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第10回日本助産学会学術集会集録一般口演第2群

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Academic year: 2021

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5.助

産 婦教 育 にお け る地域 母 子保 健 実 習 の 実 態

北海道立旭川 高等看護学院 ○ 佐 々 木 雅 子 I.緒 論 助 産 婦 は 地 域 社 会 に お け る母 子 ・家 族 へ の援 助 を行 な う役 割 を期 待 され て い る.し たが っ て, 助産 婦教 育 の 中 で地 域 母 子 保 健 を推 進 す る基 礎 的 能 力 を習 得 させ る こ と をね らい と し た地 域 母 子 保 健 実 習 は 重 要 で あ る。 また卒 業 後 は 病 院 に就 業 す る割 合 が 高 い学 生 に とっ て,地 域 の 助 産 婦 活 動 を 学 習 す る貴 重 な機 会 とな っ て い る。 地 域 母 子 保 健 実 習 に 関 して,学 生 の 意 識 に つ い て の 調 査1)や助 産 婦 教 育 課 程 の 一 部 分 と して 紹 介 され て い る2)が,地 域 母 子保 健 実 習 の 実 施 状 況 に 関 す る文 献 は 少 な い。 そ こ で今 回,地 域 母 子 保 健 実 習 の 実 施 状 況,実 習 の課 題 ・成 果 に 関 す る教 員 の 認 識 を明 らか にす る とい う 目的 で 調査 し たの で こ こに 報 告 す る。 II.方 法 1年 間 の 教 育 を行 な っ て い る助 産 婦 学 校 養 成 所 72校(大 学,保 健 婦 助 産 婦 合 同 課程 を除 く)を 対 象 に,平 成5年 度 の地 域 母 子保 健 実 習 に つ い て, 郵 送 に よ る質 問 紙 調 査 を実 施 す る。 調査 期 間 は平 成6年7月1日 か ら平 成6年8月25日 。 III.結 果 回収 数53校,回 収 率73.6%。 有 効 回答 数52校, 有 効 回 答率98.1%。 教 育 課程 別 学 校 数 の 内訳 は助 産 婦 学校 養 成 所 が 33校(63.5%),短 期 大 学 専 攻 科 が19校(36.5%) で あ る。 1.地 域 母 子 保 健 実 習 の実 施 状 況 1)実 習 時 間 ・期 間 ・時 期 実 習 時 間 は90時 間 が29校(55.8%),45時 間 が20 校(38.5%),40時 間,100時 間,120時 間 が1校 ず つ で あ る。 実 習期 間 は 平 均9.4日 間 で あ る。 地 域母 子保 健 実 習 の 実 施 時期 は 全 実 習 期 間 の最 初 の 時 期 が7校(13.5%),中 間 の 時 期 が22校(42. 3%),最 後 の 時 期 が20校(38.5%)で,全 期 間 を 通 して が3校(5.7%)で あ る。 2)実 習 目標 各 校 の 実 習 目標 を分 類 す る と,「母 子保 健 活 動 の 実 際 ・現 状 の理 解 」 が34校(65.4%)で 最 も 多 く, 「地 域 に お け る助 産 婦 の 役 割 に つ い て 学 ぶ 」 が30 校(57.7%),「 社 会 資 源 ・関 連 機 関 の機 能 や 活 動 の理 解 」 が23校(44.2%),「 地 域 に お け る助 産 婦 の 活 動 の 理 解 」 が22校(42.3%),「 社 会 資 源 の 活 用,関 連 機 関 との連 携 の 理 解 」が18校(34.6%)な どの順 で あ る。(表1) 表1地 域母 子 保 健 実習 目標(n=52) (複数 回答) 3)実 習 施 設 実 習 施 設 は,助 産 所 と都 道 府 県 保 健 所 が38校 (73.1%),つ い で 市 町 村 が21校(40.4%),病 院 ・ 診 療 所 が18校(34.6%),政 令 市 保 健 所 が16校(30. 8%),母 子 健 康 セ ン タ ー が8校(15.4%)で あ る 。1学 校 あ た り 平 均2.8の 実 習 施 設 を 使 用 し て い る.(図1)

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すべ て の 施 設 が 学校 の 地 域(市 町)内 に あ るか の 設 問 に 対 して 回 答 の得 られ た47校 の 中 で,「 な い」 と回 答 した の は36校(76.6%)で あ る。 4)実 習指 導者 実 習施 設 ご との実 習指 導 者 の 内 訳 は 、 「助産 婦 」 は 助 産 所 で37校(97.4%),病 院 ・診 療 所 で14校 (77.7%),母 子健 康 セ ン ター で6校(75.0%)で あ る。 「保 健 婦 」 の割 合 が 高 い の は 市 町 村 で20校(95 . 2%),つ い で都 道 府 県 保健 所 が35校(92 .1%)政 令 市 保健 所 が14校(87.5%)で あ る。 5)専 任教 員 の 実 習 指 導 方 法 専 任教 員 の 指 導 方 法 は 「実 習 後 の学 習整 理 ・ま とめ 」 が73.5%,「 学 内 での 事 前 学 習 準 備 指 導 」 が59.2%,「 カ ン フ ァ レ ン ス で指 導 」 が47.6%, 「巡 回指 導」が46.9%,「臨 地 で 直 接 指 導 」が19. 7%,「 実 習 指 導 者 にす べ て任 せ る」 が10.9%の 順 で あ る。 6)実 習 内容 と実 習 方法 具 体 的 母 子 保 健 活 動 で"実 施"の割 合 が最 も高 い 内容 は 「家 庭 訪 問 」で45校(86 .5%),つ い で「 別保 健 指 導 」 が34校(65.4%),「 個 別 健 康 診査」 が32校(61.5%)の 順 で あ る。 「地 区組 織 活 動 」 と 「関連 機 関 との連 携 」は"見 学""説 明"合 わせ て 28校(53.8%)で あ る。 "実 施"ま た は"見 学"を して い る と回答 した 中 で具 体 的 な活 動 の対 象 は,妊 婦 ・褥 婦 ・新 生 児 ・ 図1地 域母子保健実習施設の種類 乳 幼 児 が 中心 で あ る。 集 団保 健 指 導 に お い て 「そ の 他 」が7校(13.5%)で,そ の 他 の 内容 は 思春 期 が4校,更 年 期 が3校 で あ る。 2.実 習 の 課 題 に 関 す る教 員 の 認 識 地 域 母 子保 健 実 習 上 の 問 題 ・課 題 が あ る と答 え た の は41校(78.8%)で あ り、 問 題 課 題 の 内容 は 「実 習施 設や 受 入体 制 」 に 関 す る こ とが33校(43. 4%)で 最 も 多 く,つ い で 「実 習 指 導 」に関 す る こ とが26校(34.2%),「 実 習 内容 」 に 関 す る こ とが 13校(17.1%)で あ る。 「実 習 施 設 や 受 入 体 制 」に関 す る意 見 と して"実 習 の 受 入期 間 ・人 数,実 習 で きる事 業 の 限定 が あ る"が17校(41.5%),"実 習 で き る施 設 が 少 な く 限定 され る"が11校(26.8%)と 多 い。 「実 習 指 導 」 に関 す る こ とで は"指 導 者 に助 産 婦 が い な い ため 助 産 婦 の 活 動 の イ メー ジ化 ・認 識 が しず ら い"が 16校(39.0%)と 多 い。 「実 習 内容 」 に 関 す る こ と では"保 健 所 にお け る母 子 の事 業 が 少 な い"が5 校(12.2%)な どで あ る。(表2) 3.実 習 の 成 果 に 関 す る教 員 の 認 識 実 習 の 成 果 が あ る と 回 答 し た の は46校(88. 5%)で あ る。 実 習 の 成 果 の 内容 で最 も多 い の は, 「助 産 婦 の業 務 ・活動 へ の視 野 が 広 が る」 と 「地 域 の母 子 をみ るこ とで対 象 理 解 ・援 助 が 深 ま る」 で16校(34.8%),つ い で 「関連 機 関 との 連 携 の 重 要 性 を理 解 で きる」 が14校(30.4%),「 地 域 に お け る助 産 婦 の 必 要 性 を実 感 で き る」 が8校(17 . 表2実 習の 課題 に 関 す る教 員 の 認識(n=41) (複数 回答)

