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ハイライフ研究 10号

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Academic year: 2021

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High-Lif

e Resear

ch 2008

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華 街 と し て の 銀 座 の 、 戦 前 に お け る 絶 頂 期 は 昭 和 5 年 か ら 12 年 に か け て で あ っ た 。 ア メ リ カ 映 画 に 触 発 さ れ た フ ァ ッ シ ョ ン を 着 こ な し た モ ボ ・ モ ガ た ち が 銀 座 を わ が も の 顔 で 闊 歩 し 、 夜 と も な れ ば 多 く の 文 人 や 芸 能 人 が 、 カ フ ェ ・ プ ラ ン タ ン や タ イ ガ ー な ど で 独 特 な 体 臭 を ま き 散 ら し な が ら 気 炎 を あ げ 、 若 者 た ち の 憧 れ の 的 と な っ た 。 し か し 、 昭 和 12 年 に 蘆 溝 橋 事 件 を き っ か け に 勃 発 し た 日 中 戦 争 は 、 こ う し た 雰 囲 気 を 一 変 さ せ て し ま っ た 。 こ の 年 、 新 橋 の 芸 妓 た ち 全 員 が 大 日 本 国 防 婦 人 会 の 会 員 と な り 、 14 年 に は 銀 座 通 り で 戦 車 の 示 威 行 進 や 愛 馬 行 進 、 海 軍 軍 楽 隊 の パ レ ー ド な ど が 次 々 と 行 わ れ た 。 街 頭 に は ﹁ 日 本 人 な ら 贅 沢 は で き な い は ず だ ﹂ な ど と 大 書 し た 看 板 が 立 ち 並 び 、 た ち ま ち 街 は 戦 時 色 で 塗 り つ ぶ さ れ て ゆ く 。 そ し て 路 上 に は 、 千 人 針 を 請 う 娘 さ ん た ち も 目 立 つ よ う に な っ た 。 こ の 写 真 を 撮 っ た 福 田 氏 は 次 の よ う に 書 き 添 え て い る 。 ﹁ 恐 ら く こ の 娘 さ ん の 兄 か 恋 人 が 戦 っ て ゐ る の だ ろ う 。 華 や か な 銀 座 に 立 っ て ゐ る の だ が 、 戦 場 の 景 色 を 考 え て ゐ る に 違 ひ な い ﹂ そ の 後 、 日 本 の 戦 争 は 止 ま る と こ ろ を 知 ら ず 、 つ い に 太 平 洋 戦 争 に 突 入 し て 、 昭 和 20 年 8 月 に は み じ め な 敗 戦 を 迎 え る 。 銀 座 も ま た 、 こ の 年 の 1 月 か ら 5 月 に か け て 数 度 の 大 空 襲 を 受 け て 壊 滅 的 な 状 況 と な っ た 。 そ し て 、 過 去 た び た び 破 壊 と 再 生 と を 繰 り 返 し 、 そ の 都 度 大 き く 脱 皮 し て 魅 力 あ る 街 を 造 り 続 け て き た 銀 座 も 、 こ の 戦 災 の 痛 手 か ら 立 ち 直 る の は 容 易 な こ と で は な か っ た 。 連 載

文 ・

写 真 銀 座 街 頭 で の 千 人 針 撮 影: 福 田 勝 治 ︵ 昭 和 16 年 発 行 ・ 福 田 勝 治 著 ﹃ 銀 座 ﹄ ︵ 玄 光 社 ︶ よ り ︶ Susumu S aegusa ◎ さ え ぐ さ ・ す す む ︵ 株 ︶ ギ ン ザ の サ グ サ 代 表 1 9 3 7 年 東 京 生 ま れ 。 慶 應 大 学 経 済 学 部 卒 。 大 倉 商 事 ︵ 株 ︶ 勤 務 の 後 、 ︵ 株 ︶ ギ ン ザ の サ グ サ ・ 副 社 長 を 経 て 現 職 。 銀 座 文 化 史 学 会 、 銀 座 通 連 合 会 会 員 。

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High-Life Research 2008 vol.10

co n t e n t s

アートディレクション・犬飼健二 デザイン・三枝恵実子/村山ハルカ (犬飼デザインサイト) ハイライフ研究 10号 ©財団法人ハイライフ研究所 2008

特集

クール・ジ

パン!

世界からの逆照射

日本発ポップカルチャーの“クール”を探る

Consideration1[マンガ・アニメ] 居心地の良い隙間ニ ッ チを提供するマンガ・アニメ 中野晴行 Consideration2[ゲーム] 本能のよりどころを目指して 水口哲也 Consideration3[Jポップ] 海外での「Jポップ」 烏賀陽弘道 Consideration4[ビジネス] コンテンツビジネスのアーキテクチャー 木村 誠 Consideration5[映画] 日本映画とクール・ジャパンの不思議な関係 北野圭介 Consideration6[文学] つくりこむ日本の私〈クール・ジャパン〉の中の文学の位置について 上野俊哉 Consideration7[アート] アートにおけるクール・ジャパンとは? 暮沢剛巳 Consideration8[ファッション] トレンドが最も早い段階で現象化する「TOKYO」ファッション 川島蓉子 Historical Reevaluation[史実からの“逆照射”] グローバリゼーションの文脈から見たクール・ジャパン 川崎賢一 ハイライフ研究所の研究内容・活動報告・出版物 Outlook for“Cool Japan”

座談会

クール・ジャパン

をめぐって

外国人識者による

“逆照射”

エチエンヌ・バラール/陳玲/川口ユディ/W・デーヴィッド・マークス/司会:福冨忠和 Photo Documentary

日本は、まだクール?

Special Feature 17 23 26 29 32 36 40 43 46 52 連載・銀座に学ぶ 「

戦う

」 三枝 進

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High-Life Research_vol.10 ︻ ! ︼ ⋮ ⋮ ﹁ え っ ! ﹂ 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー が 海 外 で 評 価 を 受 け て い る ら し い 。 な ぜ だ ろ う 。 一 体 、 何 が 評 価 さ れ て い る の だ ろ う 。 文 化 と い う も の は 、 生 活 や 社 会 が 基 盤 と な っ て 形 成 さ れ る も の ゆ え に 、 そ の フ レ ー ム の 中 に い る 者 に と っ て は 、 な か な か 把 握 で き な い も の で あ る 。 特 に 、 ポ ッ プ カ ル チ ャ ー や サ ブ カ ル チ ャ ー な ど は そ の 典 型 で あ り 、 多 く の 人 に 理 解 さ れ て い る わ け で は な い と い う 現 実 が あ る 。 ︻ ? ︼ ⋮ ⋮ ﹁ 本 当 ? ﹂ に 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー は 、 海 外 で 認 め ら れ て い る の だ ろ う か 。 国 際 競 争 力 を 持 ち 、 日 本 経 済 を 潤 す 可 能 性 を 持 ち 得 る の だ ろ う か 。 〝 ク ー ル ・ ジ ャ パ ン 〟 は 、 そ の キ ャ ッ チ ー な フ レ ー ズ と 経 済 政 策 的 な 活 用 な ど も 相 ま っ て 批 判 的 ・ 懐 疑 的 に 見 ら れ る こ と も 多 く 、 そ の 内 実 を 文 化 論 的 に 掘 り 下 げ ら れ ず に き て い る 点 も 否 め な い 。 今 回 の 特 集 は 、 〝 ク ー ル ・ ジ ャ パ ン 〟 に ま つ わ る こ の ﹁ ! ﹂ ﹁ ? ﹂ を 基 点 に 、 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー に 対 す る 海 外 の 視 点 ・ 評 価 を 相 対 化

“クール・ジャパン”

に付きまとう

ポップカルチャー

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し て 考 え る こ と に よ っ て 、 ポ ッ プ カ ル チ ャ ー を 中 心 と し た 日 本 文 化 の 現 状 を 俯 瞰 ・ 把 握 す る こ と が で き る の で は な い か 、 文 化 は 生 活 や 社 会 を 基 盤 に 形 成 さ れ る も の で あ る 以 上 、 そ れ は 、 生 活 や 社 会 の 現 状 把 握 に も つ な が る の で は な い か と 企 図 し た も の で あ る 。 そ も そ も こ の 〝 ク ー ル ・ ジ ャ パ ン 〟 現 象 は 、 今 や 一 国 の 文 化 ・ 生 活 関 連 に お い て も 世 界 規 模 で 即 時 的 に 評 価 ・ 消 費 さ れ る と い う 、 情 報 化 社 会 の 進 展 に 伴 っ て 現 出 し た も の と 考 え ら れ る 。 こ の よ う な 時 代 に お け る 個 別 文 化 の 相 対 化 を 通 し た 見 直 し ・ 評 価 は 、 個 別 民 族 ︵ 国 家 ︶ の ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 強 化 ・ 確 立 に つ な が り 、 他 文 化 ・ ラ イ フ ス タ イ ル の 取 り 込 み は 、 日 本 の そ れ の ダ イ ナ ミ ズ ム を 喚 起 し 、 新 た な 可 能 性 を 導 き 出 す こ と に つ な が る の で は な い か | | 。 本 特 集 で は 以 上 の よ う な 視 点 を ふ ま え 、 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー を 世 界 か ら 逆 照 射 し 、 あ ら た め て 日 本 の 文 化 ・ ラ イ フ ス タ イ ル を と ら え 直 し て み た い 。 Special Feature

特集:クール・ジャパン!

