TM-100
ユーザーズガイド
Version 1.05
CENTURY SYSTEMS
■商標について FutureNet TM-100 はセンチュリー・システムズ株式会社の商標です。 下記製品名等は米国 Microsoft Corporation の登録商標です。Microsoft、Windows 95、Windows 98、 Windows NT4.0、Windows 2000, Windows XP 本装置には ApacheGroup(http;//www.apache.org/)が開発したソフトウェアが含まれています。 本装置には Sendmail,Inc が商標権を持つ Sendmail が含まれます。
その他の商品名、会社名は、各社の商標または登録商標です。
本製品で使用しているソフトウェアの多くは GNU パブリックライセンス(GNU Public License) または BSD の著作権(BSD copyright)のもとで、自由に再配布可能です。ただし、アプリケー ションによっては、所有者の許可なく再配布する事はできません。本製品で使用しているソフト ウェアの配布条件等については当社の Web サイト(http://www.centurysys.co.jp/)を参照して下 さい。 ■ご注意 (1) お取り扱いを誤った場合には責任を負いかねますので、ご使用前には必ず本マニュアルを お読み下さい。 (2) 本マニュアルの作成にあたっては万全を期しておりますが、本書の内容の誤りや不正確な 情報に対し責任を負わず、明記的、黙示的、あるいは法律上のいかなる保証も致しません。 (3) 本製品を使用した事によるお客様の損害、逸失利益、または第三者のいかなる請求に つきましても、上記の項目(2)にかかわらず当社は一切の責任を負いかねますので、 あらかじめご了承下さい。 (4) このマニュアルの内容の全部または一部を無断で転用、複製することはできません。 (5) 本マニュアルの内容および仕様、外観は、改良のため予告なく変更することがありますが、 これについてセンチュリー・システムズ(株)は責任を負いません。 ■ 本体のお取り扱いについて ・ 電源には付属の AC アダプタをご使用下さい。 ・ 本体内部に異物や水、ほこり等が入らないようにお気を付け願います。 ・ 電源を切る場合は、マニュアルに沿った手順でシステムを停止して下さい。 ・ 製品の加熱を防ぎ、動作の信頼性を確保するために、通気の悪い場所に 置かないようにして下さい。 ・ 本体の分解、組み立てはお客様の責任においておこなって下さい。
目次
目 次 ⅰ∼ⅱ 第1章 TM-100 の概要...6 1.1 TM-100 の特長 ...7 1.2 外観...9 1.3 RS-232 インタフェース仕様...121.4 8 bit Digital Input/Output (DIO) 仕様 ...13
第2章 基本的な操作...17 2.1 システムへのログイン ...18 2.2 ソフトウェアの概要...19 2.3 起動と停止の方法 ...21 2.3.1 起動の方法 ...21 2.3.2 停止方法 ...23 2.4 基本的な使い方...24 2.4.1 TM-100 への最初のログイン...24 2.4.2 シェル環境 ...24 2.4.3 TM-100 のファイルシステム...25 2.5 ソフトウェアのバージョンと更新 ...26 2.5.1 ソフトウェアのバージョン ...26 2.5.2 Linux kernel の更新 ...27 2.5.3 CF ルートファイルシステムの更新 ...27 第3章 ネットワーク機能の設定...28 3.1 ネットワーク機能の概要...29 3.2 IP アドレスの設定...30 3.3 ルーティングの設定...31 3.3.1 ルーティング機能...31 3.3.2 デフォルトゲートウェイ ...31 3.3.3 スタティックルーティング ...32 3.3.4 IP マスカレードの設定...32 3.3.5 パケットフィルタの設定 ...33 3.4 TM-100 の IP アドレスがわからなくなった場合の対処 ...34 第4章 インターフェースの仕様...37 4.1 ソフトウェアインターフェースの概要 ...38 4.2 シリアルインターフェース (DTE, DCE) ...39
4.3 8bit Digital Input/Ouput (DIO)インタフェース ...40
4.3.1 対応するファームウェア...40
4.3.2 DIO (Digital Input/Output) ポートのピンアサイン...41
4.3.3 未使用の端子の処理 ...42 4.3.4 DIO ピン番号、フラットケーブル、DSUB ピン番号の対応...43 4.4 DC OUT 電源の制御 ...44 4.5 コンパクトフラッシュカード型 PC カードインタフェース...45 4.5.1 CF 型 PC カードインターフェース概要...45 4.5.2 CF 型 PC カード制御用コマンドとその使用方法 ...45 4.5.2 各種カードに対する注意事項...46 4.6 CF インターフェース(IDE) ...46
第5章 RS-232 機器の監視と制御...47 5.1 RS-232 装置の制御、監視の概要...48 5.2 ser2net を利用した監視・制御...49 5.2.1 システム構成...49 5.2.2 ser2net デーモンの概要...49 5.2.3 ser2net の設定 ...50 5.2.4 ser2net の運用 ...53 5.3 COM リダイレクタを利用した制御・監視...56 5.3.1 システム構成...56 5.3.2 COM リダイレクタの概要 ...57 5.3.3 COM リダイレクトサーバの設定...57 5.3.4 COM リダイレクタ(クライアント)のインストールと設定...61 5.3.5 COM リダイレクタの運用 ...68 5.4 RS メールモードを利用したデータの取得 ...71 5.4.1 システム構成...71 5.4.2 RS メールモードの概要 ...71 5.4.3 RS メールモードの設定 ...72 5.4.4 RS メールモードの運用 ...73 5.5 logserial を利用したデータ蓄積型の監視...74 5.5.1 システム構成...74 5.5.2 logserial の概要 ...74 5.5.3 logserial の設定 ...75 5.5.4 logserial の運用 ...76 5.6 便利なコマンド...76 第6章 DIO 機器の監視と制御 ...78 6.1 DIO の監視と制御 ...79
6.2 DIO の 8 bits 同時の DIO 入出力用インタフェース...80
6.3 4bits 毎の DIO 同時入出力用インタフェース...81 6.4 出力ポートの値の確認方法 ...82 第7章 遠隔通信のための設定 ...83 7.1 PHS カードを使った遠隔監視・制御 ...84 7.1.1 IP によるクライアント認証をおこなう場合の設定例...84 7.1.2 CHAP によるクライアント認証をおこなう場合の設定例...89 7.1.3 使用方法 ...91 7.1.4 PPP の運用 ...92 7.2 Mobile Ark を使った遠隔監視・制御 ...96 7.2 Mobile Ark を使った遠隔監視・制御 ...96 7.3 無線 LAN カードの利用例 ...100 7.4 プライベートネットワークどうしの接続...106 第8章 WEB 設定画面の利用... 110 8.1 Web 設定画面へのログイン ... 111 8.2 設定方法... 112 8.3 情報表示... 114 8.4 システム設定 ... 116 8.5 インターフェース設定 ... 119 8.6 PPP 設定 ...120 □パケットフィルタ設定... 124 □PPP 拡張設定 ... 125
8.7 設定例:P-in m@ster PC カードで常時接続を行う場合 ...129 第9章 その他のアプリケーション ... 133 9.1 TM-100 のアプリケーション...134 9.2 ユーザアプリケーションのインストール...144 9.2.1 TM-100 へのファイル転送...144 9.2.2 アプリケーションのインストール...144 9.2.3 自動起動のための設定...145
第 1 章
TM-100 の概要