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表3実 習 の成 果 に関 す る教員 の 認識(n=46) (複数回答) 4%),「 継 続 した ケ ア の 重 要 性 を理 解 で きる」 が 7校(15.2%)な どの 順 で あ る.(表3) IV考 察 1.地 域 母 子 保 健 実 習 の実 施 状 況 1)実 習 時 間 ・期 間 ・時期 実 習 時 間 は保 健 婦 助 産 婦 看 護 婦 学校 養 成 所 指 定 規 則 の1年 の 場 合 の 実 習 時 間90時 間 で あ る学校 が 多い 。 実 習 の 時 期 は 先 行 学 習 との 関連 ・学 習 の 順 序 性 を考 慮 し決 め られ る こ とが 望 ま し く,助 産 診 断 学 ・助 産 技術 学 の 経 験 を も とに,母 子 ・家 族 の 援 助 を深 め地 域 で の 援 助 が で き る よ うに全 実 習期 間 の 中 間 か ら最 後 の 時期 に し て い る学 校 が 多 い。 し か し,基 礎 看護 ・保 健 婦 教 育 な ど の保 健 所 実 習 の 調 整 の ため,実 習 時期 を決 め られ な い とい う制 約 が44.2%の 学 校 で あ る こ とが わ か った 。 2>実 習 目標 新 カ リキ ュ ラ ム の地 域 母 子保 健 の 目標 は,助 産 婦 と して地 域 の 母 子 保 健 を推 進 す る基 礎 的 能 力 を 習 得 させ る で あ る。 各 学 校 の 実 習 目標 をみ る と, 目標 は 母 子 保 健 活 動 の 実 際 ・活 動 の 理 解 な ど理 解 ・認 識 レベ ル の 表 現 が 多 い。 地 域 母 子 保 健 の 到 達 目標 の達 成 状 況 につ い て,医 療 短 期 大 学 専 攻 科 の 調査 に よ る と,地 域 母 子 保 健 を推 進 で きる姿 勢 を 身 に つ け る→到 達 で き た,地 域 母 子 保 健 を具 体 的 に 実 践 で き る → 到 達 で き な い3)など 実 践 ・行 動 レベ ル の 目標 到 達 は 難 し い とい う結 果 が で て い る。 限 られ た 実 習 時 間 の 中 で は地 域 母 子 保 健 に 関 す る事 業 体 験 が 限 定 さ れ,活 動 全 体 を把 握 しに く い な ど,現 状 をふ ま え た上 で 目標 設 定 を して い る とい え る。 3)実 習 施 設 実 習 は保 健 所 ・助 産 所 な ど を 中心 と して平 均2. 8の 複 数 の 施 設 を使 用 して い る。76.6%の 学校 で はす べ て の 実 習 施 設 が 地 域 内 に な い な ど,学 校 養 成 所 の あ る地 域 の 立 地 条件 の 影 響 を うけ て い る。 4)実 習指 導 者 実 習 指 導 者 の 中 で助 産 婦 は 助 産 所 ・病 院 診療 所 で は75%以 上 と 多 いが,最 も使 用 施 設 と して 高 い 割 合 を 示 し た都 道 府 県 保 健 所 で は 助 産 婦 が10. 5%,保 健 婦 が95.2%で あ る。保 健 所 に就 業 す る 助 産 婦 数 は 平 成4年 度 で292名(1.3%)4)と 少 な く,助 産 婦 の 人材 が得 られ に くい 状 況 に あ る。 実 習指 導 者 に助 産 婦 が い な い こ とに よ り,学 生 は 地 域 母 子保 健 に お け る助 産 婦 の 活 動 の 実 際 の理 解 や イ メー ジ化 が 難 しい な ど実 習 成 果 へ の 影 響 が考 え られ る。 しか し助 産 婦 だ け で な く保 健 婦 な ど他 職 種 の指 導 者 を得 られ る こ とは,保 健 医 療 チー ム で の役 割 や 連 携 につ い て 学 ぶ 機 会 と もな る。 5)専 任教 員 の 実 習指 導 方 法 専 任 教 員 は 臨 地 で 直 接 指 導 す る こ と は少 な く効 果 的 実 習 を行 な うた め に,教 員 は地 域 の 保 健 統 計 な どの分 析 や 実 習 内容 の 準 備,実 習 後 の 学 習 の整 理 ・ま とめ,カ ン フ ァ レ ン ス な ど を通 して 同 じ実 習 体 験 が で き な い学 生 の 学 習 の 共 有 化 を図 るな ど 思 考 プ ロ セ ス へ の 指 導 を し て い る。 6)実 習 内 容 と実 習 方 法 助 産 婦 学 校 養 成 所 の 運 営 に関 す る手 引 きに は 地 域 母 子 保 健 実 習 の 留 意 と し て 「母 子 を 中心 と した 保 健 計 画 の 立 案 と活 動 に つ い て実 習 又 は見 学 す る こ と。 な お,思 春 期 や 更 年 期 の女 性 の 保 健 管 理 に つ い て も実 習 で き る よ うに 配 慮 す る こ とが 望 ま し い こ と5)」が あ る。 家 庭 訪 問や 個 別 ・集 団 の健 康 診 査 ・保 健 指 導 は7∼9割 が 実 施 また は 見 学 で きて

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い るが,地 区組 織 活動 は 実 習 経 験 が 難 しい状 況 に あ る。 実 習対 象 は妊 婦 ・褥 婦 ・新 生 児 ・乳 幼 児 が 中心 で,思 春 期 や 更年 期 を対 象 と した実 習 は少 な い。 思春 期 や 更年 期 を対 象 と し た実 習 を行 な うた め に,小 学 校 や 市 町 村 な どの 実 習 施 設 ・場 所 の 開 拓 が 必要 で あ る。 2.実 習 の課 題 に 対 す る教 員 の 認 識 41校(78.8%)が 実 習 の 問題 ・課 題 が あ る と答 え て お り,そ の 内容 は実 習 施 設 ・受 入 体 制,実 習指 導,実 習 内容 に 関 す る こ と で あ り,地 域 母 子 保 健 実 習 の実 施 状 況 の 調査 結 果 と一 致 して い る。 今 後 は地 域 保 健 法 ・母 子 保 健 法 の 改 正 に よ り, 市 町 村へ 権 限 が移 譲 され,都 道府 県 保 健 所 で の母 子 に 関 す る実 習 内容 が 現 在 よ りも減 少 す る可 能 性 が あ る。 した が って 母 子 に 関 す る事 業 ・活 動 が 実 施 され る市町 村 な どに 実 習 施 設 ・場 所 を開 拓 して いか な け れ ば な ら ない 。 ま た地 域 保 健 法 の 見 直 し の 中 で,マ ンパ ワ ー の確 保 に は 助 産 婦 職 の 位 置 付 け が な く6),保 健 所 や 市 町 村 の 助 産 婦 の 実 習 指 導 者 が 更 に得 られ に く くな る こ とが 考 え られ る。 3.実 習 の成 果 に 関 す る教 員 の 認 識 46校(88.5%)が 成 果 が あ る と答 え て お り,その 内容 と して,「助 産 婦 業 務 ・活 動 へ の視 野が 広 が る」 「地 域 の母 子 をみ る こ とで 対 象 理 解 ・援 助 が 深 ま る」 な どの意 見 が あ り,病 院 実 習 だ け では 得 られ な い実 習成 果 が あ る.烏 丸 の 地 域 母 子保 健 に 関 す る学 生 の意 識 調査 で は,将 来 地 域 で働 き た いか と い う問 い に58.1%が そ の 意 志 を持 っ て い る1)と 答 え て い る。 地 域 母 子保 健 実 習 を行 ない 将 来 は 地 域 へ 出 た い と思 っ て い て も,実 際 大 部分 の 学 生 は 病 院 に勤 務 す る状 況 に あ る。 卒 業 後 す ぐに は 無理 で も何 年 か 後 に地 域 へ 出 る とい う意 志 を持 ち続 け らえ る よ うに,卒 業 後 も継 続 した 地域 母 子保 健 活 動 に 関 す る研 修 や 学 習 の機 会 を作 っ て い く必 要 が あ る.ま た病 院 勤 務 の助 産 婦 で あ っ て も地域 の助 産 婦 の 一 員 で あ る とい う 自覚 を持 ち,関 連機 関 と の連 携 をす る な どの 役 割 を発 揮 で き るた め に 地域 母 子保 健 実 習 は 重 要 で あ る。 実 習成 果 と して あ げ られ て い る よ うに 助 産 婦 活 動 へ の視 野 を広 げ 関連 機 関 や 職 種 の 機 能 の 理 解 な どを深 め られ る よ う, 効 果 的 な 地 域 母 子 保 健 実 習 とな る よ うに検 討 を続 け て い く必 要 が あ る。 V.結 論 今 回 の研 究 で は 地 域 母 子 保 健 実 習 の実 施 状 況 や 実 習施 設や 受 入体 制 の 制 約 や 実 習 指 導 者 が得 られ に くい な どの 実 習 の 課 題,助 産 婦 活 動 へ の視 野 の 広 が りな どの 実 習 の 成 果 が 明 らか に な っ た。 今 後 は各 学 校 養 成 所 の実 習 目標 の 到 達 状 況 や 学 生 か ら の実 習 の成 果 や 課 題 を明 らか に し,地 域 母 子 保 健 実 習 の効 果 的 方法 を検 討 す る こ とで あ る。 本 調 査 を行 な うに あ た り,対 象 とな っ た各 助 産 婦 学 校 養 成 所 の皆 様 の ご協 力 に よ り,実 習 に 関 す る 多 くの示 唆 を得 る こ とが で きた こ と を深 く感 謝 い た します.最 後 に こ の研 究 は厚 生 省 看 護研 修 研 究 セ ン ター 同窓 会 研 究 助 成 金 に よ る もの で あ り、 同窓 会 に深 く感 謝 い た し ます。 引 用 文 献 1) 烏 丸 文 子: 地 域 母 子 保 健 へ の参 加 に 関 す る全 国 助 産 婦 学 生 の 意 識 調 査, 助 産 婦 雑 誌, 37 (8), 40∼44, 1983. 2) 村 山郁 子: 助 産 婦 教 育 課 程 に お け る地 域 母 子保 健 教 育 の 現 状 と課 題, 保 健 婦 雑 誌, 45 (1), 19∼28, 1989. 3) 佐 々 木 敦 子 他: 国 立 大 学 医 療 短 期 大 学 部 専 攻科 助 産 学 特別 専 攻 に お け る教 育 課 程 の現 状 調 査, 看 護教 育, 27 (2), 95∼99, 1986. 4) 財 団 法 人 厚 生 統 計 協 会: 国 民 衛 生 の 動 向, 40 (9), 192, 1994. 5) 厚 生 省健 康 政 策 局 看 護 課: 看 護 教 育 カ リキ ュ ラ ム, 92, 第 一 法 規, 1989. 6) 平 澤 美 恵 子: 見 つ め よ う母 子 保 健 政 策 の ゆ く え, 助 産 婦 雑 誌, 48 (6), 501-506, 1994.