?世界からの逆照射

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High-Life Research_vol.10 右:李賢晶(イ・ヒョンジョン) 韓国出身/2007年10月に来日/東京工業大学の博士学生 日本のドラマが大好き。男性主人公がいつも金持ちという 韓国ドラマとは違い、登場人物にリアリティがあるからだそうだ。 中央:Simon Morville(シモン・モルビル) フランス出身/2004年に来日/日本の建築設計事務所勤務 友人からエヴァンゲリオンのフィギュアをプレゼントされて以来、 日本アニメにハマる。『攻殻機動隊』『イノセント』がフェイバリット。 左:Araya Solomon(アラヤ・ソロモン) エチオピア出身/2006年に来日/外資系コンサルティング会社勤務 出張が多く、主にアメリカ、カナダで暮らす。 伊丹十三監督の『タンポポ』の大ファンで、ラーメンと寿司が好き。

Japan still Cool ?

アニメやテクノロジーに牽引された「クール・ジャパン」という

心地よい言葉を知って早数年。あれはブーム? それとももはや定説? 最近日本に暮らし始めた3人の外国人と

休日の秋葉原や青山∼原宿を巡りながら、その答えを探した。

Text: Shinichiro Uchino, Editing Brain / Photo: Etuhisa Sasaki

Photo Documentary

日本は、

まだクール?

アラヤはアニメよりゲームの方が 好きらしく、ここでは任天堂の Wi-Fi、そしてゲームセンターでも 格闘ゲームに一人チャレンジ。 ゲーマーたちの信じられないほど 速い手の動きにも釘付けになっていた。 >>撮影協力:東京アニメセンター 日 曜 午 後 1 時 。 今 や 趣 都 と 称 さ れ る 秋 葉 原 に 、 さ ま ざ ま な 風 体 の 日 本 人 が 行 き 交 う 。 ヒ ョ ン ジ ョ ン さ ん が 、 群 集 の 一 人 を 指 し て 小 声 で 言 う 。 ﹁ あ の 人 、 オ タ ク で す ね ? ﹂ 。 ネ ッ ト を 通 じ 、 秋 葉 原 の オ タ ク ・ フ ァ ッ シ ョ ン を イ ン プ ッ ト し て い た 彼 女 の 頬 が 思 わ ず 緩 む 。 ﹁ 思 っ て い た の と お ん な じ ! ﹂ ﹁ 渋 谷 や 原 宿 と 違 っ て 、 服 装 が 韓 国 と あ ま り 変 わ ら な い ﹂ と 彼 女 が い う 秋 葉 原 の 人 込 み を 抜 け 、 フ ィ ギ ュ ア の 殿 堂 ﹁ 海 洋 堂 ﹂ へ 。 彼 女 の 目 を 捉 え た の は ﹃ 美 少 女 戦 士 セ ー ラ ー ム ー ン ﹄ 。 ﹁ 昔 、 テ レ ビ で 夕 方 放 映 さ れ て い た の で 、 学 校 か ら 急 い で 帰 宅 し て 見 て ま し た ﹂ シ モ ン は 、 店 頭 の 等 身 大 フ ィ ギ ュ ア に 見 入 っ て い る 。 友 人 の 影 響 で ア ニ メ に ハ マ っ て し ま っ た と い う 彼 は 、 ﹁ フ ラ ン ス の 漫 画 は そ れ ぞ れ 個 性 的 だ け ど 、 日 本 の ア ニ メ は み ん な 目 が 大 き く て 顔 が 丸 く 、 髪 は 黒 以 外 が 特 徴 ﹂ と 指 摘 す る 。 店 を 移 動 す る 時 、 エ レ ベ ー タ ー の ド ア が 開 い て ゴ ス ロ リ 登 場 。 ヒ ョ ン ジ ョ ン さ ん の 目 は 点 に な っ た 。 彼 女 が ぜ ひ 見 た い と い う ﹁ あ る も の ﹂ を 目 指 し て い る 途 中 、 村 上 春

アラヤはロボットのコントロールもなかなか。 「部品も揃っていて、こんなロボットを 自分で組み立てられる時代になってたなんて 知らなかった」 >>撮影協力:ツクモRobot王国

For Leisure and

Necessity, AKIHABARA.

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High-Life Research_vol.10 「韓国では、自販機も日本文化の アイコンの一つになっています」 と言うヒョンジョンさん。 おでんや焼き鳥の自販機があることを、 日本人なら誰でも知っていると 思っていたらしい。 「ゲット!」仕事用と思っていた クリアファイルにアトムが 描かれているのを見つけたアラヤは、 記念にと買っていった。 >>撮影協力:東京アニメセンター ガチャポンに興味津々の二人。 シモンが取り出したカプセルは “待ってたんだから∼” と甘くささやくアニメグッズ。 >>撮影協力:東京アニメセンター

La culture de

la rue est fascinante.

「道の文化」がクール

Is

シモン「パリでも地方でも日本製の フィギュアがたくさん売られているから、 フィギュア=日本文化と捉えている フランス人は多いと思う」 >>撮影協力:海洋堂 シモン「僕の中のNo.1クールは、阿波踊り。 フランスでは全ての世代が一緒に楽しめる祭りが なくなりつつあるけど、阿波踊りは子供から おじいちゃんまで一緒になって楽しめるし夜店も面白い。 <道の文化>だね。缶詰の自販機や 家の前に鉢植えが並んでいたりなど、 日本人は道を楽しみのために使うのが上手い」 ヒョンジョン「高校時代、 『美少女戦士セーラームーン』の 大ファンでした。日本アニメの 人気の秘密は、こういう手にとって 楽しめるキャラクター商品も たくさんあるからでしょうね」 >>撮影協力:海洋堂 樹 の 話 に 。 ﹁ 浮 世 絵 み た い に 漂 っ て い る よ う で 、 な ぜ か ノ ス タ ル ジ ー を 感 じ る ﹂ と は シ モ ン の 弁 。 や が て 角 を 曲 が る と 、 彼 女 が ネ ッ ト で 見 つ け た と い う 缶 詰 自 販 機 が 現 れ た 。 早 速 、 焼 き 鳥 と お で ん を み ん な で つ ま む 。 ア ラ ヤ 曰 く ﹁ 肉 の 缶 詰 が 、 自 販 機 か ら 温 ま っ て 出 て く る な ん て ね 。 面 白 い と は 思 う け ど 一 度 で 十 分 。 保 存 料 が 使 わ れ て る は ず だ か ら ノ ッ ト ・ ク ー ル ﹂ 続 く ﹁ ツ ク モRobot 王 国 ﹂ で は 、 シ モ ン と ア ラ ヤ が サ ッ カ ー の シ ュ ー ト を す る ロ ボ ッ ト に 夢 中 に な っ た 。 シ モ ン が ﹁ 子 供 の 頃 か ら 夢 見 て い た 人 間 に 近 い ロ ボ ッ ト を 、 こ ん な 風 に 実 際 に 動 か し て 遊 ぶ こ と が で き る な ん て 凄 い ! ﹂ 。 ア ラ ヤ も ﹁ 大 人 で も 遊 べ る ロ ボ ッ ト が あ る な ん て ﹂ と 夢 中 だ 。 二 人 に と っ て は 、 こ の ロ ボ ッ ト に 出 会 っ た こ と が 最 も 印 象 的 だ っ た よ う だ 。 ヒ ョ ン ジ ョ ン さ ん 曰 く ﹁ 韓 国 の エ レ ク ト リ ッ ク シ テ ィ は 買 い 物 し か で き な く て 、 秋 葉 原 み た い に 大 人 も 遊 べ る 街 じ ゃ な い ﹂ 。 シ モ ン は 家 族 で 来 た こ と も あ る ら し く 、 父 親 は P C の 安 く 買 え る 店 、 弟 は ゲ ー ム が お 気 に 入 り と い う 。 ﹁ で も 、 お 母 さ ん に は 街 が う る さ す ぎ て ネ バ ー ・ ク ー ル だ っ た み た い ︵ 笑 ︶ ﹂ 不思議!こんなものもあるのね

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High-Life Research_vol.10 次 に 向 か っ た の は 青 山 ∼ 原 宿 。 住 宅 も 多 い せ い か 、 犬 を 散 歩 さ せ て い る 人 も 。 ﹁ 私 も 3 匹 飼 っ て い る の で 、 犬 の 洋 服 を た く さ ん 買 っ て し ま い ま し た ﹂ と ヒ ョ ン ジ ョ ン さ ん 。 韓 国 に は 犬 の 店 が 少 な く 、 服 の 種 類 も 可 愛 さ も 日 本 と は 比 べ も の に な ら な い と い う 。 根 津 美 術 館 を 横 目 に ﹁ 岡 本 太 郎 記 念 館 ﹂ に 寄 っ て み た が 、 3 人 共 あ ま り 興 味 が な い ら し い 。 彫 刻 が 点 在 し て い る 庭 に 植 え ら れ た バ ナ ナ の 木 を 見 て 、 ﹁ 南 国 で も な い の に ! ﹂ と 羨 ま し そ う な ア ラ ヤ ︵ カ ナ ダ 住 ま い ︶ の 言 葉 に 、 四 季 が 織 り な す 文 化 も 楽 し め る 国 に 住 ん で い る 幸 福 に 改 め て 気 付 か さ れ る 。 表 参 道 に 入 る と 、 一 瞬 、 北 風 が 吹 い て 落 ち 葉 が 舞 っ た 。 そ れ を 警 備 の 人 が 掃 き 始 め た の を 見 た ア ラ ヤ が ﹁ カ ナ ダ で は 葉 を 落 と し き っ て し ま わ な い 限 り 、 誰 も 掃 い た り し な い 。 ま た す ぐ 溜 ま る か ら 。 で も 、 そ れ で も 掃 く の は 日 本 の 美 徳 だ と 思 う 。 そ う い う 人 が い る か ら 、 日 本 で は 道 に ゴ ミ を 落 と す と 罪 の 意 識 を 感 じ て し ま う ︵ 笑 ︶ ﹂ 竹 下 通 り で は 、 ロ リ ー タ フ ァ ッ シ ョ ン の グ ル ー プ の 前 に 人 だ か り が 。

ヒョンジョンさんは建築の勉強中だけに、 持参のデジカメでしきりに街並みを撮っている。 「看板が建物の一部としてデザインされているから 街が綺麗に見えますね。高層マンションの1階が 店舗になっていたり、街中に(稲荷)神社が たくさんあるのが不思議。韓国ではありえないから」 「メッセージ性の高い創作をしていた人だというのは知ってるけど、 僕にはストリートグラフィティとの 違いが分からない(笑)」と言うアラヤに対して、 ヒョンジョンさんは「顔をモチーフにした彫刻が 多いですね。顔というよりは、何だか人の裏の顔みたい」とするどい指摘。 >>撮影協力:岡本太郎記念館 五感を満足させてくれる デザイン通り

ill Cool ?

