A.持家建設に関する新たな税制上の優遇 措置 (持家建設の「税額控除」の拡充) 現存する「税額控除」の拡充案としては次の 2 つがある。 (i)現行の 3 年間住宅ローン残高の1%(公庫融 資は0.5%)の税額控除を5年間住宅ローン残 高の2%の税額控除に改める。 (ii) 資金の調達方法にかかわりなく3年間建 築費用の1%を税額控除する。なお現行の「税 額控除制度」は廃止する。 この時税額控除の効果はそれぞれ次のように 書き改めることが出来る。 (1−Q) GA=0.02×α× i−ρ {e5(i−ρ)−1} Q − Ρ (e−5ρ−1) +0.02×β 1−QG × iG−ρ {e 5(iG−ρ)−1} QG − Ρ (e−5ρ−1) ein eiGn Q= ein−1 , eiGn −1 1−e−3ρ GB=0.01×
∫
03
e−ρtdt=0.01× ρ ρこれを実際に計測すると表IV−1, 図 IV −2 のような結果が得られる。すなわち, (i) 税額控除拡充は持家建設の資本コストを 0.13∼0.23 パーセント・ポイント引下げる。 これに対し建築費用 1%の税額控除は,資本 コストを0.11∼0.19 パーセント・ポイントほ ど引下げる。両者の間の差は小さいものの後 者の方が資本コスト引下げ効果はやや小さ い。 (ii) 所得階層別資本コストの動きをみると, 1,000 万円以下の所得層の資本コストは下方 にシフトする。この結果,持家建設に関する 限り低所得層の方が, 1,000 万円以上の所得 層に比べて資本コストはより低いものとな る。 (iii) 建築費用の 1%を「税額控除」する場合に は,標準ケースの資本コストがそのまま平行 に下方シフトする。従って,所得階層別資本 コストには変化は生じない。なお建築費用 1%の「税額控除」を貸家建設に適用する場 合にも同様のことが言える。 (図IV−2−(b))ではそうしたケースの資本コ 表 IV−1 住宅建設促進のための新たな政策推服の効果 標 準 ケ ー ス 税 額 控 除 拡 充 (5年間2%) 税 額 控 除 拡 充 ( 建 築 費 用 1%) ( 貸 家 ) 賃 貸 料 10%の所得控 除 ア メ リ カ 税 制 導 入 (I )ア メ リ カ 税 制 導 入 (I I ) 持 家 と 貸 家 の税 法 上 の 扱 い 同一化 資本コスト 持 家 木 造 0.0316 0.0293 0.0297 ― 0.0234 0.0302 0.0303 非 木 造 0.0323 0.0310 0.0312 ― 0.0241 0.0304 0.0305 貸 家 木 造 0.0336 ― 0.0301 0.0336 ― ― 0.0303 非 木 造 0.0329 ― 0.0311 0.0322 ― ― 0.0305 実 効 限 界 税 率 持 家 木 造 △0.0387 −0.1221 −0.1046 ― −0.0919 0.1552 −0.0849 非 木 造 △0.0172 −0.0594 −0.0508 ― −0.0597 0.1593 −0.0773 貸 家 木 造 0.0229 ― −0.0894 0.0003 ― ― −0.0849 非 木 造 0.0019 ― −0.0566 0.0191 ― ― −0.0773 (注)アメリカ型税制導入(I)は,日本の政策金融と税額控除が併存ケース アメリカ型税制導入(II)は,日本の政策金融と税額控除を撤廃
ストが描かれている。 (アメリカ型税制の導入) アメリカにおいては持家建設に関する税制とし ては (i) 利子費用,固定費血税の所得控除 (ii) 利子所得の総合課税 が行われている。このアメリカ税制を日本に適 用するに当たって,2つのケースを検討しよう。 すなわち, (ケースI) 現行の政策金融,「税額控除」が 存続するケース (ケース II) 現行の政策金融,「税額控除」を 除くケース この2つのケースについて計測を行うと次の ようなことが明らかになる。 (i) ケース(I)の資本コストの低下幅は,「税 額控除拡充」ケース,「建築費用の1%の税 額控除」ケースよりも大きく, 0.87 パーセン ト・ポイントにも上っている。ケース(II) では資本コストは0.14∼0.19 パーセント・ポ イント低下している。ケース(II)の結果は, アメリカ税制を日本に適用したものであるか ら,日本の現行税制下での住宅投資(持家建 設)の資本コストよりも,アメリカの方がか 図Ⅳ−2 特定建設に対する新たな税制上の措置