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6.助

産 婦 教 育 にお け る技 術 教 育 の実 態

一 保健 指 導 技術 を中心

に-厚生 省看護研修研究 セ ンター ○ 高 橋 弘 子 広 島県立保 健福祉短期 大学 兵 頭 慶 子 I.は じめ に 平 成 元 年 の カ リキュ ラ ム 改正 は,保 健 婦 ・助 産 婦 ・看 護婦 ・准 看 護 婦 課程 で 同 時 に お こ な わ れ た。 改正 に お け る各 課程 共 通 の 考 え方 の ひ とつ と して 健 康 教 育 等1)を含 め た 包 括 医 療 に も対 応 で き る基 礎 的 知 識 の 重視 が あ げ られ 看 護 婦 課 程 に お い て は 基礎 看 護 技 術 の 教 科 内容 に 指 導 技 術 が 明 示 さ れ た。 今 回,改 正 カ リキュ ラム で教 育 を うけ た 学 生 を うけ い れ て助 産 婦 教 育 に お け る技 術 教 育 は どの よ うに展 開 さ れ て い るの か,特 に 改 正 カ リキ ュ ラ ム で強 調 され た指 導 技術 を どの よ うに教 育 して い るの か を知 る ため に全 国調 査 を実 施 した。 研 究 目的:カ リキ ュ ラム 改正 後5年 を経 過 した 助 産 婦 教 育 に お け る保 健 指 導 技術 の教 育 の 実 態 を 明 らか に し,助 産 婦 教 育 で何 を重視 して い るの か 技 術 の 教 育 と して どの よ うな 問題 が あ るの か を, さ ぐる. II.方 法 1調 査 対 象:全 国 の 助 産 婦 養 成 機 関85校 。 2調 査 期 間:平 成6年6月 ∼8月 。 3調 査 方 法:郵 送 に よ る質 問 紙 調 査 。 質 問 内容 は,1)実 践 カ リキ ュ ラ ム の概 要 2)入 学 時 点 で の,看 護 学 で既 習 の 技 術 項 目 の実 態 把 握 法 。 3)保 健 指 導 技 術 の 教 育 の 考 え 方 と展 開 方 法 。 以 上 につ い て教 務 主任 に 回 答 を依 頼 した。 I.結 果 1調 査 対 象 の概 要1)回 収 数:67校(回 収 率78.8%),2)学 校 種 別 は 表1の とお りで,専 修 学校 が64.2%で 最 多 で あ っ た。3)設 置 主 体 は,都 道 府 県30(44。8%),国19(28.4%),学 校 法 人8 表1学 校 の 種 別n=67 (11.9%),日 赤 ・市 町 村 ・社 団 法 人10(14.9%) で あ る 。 4)課 程 は,助 産 婦 単 独 が61(91.0%),保 助 合 同 が6(9.0%)で あ る 。5)平 成6年 度 の 在 学 生 数 は11名 ∼40名 の 間 に あ り,1校 平 均19名 で あ る 。 内 訳 は10∼19名 が33校(49.3%),20∼29名 が28校 (41.8%),30∼39名 が5校(7.5%),40名 が1校 (1.5%)で あ る 。 学 生 数 が30名 以 上 の 学 校 の 設 置 主 体 は,国 ・都 道 府 県 ・ 日赤 で あ っ た 。 2各 校 カ リ キュ ラ ム の 概 要1)学 則 に 定 め る時 間 数 で は,最 少570時 間,最 多1620時 間,51校 (76.1%)が991時 間 ∼1260時 間 で あ っ た 。720時 間(指 定 規 則)以 下 の 学 校 の 種 別 は 短 大 専 攻 科 ・ 大 学 で あ っ た 。 年 間 授 業 週 数 は35週 未 満 か ら45週 以 上 ま で に 分 か れ35週 未 満 が5校,45週 以 上 が10 校,最 多 は40∼45週 未 満 の36校 で あ っ た 。35週 未 満 の 学 校 は 短 大 専 攻 科 ・大 学 で あ っ た 。1週 間 の 授 業 日数 は5日 が57校(85.1%)で 最 多 で あ り,6 日が7校(10.4%)と な っ て い た 。2)実 習 時 間 は 最 少360時 間 か ら最 多901時 間 ま で の 回 答 が あ っ た 。360時 間 の 学 校 が3校,390∼560時 間 が25校, 指 定 規 則(1年)通 り585時 間 が24校,610時 間 ∼835 時 間 が12校 で あ っ た 。3)実 習 施 設 と し て,殆 ど の 学 校 が 病 院 ・保 健 所 ・助 産 所 に 依 頼 し て い る 。 実 習 病 院 が4施 設 以 上 あ る 学 校 が20校 あ り,そ の う ち の 最 多 は9施 設 で あ っ た 。 学 校 ・事 業 所 ・診 療 所 で の 実 習 は,夫 々2校 ・4校 ・5校 で あ っ た 。 ま た 助 産 所 実 習 が な い と答 え た 学 校 が8校 あ っ た

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がそ の う ち6校 は 短 大 専 攻 科,1校 は保 助合 同 課 程,2校 は 県 立 養 成 所 で あ っ た。4)実 習 の 組 立 を実 習 名 別 に み る と表2の とお りで あ っ た。 表2実 習名 と学 校種 別n=67 養 成所 で は 前期 ・後期,基 礎 ・応用 等 の時 期 別 名 称 が 多 く,短 大 で は 助 産 診 断 学 実 習,地 域 母 子 保 健 実 習 等 の 名 称 が 多 い。 実 習 の名 称 毎 の実 習時 間の 配分 は8時 間 ∼480時 間 まで 多様 で あ る。 継 続事 例 は67校(100%)が 受 け持 たせ て い た。 3入 学 時 点 に お い て,看 護 学 で既 習 の技 術 項 目につ いて 観 察 法 ま た は質 問紙 法 に よ り実 態把 握 を して い るか ど うか を見 る と,し て い るの が55校 (82.1%),し な い11校(16.4%)で あ っ た。 しな い と答 え た学 校 の 種 別 は短 大 ・大 学 が8校 で,理 由 は 「本 校 の 卒 業 生 な の で程 度 が わ か っ て い る」 「過 去 の 調 査 で わか っ て い る」 で あ っ た 。 調査 を して い る と答 え た 学 校 の 調 査 方 法 は,質 問 紙 法 49(73.1%),観 察 法19(28.4%)で あ っ た 。 この うち観 察 法 で調 査 して い る19校 が観 察 して い る技 術 を,39項 目か ら選 択 して も らっ た と ころ,沐 浴 19校,臍 処 置 が18校,児 計 測 ・導 尿 ・ガ ウ ンテ ク ニ ッ クが17校,手 洗 い が16校 で あ った 。 また,67 校 中8割 以上 の学 校 が 入 学 時 に 看 護 技 術 に つ い て 調査 す る 意義 を認 め る と回 答 し,さ らに 「看 護 婦 教 育 で学 ん で い る技術 で も助 産 関 連 技 術 は 再 教 育 す る」6割,「 で きて いな い技 術 は 再 教 育 す る」3 割 弱,「 既 習 の 技 術 は教 育 しな い」との 回答 は3校 (4.5%)で あ っ た。 4保 健 指 導 技術 の教 育1)保 健 指 導 技 術 の 理 論 を11項 目あ げ 講義 して い る もの を選 択 して も ちっ た とこ ろ,表3の とお りで あ った 。 2)指 導 技術 の 実 習 の させ 方 表4に 示 す よ うに,個 別 指 導 と して 必 ず 実 施 さ せ る内 容 と して 多 い の は,「 産 褥 期 の 生 活 指導」 表3講 義 して い る保健 指 導技 術 の 理論n=67 97%を 筆 頭 に 「妊 娠期 の 生 活 指 導 」 「新 生 児 の育 児 指 導」「産 後 の 家 族 計 画 指 導」「沐 浴 指 導 」「産 婦 の 呼 吸 法 ・和 痛 指 導 」 で あ り,9割 以 上 の 学 校 が 実 施 して い た。これ らの 技 術 につ い て評 価 の 実 施 は, 「産 褥 期 の 生 活指 導 」 「妊 娠 期 の生 活 指 導 」 「産 後 の 家族 計 画指 導 」 「沐 浴 指 導 」に つ いて は8割 の学 校 が評 価 の対 象 と して い た 。集 団指 導 で は,「母 親 学 級 」 が最 多 で8割 弱 の 学 校 が 実 施 し評 価 して い た。 次 に 多 い 「両 親 学 級」の実 施 は2割 で あ っ た。 機 会 が あ れ ば 実 施 す る技 術 と して は 表5の とお り,更 年 期 ・思春 期女 性 の 生 活 指 導,未 熟 児 ・病 児 の 指 導 を7割 台 の 学校 が あ げ て い る. これ ら の 指 導 を 実 施 す る に あ た っ て は,63校 表4指 導技 術 の実 施 と評価 の有 無n=67

