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鉄鋼業を支える関連労働力の衰退化問題

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(1)

鉄鋼業を支える関連労働力の衰退化問題

著者

十名 直喜

雑誌名

研究年報

6

ページ

63-98

発行年

1993-12-30

URL

http://doi.org/10.15012/00000852

Copyright (c) 1993 十名直喜

(2)

63

鉄鋼業 を支 える関連労働力の衰退化問題

1.は

じ め に

鉄鋼 産業 におけ る新規学卒の採 用の困難化や 高齢化 の進行 は

,技

術 や技 能の 世代 間継承 問題 な どを引 き起 こ してい る。人材確保 の問題 は,高 炉大手メーカー において も例 外 で はな く

,テ

レビ・コマー シャル に よるイメー ジア ップ や 各 社共 同主催 に よる会社見 学会 (理工系学卒対象

),

さ らには

3K職

場 の改善や 独 身寮のデ ラ ックス化 等 に よって新規学卒の確 保 を図 ってい る。 なかで も

,鉄

鋼業 を支 える関連産業 において

,こ

の問題 は よ り深刻 かつ鋭 角 的 にで て きてい る。本稿 において は

,高

炉 や転炉 な どに携 わ る築炉工 問題 お よび鉄鋼 関連 の国内輸 送 を担 う労働 力問題 を素材 に取 り上 げ,関 連労働 力の 衰退化 が は らむ問題 を検 討す る。

2.築

炉 工 の 不 足 と技 能 継 承 問 題

(1)鉄

鋼業 と築炉エ 鉄鋼業 は

,上

工程 に高炉 をは じめ熱風炉や コークス炉

,転

炉 などを有す る巨 大な装置群の体系か らなってお り

,装

置産業の典型 とされている。 これ らの装 置の コアをなす巨大な容器の内壁 は

,千

数百度以上の高温環境 に耐 える耐火性 の レンガ等(いわゆる耐火物

)で

覆われてお り

,

それ らの レンガ積 み作業 を主 体 とす る築炉工の存在が不可欠 とされ る。 現代の築炉工 は

,他

職種 に比べて

,は

るかに多 くの知識 と技能 を身につけた 多能工である。 レンガ

,モ

ル タル

,キ

ャスタブル

,プ

ラスチ ック

,フ

ァイバ等

(3)

あ らゆ る種 類 の 多種 多様 な耐 火物 に関す る知識 を必要 と し

,

しか も

,そ

れ ぞれ の耐 火物 に対 して

,図

面指 示 や現地 現 物 の状 況 に応 じて施工 で きる技 能 を身 に っ けておかねばな らない。これ らの 多様 かつ高度 な技 能 を習得 す るには長 い 時 間 を要 し

,10年

20年

とい う単位 で積 み上 げ られ た技 能 といわれ る。築炉工 は また

,寸

法精 度

,垂

直水平

,円 ,角

な ど目が重要 な ポ イ ン トで

,

目が よ くな い と一流 の職 人 にはなれ ない といわれ て きた。 高炉

,熱

風炉 等 の レンガ積 み を主体 とす る建 設工事 に従事 す る築炉工

,い

わ ゆ る レンガエ は

, 日

何 トン もの レンガ を取 り扱 う重筋 肉労働 者 で もあ る。 耐 火物 の大 型化 が進 んで い るこ と もあ って

,30∼

50 kg程度 の レンガで あれ ば

,作

業 能 率上

,あ

るい は レンガエ の性 格上

,無

理 を して一 人で積 んで しまうこ とが 多 い。 高炉

,熱

風 炉等 の工事 では地上 20∼30メー トル での高所作業 も少 な くな く, 朝

,昼

,夕

の昇 降の しん どさ もさるこ となが ら

,高

所作業特有 の危険性 とも隣 高 炉 sSれんが 熱 風 炉 ″ ス 鉄 │ 鉱 石 ―クス 灰 石 など 原   料 ″ ス 溶銑車 鉱 滓 車 出所:鋼材倶楽部編 『鉄鋼の実際知識 (第5版)』 31ペ ージ

,東

洋経済新報社 1980年 ︱ 高 炉 ガ ス ︱ ,   熱 風 廃 ガ ス 煙   突 図

1

高炉・ 熱風炉 とレンガ

(4)

り合 わせ で あ る。高炉改修工事 で は

,昼

2交

替 の作業体制 で行 なわれ てお り, 休 日は月

2回

と少 ない。

3K職

場 に加 え

,休

,勤

務 時 間 な ど

,労

働 条件 が他 業種 よ り悪 くな って い る。 これ らの レンガエ は

,組

織 され て いな いため

,行

動予 定 が全体 的 に把握 で き な い といわれ て い る。協 力会社 の専属 または常用 に近 い もの は半数程 度 で

,残

りの半数 につ いては,その ときどきの条件 をみて彼 ら自身が仕事 を選ぶ。また, 各築炉元請 け間で レンガエ を賃借 す る習慣 もで きていない。 高炉

,熱

風炉 な どの建 設・ 改修工事 は不定期 で あ るこ とか ら

,彼

らの仕事 も 不 定期 で あ り

,出

張 も多 いため

,家

族 か らは嫌 われ る とい う。最近 の風潮 と し て

,築

炉工

=技

能工

=3K職

場 ,と い うイメー ジが見 られ

,応

募 者 が少 な くな っ て い る。

(2)築

炉業界 をめ ぐる環境変化 第一次石油危機以降の鉄鋼需要の低迷の下で

,

日本鉄鋼業 は減量経営路線へ の転換 を余儀 な くされ

,生

産の集約化 を合む合理化 を幾たびか図 って きた。 とりわけ

,1985∼

86年

にかけての急激で大幅な円高の進行 に伴 って

,高

炉大 手

6社

は高炉

8基 ,転

13基

,コ ークス炉

6基

の体止等 を合む大規模 な合理化 計画 を打 ち出 し

,経

営の リス トラクチュア リングを進めた。 こうした中で,高 炉稼働基数は

,1978年

66基

か ら

1989年

には

35基

へ と半 減 した。 また

,こ

れ と並行 して

,1980年

代後半 には

,低

操業下における生産 コ ス ト低減 を目的 として,特に大型高炉 において炉寿命

10年

以上 を目標 とした炉 命延長技術の確立が図 られた。その結果

,炉

内耐火物の補修技術の進歩や冷却 (注7) 装置の改善などによ り

,高

炉寿命 も

10数

年 に延びて きている。 こうした状況 を反映 して,わ が国の高炉火入基数は,図

2に

み るように,1975 ∼

79年

31基

か ら1985∼

89年

には

10基

へ と

1/3以

下に落ち込んでお り,ま た,これ らの工事で主体的に使用 され るレンガの生産量 を比較 して も

1975年

の (表 1)

1/3に

減っている。

(5)

1975 1980 1985 1989 1970 1148 954 2970 1998 1720 1794 1052 850 435 326

1)粘

度質れんが 172 174 170 163 165

2)高

アル ミナ質れんが 244 153 59 18

3)け

い石質れんが 52 33 22

4)断

熱質 れんが 87 60 2297 1439 1131 649 519 イヽ 計 673 559 589 499 435 が 生 産 量 ② 白 も の れ ん 表

1

耐 火れんが生産実績の推移 (暦年) (単位1000t) 西 暦 (年) '70==100

①耐火れんが総生産量

32.1 18.2 96 2.4 25.3 22.6 ③ その他のれんがの生産量 64.6 '自ものれんが…通称白もの と言われ

,主

に建設工事用に使われるれんがを仮称 した。 出所:矢野庄太郎「築炉工・不足の現状 と築炉技能の継承」 『工業加熱』 日本工業炉協会 1991年1月号 10 ハ/火入こ薇 移%a tlんび 基 5 敗 75 80 85 年

代 出所 :山 田・筒井他 「築炉工不足の現状 と築炉技能の継承」 『耐火物』耐火物技術協会 1980年8月 号 図

2

高炉 火入基数 とレンガエ必要数の推移

(3)築

炉工の減少・ 高齢化問題 ① 築炉業界の対応 と築炉工の転出 築炉業界 をめ ぐる厳 しい環境変化の下で

,築

炉メーカー 自身

,数

年 に一回 と い う高炉等の改修工事 を待 ち続 けるだけの余裕がな くな り

,ユ

ーザーの多様化 を図 った。 また

,高

炉等の工事量減少 によって

,要

員の確保

,保

持がで きな く な り

,他

業界への流出を余儀 な くされた。各社直営の レンガエ も

, 7∼ 8年

前 0 。               0 。       人     螢 0

(6)