なり低いことを意味している。 (ii) 所得階層別資本コストの動きをみると,す べての所得層の資本コストが低下している が,特に所得層が高いほど資本コストの低下 幅が大きい。このためアメリカ型税制は,日 本の税制よりも持家建設に関する限り,より 「金持ち優遇的」であると言えよう。ケース (I)では,1,000 万円までの所得層の資本コス トがやや低くなるが,高所得層の資本コスト の水準の方がより低い(図Ⅳ−2−(c)(d)参照)。 (iii) 家計の貸家建設の資本コストと比べると, 持家建設の資本コストの方がかなり低 く な る。アメリカ型税制はこの意味で「持家建設 促進的」であると言えよう。 B.貸家建設に関する新たな税制上の優遇 措置 家計の貸家建設を促進するために,賃貸料の 10%を所得控除するという提案がある。この提 案は,賃貸料に対する限界税率を10%引下げる ことにほぼ等しい。この時貸家建設の資本コス トは,かなり低下し(1.07∼1.08 パーセント・ポ イント)標準ケースの持家建設の資本コストと ほぼ 同水準にな る。標準ケ ースと比べ ると 1,000 万円以下の高所得層において資本コスト アメリカ型税制(I)の導入 アメリカ型税制(II)の導入
の低下幅がやや大きい。従って,高所得層にと っての貸家建設へのインセンティブはより強い ものになろう。 なお,図 IV−3−(b)では持家建設に関する 「税額控除拡充」ケースと貸家建設の「賃貸料 の 10%所得控除」ケースの所得階層別資本コ ストが示されている。そこでは,1,000 万円以 下の所得層では持家建設がより有利であり, 1,000 万円以上の所得層では貸家建設の方がよ り有利であるという姿がより鮮明になってい る。 C.家計による貸家・持家建設を税制上同 一に扱うケース さて,家計による貸家・持家建設の資本コス トは,税制上の扱いを貸家のそれに鞘寄せする 形で同じにすることによって同一となる。この 時 (i) 帰属家賃,賃貸料には 10%の分離課税を適 用する。 (ii) 持家建設には減価償却費用(「割増償却制 度」を含む)と利子費用等の所得控除が適用 される。 図Ⅳ−3 家計による貸家建設促進のための新たな税制上の措置
図Ⅳ−4 家計による貸家・持家建設の税制上の扱いを同一にするケース (iii) 貸家建設には持家建設に適用されていた 「税額控除」制度が適用される。 ことになる。 この時,持家・貸家の資本コストは標準ケー スと比べてそれぞれ0.13∼0.18 パーセント・ポ イント,0.24∼0.33 パーセント・ポイントほど 低下することになる。特に貸家建設の資本コス トの低下幅が大きいのは,10%の分離課税の適 用によるものである。持家建設の場合も帰属家 賃に課税される一方で減価償却費・利子費用等 の所得控除が行われるため資本コストは低下す る。 これを所得階層別にみると所得の高い層ほど 資本コストの低下幅が大きい。10%の分離課税 の適用は,利子・配当所得に関する分離課税と 同じく「金持ち優遇的」である(図IV− 4)。 なお,資本コストの水準は3.03∼3.06%であっ て実質利子率 3.4%をかなり下回っている。従 って実効限界税率は小幅ながらマイナス(− 0.8%)となる。すなわち家計の住宅建設に対し 持家,貸家を問わず補助金が与えられているこ とを意味している。 D.利子所得に関する税制改革の効果 利子所得に関しては,すでに前稿でも述べた ように次の4つの改革案が考えられる。 (i) 低率分離課税 (10% ただし国税のみ) (ii) 一律分離課税 (15% 同上 ) (iii) 三段階分離課税(15, 25, 35% 同上) (iv) 総合課税 この時,所得階層別の適用限界税率は表 IV −5 のようになっている。 さて,こうした4つの改革等が実施された場 表Ⅳ−5 家計の利子所得の限界税率(課税強 化ケース) 所 得 階 級 低率分 離課税 一律分 離課税 三段階 課税 総 合 課 税 万円 0∼100 0.1000 0.2000 0.1500 0.0000 100∼150 0.1000 0.2000 0.1500 0.0000 150∼200 0.1000 0.2000 0.1500 0.0000 200∼250 0.1000 0.2000 0.1500 0.1000 250∼300 0.1000 0.2000 0.1500 0.1000 300∼350 0.1000 0.2000 0.1500 0.1044 350∼400 0.1000 0.2000 0.1500 0.1095 400∼450 0.1000 0.2000 0.1500 0.1162 450∼500 0.1000 0.2000 0.1500 0.1219 500∼550 0.1000 0.2000 0.1500 0.1280 550∼600 0.1000 0.2000 0.1500 0.1348 600∼650 0.1000 0.2000 0.1500 0.1411 650∼700 0.1000 0.2000 0.1500 0.1498 700∼750 0.1000 0.2000 0.1500 0.1565 750∼800 0.1000 0.2000 0.1500 0.1642 800∼900 0.1000 0.2000 0.1500 0.1737 900∼1250 0.1720 0.2000 0.2500 0.1992 1250∼1500 0.3129 0.2000 0.3500 0.2489 1500 以上 0.3129 0.2000 0.3500 0.3021