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表5機 会 が あれ ば 実施 す る技 術n=67 (92.5%)が 指 導 案 を作 成 させ て い る。 指 導 案 の 内 容 を 自由 記 述 して も らっ た と こ ろ,母 親 学 級 な どの 学 級 活 動 や 沐 浴 指 導 ・家族 計 画 指 導 ・新 生 児 訪 問 な どの 個 別 指 導 毎 の指 導案 作 成 を課 し,テ ー マ ・目標 ・内 容 ・場 ・対 象 ・教 材 ・評価 な ど を含 む 指 導 の 計 画 を記 述 す る とい うの が代 表 的 で あ っ た 。 これ らの 指 導 技 術 の教 育 に お い てr難 しい こ と」 と して61校(91.0%)が 記 述 した 内 容 は,看 護 基礎 教 育 での 習 得 技 術 が 異 るた め そ の 調 整 が 難 しい 等 の 「看 護 教 育 との 関 連 に 関 す る こ と」,学 生 の 生 活体 験 が 乏 し く対 象 者 の生 活 を イ メー ジ させ る こ とが 難 し い,指 導 内容 の理 解 ・コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン技術 な どの 基 本 的 技 術 の個 人差 が 大 き い等 の 「学 習 者 の状 況」,個 人差 が 大 きな 学生 達 に 合 わ せ た 指 導 形 態 が とれ な い 等 「カ リキ ュ ラ ム の 問 題 」,実 習 の 場 に対 象 者 が 少 な い ・臨床 の助 産 婦 や 医 師 な どが 学 生 の す る こ とに理 解 を示 さな い ・評 価 が 難 しい 等 の 「教 育 内容 ・方 法 ・評 価 に 関 す る こ と」,に 分 類 す るこ とが で きた. IV.考 察 教 育 機 関別 の カ リキ ュ ラ ム は,総 時 間数,実 習 時 間数 と も違 い が 大 き く,最 少 と最 多 とで は3倍 の 開 きの あ る展 開 とな って い る。 総 時 間数 が 少 な い の は短 大 ・大 学 で あ り,指 定 規 則 に あ る 「修 業 年 限6ヵ 月720時 間 以上3を 下 まわ る と答 え た学 校 は2校 で あ っ た 。 一 方 総 時 間 が 多 い 学校 で は指 定 規 則 「修 業 年 限 1年1140時 間 」 を上 まわ るの が34校 あ り,回 答 校 の 半 数 は指 定 規 則 に プ ラ ス した時 間 で運 営 して い る こ とが わ か る。 実 習 は8割 強 の 学 校 が 指 定 規 則 (1年585時 間)と 同 じか 少 な め で 運 営 して お り, 総 時 間 数 ほ どの ば らつ きは な い。 実 習病 院 は1校 で4施 設 以 上 とい う学 校 が20校 あ り,回 答 校 の3割 を 占 め て い る。 また,助 産 所 実 習 が な い 学 校 が1割 あ り病 院 実 習 が 主 で あ る こ と,1校 平 均 の 学 生 数 は19名 と小 規 模 校 が 多 い こ とか ら,小 グル ー プ に分 か れ て の 病 院 実 習 が 多い こ とが わ か る。 実 習 の名 称 を み る と,科 目名 に よ る名 称 は短 大 に 多 く,短 大 に く らべ て 実 習 時 間 が 多 い養 成 所 は 前期 ・後 期 実 習 や 基 礎 ・応 用 実 習 等, 時期 に よ る名 称 をつ け て い る。 入 学 時 調 査 と して,学 生 が 身 に つ け て きた看 護 技術 の 実 態 把 握 を8割 強 の学 校 が 実 施 して い たが 保 健 婦 学 校 で の 実 施 が4割2)で あ る こ とに 比べ て 助 産 婦教 育 で は 技 術 の 習 得 を重視 して い る こ とが わ か る。さ ら に,「看 護 婦 教 育 で 学 ん で い る技 術 で も助 産 関 連 技 術 は再 教 育 す る」 との 回 答 が6割 み られ,こ の こ とか ら助 産 婦 教 育 で は技 術 を繰 り返 し学 ばせ 確 実 に 習得 す る こ と をめ ざ して い る こ と が うか が わ れ る。 保 健 指 導 技 術 の理 論 に つ い て は,カ ウ ンセ リン グ理 論 な どが 高 率 に 講 義 され て い るが,新 しい カ リキ ュ ラム に な っ て か らの 学 生 は,看 護 基 礎 教 育 に お い て,カ ウ ンセ リン グ理 論,コ ミュ ニ ケー シ ョ ン理 論,危 機 理 論,人 間 関 係 論,の いず れ も,既 に学 ん で い る は ず で あ る。 指 導 技術 の 教 育 で 難 し い こ と と して,「 看 護 教 育 との 関 連 」 「学 習 者 の状 況 」 な どが あ げ られ た が,看 護 基礎 教 育 に お い て も,習 得 させ る 技術 の 精 選 が 十分 され て い な い 現 状3)が あ り,助 産 婦 教 育 に お い て個 別 に 対 応 せ ざ る を得 な い こ との 反 映 で あ ろ う。 学 生 の個 人 差 や 技術 の 習 得不 足 を補 う方 法 と して,個 人 の 習得 状 況 に 応 じて主 体 的 に 学 習 で き る よ うな教 材 の 開 発 や,個 人 の 学 習 様 式4)に適 し た教 育 方 法 の 研 究 が 必要 で あ る。 指 導 技 術 の実 習 で は,個 別 指 導 と して妊 産 褥 婦 と新 生 児 に対 し対 象 や テー マ を変 え て繰 り返 し指 導 案 を立 案 させ 実 施 ・評 価 をす る こ とが 高 率 にみ られ た。 指 導 技術 の 特 性 と して,対 象 の 反 応 を と

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りいれ た 実 施 や,正 確 な指 導 内容 を含 む こ とな ど 難 度 の 高 さが あ り,実 習 で繰 り返 し行 う こ とでの み習 得 で き る こ とが 多 い。 しか し一 方,繰 り返 し に よ る習 熟 は 時 間 を要 す る こ とで あ り,限 られ た 時 間 内 での 学 習 の 効 率 を検 討 す る こ とが 課 題 とな る。 た とえば,指 導 案 の立 案 に よ り対 象 に 合 わ せ た 内容 の 抽 出,内 容 に見 合 っ た 方 法 の 工 夫 を学 ば せ る と き,ど の よ うな対 象 に どの よ う なテ ー マ で 学 ばせ る のか を明 確 に して,最 も効 果 的 な教 材 を 選択 し展 開す る こ とに な るが,そ の ね らい の 達 成 の評 価 を,実 習科 目の評 価 の み な らず カ リキ ュ ラ ム 評価 と して お こ な い,科 目 と科 目,講 義 と実 習 との連 関 を強 化 し,保 健 指 導 技 術 の 教 材 を精 選 す る工 夫5)をして い くこ とが 必 要 で あ ろ う。 V.ま とめ 1各 校 の カ リキ ュ ラム は 総 時 間,実 習 時 間 数 と も違 い が大 き く最 少 と最 多に は3倍 の 開 きが あ る 2実 習 時 間 は,短 大 ・大 学 よ り も養 成 所 が 多 く 養成 所 の実 習 は 時期 に よ る名 称,短 大 ・大 学 で は科 目に よ る名 称 が 多い 傾 向 で あ っ た。 3入 学 後 の看 護 技 術 の 実 態 把 握 は8割 強 の 学 校 が行 い,「看 護 婦 教 育 で 学 ん で い る技 術 で も助 産 関 連 技術 は再 教 育 す る」 との 回 答 が6割 と最 多 で あ っ た、 4保 健 指 導 技術 の理 論 と して カ ウ ン セ リグ理 論 が8割 弱 の 学校 で 講 義 され て い る。 5指 導 技術 の実 習 の させ 方 は,妊 産 褥 婦 ・新 生 児 を 中心 に 高率 に 実 施 され,指 導 案 作 成 して の 実 施 を課 し評 価 して い る. 6保 健 指 導 技術 の教 育 に あ た って 難 しい こ と と して あ げ られ た の は,「看 護 教 育 との 関 連 に 関 す る こ と」「学 習 者 の 状 況 」「カ リキ ュ ラム の 問題 」 「教 育 内容 ・方 法 ・評価 に 関 す る こ と」で あ っ た。 引用 文 献 1) 厚 生 省 健 康 政 策 局 看 護 課 編: 看 護 教 育 カ リ キ ュ ラ ムー21世 紀 に期 待 され る看 護職 者 の た め に, 6, 114, 第 一 法 規, 1989 2) 名 原 壽 子 他: 保 健 婦 教 育 に お け る 技 術 教 育 の 実 態, 日 本 公 衆 衛 生 雑 誌, 42-10, 610, 1995. 3) 鳥 海 千 代 子 他: 看 護 教 育 カ リキ ュ ラ ム に お け る看 護 技 術 教 育 の 実 態 一 第1報; 本 研 究 の 概 要 と基 礎 看 護 学, 日本 看 護 研 究 学 会 雑 誌, 18-臨 時 増 刊, 230, 1995. 4) レバ ド トニ エ 他, 中 西 睦 子 他 訳: 看 護 学 教 育 の ス トラ テ ジ ー, 医 学 書 院, 178-186, 1993. 5) 安 彦 忠 彦 編: カ リ キ ュ ラ ム 研 究 入 門, 勁 草 書 房, 1985.