まで は

,そ

の相 当数が建設工事 に従事 していたが

,現

在 で は

,そ

の ほ とん どが メ イ ンテナ ンス要員化 し

,建

設工 事 に派遣 され な くな って い る。 以上 にみ るような状況変化 に伴 って

,

レンガエの必要数 も

800人

か ら

200人

へ と

1/4に

激減 している。 これ らの築炉工事 を主要業務 としていた レンガエ は

,工

事量の減少により次の ような分野への吸収

,転

出を余儀 な くされた。

I

メ ンテナ ンスエ事 に吸収

II

都市 ゴミ焼却炉

,ガ

ラス等鉄鋼以外の窯炉分野へ転出

HI

土木 。建設工事 (タイル張 り 。赤 レンガ積 み等の類似業務

)へ

転出

IV

レンガエ を廃業 し

,運

輸・ サー ビス業 などへ転出 また

,こ

の間における築炉工の賃金の低下 も著 しい。

1975年

以前 には

,築

炉 工 と一般技能工の賃金格差 は

2∼

3倍

が普通であ り

,そ

の差が築炉技能 に対す る評価 とみ られていた。 しか し

,1975年

以降は

,築

炉工の賃金が急落 し

,現

在 では一般技能工の20∼

30%ア

ップ に とどまってお り

,技

能評価 を無視 した賃金 水準 になっている。このため

,築

炉工 を集め ることも困難 になってお り,「手元 工 を集めて下請 したほ うが よい」 という親方の話 もきかれ るとい う。 13 12 11 100 90 80 70 人 60 50 数 40 30 20 10 年 齢 層 出所 :山 田・ 筒井他 前掲論文 図

3

年齢層別れんが工経験者の人数 (全経験者数=直営245人十協 力会社369人=614人) 厖ZZ〃 直営I EII=]協力会社

(7)

レンガエの実数

全国の築炉工総数は

,現

在,2000人 程度と推測されるが,こ のうち高炉等建

(図3) 設工 事 の経験 者 は約

600人

程 度 とみ られ て い る。 さ らに

,(年

令等 の制約 な どか ら)現在 で も現役 と して活躍 してい るの は

,323

人 に絞 られ る。

しか も,こ の

323人

の うち

,約 80人

はメ ンテナ ンスエ事要員 (直営

)と

して配属 され てお り

,高

炉 な どの工 事要 員 と して カ ウ ン トで きない 状 況 にあ る。 したが って

,実

際 に建 設工 事 に従 事 で きる レンガエ の 人数 は

,残

りの

243人

(協力会 社

)に

限 られ る。

しか も

,彼

らにつ いて も

,高

炉 以外 の 鉄鋼 窯炉

,さ

らには非鉄

,ガ

ラス な どの業 界 に も携 わ って お り

,建

設工 事 にお け る協 力会社 の役割 の大 きさが伺 え る とともに

,か

つ ての ように高炉 向 け レン ガエ と して専有化 で きない事情 に変 わ ってい る。 ③ レンガエの高齢化問題 レンガエの減少 に加 えて

,高

齢化 も大 きな問題 となっている。最近

10年

間に おける高炉・熟風炉の建設工事 に従事 したレンガエの年令構成 とその推移

を 80 10 60 50 人 40 数 30 20 :0 0 出所 図4 -25 26‐30 01-35 38∼40 41‐45 48-50 51-55 56-年 齢 層 山田 。筒井他 前掲論文 年齢層別従事可能なれんが工の人数 (直営 80人 十協力会社 243人=323人) :1 厖%〃zz直営I [三二11協力会社

(8)

み ると,か つては

40才

以上 の 占め る割合が

25%で

あったのに対 し,近 年では

60%

以上 にな って い る。

10年

間 に

,そ

の比率が逆転 し

,平

均 年令 も

7才

上 が って 43 才 にな るな ど

,確

実 に高齢化 が進 んでい るこ とを示 してい る。 高齢化 の進行 は

,築

炉工 をめ ぐる様 々な問題 をク ロー ズア ップ させ る。 一 つ は

,体

力の低 下 とそれ に伴 う能率 の低 下 で あ る。

40代

にな る と

,体

力の 低 下 が 目立 つ ようにな り,重 筋 肉労働 に対応 しに くくな る。レンガ を積 む ス ピー ドは確 実 に低 下 し

,熱

風 炉

,コ

ー クス炉 な ど長期 間 にわた る レンガ積 みがで き な くな って くる。 高炉 シャフ トの レンガ積 みで比較 す る と

,

レンガエ

1人

が1 日で積 む レンガの量 は

,10年

前 よ り

30%,5年

前 よ り

15%程

度減 少 して お り, 近 い将 来

,10年

前 の

50%程

度 に能 率 ダウ ンす るこ とが予想 され る。 平均年齢 36」歳 41.3歳 43:1歳 1100 90 1979∼1982年 1983-1985年 1986∼1988年 年 度 Z笏

30図

31∼35〃

36∼40E=ヨ41∼45匡

46∼

"E=]51∼

出所 :山 田・ 筒井他 前掲論文 図

5

れんが二年令構成の推移 (3∼ 4年ご とにまとめた もの) 年 齢 層 別 割 合 ︵% ︶

(9)

名古屋学院大学研究年報 二 つ は

,技

能水 準 の低 下で あ る。現在 の レンガ積 み現場 で は

,熟

練工 を柱 に, 比較 的経 験 豊富 な レンガエ を中心 に編 成 され

,未

熟者 をカバ ーで きる体 制 にあ る。 しか し

,今

,熟

練工 の減 少や 高齢化 に よ り

,そ

のバ ラ ンスが崩 れて くる と

,現

在 の技 能水準 お よび精 度が維持 で きな くな るこ とが懸念 され る。 三 つ は

,高

齢 者特 有 の 問題 が 発生 す る と考 え られ る。

50才

に もな る と

,老

眼 な ど視 力の衰 えが 日立つ ようにな り

,精

度 の維持 に影響 が 出て くる と予 想 され る。 また

,高

所 作 業 で は

,朝 ,昼

,夕

の昇 降が苦痛 とな る。 さ らに

,重

量 物 を 取 り扱 うため

,体

力の消耗 や腰痛 な どの問題 も生 じて お り

,高

齢者 に大 きな負 担 とな って い る。 なお

,昼

2交

,月

2回

の休 み とい うハー ドな作業体制の 見 直 しも

,高

齢 化 問題 とい う角度 か ら迫 られ るこ とが考 え られ る。 ④ 大量離職 と技能継承 をめ ぐる問題 以上 に見 るように

,築

炉工の高齢化が進むなかで

,後

継者の育成 と技能の継 承が急務 となっているが

,離

職率の異常な高 さが危機 を増幅 している。 かつては

,仕

事が きつ くて も汚 くて も高収入の魅力で辛抱 した側面 もあった が

,今

日では

,

きつい割 りには賃金が安 く仕事 も不安定 とい う評価 に変わって お り

,辞

めやす くなっている。根気が続かない

,辛

抱 しない

, 3K職

場嫌 い と いった若者の風潮が

,そ

うした傾向に輪 をかけている。 また高齢化が進んでい るために

,会

社全体の雰囲気が若者 に合わな くなって きている。 こうした原因 が重なって

,採

用後の若者の大量離職 をもた らした。 建設工事の大半 を担 って きた協力会社 については

,図

6に

示す ように

,10年

間の累計で新規採 用者

152人

の うち

96%以

上が離職 してお り

,高

炉等建設工事 向けレンガエの定着数は

1人

/年

という状況 に落 ち込んでいて

,危

機的な様 相 を呈 している。業界に対す る将来の不安や給与条件の停滞 な どもあって

,協

力会社 に新人育成の情熱 を失わせて しまった といわれ る。代表者子弟の

7割

が 他の業界に就職 し

,事

業継続の意志がない。 レンガエ 自身 も自分の子弟に今の 仕事 を勧めていない。 こうした結果

,若

年層の増加がほ とん どみ られず

,逆

に 高齢化 による リタイヤが始 まり

,総

数の減少 に拍車がかかっている。 直営工 については

,毎

年少数ずつではあるが新入社員 を確保 し育成 して きた

(10)