友人が陶芸を習っているというシモン。 「磁器は海外にも多いけど、 陶器は日本ならでは。 手触り感が心地良くて、シンプルさも 正に“ジャパン!”だね。 でも、大きさの違う夫婦茶碗はノット・クール」

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﹁ 同 じ エ リ ア で ブ ラ ン ド 物 や ス ト リ ー ト 、 そ れ に こ ん な フ ァ ッ シ ョ ン ま で 同 居 し て る な ん て 。 人 の 視 線 や 好 奇 心 も 気 に せ ず 自 分 た ち の 世 界 に 浸 り き っ て る の も 面 白 い ね ﹂ と 言 う シ モ ン 。 ゴ ス ロ リ に は 目 が 点 に な っ て い た ヒ ョ ン ジ ョ ン さ ん が ﹁ た だ の ロ リ ー タ な ら 試 し て み た い ﹂ と 言 う の を 聞 い て い る 内 に 、 今 回 の 終 点 ・ 原 宿 駅 に た ど り 着 い た 。 明 日 一 時 帰 国 す る と い う 彼 女 に お み や げ は ? と 聞 く と 、 ﹁ 父 に 竹 製 の 万 年 筆 ﹂ 。 ア ラ ヤ は ﹁ 僕 な ら 絶 対 、 洗 浄 機 付 き ト イ レ ! ︵ 笑 ︶ ﹂ 。 シ モ ン は と い う と 、 ﹁ も う 買 っ て あ る よ 。 京 都 の フ リ マ で 5 千 円 で 買 っ た 、 20 kg も あ る 碁 盤 さ 。 ま だ 当 分 居 る つ も り だ け ど 、 日 本 人 は 仕 事 が ハ ー ド で も 〝 仕 方 が な い 〟 で 頑 張 ろ う と す る か ら 、 家 族 と の 時 間 が ほ し く な っ た ら 帰 国 し ち ゃ う か も ね ﹂ 彼 ら か ら 聞 い た 限 り で は 、 ど う や ら ク ー ル ・ ジ ャ パ ン は 広 い 分 野 で 健 在 な よ う だ 。 ク ー ル を 合 言 葉 に 文 化 大 国 を 目 指 そ う と し て い る 日 本 だ が 、 こ の 先 も 永 く ク ー ル で あ り 続 け る に は 、 シ モ ン が 示 唆 し た よ う に 、 そ の 文 化 を 楽 し む 余 裕 、 ク ー ル な ﹁ 日 本 人 ﹂ の 開 発 も 忘 れ て は な ら な い の か も し れ な い 。 アラヤ「この街はまるで、破算するまで買いまくれ! って言ってるみたい(笑)。 ファッションよりも、バッグが開いていても平気で歩けたり、 自販機が壊されないなんていうことの方が クールなんじゃない? それに、朝4時でも床屋が開いてたり昼間でも お酒が飲める街なんて、世界でも極めて稀」 シモン「表参道はおすまし顔、裏原は民家とジャンクな店、 竹下通りもジャンクだけど、一筋入るとモーツァルトの小径のように シックな一角もあって結婚式の披露宴をしていたり。 東京は、こういう意外性のある面白い組み合わせの街が 多いから楽しいよね」 ロリータファッションの女の子たちとの 記念撮影にご満悦のアラヤ。 だが、「ヤマンバギャルもそうだけど、 自分の子供だったら絶対許さない。 彼女たちはグループ行動が基本だから、 オリジナリティーは感じないな。 日本人は密集して暮らしてるから、 オリジナリティーを見つけるのが 難しいのかな」と手厳しい。

C'est comme

une vitrine !

まるでショーケース!

Shop till you’re broke !

破算するまで買いまくれ!

Is Japan st

来日してまだ1カ月もたたない ヒョンジョンさんだが、「原宿には 真っ先に友達と来ました。 韓国では、少し前まではみんな ジーンズにTシャツだったのに、 急におしゃれになってきたのは 『ノンノ』や『キャンキャン』などの 雑誌の影響だと思う」

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Outlook for

"Cool Japan"

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9 High-Life Research_vol.10 福 冨: 本 日 は 、 ﹁ ク ー ル ・ ジ ャ パ ン ﹂ の 実 情 に つ い て 客 観 的 に 語 る こ と の で き る 方 々 に お 集 ま り い た だ き ま し た 。 ま ず 初 め に 、 ﹁ ク ー ル ・ ジ ャ パ ン ﹂ と は 何 な の か を 整 理 し て お き た い と 思 い ま す 。 2 0 0 2 年 に 米 国 の ジ ャ ー ナ リ ス ト 、 ダ グ ラ ス ・ マ グ レ イ が 外 交 専 門 誌 ﹃Foreign Policy ﹄ に"Japan's Gross National Cool" と い う リ ポ ー ト を 発 表 し た こ と か ら 、 W E F ︵ ダ ボ ス 会 議 ︶ で も 話 題 に な り ま し た 。 ﹁ 日 本 は G N P ︵ 国 民 総 生 産 ︶ で は 国 際 順 位 を 下 げ つ つ あ る が 、 ア ニ メ や ゲ ー ム を 中 心 と す る ポ ッ プ カ ル チ ャ ー は 相 当 ク ー ル ﹂ と い う 彼 の 主 張 が 、 日 本 の 政 策 機 関 な ど か ら も 注 目 を 浴 び た 。 当 時 、 こ う し た ジ ャ ン ル は オ タ ク カ ル チ ャ ー と し て 認 知 さ れ て い た わ け で す が 、 こ れ を 機 に 、 に わ か に 有 力 な ﹁ 文 化 ﹂ と か ﹁ メ デ ィ ア 芸 術 ﹂ と し て 再 認 識 さ れ 始 め ま し た 。 そ し て 、 日 本 発 の コ ン テ ン ツ を も っ と 海 外 に 発 信 し て い こ う 、 産 業 と し て 活 性 化 さ せ よ う と い う 政 策 が 行 わ れ 始 め ま し た 。 ﹁ ク ー ル ・ ブ リ タ ニ ア ﹂ の 影 響 も あ っ て 、 や が て ﹁ ク ー ル ・ ジ ャ パ ン ﹂ と い う ス ロ ー ガ ン が 世 に 出 た わ け で す が 、 当 初 は も っ と シ ン プ ル な 議 論 の は ず で し た 。 と こ ろ が 、 今 は ﹁ 日 本 の 美 ﹂ あ る い は ﹁ 食 ﹂ を 伝 え よ う と い っ た よ う な 、 あ る 種 の ジ ャ ポ ニ ズ ム と い い ま す か 伝 統 回 帰 的 な 流 れ も 入 っ て き て 、 か な り 変 質 し て き て い ま す 。 そ の ね じ れ に つ い て ど う ご 覧 に な り ま す か 。 バ ラ ー ル: い き な り で す が 、 ﹁ ク ー ル ﹂ と い う 言 葉 が 混 乱 と 誤 解 の 元 で す ね 。 マ グ レ イ の リ ポ ー ト が ど ん な 経 緯 で 政 策 に 取 り 入 れ ら れ た の か は 別 と し て 、 こ こ で い う ﹁ ク ー ル ﹂ は 、 実 態 へ の 理 解 を 邪 魔 し て る と 思 う 。 で き れ ば 別 の 言 葉 を 使 っ て ほ し い く ら い 。 僕 が 日 本 に 来 た 20 年 程 前 は 、 ま だ ﹁ オ タ ク ﹂ は 世 の 中 か ら 異 端 視 さ れ て い て 完 全 な サ ブ カ ル で し た し 、 マ ン ガ や ア ニ メ 、 ゲ ー ム に し て も 、 つ い 最 近 ま で 一 般 の 人 が ご く 普 通 に 楽 し む た め の も の だ っ た わ け で す よ 。 政 府 も エ リ ー ト も 全 く 関 心 な ん て 示 さ な か っ た の で す か ら 、 よ く 分 か っ て い な い は ず 。 そ れ が ネ ッ ト の 進 展 な ど の お か げ で 草 の 根 的 に 世 界 に 広 が っ て 、 外 か ら の 評 価 を 受 け た 。 そ こ が 面 白 い し 、 忘 れ ち ゃ い け な い と こ ろ で す 。 決 し て ト ッ プ ダ ウ ン で ど う に か で き る 話 で は な い 。 そ の 意 味 で は 今 、 ﹁ サ ブ カ ル ﹂ と い う 言 葉 が 、 海 外 で 評 価 さ れ て い る 日 本 の 物 事 を 表 す の に 一 番 ぴ っ た り だ と 思 い ま す ね 。 マ ー ク ス: ﹁ ク ー ル ・ ジ ャ パ ン ﹂ に は 三 つ の カ テ ゴ リ ー が 混 在 し て い る と 思 っ て い ま す 。 一 つ は ﹁ オ タ ク 文 化 ﹂ 。 こ れ は テ レ ビ ゲ ー ム と か コ ン ピ ュ ー タ ー ゲ ー ム 、 ア ニ メ 、 マ ン ガ 、 パ ソ コ ン 文 化 な ど の こ と で す 。 二 つ 目 は 、 フ ァ ッ シ ョ ン エ リ ー ト と か メ デ ィ ア エ リ ー ト と い わ れ る 層 か ら 支 持 を 受 け た ク リ エ ー シ ョ ン 。 例 え ば フ ァ ッ シ ョ ン で い う と 川 久 保 玲 、 山 本 耀 司 、 三 宅 一 生 等 々 、 最 近 で は B A P E ま で 含 め て 、 ハ イ ブ ロ ウ な 人 々 や 著 名 人 た ち に 評 価 さ れ 、 広 が っ て い っ た も の 。 三 つ 目 が い わ ゆ る ﹁ サ ブ カ ル ﹂ で す ね 。 ギ ャ ル と か ﹁ 族 ﹂ っ ぽ い も の な ど も 含 ま れ ま す 。 福 冨: コ ム ・ デ ・ ギ ャ ル ソ ン な ど も 含 む ? マ ー ク ス: え え 。 ﹁ ク ー ル ・ ジ ャ パ ン ﹂ に 包 含 さ れ て い る と 思 い ま す 。