1.1 TM-100 の特長 FutureNet TM-100 は主にテレメトリングや計測の分野での通信モジュールとして設計 された装置です。RS-232 ポートと、8bit の読み書き可能なデジタル IO から受け取っ たデータや状態情報を LAN や PC カードスロットに挿入した通信カードを使って遠隔地 に送信したり、あるいは逆にデータを受け取ったり、機器を制御することが可能です。 OS には Linux を採用しており、ソフトウェアによる機能の追加がおこないやすいこと も大きな特長です。 TM-100 は官製はがき程度のコンパクトなサイズで、しかもファンがなく騒音がありま せん。消費電力も最大でも 5W 未満と小さく、24 時間運用が可能です。 また、TM-100 のコンパクトさを生かして Linux の機能を既存の装置に組み込んでしま うことも可能です。これにより、情報の発生源からダイレクトに情報を発信できるよ うになります。各種装置、ビルの設備、工場の計器など、あらゆる情報源から生成さ れるデータを蓄積し、必要なときだけネットワーク経由でデータを参照することがで きます。 以下に TM-100 の特長をまとめます。 コンパクトなサイズ 135mm×90.5mm×35mm のサイズは設置場所を選びません。この小ささにより従来使用で きなかった場所へも Linux 機能の配備が可能になります。 ソフトウェアの拡張性 既存のアプリケーションはもちろん、GNU 等の開発環境を利用してユーザ自身がソフト ウェアを開発、追加できます。 ハードウェアの拡張性 記憶装置として標準でコンパクトフラッシュカードを搭載しています。 また、コンパクトフラッシュカード型の PC カードスロットを装備しています。 ・ 低消費電力・低騒音・低価格 消費電力が少ない上、ファンレス設計のため騒音がありません。また、可動部分がま ったくないため、安定性に優れています。 さらに、ソフト、ハードともにロイヤリティなどがまったく発生しないため、低価格 での提供が可能です。 次のような用途に利用できます。 自動販売機、計測データやセンサデータのリモート収集 車載用通信モジュール 生産ライン、倉庫、店舗、窓口、支店、観測所のローカルサーバー 装置への組込み RS-232 と Ethernet のプロトコル変換 デジタル I/O と Ethernet のプロトコル変換
1.2 外観 TM-100 本体の各部の名称は以下のとおりです。 【本体正面】 ① ② ③ ④ ⑤ ① 10Base-T : イーサネットポート。DCE ポートとの切り替えで利用可能 となります。※ DCE ポートと 10Base-T との同時使用はできません。 ② LINK : イーサネットリンクランプ。
③ DCE : RS-232 DCE ポート。計測装置などの RS-232 機器(DTE 機器) とはストレート結線のケーブルで接続します。このポートで受け取った データは本装置の DTE ポートもしくは PCMCIA カード経由で遠隔地に 送信できます。同様にデータを受信することも可能です。ソフトウエア からは/dev/ttys2 でアクセスできます。
※ DCE ポートと 10Base-T との同時使用はできません。
④ DTE : RS-232DTE ポート。通常 DoPa Mobile Ark1等のモデムを RS-232 のストレートケーブルで接続します。計測装置などの RS-232 機器(DTE 機器)を接続する場合は RS-232 のクロスケーブルで接続します。この ポートで受け取ったデータは本装置の 10Base-T ポートもしくは PCMCIA カード経由で送信できます。同様にデータを受信することも可 能です。ソフトウエアからは/dev/ttys1 でアクセスできます。 ⑤ LED :4 つの LED は次の機能を持ちます。
1 Dopa Mobile Ark とは NTT ドコモのパケット通信(DoPa)9600bps シングルサー ビスに対応した無線装置。一般的なモデムで使用される AT コマンドに対応しており、 RS-232 インタフェースから発信・着信の制御が可能。
Dopa Mobile Ark 9601KO, Dopa Mobile Ark 9601D, Dopa Mobile Ark 9601 P などの 機種があります。
St: ステータス LED。点灯状態及び点滅以外の時に電源を OFF にする事ができます。
Pw: パワーLED。電源投入し、自己診断をパスした後点灯します。 Sd: DCE ポート Send LED。データ送信時に点滅します。 Rd: DCE ポート Recive LED。データ受信時に点滅します。
【本体背面】
① ② ③ ④ ⑤
① DC-OUT 5V:DoPa Mobile Ark などの外部機器へ DC5V を供給します。最 大 1A までの電流が供給できます。ソフトウエアからは /proc/driver/arkreset コマンドで制御できます。 ② PCMCIA :コンパクトフラッシュカード型の PC カード用スロット。PHS などのデータ通信カードがご利用いただけます。(通常 3V 固定。出荷時のご指定により 5V も利用可)ソフトウエアから は/dev/ttys3,でアクセスできます。
③ DIO : 本体基板上に実装されている 8bit DIO ポートのケーブル経路 です。ソフトウエアからは
/proc/driver/diout,diout_state,diout03,diout47 でアクセス できます。
④ CONFIG : 本装置の動作モードを指定するディップスイッチです。ファ ームウェアの更新や、DCE ⇔ Ether 切り替え等に使用しま す。設定方法は 1.5 項を参照下さい。 ⑤ INIT: システムシャットダウン用のボタンです。停止時に使用します。 コンパクトフラッシュカード型 PC カードスロットと CONFIG スイッチは、 付属する専用のダストカバーシールで保護することができます。 【本体側面】 電源スイッチ:本体 LED を正面として向かって右側に電源スイッチが配置さ れています。本体電源の ON/OFF に使用します。 1.3 RS-232 インタフェース仕様 本装置には DTE と DCE 仕様の2つの RS-232 ポートがあります。これらの 仕様は以下のとおりです。 DTE(RS−232)インターフェースコネクタ コネクタ形状:D−SUB9Pin(オス)タイプ ピン 信号名称 方向 説明 1 CD I キャリア検出 2 RXD I 受信データ 3 TXD O 送信データ 4 DTR O データ端末レディ 5 GND − 信号グラウンド 6 DSR I データセットレディ 7 RTS O 送信要求 8 CTS I 送信可 9 RI I 被呼表示(Ring Indicator) DCE(RS−232)インターフェースコネクタ コネクタ形状:D−SUB9Pin(オス)タイプ ピン 信号名称 方向 説明 1 CD O キャリア検出 2 TXD O 送信データ 3 RXD I 受信データ 4 DSR I データセットレディ 5 GND − 信号グラウンド 6 DTR O データ端末レディ 7 CTS I 送信可 8 RTS O 送信要求 9 RI O 被呼表示(Ring Indicator)
1.4 8 bit Digital Input/Output (DIO) 仕様
本装置には、本体基板上に8bitの Digital Input/Ouput の入出力ピンが存在します。 DIOの仕様は以下の通りです。 項目 仕様 入力チャンネル数 8または4(出力と合わせて8チャンネル) 出力チャンネル数 8または4(入力と合わせて8チャンネル) TTLレベル Low 0.8V ∼ High 2.0V 入力/出力形式 非絶縁TTLレベル 入力/出力論理 正論理 入力電圧 -0.5V ∼ +5.5V 入力信号電圧 +5V±5% Lowレベル入力電流 最大 5uA Highレベル入力電流 最大 -5uA Lowレベル入力電圧 最大 0.8V Highレベル出力電圧 最小 2V 出力電圧 0 ∼ +3.3V 出力信号電圧 +2.2V∼+3.3V ※負荷によって異なります Lowレベル出力電流 最大 24mA Highレベル出力電流 最大 -24mA Lowレベル出力電圧 最大 0.55V Highレベル出力電圧 最小 2.2V 最大配線距離 2∼3m程度 ※ 配線環境により異なります 基板上でのDIOポートの位置は、以下の図の赤丸で囲まれた部分になります。 注意) DIOの状態の誤検知を防ぐためDIOポートで私用しない信号線はグランドに接地して ください。 DIOポート
1.5 CONFIG スイッチ(ディップスイッチ)の説明 CONFIGスイッチは背面のCONFIGと書かれている位置にあります。スイッチを上方向 にするとOFF、下方向にするとONとなります。 またスイッチは向かって左側から順に1,2,3,4の番号が割り当てられています。 CONFIGスイッチによって切り替わる動作モードは、以下のとおりです。 下記、“CFカードから起動“ は、コンパクトフラッシュカード(CF)をルートファイ ルシステムとする標準のTM-100の起動方法です。「CFルートで起動」と呼ぶ場合もあ ります。 また、“ROMから起動“は、CFをルートファイルシステムとせず、メモリ上のRAM Disk をルートファイルシステムとして、起動するモードで、主にメンテナンス、CFカー ド上のルートファイルシステムを更新する際に使用します。「initrdで起動」と呼ぶ 場合もあります。 CONFIG スイッチ 1 2 3 4 OFF ON ON OFF ダウンロードモード(ファームウェア更新可能) ON OFF ON OFF CF カードから起動: DTE & Ethernet を使用