合の資本コストの変化については以下のような 事実が観察される(表 IV−6,図Ⅳ−7参照)。 (i) 資本コストの低下幅は, 一律分離課税>三段階分離課税>総合課税 >低率分離課税 の順に大きい。実動限界税率の上昇幅も同じ順 序である。 (ii) 一律分離課税の場合には標準ケースと比 べると,1,000 万円以下の所得層での資本コ ストの低下が大きく1,000万円以上の所得層で はむしろ資本コストは上り気味となる。 (iii) 低率分離課税の場合には,標準ケースと比 べると 1,000 万円以下の所得層で資本コスト が若干低下するものの,1,000 万円以上の所得 層では資本コストはほとんど変化しない。 (iv) 三段階分離課税と総合課税の場合は,一 律分離課税と低率分離課税の中間のパター ンを招くが,三段階分離課税の方が高所得層 での資本コストの低下がやや大きい。 (v) 持家建設と貸家建設を比べてみると,貸家 表IV−6 貯蓄課税強化の効果 標準ケース 低率分離 課税ケース 一律分離 課税ケース 三 段 階 課税ケース 総 合 課税ケース 資本コスト 持 家 木 造 0.0316 0.0299 0.0282 0.0288 0.0292 非 木 造 0.0323 0.0306 0.0294 0.0295 0.0299 貸 家 木 造 0.0336 0.0317 0.0305 0.0304 0.0309 非 木 造 0.0329 0.0310 0.0296 0.0297 0.0301 限 界 実 効 税 率 持 家 木 造 △0.0387 0.0790 0.1518 0.1552 0.1254 非 木 造 △0.0172 0.0994 0.1715 0.1747 0.1454 貸 家 木 造 0.0229 0.1308 0.2026 0.2005 0.1732 非 木 造 0.0019 0.1106 0.1778 0.1808 0.1532 図 IV−7 利子所得課税強化が資本コメトに与える効果
建設の資本コストの低下幅の方が大きい。こ れは自己資金による住宅投資の割引率の低 下が減価償却費用の割引現在価値を大きく する効果がつけ加わるためと考えられる。総 合課税ケースでみると,資本コストは持家の 場合0.24 パーセント・ポイントの下落である のに対して貸家の場合は 0.27∼0.28 パーセ ント・ポイントの下落となっている。 いずれにしても利子所得に関する課税強化は, 自己資金による住宅投資の機会費用を低めるた め,資本コストは低下するのである。一律分離 課税は低中所得層の金融資産形成には不利であ るが,実物資産形成は相対的に有利となる。他 方,高所得層の実物資産形成には不利に働くこ とは注目されよう。
V.資本コストと住宅投資および家計貯蓄本の変化
前節では,住宅投資および家計貯蓄に関する 租税政策の変更が住宅投資の資本コストに与え る効果を調べて来た。そこで次に,イ)資本コ ストの変化が住宅投資にどのような影響を与え るのか,ロ)また,家計貯蓄に対する課税強化 が家計貯蓄率にどのような効果を与えるのか調 べることにしよう。このうちイ)の不動産業の 貸家建設に関する資本コストの変化が投資活動 に与える効果についてはすでに前稿において明 らかにしたところである。そこで本稿では,家 計部門の住宅建設特に持家建設に関する資本コ ストの変化が,家計部門の住宅供給に与える効 果を調べることにしたい。 A.資本コストの変化が家計の住宅投資に 与える効果 住宅投資の資本コストの変化が家計の住宅投 資に対してどのような影響を与えるかクロス・ セクション・データを用いて調べるには次のデ ータが必要である。 (i) 所得階層別の資本コスト (ii) 所得階層別の住宅投資額(土地を除く) (i)はすでに算出してある。しかし,(ii)に ついて適切なデータは極めて限られている。す なわち以下の「貯蓄動向調査」における3つの 数字および「家計調査年報」の数字が利用可能 であるがそれぞれ問題がある。 イ)「貯蓄動向調査」における「実物投資」 ロ)「貯蓄動向調査」における「家計用住宅投 資」 ハ)「貯蓄動向調査」におけるフローの「住宅・ 土地のための負債」 ニ)「家計調査年報」における「財産購入」 ニ)には「土地・家屋・地上権・営業権の購 入」が含まれており,本論の分析対象とは合致 しない。 イ)は(住宅および土地投資−売却益)とし て定義されるものであるため投資額は小さなも のとなっている。また,土地が合まれている点 も問題がある。 ロ)には土地と住宅への投資に分れた数字が 利用可能であり本論の分析目的には最も適切な データである。ただし,所得階層が6 つにしか 分れていないことに問題がある。 ハ)は実物投資のための負債額(フロー)しか 利用可能でない。 