,そ

の数 も近年減少 の傾 向 にあ る。 図

6に

み るように

,過

9年

間 に新規採 用 され た直営 の築炉工 は

391人

で あ るが,その うち定着 したの は

142人

で あ り, 離職 率 は

63%で

,至

3年

間 に限 る と

80%を

超 え る状 況 に直面 してい る。しか も

,数

少 な い新規採 用者 の ほ とん どが メ ンテナ ンスエ事要員 と して配属 されて お り

,

レンガエ と しては育て られ ていない。 新 規採 用者 の うち

,10年

間で定着 した人数 は

,図

7に

示 す よ うに

,直

協 合 わ せ て

148人

で あ るが

,そ

の うちこの間 に高炉

,熱

風炉 な どレンガ積 み を経験 し た人数 は

,わ

ず か

20人

程 度 にす ぎない。これ は

,設

備 の現 象や 炉命 の延 長 な ど に よって

,工

事量 が激減 した結果 で あ る。工事量 の減少

,

レンガ積 みの減少 に よ り

,実

技 の訓練 が ます ます困難 にな って きた こ とが伺 え る。この

20人

の経験 8 50 人 姜女1 30 10 1980 '81 '82

'84 '85 '86 '87 '88

協力会社 年 度 出所 :山 田・筒井他 前掲論文 図

6

新規採用者の定着状況 (直営 二年度別

.協

力会社=10年間の累計) 29 25 34 14 29 23 39 33 23

ZttZ在

籍数

離 職 者 数 ミ           嘔 ′         ﹁

(11)

者 に して も

,そ

の経験 の回数 は1∼

2回

に とどまってお り

,本

当の技 能の修 得 に は至 って いない。築炉工事 に限 らず

,技

能 の修 得 は現場 での経験 が不可欠で あ りかつ反 復訓練 す るこ とで技 が磨 かれ修 得 されてい くもので あ る。今後

,そ

の ような機 会 を作 りだ し

,

また短 期 間 に技 能修 得 を可能 に してい くシステムづ くりが求 め られ る。

(1980∼ 1988年

) I:コ

未経験者

(直`協

合計) 啄笏直営工の経験者

§ミ

l協

力会社の経験者

出所 :山 田・筒井他 前掲論文 図

7

新規採用者の高炉 。熱風炉等の経験状況 (1回の経験 で も計上 した) 300ノ、 定着数(1 200人 100人

10年後 経過年数(年)

>

出所:矢野庄太郎 前掲論文 図

8

将来の レンガエの定着数予測 (ケース・ スタデ ィ) ∩ υ

128人

236 定着 数( 5人/年) 232 16 1人/年 1 126 定 着 数 15年後

(12)

⑤ レンガエの将来予測 レンガエの数は今後 どの ように推移す るのかについて

,興

味深 い試算が出さ れている。現状

240人

程度の高炉等建設工事向け レンガエ (協力会社

)に

つい て

,定

着数

1人

/年

とい う実態 をその まま将来 にスライ ドす ると

,図

8に

み る ように

, 5年

後 には

180人

,10年

後 には

126人

,15年

後 には

79人

に減少 し, 築炉工事 に重大 な支障 をきたす ことが避 けがた くなる。

しか も

,46才

以上 の 比率

は,現状の

37%か

10年

後 には

58%へ

と上昇 し,高齢化の進行 に伴 う 諸問題が事態 をより深刻 にす ることが懸念 され る。

1992年

時点の追跡調査 によ れば

,図

10に

み るようにレンガエの高齢化ス ピー ドはより早 まっている。240 100 現 状 10年後 経過年数

ZZ2∼

30 mOk31∼

351π %'36∼40 EIコ41∼451匡

46∼

50E=コ

51∼

出所:矢野庄太郎 前掲論文 図

9

従事で きるれんが工の年令構成の変化 (今後の推定) (定着数

=1人

/年

の場合

.直

=代替要員の補充) 年 齢 層 別 割 合 ︵% ︶

(13)

(19921F) 才   才 50才 露 戸 i千1 1齢:45才

40才 35才 1988 1989 匡

>

Q:A社38F政●173才o lB4 58Fは 修 “ 3才◎:C社18F改爆453才 010社 HSa`153才①:E社 “ F改修 “ 6才 出所 :『 鉄 と鋼』1993年10月号 図

10

レンガエ平均年令の予測 人程度の現有勢力を維持 してい くためには

,15人

/年

の新規定着 を確保す る必 要がある。

(4)総

括 と課題 以上 に見 て きた ように

,築

炉工 の減 少

,高

齢 化 お よび後 継 者 の育成 の困難化 な ど

,い

ず れ を とって も

,築

炉業 界の関係者 す ら考 え及ばないほ どの深 刻 な状 態 に陥 って い るこ とが ひ しひ しと伝 わ って くる。築炉工 をめ ぐる問題 の全体構 造 につ いて は

,図

11に総括 した。近 い将 来

,高

,熱

風 炉 な どレンガ積 み を主 体 とす る築炉工 事 に重大 な支 障 が生 じるこ とが懸念 され

,築

炉 業 界だ けでな く 鉄鋼 業 界 な どの関連業 界 を も合 め た抜本的 な対策 が急務 とな って い る。 今後 は

,技

能評価や作業環境 を反映 した賃金水準 の確 保

,作

業環境 (いわゆ る

3K)の

改善

,休

日の増加 。昼 夜工事 の削減 や築炉工法 の改善

,労

働 時 間の 短縮 な ど労働条件 の改善 。向上 を図 って

,定

着 率 の 向上 や 高齢 化対策 を進 め る こ とが不 可欠 といえ よう。 また

,各

社 間の工 事調整 に よ り工事 の輻較 を避 け る とと もに

,工

事 量 の平均 化 に よって技 能継 承 の機 会 の確 保・ 増 加 を図 るこ とが 必要 とな ってい る。 あわせ て

,将

来 の要員不足 を念頭 にお き

,機

械 化

,省

力化 れんが工=243人 │

(定

「数

1人/年)│ れんが■=1∞人 (足薔数1人/年) にんが■‐126人 (定着致1人/年)'

Щ

5Q Q τユ│‐ )464 一“ 一 ヽ 世 目査 ' の平女 433

(14)

に早 急 に取 り組 ん で い か ね ば な らな い。

3.鉄

鋼 物 流 を担 う労働 力問題

(1)鉄

鋼 業 に おけ る国 内物流 の位 置 鉄鋼業 は

,大

量 の原料 やエネル ギー を消費す る産業 で あ る。鋼材 1ト ンを製 造す るの に

,現

在 の技 術水 準 で

,鉄

鉱石

,

コー クス

,鉄

,石

灰石等 の装入原 料 を通 常

2∼

3ト ン使用す る。 また製銑

,製

鋼工程 にお け る高温 の使 用や

,圧

延作業 におけ る強 力な動 力の使 用 な ど

,現

代鉄鋼 技 術 は大 量 のエ ネル ギー消 費 の うえに成 り立 って い る。鉄鋼業 は

,

まさに資源・ エネル ギー多消費型産業 と い える。 この ように膨 大 な原料や エ ネル ギーが遠隔地 か ら工場 まで輸 送 され

,工

場 内 で は工程 の流 れ にそ って

,原

,銑

,鋼

,半

製 品 … と幾度 も形 をか えなが ら運搬 され

,最

終 的 に鋼材 とな って需要先 まで輸 送 され る。 これ らはすべ て形 状 や 単重等 の様 々な運i舟党しに くい重量 物 で あ り,「 鉄鋼業 は輸 送業」といわれ る (■ 10) 一面 を もってい る。 鉄鋼業 におけ る輸送量 は

,主

原料輸 入で

1.9億

トン

,副

原料

,鉄

,コ

ー ク ス等 で

0.6億

トン

,鉄

鋼 (製品 。半 製 品

)の

国 内輸 送 で

2.1億

トン

,輸

出で 0.2 億 トン

,構

内輸 送 で

5億

トン程 度 で あ り

,全

輸 送量 は粗鋼 生産量 に対 して約 10 倍 に も達 して い る。 鉄鋼 の国 内輸 送量(2.1億 トン)は,日本 全体 の貨物輸 送量(約

62億

トンで,その

9割

が トラ ックに よる輸 送)の

3.5%に

当た る。 この うち

,

トラ ックに よる輸 送 が約

1.55億

トンで,日本 の トラツ ク輸 送 に 占め る比 率 は

2.8%に

とどまる。しか し、内航海運 に よる輸 送 にスポ ッ トをあててみ ると

0.55億

トンで あ り,日本 の 内 航輸 送(3.18億 トン)に 占め る比率 で は

18.6%と

高 い こ とが特徴 で あ る。内航輸 送 で は

,そ

の他 に鉄鋼 原料 と しての石灰石

(5.7%)や

コー クス・鉄層等

(2.5%)

