【論 文 】 UDC :69
.
025.
22 日本 建築 学会 構 造 系論文報告集 第 365 号・
昭和 61 年7月鉄 筋
コン
ク
リ
ー
ト
床
ス
ラ
ブ
の
長 期
た わ
み に
関
す
る
研 究
正 会 員 正 会員 正 会 員武
中
小
田 根柳
寿
光
_
*淳
* *生
* **L
ま えがき 鉄 筋コ ンク リー
トス ラブの長期た わみ挙 動を把 握するR
的で, 筆者等はこれ まで1
方向ス ラブ 実 験 や 付 着ク リー
プ実 験などの一
連の実験 研究を行う と と もに,
ク リー
プ,
収 縮,
ひ び割 れ を 考 慮 し た1方向スラブ解 析 法 (修 正 ヤング 係 数 式)を誘 導し,
その妥 当性 を 既 報1 )・
2) に報 告し ている。
ま た2 方向ス ラブた わ み解 析に応 用す る た め,
曲 率とモー
メン トのモ デル化とそ の数 式に よる 算 定 法 (1方 向ス ラブ実用 提 案 式 )を誘 導し,
さ らに こ の曲 率 とモー
メ ン トの関係を使っ て,
応 力 度一
ひずみ度 の モ デル 化に展 開し,
3次 元ソ リッ ド要 素のFEM
解法 に よ る2
方向ス ラブ 長 期た わ み解 析 を行っ た。
これ らの 解 析 法の 妥 当性につ い て も1方 向ス ラブ実 験 結果,
2方 向ス ラブ実験結 果と比 較し,
良い近 似が得られ たこ と を 既に報 告して い る3 )。し か し
,
上 述の 2方 向ス ラブ 長 期た わ みFEM
解析 法はか な りの 演算 時 間を要す るとともに煩雑であ り,
余 り実用的と はい え ない。 本 報は,
建 物 床ス ラブの実用的 な長 期た わみ予 測を行う目的で, こ の 2方 向ス ラブの た わ み予測 を,
1方 向 帯ス ラブに置きか え て, 1 方向ス ラ ブ実 用 提 案 式に よる値に補 正 係 数 を考慮す れ ば,
ほ ぼ2 方向ス ラブの た わ み予測がで き ること を明ら かに し て い る。 さら に建 物 調 査 事 例 を 用い て, 共 通の解 析 条 件 を設 定し そのた わ み測 定 値 との比 較か らこの予 測法の妥当性 を検 討し て い る。
2.2
方 向スラブの長期た わ み解析に よ る検 討 2.
1 解 析 法の概 要 既 報3 )で述べ た 3次元ソ リッ ド要素の FEM 解 法に ょ る長 期た わ み解 析 法は, ひ び割れ・
ク リー
プ・
収 縮 性 状 とい う要 因の影 響 を, 見か け上の剛性低 下と して修 正 ヤ ング係 数とい う単 純な 形で置換 して応力 解 析する手 法で あ る。
そ の特 徴は, 修 正ヤン グ係数に 置 換 する ことに よっ て,
FEM 解 法 を用い た2方 向ス ラブた わ み解析が 可能と なる。 異 方 性 も考 慮で き る。
端 部 筋 抜 出 し を , (株 )大 林 組 技 術 研 究所 副所 長・
工博 輯 〔株 )大 林 組 技 術 研 究 所 建築 第二研 究 室・
室長 ** * (株1
大 林 組 技 術 研 究 所 建築 第二研 究 室・
研 究 員・
工博 〔昭 和 6D 年 7月10日 原 稿受理} 回転ばね とい う考え方か ら考 慮で き る。
た だ し,
載 荷 直 後の初 期 値か ら端部ひ び割れ を生じる形と なっ て いる. ひび 割れの有 無は,
各要素の緑 応 力の大き さか ら弾 性 剛性か ある い は ひび割れ 剛性か を判 定し, 剛 性の組 変え によ る反 復 計 算を行う。
具 体 的に は,
初 回, 弾性剛性で 解 析し,
2回 目以 降 各部材要素につ い て判 定 強度:σ、(曲 げ強 度:σ 2=1.
8M
の ユ/3と仮 定 ) を超え る場 合,
ひ び割れ剛 性に組み変え て再 度,
演 算し, この組 変え剛 性 が安 定 する まで行う。
な お,
ひ び割れ判定 強度σ 1=
0.
6撰
の根 拠は, 単 純 支 持ス ラ ブの約 1年 間にわた る曲 げ実 験よ り中 央曲げ区 間の曲 げモー
メ ン トと曲率の関 係 を利 用し て,
設定して いる3}。
次に
,
3次 元FEM 解 析で使 用す る応力 度〜
ひずみ度 モ デルを図一
2.
1
に示 す。 こ の時, 修正 ヤ ング係 数E
,,
E2
はE
,=1
/3・
M
。 。/(16・
φ、)t・
・
………一 ・
……・
・
…
(2.
1)E2=M
。 。/(1
。・
φ、)一 …・
…………・
・
…………
(2『
2) か ら求ま る。
この 時,
1。;lf12・
B ・
D3,
B :部 材 幅,D
・部 材せ・・
Mcr ・ ひび割れ モー
メン ト←
き
BD
・・
a・)
こ の式 (
2.
1 ),
(2.
2)および図一2.1
は,
図一
2.
2の モー
・ ・ 卜油 率モ デル 碾 開・ た もの で あ・・
il
・ ・・去
M
・r 作 用 時の 弾 性 剛性 曲率で , こ の 曲率に はク リー
プ・
収縮 Ct2 σ L (=
Ta2lCFt ) 2E E…
1 旨(r2耳
1・
8偏1
置 旨σド 百 σ2 ヨ11
∈ 1 ∈2 図一
2.
1 応 カー
ひずみモデル 胃cr者
he・1卜
幅Bdi
口
1
・せ い 旨断
・
e・tB
・・ I l l l l l 「 1 φ匚 φ2 図一
2.
2 加一
φモ デル.
.
−
165
一
の項も含む
。
φ, はM 。
。
作 用 時の ひび 割れ剛 性 曲 率の こ とで,
同様にク リー
プ・
収 縮も含む。
次に,
単 筋 配 筋の場合の φ、,
φ2 の算定 式を以下 に 不 す。
φ1= φ 。、+φ。 。,
……・
…・
…・
…………・
・
・
・
……
(2,
3)ip
。 ・−
9M
・r/{・t・
∬)…・
…・
・
・
・
・
…一 ・
・
………
(… ) 蜥ノ
鴇
1
警
…’
準
鳳・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
〔2.
5)この時
,Et≡Ec
/(1
十ψ},
Xn=
(O.