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7.助

産 婦経 験 年数 と実 習評 価 の 視 点

一分 娩介 助 実 習評 価 の分析 か

ら(2)-北海道立衛生学院

○宮崎みち子

小林由衣子

花 田

広子

鎌 田

瑞 恵

1.は じめ に 先 に,分 娩 介 助 実 習 の 臨床 指 導 者 で あ る助 産 婦 に 焦 点 を当 て,そ の 助 産 婦 と して の 経 験 の 違 い に よ る実 習 評 価 の 視 点 に 関 す る調 査1)を行 っ た。 そ の 結 果,経 験 年 数3年 未 満 の助 産 婦 は,自 分 自身 の 反 省 をふ ま え,か つ 「慰 安 ・激励 」 と い う記 述 の 中 で,実 習 評 価 を行 っ て い る傾 向 に あ り,経 験 年 数 が 増 す に 従 って 「賞賛」 を一 つ の 実 習 評 価 の 視 点 と して い る傾 向 に あ っ た、 また,経 験 年 数 に 関係 な く 「今 後 の 課題」 とい う記述 の 中 で 実 習 評 価 を行 っ て い る傾 向 が あ っ た。 そ こで今 回,今 後 の よ り効 果 的 な実 習 指 導 に 向 け て,学 生 の分 娩 介 助 数 別 に実 習評 価 の視 点 に ど の よ うな傾 向 が あ るか を,助 産 婦 経 験 年 数 別 に 調 査 を行 っ た の で こ こに 報 告 す る。 II.方 法 過 去5年 間(平 成 元 年 度 か ら平 成5年 度 まで) の分 娩 介 助 実 習 評価406例 に 記 述 され た 内容 を,下 記 の8項 目に分 類 し,経 験 年 数 別 と分 娩 介助 数別 に分 析 した.各 分類 の 記 述 内容 は以 下 の通 りで あ る。 確 認:実 施 で きた こ とに 関 す る確 認 の 記 述 反省 の促 し:不 十分 だ っ た点 を指 摘 し,反 省 を 促 す 記 述 賞 賛:実 習 に 向 け て の 努 力 や 成 果 を ほ め る記 述 今 後 の課 題:今 回 の 実 習 を振 り返 り,今 後 の 学 習 ・実 習 に 向 け ての 課 題 に 関 す る 記 述 助 産 過 程 総 体:産 婦 に 展 開 した助 産 過 程 を振 り 返 り,要 点 を ま とめ た 記 述 慰 安 ・激 励:実 習 の 成 果 や 努 力 な どに 関 す るね ぎ らい や,励 ま しの 記 述 指 導 者 に 関す る もの:指 導 体 制 の 不 備 や,指 導 者 自身の反省 な どの記述 そ の他:上 記 以 外 の 記 述 な お,分 娩 介 助 数 は 初 期 の 実 習 段 階 で あ る1 ∼3例(以 下A群 とす る),中 期 の4∼7例(以 下 B群 とす る),後 期 の8例 以 降(以 下C群 とす る) の3群 に分 類 し た。 ま た,当 科 に お け る分 娩 介 助 実 習 の 評 価 は,産 婦 の 助 産 過 程 の 展 開 に関 して は15,分 娩 介 助 技術 に 関 し て は47の 評 価 項 目に つ い て指 導 担 当者 が, 分 娩 介 助1例 目か ら行 っ て い る。 さ らに,こ れ ら評 価 項 目に よ る評 価 の 他 に記 述 に よ る評 価 欄 を 設 け,自 由 に 記 載 す る形 式 を用 い て い る。今 回,調 査 対 象 と し た406例 は この 記 述 が な され て い た もの で あ る。な お,こ の406例 は 全 分 娩 介 助 実 習 評 価 の35.1%で あ っ た 。 III.結 果 1.記 述 され た 内容 406例 の 実 習 評 価 に 記 述 さ れ て い た 内容 総 数 は 1542で あ っ た(表1)。 これ を分 類 した とこ ろ,最 も多 い 記 述 は 「今 後 の課 題 」758(49.2%)で あ っ た。 2.群 別 記 述 内容 表2∼4の 通 り,各 群 共 通 して 「今 後 の 課題 」 の 記 述 が 約5割 で あ っ た。 次 い で,C群 を除 きA 群 とB群 で は,「 賞 賛 」,「反 省 の 促 し」,「慰 安 ・激 励 」 の 記 述 が 約1∼2割 で あ った 。 ま た,C群 で は 「助 産 過 程 総 体 」 の 記 述 が1割 で あ り,他 の 群 に 比 して 多か っ た 。 3.群 別 ・経 験 年 数 別 記 述 内容 A群 の 経 験 年 数 別 記 述 内容 は 以 下 の 通 りで あ っ た 。 「確 認」は,経 験 年 数 に か か わ らず 記 述 の 割 合 は低 か っ た。 しか し,経 験 年 数3∼5年 未 満 は他 の 経 験 年 数 に 比 し て 記 述 の 割 合 が 有 意 に 高 か っ

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表1経 験年数別記述内容 表2A群(分 娩介 助1∼3例)経 験年 数 別記 述 内容 表3B群(分 娩 介助4∼7例)経 験 年 数別 記述 内 容 表4C群(分 娩 介 助8例 以 降)経 験 年 数 別記 述 内容 た。 「反 省 の 促 し」は,経 験 年 数 に か か わ らず 記述 の割 合 は1割 前 後 で あ り,経 験 年 数 に よ る差 は な か っ た。 「賞 賛」は,記 述 の 割 合 が 経 験 年 数5年 未 満 で は1割 以 下 で,経 験 年 数5年 以 上 で は1割 ∼2割 で,経 験年数 に よる差は なか った。「今後 の 課 題 」 は,経 験 年 数 に か か わ らず 約4∼5割 以 上 の 記述 が あ り,経 験 年数15∼20年 未 満 で は 有 意 に 低 か っ た。 「助 産 過 程 総 体 」は,経 験 年 数 に か か わ らず 記述 の割 合 が低 か っ たが,経 験 年 数 に よ る差 は な か っ た。 「慰 安 ・激励 」 は,経 験 年 数 に か か わ

