• 検索結果がありません。

の面から裸使用はされていない 現在では耐久性塗覆装管が使用されており その素材としては鋳鉄管が 95% 鋼管( 炭素鋼亜鉛めっき )5% の割合である また ステンレス鋼管が使用されている 旧使用裸管として 鉛管 ( 東京都では約 10% 残存と言われている ) があり 亜鉛メッキ鋼管 鋳鉄管も多く

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "の面から裸使用はされていない 現在では耐久性塗覆装管が使用されており その素材としては鋳鉄管が 95% 鋼管( 炭素鋼亜鉛めっき )5% の割合である また ステンレス鋼管が使用されている 旧使用裸管として 鉛管 ( 東京都では約 10% 残存と言われている ) があり 亜鉛メッキ鋼管 鋳鉄管も多く"

Copied!
19
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 28

水道施設の腐食事例と防食対策Ⅱ

腐食センター 栗栖孝雄

本稿は腐食センターニュースNo.072,p.52 から続く。 3.水道施設の腐食環境と腐食速度 3.1 腐食環境 前項に示された水道管の腐食事例では、施設の使用環境側と材料側因子に大別さ れる。それぞれの腐食形態や因子を図9 に示す。 水道施設の使用環境は施設の内面環境と外面環境に分けられる。内面腐食環境は、 管路のような水道水で満たされる環境や貯水槽のような水道水中、気液界面、気層 からなる環境がある。前者の腐食は、溶存酸素、水質、流速や温度などの水道水腐 食因子に支配され、後者は水道水の「水中」や水道水の蒸気を含む「気中」の腐食 因子や水位に支配される。内面腐食環境は、紫外線はあたらないが、鋼面への水・ 酸素の透過による鋼面腐食が生じ、長期期間中には被覆は酸化劣化する。 一方、外面腐食環境は、「気中」、「埋設」、「屋外暴露」に分類され、「気中」は、 屋内や共同溝内などの配管で、直接太陽光(紫外線)があたらないが、長期期間中 には被覆は酸化劣化し、鋼面への水・酸素の透過による鋼面腐食を生じる。 「屋内暴露」は、水管橋や屋外配管のような紫外線劣化と酸化劣化および鋼面腐食 があるが、紫外線劣化速度は小さく景観を考慮しなければ耐久性の面からは無視で きると考えられている。「埋設」環境は、直接太陽光(紫外線)があたらない土や コンクリート中である。埋設環境ではミクロセル腐食とマクロセル腐食に分けられ る。ミクロセル腐食は土壌腐食であり、水と溶存酸素が腐食主要因子であるが、土 質、電気伝導度、pH、硫化物、バクテリアや溶存イオンなどの諸因子によって腐 食が影響される。マクロセル腐食は、埋設配管のコンクリート側/土壌側間(C/S 腐食)、異なる土質間で生じる腐食と電車やポンプから生じる迷走電流で起こる電 食が特徴的である。 水道施設の材料側因子として、水道管は、鋼種として炭素鋼、亜鉛めっき、塗装 管、ステンレス鋼、鉛管が使用され、タンクでは普通鋼板・塗装、ステンレスが適 用されている。また、それぞれの部材の接合方法として、フランジ、ネジ、溶接な どが適用される。材料は使用環境によって、全面腐食、局部腐食(孔食)、塗膜下 腐食、異種金属接触腐食などの各種腐食形態をとる。 3.2 腐食速度 水道管は、鉛管、鋳鉄管(普通鋳鉄、ダクタイル鋳鉄)、鋼管(炭素鋼、亜鉛め っき、塗覆装、ステンレス鋼)、鉛管が使用されてきた。鉛管は環境衛生・保全の 面から中止され、炭素鋼・鋳鉄管や亜鉛めっき鋼管は、赤水や白濁水やさび・腐食

(2)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 29 の面から裸使用はされていない。現在では耐久性塗覆装管が使用されており、その 素材としては鋳鉄管が95%、鋼管(炭素鋼亜鉛めっき)5%の割合である。また、 ステンレス鋼管が使用されている。 旧使用裸管として、鉛管(東京都では約 10%残存と言われている)があり、亜 鉛メッキ鋼管、鋳鉄管も多く残存し、これらの裸鋼管の漏水事故が依然として起こ っている。以下に、炭素鋼、亜鉛メッキ鋼管、鋳鉄管の腐食速度や寿命についての べる。 図9 水道施設の環境・材料による腐食形態と因子 3.2.1 水道水中の腐食速度 (1)炭素鋼 水道管における炭素鋼の内面腐食は、水道水に満たされるので淡水と同様に基 本的には中性水の酸素拡散律速反応で、溶存酸素、流速、温度に支配され、副次 的にはさびなどの表面の付着物や析出物に支配される。詳細は腐食防食協会編、 「腐食防食ハンドブック」、p.153~159(平成12年2月、丸善)を参照のこと。 短期間(3~9 日)の米国イリノイ州での水道水(硬水)の水質模擬浸漬試験では、 炭素鋼の腐食速度は、Cl-/CO32-、残留遊離塩素、アルカリ度などの腐食因子に依 存する8)。本邦での実際の浄水場の水道水を流送した腐食試験(3~6 ヶ月)では、 炭素鋼の腐食速度は、0.01~0.02mm/y で、温度との相関がみられたもの水質(軟 水)などの環境因子との相関は見られなかった。