(出荷時デフォルト)
ON OFF ON ON CF カードから起動: DTE & DCE を使用 ON ON ON OFF ROM から起動: DTE & Ethernet を使用 ON ON ON ON ROM から起動: DTE & DCE を使用
DCEとEtherの切り替え ・CONFIGスイッチ4がON(下向き)である場合、DCEポートがアクティブとなります。 1 2 3 4 ・CONFIGスイッチ4がOFFの場合、10Base-Tポート(イーサネットポート)がアクテ ィブとなります。 1 2 3 4
第 2 章
基本的な操作
2.1 システムへのログイン システムへのログインはイーサネットポートを利用するか、オプション品である TM-100専用デバッグボードを経由して行います。イーサネットポートのデフォルト IPアドレスは「192.168.253.254」です。 イーサネットポートを利用する場合は、CONFIGディップスイッチの4番をOFF(上方 向)にします。 なおログインには以下の2つのアカウントを使用します。 rootログイン: アカウント・パスワード共にroot 一般ユーザログイン: アカウント・パスワード共にuser1 ■ftpでのアクセス TM-100に対し、ftpでアクセスする場合はデフォルトでは上記のアカウントのうち user1のみがアクセス可能となっています。 なお、TM-100に搭載されているFTPサーバ(ProFTP)では、rootによるFTPアクセス は許されません。ファイル転送時にrootの権限が必要な場合は、いったん一般ユー ザでファイルを転送した後、コマンドラインでファイルの移動や属性の変更をおこ なって下さい。 セキュリティ上、推奨はされませんがシステム構築時などでどうしてもrootによる ftpアクセスが必要な場合は、(1) /etc/ftpusersから”root”の行を削除する。(2) /etc/proftpd.confの最初に”RootLogin on”の行を追加する。の手順を実行して 下さい。この場合は運用時には忘れずにrootによるアクセスをできない状態に戻し て下さい。2.2 ソフトウェアの概要 通常の Linux ディストリビューションがコマンドからウィンドウシステム、ネット ワーク機能などを含むシステムのオペレーション環境全体を提供するのに対し、本 装置のソフトウェアは、ネットワークデバイスとして、あるいはサーバ機能を提供 するベースとして最低限必要なプログラムだけを収めた Linux のサブセットとなっ ています。 通常の Linux TM-100 本装置にはキーボードやディスプレイは接続できません。そのため、ウィンドウ システムのためのソフトウェアは含まれません。シェルとしては bash, sh が利用で きます。コマンドはシステムの起動に必要なものや基本的なファイル操作のための コマンド群を提供します。エディタは vi が利用できます。 ライブラリについてはウィンドウシステム関連を除くほとんどのライブラリを提 供しています。glibc は 2.1.2 をサポートしています。カーネルは 2.2.13 を使用して います。 サーバ実行 デスクトップ環境 シェル ウィンドウシステム コマンド ライブラリ カーネル デバイスドライバ、サブシステム サーバ実行 デスクトップ環境 シェル ウィンドウシステム コマンド(一部) ライブラリ(大部分) カーネル デバイスドライバ、サブシステム 本装置のソフトウェアは次のように格納されています。 メインボードのフラッシュ ROM カーネルイメージ
RAM Disk イメージ(initrd ブート時使用) 2
telnet サーバ Web サーバ ルータ機能 FireWall 機能 IP Masqarade 必須コマンド Compact Flash (CF カード) 各種基本コマンド群 各種 RS-232 機器監視用アプリケーション Perl 5.6 PPP サーバ・クライアント 仮想トンネルサーバ・クライアント mail サーバ・クライアント DHCP サーバ Web サーバ FTP サーバ SSL ライブラリ SSH サーバ・クライアント Wireless LAN 対応モジュール … その他、各種サーバ・アプリケーション群 2 CF ファーム更新時に用いられる initrd ブート時のみ、上記、メインボードのフラッシュ ROM 内のアプリケーション群を RAM ディスクに展開します。
2.3 起動と停止の方法 2.3.1 起動の方法 本製品は電源を入れると自動的に Linux が起動します。 各種機能の設定はネットワーク経由で本体にログインした後でおこないます。本体 にログインする場合は次の手順に従って下さい。 ■ネットワークで接続する: ステップ 1 ツイストペア・ケーブルの接続
本装置の Ether0 と設定用コンピュータが接続された LAN を UTP カテゴリ 5 のストレートケーブルを使ってハブ経由で接続します。もしくは、クロスケー ブルを使って直接設定用のコンピュータの LAN インタフェースと接続するこ ともできます。 ステップ 2 電源オン 付属する AC アダプタを 100V 電源に接続し、続いて本体に AC アダプタを接 続し、本体側面の POWER スイッチを ON にして下さい。 ステップ 3 ログイン ネットワーク上のマシンから telnet コマンドを使ってネットワーク経由で ログインします。マシンの IP アドレスのネットワーク部を本装置に合わせて (192.168.253.1 など)、本装置のデフォルトの IP アドレス(Ether0: 10Base-T = 192.168.253.254)に telnet で接続して下さい。工場出荷時はユーザ名,パ スワード共に user1 でログインできます。 root アカウントも同様、パスワードは root でログインできます。 本装置の起動シーケンスを以下にまとめます。 TM-100起動シーケンス /etc/sysconfig/system /etc/sysconfig/network 各種デーモンの起動 (9) ブートローダのロード パワーオン・セルフテスト Linux Kernelのロード カーネルの初期化、 IDEドライバのロード、 その他デバイスドライバのロード CFルートをROでマウント システムのランレベルの決定 初期設定のスクリプトの起動 ドライバのロード、init生成 CFルートをRWで再マウント 各種サービスの開始 電源オン H/Wモニター (1) H/Wモニター CONFIG スイッチ? ダウンロードモード デフォルト (2) (3) ブートローダ Linux Kernel (4) Flash ROM Flash ROM CONFIG スイッチ? Linux Kernel initrdでブート CFカード /etc/inittab /etc/rc.d/rc.sysinit /etc/fstab,・・・ Status LED点滅 /etc/sysconfig/* /etc/rc.d/init.d/* /etc/rc.d/rc.local ブート完了 Flash ROM Flash ROM (5) (6) /sbin/initプロセス (7) (8) デフォルト etc/rc.d/init.d/rc2
2.3.2 停止方法 POWER スイッチを OFF にするか、DC コネクタを抜くと電源が切れますが、その前に 必ずシャットダウン手続きをおこなって下さい。シャットダウンの方法には以下の 方法があります。 ・本体の INIT ボタンを押す St LED が点滅、点灯状態以外になれば電源を切ることができます。
・LAN 経由で本装置に telnet ログインし、shutdown コマンドを実行する
[root@TM-100 ~]# shutdown -h now
これらは、モードで rw(read & write 可能)マウントされた CF 上のファイル システムのデータを保護するために必要な手順です。 *INIT ボタンを押すと“/sbin/shutdown/”プログラムが実行されます。シ ステム停止時の動作をカスタマイズする場合は、オリジナルの /sbin/shutdown プログラムの名前を変更し、お客様がカスタマイズしたシェルスクリプトやコ マンドをこの名前で置き換え、そこからオリジナルの shutodown プログラムを 呼び出してください。 2.4 基本的な使い方 2.4.1 TM-100 への最初のログイン ネットワークに接続し、telnet でログインして下さい。root(スーパユーザ)が 登録されています。パスワードは root です。ログインしたら安全のためすぐにパス ワードを設定して下さい。また、一般ユーザは、user1 が登録されています。パス ワードは user1 です。 新規ユーザの登録は、useradd コマンドを使ってユーザを登録することができま す。ログインのパスワードは passwd コマンドを使って、設定、変更できます。ま た、ユーザ情報の削除は、userdel コマンドを使って削除することができます。 2.4.2 シェル環境