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らず 約1∼2割 の 記 述 で あ り,経 験 年 数 に よ る差 は な か った 。 「指 導 者 に 関 す る もの」は,経 験 年 数 に か か わ らず 記 述 の 割 合 が 低 か った 。 B群 の 経 験 年 数 別 記 述 内容 は 以下 の 通 りで あ っ た、 「確 認 」は,経 験 年 数3年 未 満 が他 の 経 験 年 数 に 比 して 記 述 の 割 合 が 有 意 に高 か っ た。「反 省 の 促 し」 は,経 験 年 数 に か か わ らず 約1割 の 記 述 で あ り,経 験 年 数 に よ る差 は なか っ た。 「賞 賛 」は,経 験 年 数10∼15年 未満 が他 の 経 験 年 数 に 比 して,記 述 の割 合 が有 意 に 高 か った 。 「今 後 の 課 題 」の 記 述 の割 合 は他 の経 験 年 数 に 比 して,経 験 年 数3年 未 満 が 記 述 の割 合 が有 意 に低 く,経 験 年 数3∼5年 未 満 で は そ れ が有 意 に 高 か った 。 「助 産 過 程 総 体 」 は,他 の 経 験 年 数 に 比 して,経 験 年 数15∼20年 未 満 と経 験 年 数20年 以 上 が 記 述 の 割 合 が 有 意 に 高 か っ た。 「慰 安 ・激 励 」 は,経 験 年 数3年 未 満 が 他 の 経 験 年 数 に 比 して 記 述 の 割 合 が 有 意 に 高 か っ た 。 「指 導 者 に 関 す る もの 」は,経 験 年 数3年 未 満 が 他 の 経 験 年 数 に 比 し て 記 述 の 割 合 が 有 意 に 高 か った 。 C群 の 経 験 年 数別 記 述 内容 は以 下 の 通 りで あ っ た.「 確 認 」は,経 験 年 数 にか か わ らず 記 述 の 割 合 が1割 以 下 と低 か っ た。 「反 省 の促 し」は,経 験 年 数 に か か わ らず 記 述 の 割 合 が1割 以 下 と低 か っ た、 「賞 賛 」は,経 験 年 数20年 以 上 が他 の 経 験 年 数 に 比 して 記 述 の 割合 が 有 意 に高 か っ た。「今 後 の 課 題3は,経 験 年 数 に か か わ らず 記 述 の割 合 が約3 ∼6割 あ り,経 験 年 数 に よ る差 は なか っ た.「助 産 過 程 総 体 」 は,経 験 年 数 に か か わ らず 記述 の割 合 が 約1割 で あ っ た。 「慰 安 ・激 励 」 は,経 験 年 数 に か か わ らず 記 述 の割 合 が 約1∼3割 で あ り,経 験 年 数 に よ る差 は な か った 。 「指 導 者 に 関 す る もの 」 は,経 験 年 数3年 未満 が他 の 経 験 年 数 に比 して 記 述 の 割 合 が 有 意 に 高 か った。 IV.考 察 看 護 ・助 産 技 術 は他 の様 々 な 技 術 と同様,そ れ ら を反 復 経 験 す る こ とに よ り次 第 に 向 上 し,一 定 の 目標 に 到 達 す る と言 わ れ て い る.こ の 点,内 藤2) は分 娩 介 助 に つ い て70項 目の チ ェ ッ ク リス トを掲 げ,個 別 行 動 目標 に 区分 して 集 計 した 結 果,そ の 到 達 状 況 を平 均 す る と「1例 目52%,5例 目62%, 10例 目68%,最 終 例77.5%」 と例 数 を 重 ね る毎 に 目標 に到 達 して い る こ と を明 らか に して い る。 ま た,三 井 ら3)は,学 生 の実 習 過 程 の 認 識 を,分 娩 介 助1∼2例 で は 「分 娩 介 助,手 順 を追 うの に精 一 杯 」,3例 目で 「助 産 過 程 に問 題 意 識 を も って 対 応」 し,5∼7例 目の 実 習 で 「で き た」,「で きな い」 が 明確 化 し,7∼10例 目で 未 熟 なが ら 「ど うに か で き る」 段 階 と述 べ て い る. そ こで,こ れ ら学 生 の 分 娩 介 助 数 の 増 加 に伴 い, 臨 床 指 導 者 の 実 習 評 価 の 視 点 に どの よ うな傾 向 が あ る か を分 析 す る こ とに よ り以 下 の こ とが 考 え ら れ る。 第 一 にA群 で は,経 験 年 数3∼5年 未 満 で,「確 認 」 の 記 述 が有 意 に 高 か っ た 。 こ れ は,学 生 の分 娩 介 助 経 験 数 の 少 な い 中 で,同 じ く指 導 経 験 の 少 な い 指 導 者 が,一 つ 一 つ の こ と を共 に確 認 しなが ら学 習 しよ う と い う指 導 者 の 意 識 の 現 れ で あ ろ う。 そ して,板 垣 ら4)の「実 習指 導 につ い て 自信 が あ る と回 答 した者 は19.2%と 少 な く,年齢 が 若 い ほ ど 自信 が な い と回 答 し た者 が 多 い」 とい う調査 結 果 も これ を裏 付 け よ う。 ま た,経 験 年 数15∼20 年 未 満 で は 「今 後 の課 題 」 の 記 述 が 有 意 に低 か っ た。 通 常,経 験 豊 富 で あ れ ば 次 の 学 習 上 の課 題 に 対 す る記 述 が 、 具 体 的 に か つ 多 くな る と予 想 され る。 しか し、 指 導 経 験 が 豊 富 で あ る故 に,学 生 の 到 達 状 況 に あ わ せ,学 生 自 らが 「今 後 の 課 題 」 を 導 き出せ る よ う指 導 方 法 を工 夫 す る な ど して,指 導 者 が 敢 え て 「今 後 の 課題 」 とい う記 述 をせ ず に 評 価 して い る こ と も考 え られ る。 第 二 にB群 で は,経 験 年 数3年 未 満 で,「 確 認 」 の 記 述 が 有 意 に 高 か っ た 。 これ はA群 での 経 験 年 数3∼5年 未 満 の 結 果 と同 様,学 生 の 分 娩 介 助 数 に か か わ らず,経 験 年 数 の 少 な い指 導 者 の 特 徴 と 言 え よ う。 ま た,「 今 後 の 課 題 」の 記 述 が 有 意 に低 か っ たが,こ れ は 指 導 者 自身 の 未 熟 さ故 に学 習 課 題 を 明確 に提 示 で きな い 現 れ の 一 つ で あ り,さ ら に 「指 導 者 に 関 す る もの 」 の 記 述 が 有 意 に 高 か っ た点 もあ わせ て,自 己 の 未 熟 さ故 に,十 分 な実 習

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成 果 を生 み 出 す こ とが で き な い こ とに対 して の 反 省 の 現 れ と考 え られ よ う。 「慰 安 ・激 励 」 の 記 述 が 有 意 に 高 か っ たが,こ れ は 学 生 に一 番 近 い 存 在 と して,学 生 の 立 場 を 自分 自 身 に 置 き換 え,共 に 学 習 し よ う とい う気 持 ち や 誠 意 の 現 れ と考 え られ る。 この 点,坂 口5)は「か つ て 自分 も実 習 生 と同 じ 不安 で臨 床 に 臨 ん だ もの だ とい う謙 虚 な 気 持 ち を もっ て,ま ず は実 習 生 に接 して い くこ とが 大 事 な 第一 歩の 出会 い で あ る」 とい う こ と を臨 床 指 導 者 に求 め られ る姿 勢 と して述 べ て い る。 次 に,経 験 年数3∼5年 未 満 で は,「 今 後 の課 題 」の 記 述 が 有 意 に 高か っ た。 こ れ は,臨 床 指 導 を担 当 して間 も ない 時期 と相 侯 っ て の 指 導 意 欲 の 現 れ で あ り,学 習 の到 達 目標 の 中 間地 点 に い る学 生 へ の 期 待 が 大 きい こ と も伺 え よ う。 ま た,経 験 年 数10∼15年 未 満 で は 、「賞 賛」の記 述 が有 意 に 高 か っ た。これ は, 指 導 経験 が豊 富 な 中 で,学 生 の 学 習 意 欲 の 継 続 向 上 に む け て,賞 賛 の 大 切 さ を学 生 に伝 え られ る た め で あ ろ う、 兼 平6)はニ ュー ジー ラ ン ドの あ る病 院 で の一 場 面,「 この 計 画 こ こ が い い わ ね 」,「こ れ や って み ま し ょ う,学 生 さ ん」 とい う とこ ろか ら 始 ま る学 生 指 導 を垣 間 見 て,批 判 的 に み る の で は な く素 直 に ほ め る こ との 大 切 さ を実 感 して い る。 ま た,経 験 年 数15∼20年 未 満 と経 験 年 数20年 以 上 では,「 助 産 過 程 総 体 」 の 記 述 が 有 意 に 高 か っ た。 これ は,指 導 者 自身 の 臨 床 経 験 や 学 生 指 導 経 験 の 賜 物 で あ り,学 生 が 展 開 した助 産 過 程 を総 体 的 に とら え,振 り返 る こ とが で きるか らで は な い で あ ろ うか 、 この 指 導 者 自身が 助 言 した こ と を記述 し て示 す こ とは,そ の 内容 につ い て再 度 学 生 に確 認 の 機 会 を与 え る こ とに な ろ う。 さ らに,そ れ は 学 生 自身 に 改 め て 振 り返 りを させ る大 切 な機 会 と な る こ と と もい え よ う。 第 三 にC群 で は,経 験 年 数3年 未 満 で は,「指 導 者 に 関 す る もの 」 の 記 述 が 有 意 に 高 か っ た が,こ れ はB群 の 結 果 と同 様,指 導 者 と して の 未 熟 さ故 の 反 省 と,共 に 学 習 を しよ う とい う姿 勢 の 現 れ で あ ろ う。 ま た,経 験 年 数20年 以 上 で は,「 賞 賛 」の 記 述 が 有 意 に 高 か った 。 こ れ はB群 の 経 験 年 数 10∼15年 未 満 と同様 の意 味 付 け,す な わ ち,賞 賛 す る こ との 学 習 意 欲 へ の 好 影 響 を確 実 に 認 識 して い る もの と考 え られ よ う。 V.ま とめ 今 回 の調 査 か ら,分 娩 介助 数 と助 産 婦 経 験 年 数 に よ る実 習 評 価 の視 点 に 関 す る傾 向 と して,以 下 の3点 が 明 らか に な っ た。 1分 娩 介 助 数 に かか わ らず,実 習 評 価 の視 点 は ほぼ 同様 で あ る。 2経 験 年 数 の少 な い 臨床 指 導 者 は,学 生 の分 娩 介 助 数 にか か わ らず 「確 認 」 と 「指 導 者 に関 す る もの」 の 記述 の 中 で,実 習 評 価 を 行 っ て い る傾 向 に あ る。 3経 験 年 数 の 多 い 臨床 指 導 者 は,学 生 の 分 娩 介 助 数 に かか わ らず 「賞 賛 」 とい う言 葉 で, 実 習 評 価 を行 っ て い る傾 向 に あ る。 今 後,こ れ らの こ と を踏 ま え,よ り効 果 的 な実 習指 導 につ い て再 考 して い きた い と考 え る。 引 用 ・参 考 文 献 1) 宮 崎 み ち 子 他: 助 産 婦 経 験 年 数 と実 習 評 価 の 視 点 一 分 娩 介 助 実 習 評 価 の 分 析 か ら 一 日本 助 産 学 会 誌, 8 (2), 142-145, 1995. 2) 内 藤 和 子: 助 産 婦 学 校 に お け る 助 産 技 術 教 育 の 計 画 と実 施 結 果2, 看 護 教 育22 (13) 824-831, 1981. 3) 三 井 政 子 他: 京 都 大 学 医 療 技 術 短 期 大 学 部 専 攻 科 に お け る 助 産 論 実 習 の 評 価, 助 産 婦 雑 誌 33 (12) 845-854, 1979. 4) 板 垣 恵 子 他: 病 棟 に お け る 指 導 体 制 と病 棟 指 導 者 層 の 意 識,看 護 教 育34 (13) 1089, 1993. 5) 坂 口 哲 司: 臨 床 指 導 者 に 臨 む こ と, 看 護 実 践 の 科 学18 (9), 80, 1993. 6) 兼 平 佳 子: 異 文 化 に 触 れ て 考 え た こ と-臨 床 実 習 指 導 の 現 場 か ら-, 看 護 教 育36 (3), 227-231, 1995.