(3)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 30 (2)Zn めっき Zn めっき鋼管の腐食速度は、0.001~0.01mm/y で、pH、アルカリ度、温度 との相関が見られた。水道配管のZn めっき鋼管の孔食速度は、0.06~0.31mm/y で、Zn めっきは短期間で消失し、続いて炭素鋼の孔食が生じ、3~16 年で穿孔 漏水に至る。孔食部(アノード)が周囲の非腐食部(カソード)と局部電池を形 成し、孔食が成長する場合の孔食速度と、カソード面積比と腐食速度との関係8) を図10 に示す。 腐食速度25mdd(0.12mm/y)、カソード面積比 95%の場合は、孔食速度 5mm/y (腐食速度の約5 倍)まで腐食が集中し、短期間で穿孔する。 図10 孔食集中速度と全面腐食の関係8) (3)鋳鉄 水道水中の鋳鉄の腐食速度は、最初は鋳物肌に密着したスケールで腐食の保護 皮膜になっているが、スケールが除去されると素地の黒鉛が顔を出しカソード として働くので鉄素地の腐食は促進される。低炭素鋼の17mdd に対して、ねず

(4)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 31 み鋳鉄が 19mdd、ダクタイル鋳鉄が 18mdd で、炭素鋼とほぼ同じ腐食速度と なっている。水道用ねずみ鋳鉄管の黒鉛化腐食の最大腐食速度は、20 年で 5mm (0.25mm/y)、60 年で 10mm(0.17mm/y)となって4)(図4 参照)、亜鉛めっき 鋼管の最大腐食速度に近い。 3.2.2 土壌腐食 外面腐食環境は、屋内・屋外暴露環境と土壌やコンクリートなどの埋設環境があ る。なかでも、埋設環境が重要である。コンクリートを含めた土壌腐食の種類は、 カソード部とアノード部の面積比の大小や距離の長短によってマクロセル腐食お よびマクロ腐食からなり、それぞれは図9 に示す腐食形態からなる。 (1)土壌の腐食性評価

金属の土壌腐食は、NBS(米国標準局、National Bureau of Standard)に よる腐食試験(1922~1955 年)や W.Beckman&W.Schwenk による評価から、 鉄鋼材の15 種類の土壌中の平均全面腐食速度は、0.065mm/y、最大孔食速度 は0.43mm/y で、最大孔食速度/平均全面腐食速度は平均 6.7 であった。裸鋼材 のDVGW(Deutsche Vereinigung des Gas und Wasserfaches e.V)による土 壌の腐食性は、土質、抵抗率、pH、塩化物イオンなどの 12 種の腐食因子の 評点指数の総合点から判定された(表10)。また、採取土壌を用いた実験室試 験の6ヶ月間の腐食量W から T 年後の腐食 WTと孔食深さPTを推定する式を 示している。 WT=7.4W(T/10)0.57 PT=(25.2W+45)(T/10)0.44 Puritula や Rosenqvist は腐食速度と土壌の腐食性を示している(表 11)。 鋳鉄管の土壌腐食性は、日本ダクタイル鉄管協会が、米国規格ANSI/AWWA に基づき、土壌分析法(表12)による評価法を示しており、評点 10 点以上で は防食対策としてポリエチレンスリーブ法を推奨している。

(5)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 32 表10 DVGW による土壌の腐食性評価基準 測定項目 測定値 点数 測定項目 測定値 点数 土壌の種類 石灰質 2 土壌の条件 (周囲との差) 周囲の構造物と同質 0 泥 灰 状 石 灰 岩 2 周囲の構造物と異質 -3 砂状泥灰土 2 比抵抗 (Ω・cm) 10000 以上 0 砂 2 10000~5000 -1 砂質ローム 0 5000~2300 -2 泥炭ローム 0 2300~1000 -3 砂質粘土 0 1000 以下 -4 粘土 -2 含水比 (%) 20%以下 0 泥灰粘土 -2 20%以上 -1 腐植土 -2 pH 6 以下 -2 泥炭 -4 6 以上 0 重質ロ-ム -4 Redox 電位 (mV) 400 以上 2 沼沢地土壌 -4 400~200 0 地下水 (埋設位置) なし 0 200~0 -2 あり -1 0 以下 -1 変動あり -2 H2S または 硫化物 なし 0 土壌の条件 (掘返し) 掘返しなし 0 微量 -2 掘返しあり -2 あり -4 表11 土壌の腐食性評価基準 腐食性 穿孔までの年数(年) 腐食速度(mm/y) 激しい 1~3 >0.125 やや激しい 3~5 0.04~0.125 中 5~10 0.01~0.04 小 10~25 0.0025~0.01 極めて小 >25 <0.0025