シェルは IEEE POSIX Shell and Tools 仕様に準拠した Bash です。 /bin/sh は/bin/bash へのシンボリックリンクです。 各種コマンドは以下のディレクトリに格納されています。 /bin /sbin /usr/bin /usr/sbin /usr/local/bin /usr/local/sbin また、/usr/local ディレクトリ配下にも各種アプリケーションがインストールされて います。 パス設定は、各ユーザのホームディレクトリ以下のファイル .bashrc を編集するこ とによって追加可能です。ファイル .bashrc が存在しない場合(デフォルト設定) は、シェルの設定が、/etc/profile から設定されます。
2.4.3 TM-100 のファイルシステム TM-100 のルートファイルシステムは TM-100 のファイルシステムは突然の電源 オフで壊れることを防ぐ目的で、工場出荷時には読み出し専用でマウントされてい ます。そのため、各種設定ファイルを変更する場合には、ファイルシステムをいっ たん読み書き可能モードでマウントしなおす必要があります。設定ファイルの変更 をおこなう前に以下のコマンドを実行して下さい。 # cd / # mount -n -o remount,rw / 以降、ファイルシステムへの書き込み(ファイルの変更など)が可能になります。 また、次回起動時以降も設定内容は有効です。 ルートファイルシステムを常に読み書き可能で mount したい場合は /etc/sysconfig/ro ファイルを削除して下さい。 (このファイルを再度作ると読み出し専用で mount されるようになります)
また、/var は RAM 上に作成されるため、/var 以下に作成したファイルは再起動 時に削除されます。/var は起動時に/ext1/var に保存されている内容にしたがって、 起動するたびに新しく作成(コピー)されます。
TM-100 のファイルシステム構成方法の詳細については/etc/rc.d/rc.sysinit フ ァイルと/etc/fstab ファイルおよび/bin/df, /bin/mount コマンドの出力内容をご 参照下さい。
2.5 ソフトウェアのバージョンと更新
2.5.1 ソフトウェアのバージョン
TM-100 では、基板上のフラッシュ ROM に格納されている Linux kernel(主に デバイスドライバ)、CF 上に格納されているルートファイルシステム(主にアプリ ケーション)のソフトウェアのバージョンを以下の方法で確認することができます。
Linux kernel のバージョン
ファイル /proc/version に記述されています。以下のコマンドで確認できます。
例:
[root@TM-100 ~]# cat /proc/version
Linux version 2.2.13 (ver 1.05tm [email protected]) (gcc version 2.95.2 19991024 (release/franzo)) #2662 Mon Jun 10 09:07:30 EDT 2002
上記の例は、センチュリー・システムズ製 Linux kernel のバージョンは、太 字部分で表示されている“1.05tm”となります3。 CF ルートファイルシステムのバージョン CF ルートファイルシステム上のファイル /etc/version に記述されています。 以下のコマンドで確認できます。 例:
root@TM-100 ~]# cat /etc/version TM-100 1.00tm 上記の例は、センチュリー・システムズ製 CF ルートファイルシステムのバージ ョンは、太字部分で表示されている“1.00tm”となります4。 3 2002 年 7 月 10 日時点での最新カーネルは、1.05tm です。 4 2002 年 7 月 10 日時点での最新カーネルは、1.00tm です。
2.5.2 Linux kernel の更新
本体基板上のフラッシュ ROM に格納されている Linux kernel(主にデバイスド ライバ)の更新方法には、TCP ダウンローダを使用します。別紙“Linux kernel 更 新用 TCP ダウンローダ ユーザーズ・ガイド TM-100 版”をご参照ください。 2.5.3 CF ルートファイルシステムの更新 本装置のアプリケーション全体を更新する場合は CF カード上のファイルシステムを 更新します。この場合、本装置をいったんフラッシュ ROM から起動(initrd ブート) し、その状態で CF カード上のルートファイルシステムを上書き更新します。
“ROM から起動(initrd で起動): DTE & Ethernet を使用“モードで、TM-100 を立ち 上げて下さい。この時、TM-100 は、RAM ディスクモードとなり、デフォルトの IP であ る、192.168.253.254 で立ち上がります。 この時 CONFIG スイッチは以下のように設定します。 1 2 3 4 ON ON ON OFF http://192.168.253.254/ に Internet Explorer 等でアクセスします。TM-100 用の CF ファームウェアアップデートページを開きます。ここで、画面上の参照ボタンを 押して、更新する CF イメージファイル(tm100-xxxx-HDDIMG-64MB.img)を参照し、 更新ボタンを押します。TM-100 とブラウザの送受信には、数分強程度かかりますの で、ブラウザがアクセス中の場合は、ブラウザの停止ボタンを押さないように注意 してください。更新終了のダイアログが出たら、いったん TM-100 の電源を切り、 CONFIG スイッチの設定を所望のモードに戻し、電源を入れて下さい。
第 3 章
ネットワーク機能の設定
3.1 ネットワーク機能の概要 ネットワーク機能の設定方法は通常の Linux の場合と同様です。 設定方法 関連する主なファイル 設定項目 コマンド ネットワークデバイスの設定 ifconfig /etc/sysconfig/network-scripts/* IP アドレスの設定 ifconfig /etc/sysconfig/network-scripts/* ネットマスクの設定 ifconfig /etc/sysconfig/network-scripts/* 静的ルーティングの設定 route /etc/rc.d/rc.sysinit デフォルトゲートウェイの IP route /etc/sysconfig/network パケットフィルタ ipchains /etc/rc.d/rc.sysinit IP フォワーディング ipchains /etc/rc.d/rc.sysinit IP マスカレード ipchains /etc/rc.d/rc.sysinit PCMCIA モジュールの設定 cardmgr /ext1/var/pcmcia/*5
《 表 TM-100 で使用可能なネットワークコマンドのまとめ 》
詳細については各コマンドやファイルの man ページなどを参照して下さい。なお、 本装置には man ページは付属していませんので、他の LinuxPPC Release5 システ ムの man ページを参照するか、インターネット上のドキュメントを参照して下さい 6。
5 /etc/pcmcia/* は、/etc/rc.d/init.d/pcmcia から制御される cardmgr の起動・再 起動時の設定となります。また、
6 Linux JF (Japanese FAQ) Project のページ(http://www.linux.or.jp/JF/) 等が参 考になります。 3.2 IP アドレスの設定 本装置にはデフォルトで次のような IP アドレスが設定されています。 Ether0 (10Base-T): 192.168.253.254 このアドレスはそのまま使うこともできますし、ネットワーク環境に合わせて変更 することもできます。IP アドレスの変更は ifconfig コマンドでおこなえます。 設定例: /sbin/ifconfig eth0 192.168.1.1 次回以降も有効にしたい場合は、/etc/sysconfig/network, /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 ファイルに設定します。 /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 ファイルの設定例: DEVICE=eth0 ONBOOT=yes
