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小規模地域の水道事業統合に伴う施設巡回作業の効率化

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Academic year: 2021

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(1)

63

小 規 模 地 域 の 水 道 事 業 統 合 に 伴 う施 設 巡 回 作 業 の 効 率 化

細井 由彦・増田貴則・

Dagnachew Aklog・

佐々木秀和

*

鳥取大学工学部社会開発システムエ学科・

*(株)新

菱冷熱

Opimal lnspection Route for Scattered Water Supply Facinties in Rural Area

Yoshihiko HOSOI,Takano

摯【

SUDA,Dagnachew AKLOG,Hidekazu SASAKI*

Department of Soc』 Sys俺 正lS Engineeing,Facu■y of Engin∝

ng

Totto University,Totto ,680-8552 Japan

E―Inaili [email protected] …u.acJp *Shinryo―reinetsu Co.Ltd.

Absttactt ln iow urbanized areas,wateworks undeltakings are managed witt small scales and encounter shortages of inttce and staffs To impЮve this situation,the unihcation of sm江 l scale waterworks undetkings is planned FoHowing he unificaton,he

way of mttntenance patrol of water supplyミ 越 lities should be ration』ly revised ln a low urbanized area,residentlal areas are scattered,herefore watettЮrks undertakings have lots oF smali water supply systems lt metms here tt iots oF widely scattered

facilides to be inspected ThereFore aFter unifying underaklngs,eFflcient way oF inspecion should be considered This sttdy investigates he mehod to inspect scattered water supply facilities The method to ttnd he route which takes he ninimum totaltime

to go round ali facilities with restriction oF dttly、 vorking time was exalnined Genetic algo thm was applied to find he optin江 route The way Of esimating the ntness vttuc、vas particularly devised to solve this pЮ blen

【eアWOrds:Fac i4SPec直On】Cemedc angOrittl water supplァ stal

1.ま

えが き 人日の少ない小規模市町村における水道事業は脆 弱な財政や専門的職員の不足などによ り

,維

持管理 が十分に行われているとは言い難い。また居住地域 が分散 してお り多 くの小さい水道システムが存在 し ているのが普通である。 このことがさらに維持管理 作業を困難に している。行政の効率化が求め られて いる中で

,安

全な飲料水を供給 していくためには, 水道事業の統合を進め

,財

政基盤や技術力の強化, 安定 した水源の確保を図ることなどが求め られる, 現在全 国的 に進 め られて いる市町村合併 によって も

,水

道事業 の統合化が促進されるものと考えられ る. 事業の統合化 によ り各施設の規模や配置

,老

朽 化 の程度な どを勘案 して

,シ

ステム構成を合理的 に改善 していくことが必要である [1].事業の統合 化 によ り日常 の施設巡 回点検作業 も

,そ

れ まで各 事業体 ごとに行われていたものが

,一

つの事業体 として実施 される ことになる。とくに小規模市町 村 の場合 には

,人

口が低密である ことを反映 して 施設 も広 く分散 してお り

,効

果 的な巡 回点検方法 を検討することが必要である。 そ こで本研究では

,小

規模水道事業 の統合計画 において

,施

設の巡回を効率 的 に進める経路 の決 定方法および巡回拠点の決定方法 につ いて検討 し た。

2.事

業 統合 後 の施設巡 回点検 作 業 の効 率化

2.1

水道施設 の巡 回点検作 業 の特徴 水道 は水源か ら取水 した原水 を浄水施設 まで送 り

,飲

料水 としての処理 を行 った後配水池 に蓄 え られ消費者へ と給水 される。小規模な水道事業の 場合

,施

設 も小さく

,ま

た原水水質 も良好な場合 が多 く浄水施設も簡単な場合が多 い

.し

たがって 各施設が無人で運転 されている場合がほとん どで ある。 これ らの施設 に対 し定期 的な巡 回点検が行 われ

,設

備 の維持管理や水質 のチェ ックな どが行

(2)

64 細井 由彦・増 田貴則・Dagnachew Aklog。 佐々木秀和 :小 規模地域の水道事業統合 に伴 う施設巡回作 業の効率化 われている。 人 日の多い都市部 とは異な り集落 が分散 しているので

,水

道 システム も分散 してお り

,結

果 として点検す る施設 も分散 して多数存在 す る こととなる

,点

検作業は職員あるいは委託 に よ り実施されるが

,で

きるだけ短時間で完 了でき る計画を立てることがコス トの削減につながる。

2.2

問題 の定 式化 拠点か ら全ての施設 を1回ずつ回 り点検する こ とで一巡が終了す る。各施設 においてそれぞれ所 定 の点検時間が必要 とされる。また施設間の移動 にも時間を要する。作業は勤務時間内に行われ, 勤務時間内に一巡が終 了 しなか った場合 は

,い

っ たん拠点に戻 り翌 日新たに作業が行われる。 したがって決め られた1日 当た りの時間内に作 業 を行 いつつ

,全

施設 の点検作業 にかかる時間 を 最 小化す るよ うな巡 回順路 を決定す る こととな る。以下のように定式化される. 翠 乳→min。

(1)