5・
B ・
D2
十 n7As・
d
}/ 〔B・
D 十 n・
As
),
n = (1+ψ)・
Es
/Ec,
∬= B・
D3/12 十 n・
As・
(d −
x。) 1,
φ。1 :瞬 時お よびク リー
プ後の 曲 率, φshl :収 縮に よる曲率,
q :ク リー
プ係 数,
εSh :双縮ひ ずみ, Xn :中 立 軸,
d
:有効 せい,
As
:鉄 筋 断面 積,
Es
:鉄 筋 弾 性 係 数,
Ec :コ ンク リー
トヤング係 数 また φ2 は同 様に φ2=
φcz 十iPsht
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
6
) φc2=
1しfcr/(Eビlcr>・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
−t−…
(2,
7)0.
5・
εsh・
B・
x蒹・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
∴
・
…
(2
.
8
)il
。hX=
Icr
こ の 時,
Xn 〒n・
As・
(1
十2・
B ・
d
/n・
As − 1
)/B
,Icr
−
9B
・
・1
+・・
A
・’
(d −
x” 1 ま た,
圧縮筋を もつ 場合,
上 式か ら求ま る曲 率に1
/ (1十10(1十g)・
Pl
)の 補正係数 を乗じ る (Pl
:圧縮筋 比)。
な お,
(2.
3L
(2.6
) 式か らモー
ルの 定 理で直接,
た わ み を求め る方 法が 1方 向ス ラブ実用 提 案 式で あ り,
(2.
1}, (2.
2)式か ら ソ リッ ド要 素と して たわみ を求め る方 法が 2方 向ス ラブ FEM 解 法で あ る。 2.
2 解 析 ケー
ス ス タ ディ 2方 向ス ラ ブの モ デル形 状を対 象にケー
ス 冬タディを 表一
2.
1 ケー
ス スタ ディ の組み合わせと その結 果ス
, プ親 榎‘
λ
7ブ
鼓 期 た わ み 〔■
) り.
は り尭わ
みス
フ
プ 艮 則 たわ
み
己x 卿 ) ε享
〔儒
} t こ皿
〕 扼 珈 端 鉄 筋北 〔.
瓢
ジ ブ 弾 悔 た わ み 〔謳
)肛
長 嗣 た 才冫
み 〔閣
}ス
カ.
た 7み
比 五ス
三
凸
亨塑
γ
… 比 弾 庄 虎 わみ 倍 鄒 煙 大 縁 ‘L 力 〔kg/副 ) 40D4DO13D2帽
D.
54.
.
.
.
32る 【.
07o.
1301 / 4B5一
【5.
31 臨4彫
5DO.”
「1415D.
96125B一
旨
u7 D.
09コ1
一
1〆31昌 13.
」”
B りり層
11.
4411.
101550K5 匚 Dり艀 [
/2551 引.
2z5.
昌
.
−
29【一
一
唇50450 聖3D.
.
モ
140.
871297】
.
巴5O 田5 墨/34714.
919.
駈
一
ケ
D.
525L.
531564 】 67「
OugD 1/241 L2.
2 326.
一
匸
/205 L2.
5尸
o.
う92 邑.
752L94 36.
呂.
6
6756 9DO
−.
司
50 鼻50〃
δ
了
5卩
goo 匚5o.
234D612.
」4【
.
35 聖.
西
5 叨9B … 0.
L2B 亀/434.
OI15 1 /3【4−−
0.
123 】/250 匹丁O L58 LO.
37.
M.
35解
U、
3921.
07 L3.
414.
L263−
297” ロ
.
440123 口301212一
5005DO 】502B9D9313.
99 【.
7201Z31 /357115
.
り
.
り
75り仔
o.
‘日3 匹 5呂
19202.
05o.
LO71 / 2偏
D1L了
跏
9.
4−−
3z.
5.
一
り
100D層
D5
亀
‘
18723.
oo2.
65O.
1151 / 2L7125356 註:
・
はbOkl“ も 言 む.
、
ス
ラブ1
ト.
t’
1a
,
み・
行い,
長期た わ み との関 係につ い て検 討す る。 こ の時,
モ デルの架構 条件は,
連 続ス ラ ブでかつ 大 ばり で囲 ま れ た 平板ス ラ ブ と す る。
ケー
ス ス タ ディの組み 合 わ せ と し て は, 表一2.1
に示す計12
ケー
ス につ い て解 析し その 解析定 数 を以下に示す。
荷重 条 件は, 自重の他,
340kg/m2 〔L.
L=
300,
仕一
ヒ げ40kg /m2 )の持続 荷 重と する。
配 筋 量は鉄 筋コ ン ク リー
ト構 造 計 算 規 準・
同 解 説 1982 (以 下,RC
規 準と呼ぶ)9
条,
長方形 スラ ブか ら求ま る最 大モー
メ ン ト雌一
毒
届 に お ・ ・Mx 一
訴
・
d ・
f
・・h!・・f
’・一
:
2.
Ot/cm2 にな る よ うに短辺 スパ ン端 部 引 張 筋 比 ePt を 定め る。 ま たス パ ン中 央 部 引張筋比。
Ptは,0.
7・
。
Ptと する。 そ の他,
長辺ス パ ン の鉄 筋 比は短辺ス パ ン の場 合 と対 応して,
辺 長 比 λ=1.0,L5 ,
2.
0の場 合そ れ ぞれ 1.
o,
1/L2,
1/1.
5倍 と す る。
コ ン ク リー
ト強 度 Fc=
210kg/c皿z・
,
弾 性 係 数Ec =2.1
×105
kg
/cmz と す る。
E、,
E,は (2.
1),
(2.
2 )式か ら設 定す るこ と とし,
ひ び割れ判 定 強 度は σ、=
1.
8再
/3=8.
6kg
/cmz と な る。
支 持ば りの 寸 法は,
幅30cm,
せい をスパ ン の 1/10とする。
は り の場 合の修正弾性係 数の 取り扱い につ い て は,
ス ラブ と異なりせいが 大 き くひび割れ 剛性 がそれほど 小 さく ない こと な ど を考 慮し て便 宣的にE
‘ =Ec
/(1
+@
とする。
は り の収 縮は無視す る。
ク リー
プ係 数, 収縮ひずみ定 数は,
実 験 結 果な ど を参考に し,
そ れ ぞ れ p=
3.
0,
ε。≦4×10−
4 と設定する。 端部上端 筋の 抜け出し も考 慮するがそ の抜 出し量 :A
。算 定式は,
既報2)の 付 着ク リr プに関す る実 験 結 果を利 用して,
下 式と す るbA。・=…
1
・’
・・
as(
1.
、8.
’
+il
.
i7
−
、”
+1) (・m )「
・
・
…
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
9 ) こ こ に,
OSi :端 部筋 引 張 応 力依
g/cm2 ),
t:載 荷期間(日) 2.
3 ケー
ス ス・
タ ディ の結 果ケ
ー
ス ス タ デ ィ の結果 を表一
2.
