子マーカーを構築するのに重要である. キャッサバのcDNAリソースはこれまで完全長cDNA として大規模に解析されたことがなく,われわれの研究 チームでは世界に先駆けて,乾燥,高温,酸性などのス トレス処理したキャッサバの葉と根および収穫後劣化し 始めた塊根から全RNAを調製し,完全長cDNAライブ ラリーを構築した(10).19,968完全長cDNAクローンの 5′ および3′ 末端の端読み配列を解読し,塩基配列の一 致に基づき配列データの連結,冗長性の排除を行った結 果,6,355個のコンティグ*1 と9,026個のシングルトン*2 配列を得た.得られたコンティグとシングルトン配列を 構成するcDNA末端読み配列を精査することで,転写 されるRNAに相当する10,577個のスキャフォルド*3 構築し,7,796個の遺伝子転写単位を把握することがで きた.このうち78%については,遺伝子機能注釈を付 与することができ,シロイヌナズナで同定されている酵 素遺伝子の半数以上をキャッサバ完全長cDNAとして 獲得できたことがわかった.また,重複遺伝子が230遺 伝子に及ぶことが判明し,これら遺伝子の重複はキャッ サバが非生物的ストレスに対して適応するために何かの 役割を果たしているのかもしれないと考えられた.われ われはさらにキャッサバ在来品種MECU72(コナジラ ミに対して耐性)やMPER417-003(コナジラミとコナ カイガラムシに対して耐性)から完全長cDNAクロー ンを単離,解析し(Uemura , 未発表),病害虫耐 性にかかわる遺伝子の同定を進めている. キャッサバ有用遺伝子の解析と同定 環境適応や生長制御の生命現象は,単一の遺伝子の働 きだけでなく多数の遺伝子が機能することにより調節さ れている.多数の遺伝子の発現プロファイルを網羅的に 解析できる方法の一つにDNAマイクロアレイ解析があ る.理研では,シロイヌナズナなどを用いて,DNAマ イクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析などから,乾 燥,低温,塩,高温などの環境ストレスに対する応答機 構に関与する遺伝子を多数同定し,それら遺伝子の機能 解明を行ってきた(11, 12).それらストレス応答性遺伝子 を過剰発現させることで環境ストレス耐性を示す例が多 数報告されている.このように,DNAマイクロアレイ を用いれば,環境ストレス耐性付与への応用などが期待 できる有用遺伝子の同定,転写因子の下流因子の探索・ 同定,ゲノム情報と組み合わせることによりシス因子の 探索などができ,環境ストレス応答などの生命現象の分 *1コンティグ (Contig):塩基配列決定に際し,2つ以上のフラグ メント同士が共通の塩基配列をもつ場合,塩基配列の一致に基づ き一つの結合された配列を作ることができる.この連結配列のこ とを意味する. *2シングルトン (Singleton):ほかのフラグメントとオーバーラッ プしなかったフラグメント. *3スキャフォルド (Scaffold):フラグメント両端配列の組み合わ せなどに基づき,コンティグ群の位置関係を決定した一群の配列.

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子機構の理解につながる(13) われわれは,20,000個のキャッサバ遺伝子の発現プロ ファイルの解析が可能なDNAオリゴマイクロアレイ (アジレント社)を独自に構築して,乾燥ストレス応答 遺伝子の解析を行い,作製したキャッサバオリゴマイク ロアレイが種々のキャッサバ遺伝子型の解析に利用可能 であることを示した(14).この結果に基づき,30,000個 のキャッサバ遺伝子由来のオリゴマイクロアレイを同様 に作製し,現在このアレイを用いて,マヒドン大学のグ ループと商業品種,KU50系統における塊根形成過程の 遺伝子発現の解析やコナジラミ耐性キャッサバを用いた 遺伝子発現解析をCIATと進めている(Utsumi , 未発表). キャッサバデータベースの構築 キャッサバは染色体数 =18で2倍体植物である(15) そのゲノムサイズは推定770 Mbである.現在,推定ゲ ノムサイズの約29倍に及ぶ224億塩基の配列データが得 られ,その配列データをアセンブル*4 した結果,532.5 Mbの塩基配列を決定している.予想される遺伝子数は 30,666個であり,選択的スプライシングを受けていると 予想される遺伝子数は3,485個であった(16).緑色植物の ゲノム配列を集約しているウェブデータベースPhyto-zome (http://www.phytoゲノム配列を集約しているウェブデータベースPhyto-zome.net/) は,2013年4月現 在,42植物種について収録されており,キャッサバの 遺伝子情報についても閲覧可能である. しかし,Phytozomeでは主にゲノム配列や遺伝子構 造情報が収録されているため,周辺研究推進に十分では な い. 理 研 で 収 集 し た 完 全 長cDNA情 報 と 現 状 の キャッサバゲノム配列とを統合し,ほかのモデル植物で 培われた情報統合手順に則り,キャッサバに応用すれ ば,遺伝子機能注釈の拡充やDNA多型などキャッサバ 育種を効率化する遺伝学的情報を提供することができる と考えらえる.そこでわれわれは,ゲノム情報と転写情 報のようなほかの研究フィールドとを統合したデータ ベ ー ス Cassava Online Archive (http://cassava.psc. riken.jp/) を作成し,情報基盤整備を進めている. 有用遺伝子のキャッサバ形質転換による育種利用 従来型の交配育種によるキャッサバの新品種開発には 時間を要する.その主な要因として,ヘテロ接合型の割 合が高いこと,自家受粉が難しく,花数や,花粉が少な いことなどが挙げられる(17, 18).このため,有用遺伝子 の育種利用をキャッサバで促進するためには従来型の交 配育種に加え,遺伝子組換えによる分子育種が重要にな る.キャッサバの形質転換法であるが,キャッサバ組織 を脱分化させ,アグロバクテリウムと共存培養後,再分 化を行う方法が一般に用いられている(19, 20).理研では アフリカ株 (TMS60444) を使ったキャッサバ形質転換 技術を確立するとともに,その形質転換技術のキャッサ バ品種へ応用を試みている(図2).この分子育種法を 用いて,ソース機能を強化させた高塊根収量や高澱粉含 有量キャッサバ,耐病性遺伝子を導入した耐病性品種, 澱粉生合成遺伝子に着目した澱粉特性の異なるキャッサ バの作出を目指している. *4アセンブル:大量の塩基配列間の配列を相互比較し,配列の一 致性などを基に元の塩基配列を構築すること. 図2■GFPまたはGUS遺伝子を発 現した遺伝子組換えキャッサバ pCAMBIA1302(CaMV35S-GFP遺伝 子 を 含 む) を ア フ リ カ 株,pCAM-BIA1303(CaMV35S-GUS遺伝子を含 む)をアジア株へアグロバクテリア 法により導入した.アフリカ株に関 しては,植物体,根,葉のすべての 組織でGFPの発現を観察した.1回 の感染操作で最低20個の形質転換株 を得ることが可能である.アジア株 に関しては複数の系統から小葉を回 収し,GUS染色を行った.1回の感 染操作で形質転換株は1個のみと形 質転換効率は低い.