ただし乳 は第n日目の1日 当たりの作業時間で, つぎのように表される。 乳=ち。+ち

1+遇

(′た十サ洞∂

(2)

ここでЙは第 n日 目に点検 される施設 の集合 を表 して いる。第 は施設kの点検時間

,犠

は施設

k

か ら次の施設 までの移動時間である。ち。,サ ,1は それぞれ n日 目に点検する最初 の施設までの拠点 か らの移動時間と

,最

後 の施設か ら拠点までの移 動時間である。 制約条件は以下のようになる。 乳≦盈

(3)

ただ し

4は

1日 当た りの作業可能時間である。 最適化手法で しば しば用い られる巡回セールス マ ン問題は各点を1回ずつ巡 る最短経路 を見つけ る問題であるが, ここでの問題 は 1日 当た りの作 業時間に制約があ り1日 ごとに拠点か ら出発 して 拠点 に戻 って くる必要がある こと

,各

点 において 種々の作業時間が発生することなどの制約が存在 する。

3.遺

伝 的アル ゴ リズ ム によ る解法

3.1

制約 条件 のな い場 合 式

(1)∼ (3)を

解 いて最適な巡 回方法を求 めるために遺伝的アルゴ リズム を道応する。最初 にまず制約条件

(3)の

な い場合 につ いて考 え る。 この場合 には途 中で作業拠点に引き返す こと な く全施設 を一巡する最適経路 を探せばよい。 全施設に番号をつけ

,施

設 を巡回する順 に並ベ た も の を遺 伝 的 アル ゴ リズ ム にお け る表 現 型 (PIYPE)とす る。 したがってそ の長 さは全施設数 に等 しい。それぞれの

PTYPEに

よる適合度 の値 は

,そ

の情報 にしたがって施設 を一巡する総時間 とする. このよ うな呻 Eを遺伝子 コー ド (GqYPE)に 変換す るにあた り

,致

死遺伝 子 の発 生 を抑 えるた め に遺伝 的 アル ゴ リズム による巡 回セール スマ ン

PttPE

n-1日 目まで r〓1 A〓 [拠点か らJrまでの移動時間] +[Jrの点検時間] BttA+[JrからJ眸1までの移動時間] 十[J市の点検時間] +「 J血1から拠点までの移動時間]

)荒

A=Bい[J2から拠点までの移動時間] r〓r+1 Tn〓A■[Jrから拠点までの移動時間] n+1日 ロヘ 図

1

適合度 の計算方法

(3)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 34号 もa 図

2

検討対象 とした地域 と浄水施設

,配

水池 の位置 65 問題の解法で用いられる順序表現[2]を用 いた。

3.2

制約 条件 の あ る場合 本題である制約条件 のある場合について検討す る。巡回する順序 によって各 1日 当た りの巡回施 設数が異なって くる。もし

PIYPEに

おける遺伝子 配列の順序が施設巡回の順序 を示すな らば, 1日 の作業のは じめと終わ りに拠点 を示す遺伝子を配 置する必要がある。 しか し巡 回方法が変化するた びに1日 の点検箇所数が変化するので

,拠

点 を示 す遺伝子の配置場所 も変化 させる必要がある。 し たがつて1日 ごとの作業区分まで含めて

PIYPE上

で表現することは難 しいと考え られる。 そ こで遺伝子型列は制約条件 のない場合 と同様 の形 とし

,適

合度 の計算方法 を新 しい もの とす る.P‐lYPE上の遺伝子配列 にしたがって施設巡回 を行い, 1カ所 の点検が終 了す る ごとに

,そ

こか ら拠点 まで 引き返 した場合 の累積時間 を計算す る。もしそれが 1日 当た りの最大可能作業時間未 満で あれ ば

,次

の施 設 まで進 み同様 の計算 を行 う。 これを繰 り返 し

,総

所要時間が最大可能作業 時間以上になる場合 に

,そ

の一つ前の施設までで 1日 の作業を終え

,そ

の 日の総所要時間を適合度 値 に加 えていく。 この過程 を図 1に 示す。

4.ケ

ー スス タデ ィ

4.1

施 設 状況 及 び巡 回条件 検討 の対象 とした地域 を図2に示す。 この地 区 内 には点検 を必要 とす る施 設 として浄水施設が

32,配

水池が78あ る。図中の

0印

は浄水施設を□ 印は配水池 を示 してお り

,実

線 は道路 を示 してい る, 1日 当た りの作業時間は最大 で

8時

間 と した. 各施設 の点検 時 間は浄水施設で30分

,配

水池で15 分 と した。施設 間の移動 の速 さは実績 よ り時速87

kmと

した, この地域 で最 も大 きい浄 水場が図2中の

No.15

で示 されて い る。事業統 合後 も ここを作業拠点 と す る ことが総 合 的な観点か ら最 も現実 的で ある と 考 え られ る。そ こでNo.15を拠 点 として巡 回点検 を行 う最適 経路 を検 討す る。 さ らに巡 回時 間の最 小化 のみ に着 目 して

,作

業拠点 とす る施設位置 の 決定 も含 めて最適 な経路 を検討す る。

4.2

開 発 され た 手 法 の 適 用

(4)