(6)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 33 表12 ANSI A21.5 による土壌の腐食性評価基準 測定項目 測定値 点数 測定項目 測定値 点数 比抵抗 (Ω・cm) <1500 10 Redox 電 位 (mV) >100 0 1500~1800 8 50~100 3.5 1800~2100 5 0~50 4 2100~2500 2 <0 5 2500~3000 1 水分 (%) 排水が悪い、常に湿潤 2 >3000 0 排水がかなり良好 一般に湿っている 1 pH 0~2 5 2~4 3 排水良好 一般に乾燥している 0 4~6.5 0 6.5~7.5 0* 硫化物 検出 3.5 7.5~8.5 0 痕跡 2 >8.5 3 なし 0 *pH が中性域(6.5~7.5)で硫化物が存在し、且 Redox 電位が低い場合には3点加点する。 (2)電気化学的測定による評価 マクロセル腐食による評価は、電位差や電流の電気化学的測定が有力な手段と なる。 ① 土質の差による通気差電池 非腐食部位(カソード)と腐食部位(アノード)間の自然電極電位を照合 電極(飽和硫酸銅電極、CSE など)を用いて測定し、土質の分析と併せて、 マクロ電池形成の可能性の有無を調べる。 ② 異種金属接触腐食 土壌中の異なる2 つの金属におけるアノード部(腐食部)とカソード部(非 腐食部)の自然電極電位を測定し、異種金属接触腐食の可能性の有無を調べる。 ③ コンクリート/土壌(C/S)マクロセル 鉄筋コンクリート中を貫通する土壌中の鋼管は、鉄筋側はマクロカソード、 土壌中の鋼管はマクロアノードになり、その接触面積比が大きいと土壌中の 鋼管の腐食(孔食)が生じる。管対地電位測定を行うと、土壌中の鋼管の電 位は、C/S がない通常の電位(-0.5~-0.6V vs. CSE)よりもコンクリート 中の鉄筋(-0.2~-0.3V vs. CSE)に近く、C/S マクロセルの形成の可能性 が高いと判定される(図11)。 ④ 電食 埋設管対地電位やレール対地電位を高感度記録計やデーターロガーを用い て長時間測定し、電車走行時の電位の平均値、最小値、最大値を測定し、電

(7)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 34 食の可能性の有無を判定する(図 12)。 ⑤ プローブ電流測定 埋設管と炭素鋼のプローブ(10cm2)間に微小な電位(+10mV)を負荷し、 電流を測定して、腐食速度の推定を行う。図13 に測定例を示す。プローブ電 流より求められる鋼管の腐食速度は、下記のように求められる。 腐食量W(g/cm2/y)=K・T・I 腐食速度Y(mm/y)=W/ρ=K・T・I/ρ=1.16x103I (電気化学的当量K:2.89x10-4(g/A・sec)、プロ-ブ電流 I:(A/cm2)、 時間T:(sec)、 比重ρ:鉄 7.86(g/cm3)) 図11 コンクリート/土壌マクロセル腐食のメカニズム

(8)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 35 図12 管対地電位測定 図13 プローブ電流測定 (3)土壌腐食対策 土壌腐食におけるミクロ腐食およびマクロ腐食の防止法として、 ① 土壌の腐食因子(溶存酸素、水分、バクテリア、塩分など)を遮断する。 ② 鉄などの腐食電流に対し、逆方向の電流を流し、腐食を抑制する。 ③ 耐食性金属を用いる。 などがある。①に対する防止法は鋼管表面の塗覆装であり、3.1 項の外面腐食では、 ②は電気防食、③はステンレス鋼の適用である。塗覆装は、ピンホ-ルや施工疵な ど、土壌の腐食因子を完全に遮断することができないので、電気防食が併用され、 その際には絶縁継手など対処が必要である。③は適用環境に注意する必要がある。 いずれにしても耐久性、施工性、維持管理などを満足した性能を有し、コストパフ ォーマンスの優れた防食法の選定が必要となる。

(9)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 36 4.防食対策 水道施設の腐食環境として、貯水池、貯水槽、水道管内面における水道水が直接 接触する水道水環境および内面空間部環境、または外面として屋内や屋外大気に接 触する大気暴露環境および土壌やコンクリートに接触する埋設環境がある。 それぞれの環境の腐食因子は以下の様な腐食因子となる。 ① 水道水環境:水、溶存酸素、pH、Cl-などの水質や流速や温度など。 ② 内面空間部環境:水分、酸素、Cl2、温度、水道水揮発物など。 ③ 大気暴露環境:湿度、Cl-SO x、温度や紫外線など。 ④ 埋設環境:含水率、電気伝導度、土質他 これらの腐食因子に対する防食対策は、 (1) 塗覆装:各腐食因子(溶存酸素、水分、塩分など)の遮断。 (2) インヒビター:各腐食因子の遮断。 (3) 耐食性金属:不動態皮膜の形成。 (4) 電気防食:鉄などの腐食電流に対し、逆方向の電流を流し、腐食を抑制する。 いずれにしても耐久性、施工性、維持管理などを満足した性能を有し、コストパ フォーマンスの優れた防食法の選定が必要となる。 4.1 塗覆装 水道管は、現在では、鉛管(東京都は 12%ぐらい)や亜鉛めっき鋼管は残存し ているが、新規採用はない。鋳鉄管は95%、鋼管 5%の割合で使用されており、裸 使用はなく塗覆装鋼管として使用されている。水道用鋼管の外面被覆および内面塗 装の規格の経緯を表12 に示す。 4.1.1 導水管・送水管・配水管用(大・中鋼管) (1)内面防食塗装 水道用鋼管として、アスファルト、コールタールエナメル塗装が使用され、1972 年にJIS K5665(タールエポキシ樹脂塗料)、1974 年に JWWA K115(水道用ター ルエポキシ樹脂塗料塗装方法)が規格化され、水道用鋼管内面用塗装として広く使 用された。その後、コールタールを含有せず衛生的な溶剤形エポキシ樹脂塗料を用 いたJWWA K135(水道用液状エポキシ樹脂塗料塗装方法)が 1989 年に規格化さ れ、タールエポキシ樹脂塗料は、上水に接しない面に限って使用されることになっ た。一方、溶剤臭のない環境作業性の良好な無溶剤形エポキシ樹脂塗料を用いた JWWA K157(水道用無溶剤エポキシ樹脂塗料塗装方法)が 2004 年に規格化され た。これらを統一した水輸送鋼管全般に適用するJISG3443-4(水輸送用塗覆装鋼管 -第4 部:内面エポキシ樹脂塗料)が 2007 年に制定された(表 12 参照)。