以上の4 つのデータはいずれも家計の持家建 設の投資額についてであって,貸家建設は「事 業用資産」の投資に分類されている。しかし 「事業用資産」への投資額はごく僅かであり, 分析対象とするには困難である。 こうしたデータの利用可能性に問題が多いた め,本論では家計それも勤労者家計の持家建設 と資本コストの関係のみを分析の対象に限定す ることにした。そして所得階層別の住宅投資額 として,「貯蓄動向調査」の3つの数字を組み合 せて用いることにした。すなわち,「貯蓄動向 調査」における「実物投資」の数字をベースとして,「家計用住宅投資」の数字を用いて,自己 資金−借入れ比率の調整を行うことにした。な ぜなら後者においては,住宅投資の内容が住宅 と土地に分類されているのみならず,借入れ額 (「住宅・土地のための負債額」)も利用可能だ からである。さらに,「住宅・土地のための負 債」のデータを用いて19 階層のデータヘ変換し た。以上の調整を施した所得階層別住宅投資額 は,表III−6および図V−1に示されている。 さらに住宅投資額と資本コストは図V−2に 示されている。 この住宅投資額とすでに算出した持家の資本 コスト(P0)との関係を示す式は以下のように なっている。 Ih=f(P0,Y ) ここで,Yは年収を示している。 この式を対数変換を行って推計した結果は 以下のようになっている。 木 造 :logIh=−0.556215 (−0.23) −1.258210 logP0 (−1.76) +0.833161 logY (10.36) R2=0.896, S.E=0.7364 非木造 :logIh=−0.283182 (−0.12) −1.203272logP0 (−1.63) +0.823842logY (9.85) R2=0.894,S.E=0.7545 資本コストの係数は木造 91%,非木造 88% の水準で有意である。すなわち,資本コストの 上昇は有意に住宅投資を減少させる。その弾性 値は,−1.20∼−1.26 である。 ここで注目されることは,利子所得に関する 課税の強化は,持家の資本コストをイ)5.3%(木 造),5.4%(非木造)(低率分離課税)ロ)9.2%, 9.5%(一律分離課税)ハ)8.9%,8.7%(三段 階課税)ニ)7.6%,7.4%(総合課税)ほど低 めることである。この結果,住宅投資は長期的 にはイ)6.3∼6.8%ロ)12.7∼13.5%ハ)8.9∼ 9.6%ニ)10.4∼11.1%程度増加することになる。 短期的な効果はこの3 分の 1 程度であったとし てもかなりの住宅投資増加効果が見込まれよう。 この利子課税強化の効果は「税額控除拡充」 ケース等の住宅投資促進税制とほぼ同じ程度の 効果を資本コストに与えている。明らかに利子 所得課税強化は,家計による金融資産保有から 実物資産保有へのシフトを強めるよう働いてい るのである。ところで,この実物資産保有の高 まりは,それが自己資金によってファイナンス される場合には,家計貯蓄率上昇要因となる。 他方,金融資産保有額の減少は家計貯蓄率を引 き下げる要因として働こう。そこで果して利子 所得の強化が実際に金融資産保有率(=以下で 図V−1 所得階層別住宅投資 図V−2 所得階層別住宅投資額と資本コスト
は家計の金融貯蓄率と呼ぶ)を引き下げるよう 働いているかどうか検討することにしよう。 B.貯蓄課税の強化が家計貯蓄率に与える 効果 貯蓄課税の強化が家計貯蓄率にどのような影 響を与えるかクロス・セクション・データを用 いて調べるためには次の3 つのデータが必要で ある。 (i) 所得階層別家計貯蓄額 (ii) 所得階層別家計可処分所得 (iii) 所得階層別金融資産保有に基づく税引収 益率 (i)は,「貯蓄動向調査」で利用可能である。 そこでの貯蓄額(フロー)の定義は次のようにな っている。 貯蓄=家計の金融資産の増加−家計の負債 の増加+実物投資(土地,住宅) この貯蓄の定義は,イ)実物投資に土地が含 まれていること,ロ)金融資産保有に伴うキャ ピタル・ゲインが含まれていることの2 点で「国 民経済計算」上の概念と異なづている。 (ii)も「貯蓄動向調査」の可処分所得の数字が 利用可能である。そこでの可処分所得の定義は 可処分所得=年収−(所得税十住民税十社会 保険料)となっている。 「国民経済計算」においては,イ)帰属家賃や 自己負担によらない医療費は消費支出に分類さ れる一方で,ロ)税外負担の手数料・仕送り金・ 贈与金は経常移転に分類され,消費支出には含ま