(図12) もあり,それらを合めると内航輸送に占める鉄鋼関連の比率は

26.8%に

達する。 鉄鋼製品の輸送形態 は

,図

13に 示す ように「内航船→流通基地→ トラック輸 送」が主体 となっている。 これは

,

日本の主要製鉄所がいずれ も臨海立地であ

(15)

ユーザー業界の変化】

高炉稼働基数の半減

高炉設備の長寿命化

(}

高炉 火入基数の大幅減 レンガ使用料の大幅減

一般労働市場の変化】‐

: ① 若者の製造業離れ、

3K職

場忌避の傾向

若者の離職化傾向

「―― 【築炉工の労働環境】 l① 多様かつ高度な技能 l② 長い習得期間

目が重要なポイント

高所作業が多い

昼夜

2交

替制、少ない休日

図11 築炉の不足

,技

能継承問題の構図

l )

L¬ !ノ

築炉業界の変化】―

(1)築

炉業界 。築炉工の対応 ① 客先の多様化

他業界への要員流出

③ 直営工のメインテナ ンスエ事要員化 ④ 高賃金相場の消失 (技能 との乖離) ⑤ 協力会社の経営者の経営意欲喪失 ⑥ 築炉工の対応 (鉄への依存度低下、 子弟に今の仕事を勧めず)

(2)雇

用環境の変化 ① 採用の困難化

(3K職

場イメージの強まり) ② 採用後の大量離職 ③技能習得の困難化 ◇ 建設工事の激減 ◇

35才

以下経験工の不足に伴う技能 継承の困難化 ⑦ フ リーが半数 (専属・ 常用が半数) │

不定期な仕事、多い出張

需要先の管理

(安

全、

JK、

QC)

(16)

――‐【築炉工の減少、高齢化】一一

高炉関係の築炉要員は、最近の

10年

間に

1/4以

下に激減

② 定着数の実態

(1人

/年)か ら推 測すると、10年後には現状の1/2、 15年後には1/3に減少する見込み

最近

6∼ 7年

の間に、

40才

以上

の占める比率が

1/4か

6割

に上昇

数年先には、半数以上が

45才

越 え る見 込 み

一一

高齢化に伴う問題】 ‐

――

体力の低下

能率の大幅低下

l③

技能水準のインバランス、低下

④ 高齢者特有の問題の深刻化 ◇ 老眼、視力の衰え ◇ 昇降の苦痛化 ◇ 体力の消耗、腰痛問題

一‐【

今後の対策】

│(1)現

有勢 力の有効活用

工事計画の各社間調整

工程そのものの見直し

高齢化対策

技能の保持 。継承

(2)他

業種への流出防止 ① 仕事量の確保・平均化

労働条件の改善

(3)新

入社 員の確保・ 育成

(4)労

働 条件の向上

(5)機

械化、 自動化の検討

(17)

,

しか も鉄鋼 製品が長大 で重量物 で あ るこ とに よる。 その結果

,製

鉄所 か ら 最 初 の着地 までの輸 送 (所 間輸 送 を合 む

)を

対 象 とす る「

1次

輸 送」 で は

,そ

の約

7割

が 内航 に依 存 し

,

トラ ック輸 送 は約

3割

に とどまって い る。 最 初 の着地 (流通基地や着駅

)か

ら需要家 までの 「

2次

輸 送 」 につ いて は, 大 部分 が トラ ック輸 送 に依 存 して い る。 この ため

, 1次

輸 送

, 2次

輸 送 をあわ せ る と

,

トラ ックに よる輸 送量 (1.55億 トン

)は

全鉄鋼輸 送量 の

7割

にな る。 ①輸送機関別国内貨物輸送 トン数 ② トラック ③内航海運 (油送船 (1億 7,500万 トン)を除く) 内航 海運 8 鉄道 航 空 その他 砂利・砂・石 材 その他 鉄 鋼 (18.6%) ?%) 木 材 クス・ 等(2.5%) 食 料工業品 特 種 品 窯 業品 機 械 窯 業 品 砂 利・砂・石 材 出所:『鉄鋼界』1990年12月号 図

12

わが国の輸送量 と鉄鋼輸送量 (1980年度) ※1(内航) (32.7%) ※ 1 ※2(トラ ック) (0.4%) 鉄 鋼 品 品 製 用 油 日 石 注: ※1 ※2 )内の数字は89年度における構成比。 一次輸送…製鉄所か ら最初の着地 までの輸送範囲をいい,大量輸送 となるため,主に船舶 に依存 している。 二次輸送…流通基地,着駅等中継点 を経 るものは,それ以降の輸送 を二次輸送 と称 し,積荷の ロッ トが小 さいことや機動性 か ら,主に トラックに依存 している。 『鉄鋼 界』1990年12月号 流通基地 (66.9%) ※2(トラ ック) ※1(ト ラ ック) 需 要 家 ︵加 工 先 。問 屋 倉 庫 等 を 含 む ︶ 製 鉄 所 出 所 図13 鉄鋼製品の輸送形態

(18)

(2)鉄

鋼物流 をめ ぐる環境 変化 円高不況 以 降の鉄鋼 国 内輸 送量 は,図

14に

み るように大 幅 な増加傾 向 を示 し て い る。

1992年

につ いて も

,(円

高不 況以 前 の

)83年

度 と比較 して粗 鋼 生 産 が 百万 トン (112) (100) 111.7 101.9105.7 108.1 105 9(98) Eコ粗鋼生産 田:一次輸送量 2 ( )内は 対83年度比 1983 出所 : 87 88 91 92 『鉄鋼界』1993年5月号 図14 粗鋼生産 と鉄鋼輸送量 表

2

鉄鋼 国内輸送機 関別輸送量推移

(1次

輸 送ベ ース) (単位

:1,000t,%)

出所 :鉄鋼連盟「鉄鋼国内輸送機関別発送実績」 注:工場出荷段階の 1次 輸送ベース,1992年 は暦年ベース 出所 :「鉄鋼界』1993年 5月号 ● ■ 一● ■ 内 航 トラ ック 鉄 道 合 計 粗 鋼 1983年 度 1988年 1989年 1990年 1991年 1992年 40,929 (68.5) 48,804 (67.2) 52,521 (66.9) 53,915 (65.6) 52,809 (65.7) 48,092 (66.6) 18,065 (30.2) 23,555 (32.5) 25,653 (32.7) 27,972 (34.0) 27,132 (33.7) 23,680 (32.8) 758 (1.3) 222 (0.3) 293 (0.4) 320 (0.4) 460 (0.6) 419 (0.6) 59,752 (100.0) 72,581 (100.0) 78,467 (100.0) 82,207 (100.0) 80,401 (100.0) 72,191 (100.0) 100,200 105,656 108,139 111,710 105,854 98,131 92年

/83年

度 92年

/91年

度 117.5 91.1 131.1 87.3 55.3 91.1 120.8 89.8 97.9 92.7

(19)

2.1%減

少 しているに もかかわ らず

,21%の

増加が見 られ る。また,1輸送機 関別 の内訳推移

をみると,内航 お よび トラックの増加が 目立 ち,鉄道の一層の落 ち込み とは対照 をな している。 この ような鉄鋼国内輸送量 にみ られ る変化 は

,鉄

鋼の製品物流 その ものが大 きく変化 したことによる ものである。 それは

,鉄

鋼需要構 造の変化が物流の変 化 を もた らした とい う側面 と

,円

高不況 を契機 に物流 その ものの変革が進め ら れた というもう一つの側面 とがある。 まず

,装

置産業 中心か ら組立産業 を中心 とす る産業構造への変化 に伴 って鉄 鋼需要構 造が量的・質的 に も変化 し,自動車や電機 をは じめ とす る需要家のニー ズが小 ロッ ト化 。多品種化・短納期化・ 品質管理の厳格化等の方向に変化 した ため

