東京女轡學會第四回総會々誌 7’
mesencephalicae(Winkler)と稻せられるところの太い有麗繊維の集りが黒質の最:外
側部と四畳群群丘との間に甚だ良く稜達して居る事が知られて居るが,問題の脚継束
は之とは全く異なり,爾繊維群群の近似瓢はその黒質に結合する個所が互に:大引一致 して居ることのみである。:Fibrae nigrae mesencephalicaeは著しく太い有髄緻維よ
り成り,一暦前方の高さに存在ずる。問題の繊維束が最も密接なる關係を示すところ の中心友白質深部の核はNiss1標本で見ると割合に小さい細胞より成り,その細胞艦 は楕凹形或は梨子朕のものが大部分を占め,微細なるNissl顯粒を有してみる。此の 緬胞群は更に内方に於て中心友白質を横切る多数の有臆繊維の集りに依って,此の動
物に於て特に良く物別したる縫線背側核Nticl. dorsalis raphesと結合して居る。他
方黒質の後外側部はNiss1氏法に依れば細い三角形の細胞が散在して居り,此の部分 はwinklerの所謂Palaionig厳mに属するととは明かである。問題の繊維束が何れの 方向に刺戟を傳解して居るかは現在決定し得ない。
12。晶出の研究(第一報)
東京女子轡學三門學校法馨學教室 大 塚 阜 窒息血の凝固しない事,「クロ 一一ルJの多くなる事,血糖の増すこと,沃農酸値の増 すことなどについては既に幾多の研究が行はれてるる。著者は從來鍛り顧みられなか った血液凝固時間,粘稠度,赤血球沈降速度,血液炭酸瓦斯量,窒息死禮副腎め「ア ドレナリン」含量,肺,脾,副腎等の重量などを家兎について観察したが,其中一定 の成績を得たものだけを藪に報告しやうと思ふ。 1,血液炭酸「ガス」量の測定はワンスライク氏装置を用ぴて全血又は血漿について 行った。 全血では窒息前は血漿に於けるよりも炭酸瓦斯量が多いが窒息後は却而減するのが 多Ut,割れ「ヘモグロビン」は窒息と共に速に酸素を失ぴ之に代へて炭酸瓦斯と結合す るが,其程慶は少く主として血漿申に炭酸瓦斯が重曹の形で貯へるかららしい,酸素多 き血球ではワンスライク氏装置で測る時酸素も陰璽に牽かれて出て來る爲割合に多く 後の少きは血球が最早や酸素を含ます,炭酸の含量割合に少く且血球の存在により.血 漿の容積が減ぜられる爲であると思ふ。其故に著者は割合に威績恒常的なる動脹血」血 漿中の炭酸「ガス」量を測定した。 窒息によ馳り血液中の炭酸「ガス」量は常に増すが窒息一分時の後に於ては増加率が108 東京女署學會第四回総會々誌 一一Q0%のもの脳髄の48%を占め,之に次では21−30%のもの全艦の22%を占めてみ る。窒息二分時の後に隔ては21−30%の増加を示すもの全髄の43.9%に上.身,11一一20 %のもの31.7%を占め其他は僅少に過ぎない。之により窒息二分までは時間が長びく ぼど血液の炭酸瓦斯量は増すことがわかる。然し三分となると血厘低下して血の出方 が鈍り,凝固に傾き明確なる成績を得難くなる,叉個々の家兎について見るに一分後 より二分後に炭酸瓦斯の増す程度は様々で,前より一分後までの増加aSic比し一頃大 とはならない檬である。動脈血が曙赤色となるのは窒息後30秒位で既に顯著に:見られ 炭酸の増加と比例するといふよりは酸素を失ふと同時に暗赤色化するものと認められ る。窒息前の山高血炭酸瓦斯量は撮氏零度,氣墜760mmに於て容量で最:も多きは53.9 暢だが少いのは19.8%で,19.8−25%三例,25−30%六例,30−35%九例,35−40%八 例,40−45%十三例,45−50%五例,50%以上六例。30一一45%のが最も多く4≧数以上 を占めて居る,不安があったり夏期暑い等の爲に,呼吸の早いものでは血液炭酸瓦斯 量は初から少い様である。 2,赤血球沈降速度ではウエステルグレン氏装置を以て槍平した,之個性的に非常 な差異があるが,窒息後ぱ前より少しでも増す傾向が見られる,但しそれが窒息一分 の後十五分置頃のが最も多い様だが上れは一定ぜぬ。之は致命的窒息でなく,何れも 一分間絞頸後ゆるめて蘇生せしめた家兎について實験したものである。 其他は未だ一定の成績を得て居らぬから纏まつだら雑誌の上で報告することsした い。 13.他殺と誤られし自殺の隔例 東京女子馨學脇門學校法馨學教室 淺 田 昨年7月末某所に於て73歳の盲老婆の腰紐による絞頸七周の窒息攣死に陥り,其挟 養鯉M氏が殺人被告人として公判に附せられ.懲役十年の判決を受けた例があった。 M氏の聴入N氏はM:氏がそんな人聞でないことを確信して一件書類を示し,老婆が眞 に他殺きれしや否やの鑑定を余に講はれた。見ると結節の輪結びがゆるいし,右軸か らの出1血が顔を横切って鼻液と合し左側に流れfe 一線を劃して居るのみであるし,顔 面にある皮下出血は痙攣時丁度頸にあった自分の手で打って生じ得るし,衣類も蚊帳 も蒲團も整然どし,他殺に際する抵抗の痕跡がなかったし,右耳からの出血は少量で