ご利用の前に 関空島WEATHER TOPICSE か ん く う じ ま ウ ェ ザ ー ト ピ ッ ク ス Aの内容には、航空気象で利用する用語や、観測で使用する機 器及びその設置場所等の略語がでてきます。これらの解説を巻末に掲載していますので適宜 ご利用ください。
関空島の
8 月の気象
天気概況 8 月上旬は、高気圧に覆われ晴れる日が多くなりました。中旬以降は低気圧や前線の影響で雨 となる日が多くなり、25 日には台風第 15 号が熊本県荒尾市付近に上陸し、九州北部を縦断して 日本海へ抜けました。 上旬: 期間中は高気圧に覆われ晴れる日が多くなりましたが、強い日射の影響で大気の状態が 不安定となり、対流雲が発達して雷を観測する日もありました。 6 日は、強い日射と上空の寒気の影響で大気の状態が不安定となって対流雲が発達し、雷を 観測しました。 9 日は、日射と上空の寒気の影響で大気の状態が不安定となって対流雲が発達し、雷を観測 しました。 10 日は、日本の南海上を北上した台風第 14 号から暖かく湿った空気が流入した影響で大気 の状態が不安定となり、雷を観測しました。 中旬: 期間を通して、低気圧や前線の影響で雨となる日が多くなりました。また、大気の状態 が不安定となり、対流雲が発達して雷雨となる日もありました。 12 日から 13 日にかけては、山陰沖を東北東進する低気圧や前線の影響で大気の状態が不安 定となって対流雲が発達し、雷雨となりました。これにより、13 日は、VIS が 1,000m まで、 RVR が 650m まで、CIG が 1,000ft まで低下しました。 16 日は、南海上に停滞する前線の影響で雨が降り、VIS が 3,000m まで低下しました。 17 日は、西日本に停滞する前線上に発生した低気圧が瀬戸内海を東進し、湿った空気や上空 の寒気の影響で大気の状態が不安定となって対流雲が発達し、雷雨となりました。これにより、 VIS が 1,500m まで、RVR が 800m まで、CIG が 500ft まで低下しました。 20 日は、西日本に停滞する前線が北上した影響で雨が降り、VIS が 4,500m まで、CIG が 600ft まで低下しました。9 月号
平成27 年 (2015 年)下旬: 期間のはじめと中頃は高気圧に覆われ概ね晴れましたが、25 日は台風第 15 号の影響で 雨となりました。また、期間の終わり頃は気圧の谷や前線の影響で雨となる日が多くなりまし た。 21 日は、東日本から山陰沖に停滞する前線や前線上を東進する低気圧の影響で雨が降り、VIS が3,000m まで、RVR が 650m まで低下しました。 25 日は、強い台風第 15 号の影響で雨が降り、VIS が 3,000m まで低下しました。 29 から 31 日にかけては、西日本に停滞する前線や下層暖湿気の影響で雨が降り、29 日は VIS が 4,000m まで、31 日は、RVR が 1,100m まで、CIG が 1,000ft まで低下しました。 《降水量》 月降水量は116.0mm(平年 84.5mm)でした。日降水量の最大、1 時間降水量の最 大及び10 分間降水量の最大は、それぞれ 31.5mm、18.5mm、8.0mm を 13 日に観測しまし た(第1 図)。 《気温》 月平均気温は 27.8℃(平年 28.2℃)で、日最高気温の平均は 31.5℃(平年 32.2℃)、 最高は9 日の 35.2℃でした。日最低気温の平均は 25.2℃(平年 25.5℃)、最低は 18 日の 22.7℃ でした(第2 図)。 第1 図 2015 年 8 月の日別降水量 第2 図 2015 年 8 月の日別気温
《風向風速》 月全体の風向は、南西から西の風が多くなっています。時間帯別に見ると、00~ 06 時は北北東から北東の風、南西の風及び南南東の風、06~12 時及び 12~18 時では西南西 から西の風、18~24 時では南西の風が多くなっています(第 3、4 図)。 風速別では、日最大風速が10kt 以上の日数が 28 日、そのうち 15kt 以上の日数が 12 日、 20kt 以上の日数が 3 日ありました。10 分間平均風の風配図を見ると、10kt 以上で南西の風、 15kt 以上で南の風、20kt 以上では南南西の風が多くなっています(第 5 図)。 第3 図 8 月の風配図 calm:0.5% 第4 図 8 月の 6 時間毎の時間別風配図 calm 00-06:1.4% 06-12:0.1% 12-18:0.1% 18-24:0.3% 第5 図 8 月の風速別風配図
