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N o . 1 - 2 0 0 8 2008 年 7 月 社団法人 日本海事検定協会 安 全 技 術 室 IMDG コード第 34 回改正(Amdt.34-08)の概要 危険物船舶運送及び貯蔵規則(危規則)、同告示等に定める要件の基準となっている国際海上危険物 規程第 34 回改正(IMDG コード Amdt.34-08)が国際海事機関(IMO)の第 84 回海上安全委員会(2008 年 5 月 7~16 日開催)で採択されました。つきましては IMDG コード第 34 回改正の概要について下記 のとおりお知らせします。 記 1.IMDG コード改正と危規則改正 今回の改正は、危険物輸送に関する国連勧告(国連勧告)第 15 訂版の内容の採入れが主体です。改 正されたコードの規定は海上人命安全条約(SOLAS 条約)に基づき 2010 年(平成 22 年)1 月 1 日から 施行されることとなりますが、国連勧告第 15 訂版を取り入れた危険物の航空及び陸上国際運送規則の 改正規定が共に 2009 年(平成 21 年)1 月 1 日から効力を有するとされているため、2009 年 1 月 1 日 から 12 月 31 日の 1 年間は危険物の航空及び陸上運送規則と海上運送規則との間に差異が生じること となります。 IMO は、輸送モード間の運送規則の差異による不都合を解消し円滑な危険物運送を行うため、2010 年 1 月 1 日の IMDG コード第 34 回改正の正式発効に先立ち 2009 年 1 月 1 日から IMDG コード第 34 回改 正の規定を実施することを加盟国政府に推奨しており、わが国でも 2009 年 1 月 1 日に同コードの第 34 回改正に基づいた「危険物船舶運送及び貯蔵規則(危規則)」の改正が行われる見込みです。 2.IMDG コードの主な改正点 (1) 陸上関係者への教育訓練の義務化 (2) 環境有害物質(水生環境)の判定基準 (3) 海洋汚染物質の判定基準及び表示の変更 (4) 「Excepted Quantities」規定の導入 (5) IAEA 放射性物質輸送規則(TS-R-1)との整合 (6) 有機過酸化物ラベルの変更

(2)

(7) 液体用 IBC 容器の振動試験 (8) 引火性の液体に関する積載要件の変更 (9) 危険物リストからの IMO タンク欄の削除 (10) 新規危険物の追加 (1) 陸上関係者への教育訓練の義務化 IMDG コード第 1.3 章は、危険物輸送に関与する全ての者はそれぞれの役割に応じた内容の危 険物運送規則に関する教育訓練を受けなければならないと規定していますが、陸上を含む全ての 危険物運送関係者に教育訓練を実施することが困難であることから、2004 年の IMDG コード強制 化以降も陸上関係者に対する教育訓練に関する規定は推奨規定として強制化されてはいません。 一方、IMDG コード強制化以降も多数の規則への適合違反があること及び危険物が関連している と思われる大事故が多く発生していることが指摘され続けています。また、危険物の安全運送確 保のために必要な行為(危険物の分類、容器への収納、輸送書類の準備等)のほとんどの部分を 陸上関係者に依存していることから、今回改正には陸上関係者への教育訓練を義務化する規定が 盛り込まれています。 新たに強制化される教育訓練規定は、それぞれ事業者が組織内で設定した教育訓練システムに 従ってそれを実施することを要求していますが、実施方法の詳細については規定していません。 なお、危規則への採り入れの詳細は現在のところ未定となっています。 (2) 環境有害物質(水生環境)の判定基準

GHS(Globally Harmonized System for classification and labelling of chemicals)小委 員会にて策定された水生環境有害性の判定基準が取り入れられました。危険性クラスの 1 から 8 に該当しない場合であって、当該基準に合致する場合は環境有害物質(UN3077 又は UN3082)と して運送しなければなりません。 (3) 海洋汚染物質の判定基準及び表示の変更 現行コードでは副次危険性の欄に「P」又は「PP」が付された危険物、及びそれらを一定量以 上含有している混合物を海洋汚染物質とすると規定していますが、今後は、新たに導入された海 洋汚染物質の判定基準に基づき、試験結果により海洋汚染物質に該当するか否かを判断すること になります。判定基準は上記の水生環境有害物質の判定基準と同一のものですが、危険性のクラ ス 1 から 8 のいずれかの危険物に該当している場合であっても、当該基準に該当する場合には海 洋汚染物質として規制を受けることとなります。また、海洋汚染物質マークも次のとおり変更と なります。

(3)

(旧) (新) (4) 「Excepted Quantities」規定の導入 「少量危険物」規定が適用される量よりも更に少量の危険物を運送する場合に適用される 「Excepted Quantities(微量危険物)」規定が導入されました。同規定は、これまで航空危険物 輸送規則においてのみ採用されていた規定です。現在の少量危険物規定との比較では概略同様の 緩和規定と義務規定がそれぞれ適用されますが概要は次表のとおりです。 「Excepted Quantities」規定の概要 規定項目 内 容 内装/外装の許容量 DG リストの 7b 欄にコード記号で示す。 E0:禁止 E1:内装 30g/30ml 外装 1kg/1L (E2~E4 略) E5:内装 1g/1ml 外装 300g/300ml 容器包装 組み合せ容器に限る。 性能試験は落下試験により安全性を確認し、UN マー クは不要。 「Excepted quantities」マーク 輸送物にクラス番号と荷主名称を記載した下記マー クを表示(1辺が 10cm 以上)。 コンテナにはマークは表示しない。 コンテナへの収納個数制限 1 個のコンテナに収納できる「Excepted Quantities」 輸送物の数量は 1000 個まで。 運送書類 必要(航空及び陸上運送では不要)。 「Excepted Quantities」マーク * クラス番号 ** 荷送人又は荷受人の名称 * **