1に示 す。 こ,
O 表か ら は りの た わ み を含むス ラ ブの長 期たわ み は,
四辺固定ス ラブの弾 性たわ みの12〜
17
倍であっ た。 ま た,
は り た わ みを短辺ばり, 長 辺ば りそれ ぞ れφ
中来
た わみ の平均 値と設 定し,
その は りたわ み を除 外 レたス ラ.
ブ相対た わ みの倍 率は 11〜
15倍で あっ た。
RC
規 準 ユ3条 床ス ラブ’切 本 文で は,
ス ラ.
ブ厚を規 定 して おり.
こ の規 定 値の根拠 と な る長 期た わみ の大 きさ は同13条 解 説の中で述べ て い るよ うに実 験 値か ら推察 して,
弾 性た わみ (全 断 面 有 効 )の 16倍と設定し て いる。
上 述の解析 結果は こ の設 定 値と比 較して,
同 等も しく は や や小さ な 数 値を示 して お り,
ep 1・
3、
O,
ε。
。=
4×10 一 程 度の材 料定 数 下で, 解 析 値と こ の設 定 値との適合 性を 確認する こ とがで き た。 また,
表一2.
1か ら, は りた わ み は,
全たわみ に対して10〜13
%の割 合で あっ た。 図た わ み 比 A: ⊥ 500 ⊥ 250 ⊥ 500
0
1.
O 1.
5 20−一
一
軸
旦y/1: 註 :黒 点の形 状は.
RC 規 準の スラブ厚規定 値を 満 足 す る が,
白抜 きの ものは ト「
回っ ている。
図一
2.
3 短 辺スパ ンに対す る た わ み比 而 伽 た わ み 20 15 105
) 皇 x=
5.
0厘 t=
150■ 殳 x二
4.
5ロ t=
13e加 殳 x=
4.
O■ til3c囮 殳x=
4.
5匿t=
且505 1.
0 1.
5 20−
ay!殳! 図一
2.
4 ス ラ ブ た わ み 量一
2.
3は , 表一2.
1の結 果 を使っ て,
縦 軸に短 辺ス パ ン に対す る た わ みの比,
横 軸 を辺 長 比 と して整 理し たもの で あ る。
こ の 時の た わみ は, は り た わ みも含む。
図 中, 黒 点はRC
規 準13
条の ス ラブ厚規 定値を満 足 するが, 白 抜き点はこの規定ス ラブ厚を 下 回っ て い るケー
ス で あ る。RC
規準の許 容た わ み は,
ス ラブた わみ スパ ン比 (δ/1
エ)=1
/250
を使 用 上の限 界 値と して設 計ス ラブ厚 を 設 定して い る。
図一
2.
3の た わ みス パ ン比に は,
は り た わみ も含ん で お り,RC
規準の許 容た わ み の考え方と多 少 異な るもの の こ の図 か ら黒 点は,RC
規準の 限 界値1
/250
を下 回っ てい るこ と を確認する こと ができ た。
次に ス ラブ形 状の違い と は り た わ みも含む ス ラ ブ中央 た わ み の関 係とし て整 理し た もの を図
一
2.
4に示す。
ス 単位 幅H
図一
3.
1 帯ス ラブの考え方 ラブ 厚が RC 規 準の規 定厚よりも
不 足す る 場合,
その た わ み は20mm 前後の大きい た わ み値を示すこと が わ か る。
3
.
1
方 向ス ラブに置 換 した た わみ解析法2章で は
,FEM
に よる精 解 法を 使っ て 2方 向ス ラブ の長期た わ み解 析を行っ たが, 本章では1方 向に置 換し てた わ み解析す る方 法 を検 討 する。
な お本文の適 用 範 囲 は周 辺 固 定ま た は 連続ス ラブに限 る。
3
、
11 方向帯ス ラブた わ み解析
2方 向ス ラブの応 力 解 析は
、一
様弾性体の場 合,
便 宣 的に以 下の式の よ うに短辺方 向 帯ス ラブ (図一
3.
1の斜 線 部)に して解く方 法が,RC
規準9
条 長 方 形ス ラブ を 始め,一
般に 用い ら れている。
端部モ
ー
メ ン ト:Mx,
M
・
、
;一
毒
w ♂茎一 一 ……・
……・
…一
(3.
1)こ の時
,
1方 向帯ス ラ ブに用い る荷 重 ω x は下 式の分 配 荷 重 Wx が 作 用す る。
既
一
論
ゴ
ω・
・
………一 ………
(3・
2)ま た
,
た わ みにつ い て も同 様な荷重 配 分 を用い て,
1 方向ス ラブと して処理で きる。
これは例え ば lx ・ly
の 場 合で も1方向 帯スラブた わ み と 2方向 弾 性理論た わ み (RC 基 準 付 録 付 図一10.
1
参 照 )の比は以 下の よう に癒
・
“5
券
゜
tl
・…1
・・
器
一1・
・4
(∬:単 位 幅 当た りの断 面 2次モ
ー
メ ン ト) LO4 で ほ ぼ一
致して い る。
長 方形ス ラブで あ れ ばさ ら に こ の た わ み は近 似 する。
ひび割れ を考 慮した長 期た わ み解析につ い て も仮に, (3
.
2) 式の よ う な荷重配 分を使っ て, 1方 向ス ラブに置 き か え て,解
くこ と が可 能で あれ ば, 1方 向ス ラブた わ み解 析 法 (実 用 提案式 )か ら簡 便に長 期た わ み が算 出で き ること と なる。
な お
,
1方 向ス ラブ たみわ解 析 (実 用 提 案 式 )は (2,
3
), (2.
6
)式か ら直接,
曲 率 を求め, 曲率の総 和が ゼロとな る よ う なモー
メ ン ト再 配 分 を繰返 し 法 から求め,
モー
ル一
167
一
表
一
3.
1 FEM 法と一
方向 解析 式 との比 較 (”
) 2.
O
た わ み 比 1.
5 1方向たわ み 2方 向たわ み 1、
O 〔mm } 25 莠喫
32
・鏨
睦
15耄
耄
瘤.
1。 O.
5 」 00 Q △ o △肖
入冩
1.
o1
入塁
2.
O.
一
辺 長 比 補 正 係 数 K=
L20−
DJ・
入+0,
01・
(30一
σ〕 (入≦2.
0,
≦3D) △ :ん=
Lo O :入=
監.
5 ◇ :入=
2.
0 図一
3.
2 10 20.
30 40 縁 応 力 σ ( 〆c ) 縁 応 力の要閃によ る た わみ比15
馬・■ 、 ● ● o 5 10 15.
ZO 25 30¢nm 〕−
2方 向スラブ FEM によ6kh みth解値 図一
3.
3 中 央たわ み値の 比 較 の定 理で たわみ を算出 す る.
方 法であるZ]。
す なわ ち,
端 部 筋 抜け出 しに よ る回 転 角を &と す る と, 固定 条 件 を 満足
す る よう な回転角の つ り合い式は,
下 式で表さ れ る。
1〆!・
1∫
φ・
d
コじ十 θ,;
03.