Text: Yumi Kato / Photo: Etsuhisa Sasaki

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High-Life Research_vol.10 川 久 保 、 山 本 、 三 宅 と い っ た デ ザ イ ナ ー た ち が 海 外 で 認 め ら れ た の は 、 日 本 的 な 美 学 は も ち ろ ん 、 世 界 水 準 に お い て も 突 出 し た 、 革 新 的 ク リ エ イ テ ィ ビ テ ィ を 発 揮 し た か ら で す が 、 こ れ ら は ポ ッ プ カ ル チ ャ ー と い う よ り も 、 ﹁ 芸 術 ﹂ に 近 い レ ベ ル で す 。 福 冨: ど ち ら か と い う と 、 ハ イ カ ル チ ャ ー で す ね 。 マ ー ク ス: そ う 。 こ れ に 対 し て B A P E は 、 日 本 で は 裏 原 宿 の 先 駆 的 存 在 、 イ ン デ ィ ー ズ ・ フ ァ ッ シ ョ ン ブ ラ ン ド の カ リ ス マ と し て 認 知 さ れ ま し た が 、 海 外 進 出 に お い て は 戦 略 を 変 え ま し た 。 初 期 に は 欧 米 で の 販 売 を 意 図 的 に 制 限 し て 希 少 価 値 を 高 め 、 そ れ か ら 大 胆 に 方 向 転 換 し て い ま す 。Pharrell ら ヒ ッ プ ホ ッ プ 系 の セ レ ブ リ テ ィ ー と の 交 遊 を 深 め 、 彼 ら が B A P E の 服 を 着 て メ デ ィ ア 露 出 す る な ど し て 注 目 を 集 め ま し た 。 こ の こ と も ﹁ 日 本 の カ ル チ ャ ー は 、 ア メ リ カ の 10 年 先 を 行 っ て い る ﹂ と い う 、 〝 ジ ャ パ ン ・ ク ー ル 神 話 〟 を ア メ リ カ に 植 え 付 け る こ と に 貢 献 し た と 思 い ま す 。 福 冨: ﹁ ク ー ル ﹂ 路 線 は 、 90 年 代 の 終 わ り か ら 2 0 0 0 年 初 頭 に か け て が 大 き な 山 で し た ね 。 マ ー ク ス: そ う で す ね 。 当 時 、 日 本 の フ ァ ッ シ ョ ン や 音 楽 な ど い く つ か の 異 な る ジ ャ ン ル で 、 同 時 多 発 的 な 発 見 が あ っ た わ け で す 。 そ こ に オ タ ク 文 化 も 重 な っ た こ と で 、 突 如 と し て ﹁ 日 本 は ク ー ル ﹂ と な っ た 。 こ れ は 重 要 な ポ イ ン ト で す 。 つ ま り 、 80 年 代 の 川 久 保 玲 や 山 本 耀 司 の よ う に 傑 出 し た ク リ エ イ タ ー で は な く 、 日 本 人 は ﹁ ご く 普 通 の 、 ベ ー シ ッ ク な レ ベ ル の 若 者 で さ え ク ー ル だ ﹂ と バ ラ ー ル: フ ラ ン ス で も 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー に 対 す る 評 価 の ベ ー ス は 、 や は り マ ン ガ や ア ニ メ 、 ゲ ー ム だ と 思 い ま す 。 村 上 春 樹 、 よ し も と ば な な な ど の J 文 学 は 一 定 の 層 か ら 評 価 を 得 て い ま す が 、 ﹁ ク ー ル ・ ジ ャ パ ン ﹂ 的 な ム ー ブ メ ン ト と は 違 う 。 彼 ら を 好 む 人 は 、 そ れ な り に リ テ ラ シ ー の 高 い 人 た ち で す し 、 も う 少 し ハ イ ブ ロ ウ 。 普 遍 的 な 文 学 性 で 評 価 は さ れ て い て も 、 日 本 の 作 家 だ か ら で は な い 。 村 上 隆 や 奈 良 美 智 と い っ た コ ン テ ン ポ ラ リ ー ア ー ト の 作 家 も 、 視 覚 的 な 分 だ け 分 か り や す く 、 親 し み や す さ も あ り ま す が 、 ポ ッ プ カ ル チ ャ ー か と い わ れ れ ば 違 う 。 陳: 中 国 の 場 合 、 今 名 前 が 挙 が っ た 人 た ち は 若 者 を 中 心 に 高 い 支 持 を 得 て い ま す 。 例 え ば 近 年 で は 、 村 上 春 樹 の 小 説 は 2 0 0 万 部 以 上 売 れ て い ま す し 、 相 手 を ﹁ ク ー ル ﹂ だ と 表 現 す る 時 に ﹁ あ な た は と て も 〝 村 上 〟 で す ﹂ と 言 っ た り し ま す 。 都 市 部 の 若 者 や 知 識 層 に と っ て は 特 に 、

い う 認 識 は 、 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー の 裾 野 の 広 さ 、 層 の 厚 さ を ま ざ ま ざ と 見 せ つ け た よ う に 思 い ま す 。 川 口: ク ー ル と い え ば 、 渋 谷 1 0 9 や 裏 原 宿 も 外 せ な い で し ょ う 。 海 外 の 著 名 な フ ァ ッ シ ョ ン デ ザ イ ナ ー も 視 察 に 来 る ぐ ら い で す か ら 。 街 を 歩 い て い る 普 通 の 女 の 子 の お し ゃ れ の セ ン ス は 、 パ リ や ミ ラ ノ 、 ニ ュ ー ヨ ー ク と 比 べ て も 、 比 較 に な ら な い く ら い ハ イ レ ベ ル で す 。 オ ー ト ク チ ュ ー ル か ら ト ッ プ ダ ウ ン で 時 間 を か け て 落 ち て く る と い う こ れ ま で の や り 方 に 対 し て 、 日 本 の 生 み 出 し た 東 京 ガ ー ル ズ コ レ ク シ ョ ン の よ う な ボ ト ム ア ッ プ モ デ ル は 正 にWeb 2.0 の リ ア ル バ ー ジ ョ ン 。 こ れ は 一 般 人 の レ ベ ル の 高 さ を 前 提 と し た や り 方 で す か ら 、 こ の 国 の フ ァ ッ シ ョ ン の 成 熟 度 を 立 証 し て い る と 思 い ま す 。 た だ 何 に も ま し て 残 念 な こ と は 、 日 本 人 は 自 ら の 凄 さ を 自 覚 し て い な い こ と 。 そ れ は 、 カ ル チ ャ ー に し て も 同 様 の こ と が 言 え る と 思 い ま す 。