# when DHCP client, uncomment follows ... #BOOTPROTO=dhcp
# when use dhcp, use these IP until decide network info.
IPADDR=192.168.1.1 NETMASK=255.255.255.0 NETWORK=192.168.1.0 BROADCAST=192.168.1.255
3.3 ルーティングの設定 3.3.1 ルーティング機能 本装置は次の 3 種類のルーティングをサポートします。 デフォルトルーティング スタティックルーティング ダイナミックルーティング TM-100 はデフォルトでパケットをルーティング(フォワード)する設定に なっています。これは/etc/rc.d/rc.local ファイルの以下の行で 有効になっています。 echo 1 > /proc/sys/net/ipv4/ip_forward 3.3.2 デフォルトゲートウェイ デフォルトゲートウェイは、telnet ログインで、route コマンドを使って設定できま す。route コマンドは次のように使用します。(192.168.0.254 がルータの場合)
# /sbin/route add default gw 192.168.0.254
route コマンドを使って設定した内容は、再起動後は反映されませんのでご注意下 さい。再起動後も有効にしたい場合は、/etc/sysconfig/network ファイルに設定し ます。 /etc/sysconfig/network ファイルの設定例: NETWORKING=yes HOSTNAME=TM-100 DOMAINNAME=localdomain.co.jp FORWARD_IPV4=no GATEWAY=192.168.0.254 GATEWAYDEV=eth0 3.3.3 スタティックルーティング スタティックルーティングは route コマンドによって追加できます。route コマンドを /etc/rc.d/rc.sysinit ファイルの末尾に記述することで起動時に自動的に設定されま す。 192.168.200.0 のネットワークへの静的経路を追加する例: # route add – net 192.168.200.0/24 gw 192.168.1.10
このコマンドは 192.168.200.0 のネットワークに対するルータとして 192.168.1.10 のゲートウェイを指定します。
/etc/rc.d/rc.sysinit ファイルへの追加例:
route add -net 192.168.200.0/24 gw 192.168.1.10
/usr/bin/logger – p user.info " --- TM-100 is booted ---"
3.3.4 IP マスカレードの設定
TM-100 では ipchains コマンドを使って IP マスカレードやパケットフィルタの設定を おこなうことができます。
・192.168.1.0 の LAN からの全てのアクセスをマスカレードする (192.168.1.0 以外の LAN からのアクセスはマスカレードしない)
# ipchains -P forward DENY
# ipchains -A forward -s 192.168.1.0/24 -d 0.0.0.0/0 -j MASQ
TM-100 起動後にこの設定を有効にする場合は/etc/rc.d/rc.local ファイルに 上記のコマンドを追加して下さい。
・設定内容の表示
# ipchains -n -L forward ・IP マスカレードを解除する
# ipchains -D forward -s 192.168.1.0/24 -d 0.0.0.0/0 -j MASQ
装着して WAN に接続したときに、WAN 側の IP アドレスを使って LAN 内のサーバを 公開することができます。この操作には ipmasqadm コマンドを利用します。 PPP と同時に使用する場合は/etc/ppp/ip-up に下記のコマンド列を追記します。 --- /usr/sbin/ipmasqadm portfw -f /usr/sbin/ipmasqadm portfw -a -P tcp -L 192.168.100.254 8080 -R 172.16.253.60 80 /usr/sbin/ipmasqadm portfw -a -P tcp -L 192.168.100.254 8081 -R 172.16.253.61 80 /usr/sbin/ipmasqadm portfw -a -P tcp -L 192.168.100.254 8082 -R 172.16.253.62 80 /usr/sbin/ipmasqadm portfw -a -P tcp -L 192.168.100.254 8083 -R 172.16.253.63 80 3.3.5 パケットフィルタの設定 パケットフィルタの設定は ipchains コマンドを使っておこないます。 主な使用例を示します。 ・ソースアドレスが 192.168.0.0/24 を持つパケットを拒否する
# ipchains -A input -s 192.168.0.0/24 -j DENY ・上記のフィルタルール(チェーン)を削除する
# ipchains -D input -s 192.168.0.0/24 -j DENY ・192.168.0.1 の SMTP ポートへの接続をすべて拒否する
# ipchains -A input -p tcp -s 0/0 -d 192.168.0.1 smtp -j DENY ・192.168.0.1 の NetBIOS ポートへの接続をすべて拒否する
# ipchains -A input -p tcp -s 0/0 -d 192.168.0.1 137:139 -j DENY # ipchains -A input -p udp -s 0/0 -d 192.168.0.1 137:139 -j DENY ・192.168.0.1 の Web サーバへのアクセスを許可する
# ipchains -A input -p tcp -s 0.0.0.0/0 -d 192.168.0.1 http -j ACCEPT
・設定されているフィルタルールを表示する # ipchains –L ・全ての設定ルールを削除する # ipchains -F input # ipchains -F forward # ipchains -F output 3.4 TM-100 の IP アドレスがわからなくなった場合の対処 TM-100 にいったん設定した IP アドレスがわからなくなってしまうとネットワークから のアクセスができなくなります。この場合は以下の手順にしたがって IP アドレスを確 認、もしくは変更して下さい。 1. TM-100 の電源を切る 2. ディップスイッチを ROM から起動するモードに変更する 1 2 3 4 ON ON ON OFF (下 下 下 上 ) 3. LAN ケーブルを接続する 4. TM-100 の電源を入れる 5. PC の IP アドレスを”192.168.253.XXX”に変更する 6. TM-100 の起動が完了したことを確認する 7. PC から TM-100 に telnet でログインする > telnet 192.168.253.254 TM-100 login: root Password: root 8. CF カードのルートファイルシステムを書き込み可能モードでマウントする
[root@TM-100 ]# mount -rw /dev/hda1 /mnt/ide0
9. ファイルの内容を確認、もしくは変更する
[root@TM-100 ]# cd /mnt/ide0/etc/sysconfig/network-scripts [root@TM-100 /mnt/ide0/etc/sysconfig/network-scripts]# vi ifcfg-eth0
ONBOOT=yes ・・・ IPADDR=192.168.0.102 <<< IP アドレスを確認(変更)する NETMASK=255.255.255.0 NETWORK=192.168.0.0 BROADCAST=192.168.0.255 なお、デフォルトゲートウェイを変更する場合は次のファイルを編集する。 /mnt/ide0/etc/sysconfig/network 10. TM-100 を停止する
[root@TM-100 /mnt/ide0/etc/sysconfig/network-scripts]# shutdown -h now
gotofastdown
Broadcast message from root (ttyp0) Tue Sep 2 19:54:32 2003...
The system is going down for system halt NOW !! shutdown: sending all processes the TERM signal...
11. TM-100 の停止を LED で確認し、電源を切る 12. ディップスイッチを CF カードから起動するモードに変更する 1 2 3 4 ON OFF ON OFF ( 下 上 下 上 ) 13. PC の IP アドレスを元に戻す 14. TM-100 の新しい IP アドレスに telnet して接続を確認する > telnet 192.168.0.102 TM-100 login: root Password: root
第 4 章
インターフェースの仕様
4.1 ソフトウェアインターフェースの概要
ここでは、TM-100 のハードウェアに対する Linux ソフトインターフェースについ て説明します。
DoPa Mobile Ark 及び AirH"を使用し DCE(RS-232 機器)及び Ethernet や DIO を遠 隔で監視・制御するための通信経路を確保します。TM-100 により各種 RS-232 機器を 初めとする様々な装置を遠隔で制御することが可能となります。
TM-100 は、以下の I/O および通信インターフェースを持ちます。
DTE : D-Sub 9 pin RS-232
DCE : D-Sub 9 pin RS-232(CONFIG SW により 10Baset-T Ethernet と切替) 10Base-T
DC OUT の電源コントロール(リセット動作) 8bit DIO (4bit Digital Input/ 4bit Digital Ouput) コンパクトフラッシュカード型 PC カードインタフェース