(10)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 37 (2)外面被覆防食 水道用鋼管として、アスファルト、コールタールエナメル塗覆装が長年使用され てきた。作業環境改善と高品質化(防食性能、耐衝撃性、鋼管のたわみへの追従性 など)を図るため、大口径と異形管に適用可能なポリウレタン被覆やのポリエチレ ン被覆を加えた外面プラスティック被覆が開発され1999 年に日本水道協会規格と なった。さらに、上水道のみならず工業用水道、農業用水、下水道など水輸送用塗 覆装として統一化され、2007 年に JISG3443-3(水輸送用塗覆装鋼管-第3部:外 面プラスティック被覆)として制定された(表 12、13 参照)。 (3)長期耐久塗覆装9) 100 年の寿命を目指した WSP076-2012(長寿命形水道鋼管用塗覆装材料・塗覆 装方法)の規格の内容は、水道用鋼管外面ポリウレタン被覆では、酸素透過速度減 少、耐酸化劣化などを付与し、ふっ素樹脂塗料などの耐候性塗料上塗り塗装をし、 膜厚2.0mm 以上(耐衝撃性が要求される場合は 3mm 以上)などを設定している。 また、内面無溶剤エポキシ樹脂塗料塗装では、工場塗装の膜厚は600μm 以上、現 場溶接部手塗り塗装の膜厚は1000μm 以上必要であり、水の透過によるブリスタ ーの発生を制御できるとしている。今後日本水道協会規格の制定・改訂が行われる。 4.1.2 給水管用 給水管には亜鉛メッキ鋼管(JISG3442、550~600g/m276.3~83.2μm)、比 重 7.21)が使われていたが、白濁や赤水や腐食対策として、硬質塩ビライニング 鋼管(1957 年開発、JWWA K116 制定(1972 年)、呼び径 15~150A)や安価な ポリエチレン紛体ライニング鋼管(JWWA K132 制定(1982 年)、15~100A)な どの内面コーティングが開発・適用された。給水管用塗覆装鋼管を表13 に示す。 硬質塩ビライニング鋼管は、内面用塩ビ管を鋼管に挿入し中央から加熱膨張させ たり、また加熱しながら塩ビ管を加圧膨張させ、鋼管内面に接着して製造する。ポ リエチレン紛体ライニング鋼管は、予熱した鋼管内面にポリエチレン紛体を吸引し、 加熱融着して製造する。ライニング鋼管の防食性や耐震性に優れた管端防食継手が 開発された。表14 には、ライニング鋼管の構成、継手、外面側の表面処理も示す。 使用実績は、直管部や T、L 字継手部などを含め、硬質塩ビライニング鋼管は 40 年、ポリエチレン紛体ライニング鋼管は20 年であり、耐久性や防食性が確保され ている。 4.1.3 現地塗覆装 被覆鋼管は、敷設現場で溶接接続されるので管端部は裸鋼材であり、溶接後防食 被覆が施される。埋設管の現地防食被覆は、以前は瀝青質系材料や塩化ビニルテ- プが用いられていたが、現在は高品質の工場被覆鋼管に併せて絶縁性の優れたポリ エチレン(チューブ状、シート状)や防食シート、防食テープなどが多く用いられ るようになった。現場被覆の種類と特徴を表15 に示す。