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8.助

産 婦経 験 年 数 と実 習 評 価 の視 点

一 出生 直後 の新 生 児 の取 り扱 い に関す る実習 評価 の 分析 か ら一

北海道立衛生学院

○小林由衣子

宮崎み ち子

鎌 田

瑞恵

花田

広子

I.は じめ に 助 産 婦教 育 課 程 に お け る臨 床 実 習 は,講 義 で の 知 識 を技術 ・態 度 と統 合 して,応 用 実 践 す る ため の場 で あ る。 この 臨 床 実 習 を通 して 学 生 は,様 々 な 臨 床 経 験 を有 す る臨 床 指 導者 か ら,助 産 婦 と し て の価 値 観 や 助 産 技 術 を数 多 く学 ん で い る。 我 々 は,先 に,分 娩 介 助 実 習 評 価 か ら臨 床 指 導 者 で あ る助 産 婦 の経 験 年 数 に よ る実 習 評 価 の視 点 を明 らか に した1)。ま た,当 科 で は,助 産 過 程 の 展 開 や 分 娩 介 助 技術 の 習得 は も ち ろん,妊 娠 ・分 娩 経 過 をふ まえ た 出 生 直 後 の 新 生 児対 す る生 活援 助 を展 開 で き る こ と も 目標 と して い る。 そ こ で今 回,臨 床 指 導 者 で あ る助 産 婦 に 焦 点 を 当 て,助 産 婦 と して の 経 験 年 数 の違 い に よ る 「出 生 直後 の新 生 児 の 取 り扱 い に関 す る実 習 評価 」(以 下 新 生 児 実 習 評 価 と略 す る)の 視 点 を把 握 し,今 後 の 臨床 実 習 展 開 へ の 示 唆 を得 るべ く調査 を行 っ た の で こ こに 報 告 す る。 II.方 法 過 去5年 間(平 成 元 年 度 か ら平 成5年 度 まで) に お け る助 産 婦 学 生 に 対 す る新 生 児実 習 評 価237 例 に 記 述 され た 内容 を,確 認,反 省 の 促 し,賞 賛, 今 後 の 課 題,助 産 過 程 総 体,慰 安 ・激 励,指 導 者 に関 す る もの,そ の 他 の8項 目に分 類 し分 析 した。 各 分類 の 記 述 内容 は 以 下 の 通 りで あ る。 確 認:実 施 で きた こ とに 関 す る確 認 の 記 述 反 省 の促 し:不 十分 だ っ た点 を指 摘 し,反 省 を 促 す 記 述 賞 賛:実 習 に 向 け て の 努 力や 成 果 をほ め る記 述 今 後 の課 題:今 回の 実 習 を振 り返 り,今 後 の 学 習 ・実 習 に 向 け て の 課 題 に 関 す る 記 述 助 産過 程 総 体:産 婦 の助 産過 程 の 展 開 全 体 を振 り返 り,要 点 を ま とめ た 記 述 慰 安 ・激励:実 習 の成 果や 努 力 な ど に関 す るね ぎ ら いや 励 ま しの 記 述 指 導 者 に 関 す る もの:指 導体 制 の 不 備 や,指 導 者 自 身 の 反 省 な どの 記 述 そ の他:上 記 以 外 の記 述 ※ な お 当科 に お け る新 生 児 評 価 は,26の 評 価 項 目 を掲 げ,4つ の評 価 基 準 を も と に指 導担 当 者 が1例 目か ら行 っ て い る。 さ ら に,評 価 項 目の他 に 記 述 に よ る評 価 欄 を 設 け,自 由 に 記 載 す る形 式 を用 い て い る。 今 回,調 査 対 象 と した237例 は,こ の 記 述 が な され て い た もの で あ る。 III.結 果 1.記 述 さ れ た 内 容 表1の 通 り,記 述 さ れ た 内 容 総 数 は424で あ っ た 。 こ れ を 分 類 し た と こ ろ,最 も 多 い 記 述 は 「今 後 の 課 題 」155(36.6%)で あ り,次 い で 「反 省 の 促 し 」90(21.2%),「 確 認 」66(15.6%),「 慰 安 ・ 激 励 」50(11.8%)で あ っ た. 2.経 験 年 数 別 に 記 述 さ れ た 内 容 表1の 通 り,経 験 年 数3年 未 満 で は,「今 後 の 課 題」 が24(33.8%)と 最 も 多 く,次 い で 「反 省 の 促 し」12(16.9%),「 慰 安 ・激 励 」11(15.5%) で あ っ た 。 経 験 年 数3∼5年 未 満 で は,「 今 後 の 課 題 」 29(41.4%)が 最 も 多 く,次 い で 「反 省 の 促 し」 17(24.2%)で あ っ た 。 経 験 年 数5∼10年 未 満 で は,「 今 後 の 課 題 」 35(37.6%)と 最 も 多 く,次 い で 「反 省 の 促 し」 24(25.8%),「 確 認 」13(14.0%)で あ っ た 。 経 験 年 数10年 ∼15年 未 満 で は,「 今 後 の 課 題 」 10(32.0%)が 最 も 多 く,次 い で 「確 認 」7(22.

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表1経 験 年 数別 記 述内 容(新 生 児実 習評 価) 表2経 験年数別記述内容(分 娩介助実習評価) 6%)で あ っ た。 経 験 年 数15∼20年 未 満 で は,「 今 後 の 課 題 」 22(35.5%)と 最 も 多 く,次 い で 「反 省 の促 し」 と 「確 認 達 の 両 者 が10(16.1%)で あ っ た。 経 験 年数20年 以上 で は,r今 後 の課 題 」 が10(32.3%) と最 も多 く,次 い で 「確 認 」7(22.6%)で あ っ た。 IV.考 察 結 果 よ り,新 生 児 実 習 評 価 は,助 産 婦 の 経 験 年 数 に かか わ らず 同 じ視 点 で 行 わ れ て い る こ とが 伺 え る。 そ の要 因 と して考 え られ る こ との 一 つ に, 対象 の特 徴 が 上 げ られ よ う。 対 象 で あ る新 生 児 の ほ とん どは,出 生 前 診 断 で は ハ イ リス ク 因子 が 見 られず 、 アプ ガー ス コア は8点 以 上,正 期 産 範 囲 の成 熟 児 で あ っ た。 こ の こ とは,新 生 児 の 健 康 状 態が 安 定 して い る ため に助 産 診 断 が容 易 であ り, 対 象 の 個 別 性 を考 慮 しな くて も,援 助 の優 先順 位 や 技 術 に 影 響 が な い こ とにつ な が る。 つ ま り,元 気 な児 で あ る ため どの 児へ も援 助 の視 点 は 同 じで あ り,か つ,そ の援 助 技術 は助 産 婦 経 験 を積 ま な くて も,比 較 的容 易 に で き る基 本 技 術 で あ る。従 っ て,助 産 婦 の経 験 年 数 が,実 習 評価 の 視 点 に影 響 しな い の で あ ろ う。 しか し,そ の 中 で も 「指 導 者 に関 す る もの」の 記 述 は,経 験 年 数3年 未満 で は, ほか の経 験 年 数 に 比べ て 高 い傾 向 に あ る。これ は, 先 に 明 らか に した分 娩 介 助 実 習 評 価 の 視 点2)と同 様 に,助 産 婦 と して の 未 熟 さ故 に,充 分 に 指 導 が で きなか っ た こ とを 反省 して い る記 述 で あ る。 し か し坂 口3)は,「か つ て 自分 も実 習 生 と同 じ不 安 で 臨 床 に 臨 ん だ もの だ とい う謙 虚 な 気 持 ち を もっ て,ま ず は,看 護 実 習生 と接 して行 くこ とが,大 切 な 第一 歩 の 出会 い で あ る。」と述べ て い る.つ ま り,学 生 の立 場 に一番 近 く,学 生 の 身 に な っ てか か われ る経 験 年 数3年 未満 の助 産 婦 は,充 分 に指 導 で き な い の は 自分 の 未熟 さ で あ る と,自 分 の 状 況 を謙 虚 に とら え て い る の で あ ろ う。 記 述 され た 評 価 内容 を見 る と,「確 認」の 記 述 割 合 が 分 娩 介 助 実 習 評 価(表2参 照)に 比べ る と約10倍 に な っ て い る。 こ れ は対 象 が訴 え の把 握 しに くい新 生 児 で あ るが 故 に,観 察 力 が求 め られ,正 確 な基 本 的 技 術 や 知 識 につ い て の 習得 が,重 要 視 され て い るた め と考 え られ る。 ま た,新 生 児 の 場 合 観 察 や 援 助 の 小 さ な ミス が,異 常 へ の移 行 を見 逃 し,新 生 児