資本コスト変化(%) 住宅投資の変化率 負債の変化率 家計貯蓄率の変化 イ)低 率 分 離 課 税 △ 5.3∼ 5.4 6.7∼ 6.8 6.7∼ 6.8 0.2 ロ)一 律 分 離 課 税 △ 9.2∼ 9.5 11.3∼11.6 11.3∼11.6 0.4 ハ)三 段 階 課 税 △ 8.7∼ 8.9 11.0∼11.1 11.0∼11.1 0.4 ニ)総 合 課 税 △ 7.4∼ 7.6 9.3∼ 9.6 9.3∼ 9.6 0.4 (注)資本コストに対する住宅投資の弾性値として1.26 を用いている。 れない。通常 イ)の方が ロ)よりも大きいため 「貯蓄動向調査」の家計貯蓄率は,「国民経済計 算ベース」のそれよりも大きくなる。こうして 得られた所得階層別貯蓄額を所得階層別可処分 所得で割れば所得階層別貯蓄率を得ることが出 来る。 (実物投資の変化を通ずる効果) ところで,この家計貯蓄率には当然のことな がら実物投資も含まれている。実物投資はすで に検討したようにむしろ貯蓄課税強化による資 本コストの変化によって直接影響を受けると考 えられる。さらに「負債の増加」も住宅投資を行 うために増加する部分が約9割となっている (「貯蓄動向調査」ベース)。そこで貯蓄課税強化 が家計貯蓄率に与える効果を調べるためには次 のような経路に分けて考えることが適切であろ う。 イ)金融資産保有に伴う 税引き後収益率の変化 ロ) 資本コストの変化 実物投資(住宅)の変化 家計の負債の変化 の変化 家 計 貯 蓄 率 ここで,ロ)を通ずる効果はすでに前節で検 討したのでその効果を調べることは簡単である。 家計の負債が住宅投資額に比例していると仮定 すれば,家計貯蓄率の変化は次式で示される。 Ih Ih* (1−ℓ ) YD − YD* ℓ は借入れ比率,YD* ,Ih* は標準ケースの 可処分所得住宅投資額,YD, Ih は利子課税変 更後の可処分所得,住宅投資額である。 利子所得に関する課税強化によって可処分所 得の額自体変化するので YD はYD*と異なった 値をとる。また,Ihの数字は住宅・土地のある 世帯を勤労世帯全体の数字に調整を行う必要が ある。 以上の調整を行なった計測結果によれば,資 本コストの変化を通ずる家計貯蓄率の増加は 0.2∼0.5 パーセント・ポイントであることが見 てとれよぅ。 (家計の金融貯蓄率の変化) そこで残された問題は,イ)の家計の金融資産 保有に伴う税引き後収益率の変化を通ずる効果 である。この イ)の経路を通ずる効果を調べる ためには,被説明変数として 金融資産保有の増分 SF 可処分所得 = YD (=家計の金融貯蓄率) を取り上げ,説明変数として(iii)の所得階層別 の税引き後収益率(S*)を用いればよい。また前 期の金融資産残高(FW)も説明変数に加えるこ とが適切であろう。 従って, SF YD =f (S*,FW−1) が我々の推定しようとする式である。 金融資産保有に伴う税引き後収益率は次のよ うに定義される。 S*=〔αil+β(1−mi)il〕+γ〔(1−Z)g +(1−mD))d〕iα+β+γ=1 i1 :預貯金・有価証券の加重平均金利 g :株価上昇率(=東証加重平均株価上昇 率) d :配当の収益率(=上場会社配当金総額/ 時価総額) 貯 蓄 課 税 の 強 化 家計の金融資産保有の変化
mi :所得階層別利子所得の限界税率 Z :キャピタル・ゲインの限界税率(= 有価証券取引税0.55%) mD:所得階層別配当所得の限界税率 α :非課税貯蓄残高/金融資産保有残高 β :課税貯蓄残高/金融資産保有残高 γ :(株式+株式投信残高)/金融資産保有 残高 ここで金融資産保有に伴う税引き後収益率が 所得階層ごとに異なるのは,イ)所得階層ごとに 保有する金融資産の種類とウエイトが異なる, ロ)適用される利子所得・配当所得の限界税率が 異なる,ためである。 ところで家計部門の金融資産保有について は,適用される税率の違いとリスクの違いを考 慮すれば,安全資産に対する税引き後収益率に よってすべての金融資産の税引き後収益率を代 表させることが可能であるとする仮説がありう る。例えぼ,短期政府証券の金利を is 税率 をmSとすれば。 S *=is(1−mS) によってすべての金融資産の税引き後収益率を 代表させることが可能である。しかし,本論で は現実に所得階層ごとの金融資産保有形態と限 界税率が異なることを重視して上述した計測方 法をとった。この計測方法は「ミラー均衡」の 考え方,すなわち各金融資産の均衡・収益率は 金融資産の種類の違いによってそれを保有する 人々の所得層が異なるため,互いに異なったも のになるという「隔離された均衡」の考え方に 基づくものである。そしてこの「ミラー均衡」 は,資本コストが資金調達方法によって異なる とする仮説と斉合的であることは注意しておい てよい。 