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澱粉生合成遺伝子に関して,これまでのキャッサバゲ ノム解析から,キャッサバはほかの高等植物と同様に澱 粉生合成のキー酵素である4つの酵素,ADP-glucose pyrophosphorylase (AGPase), starch branching en-zyme (SBE), starch synthase (SS), starch debranch-ing enzyme (SDBE) を保持しており,各酵素のアイソ ザイムのアミノ酸一次構造はジャガイモなどの双子葉植 物に類似していた.これら酵素機能の保存性は植物間で 高く,キャッサバでもイネと類似したメカニズムで澱粉 が合成され(21),これら酵素の遺伝子発現を制御するこ とで澱粉の構造とその性質を自在に改変することが期待 できる.澱粉の興味深い特色として,澱粉の性質が植物 起源により大きく異なる点である.特にキャッサバ澱粉 は高い粘着性を示す.すでに産業上重要な位置にある キャッサバの澱粉特性を改変し,ユニークな物性をもつ 澱粉を作製することで,新素材として加工適性の幅が広 がり,産業利用の幅も同時に広がることが期待され る(22) キャッサバ研究の今後の取り組みと展開に向けて キャッサバのゲノム解析基盤の構築は科学技術戦略推 進費事業「熱帯作物分子育種基盤構築による食糧保障」 の研究活動で達成することができた.幸いにも 「S」 評 価をいただき,キャッサバ研究のための基盤整備と国際 研究機関とのネットワーク形成が高く評価されたと考え ている.この基盤技術を活用し,キャッサバ塊根の澱粉 生産メカニズムや塊根形成メカニズムを解析し,遺伝子 組換えなどの手法を用いて澱粉高生産性のキャッサバの 分子育種を目指す研究を国内外の研究機関と共同で実施 している. 世界,特にキャッサバの主要生産地である東南アジア 諸国と連携して地域のキャッサバの共通問題解決に取り 組むために,分子育種分野での共同研究の推進や人材育 成を通して,キャッサバ研究ネットワークの強化を図っ ている.具体的な活動として,第一に,人材育成が挙げ られる.ベトナムのAGIから研究者を招聘し,キャッ サバの形質転換技術を教授し,今後AGIと連携してベ トナムにおける遺伝子組み換えによるキャッサバの分子 育種を推進する予定である.第二に,AGIとCIATが設 立した,「International Laboratory for Cassava Molecu-lar Breeding」(AGIに設置)に理研は中核機関として 参加し,キャッサバ分子育種の圃場現場で実証できる研 究環境を整備した.第三に,日本(理研),タイ(マヒ ドン大学,DOAなど),ベトナム (AGI) の研究者で JSTの「東アジア・サイエンス&イノベーション・エリ ア構想」共同研究プログラム(e-ASIA共同研究プログ ラ ム)(http://www.the-easia.org/jrp/plantscience) を 進めている.このプログラムでは,形質転換や重イオン ビーム変異育種による有用キャッサバの作出やキャッサ バ病害に対する分子メカニズムの解明を目指している. 構築された分子育種技術と研究ネットワークは,国内 外のキャッサバ研究をこれらの分野で発展させる礎とな る.高塊根収量,高澱粉含量キャッサバなどの高付加価 値キャッサバの品種開発により,小農が多いと言われる キャッサバ農家に裨益するだけでなく,将来の世界食糧 需要の増加といった課題に対する重要な解決策を科学的 に提示し,さらに,日本国内の産業界と連携し,社会還 元型の研究を目指していきたい. 文献

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