2
た わ み補 正 係 数の提 案 2章で ケー
ズス タ ディして いる 2方 向ス ラブ た わ み解 析法に よる た わ み解と, 1方 向 帯ス ラブモ デル に よ る実 用提 案式か ら求め た解 をそれぞれ比 較して表一
3.
1に示 す1
この 時,
2方 向ス ラ ブ た わみ値は,
1方 向ス ラブ た わ み値と対応させ るた め,はりたわみ分 を差 引い て い る。
図一3.2
は, この表か ら,最大縁応 力σmex を要 因と して, 2方向た わ みに対す る 1方 向たわ み の比 率 を表し た もの で あ る。 表一3.1,
図一
3.
2か ら, 辺長 比が小さ く縁 応 力が小さい程, た わ みの相違が大きい傾 向にあり.
(1 方 向ス ラブた わ み/2
方 向ス ラ ブ た わみ )比は 1.
Z−
1.
5 を示ずが辺長
比が 20 近い があるいは縁応 力が 30kg/ cmZ 近 く な る とこの た わ み比は1.O〜1.1
と その差は小 さ く.
なっ て いる。
そこ で中 央た わ みの 補正係 数とい う考え方 を導入 し て
,
1方 向ス ラブ実 用 提案式を2
方向ス ラブφ
長 期た わ み予 測実用 式とし て用いるこ と と す る。
以 後,
こ の補」.
E
係 数 を考 慮し た 1方 向ス ラブた わ み解 析を1 方向ス ラ ブ 置 換 法と呼ぶ。 た わ み補正係 数 :κ は表一3.1
を参考に し て,
下 式の よ う に提案する。,
K=
1.
20−
0.
1,
λ十 〇.
01・
(30−
amax )・
・
・
・
・
・
・
…
(3.
3
> た だ し,
λ>2.
oの 時 λ=2.
0,
amax >30
kg
/cm2 の時 arnax t・
30 と する。
FEM に ょる精 解 法,
1方 向ス ラブ置 換 法そ れ ぞ れの 解 析 法に よる2方 向ス ラブ中央た わ み の 比較を 図一3.3
に示す が置 換 法を用い た た わ み値はFEM
法の値に比 べ て遜 色ない ことが分か る。 なお,
辺 長 比が小さ く,
最 大 縁 応 力が小さい場 合に,
たわみ補正係 数K
が大き く な るこ とつ ま り帯ス ラブ と 2方 向スラブ 中 央た わ み差が大き く な る 理由は, ひび割 れ発生に よっ て力の分 担が短辺方向,・
長辺方 向で変わっ て くる た めと考えられ る。
.
ま た,
縁 応 力が大き く なり, ひび割れの範 囲が全 域に わ た り拡大して く る とこの よ う な力の分担の変化が起こ ら な く な る た め とい えよ う。
4..
2
方 向スラブ と1
方 向 帯ス ラブた わみ比 較 実 験 本章で は, 2方 向ス ラブ と 1方 向 帯ス ラブの比 較 実 験 例 を紹 介 し,
3章の置 換 解 法の妥 当性を実 験 的に検討す る。
4.
1 実 験概要 支 保 工の 合 理的な存置期間の 研究に関連し て,
建 築 業 協 会 「型わ く支 保工研究 委 員 会 」(主 査 :野 中 稔 )では, 2方向ス ラブと1方 向ス ラ ブの たわ み実 験 を実 施し た5 )。 こ の実 験で は,
2方 向ス ラ ブは 内の り寸 法4.
3m ×5.
5m , 厚 13cm (
RSL
と呼ぶ〉および内の り寸 法 3.
5m × 4.
5m , 厚13cm
(RSS
と呼ぶ)の計2枚で ある。1
方 向ス ラブ 試 験体は,
2 方向ス ラブの長 期た わ み挙 動と 比較,
対 応さ せ る趣 旨で,
2方 向ス ラ ブの短辺方 向 スパ ン の単 位 幅だ け切 出し た帯ス ラブを模 凝して おり , 2方 向ス ラブと その 厚さ,
配 筋,
コ ン ク リー
ト材 料と も 同一
で あ る。RSL ,
RSS
に対 応して こ の 1方 向ス ラ ブ 試験体を そ れ ぞ れOLB ,
OSB
と呼ぶ 。 またこ の時の 1 方 向ス ラブの 分 配荷重 Wx は,
(3,
2)式で表され る荷 重 を載荷してい る。 コ ン ク リー
ト はWIC =68
%,
ス ランプ18cm
の普 通コ ン クリー
トで,
載荷 履歴はRSS ,
RSL
それぞ れ材 令4 日, 14日で 支保工 を除 去し た後,
施工荷 重 を 想 定 して直 ちに 自重 (P .
L
)の ほ か,1,
0
倍の 自重 相 当 荷 重 を 作 用させ た。
さ らに 2週 後 (そ れ ぞ れ材 令 18日,
28日) に, 自 重の ほ か, こ のLO ・
D .
L
の荷 重の 代 りに O.
36・
D .
L
を持 続し て作用 さ せ , 約230
日 間の長 期た わ み挙 動を測 定し た。
中 央たわ みの 動き を 図一
4.
2に示す (自 重た わ み含まず 〉。
ま た帯ス ラブOLB ,
OSB
は,
RSL,
RSS の荷 重に対し て (3.
2
>式の分 配荷重を作 用 させ,
同 様に長 期た わみ を 測 定し た。
4.
2 実 験 結 果 RSL ,RSS
の230
日間に お け る中 央た わみ はそれ ぞ の一
OQn.
寸 QOmド
QO い 1500 9、
Ioo5500 LseDP
幸
牆
十
目
目
7
一
= IlIIlI } 山1−
III IIIII 早 雪 II−
I−
=「
h
; = 並…
.
。
= = IIII ー キ ’IIII I − 1ー
ー
十 専 ー ー 1匚
一
−
= +計
一
+ 0 ◎崎
xOOO
嘆
OOΦ
.
鴨
ス
ラブ 厚 130 o 変位 計 5001300 恤 副 1〜
o 豊 糞1。
。 5e en スラ ブ 配 筋 上端 筋 DIO−
@t50 下 端筋 DIO−
@300 図一
一
4.
12 方向ス ラブ形 状 (RSL ).
15 〔舁
写 7 月日
日〕唖
遇日
敷(日
) 図一
4.
22 方 向ス ラ ブ中 央た わみ の動 き 表一
4.
1 解 析 定 数 試 験 俸 加力材 令 1凵) 「「
” 係 数.
圧孀 強 藍 ク12−・
’
⊂刈o’
駲 }.
(胸 々 の 1售 故 収 儲 詮 lxlo’
0 しB,
RSL−.
14 2齒S i一
.
一
.
2匸o2 2 9500 OSR.
[しSS4 2.
071343 4 3一
50 Ω 表一
4.