(11)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 38 表12 水道用塗覆装被覆の規格 区分 規格番号 規格名称 制定(廃止) 内 面 日 本 工業 規格 JISG3491 水道用鋼管アスファルト塗覆装方法 1952.11(1974.5)* JISG3492 水道用鋼管コールタールエナメル塗覆装方法 1968.1(1974.5)* JISG3443-4 水輸送用塗覆装鋼管‐第4 部:内面エポキシ樹脂塗装 2007.2 日 本 水道 協 会 規格 JWWAG107 水道用鋼管コールタールエナメル塗覆装方法 1965.8(1968.1) JWWAK115 水道用タールエポキシ樹脂塗料塗装方法 1974.5(1989.1)** JWWAK135 水道用液状エポキシ樹脂塗料塗装方法 1989.8 JWWAK157 水道用無溶剤形エポキシ樹脂塗料塗装方法 2004.3 外 面 日 本 工業 規格 JISG3491 水道用鋼管アスファルト塗覆装方法 1952.11(2007.2) JISG3492 水道用鋼管コールタールエナメル塗覆装方法 1968.1(2004.3) JISG3469 ポリエチレン被覆鋼管 1978.12 JISG3443-3 水輸送用塗覆装鋼管‐第3部:外面プラスティック被覆 2007.2 日 本 水道 協 会 規格 JWWAG107 水道用鋼管コールタールエナメル塗覆装方法 1965.8(1968.1) JWWAK151 水道用ポリウレタン被覆方法 1999.4 JWWAK152 水道用ポリエチレン被覆方法 1999.4 JWWAK153 水道用ジョイントコート 1999.4 *:JWWAK151 の制定・実用化により、水道用内面使用は廃止(JISG3492:2004.3、JISG:2007.2)。 **:JWWAK135 の制定・実用化により、上水に接しない面に限って使用することになった。 WSP:日本水道鋼管協会、JPF:日本金属継手協会規格 表13 埋設管の防食被覆の種類と性能 種類 瀝青質系塗覆装 ポリエチレン(PE)被覆 ポリウレタン被覆 エポキシ紛体被覆 接着型 粘着型 紛体 紛体融着

規格 JISG3491,3492 JISG 3469(日本、欧州で主流) JIS G3443-3 (米国で主流)

被覆系 アスファルト、コールタールエナメル 3.0~6、4.5~7.5mmt 接着性PE+ 中密度PE 2.0mmt アスファルトゴム粘着層+ 中密度PE+包装用 PE 2.0mmt 低・中密度 PE 2.0mm 以上 エラストマ-型 PU 2.0mmt 以上 静電紛体塗装 250~750μm 特徴 1860 年頃から埋設管 塗覆装の主流であった が、作業環境保全の確 保により廃止。ブラスト 処理鋼面にプライマー塗 布、加熱溶融コールタールエナ メルにガラスクロスを含有さ せラセン状に巻き付け、ホ ワイトウオッシュを塗布。性能 はプラスチック系より劣る。 PE は熱可塑性樹脂で、ペレット状の 原料を加熱混練溶融させて、エポキ シ樹脂プライマーを塗布した鋼面に、 T ダイ(中大径)、丸ダイ(小径)押 出機で2 層に被覆される。安価で、 耐水性、耐薬品性、電気絶縁性、 耐衝撃性、可撓性に優れ、カーボンブ ラックを混入させて耐酸化性や耐候 性を付与し耐久性は良好である。 接着型が主流で埋設配管に適用。 加熱鋼管 に、静電ス プレーか流 動浸漬法 で溶融接 着させる。 曲管や異 形管の被 覆に適用 される。 ドイツで検討さ れ、1980 頃日 本改良。ブラスト 処理・プライマー 塗布した鋼面 に2 液内部混 合型スプレー装 置でPU を塗 布、適用の自 由度が高い。 1860 年頃米国で 開発。ブラスト処理し た鋼管を予熱、高 電圧の静電紛体塗 装後溶融・流動・ ゲル化・硬化して 被覆。防食性、機 械的強度、広い温 度域で物性安定。

(12)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 39 表14 水道水配管の管端防食継手(使用温度範囲:0℃~40℃、最高使用圧力:1MP) 適用管種 水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管 (JWWA K132) 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管 (JWWA K116) 種類の記号 SGP-PA SGP-PB SGP-PD SGP-VA SGP-VB SGP-VD 色相 薄い茶色 亜鉛めっき 水色 茶色 亜鉛めっき 青色 被膜の構成 使用配管区分 屋内 屋内・屋外 地中埋設 屋内 屋内・屋外 屋外・地中 管端防食継手 (JWWA K150) (JPF MP 003) (JPF MP 008) (JPF P 001) VA,VB,PA,PB 用 VD,PD 用 表15 現地防食被覆 熱収縮ポリエチレン 防食ゴムシート ペテロラタムテ-プ 防食テ-プ 基材 架橋ポリエチレン 架橋ポリエチレン ブチルゴム ポリエステル不織布 ポリエチレン、ポリ塩化ビニル 内層 材 粘 着 型 マ ス チ ッ ク 系(合成ゴム) 高密着型ホットメルト 系(ポリオレフィン) ブチルゴム系粘着剤 ペトロラタム系 ブチルゴム系粘着剤 特徴 熱収縮性の架橋 PE を用い、直管、 エルボ、T 字管、フランジ、レジューサ など形状に合わせ、シート・チューブ で使い分けられる。 加硫・未加硫テープ ・シート、防食テープ として利用が多 い。 テープ・シート方式が あり、複雑な形 状、構造物、水 中施工も可能。 PE は耐久性に優れ、手 巻き・機械巻施工、PVC は柔軟性・耐久性に優 れ、手巻き主体施工。 熱収縮ポリエチレンシートによる現地被覆例 溶接 グラインダー掛け シート貼付 加熱収縮 作業終了・検査