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の 健 康 状 態 に大 き く関 与 す る もの で あ る。 そ の た め,「 反 省 の 促 し」も分 娩 介 助 実 習 評 価 に 比 べ る と 2倍 に な っ て い る と考 え られ る。 ま た,「 賞 賛 」の 記述 割 合 が,分 娩 介 助 実 習 評 価 に 比 べ る と,3分 の1と 低 くな って い る。これ は, 学 生 の 到 達 度 が 高 い こ とが影 響 して い る と考 え ら れ る。 高 橋 ら4)の看 護 学 校 卒 業 時 に お け る看 護 技 術 の 自 己評 価 か ら技 術 の経 験 状 況 をみ る と,出 生 直 後 の新 生 児 の 取 り扱 い の経 験 率 は75%で あ る。 そ の 中 で,「 援 助 が な くて も一 人 で で きる」割 合 は 13%と な って い る。 ま た,東 日本 地 区 国 立 大 学 医 学 部 付 属 助 産 婦 学 校 教 官 連 絡 協 議 会5)の報 告 で は 出生 直 後 の新 生 児 の ア プ ガ ー ス コア 判定 ・身 体 各 部 の観 察 及 び 計 測 は,実 習 経 験 が 少 な く見 学 が 主 体 で あ っ て も,「 全 然 自信 が な い 」と回答 した もの よ り,「 指 導 者 の 立 ち会 い で で き る」 「一 人 で で き る」 と答 え た もの が 多か っ た と述 べ て い る。 この よ うに,新 生 児 の 取 り扱 い に つ い て は,看 護 学校 時 の 母 性 看 護 実 習 で 経 験 して い る ため,技 術 の 取 得 状 況 の 到 達 度 が 高 く,そ の た め 指 導 者 側 で は, で きて 当 た り前 とい う よ うな 考 え も で て くる の だ ろ う。 さ ら に,対 象 で あ る新 生 児 と実 際 に関 わ る 時 間 が1時 間前 後 と短 い こ と も,「 賞賛 」の 記 述 割 合 が 少 な い こ とに関 連 して い る と考 え られ る.産 婦 へ の 関 わ りは,一 日 また は そ れ 以 上 の 中 で,陣 痛 を乗 り切 る ため の呼 吸 法や 補助 動 作 を一 緒 に行 い,分 娩 進 行 に 向け て安 全 で安 楽 な 日常 生 活 援 助 の 展 開 を通 して 行 っ て い る。 そ の た め,目 標 が 達 成 され た と き,「よ く頑 張 っ た ね 」,「こ れ は うま く 行 っ た ね 」 と努 力 や 成 果 を ほ め る 「賞 賛 」 と い う 言葉 で評 価 され る こ とが 多 い。 こ の 言 葉 は,コ ツ コツ と休 まず に 時 間 をか け て行 っ た努 力や 成 果 に 対 して は表 現 され や す く,短 時 間 で あ る出 生 直 後 へ の新 生 児 の 関 わ りでは,「 賞 賛 」とい う言 葉 で 評 価 を受 け に くい の で あ ろ う。 ま た,兼 平6)がい う よ うに,臨 床 指 導 を して い る と,到 達 して い る事 を認 め ず,さ らに レベ ル ア ッ プ して 「これ は ど うい う意 味?」,「 根 拠 は?」 な ど と,ど こか 抜 け て い る と こ ろや で き て い な い と こ ろ を探 そ う と して し ま う傾 向 が あ る.こ れ らの こ とは,前 述 の 「確 認 」 の 記 述 が 多 く,r賞 賛 」の記 述 が 少 な い とい う結 果 を裏 付 け る もの で あ ろ う。 さ ら に,兼 平7)は,で きて 当 た り前 と思 わ な い こ と,お だ て る とい うの で は な く素 直 に ほ め て あ げ る こ と。 そ うす る こ とで,自 分 の行 った こ とが支 持 され て い る,共 感 され て い る と感 じ,自 信 がつ き意 欲 も湧 い て くる と述 べ て い る。 こ の こ とか ら も,ほ め る こ とが少 な い と言 わ れ て い る 臨 床 指 導 者 は,ど ん な さ さ い な事 で も"ほ め る"と い う表 現 を して い くこ とが 大 切 とい え る。何 故 な らば, で き た とこ ろ を認 め そ れ を伝 え て行 くこ とが,学 生 に 自信 を 与 え,自 主 的 に行 動 させ,や る気 を起 こ させ る こ とに つ な が る か ら で あ る。 V.ま と め 今 回 の 調査 か ら,新 生 児 実 習 評 価 の 視 点 に 関 す る傾 向 と して,以 下 の2点 が 明 らか に な っ た 。 1.助 産 婦 経 験 年 数 に 関 わ らず,評 価 は,同 じ 視 点 で行 われ て い る。 しか し,そ の 中 で,経 験 年 数3年 未 満 の助 産 婦 は,自 分 自身 の 反省 を踏 まえ て 評 価 を行 って い る傾 向 が あ る。 2.分 娩 介 助 実 習 評 価 と比 較 す る と,「 確 認 」の 記 述 割 合 が10倍 と多 い 反 面,「 賞 賛 」の 記 述 割 合 が3分 の1と 少 な い。 学 生 の 習 得 状 況 を把 握 し,個 々 に あ った 指 導 を 提 供 す る ため に は,客 観 的 な 評 価 が 求 め られ る。 しか し,客 観 的 に と ら え る こ とが 難 しい た め,教 育 を行 う側 と して は,評 価 の 方 法 ・時 期 ・基 準 な どの検 討 を繰 り返 して 行 っ て い るの が 現 状 で あ ろ う。 今 回 の 調 査 で は,明 確 な分 類 基 準 の 設 定 が な く,自 由 記 載 の評 価 欄 か ら記 述 内 容 を分 類 した た め,評 価 者 の 表 現 を主 観 的 な 解 釈 で 捕 ら え て し まっ て い る。 また,評 価 者 の助 産 婦 経 験 年 数 だ け で は な く,個 人 の 人 間 性 に も左 右 され るた め,評 価 の視 点 は 異 な っ て くる で あ ろ う。 さ らに,学 生 の 出 生 直 後 の 新 生 児 取 り扱 い 経 験 数 を考 慮 に 入 れ て い な い ため,実 習 評 価 の 視 点 に 関 す る傾 向 に 片 寄 りが あ る こ とは 否 め な い。 今 後,こ の 点 を考 慮 して,更 な る調 査 を こ こ ろ み た い と考 え る。

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引 用 ・参 考 文 献 1) 宮 崎 み ち 子 他: 助 産 婦 経 験 年 数 と 実 習 評 価 日 本 助 産 学 会 誌, 8 (2) , 142-145, 1995. 2) 同 上. 3) 坂 口 哲 司: 臨 床 実 習 指 導 者 に 望 む こ と, 看 護 実 践 の 科 学, 18 (9) , 73-80, 1993. 4) 高 橋 栄 美 代 他: 卒 業 時 に お け る看 護 技 術 の 到 達 目標 と到 達 度 に 関 す る一 考 察 (そ の2) , 第17 回 看 護 教 育, 74-76, 1986. 5) 東 日本 地 区 国 立 大 学 医 学 部 付 属 助 産 婦 学 校 教 官 連 絡 協 議 会: 看 護 教 育 に お け る母 性 看 護 履 修 状 況 調 査, 看 護 教 育, 20 (4), 245-252, 1979. 6) 兼 平 佳 子: 異 文 化 に 触 れ て 考 え た こ と 一 臨 床 実 習 指 導 の 現 場 か ら-, 看 護 教 育, 36 (3) , 227-231, 1995. 7) 同 上.

参照

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