《極値の更新》 8 月の極値の更新状況を第 1 表に示します。表中、橙色のセルが今月更新した 記録です。 要素名/順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 日降水量 130 82 82 76 57.5 42.5 40 40 38 31.5 (mm) (2014/8/9) (2014/8/10) (2003/8/9) (2003/8/14) (2014/8/2) (2008/8/23) (2003/8/26) (2003/8/15) (2004/8/23) (2015/8/13) 日最大10分間 10 9.5 8.5 8 7.5 7 5 4.5 4.5 3.5 降水量(mm) (2014/8/10) (2013/8/30) (2014/8/9) (2015/8/13) (2011/8/21) (2013/8/23) (2015/8/21) (2015/8/17) (2013/8/25) (2014/8/3) 日最大1時間 37 36 29 21 20.5 19.5 19.5 19 18.5 18 降水量(mm) (2003/8/26) (2014/8/10) (2003/8/9) (2007/8/23) (2011/8/21) (2014/8/9) (2008/8/23) (2003/8/29) (2015/8/13) (2003/8/14) 月降水量の 348.5 310 116 110 70 55 44 41 39 39 多い方から(mm) (2014/8) (2003/8) (2015/8) (2004/8) (2008/8) (2013/8) (2007/8) (2005/8) (2009/8) (2006/8) 日最高気温の 24.3 25 26.3 26.4 26.4 26.4 26.5 26.5 26.8 26.9 低い方から(℃) (2003/8/14) (2013/8/26) (2015/8/31) (2015/8/30) (2015/8/19) (2004/8/23) (2014/8/28) (2014/8/9) (2005/8/23) (2014/8/29) 月平均気温の 29.2 29.1 29 28.5 28.5 28.3 27.9 27.9 27.8 27.8 高い方から(℃) (2010/8) (2013/8) (2006/8) (2011/8) (2007/8) (2012/8) (2008/8) (2004/8) (2015/8) (2005/8) 月平均気温の 27.4 27.4 27.6 27.8 27.8 27.9 27.9 28.3 28.5 28.5 低い方から(℃) (2014/8) (2009/8) (2003/8) (2015/8) (2005/8) (2008/8) (2004/8) (2012/8) (2011/8) (2007/8) 日最大瞬間風速 36.0 南南西 23.1 南 20.1 南南西 19.0 北北東 18.0 南西 17.0 北東 15.4 南南西 15.4 南南西 15.4 南南西 15.4 西 ・風向(m/s) (2014/8/10) (2013/8/31) (2010/8/12) (2014/8/8) (2015/8/17) (2014/8/9) (2015/8/30) (2014/8/5) (2014/8/4) (2013/8/30) (関西航空地方気象台 観測課)
新型気象衛星「ひまわり
8 号」について
1 はじめに 「ひまわり8 号」(第 6 図)は、これまで運用していた「ひまわり 7 号」の後継衛星です。「ひ まわり8 号」は、2014 年 10 月 7 日に H-ⅡA ロケットに搭載され、種子島宇宙センターから打ち 上げられました。その後、軌道上で機能の確認試験を実施し合格した後、2015 年 7 月 7 日から正 式運用を開始しています。全長は約8m(太陽電池パネルを含む)、打ち上げ時の重量は約 3500kg です。衛星本体の設計寿命は15 年以上で、そのうち 8 年以上で観測を行う予定です。米国や欧州 など、他の次世代静止気象衛星に先駆けて運用を開始することから、国際的にも注目されていま す。今回はこの「ひまわり8 号」について説明します。 第1 表 関空島の 8 月の極値 統計期間:2003 年 1 月から。ただし、日最大 10 分間降水量及び日最大瞬間風速は 2009 年 1 月から。2 「ひまわり 8 号」の観測機能の概要について