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彼 の 小 説 が 持 つ 孤 独 感 や 侘 し さ の よ う な も の に 共 鳴 し て い る よ う で す ね 。 奈 良 美 智 の 画 風 に も 日 本 人 特 有 の 人 情 や 温 か さ 、 郷 愁 の よ う な も の を 感 じ 取 っ て い る よ う で す 。 福 冨: 社 会 背 景 も 関 係 す る で し ょ う ね 。 マ ー ク ス: 海 外 の ﹁ ク ー ル ・ ジ ャ パ ン ﹂ 関 連 記 事 を 見 る と ﹁ 今 、 日 本 で ク ー ル な 人 ﹂ と 取 り 上 げ ら れ る の は 、 実 際 に は も う 人 気 の な い 人 。 90 年 代 に ブ レ イ ク し て 、 そ の 余 波 が 今 ア メ リ カ に 来 て い る 感 じ で す 。 B A P E もPuffy AmiYumi も 似 た ケ ー ス で 、 日 本 で は も う ﹁ 人 気 者 ﹂ に は ほ ど 遠 い 。 日 本 と 海 外 の 一 番 大 き な ギ ャ ッ プ が 、 こ の 時 間 差 で す 。 決 し て ﹁ 現 在 ﹂ が 受 け て い る わ け で は な い 。 あ と は 、 認 識 不 足 。 ﹁ オ タ ク 文 化 = 裏 原 宿 ﹂ み た い な 単 純 な 図 式 で と ら え て い た り 。 本 当 に 望 ま れ て い る も の が 何 か を 理 解 し て い な い 。 だ か ら 結 局 、 政 策 的 あ る い は 企 業 キ ャ ン ペ ー ン 的 な も の か ら は 大 き な う ね り が 生 ま れ る こ と は な く 、 今 は イ ン デ ィ ー ズ の レ ベ ル に し か 革 新 的 な 才 能 が 見 い だ せ な く な っ て い る の だ と 思 い ま す 。 こ れ は 音 楽 も フ ァ ッ シ ョ ン も 同 じ 。 2 0 0 0 年 代 の 日 本 か ら は ﹃ デ ス ノ ー ト ﹄ な ど 一 部 を 除 い て 、 新 し い 波 は 生 ま れ て い ま せ ん 。 陳: ﹃ デ ス ノ ー ト ﹄ は 、 2 0 0 5 年 に 中 国 の 東 北 省 で も 中 学 生 の 間 で ブ ー ム に な り ま し た 。 青 少 年 に 悪 影 響 を 与 え る 、 と 社 会 的 に 大 議 論 に も な り ま し た が 、 や は り 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー の 中 核 は 圧 倒 的 に ア ニ メ で す 。 20 代 を 中 心 と す る 若 者 の 多 く は 日 本 の ア ニ メ を 見 て 育 っ て い ま す し 、 明 ら か に 日 本 へ の 理 解 や 親 近 感 を 持 つ よ う に な っ て い ま す 。 そ の 意 味 で 、 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー が 若 い 世 代 に 与 え る 影 響 力 の 大 き さ は 、 皆 さ ん が 想 像 す る よ り は る か に 大 き い と い え ま す 。 福 冨: ソ フ ト ・ パ ワ ー が う ま く 機 能 し て い る ん で す ね 。 マ ー ク ス さ ん は ち ょ っ と 懐 疑 的 ? マ ー ク ス: え え 、 あ る コ ン テ ン ツ が 他 の 国 で 流 行 っ て い る か ら と い っ て 、 そ の 国 と 国 の 関 係 が 良 く な る と は い え な い と 思 い ま す ね 。 産 業 的 、 経 済 的 に 効 果 が あ る と す れ ば 、 そ れ は 関 連 す る 企 業 が 潤 う と い う だ け で 、 日 本 と い う 国 そ の も の の 価 値 が 上 が る こ と と は 別 で は な い か と 。 川 口: そ れ は 、 人 に よ っ て 認 識 が 違 う と 思 い ま す 。 必 ず し も 一 般 化 で き な い 。 陳: 意 図 に よ る も の で は あ り ま せ ん が 、 少 な く と も 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー は 、 日 本 と 中 国 の 若 者 の 間 の 悪 い 感 情 を 和 ら げ て い る こ と を 実 感 し て い ま す 。 福 冨: い っ た い 何 が そ う い う 影 響 を 与 え て い る と 思 い ま す か ? バ ラ ー ル: 日 本 の ア ニ メ や マ ン ガ に つ い て い え ば 、 一 番 の 理 由 は 、 つ く り 手 が 読 者 や 視 聴 者 を 子 供 扱 い し て い な い 、 バ カ に し て い な い と い う こ と で し ょ う ね 。 欧 米 で は ア ニ メ や マ ン ガ は 子 供 の 領 域 で し た か ら 。 日 本 の も の は ビ ジ ュ ア ル も 素 晴 ら し い し 、 ス ト ー リ ー も 深 い 。 死 生 観 と か 性 を 扱 っ た も の も あ る し 、 暴 力 や 宗 教 、 政 治 に 関 す る タ ブ ー も 少 な い 。 読 者 に フ ィ ク シ ョ ン と 現 実 の 判 別 能 力 も あ る か ら だ と 思 い ま す が 、 非 常 に リ ア ル か つ 奥 深 い ス ト ー リ ー を 描 い て い る 。 デ ィ ズ ニ ー み た い に ポ リ

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W・デーヴィッド・マークス ライター 米国出身。1978年生まれ。ハーバード大学東洋学部、慶應義塾大学大学院商学研究科卒業。在学中より、米国雑誌『GQ』 『Harper's Magazine』『Nylon』などに日本の音楽やファッションをはじめとする文化関連記事を寄稿。1996年に初来日。2004年

からは自らのウェブサイト「NÉOMARXISME」のブログ、「NÉOJAPONISME」というウェブジャーナルにて、日本のポップカルチャー を追求し続けている。マーケティング、消費活動をベースにした独自の視点で考察する気鋭のライター。

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High-Life Research_vol.10 テ ィ カ ル ・ コ レ ク ト じ ゃ な い 。 優 等 生 的 じ ゃ な い か ら 、 面 白 い ん で す 。 マ ー ク ス: 僕 が 子 供 の 頃 は 、 日 本 の ア ニ メ は も っ と キ ッ チ ュ で し た が 、 今 や 日 本 の ア ニ メ の ク オ リ テ ィ ー は 世 界 標 準 で す か ら 。 陳: 中 国 の 若 者 は 、 特 に 豊 か な キ ャ ラ ク タ ー に 魅 力 を 感 じ て い る と 思 い ま す 。 繊 細 で 、 親 し み が 持 て て 、 感 情 移 入 や 共 感 が で き る 。 ﹃ ス ラ ム ダ ン ク ﹄ や ﹃ 聖 闘 士 星 矢 ﹄ な ど の よ う に 、 主 人 公 は も ち ろ ん 、 チ ー ム ワ ー ク で 苦 難 を 乗 り 越 え る と い う 点 や 、 勧 善 懲 悪 と い っ た 簡 単 な ス ト ー リ ー で は な く 、 豊 富 な 人 間 性 の 表 現 に も 魅 力 を 感 じ て い る の だ と 思 い ま す 。 川 口: 私 は 日 本 に 来 た 当 初 、 キ テ ィ ち ゃ ん と か キ ャ ラ ク タ ー な ん か が す べ て 幼 稚 に 見 え ま し た 。 欧 米 人 の メ ン タ リ テ ィ ー か ら す る と 、 日 本 の 文 化 は 子 供 っ ぽ く て 好 き じ ゃ な か っ た 。 と こ ろ が 、 だ ん だ ん そ の 穏 や か さ と か 優 し さ に 引 か れ る よ う に な っ て し ま っ て 、 ﹁ 幼 く て も 、 子 供 っ ぽ く て も ど こ が 悪 い の ? ﹂ っ て 思 う よ う に な っ て し ま う 。 欧 米 の 著 名 人 に も 、 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー に 影 響 を 受 け た 人 は た く さ ん い ま す よ 。 例 え ば サ ッ カ ー 選 手 の ト ッ テ ィ や ジ ダ ン は 、 な ぜ サ ッ カ ー を 好 き に な っ た か と い う 質 問 に ﹃ キ ャ プ テ ン 翼 ﹄ を 読 ん で と い う よ う な 発 言 も あ り ま す し 。 バ ラ ー ル: ﹃ キ ャ プ テ ン 翼 ﹄ は 、 80 年 代 に イ タ リ ア で 放 映 さ れ た の が ヨ ー ロ ッ パ で の ブ レ イ ク の 契 機 だ っ た と 思 い ま す が 、 当 初 は 日 本 の ア ニ メ だ と は 誰 も 思 っ て い な か っ た 。 そ の く ら い 浸 透 し て い た ん で す ね 。 イ タ リ ア や フ ラ ン ス の 子 供 に 絵 を 描 か せ れ ば 、 日 本 の ア ニ メ の よ う な タ ッ チ で 描 く よ う に も な っ て 。 陳: 昨 今 、 美 術 学 院 な ど の 高 等 教 育 の 現 場 で 異 変 が 起 き て い ま す 。 例 え ば 学 生 に デ ッ サ ン を さ せ ま す よ ね 。 す る と 、 彼 ら の タ ッ チ は 明 ら か に ア ニ メ の 画 風 な ん で す 。 中 国 の ア ニ メ の 会 話 の ト ー ン も ア ニ メ キ ャ ラ ク タ ー の 影 響 と い う か 、 真 似 だ っ た り 。 そ の あ た り は 中 国 政 府 も 憂 慮 し て い て 、 ア ニ メ 放 映 を 制 限 す る な ど 文 化 戦 略 に 若 干 修 正 を 加 え て い ま す 。 教 育 者 と し て の 立 場 か ら 言 う と 、 各 国 の 歴 史 や 文 化 に 根 差 し た 美 意 識 と か 技 法 と い っ た も の が 失 わ れ て い く こ と へ の 懸 念 は 持 っ て い ま す 。 多 様 性 を 守 る こ と も 大 切 か と ⋮ ⋮ 。 バ ラ ー ル: い や 、 そ れ を 統 制 す る の は 無 理 で す よ 。 こ の 時 代 で は 不 可 能 に 近 い で し ょ う 。 カ ル チ ャ ー の グ ロ ー バ リ ゼ ー シ ョ ン と い う の は 、 ネ ッ ト 社 会 の 持 つ 宿 命 だ と 思 い ま す ね 。 面 白 け れ ば 支 持 さ れ 真 似 さ れ る し 、 そ う で な け れ ば 淘 汰 さ れ て い く 。 陳: 確 か に そ う で す が 、 中 国 の よ う に ア ー ト や メ デ ィ ア の 基 礎 教 育 が あ ま り な い 中 で は 、 独 自 の 感 性 や 価 値 観 を ど う 育 て 、 鍛 え て い く の か は 大 き な 課 題 で す 。 一 定 の 時 間 が 必 要 で し ょ う し 、 個 人 的 に は 非 常 に 厳 し い 状 況 に あ る と 思 い ま す 。 バ ラ ー ル: ﹁ 文 化 ﹂ へ の 変 化 と 影 響 と い う 点 で は 、 欧 米 に と っ て は 重 大 な 、 注 目 す べ き 現 象 が 起 き て い ま す 。 私 た ち の よ う な 横 書 き の 文 字 を ベ ー ス に し て い る 文 化 圏 の 者 に と っ て は 、 日 本 の マ ン ガ の 爆 発 的 な 普 及 は 、 と て も 大 き な 変 化 を も た ら す と い う こ と で す 。 マ ン ガ の お か げ