2 た わ み実 験 値と解 析 値の比 較 試 曠 体名称 全た わみ 1囮
) 解 析 恒 実 験 便 実駐 /解 析 たわ み 比 自重た わ み 〔■
)一
方 向スラ
7’
且SL7 ドo620 08205 同 上 1Lss− .
448470Lo5一
〇3 方 向λ7
ブ 0「.
日 ε27700o 日5一
D7 鬥 上 05』 547証
80LO 応 03 れ6.
2mm (自重O.
5mm 含む),
4.
7mm (同0.
3mm
) で あっ たが,
そ れと 対 応 す る帯ス ラブの中央た わ み は,
OLB ,
OSB そ れ ぞ れ7.
Omm
(同O.
7mm ),5.
8mm
(同
0.
3mm )であっ た。
帯ス ラブと 2方 向ス ラ ブの た わみ比 を調べ る 。
RSL ,
RSS
の場 合の は り た わ み相当 分0.
4,
0.
3mm を差 引き,
相対た わみ同士で比較するとた わ み比は, (OLB
/RSL
)た わみ比 :7.
0/5.
8=L21
(OSBIRSS
)た わ み比 :5.
8/4.
4=
・
1.
31
が得られ た。一
方,
3.
2節で提 案してい る た わ み補正係 数K
の値は,(3,3
)式か ら(OLBIRSL
)K ・
11.
20,
(OSB /RSS
)K =1.
25
と な る。
この結果は,
上述の た わ み比 実 験 値と ほ ぼ一
致 して お り,
た わ み補正係 数 K の 設 定 は妥当性があ る と判 断す る。次に
,1
方 向ス ラブ,2
方 向ス ラブ それぞ れ修正 ヤン グ係 数 式, 3次元ソ リッ ドFEM 解 析 法を 用い てた わみ 解 析し,
実 験 値と 比較す る。 解 析 定 数と し て は,
表一
4.
1の実 験値を使 用 する。 仮 定 条 件お よび荷重 変動の取 り扱い は,
既報3〕 と同じ考 ネ 方と し自重の 2.
0倍の荷 重 が作 用す る時の 剛 性を用い て長 期た わ み δ を求め,
持 続荷重と し て の1。
36× 自 重 を考慮 し た値つ まりδ × 1.
36/2 をた わみ解 析 値とする。
解 析結 果と実 験 結 果 を 比 較 して 表一
4.
2に示す がほぼ良い 近 似が得ら れて い る。
な お,
ひび割れ状 況 を 観 察し た結果,
1方 向ス ラブで は支 持両 端部に曲げひ び割れ が 発生して い た。 また, 2 方向ス ラブRSL は短 辺・
長辺方 向と も端 部ひび割れ が 認め ら れ た が RSS は短 辺 方 向の端部のみひ び割れを生 じて い た。5。
建 物 床スラ ブの実 態 調 査こ こで は お も に床ス ラブの過 大た わ み に関す る障 害事 例な どの た わ み実 態 調 査 例を示し
,
た わ み の ほか,
た わ み経 年 増 加や施工誤差 な ど を検 討し,
次 章での た わ み予 測 式の設 定 条 件 を決 定す る た め の参考と す る 。 な お,
本 章で取り扱う事 例は,
は り よ り もス ラブの たわみ の方が一
169
一
(m } 表
一一
5,
1 建物 床ス ラブた わ み 調 査 結 果 〔kP/al) (期/ パ, Ec :h血1…
L4x105k 爾 その他 2.
1x105 届 Lm ) (rm) 版 厚 ス ラ ブ 主 端 Fc・
竣 工 年 調 査 年 調 査 枚 数・
ス ラ ブ た わ み 弾性た わ み計 算 値 た わ み 倍 率 rtり果 構.
阨 用 途.
式 パ ン 君xX 乙y 端 部 中 央 部 スラブ 自重 D L 積載 襾蝨 L L 平 均 値 偏 差 値 1 住 宅 1 鼠5× 6.
4r14
.
0 φ−
13 @200 仰 43.
一
@2uo 軽 量コ ン 180.
一一
32018047.
350.
1341.
5一
12 .
715.
4 日 丐1 2 学 校 4」 ×6.
B12、
O φ13−
@ 200 更9.
13−
@ 2002 且o37023046.
LO48.
63215,
3一
且.
511,
8 口型 3 事 務所 6、
Ox6.
0150D13−
@200D9,
13−
@20u2 監044u30050.
252.
31043317,
9「
2.
0166 凵型 4 同 上 38 ×B.
1L2.
o ダ9.
13−
@15U φ9.
13−
@15u180365 130049.
1259.
LO321.
0一
12:
鹽7.
5 h型 5 同 上 5.
1×5.
5130 亘13−
@L5D φ9−
@150180450 aoO36.
52、
2449.
0−
1 1.
925、
8 口 型 6 同 上 5.
2×7.
215.
0 ジ−
13 @125 ダ9 」 3 180凾
125、
(440 ) 訊004956 1326.
69.
61 24 聖1.
2 冂 型 7 同 上 52×
6.
615、
0 同 上 同 ヒ i同 上 同 上 同 上 4956 633、
8一
, ,悶
一
石
型 8 同 上 61 ×6.
5 】60 ゴ 13−
@150 ∫… 3…
18 。一
@】501 〔460 〕 (300 )4757 4435,
08.
9121h 賎311 型 註:〔 )内は椎 定 値 30 δe に 対 ● す 25 る.
測 定 中 20 央 ● た わ ● ●.
15 み.
倍 率 ● 10 5一
尸
No1,
12345678 用途 住 宅 学 校 務所 同 左 同 左 同 左 同 左 同 左 註 ;矢 印 は標準偏 差 LO・
σの範 囲 を示す.
図一
5.
1 弾 性たわみ δ.
に対す る た わ み測 定 値 卓 越するケー
スを対 象に し て い る。 5.
1 た わ み実 態 調 査筆者 等 が 10年 間に わ たり調 査し た過大た わ み被害例 の うち
,
設 計 定 数の明 確なケー
ス につ い て,
た わ み測 定 結 果 (は り たわみ も含むス ラブ 中央た わみ)お よ び設 計 条 件 等の諸 元 値を整理 して表一5.1
に示す。
ま た, 図一
5.
1は弾 性たわ み計 算 値 :δ.
とた わ み測 定 値 (はり・
た わ み も含む)の 関係と して整 理し た もの である。 こ の 時, 弾 性た わみ : δe は,
は り た わ み を考 慮し な い ス ラブ だ けの弾 性た わ みであ り, 四 辺 固定ス ラブの理 論解か ら求めてい る。
こ の δe に対 する た わ み測 定 値 (は りた わ み も含む )の倍 率は 11〜
26倍 とい う 範 囲で , 平 均 16倍 程 度で あっ た。
ま たこれ らの ス ラブ部 材の設 計 荷重に対す る最 大 緑 応 力ax は,
後述 す る表一6.