さて,これまで説明して来た変数(表V−3) を用いて推定を行なった結果は以下の式で示さ 表 V−3 家計の金融貯蓄率と税引き後収益率 (万円) 金融資産 の増加 可処分 所 得 家計金融 貯蓄率 /12(%) 預金債券 利子率 (%) α β γ S* 万円 000∼ 100 9.5 78.2 12.1 6.00 1.00 0 0 6.00 0100∼ 150 5.9 116.5 5.1 6.00 0.97 0 0.03 6.36 0150∼ 200 8.1 163.9 4.9 6.00 1.00 0 0 6.00 0200∼ 250 9.9 209.6 4.7 6.11 0.95 0 0.05 6.72 0250∼ 300 23.9 247.9 9.6 6.06 0.98 0 0.02 6.35 0300∼ 350 32.1 287.5 11.2 6.09 0.96 0 0.04 6.58 0350∼ 400 43.8 326.1 13.4 6.13 0.98 0 0.02 6.41 0400∼ 450 43.3 363.7 11.9 6.13 0.92 0 0.08 7.10 0450∼ 500 47.7 401.5 11.9 6.16 0.96 0 0.04 6.66 0500∼ 550 32.1 436.7 7.4 6.16 0.91 0 0.09 6.79 0550∼ 600 55.8 475.4 11.7 6.19 0.95 0 0.05 7.21 0600∼ 650 50.3 510.2 9.9 6.11 0.91 0 0.09 7.23 0650∼ 700 29.7 544.8 5.5 6.16 0.91 0 0.09 7.13 0700∼ 750 75.2 578.5 13.7 6.20 0.94 0 0.06 7.31 0750∼ 800 103.4 610.8 16.9 6.21 0.92 0 0.08 6.87 0800∼ 900 79.0 657.4 12.0 6.23 0.86 0 0.14 7.94 0900∼1250 154.8 761.9 20.3 6.32 0.63 0.19 0.18 8.29 1250∼1500 213.0 936.6 22.7 6.46 0.36 0.43 0.22 8.15 01500 以上 257.6 1112.7 22.9 6.14 0.34 0.49 0.17 7.29 平 均 12.3 7.13 (注) g=0.175, d=0.013 であって各所得階層で共通である。
れる。 SF YD =−0.17433+2.8069 (−1.60) (1.50) S* FW−1 +0.078135 (2.10) YD R2=0.442,D.W.=1.88 S.E.=0.042 この式において税引き後収益率は,家計の金 融貯蓄率に対して有意にプラスである(85%の 水準で有意)。その弾性値は 1.63 である。 この式ではS*に対するt−値がやや低いので, 負債の増加が多い家計では貯蓄率が低下する傾 向のあることを考慮して,負債の増加(ΔB)を説 明変数に加えてみた。 SF YD =−0.18807+3.2367 (−1.74) (1.73) (1.18) S*+0.067945 FW−1 ΔB YD (−1.21)−0.36497 YD R2=0.458,D.W.=1.84 S.E.=0.041 その結果,S *の t−値はより有意性は高まり, この弾性値は1.88 である(90%の水準で有意)。 これら2つの計測式のうち最初の式を用いて 金融貯蓄率が税制改革によってどの程度変化す るか調べよう。いま次式が成立している。 SF SF* SF YD = YD* − YD = 0.28069(S*−S) この表から,貯蓄課税強化により家計貯蓄率 は1.5∼2.3 パーセント・ポイント低下すると言 ってよいであろう。 以上の結果とすでに求めた資本コスト低下を 通ずる家計貯蓄率の上昇効果を総合してみると, 家計貯蓄率(1985 年現在 18.4%)は,貯蓄課税の 強化によって イ)1.3 パーセント・ポイント(低率分離) ロ)1.9 パーセント・ポイント(一律分離) ハ)1.9 パーセント・ポイント(三段階分離) ニ)1.9 パーセント・ポイント(総合) ホ)0.5 パーセント・ポイント(キャピタル・ ゲイン) ほど低下すると言えよう。 (これまでの研究との比較) わが国における利子率,貯蓄税制と家計貯蓄 率の関係についての実証研究は,利子率や貯蓄 税制の変化が家計貯蓄率に有意な影響を与えて いるとは考えにくく,特に税制の変化は金融資 産間のシフトに影響を与えても家計貯蓄率の水 準には何らの効果も見られないと結論づけて来 た。本節における計測結果は,この従来の定説 とは異なった結果を示している。すなわち,金 融資産保有の形態による家計貯蓄率に対し,有 意にプラスの効果を与えており,しかも税引き 収益率に対する家計貯蓄率の弾性値も1に近い 大きな値となっている。従来の研究と比べて, 本節では (イ) 所得階層別の家計の金融貯蓄率を被説明変 表 貯蓄課税強化による家計貯蓄率の変化 資本コストの変 化率 (%) 家計の実物貯蓄 の変化 (%ポイント差) 金融資産の収益 率の変化率 (%) 家計の金融貯蓄 の変化 (%ポイント差) 家計の貯蓄率の 変化 (%ポイント差) 低 率 分 離 課 税 △5.3∼△5.4 0.2 △ 7.6 △ 1.5 △ 1.3 一 律 分 離 課 税 △9.2∼△9.5 0.4 △11.0 △ 2.2 △ 1.9 三段階分離課税 △8.7∼△8.9 0,4 △11.5 △ 2.3 △ 1.9 総 合 課 税 △7.4∼△7.6 0.4 △11.7 △ 2.3 △ 1.9 キャピタル・ゲ イン課税 △ 2.8 △ 0.5 △ 0.5 (注)資本コストに対する住宅投資の弾性値として,1.26 を用いている。 また,金融資産の収益率に対する金融資産増分の弾性値として,1.63 を用いている。 Δ