DoPa Mobile Ark 等のモデム機器は RS-232 のストレートケーブルを使って、DTE ポー トに接続します。 監視、制御対象となる RS-232 装置(DTE 機器)は、通常は DCE ポートに RS-232 のス トレートケーブルを使って接続します。DCE ポートで受け取ったデータは本装置の DTE ポートもしくは PCMCIA カード経由で遠隔地に送信できます。同様にデータを受 信することも可能です。ただし、DCE ポートを使用する場合は、10Base-T ポートは 使用できません。 監視や制御対象となる RS-232 機器を DTE ポートに接続する場合は RS-232 のクロス 結線のケーブルで接続します。DTE ポートで受け取ったデータは本装置の DCE ポート に接続したモデム機器もしくは Ethernet、もしくは PHS などの PCMCIA カード経由で 遠隔地に送信できます。同様にデータを受信することも可能です。
4.2 シリアルインターフェース (DTE, DCE)
DTE, DCE ポートともにコネクタは D-Sub 9 pin オス仕様となっています。 Linux 上からは、シリアルデバイスとしてインターフェースが用意され、以下 のように対応しています7。 DTE ポート: /dev/ttyS1 DCE ポート: /dev/ttyS2 ボーレートは、300,600,1200,2400,4800,9600,19200,38400, 57600,115200 bps に対応します。 また、PHS カードなど PCMCIA スロット上のシリアル機器は/dev/ttyS3 として アクセスできます。 7 DCE ポートは、CONFIG スイッチによるモード選択によっては、使用できませんので注意してく ださい。
4.3 8bit Digital Input/Ouput (DIO)インタフェース
本装置の DIO ポートは 8bit デジタル入力もしくは、8bit デジタル出力、もしくは 4bit デジタル入力+4bit デジタル出力のいずれかのモードでアクセスできます。こ れらのモードは DIO インタフェースファイルで使い分けることができます。この DIO インタフェースを read/write することにより、遠隔地の装置の ON/OFF の制御や ON/OFF 状態の取得ができます。 4.3.1 対応するファームウェア TM-100 のカーネルのバージョンは/proc/version ファイルで確認してください。 以下のコマンドで確認できます。 # cat /proc/version 以下のように出力されることを確認してください。以下のメールアドレスの左側 の数字が、お使いの TM-100 の ROM に格納されている Linux カーネルのバージョン 番号です。 以下は、1.10tm の場合の例です。
# Linux version 2.2.13 (ver 1.12tm [email protected]) (gcc version 2.95.2 19991024 (release/franzo)) #2632 Mon Jun 3 1 8:29:30 EDT 2002
CF のバージョンについて
内蔵 CF カードに格納されているファイルシステムイメージのバージョンは /etc/version ファイルで確認してください。以下のコマンドで確認できます。 # cat /etc/version
以下のように出力されることを確認してください。 [root@TM-100 ]# cat /etc/version
4.3.2 DIO (Digital Input/Output) ポートのピンアサイン
DIO(Digital Input/Output)ポートのピンアサインは基板の CONFIG スイッ チ(ディップスイッチ)のある側を下にすると以下のようになります。 ※ピン番号のスタートが 0 で、エンドが 7 です。 G G ← G: グランド 7 6 5 4 3 2 CONFIG SW 1 0 ■■■■ オプションのフラットケーブルを使用する場合は、赤色の線がある方を 下にして挿入してください。赤色の線が 0 番のピンに対応します。 4.3.3 未使用の端子の処理
DIO の ON/OFF 状態を安定させるため、使用しない DIO の端子については 以下の処置をおこなって下さい。 ■入力で使用する時 TM-100 側 使用装置側 各端子 入力端子 入力端子 未使用端子 未使用端子 GND GND 上図の未使用端子は、グランドに落すか、10kΩ程度で pull up して下さい。 ■出力で使用する時 TM-100 側 使用装置側 各端子 入力端子 入力端子 未使用端子 → Open で可 未使用端子 → Open で可
4.3.4 DIO ピン番号、フラットケーブル、DSUB ピン番号の対応 TM-100 の基板面に実装されている DIO ポートは、オプションのフラットケ ーブルを使って外部に引き出すことができます。このオプションケーブルは DSUB-9 ピン仕様となっています。このケーブルおよび DSUB コネクタのピン 配置を以下にまとめます。 DIO ピン番号 0 1 2 3 ケーブル色 赤 灰 灰 灰 DSUB ピン番号 1 6 2 7 DIO ピン番号 4 5 6 7 G G ケーブル色 緑 灰 灰 灰 灰 緑 DSUB ピン番号 3 8 4 9 5 - ※G はグランド 各ピン入力値が単独で ON の場合の /proc/driver/diout_state の値は、次のよ うに表示 (cat /proc/driver/diout -state 等) されます。
DIO ピン番号 0 1 2 3 diout 値 1 2 4 8 DIO ピン番号 4 5 6 7 diout 値 10 20 40 80 4.4 DC OUT 電源の制御 TM-100 は、DC-OUT 5V による電源出力端子を備えています。デバイスファイ ル /proc/driver/arkreset を使用することにより、リセット動作(一時的に電源 OFF)することが可能です。 使用例:
4.5 コンパクトフラッシュカード型 PC カードインタフェース 4.5.1 CF 型 PC カードインターフェース概要 TM-100 は、コンパクトフラッシュカード型の PC カードインターフェース スロットを持っています。動作確認済のデバイスは以下のとおりです。 P-in m@ster8 P-in comp@ct9 CF 型 PHS カード
Air H” Card petit RH2000P10 無線 LAN インターフェースカード GW-CF11011 なお、カードの抜き差しは、電源を切ってからおこなってください。 4.5.2 CF 型 PC カード制御用コマンドとその使用方法 カードの制御には、以下のコマンドを使用して下さい。カードを認識できな い時などに、カードを認識することが可能になります。 カードの認識状況 Cardctl ident カードのソフトイジェクト処理 cardctl eject カードのソフトインサート処理 cardctl insert 使用例:
[root@TM-100 ~]# cardctl eject [root@TM-100 ~]# cardctl insert [root@TM-100 ~]# cardctl ident Socket 0: product info: "TDK", "RH2000", "" manfid: 0x0105, 0xc1ab function: 2 (serial) 8 NTT DoCoMo, シャープ株式会社 9 NTT Docomo, 松下通信工業株式会社 10 DDI Pocket, TDK 株式会社 11 プラネックスコミュニケーションズ株式会社 4.5.2 各種カードに対する注意事項 使用するコンパクトフラッシュカード型 PC カードが、PHS カードの場合に は、デバイスファイルとして、/dev/ttyS3 が作成され、それを使用して、PPP によるダイアルアップ等が可能です。pppd の設定(/etc/ppp/に設定)時には、 発呼する対象として、/dev/ttyS3 を指定し、AT コマンドでは、フローコントロ ールを使用しないようにして下さい。 また、CF ルートファイルシステムのデフォルト構成では、Linux 上の PCMCIA デバイスの起動時に、/ext1/var/pcmcia/ からロードされ、/etc/pcmcia/ に配置されますので、ご注意ください。
4.6 CF インターフェース(IDE)
TM-100 の本体基板の裏面に CF インターフェースがあり、ここにルートファイルシ ステムが構成されています。別売の「TM-100 開発環境用 CF カード」と入れ替えるこ とにより、アプリケーションの作成が可能となります。
Linux からは、IDE インターフェースとして見え、デバイスファイルは、/dev/hda となります。
第 5 章
RS-232 機器の監視と制御
5.1 RS-232 装置の制御、監視の概要 TM-100をRS-232装置の監視や制御に使用する場合は、次の3つのアプリケーショ ンのいずれかを利用します。 ser2net コンピュータからTM-100に接続するシステムで使用 コンピュータ側ではtelnetやsocketアプリケーションを利用 redirector コンピュータからTM-100に接続するシステムで使用 コンピュータ側ではWindowsのCOMアプリケーションやsocketア プリケーションを利用 logserial TM-100からコンピュータに接続をかけるシステムで使用5.2 ser2net を利用した監視・制御
5.2.1 システム構成
