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1. 山陰地域の住宅投資動向の概要 山陰地域の新設住宅着工戸数の動きをみると 振れを伴いつつも 持家 貸家ともに持ち直しの動きが続いている また 分譲マンションも持ち直し傾向にあるが 市内中心部の一部地域に限られているとの声が聞かれている ( 図表 1 2) 持ち直しの背景としては 1 総人口が減少

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Academic year: 2021

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201 7 年 4 月 7 日 日本銀行松江支店

山陰地域における最近の住宅投資の動向とその背景

 本稿の内容に関するお問い合わせは、日本銀行松江支店総務課(0852-32-1503)も しくは matsue-b1918@boj.or.jp までお願いします。 ※ 本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、あらかじめ日本銀行松江支 店までご相談ください。複製を行う場合は、出所を明記してください。

Bank of Japan Matsue Branch Sanin Research Papers

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1 1.山陰地域の住宅投資動向の概要 山陰地域の新設住宅着工戸数の動きをみると、振れを伴いつつも、持家・貸 家ともに持ち直しの動きが続いている。また、分譲マンションも持ち直し傾向 にあるが、市内中心部の一部地域に限られているとの声が聞かれている(図表 1、2)。 持ち直しの背景としては、①総人口が減少する一方、世帯数が増加する中で(図 表3、4)、②雇用・所得環境の着実な改善(図表5)、③緩和的な金融環境下にお ける住宅ローン金利の低下、④住宅ローン減税の拡充(図表6)、⑤地方公共団体 の住宅取得のための各種支援施策(図表7)などが後押ししているほか、⑥住宅関 連企業が顧客ニーズに合わせた物件の提供に工夫を凝らしていることなどが挙げ られる。 (図表1)山陰地域の新設住宅着工戸数 (図表2)同(分譲) (出所)国土交通省「建築着工統計調査」 (出所)国土交通省「建築着工統計調査」 (図表3)山陰地域の人口 (図表 4)山陰地域の世帯数 (出所)総務省「国勢調査」 、「人口推計」 (出所)総務省「国勢調査」 0 5 10 15 20 25 30 35 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 00 05 10 15 65歳以上(左軸) 15歳~64歳(左軸) 0歳~14歳(左軸) 65歳以上割合(右軸) (%) (千人) 0 100 200 300 400 500 600 00年 05 10 15 5人以上世帯 4人世帯 3人世帯 2人世帯 単身世帯 総世帯 (千世帯) 100 200 300 400 300 400 500 600 08 年 09 10 11 12 13 14 15 16 17 総戸数(左軸) 貸家(右軸) 持家(右軸) (季調済、後方6か月移動平均、戸) (季調済、後方6か月移動平均、戸) 年 0 10 20 30 40 50 60 70 80 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (後方6か月移動平均、戸) 年

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2 (図表5)山陰地域の一人当たり現金給与総額 (図表6)住宅ローン減税の控除額等 (持家、分譲向け) (注)四半期は、第 1 四半期:3~5 月、第 2:6~8 月、 (注)国税庁HPの情報を基に日本銀行松江支店が作成。 第 3:9~11 月、第 4:12~2 月。最新は 16/12~ 17/1 月。 (出所)鳥取県、島根県「毎月勤労統計調査」 (図表7)山陰両県の住宅購入支援施策等の具体例(持家、分譲向け) 県 内容 鳥取県 ・居室、風呂、トイレ、台所がある新築木造一戸建住宅を県内に本拠地を置く建 設業者によって建設した場合、最大 100 万円の補助を行う。 ―― 最大の補助金を受けるためには、子育て世帯、三世代同居世帯、住宅 への伝統技能活用等の要件を満たす必要がある。 島根県 ・子育て世帯が県産木材を使った木造住宅の新築、購入、増改築等をする場 合、最大 57 万円の補助を行う。 ―― 最大の補助金を受けるためには、石州瓦を使用すること、三世代同居・ 近居世帯もしくはU・Iターン者、中山間地域への居住等の要件を満たす必 要がある。 (注)鳥取県、島根県木材協会のHPの情報を基に日本銀行松江支店が作成。 2.利用関係別の特徴 (1)持家 持家購入層をみると、若年層が目立っているほか、かつて交通の便の悪い山・海 沿いに家を構えた高齢層が、生活用品の調達や通院に便利な市内に移り住むケース が相応にみられており、これらの層が需要を下支えしているとの声が聞かれている。 こうした動きを資金調達面からみると、高齢層は退職金や預貯金を元手とする一方 で、若年層は借入を行うのが一般的であり、住宅ローン金利の低下と減税による負 担軽減が若年層の持家取得を大きく後押ししている。 この間、リフォーム需要をみると、山陰地域は全国に比べ築年数の長い物件の割 合が大きいことから(図表8)、高齢層を中心に費用面で嵩む建て替えではなく、 居住の用に供した年 通算控除 限度額 2009年1月1日から   2010年12月31日まで 10 年 500万円 2011年1月1日から   2011年12月31日まで 10 年 400万円 2012年1月1日から   2012年12月31日まで 10 年 300万円 2013年1月1日から   2014年3月31日まで 10 年 200万円 2014年4月1日から   2019年6月30日まで 10 年 400万円 年末残高等×1% (30万円) 年末残高等×1% (20万円) 年末残高等×1% (40万円) 年末残高等×1% (40万円) 各年の控除額の計算 (各年の控除限度額) 控除 期間 年末残高等×1% (50万円) ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 8 └ 11 ┘ └ 12 ┘ └ 13 ┘ └ 14 ┘ └ 15 ┘ └ 16 ┘ 特別に支払われる給与 所定外給与 所定内給与 合計 (前年比、%) 年