1中に 示し ているが,
30kg
/cmZ 前 後の値で あっ た。 調 査スラ ブ 枚数 は各々 の事 例で異な るが,
調 査 枚 数が少ない場 合,
特に施工の悪い床版だ けを取り上 げて い る嫌いが あ る。
その意味で は調 査 枚 数の 多い事 例の方が,
その事例の全 体 的なス ラブた わみ状 況 を表し て い るといえ よ う。
ま た 同 表一
5.
1に, 枚数 10枚 以上 を有するス ラブに つ い て , た わ み偏差 値 を求めたところ8−
10mm で,
ま た変動係 数に して20−
40% とかな りバ ラ ツキが大きい。 以上,
障害ス ラ ブ調査による とス ラブ中央 た わ み (は り た わ み を含む)は, 弾性た わ み計 算値 :δe に対し て 広 範囲でかつ 大きい倍 率 を示して いる。
この よ う な要 因 と して,
ク リー
プや収 縮な どの コ ン ク リー
ト物 性,
ひび割れ に よ る剛性 低 下・
端 部上端 筋の抜け出し,
施 工荷重・
使 用荷重な どの荷重 履歴 や環境条件の変動,
施工誤 差,
支 持ば り の剛性 不足に よ る た わみな どの影 響が指 摘さ れ る。 こ の う ち,
,
につ い て は,
第2章,
第 3章では解 析 的に考慮できる こと,
につ い て は,
こ こ.
で取り上 げ た過 大た わ みス ラブは お もに支 持ば りの た わ み が小さ く,
あ まり影 響を受け ないケー
ス を対 象に し て いる とこ ろ か ら余り問題にな ら ない。
な お,
第2章の ケー
ス ス タ ディか ら全た わ みに対す る は り た わ み は10〜
15% であ る こと を 把 握 し て いる。
こ こ で は,
,
につ い て実 態 調査 や 調 査 文 献 か ら検 討す る。
.
5.2
施工期間で の荷 重 履歴 と た わ み 施 工 期 間 中,
床ス ラ ブに作 用する施 工 荷 重の履 歴やそ の た わ み挙 動につ い て は,
最 近 前 述の 「型わ く支 保工研 究 委 員 会 ]’
を 中 心に謂 査 研 究が行わ れ,
か なり明ら か に なっ て いる。
同委員会で は, コ ン ク リー
ト打 込 み 時 2層 受けの場 合,
施工荷 重は1.
8
の.
L
+ w∫}と して設 定で き る と してい る7} (D .
L
:自 重,
Wt :型 わ く 重 量)。
筆者等が現 場測 定し た施工荷 重の履歴に関 する調査 事例s〕 で も
,
最 大 施工荷重は 2.
1・
D.
L
程度で こ れ は上記の 数 値とほぼ一
致して い る。
またこ の荷重の作 用 時 期は直 下 階 支 保工除去 後からその対象ス ラブ上の支 保工 除 去 ま で の 期 間であり,
通 常の工 程で は材 令3週前後に作 用し そ の期間は3週 間 程 度と判断さ れ よう。次に, 施工期 間の たわみ調 査結果につ い て は既報Sl
・
9ト にasしてお りこ こ で は触れないが,
材 令3か月程度で積 載 荷 重の無い スラブ たわみ値は,
はり の た わ み も含め た 施 工 荷 重時の弾 性た わみ計算値 (RC
規 準の表一13.2
小ば り付きス ラブの た わ み 略 算 式使 用 )に対して平 均 ユ.
5倍 (自重 荷 重に対し て は お お よ そ 3倍 ) とい う結 果 が得られ い る。
この よ う なこ と か ら,
施工時のた わ み は 長 期た わ み とい う観点か ら無 視で き ないと判断され る。次 章で, 実建物スラブの た わ み デ
ー
タ と解析 値 を比較 するがこ の時の荷 重 条 件 としては,
ヒ述の施工 時 期の荷 重 履 歴や た わみ挙 動を大ま かに考 慮して, 簡便に,
材 令 4週で設計荷 重が持続 的に作用す る と仮 定す る。
5.
3
経 年におけるた わ みの動き床スラブの過 大た わ み を調査し た事 例は多い もの の
,
そ の た わみ の 動きを 経年的に追 跡 調 査し た も の は少な い。
井 野 博士の報 告6Jに よ れ ば,
竣工 後4−
5年まで は たわみ進行が ある と して い る。 表一
5.
ユ のNo .
ユ建 物ス ラブの 中央た わみ を竣工後3
年 を初 回と して8
年まで追 跡 測定す ること がで き たの で そ の結果 を図一
5.
2に示 す。
ま た 1方 向 固定ス ラブの 室内 実 験に お け る約 8年 間 の た わ み につ い て も同 図に示す。
3年 以 降6年あ た り ま で徐々 にた わ み進 行して いるのが 認め ら れ る。
さ らに, こ の た わ み を材 料 特性 上
,
ク リー
プや収縮ひ ずみ が ほ ぼ落 着い たと思わ れ る3年 時 点での た わ み を 1.
0
と し て その後の た わ み比とし て整理 し図一
5.
3に示 す。
こ の間に IO−−
20%の た わ み 進行が認め ら れ る。 こ の よ うに材料 特 性 上,
殆 ど 動き が無い と思わ れ る にも関 わ らずた わ み増 加する理 由は不明である が,
環 境 条件 (温 度・
湿 度 〉の 変動ある い は積 載 荷重の 変 勤によっ て鉄 筋 とコ ン クリー
トの 付 着が劣 化し, 疲 労 現 象 を越し,
剛性 低 下したこと も予 想さ れる。
5.
4 施 工誤 差の検 討施工誤 差に関 する実 態につ い て要 約 する
。
端 部 上端筋の下が り
……
障害ス ラブ調 査か ら,
施工 誤 差の最 も大きい因子は こ の端部上端 筋の下が り台
あっ た。
こ の点につ い て土 橋・
井野 博士等は精 力的な調 査 を 行い,障
害ス ラブで平 均 33mm (80枚の調 査), 健 全 ス ラ ブで平 均 12mm 〔116枚の調 査)の鉄筋 下がり誤 差が あっ た と報 告5 て い る。 現 在,
こ の配筋 位 置の確 保に つ い て は十 分 配 慮さ れ て きて いる方 向に あるが,
上述の 数 値は,
現 場 配 筋の実 態の一・
面を あ ら わ している と思わ れ る。
ス ラブ厚 不足
……
コ アや ド リル に よる測 定 調 査を 0 2 4 斗、
’・\
、
一
方1… ブ 奴丶
x
−一
一
一
●
一
一
噸一
一
→一
、
e、
、
−
c−−
20 30 40 た わ み 50 (mml °一
経適年馼 6 8 10 →司
か+
t
よ
脳 Nロ.
1”thスラブ淺
年 時 点 の た わ み に 対 す る た わ み 比 図一
5.
2 た わ みの経 年 変 化『
#遍年 数:
x 図一
5.