「ひまわり8 号」は「ひまわり 7 号」に比べ、機能が大幅に向上しています。「ひまわり 7 号」 に搭載されていた可視赤外放射計と比べると、「ひまわり8 号」に搭載されている最先端の観測技 術を有する、可視赤外放射計(AHI:Advanced Himawari Imager)は、より詳しく雲の様子を 観測することが可能となり、大きく次の点が向上しています(第7 図)。 (1)「ひまわり7 号」搭載の放射計は可視 1 バンド、赤外 4 バンドの合計 5 バンド構成でした が、「ひまわり8 号」では可視 3 バンド、近赤外・赤外 13 バンドの合計 16 バンド構成にな っています。観測バンド数を増やすことにより、既存の衛星プロダクトを高度化するだけで なく、新たな衛星プロダクトを開発することも可能になりました。一例として、3 枚の AHI による可視画像 (青: 0.47µm、 緑: 0.51µm, 赤: 0.64µm) を合成することにより、人が 宇宙から地球を見た場合に似た「カラー画像」が作成可能になりました。これは、例えば黄 砂や噴煙などの監視でも有用であると考えられ、気象庁の各種業務にも役立つことが期待さ れます。 (2)「ひまわり8 号」の AHI の各観測バンドにおける空間分解能の向上も、特筆すべき点のひ とつです。「ひまわり 7 号」では、衛星直下点における赤外の空間分解能は 4km でしたが、 「ひまわり8 号」では 2km に向上しており、可視のバンド (0.64µm 帯) では 0.5km の解像 度を実現しています。 (3)「ひまわり8 号」では、「ひまわり 7 号」よりも高頻度の観測が可能になりました。従来 は約30 分を要していた静止衛星から見える範囲のフルディスク(全球)観測を 10 分毎に行 いながら、日本付近を常時 2.5 分毎に観測することが可能になりました。 第 7 図 観測機能の概要
3 「ひまわり 8 号」の利点 「ひまわり8 号」の観測機能の大幅な強化により、台風や集中豪雨をもたらす雲等の移動・発 達をこれまで以上に詳細に把握でき、また火山灰やエーロゾルの分布も高精度に把握できるよう になりました。また、得られた観測データは、雲画像として利用されるほか、コンピュータ処理 により上空の風向風速や温度など多くの物理量が計算され、上空の火山灰、海面水温、流氷、積 雪分布等の監視強化、数値予報及び航空予報の精度向上といった、幅広い分野で役立つものと期 待されます。 4 おわりに 「ひまわり 7 号」は今後、「ひまわり 8 号」のバックアップ衛星として、万が一「ひまわり 8 号」が故障した場合に備えて待機します。一方、これまで「ひまわり7 号」のバックアップ衛星 に就いていた「ひまわり6 号」は、2015 年中に運用を終える予定です。また、2016 年度には「ひ まわり8 号」の同型機である「ひまわり 9 号」の打ち上げが予定されており、「ひまわり 7 号」と 代わり待機することになっています。そして2022 年から立場が入れ替わり、「ひまわり 9 号」が メイン、「ひまわり8 号」がバックアップとなる予定です。 気象庁では、バックアップ衛星がしっかりしている間に次期新型衛星を打ち上げ、静止気象衛 星観測の継続を磐石にすることが重要だとしています(第8 図)。 第 8 図 移行計画 これらの資料については、気象庁HP および気象衛星センターHP から抜粋しています。 (関西航空地方気象台 予報課)
―― 事務局からのお知らせ ――
<関空島ウェザートピックスについて> 「関空島ウェザートピックス」についてのご意見・ご要望は、担当(片桐)のメールアドレ ス[email protected] まで、メールにてお願いします。 <関空島内各機関・事業所へのお知らせ> MetAir 及 び 自 動 巡 回 ソ フ ト の ご 利 用 を 希 望 さ れ る 場 合 は 、 メ ー ル ア ド レ ス [email protected](片桐)までご連絡ください。担当より折り返し連絡させていた だきます。 発行日:平成27 年 9 月 15 日官署名 関西航空地方気象台 地点略号 RJBB 2015 年 08 月 日/要素 降雪の 積雪の 飛行場 海面 平均 最高 最低 平均 最小 風向 風速 風向 風速 合計 最大 最大 深さの 深さ 現地 36 36 1時間 10分間 合計 09h x0.1hPa x0.1hPa x0.1℃ x0.1℃ x0.1℃ % % 方位 kt 方位 kt x0.1mm x0.1mm x0.1mm cm cm 01 10100 10110 300 352 265 80 49 220 14 220 17 - - -02 10112 10121 298 350 269 80 49 240 15 240 19 - - -03 10107 10116 294 342 260 76 49 250 12 250 14 - - -04 10091 10101 294 344 261 76 43 220 13 220 16 - - -05 10089 10098 300 341 271 74 50 220 14 220 20 - - -06 