(13)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 40 4.2 ステンレス鋼 (1)水道用ステンレス鋼管 ステンレス鋼管は、給水・給湯・冷温水配管などの一般配管用ステンレス鋼管(JIS G3445、昭和 55 年 5 月)に次いで、水道分野でも水道用ステンレス鋼鋼管(JWWA G115、 昭和 57 年 7 月)が規格化された。水道用ステンレス鋼鋼管は、管種 A:SSP-SUS304 と B:SSP-SUS316(A より耐食性が必要な場合)があり、自動ア-ク溶接管(-A)、電気 抵抗溶接管(-E)、レーザー溶接管(-L)、熱処理品(-HT)で屋内配管や地中 埋設配管に最高使用圧力 1.0MPa 以下、外径 50A以下、0.8,1.0,1.2mmt、4000mL の範 囲で規定している。 その他、ステンレス鋼鋼管継手(JWWA G116、昭和 57 年 7 月)、水道用波状ステンレ ス鋼管(JWWA G119、平成 9 年 12 月)や水道用ステンレス製サドル付分水栓(JWWA B139, 平成 19 年月)、水道用ステンレス製ボール止水栓(JWWA B140)が規格化され、性能基 準(SAS321,SAS322)や製品規格(SAS361 など)が制定され、継手・バルブ・部材加工 品などを用いた配管システムが記述されている10) 特に、小径埋設管や屋内配管での普及率は高く、波状ステンレス鋼管を使用して、従 来からの各種形状・継手を使用する配管小管から先の分岐配管に対して、耐漏れ性や 耐震性ばかりでなく、大幅に作業性や省力化を進めている。溶接やフランジ継手にお ける異種金属接触腐食などの腐食トラブルは改善されてきている(図 13、14 参照)。 国内の浄水場の水質に対して、SUS304 や 316 の水道水配管は殆ど問題ないとされて いるが、溶接部では微生物腐食穿孔漏水が報告されている。この場合、初期の溶接施 工の段階で、TIG 溶接であり、厚肉の場合はア-ク溶接を用いるが、溶接の要点は、十 分なガスシール(アルゴンまたは窒素ガス)をして、「隙間や溶け込み不足、溶接芯ず れ、段差、アンダーカットを防ぎ」、「裏面への溶け込みを完全にすること」、「管内面 の酸化スケールの生成を抑えて、耐食性を確保すること」である(図 13 参照)。 溶接部の腐食の現地補修は、応急的なものから、防食法や取り替え工法があるが、 現場の状態や施設管理の計画に則って実行する。 図13 溶接状況 良好 良好 溶け込み不良 アンダ-カット 溶接芯ずれ 段差

(14)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 41 図14 ステンレス鋼管と炭素鋼管の絶縁継手方法例 (2)配水池、貯水槽の気相部の遊離塩素による発さび対策 腐食事例で示したように配水池、貯水槽での気相、配管内外面の液相や埋設土 壌、接合部における腐食が問題となっており、これらに対する対策をしめす。 国内では、上水は主に塩素(Cl2)による滅菌が行われ、遊離残留塩素(ClO-- HClO)が 0.1ppm 以上、もしくは結合残留塩素(アンモニアなどと結合したクロ ラミン)を0.4ppm 以上に維持することが推奨されている。タンク内の気相部は、 結露水に塩素が再溶解する(Cl2+H2O→H++HClO→2H++C1O-)。pH の低下と

Cl-濃度の増大(pH=-1.09-2.19[Cl](mol/L))により腐食性が増す。この反 応は単なる気相反応であるため、給水とともにCl2が供給され結露水中に溶解し、 経時的に低pH 化と Cl-は濃縮する6 浄水場の気相におけるステンレス鋼をピットの深さと耐孔食指数(PRE:Pitting Resistance Equivalent)の関係11)を図15 に示す。ステンレス鋼の耐孔食性は、 PRE 値が 35.5 以上で出現する。受水槽などのステンレス化は、1967 年に始まり SUS304 タイプ(PRE19.5)が天井部でさびが発生し、1976 年 SUS444 タイプを 経て、1987 年2相ステンレス 329J4L タイプへと変更された。1991 年松山市に設 置された大型の円筒型の配水池(4600m3)は、(液相は304 タイプ、液/気相は 316L タイプ、気相は329J4L タイプ(2相ステンレス)から構成されている12) ①六角ボルト ②金属ワッシャー ③Z スリーブ ④フランジ(SUS/炭素鋼) ⑤ガスケット ⑥スリーブの先端がねじ部分に食い込む 構造になって外れ防止対策品にいる。 ⑥ ステンレス鋼管 炭素鋼管(亜鉛めっき鋼管、塗装鋼管)、鋳鉄管