66 細井由彦・増 田貴則 。Dagnachcw Aklbg・ 佐々木秀和 業の効率化 小規模地域の水道事業統合に伴 う施設巡回作 (a)1日 目 (b)2日 目 (c)3日目 国

3

作業拠点が所与の場合の浄水施設の 最適巡回経路 作業拠点が与 え られている場合には遺伝子配列 の一番 目は常 に作業棚点の番号が来るようにして お く

.集

団数 は100と した。個体 の選択 にはエ リ ー ト保存方式を用い

,エ

リー ト数は40と した。交 叉は交叉率0,9で

2点

交叉 とした

.突

然変異率は浄 水施設 の場合 は

0.04,配

水池 の場合 は0.01と し た。なお これ らのパ ラメータ値は予備的検討によ り決定 した。 (a)1日 目 3日 目 2日 目 (b)2日 目 図

4

作業拠点が与え られない場合の浄水施設の 最適巡回経路

4.3

結 果 と考 察 作業拠点が決まっている場合 の浄水施設の巡 回 経路 を求めた結果 を図3に

,作

業拠点が未定の場 合 の結果 を図4に示す。いずれ の場合 も3日 を要 す るが

,所

要時間合計では作業拠点がNo。15に 決 まっている場合には22.3時 間で あったのが

,作

業 時間も未定の場合には

,作

業拠点がNo.7で

,所

要 合計時間は21.7時 間 とな り若干削減 された。作業 拠点がNo.15の場合 には周辺か ら中央へ と作業が 進む傾向があるのに対 し

,作

業拠点がNo.15の場 合 には

,東

,中

,西

部 にわ けて作業 を行 う傾 向にある。 配水池 に関 して同様 に作業拠点が決め られてい る場合 と

,未

定の場合 について最適経路 を求めた 結果 をそれぞれ図

5, 6に

示す 。いずれの場合 も 6日 間を要する。作業拠点 をNo。15と した場合の 所要合計時間は41.4時 間で あった。作業拠点未定 の場合 には

,最

適拠点 はNo.82とな り所要合計時 間は40,1時 間 となった。 浄水施設 と配水池 を分 けず に巡回する場合の最

(5)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 34号 (e)5日 目 国

5

作業拠点が所与の場合の配水池の最適巡回経路 67 (a)1日 目 (d)4日 目 (b)2日 目 (c)3日 目 (f)6日 目 (a)1日 目 (b)2日

(c)3日

(d)4日 目 (e)5

日目

(f)6 EI目 図

6

作業拠点が与え られていない場合の配水池の最適巡回経路

(6)

68 細井由彦・増 田貴則・Dagnachew Akiog・ 佐 々木秀和 業の効率化 小規模地域の水道事業統合に伴 う施設巡回作 (I)9日 目

ti)10日

目 国

7

浄水施設と配水池を同時に巡回する場合の最適経路 道経路が図7である。作業拠点は

No.6,作

業 日数 は10日間

,所

要合計時間は56.2時間 となった。図

4で

示 された結果 と図

6で

示 された結果 を合計す ると

,作

業 日数は 9日 間

,所

要合計時間は61.8時 間 となる。 したが って浄水施設 と配水池 を同時 に 巡 回す る場合

,日

数では別 に した場合 よ り1日多 く要するが

,所

要合計時間は5.6時間短 くなる。 こ れは最適化問題の目的が所要時間の合計を最小化 す る ことにしている ことが一つの理 由であると考 え られる。また浄水施設 と配水池を別 にした場合 は作業拠点が 2カ 所であるのに対 し

,両

施設 を同 時 に巡回する とした場合 には

,作

業拠点は 1カ 所 である。 したがって 1カ 所の場合の方が拠点 との 往復 に要する時間が多 くな り, 1日の中で作業 に 関わ らない時間が多 くなった と考 え られる。

5.あ

とがき 1日 の作業時間に制限のある場合の施設巡回点 検 の経路 を遺伝的アルゴリズムにより最適化する 方法 を検 討 した

.制

約条件が付 いたため通常 の巡 回セール スマ ン問題 の解 法 を適用す る ことはでき な いため に

,適

合度 の計算 に工夫 を加 える ことで 対 処 した。 さ らに実用 的 にす るためには各施設 の 重要度や

,道

路 の開塞可能性 な どをも考慮 した検 討へ とすす め る予定で ある。 本研究 は (財

)水

道技術研 究セ ンター 「環境影 響低減化 浄水技術 開発研 究」 の基礎研究 として実 施 された ことを付記す る。 参 考 文 献

[1]武

市久 仁彦

,細

井 由彦 :水道事業統合効果 の 評価 に関す る研 究

,第

6回

水道管路 国際 シンポ ジウム講演集,pp303お06,2003.

[2]Dewdney,A.K.:Expbttng the neld of

genetic Лgorithttls in a primordial computer

sea fun of mbs,sdenti■c Amencan,vOl.85, No.5,pp.16-21,1985.

(受理 平成

15年

9月 8日)

(a)1日 目 (b)2日

(c)3日

(d)4日 目

参照

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