(4)

(5) IAEA 放射性物質輸送規則(TS-R-1)との整合 IAEA 輸送規則と国連勧告の要件及び構成を整合させるための改正が行われたため、同様にコ ードの改正も行われました。改正のほとんどは構成(章立て等)に関するものであり、要件に関 しての大きな変更は有りません。 (6) 有機過酸化物ラベル 前回の改正で新たに導入された有機過酸化物のラベルが今回改正で再度変更となります。変更 は次のとおりです: (旧) (新) (7) 液体用 IBC 容器の振動試験 液体用の IBC 容器に対する振動試験が新たに導入されました。当該試験は 2011 年(平成 23 年)1 月 1 日以降に製造される IBC 容器の設計仕様に適用されることとなります。 (8) 引火性の液体に関する積載要件 現行コードでは積載区画の防爆要件等が適用となる引火点基準が 23℃以下とされていました が、引火性の容器等級の判定基準に合わせ、23℃未満に変更されました。 (9) 危険物リストからの IMO タンク欄の削除 多くの危険物について IMO タンクで輸送する場合、UN タンクで輸送する場合に適用される要 件(板厚、試験圧力等)に比べ、緩和された要件が適用されています。これは UN タンク基準導 入後も、それ以前から使用されていた IMO タンクを、引き続き一定の期間、当該危険物の運送に 使用できるようにとの経過措置として導入されたものです。2009 年(平成 21 年)12 月 31 日を もって経過措置が終了することから、危険物リスト第 12 欄(IMO タンク欄)が削除されました。 しかし、同日以降も、UN タンクに適用される要件を満足している場合には当該危険物を IMO タ ンクにて運送することが出来ます。 黒線 白線

(5)

(10) 新規物質の追加

次の危険物が危険物リストに新たに追加されることとなりました。

国連番号 品名 クラス 容器等級

0505 SIGNALS, DISTRESS, ship 1.4G - 0506 SIGNALS, DISTRESS, ship 1.4S -

0507 SIGNALS, SMOKE 1.4S -

0508 1-HYDROXYBENZOTRIAZOLE, ANHYDROUS, dry or wetted

with less than 20% water, by mass 1.3C -

1910* CALCIUM OXIDE 8 -

2031 NITRIC ACID other than red fuming, with at least 65%

but with not more than 70% nitric acid 8 (5.1) II 2031 NITRIC ACID other than red fuming, with less than 65%

nitric acid 8 II

2808* MAGNETIZED MATERIAL 9 -

2812* SODIUM ALMINATE, SOLID 8 -

3166* ENGINE, INTERNAL COMBUSTION or VEHICLE, FLAMMABLE GAS

POWERED or VEHICLE, FLAMMABLE LIQUID POWERED 9 - 3171* BATTERY-POWERED VEHICLE or BATTERY-POWERED EQUIPMENT 9 -

3474 1-HYDROXYBENZOTRIAZOLE, ANHYDROUS, WETTED with not

less than 20% water, by mass 4.1 - 3475

ETHANOL AND GASOLINE MIXTURE or ETHANOL AND MOTOR SPIRIT MIXTURE or ETHANOL AND PETROL MIXTURE, with more than 10% ethanol

3 II

3476

FUEL CELL CARTRIDGES or FUEL CELL CARTRIDGES CONTAINED IN EQUIPMENT or FUEL CELL CARTRIDGES PACKED WITH EQUIPMENT, containing water-reactive substances

4.3 -

3477

FUEL CELL CARTRIDGES or FUEL CELL CARTRIDGES CONTAINED IN EQUIPMENT or FUEL CELL CARTRIDGES PACKED WITH EQUIPMENT, containing corrosive substances

8 -

3478

FUEL CELL CARTRIDGES or FUEL CELL CARTRIDGES CONTAINED IN EQUIPMENT or FUEL CELL CARTRIDGES PACKED WITH EQUIPMENT, containing liquefied flammable gas

2.1 -

3479

FUEL CELL CARTRIDGES or FUEL CELL CARTRIDGES CONTAINED IN EQUIPMENT or FUEL CELL CARTRIDGES PACKED WITH EQUIPMENT, containing hydrogen in metal hydride

2.1 -

3480 LITHIUM ION BATTERIES (including lithium ion polymer

batteries) 9 II

3481

LITHIUM ION BATTERIES CONTAINED IN EQUIPMENT or LITHIUM ION BATTERIES PACKED WITH EQUIPMENT (including lithium ion polymer batteries)

9 II

UN 1910、UN 2808、UN 2812、UN 3166 及び UN 3171 の危険物リストへの追加は、これらの物

(6)

その旨を規定した特別要件 SP960 が割り当てられています。(SP960:Not subject to the provisions of this Code but may be subject to provisions governing the transport of dangerous goods by other modes.)

なお、今回改正で危険物リストから削除された危険物はありません。

本資料で説明した改正は主要なもののみであり、他にも多く改正が行われています。個々の改正事 項をお知りになりたい場合には、弊会安全技術室までお問い合わせ下さい。

参照

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