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N-カドヘリンはJLPを介してp38シグナル伝達を制御する。アルツハイマー病における神経変性への考察

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. N-cadherin regulates p38MAPK signaling via association with JLP: Implications for neurodegeneration in Alzheimer's disease.( Abstract_要旨 ) Ando, Koichi. Kyoto University (京都大学). 2011-03-23. http://hdl.handle.net/2433/142094. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学. 博士( 医 学) 氏 名 安 藤 功 一 N-cadherin regulates p38MAPK signaling via association with JLP: Implications for neurodegeneration in Alzheimer’s disease. 論文題目 (N-カドヘリンは JLP を介して p38 シグナル伝達を制御する。アルツハイ マー病における神経変性への考察) (論文内容の要旨) [背景・目的] アルツハイマー病 (AD) の病理学的特徴の 1 つにシナプス変性がみられ、認知 機能の低下と強く相関する。N-カドヘリンはシナプス形成に必須の細胞間接着分 子であり、海馬神経細胞に豊富に存在する。一方、AD 脳において、p38 の活性 化が認められるが、活性化 p38 は細胞死を制御する事が知られている。近年、 AD の根本原因と考えられるアミロイドベータ蛋白質 (Aβ) がシナプス変性を起 こすという報告が増えているが、Aβがシナプス変性やひいては神経変性を起こ す機序は、いまだ明確ではない。本研究では、Aβが N-カドヘリン代謝や p38 へ 及ぼす影響を評価し、AD の病態においてシナプス変性および神経変性過程を制 御する新たな分子機序の解析を目的とした。 [方法・結果] 1. まずヒト脳において対照群 (n=5) と病理学的に AD と診断された群 (n=5) を比較した。側頭葉新皮質を切り出し、ウェスタンブロット法にて検討すると、 AD 脳で p38 の活性化と N-カドヘリンの減少が見られ、この二つが逆相関関係 にある(つまり、N-カドヘリンの蛋白量が多いほど、活性化 p38 の量が少なくな る)ことを見出した。 2. 次に、マウス初代培養神経細胞に N-カドヘリンによる細胞接着を特異的に阻 害する薬剤 (N-cadherin antagonist) である ADH-1 を処置すると、p38 の活性 化と神経細胞死が観察された。ADH-1 に p38 阻害剤(SB203580)を共処置す ると、神経細胞死が抑制された。 3. マウス初代培養神経細胞に Aβを処置すると、N-カドヘリンの減少と p38 の活 性化、タウのリン酸化が観察された。Aβに NMDA 受容体阻害剤 (MK-801) を 共処置すると、N-カドヘリン減少が抑制された。 4. 更に N-カドヘリンと p38 の活性化抑制を仲介する新規蛋白質の探索を行っ た。ヒト脳の側頭葉新皮質を切り出し、N-カドヘリン抗体にて免疫沈降後、電気 泳動、銀染色を行い、バンドを質量分析した。結果、新規 N-カドヘリン結合蛋 白質として、JNK-associated leucine zipper protein (JLP) を同定した。 5. COS7 培養細胞系にて N-カドヘリンと JLP の結合ドメインを明らかにした。 この結果、N-カドヘリンは p38 の JLP への結合を競合的に阻害し、p38 の上流 キナーゼによる活性化シグナルを抑制することを示した。 [考察] 2 より、N-カドヘリンを介したシナプス結合を阻害すると、p38 が活性化し、 活性化 p38 は神経細胞死に関与する。3 より、Aβは NMDA 受容体を介して、 N-カドヘリンを減少させ、p38 とタウのリン酸化をおこす。これは、1 における ヒト脳の結果と一致するものである。さらに 4 より新規 N-カドヘリン結合蛋白 質として同定された JLP は、p38 シグナル伝達に関わる足場蛋白質であり、5. より N-カドヘリンは JLP を介して p38 シグナルを抑制することを示した。 [結論] Aβは NMDA 受容体を介して、N-カドヘリンを減少させ、結果、JLP を介して p38 の活性化、ひいてはタウのリン酸化、神経細胞死がおきることが示唆された。こ れは AD 脳におけるシナプス変性から神経変性に至る過程を説明する新たな分 子機序の一端と考えられる。 (論文審査の結果の要旨) 本論文では、アルツハイマー病(AD)において、シナプス脱落という観点から シナプス間接着分子である N-カドヘリン、またタウのリン酸化、神経細胞死と いう観点から p38 という、2 つの分子に着目して検討している。まず AD 脳で N-カドヘリンの減少とリン酸化 p38 の増加が見られ、この 2 つが逆相関関係に あることを見出した。次に、初代培養神経細胞において、N-カドヘリン結合阻 害が p38 を介して神経細胞死をおこすことを示している。さらに、アミロイドβ 蛋白質(Aβ)処置により、NMDA 受容体依存的に、N-カドヘリンが減少し、p38 とタウがリン酸化されることを示した。また N-カドヘリンと p38 をつなぐ新た な分子を探索し、新規 N-カドヘリン結合蛋白質として、JNK-associated leucine zipper protein (JLP) を同定している。JLP は p38 シグナル伝達を促進する足 場蛋白質であり、N-カドヘリンは p38 の JLP への結合を阻害し、p38 の上流の キナーゼによる活性化シグナルを抑制することを示した。以上の結果より、Aβ は NMDA 受容体を介して N-カドヘリンを減少させ、結果、JLP を介した p38 の活 性化、ひいてはタウのリン酸化、神経細胞死がおきることを示した。これは AD 脳におけるシナプス脱落から神経変性に至る過程を説明する新たな分子メカニ ズムと考えられる。. 以上の研究は、アルツハイマー病発症機構の解明に貢献し、今後の治療法の開 発に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成 23 年 2 月 25 日実施の論文内容とそれ に関連した試問を受け、合格と認められたものである。. 要旨公開可能日:. 年. 月. 日. 以降.

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