,そ

れへの対応 を図 ることが必要 になった点があげ られ る。その結果

,鉄

鋼 メーカーの側 において も

,製

造中心 といった従来の考 え方か ら

,重

要家サー ビスに徹す る方向への転換 を余儀 な くされ

,販

売 。生産 。物流 を一体の もの と して一貫管理す る方向に変わって きている。 こうして

,鉄

鋼製品の物流 という ものが改めてクローズア ップ されたのである。鉄鋼 メーカーが指定 した積 み替 えのための中継拠点である「流通基地」は

,経

由量の大幅な増加に も表れてい 表

3

国内向 け出荷量 と流通基地 の ウエイ ト 1986年度 89年 度 89///86 年度 (%) 数量 (1,000t) 構成比 (%) 数量

(1,000t)│ 構 成比 (%) 国 内向け出荷量 38,295 (100.0) 51,412 1 (100.0) 134.3 内     訳 直送量 16,9291 (44.2) 22,3511 (43.5) 132.0 流 通基地経 由 量

(入

荷量) 14,2741 (37.3) 19,214 (37.4) 134.6 その他 7,092 (18.5) 9,8471 (19.2) 138.8 流通基地倉庫面積 (1,000r) 578 599 103.6 流通基地 数 33 36 109.1 出所 :鉄 鋼連盟 注 :対 象 は高炉6社の直営 お よび物流子会社が営 む流通基地 『鉄鋼界」1990年12月号 よ り再 引用

(20)

るように

,

現在では

,単

なる中継点 としてのみでな く

,ジ

ャス ト・ イン・ タ イム化 に対応す るうえで も

,そ

の機能が重視 されている。 その反面

,こ

うした 物流の変化 は

,輸

送効率の低下

,在

庫保管・輸送頻度の増加等 になってあ らわ れ

,輸

送 コス トの上昇や交通渋滞の激化

,輸

送能カネ ックな どの問題 を もた ら している。 次に

,円

高不況 に対応 した鉄鋼事業分野の見直 しは

,製

銑・ 製鋼 といった上 工程の集約 と人員合理化 を図 るとともに

,需

要構造 を内需 にシフ トし

,販

売体 制 を強化す ること等 をポイン トに して進め られた。その結果

,上

工程の集約 に 伴 って半製品等の工場間輸送が増加す るとともに

,西

日本の製鉄所への生産集 約化の傾向な どを反映 して

,製

品の東西間片側輸送

,

とくに西か ら東への移動 が多 くなっている。

また,バブル需要な どを合めての好調 な内需 を反映 して, 製品輸送量の増加 も見 られた。 わが国の内航船腹量 は

,1985年

以降の円高不況期 に大幅 に減少 した。鉄鋼製 品の海上輸送に使用される一般貨物船の船腹量は

,1987年

から

88年

にかけて

21%

の大幅減少 となっている。 この ような状況下での内航輸送需要の高 ま りは

,船

腹不足 を もた らし

,輸

送 コス トの上昇等 となってはねかえった。 0 100 200

関西―関東 九州―関西 九州―関東 関西―中部 中部―関東 11     5 2     23 330 上段:東行 き 下段 :西行 き

:船

目 :自動車 283 出所 :鉄 鋼連盟r鉄鋼国内向輸送機関別発送実績」 注 :高 炉6社1次輸送ベース ( )内は内数 『鉄鋼界』1990年12月号より再引用 図15 鉄鋼の東西問輸送量 (1989年 度)

(21)

(3)鉄

鋼物流 を担 う労働 力の不足 。高齢化問題 鉄鋼の物流 は,「鉄鋼の生産技術」や「一般の運輸 。物流技術」の世界に属 し なが ら,必ず しも同種 。同様の技術が適用で きない鉄鋼物流独 自の特殊性 をもっ ている。 その一つは

,形

状や単重等の さまざまな重量物 を扱い

,こ

れ らの多様 な貨物 に対応す るために,弾力に富み柔軟 な人間系の作業 に依存 していることである。 二つ には

,作

業の場がほ とん ど構外であ り

,構

内の作業で も構外作業 に密接 な連続性・影響性 を持つ ことである。 しか も

,作

業環境 は劣悪で危険 を伴 う作 業 も少な くない。劣悪な作業環境の事例 としては

,粉

塵(原料の船 内荷役

),猛

暑 と酷寒 。雨天 に身 を晒す 。危険 (原料の船 内荷役

,出

荷岸壁等

),作

業環境 と 居住環境 の同一 (内航船

)等,が

あげ られ る。 また三つに

,こ

れ ら構外の作業が既存の運輸業者 に委託 していることがあげ られている。その うえ

,範

囲が広域 にわたることもあって

,従

,統

一的な効 率化技術・設備の導入が困難 であった。

1990年

3月 に 日本鉄鋼協会共同研究会運輸部会が行なった実態調査 は

,鉄

鋼 物流部門における「労働 力不足の実態」 について

,初

めてその全貌 に迫 った も の として注 目され る。調査対象の事業所は高炉

7社

17事

業所 と

18流

通基地 であ り

,そ

れ らの事業所 お よび内航輸送 に従事す る物流作業員・船員の約

2万

人が調査の対象 とされた。 調査結果か らは

,鉄

鋼物流領域 における労働力問 題が浮かび上が って くる。 ① 平均年令 および年令構成 平均年令 は

,図

16に み られ るように

45.2才

となってお り

,一

般産業 より6 才高 く

,(熟

練 。経験労働 に依存す るといわれ る

)高

炉メーカーの作業職 に比べ て も

2∼

3才

ほ ど高い。とくに

,内

航輸送の船員 は

47.4才

と他 に類 を見ないほ ど高齢化が進んでいる。 年令構 成では

,図

17に み るように

45才

以上の層が

6割

近 くになってお り, 一般産業の31∼

33%に

比べて

2倍

近 い割合 となっている。 とりわけ

,内

航輸送 では

65%を

占めてお り

,55才

以上の層で も約

1/4を

占め るという高齢化の実

(22)

4

調査対象 の物流領域・ 職種

,人

(1)調

査対象の領域・ 職種 (職種の範囲)・ 機器運転工:クレーン運転工

,点

検工

,荷

役機運転工 。原料荷役の荷役下廻 り工は船内荷役

,落

鉱処理等 ・原料荷役の管理工 は荷役進行管理,その他 ・構内輸送の管理工は粋量所

,配

車指令他 ・製品倉庫の管理工 は管理

,立

会い工 ・出荷岸壁の荷役下廻 り工は玉掛け

,玉

外 し

,合

,荷

固め

,大

工等 ・ 出荷岸壁の管理工は荷役作業管理工 ・流通基地の荷役下廻 り工は玉掛け

,玉

外 し

,合

図工 ・流通基地の管理工は作業管理 出所:『鉄 と鋼』1991年 3月号

(2)物

流領域別調査対象 人員 (単位 :人) 注

:( )内

は構成比 出所:『鉄鋼界』1990年12月号 部 門 N() ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 大 領 域 原料荷役 構 内輸送 製品倉庫 出庫岸壁 一次輸 送トラック 流通基地二次輸送 内航輸送 中 領 域 原料荷役 鉄道 。無 軌道 製品倉庫 国内・輸 出 一次輸送 基地・配 送 内航船・ 絆 職

種 機器運転 鉄 道 運転 工 管理工 トラック 運転工 機 器 運転 工 荷役下廻 り工 管理工 トラック 運転工 機器運転 工 荷役下廻 り工 管理工 トラック 運転工 船長 貝 船 直・協区分 直・協 協 原料荷役 構内輸送 製品倉庫 出荷岸壁 1次輸送 流通基地 内航輸 送 合 計 対象人員 1,301 (67%) 4,870 (24.9%) 4,284 (21.9%) 3,250 (16.6%) 1,670 (8.5%) 1,430 〈7.3%) 2,762 (14.1%) 19,567 (100%) 態 が示 され て い る。

(23)

(指数) 130 120 110 100 3 次 輸 送 一 査 一 平 均 一 調 一 航 輸 送 一 一 音 商 品 ″ 高 炉 音 同 品 ″ 音 高 ″ 高 炉 高 炉 内 ヽ ′ + 土 て 、 1 ■ F 社 一 E 社 一 D 社 C 社 B 社 A 社 運 製 全 理造 産 信 業 業 労 働 省 ※2 鉄 連 労 働 部 調 査 ※1 ※

1 0日

本鉄鋼連盟労働部 「鉄鋼就業給与状況調関係付帯調査」(平成元年/4, 6調査) ※

2

前述 労働省 「賃金構造基本統計調査」 ※

3 0日

本鉄鋼連盟労働部「従業員構成調査」=S63.11 技能職 男子 (調査時点 昭和63年4月 末) 出所:『鉄 と鋼 」1991年3月号 図16 平均 年 令比 較 指 数(労働 省統計 全産 業