10119 10128 294 337 268 79 58 250 15 240 19 - - -07 10142 10152 297 343 270 79 57 220 12 220 15 - - -08 10118 10127 300 351 264 78 51 160 18 150 25 - - -09 10084 10093 297 352 276 76 48 220 17 220 20 - - -10 10067 10076 297 345 267 75 47 220 11 280 16 - - -11 10059 10068 296 344 264 72 44 270 8 70 10 - - -12 10047 10057 286 327 259 76 57 190 17 190 21 35 40 25 13 10011 10020 272 314 246 92 65 270 12 280 15 315 185 85 14 10044 10053 277 309 258 79 57 290 12 290 16 0 0 0 15 10071 10080 279 318 247 75 51 250 8 250 12 - - -16 10070 10079 267 294 243 81 66 60 14 60 17 90 40 20 17 10049 10058 256 292 237 99 87 250 27 220 35 235 105 45 18 10099 10109 264 308 227 85 57 230 11 220 15 0 0 0 19 10125 10135 255 264 247 93 75 40 10 40 12 55 20 5 20 10098 10108 261 292 247 93 70 290 7 320 13 5 15 5 21 10046 10055 277 316 245 78 65 180 18 190 25 190 140 55 22 10025 10034 281 310 255 74 59 40 15 40 20 - - -23 10042 10051 276 311 250 66 50 40 15 30 22 - - -24 10054 10063 269 303 238 73 50 30 11 360 18 - - -25 9984 9993 275 305 256 79 59 170 22 170 29 60 25 20 26 10028 10038 265 295 237 74 55 180 18 180 22 60 35 25 27 10072 10082 264 294 241 71 47 30 11 350 16 - - -28 10088 10098 265 308 235 71 45 220 11 230 15 - - -29 10092 10102 263 294 240 82 67 230 13 280 18 75 40 30 30 10091 10100 252 264 239 89 81 210 24 210 30 35 15 5 31 10126 10136 249 263 239 88 74 40 13 40 16 5 5 5 上旬 10103 10112 297 346 267 77 -中旬 10067 10077 271 306 248 85 735 下旬 10059 10068 267 297 243 77 425 月 10076 10085 278 316 252 79 1160 極値 352 227 43 250 27 220 35 315 185 85 起日 9 18 4 17 17 13 13 13 日最低 日平均 日最高 日最低 日平均 日最高 日最高 < 0.0 < 0.0 < 0.0 >= 25.0 >= 25.0 >= 25.0 >= 30.0 >= 20 >= 30 >= 40 >= 50 >= 0.0 >= 1.0 >= 5.0 >= 10.0 >= 30.0 >= 50.0 >= 70.0 >= 100.0 >= 0 >= 5 >= 10 >= 20 >= 50 >= 100 0 0 0 16 30 31 22 3 0 0 0 14 10 8 3 1 0 0 0 m m m m m m m m m ft ft ft ft ft ft >= 0 >= 5 >= 10 >= 20 >= 50 >= 100 >= 200 < 5000 < 3200 < 1600 < 1600 < 800 < 600 < 400 < 200 < 100 < 1500 < 1000 < 500 < 300 < 200 < 100 雷 霧 雪 332 158 21 37 0 0 0 0 0 347 77 0 0 0 0 5 0 0 大気現象