DTE ポートもしくは DCE ポートに接続した RS-232 機器のデータを、LAN 上の PC から取得する場合のシステムの構成例を示します。 データ LAN DTEポート 10BASE-T RS232クロスケーブル 接続要求 このシステムを実現するには、TM-100 では ser2net デーモンを起動しておき、 データを取得するホストコンピュータから telnet もしくは任意の TCP クライア ントアプリケーションを使って接続します。TCP セッション確立後、ホストコ ンピュータから TM-100 に接続した RS-232 機器のデータの取得や RS-232 機 器へのコマンドやデータの送信をおこないます。LAN の代わりに無線 LAN や PHS、DoPa 網などを利用した PPP 接続で遠隔地から TM-100 を利用すること もできます。 5.2.2 ser2net デーモンの概要 ser2net デーモン(/usr/sbin/ser2net)は RS-232 ポートから受信したデータ を TCP ポートに流したり、逆に TCP ポートから受信したデータを RS-232 ポ ートに流す機能を持ちます。文字ベースのデータのやりとりであれば telnet コ マンドを TCP クライアントとして利用することで、簡単に LAN 経由で TM-100 の RS-232 ポートをアクセスできます。また、telnet に限らず任意の TCP クラ イアントアプリケーションから接続できるため、非表示文字を含むデータのや りとりも可能です。 ser2net デーモンが使用する TCP ポート番号や RS-232 ポートの通信条件な どはすべて/etc/ser2net.conf ファイルで設定します。また、”コントロールポー ト”を設定することにより、この設定をリモートで変更することもできます。 この他、接続を許すホストを制限するなどのセキュリティ機能も備えています。 ser2net デーモンは、TCP のセッションが張られたときに RS-232 ポートを オープンします。接続用のポート番号は複数設定できますが、1 つの RS-232 ポ ートに対して同時に接続できるのは 1 セッションのみです。 ser2net の接続用のポート番号を 33336 とした場合、コンピュータ側では次 の手順で接続します。 例: > telnet 192.168.1.1 33336 以降、画面からの入力はそのままTM-100のRS-232ポートに送られます。 また、TM-100のRS-232ポートで受信したデータはtelnetの画面にそのまま 表示されます。 ser2net では基本的にデータのやりとりのみをおこないます。RS-232 の信号 線の制御をおこなう場合は ser2net のコントロールポート(後述)を使うか、 もしくは COM リダイレクトサーバ(5.3 節)をお使い下さい。 5.2.3 ser2net の設定 ser2net の動作内容を決める/etc/ser2net.conf ファイルは次の形式を持ちます。 <TCP port>:<state>:<timeout>:<device>:<options>
エントリの各項目の意味は次のとおりです。 TCP port 接続用のTCPポート番号を指定します。TM-100内で動作するその他のサーバ アプリケーションが使用するポート番号と重ならない番号を選んで下さい。 state 以下のいずれかを指定します。 raw コンピュータ側からsocketアプリケーションで接続 する場合はこのキーワードを指定します。 rawlp コンピュータ側からsocketアプリケーションで接続 する場合にこのキーワードを指定できます。 プリンタ接続用に用意されたモードで、termioの設定 をまったく参照しない点がrawの場合と異なります。 telnet コンピュータ側からtelnetで接続する場合はこの キーワードを指定します。 off コンピュータからの接続を許しません。通常はser2net のTCPポートを閉じておき、コントロールポートからポ ートを開く操作をおこなったときだけ接続を許す場合 に使用します。 timeout ここで指定した時間(秒)無通信の状態が続くとTCPセッションを切断しま す。 device 接続するデバイスファイルを指定します。TM-100では以下が指定できます。 /dev/ttyS1 DTEポート /dev/ttyS2 DCEポート options RS-232ポート(DTE/DCEポート)の通信条件を指定します。以下のキーワード をスペースで区切って指定します。TM-100に接続するRS-232機器の仕様に 合わせて選択して下さい。 ボーレート: 300, 1200, 2400, 4800, 9600, 19200, 38400, 57600, 115200 パリティ:
EVEN, ODD, NONE
ストップビット: 1STOPBIT, 2STOPBITS データ長: 7DATABITS, 8DATABITS フロー制御: XONXOFF XON/XOFFフロー制御をおこなう -XONXOFF XON/XOFFフロー制御をおこなわない RTSCTS ハードウェアフロー制御をおこなう -RTSCTS ハードウェアフロー制御をおこなわない LOCAL 制御信号(DCD DTR)を無視する -LOCAL 制御信号(DCD DTR)を無視しない 設定例: (1)DTEポートにtelnetコマンドでアクセスする 33336:telnet:0:/dev/ttyS1:9600 TM-100 の 33336/TCP ポートに telnet で接続すると、TM-100 の DTE ポートに直接アクセスできるようになります。 (2) DTEポートにソケットアプリケーションでアクセスする 2002:raw:600:/dev/ttyS1:115200 NONE 1STOPBIT 8DATABITS -XONXOFF LOCAL RTSCTS TM-100の2002/TCPポートにソケットアプリケーションから接続する
ため、rawモードを指定している。DTEポートは115200bps, 8bit, パリティなし, 1ストップビット, ハードウェアフロー制御, 制御信号 は無視、の属性でオープンする。
5.2.4 ser2net の運用 TM-100 起動時に ser2net デーモンを自動起動させたい場合は、 /etc/sysconfig/config の以下の部分を変更してください。 自動起動しない場合(デフォルト): ・・・ # ser2net START_SER2NET=OFF ・・・ 自動起動する場合: ・・・ # ser2net START_SER2NET=ON ・・・ なお、手動で起動・停止する場合は、以下のスクリプトが利用できます。 /etc/rc.d/init.d/ser2net [start│stop│restart] ser2net では接続用の TCP ポートとは別に、ser2net の動作を制御するため の”コントロールポート”を指定できます。コントロールポートは ser2net デ ーモン起動時の -p オプションで指定できます。 TM-100側起動例: # ser2net -p 30000 コントロールポートへの接続例: > telnet 192.168.1.1 30000 Trying 192.168.1.1... Connected to 192.168.1.1. Escape character is '^]'. 上記の場合、TCP ポート 30000 がコントロールポートになります。 コントロールポートに接続すると次のコマンドが利用できます。 exit - コントロールポートとの接続を切断する。 help - ヘルプメッセージを表示する。 version - バージョン情報を表示する。
monitor <type> <tcp port> - 接続ポートへの入力を監視する。同時には一方向 の監視しかできない。typeフィールドにtcpを指定した場合は、指定し たTCPポート番号へのLAN側からの入力を監視する。termを指定した場 合はRS-232ポートからの入力を監視する。
monitor stop - 監視を中止する。
disconnect <tcp port> - 指定したポート番号のTCPセッションを切断する。 showport [<tcp port>] - ser2netが使用するすべてのTCPポートの接続状態や
属性を表示する。TCPポート番号を指定した場合は、そのTCPポートに 関する情報だけを表示する。
showshortport [<tcp port>] - ser2netが使用するすべてのTCPポートの接続状態 や属性を一行に1エントリの形式で表示する。TCPポート番号を指定し た場合は、そのTCPポートに関する情報だけを表示する。
setporttimeout <tcp port> <timeout> - ser2netで使用するTCPポートに対して 無通信タイムアウト時間(秒)を設定する。
setportconfig <tcp port> <config> - 指定したTCPポート番号に関するRS-232 側の通信条件を設定する。configで指定できる内容は
/etc/ser2net.confのoptionsで指定する項目と同じ。
300, 1200, 2400, 4800, 9600, 19200, 38400, 115200, EVEN, ODD NONE, 1STOPBIT, 2STOPBITS, 7DATABITS, 8DATABITS, LOCAL (ignore modem control), [-]RTSCTS, [-]XONXOFF.
なお、このコマンドでの変更は接続ポートに次に接続したときから有 効になる。
setportcontrol <tcp port> <controls> - 指定した接続中のTCPポートに関する RS-232ポートの信号線の制御をおこなう。
DTRHI DTRをHighにする DTRLO DTRをLowにする RTSHI RTSをHighにする RTSLO RTSをLowにする
setportenable <tcp port> <enable state> - /etc/ser2net.confで設定したTCP ポートの状態を制御する。 以下の状態制御が可能。 off - TCPポートを閉じる raw - TCPポートをrawモードで接続可能にする rawlp - TCPポートをrawlpモードで接続可能にする telnet - TCPポートをtelnetモードで接続可能にする 5.3 COM リダイレクタを利用した制御・監視 5.3.1 システム構成
DCE ポートに接続した RS-232 機器のデータを、LAN 上の WindowsNT/2000/XP から仮想 COM ポートを利用して取得する場合のシステム構成例を示します。 データ LAN DTEポート 10BASE-T RS232クロスケーブル 接続要求 COMリダイレクタ このシステムを実現するには、TM-100 では COM リダイレクトサーバ (/usr/sbin/redirector)を起動しておき、データを取得するホストコンピュ ータから COM リダイレクタもしくは同プロトコルを実装した任意の TCP クラ イアントアプリケーションを使って接続します。COM リダイレクタを使用する と TM-100 の DTE ポートを Windows の(仮想の)COM ポートとしてアクセ スできるようになります。
COM リダイレクタを使用せず socket ライブラリを使ってアクセスすること もできます。この場合、ser2net を利用する場合に比べて通信手順は複雑になり ますが、RS-232 の信号線の制御やブレーク信号の送信などきめ細かな RS-232 装置の制御が可能です。
5.3.2 COM リダイレクタの概要