=100)

122 41.2 実 数 1 1 2 44.5 .9 4 4 1 4 3 1 1 100

116 116

0 100

106 39.0 47.4

Q

5.2

b

42.9 42.4

Q

(24)

206メ、 ヽメ187

15 148 45才 以上の割合指数 (労働省統計 全産業=100) 149 1.A / Xヽ

119

401

127 54 105 (:=徴, % 220 200 180 60 40 120 100 70 60 44 才 45 │ 40 54 5 3 才 55 才 以 上 今回調査

鉄連労働部調査 運 製 全 輸 `生 ユ 通

O圧

信 業 業 労働1`ま統計 ※2 ※3 出所 :『 鉄 と鋼』1991年3月 号 図17 年令構成比較 と45才以上の年令層の割合 ② 勤 続 年 数 平均勤続年数は

,図

18に み るように

,14.8年

で全産業平均 (12年

)に

比べ やや長い ものの

,高

炉 メーカー (20∼

24年

)に

比べ ると大幅 に

(7∼

8年

)短

い。これは

,高

炉メーカーなどの大企業以外では長期雇用制が実質的に崩壊 し, 労働 力が流動化 していることを示す もの といえよう。 なかで も

,内

航輸送の船員の勤続年数は

9.2年

と極端 に短 く

,船

員 としての 経験年数 と同一企業への在職年数 との乖離 を裏付 けている。 平均勤続年数は

,い

わゆる「構 内物流」 と「構外物流」 とではっきりと

2分

され る特徴 を示 している。すなわち

,図

19に み るように,「構外」

3領

域 (「1 次輸送 トラック」「流通基地」「内航輸送」

)は 9∼ 14年

となってお り,「構 内」 の16∼

17年

に比べて短 い。 とくに,「内航輸送」 は平均年令が最 も高いに もか かわ らず勤続年数は短 く

,労

働 力の流動性が激 しいことを示 している。 高 炉 G 社 高 炉 F 社 高 炉 E 社 高 炉 D 社 高 炉 C 社 高 炉 B 社 高 炉 A 社 一 次 輸 送 総 平 均 内 航 輸 送

(25)

96

1 運 製 全 輸:生

=

通連 庄 信 業 業 鉄 連 労 働 部 調 査 労 働 省 ※ 1 ※ 2 ※ 1(│七)日本鉄鋼連盟労働部 「鉄鋼就果給与状況調関係何帯調査」 (作業職 り;子 平成元/4または 6月) ※2 労働省「賃金│=造基本社調劇交報告」 (現機 10人 以 上 jr B“和63/6′ l調■) 出所:『鉄 と鋼 』1991年3月号 図18 平均勤続年数 と比較 (指数)

200

180

160

140

120

100

80

60

年 25 20 15 1 高 炉 G 社 高 炉 F 社 高 炉 E 社 高 炉 D 社 高 炉 C 社 高 炉 B 社 高 炉 A 社 原 総 内航 輸 送 一 査 一 平 均 一 調 一 料 荷 役 一

187

139

121 20.2 20.8 14.8 13.5 実 数 1 1 6 2.8 , “ 1 17.0

Q

Q

13.5 0“λ

b

12.2 111 0 9.2 指 数 24

100

(26)

47.4 45.2 43.8 42.9 44.9 44.945.1 平 均 年 令 45.5 才 15 10 出所:『鉄 と鋼』1991年3月号 図19 領域別平均年令 と平均勤続年数 ③ 労 働 時 間 月間総 労働時 間 は

,図

20に

表 れ て い る よ うに

,高

炉 メー カーの

170時

,全

産業平均 の

175時

間 に対 し

,鉄

鋼 物流 関係 で は

207時

間 (ト ラ ック・ 内航 を除 くと

199時

)と

な ってお り1∼

2割

長 い。 と りわ け

, 1次

輸 送 トラ ック運転 手 は

251時

間 と著 し く長 い。 なお

,全

日本 トラ ック協会 デー タの区域 。大 型牽 引運転手 もほぼ 同様 の数値 とな ってお り, 世 間的 レベル よ りも

4割

程 度長 く

,

トラ ック運転手の長時 間労働 が 目立つ。 これ は

,常

昼作業 に もかかわ らず

,早

朝・ 深 夜 といった労働 時 間の不規則性 増大 とデ リバ リーの厳格 化

,さ

らには交通渋滞 に伴 う非運転待機 時 間の長大化 傾 向 に起 因す る もの とみ られ る。 平 均 一 次 輸 送 出 荷 岸 壁 製 品 倉 庫 構 内 輸 送 原 料 荷 役 14.0 平均勤続年数 1 ´ 0 1 9.2 4.9 13.9

(27)

① 採用・ 退職率 労働の流動性指標の一つである「直近

1年

間の採用。退職率」(図

21)は

,他

産業 に比べ 目立 った特色 はみ られない。 これは

,む

しろ企業規模等で左右 され る指標 ともいえる。 しか し

,中

,零

細の船主 。オペ レーターが多い といわれ る内航 の領域では

,こ

1年

の急速な活動水準の上昇 も反映 して

,

きわめて高 い採用 。退職率 を示 した。 直近

1年

の採 用。退職率は,「総平均」でそれぞれ

8.2%,7.1%で

あ り

,全

体 として充足 しているように見 える。 しか し

,領

域別 にみた場合

,

問題 は大 き い。採用率

<退

職率 とな り

,在

席人員の減少 となったのは,「原料荷役」,「製品 倉庫」,「出荷岸壁」である。 150 指 数) 11 1旨 J女 1 99 x143

140130 120 10 100 111 1 h/ 2 0251 ― 総 製 高 高 高 高 高 0 ︲7 4           つ   ヽt l 犯       ︲ ︲ 89 ・ Q ヽ 8︲ ・ 2 ︲ l l ︲   ︲   ・︲ 9 1 21 19 18 次 “品 輸す倉 送 均庫 今回調査 炉 炉 炉 炉 炉

ABCDE

社 社 社 社 社 社 社 鉄連労1勤部調査 ※ 4 所 大運 製全

_

型1命}生

=

牽 通理仁 内 ■

i生

三 他産業データ ※ 5 高 炉 G 高 炉 F ※

4 0日

本鉄鋼連盟労働部「鉄鋼就業給与状況調」

H2. 3

(調査時点 平成元年年間平均) ※

5

大型牽引「 トラック運輸事業の賃金実態」 (平成元年 5∼7月平均) 他は 労働省「賃金センサス」 出所 :『 鉄 と鋼』1991年3月 号 図

20

月間総労働時間比較

(28)

2 % 1 10 5

-5

-10

-15

:( )内

は率 出所 :『鉄鋼界』1990年12月号 ※6 ※

6

労働省「毎月勤労統計」 出所 :「 鉄 と鋼」1991年 3月 号 図21 採用・ 退職率比較 表

5

採用・ 退職 数 一 業 一 製 造 業 藤 一 大 型 牽 引 一1 一 出 荷 岸 壁 一   一 一 べ ﹂ 一

内 航 輸 送 一   一 (単位 :人) 21.0 採用率 13.9 8.1 8.3 3.9 8.2 ▲5.0 ‐

′ヽ

`

7・1/′

5.6 ▲ 7.3 ▲13.0

R

b

`

退 職 率 ▲14.3 物流領域 期 首在籍 採 用数 退職 数 増 減 原料荷役 1,301 39(2.9%) 108(8.0%) ▲69(▲5.1%) 製品倉庫 3.385 271(8.0%) 274(8.1%) ▲ 3(▲

0.1%)

出荷岸壁 3,104 123(3.9%) 173(5.6%) ▲50(▲1.7%)

(29)

出所:『鉄鋼界』1990年12月号 5

50

44.9

45

44.14

くト3.7

40

6

職種別 内訳

A:在

籍者の平均年 令

0-B:直

近 1年 の退職年 令 ◆一

47

員 υ 44.9 43.3 42.6 , 9.6 41.5 41.7 36.2 34.8 X `

//

30.032.2

46.1

45

38.2 ヽ ヽ ヽ ヽ

ぅ 0       ︿ V 4 ^       o 5 ◆       ヽ X 、   0 ハ ︶ ヽ ヽ ︲ Q υ l 1 4 ^ ︱ ︱ r D う 0 F Э 0 5 , “ 一 5