陳玲 中国清華大学ジャーナリズム・コミュニケーション学部准教授 中国出身。筑波大学大学院芸術研究科総合造形修士課程、東京大学大学院工学系研究科建築学博士課程修了。日本学術振 興会、東京大学人工物工学研究センター、ハーバード大学デザインスクール、フランス博物館修復・研究センターの客員研究員・ 客員教授職を歴任し、現職。2006年より東京大学総合研究博物館客員助教授。IPAの委託事業「西湖における歴史的景観の復 元」のディレクター、「西周時代射礼」「五禽戯」の復元アートディレクターなど、デジタル技術における文化遺産の保存、教育への 応用研究に従事。主著『新媒体芸術史綱 ―走向整合的旅程』清華大学出版。

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で 、 今 や ﹁ 右 開 き で 本 を 読 む ﹂ と い う 習 慣 も 定 着 し つ つ あ る 。 こ れ は 間 違 い な く グ ー テ ン ベ ル ク 以 来 の 文 化 革 新 で す 。 今 後 ど ん な ふ う に 我 々 の 生 活 に 変 化 を も た ら す の か 、 無 視 で き な い 現 象 だ と 思 い ま す 。 陳: い ろ い ろ な 動 き が あ り ま す が 、 ま だ ﹁ 現 象 ﹂ の 域 を 出 て い な い の で は な い か と 思 い ま す 。 つ ま り 、 ど こ ま で 人 間 の ﹁ イ デ オ ロ ギ ー ﹂ に 影 響 す る か は 、 ま だ 分 か ら な い で す ね 。 福 冨: 海 外 に お け る 日 本 の カ ル チ ャ ー の 浸 透 要 因 は 、 何 と い っ て も ネ ッ ト で し ょ う 。 バ ラ ー ル: 気 に な る の は 、 海 外 メ デ ィ ア が 日 本 に 対 す る 関 心 も 知 識 も 本 当 に 低 い こ と で す 。 で す が ネ ッ ト の 進 展 で 、 情 報 は そ う い う メ デ ィ ア パ ワ ー の 縛 り か ら や っ と 解 放 さ れ た と い う 感 が あ り ま す 。 ネ ッ ト は 世 界 中 の 一 般 人 を ﹁ 消 費 者 ﹂ で は な く 、 一 フ ァ ン 、 一 ユ ー ザ ー と い う 立 場 に 変 え 、 コ ン テ ン ツ の 需 給 関 係 を 一 変 さ せ た 。 従 来 は 、 日 本 の こ と を メ デ ィ ア に 載 せ る に は 、 ま ず メ デ ィ ア の 関 心 を 引 い て 、 実 際 に 取 り 上 げ ら れ て 、 そ し て ム ー ブ メ ン ト に な る ま で に 5 年 は か か っ て い ま し た か ら 、 本 当 に 大 き な 変 化 で す 。 川 口: メ デ ィ ア の 問 題 は 大 き い で す ね 。 海 外 の メ デ ィ ア が 日 本 に 関 心 が な い の は 当 然 で す 。 日 本 の メ デ ィ ア は 、 日 本 に 対 し て あ ま り 興 味 な さ そ う に 思 え ま す 。 彼 ら は 自 分 た ち の 文 化 に 対 す る 誇 り が 希 薄 で 、 海 外 向 け に 発 信 す る 番 組 で あ っ て も 、 時 に は 自 虐 的 な 姿 勢 で 臨 ん で い る よ う に 思 え る こ と も あ り ま す 。 こ れ で は 、 海 外 の 人 々 に 日 本 の 文 化 を 正 し く 理 解 し て も ら う の は 難 し い 。 バ ラ ー ル: 確 か に 日 本 の メ デ ィ ア は 、 あ ま り 信 用 さ れ て い な い よ う に 感 じ ま す 。 川 口: そ う 。 日 本 人 は 、 日 本 が 褒 め ら れ る と 逆 に 不 安 に な っ て し ま う 。 報 道 や 教 育 に 問 題 が あ る よ う に も 思 え ま す 。 福 冨: メ デ ィ ア の 正 確 さ を ど こ か で 疑 っ て い る ふ し が あ る の は 否 め ま せ ん 。 ﹁ 海 外 で 日 本 の 文 化 が 人 気 ﹂ と 報 じ ら れ て も 、 鵜 呑 み に し な い と こ ろ が あ る 。 で も そ れ は そ れ で 、 僕 は い い こ と だ と 思 っ て い ま す 。 陳 さ ん 、 中 国 で も メ デ ィ ア 、 特 に ネ ッ ト の 影 響 は 大 き い の で は ? 陳: え え 。 2 0 0 0 年 代 に 入 っ て 個 人 が P C を 所 有 す る よ う に な っ て か ら は 特 に 。 そ も そ も 中 国 に は ﹁ ポ ッ プ カ ル チ ャ ー ﹂ と い う 概 念 が あ り ま せ ん で し た し 、 80 年 代 に は ア ニ メ の テ レ ビ 放 映 も 多 少 は あ り ま し た が 、 あ く ま で も 教 育 番 組 の 範 疇 。 長 ら く 中 国 で は 、 政 治 ・ 教 養 の 面 で 意 義 の あ る ﹁ 正 統 的 ﹂ な 芸 術 が 善 し と さ れ て き ま し た か ら 、 エ ン タ ー テ イ ン メ ン ト は 軽 視 さ れ て き た の で す 。 90 年 代 に 入 っ て 日 本 の ア ニ メ が テ レ ビ 放 映 さ れ た こ と で 、 一 気 に ブ ー ム に 火 が つ き ま し た 。 同 じ 頃 に 、 海 賊 版 コ ン テ ン ツ の 爆 発 的 な 普 及 が 、 人 々 の 情 報 へ の 関 心 を 開 放 し 、 メ デ ィ ア パ ワ ー を 大 き く 変 化 さ せ た 起 爆 剤 と な っ た こ と も 無 視 で き ま せ ん 。 憂 慮 す べ き こ と で は あ り ま す が ⋮ ⋮ 。 バ ラ ー ル: 中 国 は 本 当 に 情 報 が 早 い ジ ャ ー ナ リ ス ト フ ラ ン ス 出 身 。 1 9 6 4 年 生 ま れ 。 パ リ 第 3 大 学 東 洋 語 学 院 卒 。 ﹃ ヌ ー ヴ ェ ル ・ オ プ セ ル ヴ ァ ト ゥ ー ル ﹄ 誌 の 特 派 員 と し て 21 年 前 に 来 日 。 日 本 の ポ ッ プ カ ル チ ャ ー に 関 す る 著 書 、 コ ラ ム 多 数 。 日 仏 企 業 を 中 心 と す る ビ ジ ネ ス ・ コ ン サ ル タ ン ト 業 務 の か た わ ら 、 ﹃ A E R A ﹄ ﹃ 朝 日 新 聞 ﹄ な ど に コ ラ ム を 連 載 中 。 著 書 ﹃ オ タ ク ・ ジ ャ ポ ニ カ ∼ 仮 想 現 実 人 間 の 誕 生 ﹄ 河 出 書 房 新 社 。

