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日本におけるヤシガニ研究の現在 : ヤシガニ資源保全へのアプローチ : 企画趣旨とシンポジウム内容(日本におけるヤシガニ研究の現在)

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Academic year: 2021

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cancer

20: 71-72 (2011) Carcinological S ociety 0 1 Japan

日本におけるヤシガニ研究の現在ーヤシガニ資源保全へのアプ

ローチー企画趣旨とシンポジウム内容

Introduction to the s y m p o s i u m report: s y m p o s i u m objectives a n d contents

藤田喜久

1,2

Yoshihisa

F

ita

ヤシガニBirgus latro (Linnaeus, 1767) は,オカヤ ドカリ科に属し,インドー西太平洋の熱帯 ・亜熱帯 烏興域に広く分布する 世界最大の陸性十脚甲殻類で ある. ヤシガニは,貴重なタンパクj原や珍味食材と して利用されている他

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剥製,民芸品・絵画や陶芸 などの芸術作品 ・貨幣 ・切手のモチーフ,さらに地 域の歌謡にも登場するなど,人間生活と密接に結び ついている( 藤田, 2010), しかし近年,過剰捕獲 や開発等による生息環境の悪化によって本穫の資源 量は減少傾向にあり,国際自然保護連合 (I U C N) のレッド リス トにて「 データ不足 (D D)J に,環境 省・鹿児島県・沖縄県のレッドデータブックにおい ていずれも「絶滅危倶 Il 類

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に,それぞれ区分さ れている. ヤシガニ資源の保全および管理の必要性は国内外 でも古くから指摘され,その基盤となる研究も多数 行なわれてきた . 優れたレヴューも存在する( 例え ば, Fletcher, 1993; Drew et al" 2010),また ,近年に なって園内においてもヤシガニの繁殖生態や初期生 活史に関する研究が盛んに行なわれるようになり, 当該分野において 他 を リー ドするほどの活況であ る. 一方, 2010 年 4月1 日には,沖縄県の多良間村 l 琉球大学大学教育センター 干903-0213 沖縄県西原町千原 l

U niversity Education Center, U niversity of the Ryukyus, 1 Senbaru, Nishihara, Okinawa 903-0213, Japan

2 N P O 法人海の自然史研究所

干904-0113 沖縄県中頭郡北谷町宮城2-95- 101 Marine Learning C enter, 2-95-101 Miyagi, C hatan, O kinaw a 904-0113, Japan

E -mai1: ga1atheids @yahoo.co・JP

において,全国初となる「多良間村ヤシガニ( マク ガン) 保護条例」が施行され( 資料 1),沖縄県下 の他の市町村も追従する動きをみせるなど, ヤシガ 資料l 多良間村ヤシガニ( マクガン) 保護条例の 全文 多良間村ヤシガニ ( マクガン) 保護条例 ( 目的) 第 l条この条例は、乱獲による絶滅を防止するこ とにより、多良間村の豊かな自然の象徴で もあるヤシガニを 、有用な資源、として将来 にわたり持続的に活用するため保護するこ とを目的とする 。 ( 保護区の設定) 第2条村長は、ヤシガニの生態を調査研究するた めの保護区を設定することができる 。 2 何人も保護区内のヤシガニを採取しではな らない。 ( 採取禁止期間及び採取禁止サイズ等) 第3条ヤシガニは成長が極めて遅いため、乱獲に よる絶滅を防止し、良好な個体数を維持す るため 、採取禁止期間及び採取禁止サイズ 等を定める 。 2 7月l 日から 8月31 日までの期間はヤシガ ニを採取しではならない。 3 甲の大きさが8センチメートル(1斤) 以 下のヤシガニは採取しではならない。 4 抱卵雌ヤシガニは採取しではならない。 ( 罰則) 第4 条この条例に違反した者に対して、村長は、 10 万円以下の罰金を科す ことができる。 ( その他必要な事項) 第5条 そ の他必要な事項は、規則でこれを定める 。 附買1] この条例は、公布の日から施行する。 日本甲殻類 学会 S y mp ( 剖' u mR母 削 I 71

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ニ資源保全の気運も高まりを見せている . こうした状況の中. 2010年11月 12 日- 14日に 琉球大学で開催された日本甲殻類学会第48回大会 において,公開シンポジウムとして「日本における ヤシガニ研究の 現在ー ヤシガニ資源保全へのアプ ローチ」が執り行われた (日時: 2010年11 月12 日,金曜日. 15: 00- 17 : 30). このシンポジウム では. 4名の演者( 浜崎活幸・藤田喜久・松崎章 平・ 佐藤 琢) が各自の研究成果を紹介した後,琉 球大学名誉教授の諸喜田茂充先生をコメンテータ ー として迎え,ヤシガニ資源の保全のための議論を行 なった シンポジウムの内容は以下の通りである . シンポジウムの演者および演題 1. 趣旨説明: ヤシガニと人々の暮らし 藤田喜久( 琉球大学/ N P O法人海の自然 史研 究所) 2. 講演。ヤシガニの初期生活史研究一飼育による アプローチ 浜崎活幸( 東京海洋大学海洋生物資源学科) 3. 講演. 小 さなヤ シガニはどこにいる? 藤田喜久( 琉球大学/ N P O法人海の自然史研 究所) 4 . 講演希少生物に対する水族館の役割一海洋博 公園のヤシガニについて 松崎章平( 沖縄美ら海水族館魚類課) 5. 講演・ヤシガニの資源管理一繁殖生態からのア プローチ 佐藤琢( 西海区水研石垣支所) 6. 総合討論: ヤシガニ資源、の保全にむけて コメンテ ーター :諸喜田茂充( 財団法人沖縄科 学技術振興センター) 本シンポジウムには,甲殻類学会員だけでなく ,

72

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図1 . シンポジウムの様子 琉球大学の学生,沖縄県および県下市町村の行政関 係者,一般,高校生など幅広い方々に参加いただ き,ヤシガニに対する関心の高さが伺えた そこで 本報告では,同シンポジウムにおいて講演された内 容を各演者に短報形式でまとめていただき,国内に おけるヤシガニ研究の現状を知る資料とすることと なった. 本報を C A N CE R にまとめることをご提案 していただいたC A N C E R編集委員長の村 岡健作先 生と同編集委員の浜崎活幸先生に深謝したい. . 文 献

Drew, M . M., H arzsch, S., Stensm yr, M ., Erland, S., &

Hansson, B . S., 2010. A revie w of the biology and ecology of the robber crab, Birgus latro (Linnaeus,

1767) (Anomura: Coenobitidae). Zoologischer A n zeiger, 249: 45-67

Fletcher, W . J., 1993. C oconut crabs. In: A. W right, & L. Hill (eds.), N earshore marine resources of the South Pacific目

IC O D, C anada, pp. 643-681.

藤田喜久. 201 0 ヤシガニと沖縄の人々の暮らし

参照

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