C

30

2 0 8 7 3

25

C:直

1年

の採用年 令 ×一

D:在

者の採用 年令

●一

製 ロ ロ 屋

出所: F鉄と鋼」1991年 3月号 図22 在職者の平均年令・ 採用年令と直近 1年 の退職 。採用年令 n v う 0 n ∠ 平 均 輸 送 通 基 地 一 次 輸 送 出 荷 岸 壁

物流領域 機器運転工・管理工 荷役下廻 り工 在籍数 採 用数 退職 数 増 減 数 在籍数 採 用数 退職数 増 減 数 原料荷役 426人 16人 14人

+2(+0.5%)

875人 23人 94人 ▲71(▲8.1%) 製品倉庫 1,544 116 64 +52(+3.4%) 1841 155 210 ▲55(▲3.0%) 出荷岸壁 850 18

+11(+13%)

2,254 105 166 ▲61(▲2.7%)

(30)

これ をさらに職種別 にみた場合

,

問題が一層鮮明になる。原料荷役

,製

品 倉庫

,出

荷岸壁の

3領

域では

,管

理工

,機

器運転工 はいずれ も退職 に見合 う要 員以外の ものは充足 されているが,荷役下回 り工 は大幅な流 出域 となっている。 とくに

,原

料荷役 。出荷岸壁の船 内下回 り工 は

3K職

場の典型 とされ

,作

業環 境・ 肉体負荷な どの影響が大 きく

,労

働力の確保 。維持 に問題 を示 している。 ⑤ 採用・ 退職年令 まず

,図 22に

示 されているように,「直近

1年

の退職年令」は

43.9才

であ り, 「在職者平均年令」

45.2才

を下回っている。 これはすべての物流領域で生 じて お り

,平

均 より若い層が流出 していることをうかがわせ る。とくに,「製品倉庫」 「出荷岸壁」では

2才

以上若 い層が辞めてお り

,こ

の傾向が より顕著 に出てい る。 次 に,「総平均」では「在籍者の採用年令」が

30.4才

であるのに対 し,「直近

1年

の採用年令」は

39.4才

9才

も高 くなってお り

,採

用の高齢化が生 じてい る。 とくに

,こ

の傾向が著 しいのは「製品倉庫」 と「内航輸送」であ り

,採

用 年令がそれぞれ

10.1才

,7.6才

高齢化 していて高齢者以外の採用が難 しくなっ ていることを示 している。「内航輸送」にいたっては

,直

1年

の採用年令(45.8 才

)と

退職年令 (46.1才

)が

高齢ベースで接近 してお り

,新

陳代謝 。若返 りが 図 られていないことをうかがわせ る。 これ らの状況 を地域別 にみたのが表

7で

ある。過去か らの累積的状況 を表す 平均年令 と年令構成 は

,歴

史の古 い製鉄所が多い北海道 。九州 を除けば

,大

き な差 はない。 しか し

,関

東 。中部 。関西では

,直

1年

の退職年令 。採用年令が他地域 よ り若 く

,ま

た自己都合退職率が他地域 より高い反面

,34才

以下の層の定着率は 他地域 より低 くなっている。 これ らの ことか ら

,大

都市経済圏に位置す る事業 所の鉄鋼物流では

,若

年層が激 しく出入 りす る姿が浮かび上が って くる。 この 結果

,今

後の「労働力の構成」 も変化 してい くことが予想 され

,技

術 。経験の 蓄積

,伝

承 に も影響 を与 えてい くと思 われ る。

(31)

北海道 関 東 中 部 関 西 中四国 九 州 平 均 従 来 の 状 況 平 均 年 令 (才) 47.4 44.5 45.3 44.5 45.0 46.6 45.2 45才 以上 の 年 令 構 成 (%) 58.7 55.7 57.5 55.9 57.7 69.9 58.2 近 年 の 状 況 直近1年の 退 職 年 令 (才) 54.1 43.0 40.3 39.7 45.1 45.5 43.3 直近1年の 採 用 年 令 (才) 38.2 34.4 37.1 34.2 38.7 36.2 36.3 34才 以下の 定 着 率 (%) 100 74 69 70 81 84 77 自 己 都 合 退 職 率 (%) 67 80 70 50 51 61 表

7

地域別 の状況 注 :内 航輸送の船員 を除 く 網 か け 部│こ変 化 出所:『鉄鋼界』1990年12月号 ⑥ 労働条件の評価 採用傾向

,離

職度合い

,技

術 。経験の必要度

,作

業環境

,労

働力代替の技術 開発等の労働条件 に関 して

,ア

ンケー ト形式 により (作業 に従事す る

)会

社 に 自己評価 して もらった ものが

,図 23で

ある。一般 に

,評

点の高い ものが

,労

働 力の確保・維持 に問題があるとみ る。 まず

,す

べての領域で「採用 しやす さ」関係の設間 (設問

1, 3,13)に

高 い評点が付 され

,採

用・労働 力確保 を困難 とし最大の関心 とす る見方で一致 し ている。 しか も

, 5年

,10年

後 とこの趨勢が一層厳 しくなるとみている。ま た,「採用年令傾向」では,「内航輸送」で極めて高 くなってお り

,採

用の厳 し い実態 を反映 している。 次 に評点の高い設間は,「労働 力に替わるハー ド・ ソフ トの技術開発」(設間

12)で

ある。「技術 レベル」(設間

6)や

「必要経験度」(設問

7)の

難 しさとも

(32)

5 構 内輸送3.6 出 蜃 内 航船 7製 4流通基地 4原料 荷役 3.6 0流通基地 1流 通基地 .3-次輸 送 49 流通碁it 原料 荷役 構内輸送 3.6 製品 倉庫 離 職度 合い 餞 職年 令傾向 技 術 レベ ル 経 験必 要度 危険度 肉 体負荷 汚 さ 作 業環境総合評価 労{10カに替わるハー ド 18原 流通基地2.1 製品 倉庫. 一次輸送2.1 2. 構 内輸 送 25 5年後の採用 しやす さ見込み ソ フ トの技術開発の容易 さ 10年後 の労働 力確保 の 見込み 採用 しやす さ度 合い 採用 年 令傾向 出所 :「 鉄 と鋼」1991年3月号 図23 労働条件評価 (アンケー ト) 合 わせ てみ る と

,鉄

鋼 物 領域 で は人間系労働 へ の依 存 度 はか な り高 く

,省

力化 ・ 機械化 には相 当の努 力 を要す る とい える。

「危険度」「肉体負荷」「汚さ」「環境総合」

(設

問 8∼ 11)と いった作業環境

における問題領域は

,「

原料荷役」と「一次輸送」である。これ らは技術開発の

困難性の高い領域で もあ り

,労

働力確保の点か らも早急な検討 。対策を必要 と

している。

(33)

47 才 56.8 製品倉 52.6 出 平 構 岸壁 .5 均51.6 料荷役 51.0 輸送49.6 流通基地 49.4 50 45 42 7.4

ちス 4 岸 壁 [ 43.8 L 42.9 44.2 現

12345678910

年 年 年 年 二 三 年 年 年 年 在 後 後 後 後 律 後 後 後 後 後 平均年令の算出式 …

{(rc+1)+(E+",×

スー(R+")xB} ′η― ― ― ―――― rI171=‐ 1戸――一――――一― 次年度の平均年今 r″ 当年度の平均笙令 Tc 採用者の平均年今

E

オ采用率 И 退職者の平均=合

R

退職

=B

出所: F鉄と鋼』1991年 3月号 図24 領域別の平均年令推移予測

(34)

▲3 ▲267 (▲8%) 3 ●時短 にょる 必要要 員 出荷 岸壁 A378 (▲12%) 3400 3300 3200 3100 3000 3 2 2 2 338 298 原料荷役 A131 ▲300 (▲23%) 必要 省 力人数 ▲891人 (▲28%) │ ▲ 800 2600 2500 513 (▲16%) 27 ●供給 ライン 1494 ‐時短 による 必要要 員 193 (▲15%) 人 4 11 10 必要 省力人数 ▲724人 (▲56%) 700 1%) 375 ‐供給 ライン l 年 年 9 年 在後 イ′ `癸 イ姜 労働時 間(現状),采用 菫 退職二 壁 198h/月 3.9% 5.6% イ1 2011、/月. 2.9% 8.0% 間

→ 5生後「全国運輸 通信 業」なみ 10年 後「 全産 業」なみ 間労働時 8 住 後 7 年 後 6 年 後 5 ■ 仕 4 年 後 年 後 出 原 月 ¨年 一何 荷 料 差号│ ▲1.7% ▲5.1% 190h 175h 出所:『鉄 と鋼』1991年3月号 図25 要員状況予測 ▲75