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High-Life Research_vol.10 で す ね 。 日 本 で 放 映 さ れ た ア ニ メ が 、 そ の 日 の 内 に フ ァ ン サ イ ト に ア ッ プ さ れ る 。 し か も か な り レ ベ ル の 高 い 翻 訳 字 幕 付 き で ︵ 苦 笑 ︶ 。 こ の 同 時 性 は ネ ッ ト の 強 み で し ょ う が 、 コ ン テ ン ツ を つ く る 側 の 権 利 を ど う 監 視 ・ 管 理 す る の か が 、 今 最 も 力 を 入 れ る べ き 問 題 で す 。 福 冨: コ ン テ ン ツ 産 業 を 育 て る 、 と い う 点 で は 日 本 の 課 題 は 大 き い で す ね 。 こ の 分 野 は グ ロ ー バ ル で 1 3 0 兆 円 市 場 、 北 米 だ け で も 50 兆 円 と い わ れ て い ま す 。 日 本 は 14 兆 円 で す が 、 シ ェ ア と し て は 二 番 手 で 伸 び て い る 。 し か し 、 実 際 に は き ち ん と 利 益 回 収 で き て い な い 。 例 え ば ド イ ツ に 行 く と 日 本 の ア ニ メ ば か り な の に 、 ド イ ツ か ら は ち っ と も お 金 が 入 っ て こ な い わ け で す 。 ど う い う 取 り 決 め に な っ て い る の か 分 か り ま せ ん が ⋮ ⋮ 。 川 口: そ れ が 実 態 で し ょ う 。 コ ン テ ン ツ ビ ジ ネ ス を 日 本 の 次 の 基 幹 産 業 に 、 な ん て 無 理 で す よ 。 ど ん な に 優 れ た コ ン テ ン ツ が 揃 っ て い て も 、 そ れ で 経 済 を 活 性 化 さ せ よ う と い う の は 問 題 外 。 そ れ よ り も 競 争 力 の あ る エ ン ジ ニ ア リ ン グ や テ ク ノ ロ ジ ー な ど 、 本 来 の 日 本 の 強 み を 強 化 す べ き で す 。 バ ラ ー ル: 現 在 、 21 世 紀 の 日 本 を 支 え る 産 業 分 野 は 10 も あ っ て 、 そ の 一 つ に コ ン テ ン ツ 産 業 が 加 わ っ た と い う こ と は 、 あ る 意 味 ﹁ 奇 跡 的 ﹂ な こ と な ん で す 。 設 備 投 資 な ど 原 価 率 は 抑 え ら れ る の に 、 付 加 価 値 は 高 く 、 見 込 み も あ る 。 た だ し 、 産 業 と し て 成 長 す る た め の 大 き な 環 境 整 備 が 未 熟 で す ね 。 ハ リ ウ ッ ド な ん か は 、 産 業 と し て の イ ン フ ラ は 完 全 に で き 上 が っ て い る の に 、 コ ン テ ン ツ 欠 乏 状 態 。 日 本 は 逆 で 、 こ ん な に リ ソ ー ス が あ る に も か か わ ら ず ﹁ 売 る ﹂ 気 が ほ と ん ど な い 。 福 冨: 外 か ら の ア プ ロ ー チ に 応 じ る 程 度 、 で す ね 。 バ ラ ー ル: そ う 。 非 常 に 受 け 身 。 日 本 映 画 や マ ン ガ を 原 作 と し て オ ー ダ ー す れ ば 応 じ る も の の 、 積 極 的 に エ ク ス ポ ー ト し よ う と す る 企 業 が ま だ 少 な い 。 商 慣 習 の 違 う 外 国 企 業 を 相 手 に 、 丁 々 発 止 で プ ロ モ ー ト す る よ う な 動 向 も あ ま り 見 ら れ な い 。 ビ ジ ネ ス と し て の 効 率 性 に 欠 け る の か も し れ ま せ ん ね 。 美 味 し く な い 。 川 口: だ か ら こ そ 、 メ デ ィ ア の 人 た ち も 積 極 的 に 日 本 を P R し て 、 海 外 に フ ァ ン や サ ポ ー タ ー を た く さ ん 育 て る と い う こ と が ま ず 必 要 だ と 思 い ま す 。 マ ー ク ス: 80 年 代 以 降 、 日 本 は J E T な ど を 中 心 に そ う い う 取 り 組 み を し て き て い ま す 。 ア メ リ カ の 地 方 の 大 学 に 補 助 金 を 出 し て 育 成 し よ う と 。 た だ 、 実 際 に そ う い う 人 が ビ ジ ネ ス で 成 功 で き る 素 地 が 日 本 に な い の が 残 念 で す 。 日 本 に 来 て も 、 す ぐ に 働 け る の は 英 会 話 教 室 く ら い で す か ら 。 福 冨: マ ン パ ワ ー は あ る け ど 、 仕 組 み が で き て い な い 。 バ ラ ー ル: コ ン テ ン ツ 産 業 と い う 概

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川口ユディ (株)盛之助COO、NHKテレビ・レポーター、ジャパンタイムズ・コラムニスト ハンガリー出身。イリノイ大学卒業。シカゴ在住中に現在の夫と結婚し、来日。NHKテレビの国際放送番組『ウイークエンド・ジャパ ノロジー』『Out & About』『ニッポンアートウォーク』のレポーター、隔週で『ジャパンタイムズ』の人物コラム執筆、自ら設立した(株) 盛之助(morinoske)では旧日本軍の特攻隊員の証言を集める活動を行うほか、「日本チアリーダー」を自任し、マンガ、短編映画など を若い世代や海外向けに編纂してHPで公開中。

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念 自 体 が こ こ 4 ∼ 5 年 で 確 立 し た 新 し い も の だ か ら 、 未 熟 な の は 仕 方 な い の か も し れ ま せ ん 。 こ れ か ら 育 て て い か な け れ ば な ら な い 分 野 だ か ら 。 そ れ に は 行 政 や 企 業 の バ ッ ク ア ッ プ が 不 可 欠 だ と 思 い ま す ね 。 権 利 関 係 も 含 め て 。 福 冨: で は 最 後 に 、 日 本 の カ ル チ ャ ー で 今 後 の 展 開 が 気 に な る も の を 教 え て く だ さ い 。 バ ラ ー ル: 僕 は 、 象 徴 的 な と こ ろ で ﹁ 秋 葉 原 ﹂ の 動 向 で す ね 。 秋 葉 原 が ど う な る か に よ っ て 、 商 売 で も 、 文 化 で も 、 日 本 の 行 く 先 を 示 す と 思 う 。 今 、 秋 葉 原 は オ タ ク に と っ て は 居 心 地 悪 い 場 所 に な っ て い る よ う で す が 、 ﹁ 真 性 オ タ ク ﹂ は ネ ッ ト に 潜 っ て 次 の 展 開 を 狙 っ て い る と 思 い ま す し 、 期 待 し て い ま す 。 陳: ﹁ ゲ ー ム ﹂ で す ね 。 日 本 の 技 術 力 と 内 容 の 両 面 に お い て 、 ど こ ま で 極 め て い け る の か に 期 待 し て い ま す 。 今 年 の 東 京 ゲ ー ム シ ョ ウ に も 行 き ま し た が 、 驚 嘆 の 一 言 に 尽 き ま す 。 川 口: ﹁ メ デ ィ ア ﹂ で す 。 私 は 日 本 や 日 本 文 化 が 本 当 に 大 好 き で す し 、 ま だ ま だ 質 と 量 の 両 方 で P R が 足 り な い 。 そ の た め に 自 分 で ネ ッ ト 放 送 も 立 ち 上 げ ま し た の で ⋮ ⋮ 。 期 待 し て く だ さ い 。 マ ー ク ス: フ ァ ッ シ ョ ン な ら ド メ ス テ ィ ッ ク ・ ブ ラ ン ド に は ま だ ま だ 勢 い が あ る し 、 文 化 服 装 と か 、 才 能 豊 か な 若 い 子 も 多 い の で 期 待 で き ま す 。 音 楽 シ ー ン で も 注 目 株 が い く つ か あ っ て 、 彼 ら が ア メ リ カ で 認 め ら れ る よ う に な れ ば い い な と 。 才 能 の 裾 野 は 非 常 に 広 い の で 、 き ち ん と 認 め ら れ る 機 会 が あ れ ば い い と 思 う 。 ひ と つ 気 に な っ て い る の は 、 日 本 の ネ ッ ト か ら 突 出 し た 影 響 力 の あ る カ ル チ ャ ー が ま だ 出 て き て な い こ と で す 。 ど ん な ジ ャ ン ル に も い え る こ と で す が 、 や は り 突 出 し た 革 新 的 カ ル チ ャ ー は 、 そ れ を 本 当 に 理 解 で き る ご く 限 ら れ た 人 々 の 心 を 動 か す と こ ろ か ら 始 ま る も の だ と 思 い ま す か ら 。 期 待 し て い ま す 。 福 冨: 日 本 人 は 、 褒 め ら れ る と す ぐ 増 長 し た り 傲 慢 に な る ふ し が あ る の で 、 ﹁ ク ー ル ﹂ と 言 わ れ て も 私 は 少 し 引 い て 見 て い た の で す が 、 皆 さ ん の お 話 を 伺 っ て 、 素 直 に 喜 ん で も い い 気 が し て き ま し た 。 同 時 に 、 日 本 が ﹁ ク ー ル ﹂ を 持 続 さ せ る に は 、 海 外 の 文 化 や 情 報 だ け で な く 、 社 会 が 多 様 な 人 材 も 受 け 入 れ る 寛 容 さ を 備 え る 必 要 が あ る の か も し れ ま せ ん 。 本 日 は 、 異 国 の 方 な ら で は の 貴 重 な ご 意 見 を 伺 う こ と が で き ま し た 。 あ り が と う ご ざ い ま し た 。

福冨忠和(司会) 専修大学ネットワーク情報学部教授 1955年東京生まれ。青山学院大学経営学部卒。出版社勤務、メディアの制作・執筆活動を経て現職。デジタルハリウッド大学、国際 大学GLOCOM客員教授。メディア、コンテンツ、ポップカルチャーの研究に従事。『デジタルコンテンツ白書』(デジタルコンテンツ協会) 編集委員会委員長、デジタルコンテンツグランプリ、グッドデザイン賞他の審査員なども務める。主著『ヒット商品の舞台裏』アスキー、『イ ンターフェースの大冒険』アスキー、共著『押井守論 MEMENT MORI』日本テレビ出版、編著『コンテンツ学』世界思想社ほか。

