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マインドフルネスと心配およびエフォートフル・コントロールとの関連の検討

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日本認知・行動療法学会 第44回大会 一般演題 P2-02 300

-マインドフルネスと心配およびエフォートフル・コントロールとの関連の検討

○深谷 春香1)、坂井 誠1,2) 1 )中京大学心理学研究科臨床・発達心理学専攻、 2 )中京大学心理学部 【問題と目的】 マインドフルネスとは,今ここでの経験に,評価や 判断を加えることなく,能動的に注意を向けることで ある(Kabat-Zinn, 1990)。マインドフルネス傾向を 高めるマインドフルネストレーニングは,うつ病や不 安症に有効であり,不安症の中でも全般不安症の主症 状 で あ る 心 配 の 治 療 へ の 応 用 が 期 待 さ れ て い る (Roemer & Orsillo, 2002)。しかし,マインドフルネ ス傾向がどのようにして心配に作用するのかといった 研究は未だ少ないため,現在メカニズム解明に向けた 実証研究が求められている。

Brown, Ryan, & Creswell (2007) は,マインドフ ルネスが自己制御を強めることでwell-beingが増す可 能性を報告している。自己制御とは,思考,情動,行 動を統制する意識的努力のことで,自己制御能力が高 ければ,衝動の抑制や心配からの回復など,日常の 様々な活動を促進し適応を高めるとされている (青 林,2008)。 自己制御に関わるひとつの概念として,エフォート フル・コントロール(以下,EC)が挙げられる。ECと は,実行注意の効率を表す概念で,顕現して継続中の 反応を抑制したり,非顕在的な反応を開始したりする 能力のことである。ECは,行動抑制の制御,行動始発 の制御,注意の制御の 3 つからなると考えられてい る。行動抑制の制御は不適切な接近行動を抑制する能 力,行動始発の制御はある行動を回避したい時でもそ れを遂行する能力,注意の制御は必要に応じて注意を 切り替える能力と定義されている。ECはまた,接近・ 回避行動や注意の制御のみでなく,情動の経験や表出 の制御とも関連すると考えられている。例えば,ネガ ティブな情動を感じた際に注意の制御により他の対象 に注意を切り替えることで,ネガティブな情動が増幅 するのを避けることが可能とされている(Eisenberg, Smith, Sadovsky & Spinrad, 2004)。

よって,ECはネガティブな情動の 1 つである心配と も関連していると考えられるため,マインドフルネス が心配に及ぼす効果にECが関わっている可能性がある といえる。そこで本研究では,マインドフルネスがEC に正の影響を及ぼし,ECが心配に負の影響を及ぼす仮 説モデルを作成し,検討することを目的とした。 【方法】 1 . 調査対象者 大 学 生216名( 男 性50名, 女 性166名, 平 均 年 齢 19.96歳)に調査を行った。 2 . 質問紙尺度 ・ 6 因子マインドフルネス尺度(SFMS;前川・越川, 2015)31項目。

・日本語版Penn State Worry Questionnaire(PSWQ; 辻, 2004)16項目。 ・日本語版エフォートフル・コントロール尺度(山 形・高橋・繁桝・大野・木島,2005)。「行動抑制 の制御」11項目,「行動始発の制御」12項目,「注 意の制御」12項目の全35項目。 3 . 倫理的配慮 研究協力は任意であること,回答の有無が学業成績 に影響しないことを口頭及び書面にて十分伝え,同意 を得たうえで調査を実施した。 【結果と考察】 本研究では,マインドフルネスがECに影響を及ぼ し,さらにその効果が心配に影響するという仮説につ いて,共分散構造分析を用いて検証を行った。尺度得 点間の相関を算出したところ,すべての尺度得点間で 比較的高い相関が認められ,マインドフルネス,心配, ECの関連はそれぞれ高いことが示された(表 1 )。ま た,仮説モデルについて,共分散構造分析による検討 を行った結果,マインドフルネスが行動抑制の制御, 行動始発の制御,注意の制御それぞれに影響を与え, 注意の制御のみが心配に影響を与えることが示された (図 1 )。マインドフルネストレーニングでは,呼吸に 注意を集中したり,雑念から注意を切り替える際に, 注意のコントロールが求められる。また,注意の制御 とマインドフルネスは,生じている出来事に注意を向 けるという点で同様の働きを持つといえる。これらの ことから,注意の制御がマインドフルネスの心配への 効果に関連している可能性が示唆された。しかしモデ ルの適合度はGFI=.843, AGFI=.528, RMSEA=.314であ るため,十分高いとはいえず,今後の課題としてモデ ルの精緻化が必要であると考えられた。また,本研究 で着目したのは,自己制御の中でも実行注意の部分の みであったため,その他の自己制御の側面も今後加え て実証し,考察していく必要があると考えられた。

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日本認知・行動療法学会 第44回大会 一般演題 P2-02

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