33 年 時 点の た わ みを 1.
Oと した時の そ の後のた わみ比 行っ た範 囲で はその平 均スラブ厚は殺
計厚を満 足し て い る ケー
スがほ とん どであっ た。 た だ し,
個々 の 数 値につ い ては多 少ば らつ き が 見受け ら れ た。
前 述の 土橋・
井 野 博士の調 査 報 告6 ,によ れ ば,
測 定 厚 平 均 値は設 計 厚を や や 上回っ て いる が, その標 準 偏 差は 17 rnm と ば らつ き が大きい ことを指 摘 し てい る。コ ン ク リ
ー
ト強度……
ス ラブコ ンク リー
ト強 度につ い て は調 査 デー
タ が少な く,
紙 面には載せ ないが大よそ 設計強 度を満 足していた。均し誤 差
……
打 込み後 数日後の レベ ル測 定か らいず れも5〜
10mm の誤 差が見ら れそ の誤 差も中央部が沈下 して い る傾 向にあっ た。 1以 上 述べ た施工誤 差に閧 する結 果か ら, 上端 筋の下が りにつ い ては多 数の スラブ枚数を調 査しその平均値で ユ
〜
3cm の 下が り が認め られ る ものの,
そ の他の パ ラメー
タ す な わちス ラ ブ厚,
コ ンク リー
ト強 度につ いて は平均 的に は設 計 値を ク リアー
し て いる と判 断さ れた。6.
た わみ調 査 事 例と解 析 値の比 較表
一
5ユ に示した床ス ラ ブの調 査 事 例の デー
タ を使っ一
171
−一
て
,
1方 向ス ラブに置 換した解 析 法に よ る た わ み予測の妥当 性 を検 討する。 事 例 6.
1 仮定条件た わ み解 析ば 3章の 解 析 法を適用 す
m る
。
1 持続荷重と し て設 計 荷重 が 作 用 する。
コ ン クリ
ー
ト弾 性 係 数は, 事 例N
。.
12 の 軽量 コ ン ク リ
ー
ト の場合をEc =1.
4× 3 105kg/cmZ と する ほ か は すべ てEc
= 2.
1×105
kg
/emZ とす る。 4竣工後 経 過 年 数 3年まで の解 析 定 数 は
,
ク リー
プ ePt=
3.
0, 収 縮ひずみ ε。h=
・
45 ×10
−
4 と す る。
6 竣工後3
年以 降の た わ み は,
図一5.
3 を参 照して,
の仮定か ら求ま る た わみ解 ・ 析 値に対し て1.
23nyX
/(x +O.
69)の係 数を 8 乗じ る (x :年数 )。
は りの た わみ は全た わ みの 10〜
15% の範 囲と す る。 表一6.
1 建 物 床ス ラ ブ たわ み測 定 値と予測 値の比較 xKi xK2xKl 辺艮比 λ 1.
]6 1.
66 1.
OO 213 108 1,
38 1、
27 L.
07 大 励ゐ
最 縁 胸 251 30,
S 295 3L8 33、
1 34、
S 30.
9 3091
.
ygMdiM
、2
、 4L524611.
13218 31.
6 280 15315.
o 、.
i314
.
6 210 204 22、
9 1D.
s I 33、
1 28.
6 1.
10 26.
0 21013、
411、
0013.
4 181 18.
1 49019,
51109 艮79 2s7 23、
6 26、
616.
7 610158 207 195 33.
815,
311.
o了 14、
3 t9、
o 17.
8 35,
02e.
3 91D1 巳.
6 24,
7 22、
7 は り た わ み Kt 1A,
S5 1/O.
90 1/o.
s5 vo.
85 1/◎、
8s レ ℃.
85 1A),
85 1/o.
s5 み 値 わ 測 た 予 雛 正 コ K 年 補 L.
OD 匸00 100 1.
15 1.
亘B 112 1、
12 115 み わ 比 / 比 25.
fi32,
91.
52 16.
222724530.
6 】8、
124524832.
720.
δ 25.
T18、
8z3、
425z307 L.
2fio.
95D6s1351,
081.
lGo.
861.
97L501.
28L、
031.
791、
441,
391 】4 設 計精度は, 正常 値のケー
スの 他,
端 部上 端 筋 が 2 cm の沈卞
誤 差 を もつ ケー
ス も取り 上 げ る。 表一
5.
1で取り上げ てい る事例の調 査 時 期は, すべ て 竣 工 後少な く と も2年 以上経過 してい るた め,
こ の調査 まで の期 間が 3年 以 内で は一
律に,
ク リー
プ係 数 9E=
3.
0,
収 縮ひずみ ε。h;
4×IO
−
4 と す る。
これ は建 物ス ラ ブへ の設計 荷 重 作 用 時 期はお もに竣工時以降である もの の施工時に,一
時 的に しろ 施 工 荷重が作 用 し,
そ の後,
自重 荷 重 が作 用し て い ること や調 査か ら施 工 期 間 中の た わ み が 無視で きな い こと な ど か ら,
載 荷 材 令 4週の実 験 デー
タの レベ ル と同 等と判 断し 上 記の よ うな ePt,
ε。h を 採用す る。
ま た, 経 過 年 数3年 以 降につ い て は
一
般 的に ク リー
プ や収縮ひずみ の進 行は ほ と ん ど停 止し ていて も,
荷重 変 動や温 湿度の変 動に伴 う疲 労 的な剛 性低下の影 響に よっ て た わ み が 進行する と判 断し,
5.
3 節の調 査 結 果 を参考 に し, 上記の よ うな たわみ進 行 係数 を考 慮する。
次に た わ み予 測 値はは り た わ み を含ん でいないが, ス ラブ 中央 た わみ測 定 値は は り たわ み も含む た めこ の間の 調整 を行う
。
2.
3節の解 析ケー
ス ス タ デ ィ か らは り たわ み は全たわみ の 10− 13
% が得ら れ て お りこの結 果を参 考にすると と もに事例の平 面 図か らは り下の壁 体有無な どの条 件を 考 慮 して,
は りた わ みを全たわみの 10〜
15 %の 範 囲で調整する。
施工誤 差の 考 慮と し ては 5.
4節 の結果を参 考に して,
端 部 上端筋の位 置につ い ては上 記 の 2ケー
スを 想定し て解析す る。
6.
2 解 析 結 果との比較 調査 事 例の たわ み測 定結果と解析結 果との比 較を 表一
6.
1に整 理す る と と もに, 施 工 誤 差 無 視のケー
スと施 工 測/ 計 2.
5莠
毳
2.
o 1.
5 10 05 上 段 ;正 常 値 下 跌:上端筋2ew 下がり Dl Z345 ↑0 309D 10D 勘 50Dヌ
ラ ブ敏 猷.
■ ●1 ● ■
.
図一
6.
1 長 期たわみ調 査 デー
タと解析値の比較 (施 工 誤 差 無 視 } た252 比 2b 15 1.
o c5 o ●■
葛
1 図一
6.