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High-Life Research_vol.10 座 談 会 記 事 に あ る よ う に 、 ク ー ル ・ ジ ャ パ ン は 少 し 遅 れ て や っ て き た 。 2 0 0 2 年 の ダ グ ラ ス ・ マ グ レ イ の ﹁ 国 民 総 ク ー ル 度 ﹂ ︵Gross National Cool / 国 民 総 生 産 を も じ っ て い る ︶ が 、 十 分 キ ャ ッ チ ー だ っ た こ と は 認 め る が 、 お そ ら く マ グ レ イ の 見 た ク ー ル さ は 、 ︵ マ ー ク ス に よ れ ば ︶ 90 年 代 末 か ら の 短 い 期 間 に お け る 日 本 現 代 文 化 の 先 進 性 だ っ た の で あ り 、 ﹃ フ ォ ー リ ン ・ ポ リ シ ー ﹄ 誌 の 当 該 記 事 も 、 大 半 は G N C と い う よ り 、 G N N ︵Gross National Nerds / 国 民 総 オ タ ク 度 ︶ の 側 面 が 強 い 。 も ち ろ ん 、 国 民 総 オ タ ク と い う の は あ ん ま り だ か ら 、 ク ー ル と い う 言 葉 が 、 マ グ レ イ の 取 材 費 用 を 提 供 し た ジ ャ パ ン ソ サ エ テ ィ へ の 配 慮 か ら 選 ば れ た 可 能 性 も 少 な く な い 。 た だ 、 90 年 代 末 の 先 進 さ は 、 日 本 人 自 身 の 実 感 は 伴 っ て い な い 。 95 年 以 後 、 地 球 規 模 で 普 及 し た イ ン タ ー ネ な 言 葉 が 登 場 し た の で 、 何 の 関 係 も な い 、 伝 統 や ホ ッ ト な も の を 含 む さ ま ざ ま な 意 図 や 思 惑 が ﹁ 混 ぜ て く れ ﹂ と 登 場 し て き て い る の だ 。 時 代 で 変 化 す る ﹁ ク ー ル さ ﹂ を 定 義 す る の は 難 し い が 、 例 え ば パ ウ ン テ ン と ロ ビ ン ズ ︵ ﹃ ク ー ル ・ ル ー ル ズ ﹄ 邦 訳 / 研 究 社 ︶ の 案 を 要 約 す れ ば 、 ① 概 ね 小 さ な 共 同 体 の 中 で の ﹁ カ ッ コ よ さ ﹂ の 指 標 で あ り 、 ② 反 体 制 的 だ が ス ト レ ー ト な 行 動 よ り ア イ ロ ニ カ ル な 順 応 を と る こ と が 多 く 、 ③ 過 去 の 多 く は 、 ド ラ ッ グ カ ル チ ャ ー や 犯 罪 を 容 認 す る 文 化 に 依 拠 し て い る 、 こ と に な る 。 そ れ が 現 代 的 な 意 味 で の ク ー ル = カ ッ コ い い と し て 広 ま っ た の は 、 時 代 の 文 化 が 丸 ご と 反 体 制 & ド ラ ッ グ 容 認 だ っ た 60 年 代 に 、 ﹁ 冷 静 さ ﹂ ﹁ 現 実 的 ﹂ の ニ ュ ア ン ス を 入 れ てcool 、 chill が 使 わ れ た 結 果 か ら だ 。 ヴ ィ ン テ ー ジ も の の ス ト ラ ト キ ャ ス タ ー を 自 慢 す る ブ レ ア 首 相 の ﹁ 戦 後 レ ジ ー ム の 総 括 ﹂ 的 な 政 策 が ク ー ル ・ ブ リ タ ニ ア と 呼 ば れ た の は 、 ベ ン & ジ ェ リ ー ズ ・ ア イ ス ク リ ー ム の フ レ ー バ ー 名 か ら 取 ら れ た と い う ア イ ロ ニ ー の 点 か ら も 60 年 代 的 か も し れ な い 。 英 国 発 の 文 化 、 ア ン ダ ー ワ ー ル ド や ト マ ト や ﹃ ト レ イ ン ・ ス ポ ッ テ ィ ン グ ﹄ が ﹁ カ ッ コ い い ﹂ か ら そ う 呼 ば れ て い る わ け じ ゃ な い の だ 。 北 斎 描 く 波 の 前 で 、 ポ ケ モ ン と パ フ ィ ー が 微 笑 む ︵ 外 務 省 の 日 本 観 光 誘 致 ポ ス タ ー ︶ 光 景 を ﹁ 悪 く な い ﹂ と 思 え て も 、 ク ー ル だ と は 言 わ な い 。 ﹁ 空 気 が 読 め な い 日 本 人 ﹂ に な ら な い よ う に し た い も の で あ る 。

After

the meeting

ッ ト を 介 し て 、 知 ら れ て い な か っ た カ ル チ ャ ー の 細 部 が 伝 わ り 、 欧 米 の ス ノ ッ ブ が 好 ん で い た Y M O や コ ム ・ デ ・ ギ ャ ル ソ ン やGHOST IN THE SHELL ︵ ﹃ 攻 殻 機 動 隊 ﹄ ︶ に 、 村 上 隆 や B A P E な ど の 、 ﹁ さ ら に 先 ﹂ が あ っ た こ と に 気 付 い た だ け か も し れ な い 。 い ず れ に し て も 、 ク ー ル ・ ジ ャ パ ン と は ﹁ 日 本 は ク ー ル だ ﹂ で は な く て 、 ﹁ 日 本 に も ク ー ル な 部 分 が あ る ﹂ と い う 意 味 だ が 、 国 家 政 策 の 周 辺 で そ ん

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2 0 0 7 年 9 月 12 日 、 安 倍 晋 三 総 理 大 臣 の 突 然 の 退 任 劇 で 、 株 式 市 場 で は 思 わ ぬ 銘 柄 が 高 騰 し た 。 東 証 マ ザ ー ズ 上 場 の ﹁ ま ん だ ら け ﹂ で あ る 。 ま ん だ ら け は 、 東 京 や 大 阪 な ど で マ ン ガ 専 門 の 古 書 店 、 ア ニ メ 関 連 の 中 古 グ ッ ズ や キ ャ ラ ク タ ー も の の ヴ ィ ン テ ー ジ 玩 具 な ど の シ ョ ッ プ を 展 開 。 社 長 の 古 川 益 蔵 氏 は 、 テ レ ビ の お 宝 鑑 定 番 組 に も 出 演 し た こ と が あ る 。 ま ん だ ら け 株 は 、 辞 任 が 発 表 さ れ た 午 後 1 時 頃 か ら 買 い が 入 り 、 一 時 は ス ト ッ プ 高 に 。 当 時 、 自 民 党 次 期 総 裁 選 の 最 有 力 候 補 と し て 名 前 が 挙 が っ て い た 麻 生 太 郎 幹 事 長 ︵ 当 時 ︶ が ﹁ マ ン ガ 好 き ﹂ と し て 知 ら れ て い た こ と か ら 、 麻 生 関 連 銘 柄 と し て 買 わ れ た こ と が 高 騰 の 大 き な 要 因 だ っ た 。 こ の ほ か に も 、 マ ン ガ や ア ニ メ 関 連 の ﹁ オ タ ク 関 連 銘 柄 ﹂ に 買 い が 入 っ た が 、 総 裁 レ ー ス が 一 転 し て 福 田 現 総 理 有 利 に 傾 く と 株 価 も 沈 静 化 し た 。 ま た 、 11 月 12 日 に は 、 ア ニ メ 関 係 の 、 フ ィ ギ ュ ア と 呼 ば れ る 精 密 模 型 を 製 造 販 売 す る 会 社 の 経 営 陣 が 脱 税 で 逮 捕 さ れ る と い う 事 件 が 起 き た 。 3 年 で 2 億 円 と い う 脱 税 額 や 、 年 商 4 億 円 と い う 数 字 は 多 く の 人 を 驚 か せ た 。 奇 し く も 同 じ 日 に 、 経 済 産 業 省 は ﹁ 新 日 本 様 式 ﹂ と し て 、 ア ニ メ ﹃ 機 動 戦 士 ガ ン ダ ム ﹄ の キ ャ ラ ク タ ー ・ プ ラ モ デ ル ︵ ガ ン プ ラ ︶ な ど を 選 定 す る と 発 表 ⋮ ⋮ 。 こ の 原 稿 を 書 い て い る 時 点 か ら 3 ヵ 月 を 振 り 返 っ た だ け で も 、 マ ン ガ や ア ニ メ に 関 す る 政 治 経 済 事 件 が ざ っ と こ れ だ け 起 こ っ て い る の だ 。 マ ン ガ や ア ニ メ が 政 治 や 経 済 に も 直 結 す る 、 特 異 な 国 が 日 本 で あ る 。 文 字 通 り 日 本 は ﹁ マ ン ガ 大 国 ﹂ ﹁ ア ニ メ 大 国 ﹂ な の で あ る 。 現 在 、 日 本 国 内 で 年 間 に 出 版 さ れ る マ ン ガ 単 行 本 は 1 万 冊 強 、 雑 誌 は 増 刊 や 別 冊 も 含 め る と お よ そ 2 5 0 ア イ テ ム に の ぼ る 。

中野晴行

編集者・ライター ◎なかの・はるゆき 1954年生まれ。和歌山大学経済学部卒。大和 銀行(現りそな銀行)勤務を経て、編集プロダクショ ンを設立。編集企画・執筆分野はマンガ、落語、フ ォークソング、野球と多岐にわたる。著書『マンガ産 業論』で日本出版学会賞奨励賞、日本児童文学 学会奨励賞受賞。ほかに『謎のマンガ家・酒井七 馬伝』筑摩書房、『そうだったのか手塚治虫-天才が 見抜いていた日本人の本質』祥伝社など多数。

Photo: Etsuhisa Sasaki, A katsuki U chida, Tomoko Yasuda, Eri T amura

Consideration

1

Manga

and

Animation

ニ ッ チ 80年代以来、根強い人気の『機 動戦士ガンダム』。そのプラモデ ル(バンダイ)が昨年、「新日本様 式」に選ばれた。写真は同社の フィギュア/©創通・サンライズ。

参照

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