数としたこと ロ) 所得階層別の税引き後収益率を所得階層 別限界税率を算出した上で計算したこと が従来と異なった結果をもたらしたと言えよう。 イ)は利子率の低下や貯蓄税制の強化が住宅投 資の資本コスト低下をもたらし家計の実物貯蓄 率を高める経路の存在を考えると極めて重要で ある。同時に家計の負債行動も住宅投資と強く 結びついていることを見落してはならないであ ろう。ロ)については,従来の研究では利子所 得や配当所得に関する所得階層別限界税率を算 出することなく近似値としての税引き後収益率 を計算していたことに問題があるよりに思われ る。 もとより理論的には税引き後収益率の上昇が 家計の金融貯蓄率を高めるかどうかは決定し難 い。それは利子率が現在の消費と将来の消費の 選択に関する相対価格であるため,その変化は 代替効果と所得効果を伴っているからである。 税引き後収益率の上昇が家計の金融貯蓄率を高 めるよう働くためには現在の消費と将来の消費 の間の代替弾力性はかなり高いことが必要であ る。 このことは簡単なライフ・サイクル・モデル を用いて証明することが出来る。 いま,個人が2 期間生存するとし,第1期目 に賃金を嫁ぎ,第 2 期目に退職するとしよう。 第1期の間に個人は第2期に備えて貯蓄しそれ を他人に貸し出すと仮定しよう。その貸し出し の収益率(r)にはmi比例税が課せられたとす る。 この時,個人の予算制約式は, C2 C1+ 1+r(1−mi) =ω であり,この下で個人は消費による効用を最大 にするよう行動する。 MAX u(C1,C2) また,第2 期における消費の価格(P)は, 1 P= 1+(1−mi) と表わすことが出来る。スルツキーの方程式は ∂C1 ∂C1 ∂C1 ∂P =∂P u ― −C2 ∂ω ∂C2 ∂C2 ∂C2 ∂P =∂P u ― −C2 ∂ω となる。P の上昇(=税引き後利子率の減少) は,第 1 期の消費に対し,一方では代替効果 (第 4 項)を通じて増加させるが,所得効果(第 2 項)を通じて減少させる。第 2 期の消費について は,代替効果,所得効果とも消費減少要因とな る。 いま,現在消費と将来消費の代替弾力性をσ で示すと, dlog(C2 /C1 ) σ= dlog[1+r(1−mi)] u ― ∂logC1 ∂logC2 = ∂logP u ― − ∂logP u ― ところで,支出関数を価格について一次同次 であると仮定すると代替効果の和はゼロとなる。 ∂C1 ∂C2 ∂logP u ― +P ∂logP u ― =0 これをσの定義式に代入することにより, ∂logC1 PC2 ∂logP u ― = C1+PC2 σ=Sσ ここでS は家計貯蓄率を示すことは言うまでも ない。さらに。スルツキー方程式を利用すれば ∂logC1 ∂logC1 ∂logP =S(σ−η);η= ∂logω となる。 そこで家計の貯蓄率の税引き後利子率に対す る弾力性(εS)は, ∂logS εS= ∂log[r(1−mi)] r(1−mi) = 1+r(1−mi) (1−S) (σ−η) となる。この長期的弾性値が正であるために は, σ>ηであることが必要である。すなわち, η=1 とすれば現在消費と将来消費の代替弾力 性は1をこえている必要がある。また,εS が 大きな値をとる場合にはσの値はより大きくな る必要がある。
Ⅵ.結 び
本論は,日本における現行税制,金融制度の 特徴を織り込んだ上で住宅投資の資本コストの 定式化とその計測を行った。住宅供給者が,企 業であるか家計であるか,また持家建設か貸家 建設かによって資本コストは異なったものにな る。すなわち実質利子率が所与である場合に不 動産業の貸家建設,家計による貸家建設と持家 建設はその適用される税制が異なるために,資 本コストは異なったものになるのである。本論 では特に住宅供給者としての家計に焦点を合せ 現存する住宅投資促進政策や税制改革が所得階 層別資本コストに与える効果を検討した。さら に,資本コストの変化が住宅投資比率,家計貯 蓄率に与える効果についても実証分析を行なっ た。本論における主要な結論は以下の通りであ る。 (i)実質利子率(=3.46%),インフレ率(= 2.67%)一定の下で不動産業の貸家建設,家 計の貸家建設,持家建設の資本コストを比べ ると次のようなことが明らかとなった。 イ) 家計の貸家建設≥