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3 リフォームを行いたいとの意向が相応にあるとの声が聞かれている。しかしながら、 住宅関連企業は、新築需要があるうちは売上増加を意識して、新築を手掛けたいと 考える先が多い。このため、住宅関連以外の企業(例えば、家電販売)が小口のリ フォーム事業に参入する動きはみられるものの、足もとでリフォーム実績が大きく 伸びている様子はうかがわれない(図表9)。 (図表8)住宅の築年数別割合(持家) (図表9)住宅にかかる リフォーム・リニューアル工事完工高 (出所)国土交通省 (出所)国土交通省 「住宅・土地統計調査」 「建築物リフォーム・リニューアル調査報告」 (2)貸家 貸家については、世帯数の増加や緩和的な金融環境などがある中で、相続を見越 した節税ニーズも強く、振れを伴いつつも持ち直しの動きが続いている。なお、資 産運用目的で貸家を取得するケースが一部でみられているが、限定的な動きとなっ ている。 こうした中で、実需を上回って着工が増加した場合に、空室率が上昇し家賃が下 落するリスクがある。この点について企業にヒアリングしたところ、「貸家の着工 は、交通アクセスが良い市内や、企業誘致などに伴い人口流入のある地域が中心と なっており、今のところ需給バランスは崩れていない」とする先が多い。また、実 需が少ない地域でも、「付加価値を高めた貸家への入居需要はある」との声が聞か れている。 もっとも、一部ではあるが、「節税目的による貸家の増加により需給バランスが 崩れ、空室の増加や家賃の下落がみられる地域がある」との指摘も聞かれており、 今後も注視していく必要がある。 0 200 400 600 800 1,000 1,200 0 1 2 3 4 5 08年度 09 10 11 12 13 14 15 全国(左軸) 山陰(右軸) (兆円) (億円) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 03年 08 13 03年 08 13 全国 山陰 17年超 13~17年 8~12年 7年以内 不詳 (%)

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4 (3)分譲 分譲マンションは持ち直し傾向にあるが、市内の中心部など一部の地域に限られ ており、持家志向が強い当地の特徴がうかがわれる。 3.住宅関連企業における受注獲得・着工に向けた取り組みスタンス こうした中で、持家について、住宅関連企業の提供スタンスをみると、資材 価格に大きな変動がない中で(図表10)、①着工数の確保を狙って低価格路線 を打ち出す先と、②共働きや高齢層など、世帯所得や金融資産がある程度多い 層を狙って高付加価値住宅を提供する先との二極化がみられる。例えば、低価 格路線を主軸に据える先では、設計のパターンオーダー化などによるコスト抑 制で着工数を伸ばしている。中には、営業担当を採用しないことで経費を節減 し、代わりにテレビ CM や自社独自のチラシを作成するなど、販売手法に工夫を 凝らす先もみられる。一方、高付加価値路線を主軸に据える先では、環境性能・ 耐震性能やフルオーダーへのニーズ対応などで、これまで以上に納得感の高い 住宅を売りにしている。 (図表10)山陰地域の主要建築資材価格動向 (注)現在の価格動向を、1(下落)、2(やや下落)、3(横ばい)、4(やや上昇)、5(上昇)として、各モニターからの 回答を都道府県別に集計し、その平均により算出。 (出所)国土交通省「主要建築資材需給・価格動向調査」 また、貸家では、人口流入などがみられる地域の稼働率は相応に高く、こう した地域での着工意欲は依然として強い。もっとも、その他の地域では、節税 対策を売りにした大手住宅メーカーの進出もあり、空室率の上昇や家賃の下落 が懸念され、着工に慎重になる先も一部にみられ始めている。こうした中で、 ①一定の立地条件を満たしたうえで、②設備面を含めた外装・内装を確りと手 掛け、③セキュリティ対策も施すなど、付加価値を高めることで需要を喚起す る先がみられる。 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 06 年 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 セメント 生コン 木材(製材) 木材(型枠用合板) シャドー部分(2.5~3.5)は横ばい圏内の動き

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5 4.住宅投資の先行き見通し 新設住宅着工戸数は、持ち直しの動きが続いているが、人口減少が進む中で、 中長期的には、減少に転じると予測する先が多い。もっとも、世帯数がいずれ 減少に転じるとしても、その減少ペースが人口に比べて緩慢であることから(図 表11)、新設住宅着工戸数の減少も緩やかなものにとどまると見込む先も多い。 また、将来の減少要因として、人口や世帯数の減少に加え、オリンピック需要 などによる資材価格の高騰や技術者の人手不足なども指摘されている。 なお、山陰地域の空家率をみると、全国に比べ高くなっているのがみてとれ る(図表12)。住宅メーカーの中には、こうした点に着目し、空家のリフォー ムやリノベーションを行ったうえで低価格物件として提供し、U・I ターンや長 期滞在者などを対象に、新たな需要を喚起することで活路を見出そうとする動 きもみられている。 (図表11)山陰地域の人口と (図表12)空家率(除く別荘等) 世帯数の将来見通し 以 上 (出所)国立社会保障・人口問題研究所 「日本の世帯数将来推計」 1,000 1,050 1,100 1,150 1,200 1,250 1,300 1,350 150 200 250 300 350 400 450 500 15 20 25 30 35 世帯数(左軸) 人口(右軸) (千世帯) (千人) (出所)国土交通省「住宅・土地統計調査」 10 11 12 13 14 15 16 03 08 13 山陰 全国 年 (%) 年

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