(15)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 42 図15 浄水場気相における約 2 年間の暴露腐食試験7) (3)微生物腐食 ステンレス鋼の貯水槽や水道配管内面(SUS304、316、316L など)では、通 常はほとんど腐食が見られないが、微生物腐食により漏水する場合がある。 微生物腐食の調査分析方法と評価内容や特徴や対策を以下に示す(表16 参照)。 ステンレス鋼の微生物腐食対策として、リペアバンド、フランジ継手、電気防食、 塗覆装、熱硬化性樹脂パイプ挿入施工(INS 工法)、処理水(殺菌剤、生物分散剤、 インヒビター、沈殿抑制剤などの薬剤投入)があり、費用対効果を考え施工する(表 17 参照)。 表16 微生物腐食の調査分析項目と判定結果・内容 調査分析項目 判定結果・内容 1. 腐食部の外観観察 (腐食部位・形態) 腐食部位は溶接継手部に多く、フランジ継手や塗膜端、付着物下隙間腐食部ある。 腐食形態は開口部は小さく、内部は広い空洞になっている壺状の侵食孔を有す。 2.腐食部のミクロ観察 (ミクロ金属組織・浸食経路) 腐食の起点は溶接部の粒界直近の Cr 欠乏層である。粒界、δ-フェライト、 オーステナイト粒界、デントライト組織添って進展し,大きな孔食に至る。 3.錆・付着物の分析 (EDX、X 線回折、化学分析) さび・付着物や孔食内部の組成元素として、O や S や Clが同定される。 さびの化学組成として、非晶質さび(X 線回折像にブロードバンド)が現れる。 Fe や Cr の酸化物、S 化合物や SO42-塩の同定。 4.微生物・水質分析 遺伝子分析 水・錆・スライム中の腐食性微生物(IOB,IB,SOB,SRB など)を培養・同定する。 水道水は腐食因子(pH,Cl-,S2-、NO 3-)や代謝有機物や栄養源(Eh、 SO42-、 NH4+、乳酸、重炭酸、有機酸、Fe2+,Mn2+)の分析を行い微生物腐食を判定。 5.微生物腐食の 電気化学的条件 微生物腐食では、微生物(バイオフィルム)による電位貴化と同時に孔食や隙間 腐食電位の卑化が起こる。溶接部は鋭敏化により臨界電位をさらに低下させる。 6.EPRI“MICpro”の 微生物腐食感受性 材料・部位、水質、流速(滞留時間)、温度(40~150F)、処理(殺菌剤、生物 分散剤、インヒビター、沈殿抑制剤などの薬剤投入の有無)などを用いて微生物 腐食感受性ランクづけを行い評点 0~10 で判定。 7.室内再現実験 微生物の単離・同定し、培養水を作成。現地水や培養水を用いて腐食再現試験 を行い、腐食形態を確認する。

(16)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 43 表17 溶接部の腐食対策工 リペアバンド:断水せず応急的な施工 フランジ継手:断水・仮配管で新旧取替施工 電気防食:断水・仮配管し外部電源式で施工 INS 工法:熱硬化性樹脂パイプ挿入施工 4.3 土壌腐食対策 土壌腐食におけるミクロ腐食およびマクロ腐食の防止法として、 (ア) 土壌の腐食因子(溶存酸素、水分、バクテリア、塩分など)を遮断する。 (イ) 鉄などの腐食電流に対し、逆方向の電流を流し、腐食を抑制する。 (ウ) 耐食性金属を用いる。 などがある。①に対する防止法は鋼管表面の塗覆装(3.1 項で記述)であり、②は電 気防食、③はステンレス鋼の適用(3.2 項で記述)である。塗覆装は、ピンホール や施工疵など、土壌の腐食因子を完全に遮断することができないので、電気防食 が併用され、その際には絶縁継手など対処が必要である。③は適用環境に注意す る必要がある。いずれにしても耐久性、施工性、維持管理などを満足した性能を 有し、コストパフォーマンスの優れた防食法の選定が必要となる。 本項では、電気防食とC/S 施工対策について述べる。 (1) 電気防食法 電気防食法には、流電陽極方式、外部電源方式と選択排流方式がある(表18)。 その特徴を表18 に示す。流電陽極方式は Mg,Zn,Al などの犠牲防食陽極を用い、 比較的小規模な配管に有利であり、外部電極方式は不溶性電極を用い、外部の電 源を利用し、広範囲な条件に対応でき、大規模な配管や施設に有利である。選択