2 Z 3 ら5 10 20 30COCO 10D 200 500 ヌ ラブ 敬 鼓 長 期た わみ調査デー
タ と解 析値の比 較 〔施工誤 差 考 慮・
端 部上端筋 2cmF が り1
誤差と して端 部 上 端 筋2cm 下が りのケ
ー
ス をそ れ ぞ れ 図一
6.
1,
6.
2に示す。 これ らの図か ら,
調 査 枚 数が多 いほ ど (測定値 /解 析 値 )た わ み比が小さ く な るこ と,
調 査 枚 数が多い場 合の解 析値 は,
施 工誤 差 無視の ケー
ス で過 少評 価 しているが施工 誤 差考 慮の ケー
スで は や や過 大 評 価の傾 向に あ ること が わ かっ た。
解 析に当た り,
積 載 荷 重とし て設 計荷重 を.
考え てい る が,・
実 際に は半分 以 下の荷 重し か作用してい な い.
こと が多い よ うである。
そ の一
方,
歩 行や作業な どによ る使 用 時の変 動 荷 重の た わ みへ の影 響 も考え ら れる。
今回, か な りの 仮 定条件を設 定し
,
た わ み解析 値 を求 めてお り, その詳 細な比較検討は困難であ る もの の , 調 査 枚 数がユ0枚 以上の よ うに 多 数で, その平 均た わみを 用い る場 合,
たわみ 予測が あ る程 度 可 能で あ る と判 断す る。
7,
ま と め床ス ラブ設 計 法は, 単に耐 力 面に限らず機能 面か らの 要求に よっ て たわみ制限設 計が 指 向さ れて お り, 現行 RC 現 準で も許 容た わ み に対する ス ラブ厚 制 限とい う形 で或る程 度た わみ制 御を反 映し た設 計 法に なっ てい る
。
その一
方,
長 期た わ みに個々 の要因の影響 度 合あ るい は 制 御 効 果を考 慮し た た わみ予 測の検討な ど ま だ明らか に なっ ていない面 も多い。本 報では
,
2方 向ス ラブの長 期た わ み解 析 法と して,
ク リー
プ,
収 縮な どの材 料 特 性 , ひ び割れ, 配 筋量,
端 部筋 抜 き出しの影響な どを 考 慮し た FEM 精 解 法を紹 介す る と ともにケー
ス ス タ デ ィ によ る検 討 を 行 っ て い る。
その結 果,
ク リー
プ係 数 3.
0, 収縮ひずみ4
×IO’
a,
L .
L
・=
340 kg/mZ の場 合で,
スラブの弾 性た わ み に対す る長期た わ みの倍 率は,
は り た わ み も含め る と 12〜
17 倍, ス ラブ相 対た わ みで 11〜
15倍が得ら れ,RC
規準 の長期た わみ つ ま り弾 性た わみ の16
倍とい う設 定 値と 大よ そ 適合 するこ と を確 認し た。
ま た
,
実 用 的な た わみ予 測 法と して こ の 2方 向ス ラブ を1方 向スラ ブ に置換して簡 便に解 析す る方 法 を提案し て い る。 さ らに建 物調査事例を分 析,
整理 し,
施工誤 差,
経時的な た わみ の伸 びな ど共 通の解析条 件を設 定し,
こ の簡 便なユ方向スラブ置 換 法と 比較し た。
その結 果
,1
事 例で の調 査ス ラブ枚 数が多い ほど近 似 性が良い 傾 向に あり,
積 載 荷重 とし て設 計荷重を採 用す る場 合, 施工誤 差 無 視のケー
ス でやや 過 少 評価,
施工誤.
差考 慮のケー
ス でや や過 大 評 価と なっ た。
建物床ス ラブ の長 期た わみ予測が大よ そ可 能である こ とを確 認し た。
謝 辞本 研 究の 中で解 析 法の傍証固め の ユつ と なっ た 2方向 ス ラブ実 験デ
ー
タ は,
建 築 業 協 会 型わ く支保工研 究 会で 実施 し た もの で,
野 中稔氏,
高 田 博 尾氏を始め,
当 時の 研 究 会メ ン バー
の皆 様に は お世 話にな.
り まし た。
また, 高 橋 久雄氏に は終 始ご助 言を頂き ま し た。 こ こ に記して 感 謝い た し ます。
参 考文献 1} 武田寿一・
高橋 久 雄・
小 柳光生・
大 池武 :床ス ラブの 長 期た わ み に関 す る研 究 〔単 純支持ス ラ ブ実 験 )
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コ ン ク リー
ト工学,
pp.
10−
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10 2) 武 田寿一・
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小 柳 光 生 ;床スラ ブの長期た わみに関す る研 究
,
コ ン ク リー
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9 3}武 田寿一・
小 柳 光 生 :拘束ス ラ ブの長期た わみ に関す る研 究
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コ ンク リー
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1 4)日本 建 築 学 会 :鉄 筋コ ン クリ
ー
ト構 造 計 算 規 準・
同 解 説,
pp.
135,
昭57.
6 5〕 高 田 博尾・
野 中 稔・
松尾 忠 富岡寿 男 :型わ く支 保工の存 置 期 間に関 する研 究
一
そのll.
実大 規模ス ラブの長 期 た わ み実 験
ll− ,
日本 建 築学会 大会梗 概 集,
昭 58 6) 井野智 :鉄 筋コ ンク リ
ー
ト床スラ ブの撓み障 害の実 態 とそ の対策 に関する研 究,
学 位 論 文 7) 山本 俊 彦・
高 橋 久雄・
小 柳 光 生 :型 わ く支 保工の存 置 期間に関す る研 究
一
その 6.
既 往の測 定デー
タによ る支 保工伝 達荷重 (スラ ブ
1−
, 日本建築 学 会 大会梗概集,
昭 57 8) 高 橋 久 雄・
小 柳光 生 lRC スラブ サ ポー
トに生ずる荷 重 につ い て,
コ ンク リー
ト工学,
pp.
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33,
1980.
10 9)高橋 久雄
・
小 柳 光 生 :支保工の存置 期 間に関する研究(そ の 2),
大 林組 技 術 研 究所 報,
1984,
No.
29一173一
SYNOPSIS
UDO 69・025-22
sTuDIEs
oF
DEFLEcTIoN
oF
REINFoRCED
CONCRETE
SLABS
UNDER
SUSTAINED
LOADS
byDr.'TOSHIKAZU TAKEDA, SUNAO NAKANE, and
Dr.
M[TSUOKOY・ANAGI,
Members of A.I.J.Time
dependent
deflection
analysisby
FEM
wasproposed
reffering two way slab.It
includes
theeffects ofcreep,
drying
shrinkage andbond
creepbetween
the steel and concrete.Usmg
the calculated values of case-study, new simple and practicalanalysis method was proposed replacing two way slab with one way slab model.Many reports