不動産業の貸家建設 >家計の持家建設の順に高い。 ロ) ただしインフレが高進し,4∼5%以上 になるとこの順序は,家計の持家建設>家 計の貸家建設>不動産業の貸家建設へと 逆転する。 ハ) 所得階層別にみると,現在の税制の下で 持家建設の資本コストはほとんどフラッ トである。ただし貸家建設の場合1,000 万 円以上の所得層で資本コストはやや低下 している。 ニ) 貸家建設(非木造)の資本コストは, 1,200 万円以上の所得層では持家建設(非 木造)のそれよりも低い。 これは高所得者にとっては,持家よりも貸 家建設の方がより有利な投資対象であるこ とを示している。 他方,実効限界税率は家計の貸家建設(0.2 ∼2%程度)の方が家計の持家建設(△1.7∼ △0.4%程度)よりもやや高い。これは持家の 帰属家賃に課税が行われないことの効果が 大きい。 (ii)家計の持家建設と貸家建設の資本コストを 比較すると次のようなことが言えよう。 イ) 持家建設では帰属家賃が非課税である のに対し,貸家建設では利子費用・固定資 産税の所得控除が資本コスト引下げ要因と なっている。帰属家賃非課税の効果と利子 費用所得控除の効果を比べると前者の方が 大きい。 ロ) 貸家建設には「減価償却制度」が存在 するため,貸家を途中で売却することによ り資本コストを低めることが可能である。 特に,「特定の事業用資産の買換え特例」が 適用される場合には,途中で売却した方が 節税効果は大きくなる。また,インフレ率 の大幅な上昇は,この「タックス・シェル ター効果」を強めるよう作用している。 (iii) 現存する住宅投資促進等については,次 のようなことが明らかとなった。 イ) 家計の持家建設については,政策金融 を通ずる資本コスト低下効果(19%程度) が最も大きく,ついで住宅ローン利子費用 の「税額控除制度」(4%程度),「固定資産 税の減額控除」(3%程度)の順になってい る。 ハ) とりわけ政策金融は,家計の持家・貸 家建設についての900 万円以下の低,中所 得層の資本コストを大きく引下げている。 一方,自己資金によるファイナンスの場合 には,利子所得の限界税率が高くなること を反映して,高所得者の資本コストはより 低いものとなっている。 ニ)貸家建設促進措置の中では,「割増償却制度」による資本コスト低下効果(10%程 度)が大きい。ただし,不動産業の「割増償 却制度」と比べるとその租税負担軽減効果 は小さい。 (iv) 家計の住宅投資を促進するための新たな 税制上の措置としては,イ)持家建設に関す る税額控除の拡充(住宅ローンの利子費用の税 額控除,建築費用の 1%の税額控除),ロ)持 家建設に関するアメリカ型税制の導入(I), (II)((I)は政策金融,税額控除維持ケース,(II) はこれらを廃止するケース),ハ)貸家建設に 関する賃貸料 10%の所得控除,ニ)持家建設 と貸家建設の税制上の扱いを同一とする方法, がある。持家建設については,資本コスト引 下げ効果はアメリカ型税制の導入(I)>税額 控除拡充>建築費用1%の税額控除>アメリ カ型税制の導入(II)>持家と貸家の税制上の扱 い同一化,の順に大きい。これを所得階層別 にみるとアメリカ型税制(II)は,最も金持ち優 遇的である。貸家建設と税制上の扱いを同じ にする方法も 1,000 万円以上の高所得層の資 本コストは低いものとなっているが,アメリ カ 型税制(II)よりもその金持ち優遇度は低 い 。 さ ら に , ア メ リ カ 型 税 制 の 場 合 に は (I)( II )とも持家建設と貸家建設の資本コ ストが大幅に乖離することを考慮すると貸家 と持家を差別しない税制上の措置は政策手段 として優れた方法と言えよう。また,金融資 産保有に関する税制とのバランスを図る上で も,賃貸料,帰属家賃への分離課税は意味が あると言えよう。 さらに貸家建設についても,資本コスト引 下げ政策は持家建設との税制上の扱い同一化 >賃貸料10%の所得控除の順に大きい。 (v) 資本コスト 1%の低下は,住宅投資を 1.2∼ 1.3%増加させる。利子所得に関する課税強化 は,資本コストを低め住宅投資を促進すると 同時に,家計の金融資産保有のメリットを減 少させることを通じて家計の貯審率に影響 を与える。前者は,それが自己資金による住 宅投資を増加させるため家計貯蓄率上昇要 因となり,後者は現在消費と将来消費の代替 弾力性が十分大きい場合に家計貯蓄率を低 下させる要因となる。この2 つの効果を勘案 すると,家計貯蓄率は貯蓄課税強化により 1.3∼1.9 パーセント・ポイント低下しよう。 ただし,節税高商品への大幅なシフトや間接 税の消費抑制効果を考慮すると,全体として の家計貯蓄率低下幅はこれよりも小さなも のに止まろう。
参 照 文 献
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