Windows NT/2000/XP COM リダイレクターを使うと、ネットワーク上の Windows マシンから、TM-100 の DTE ポートを Windows の仮想 COM ポート として利用できるようになります。そのため、Windows 用に開発された COM ポートを利用するアプリケーションをそのまま TM-100 を利用したシステムで 利用できます。(ただし、すべてのアプリケーションの動作を保証するものではありま せん。詳細は後述。) また、アプリケーションから RS-232 信号線の制御、ブレーク信号の送受信 をおこなうこともできます。この COM リダイレクターを利用することで RS-232 装置を TM-100 に接続し、Ethernet 経由でアクセスするように構成し ても COM ポート用に作成されたアプリケーションをそのまま使用できます。 この機能を利用する場合、TM-100 では COM リダイレクトサーバを起動し、 コンピュータ側では COM リダイレクタ(クライアントに相当)をインストー ル・起動する形になります。
なお、COM リダイレクタが使用する“RS port control protocol”は仕様を公 開しているため、COM リダイレクタと同様の機能を socket アプリケーション で実現することも可能です。 5.3.3 COM リダイレクトサーバの設定 TM-100 の COM リダイレクトサーバは、/etc/configuration ファイルを使 って設定します。 /etc/configuration ファイルは次の形式を持つエントリから なります。 <キーワード> <サブキーワード> <設定値> <newline> キーワードには次の4種類があります。 redirector – リダイレクトサーバの基本設定に使用します rs – RS-232 ポートの通信条件の設定に使用します mail – RS メールモードの設定に使用します(5.4 節参照) ping –PING keepalives の設定に使用します
redirector キーワードに対するサブキーワード: サブキーワード 設定値 説明 tcpport 0 以外の整数 COM リダイレクタサーバが待ち受ける TCP ポート番号を指定します。 この値は COM リダイレクタ(クライア ント)と合わせる必要があります。 connectiontimeout 0 を含む正の整数 接続エラーを返すまでの秒数を指定し ます。0 ではタイムアウトしません。 rs キーワードに対するサブキーワード: サブキーワード 設定値 説明 flow Rtscts RTS/CTS フロー制御を指定します。 Xonxoff XON/XOFF フロー制御を指定します。 Both XON/XOFF と RTS/CTS フロー制御の 両方を指定します。 None フロー制御をおこないません。 baud 300, 600, 1200, 2400, 4800, 9600, 19200, 38400, 57600, 115200, 230400, 460800 RS-232 ポートのボーレートを指定し ます。 data 8, 7, 6, 5 RS-232 のデータ長を指定します。 parity 0, 1, 2 パリティの扱いを指定します。 0: パリティなし 1: 奇数(odd)パリティ 2: 偶数(even)パリティ stopbits 0, 1, 2 ストップビット長を指定します。 0: 1 Stop bits 1: 1 Stop bits 2: 2 Stop bits xon 0 – 255 XON の文字コードを 10 進数で指定し ます。 xoff 0 – 255 XOFF の文字コードを 10 進数で指定し ます。 universaltimeout 0 を含む正の整数 接続している時間を制限する場合はこ の項目を設定して下さい。0 より大きい 値にすると、その秒数が経過したら通 信データの有無に関わらずセッション を切断します。”0”にすると切断はお
こないません。 inactivitytimeout 0 を含む正の整数 無通信タイマによる切断をおこなう場 合は、この項目を設定して下さい。無 通 信 タ イ マ で 指 定 し た 時 間 以 上 、 TM-100 とホストコンピュータの間で データのやりとりがないと接続を切り ます。時間は分単位で、以下のように 設定します。”0”にすると切断はおこ ないません。 activitytimeout 0 を含む正の整数 アクティビティタイマによる切断をお こなう場合は、この項目を設定して下 さい。アクティビティタイマを指定す ると、RS-232 ポートにデータを送って から、指定した時間内に応答がなけれ ば接続を切ります。RS-232 側の機器が 動作しているかどうかをチェックの利 用できるため、機器が応答しない状態 になっている場合は、TCP のセッショ ンを切ることができます。時間は秒単 位で設定します。”0”にすると切断は おこないません。 ping キーワードに対するサブキーワード: サブキーワード 設定値 説明 enable なし enable にするとクライアントが接続し ている間、TM-100 からクライアントに 対して定期的に ping パケットを送信す る。クライアントが異常終了したり、ネ ットワークが切断された場合、ping のタ イムアウトによってこれが検知できる。 *1 検知した場合はその TCP セッションを 切断するため、次の接続要求を受け取れ る。 disable なし ping によるクライアントの生死の確認 をおこなわない。 interval 0 を含む正の整数 ping によるクライアントの確認をおこ なう際の時間間隔を秒数で指定する。 1(秒)など短い時間を設定するとそれが 負荷になる点に注意。 count 0 を含む正の整数 ping が何回失敗したら相手が停止した とみなすかを指定する。 *1 ただし、クライアントの OS やネットワークが生きていてアプリ ケーションのみが異常終了した場合は、ping の応答が返ってくるため これを検知できません。 設定値のデフォルトは以下のとおりです。 redirector tcpport 33334 redirector connectiontimeout 10 rs flow 0 rs baud 115200 rs data 8 rs parity 0 rs stopbits 0 rs xon 17 rs xoff 19 rs universaltimeout 0 rs inactivitytimeout 0 rs activitytimeout 0
mail mailto [email protected] mail mailfrom [email protected] mail subject mail header mail footer mail timeout 0 mail delimiter 32 mail size 0 mail number 0 ping disable (not enabled) ping interval 0 ping count 0 /etc/configuration ファイルの設定後、リダイレクトサーバは次のように起動し ます。 # /usr/sbin/redirector & …出力…
5.3.4 COM リダイレクタ(クライアント)のインストールと設定 COM ポートを使用するアプリケーションを動作させたい PC 側に WinNT/2000/XP COM リダイレクターをインストールします。 □ 「WinNT/2000/XP COM リダイレクタ」のインストール 1. Windows 上で他のアプリケーションプログラムが動作している場合は、 すべて終了させてください。 2. マニュアル/ユーティリティ CD-ROM をパソコンの CD-ROM ドライブに 挿入してください。 3. Windows のスタートメニューの中から「ファイル名を指定して実行(R) …」を選んでください。 4. 参照(B)…ボタンをクリックしてください。
5. CD-ROM ドライブを開き、「Win COM リダイレクター」のフォルダを開い てください。 6. フォルダ内の"setup.exe"を選択し、開く(O)ボタンをクリックしてく ださい。 7. OK ボタンをクリックしてください。 8. 画面に表示される指示に従って操作してください。 □ 「WinNT/2000/XP COM リダイレクタ」のダウンロードインストール 1. センチュリー・システムズのホームページから「WinNT/2000/XP COM リダイレクター Ver.3.0x」をダウンロードして下さい。 2. ダウンロードが完了したら作業用のディレクトリに解凍して下さい。 3. 解凍したフォルダ内の setup.exe を実行して下さい。 4. 画面に表示される指示に従って操作してください。 □ WinNT/2000/XP COM リダイレクタの設定 COMリダイレクタに接続先の TM-100 の情報を設定します。 (1) WinNT/2000/XP COM リダイレクタを起動します。
「WinNT/2000/XP COM リダイレクタ Ver.3.0X」は起動するとタスクバーの右下に アイコンの状態で常駐します。
このアイコンをクリックすると設定用の画面が開きます。
(2) WinNT/2000/XP COMリダイレクターの画面の[登録]ボタンをクリッ クしてください。「リダイレクトポートの登録」ダイアログが開きます。
(3) 以下の項目を設定して下さい。 ・リダイレクトポート
WinNT/2000/XP COM リダイレクターは WindowsNT/2000/XP 上に 仮想の COM ポートを作ります。そのポート名を設定してください。 ※ COM3、COM4…という定義済みポート名のほかに、お客様が独自にポー ト名を定義することもできます。(例:TM-100PORT) ポート名は英数字 64 文字未満で設定してください。 ※ COM1、COM2 のような物理的に存在するポート名は指定しないで下さい。 COMポートの競合により WindowsNT/2000/XP がクラッシュする場合があ ります。 ・サーバー名/IP アドレス TM-100 の IP アドレスを設定してください。hosts ファイルにサーバ名 を定義している場合は、その名前でも構いません。 ・サーバーシリアルポート TM-100 には COM リダイレクタで利用できる RS-232 ポートが1つ(DTE ポー ト)しかないので、"1"以外の値は設定できません。 ・TCP ポート番号 TM-100 の TCP ポート番号を設定します。対応する TM-100 の TCP Port number の設定内容と合わせて下さい。 以上を設定して OK ボタンを押すと次の様な表示になります。 (4) 設定内容を、COM リダイレクタの実行ファイルと同じフォルダに任意の ファイル名で保存して下さい。 COMリダイレクター画面の”登録データの保存”ボタンを押すと保存先のファイ ル名が指定できます。ショートカットへの登録を簡単にするために、COM リダイレ クターのバイナリと同じフォルダに保存して下さい。ファイル名や拡張子は何でも 構いません。