(17)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 44 排流方式は電車の軌道からの埋設管への迷走電流の流入を防ぎ、電食を防止する 方式である。水道用塗覆装鋼管の電気防食指針(日本水道鋼管協会)13)や埋設環 境下の電気防食指針(NACE)14)を表19 に示す。詳細な内容については専門の資 料15)を参考のこと。 (2) C/S 防食施工 水道配管が建物の鉄筋コンクリートと土壌の埋設環境に接しているときC/S 腐食が生じる。C/S腐食の防食対策は、以下の様なものがある(図 16)。 ① 絶縁距離工法:絶縁長さの長い絶縁継手(絶縁フランジ+塩ビライニング+管端 処理)を用い、また、絶縁長さの短い絶縁継手は電気防食と併用する。 ② 被覆鋼管、防食テープ、シュリンクチューブ、スリーブなどで水道配管と鉄筋と の縁を切る。 ③ 接触可能性部位(絶縁鉄筋貫通部、配管支持(台、吊り金具、ラック)、配管同士、 消火栓ボックス、衛生機器など)との絶縁 表18 電気防食法の種類と特徴 種類 原理 特徴 システム模擬図 流 電 陽極 方式 Mg、Zn、Al などの 消耗型の犠牲陽極を用 い、陰極となる鋼管の 腐食(鉄の溶解)を抑 制する。 比較的短距離で、小 規模な配管や部位の 防食に適しており、施 工費や維持費が安価 である。 外 部 電源 方式 金 属 / 金 属 酸 化 物 電 極 (MMO) の 非 消 耗 型 陽 極 を用い、商用電源など のからの交流を直流電 源装置にて直流に変換 し、鋼管に外部より電 流を付与し防食する。 任 意 の 電 位 設 定 が 可能で、適用土壌の範 囲が広く、大電流が必 要な施設に有効であ る。長距離配管では流 電方式より経済的と なる。 選択 排流 方式 電車軌道などから漏れ る迷走電流を、軌道と 配管間に排流器を配し て外部に流し、迷走電 流による腐食(電食) を防止する。 電鉄軌道に平行して 埋設された箇所や考 査箇所での電食防止 に有効である。

(18)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 45 表19 埋設環境の電気防食基準例 基準名 電位基準値(CSE:飽和硫酸銅電極電位) 国 内 「水道用塗覆装鋼管の電気防食指針」 WSP050-2008、 日本水道鋼管協会 土壌環境 理論:-0.85V(vsCSE)以下 設計:-1.00V(vsCSE)以下 C/S マクロセルの解消の目的の場合 -0.6V または 0.3V シフト(分極電位と 自然電極電位の差) 国 外

Standard Recommended Practice NACE SP0176-2007, SP0169-2007,SP0290-2007 土壌環境 -0.85V(vsCSE)以下、 嫌気性-0.95V(vsCSE)以下 コンクリート環境 0.1V シフト(OFF と復極 4hの電位差) 絶縁継手 絶縁継手+電気防食 スラブ、床:防食テープ 壁:防食テープ+ドレンタイト 図16 C/S防食対策施工例 5.まとめ 水道施設や配管の腐食事例は、裸鋼材、継手や現地溶接・塗覆装などにあるもの の、塗覆装や電気防食や防食施工などの防食対策は進み著しく減少傾向にある。 近年は長期耐久性の塗覆装の開発やステンレス鋼管・部品の適用拡大や地震対策と 防食に強い配管など新たな技術開発が進んでおり、安全性の高い信頼性のある水道 水施設・配管システムが確立されつつある。

(19)

腐食センターニュース No. 072 2015 年 10 月 46 本稿を作成に当たって、腐食センターの辻川茂男顧問、小玉俊明博士、永田運営 委員のご指導を頂きました。謝意を表します。 文献 1) http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/suidojigyo/gaiyou/mizuunyou.html 2) 小玉俊明、藤井哲雄、馬場晴雄、防食技術、30,462-468(1981) 3) 腐食防食協会編「腐食防食データブック」、p121(1995)、丸善 4) 腐食防食協会編「腐食・防食ハンドブック」、p168、平成 12 年 2 月、丸善 5) 明石正恒、鎌田久美子、中山減、福田敬則:腐食防食‘96 講演集、p453(1996) 6) 中田潮雄、Zairyo-to-Kankyo、48,500-507(1999) 7) 横澤昭雄、金子智: NiDI 東京第 26 回セミナー「水道とステンレス」,(2002 年 3 月),東京. 8) Larson,T.E.,U.S DEPERTMENT OF CMMERCE National Technical Information

Service,PB-244 723, 9) 上村隆之、吉崎伸樹、北川尚男、今井俊雄、ふぇらむ、16、No.12、782(2011) 10) ステンレス協会、「ステンレス配管ガイド」(2012) 11) 小池豊三:ステンレス,35(1991),No.5,p.2. 12) 遅沢浩一郎、「日本の水道におけるステンレス鋼の適用」、腐食センター講演資料 13) 日本水道鋼管協会、WSP050-2008

14) “Standard Recommended Practice”,NACE SP0176,SP0169,SP0290-2007

参照

関連したドキュメント

1.4.2 流れの条件を変えるもの

 トルコ石がいつの頃から人々の装飾品とし て利用され始めたのかはよく分かっていない が、考古資料をみると、古代中国では

HORS

この設定では、管理サーバ(Control Center)自体に更新された Windows 用の Dr.Web Agent のコンポ ーネントがダウンロードされませんので、当該 Control Center で管理される全ての Dr.Web

ライセンス管理画面とは、ご契約いただいている内容の確認や変更などの手続きがオンラインでできるシステムです。利用者の

AMS (代替管理システム): AMS を搭載した船舶は規則に適合しているため延長は 認められない。 AMS は船舶の適合期日から 5 年間使用することができる。

システムであって、当該管理監督のための資源配分がなされ、適切に運用されるものをいう。ただ し、第 82 条において読み替えて準用する第 2 章から第

【その他の意見】 ・安心して使用できる。