(35)

① 将来の平均年令・ 要員状況予測 以上の状況 をふ まえて

,5年

,10年

後の平均年令 を予測 した ものが図

24で

ある。「内航輸送」,「製品倉庫」,「出荷岸壁」の

3領

域 は高齢化のス ピー ドも早 く

,10年

後 には

52才

を超 える。 とくに,「内航輸送」は平均年令で

5年

後 に52 才

,10年

後 には

57才

とな り想像す ることが困難 な状況 に至 る。 次 に

,退

職率が採用率 を大幅 に上回 り労働 力の流 出が激 しい「出荷岸壁」「原 料荷役」の両領域 について,「将来の要員の需要 と供給のギャップ」を試算 した のが図

25で

ある。 これによると

, 5年

後 には「出荷岸壁」で

12%,「

原料荷役」 で

29%,10年

後 には「出荷岸壁」で

28%,「

原料荷役」で

56%の

省力を行なわ なければ両領域で活動 を維持で きないことを示 している。 しか も

,労

働条件評 価 (アンケー ト

)か

らも予測 され るように

,現

在 の採用率 を今後 とも維持す る こ とは相 当困難 とみ られ

,労

働時間短縮 の趨勢はかな り早 まることが考 えられ る。 これ らの点 を考慮すれば

, 5年

後 には

3割

(出荷岸壁)∼

5割

(原料荷役),

10年

後 には

5割

(出荷岸壁

)∼

7割

(原料荷役

)に

のぼ る省力化が必要 とみ ら れ る。 ① 総 括 と課題 以上 にみ て きた ように

,鉄

鋼 物流 の労働 力問題 は

,高

齢 化

,要

員 の流 出 とい う

2つ

の問題 に集約 で きるが

,す

で に深刻 な状況 に至 って い る領域

,職

種 もあ り

,個

々の企業 で解決 で きる レベル を越 えた とみ られ る部分 もあ る。 この問題 の複雑 さ 。困難 さは

,第

一 に産業構 造の高度化 。ソフ ト化 をふ まえつつ

,第

二 に物流 を取 り巻 く社会 システムの なかで

,第

二 に個 々の企業 が解決 の方向 を, 探 って いか なけれ ば な らな い こ とにあ る。 第一 の点 (高度化・ ソフ ト化

)に

つ いては

,物

流 も例 外 な く自らを高度化・ ソフ ト化 していかなければな らない。鉄鋼 物流 の高度化・ ソフ ト化 とは

,濶

大 。重量品のハ ン ドリングを宿命 とす る以上

,機

械 化・ コ ン ピュー タ化 の程 度 で 図 るこ とにな る。 しか し

,こ

れ は単 な る個 々の企業 の資本 装備率 を意味 す るの で はな く

,道

路 。港 湾 な どの イ ンフ ラか ら作業員 の共用施 設 まで合 め た社会資 本 の総 体 を高度 。イ ンテ リジェン ト化 す るこ とで もあ る。

(36)

第二 の点 (社会 シス テム

)に

つ いて は

,賃

金 水準・ 労働時 間・ 休 日・作業形 態 。作業環境 等 とい った直接 要 因 に加 えて

,

日本社会 にお け る生産年令 人 口の 減 少 と高齢化

,都

市化 とライフス タ イル の変化 等 を も合 め た幅広 い対 応策 が求 め られ る。 第二 の点 (役割分 担

)に

つ いては

,行

,鉄

鋼 荷主

,雇

用者 (運輸 業 者

)の

それ ぞれ の役割 を明確 に し

,早

急 な対策 の実施 が必要 で あ る。 鉄鋼荷 主 と してや るべ き課題 と役割 は大 きい ものが あ る。

5∼ 7割

とい った 大 幅 な省 力化 を図 り

,か

つユ ーザ ー・ ニーズに も対応 してい くには

,既

存 の発 想や技 術 の延長等 で は不十分 で あ り

,構

内・構 外 を一貫 した トー タル性 の観 点 をふ まえ,か つ技術 開発や投資配分 の考 え方の根 本的 な変更 を必要 と してい る。

5.お

わ り に

以上

,鉄

鋼業 を支 える関連労働力の直面す る問題 について

,高

炉や熱風炉 な ど大型装置の建設工事 において鍵 を握 る築炉工

,お

よび鉄鋼関連の物流 を担 う 労働 力

,

という

2つ

の分野か らアプ ローチ して きた。 これ らの分野 は

,鉄

鋼業の減量経営 「合理化」 に伴 うシワヨセ を最 も厳 しく 受 けて きた領域であ り

, 3K職

場 といわれ るような劣悪な作業環境 も抱 えてい て

,機

械化

,自

動化な どを進めてい くうえで もそれぞれ固有の困難 を有 してい る。 さらに

,基

幹技術 を支 える高度な技能や熟練労働の側面 と厳 しい労働環境 や危険労働 といった両側面 を有 しているに もかかわ らず

,そ

れ らが賃金水準や 待遇 な どに反映 されてお らず

,低

い社会的評価や後継者養成 システムの欠如等 の問題 を抱 えている。産業構造の ソフ ト化 。高度化

,社

会 システムの変化等が, こうした乖離・ 矛盾 を一層際立 たせ る方向に働 いて きた。 こうした谷間にあって

,こ

れ まで鉄鋼業 を支 えて きた関連領域 において労働 力不足や高齢化

,技

能継承の困難化等

,関

連 (あるいは周辺

)労

働力の衰退化 ともい うべ き深刻な問題 に直面す るに至 っている。そうした事態 に対す る抜本 的な改善 に向けて

,社

会的な合意 と対策が緊要 に求め られている。熟練労働 に 対す る社会的な評価 と待遇保障、そ して危険・ リスクの大 きな労働条件 に対す

(37)

名古屋学院大学研究年報 る社 会 的 保 障 の 制 度 お よび 公 的 支 援 が と りわ け不 可 欠 とみ られ る。 注 (注1) (注2) (注3) (注4) (注5) (注6) (注7) (注8) (注9) 宮内哲也「人材確保難解消のシ ョック療法」『鉄鋼界』日本鉄鋼連盟 1993年4月号。 細木繁郎「平成 3年鉄鋼生産技術の歩み」『鉄 と鋼』日本鉄鋼協会 1992年 1月号。 朝 日新聞 1991年7月 11日付け 他。 築炉工問題 については

,主

として次の 3論 文に依拠 してまとめた。 山田・筒井 。中林・山崎 。高橋「築炉工不足の現状 と築炉技能の継承」『耐火物』耐 火物技術協会 1990年8月号。この論文は,築炉業界の協力の下で行なわれた築炉 工の実態調査をまとめたものである。 矢野庄太郎「築炉工不足の現状 と築炉技能の継承」『工業加熱』日本工業炉協会 1991 年1月号。 矢野庄太郎 「築炉工不足の現状 と築炉技能の継承」『鉄 と鋼』1993年10月号。 鉄鋼物流の労働力問題 については

,主

として次の 3論 文に依拠 してまとめた。 日本鉄鋼協会共同研究会運輸部会「労働力実態調査に関する報告」『鉄 と鋼』日本鉄 鋼協会 1991年3月号。 糠沢尚夫「輸送業における労働力問題の現状」『鉄鋼界』1990年12月号。 日本鉄鋼連盟原料部「鉄鋼製品輸送の現状 と課題」『鉄鋼界』1990年12月号。 築炉技能の うち, レンガ積み技能については

,次

の ように要約される。 ① 多種多様の レンガ,モルタルなど耐火物に関する知識 ② 図面指示を了解 したうえで, 1日 2∼ 4トンの レンガを積む技能 ③ lmm, 3 mm, 5 mmな ど

,指

定された目地 に合わせ

,精

度が確保できる技能 ④ 金物および レンガなど製作誤差に対 し

,状

況に応 して, 日地, レンガ加工など で調整できる技能 ⑤ 加工寸法の算出,加 工方法の決定,加 エ レンガの墨付け,レ ンガの切削加工等, 現地現物の状況に応 じたレンガ加工の技能 ⑥ レンガ積みの目地割 り

,墨

出 し

,や

り方, さらには

,迫

枠等の製作取 りつけ ⑦ 異形 レンガ,セ ットレンガの組み合わせおよび周囲の レンガ と調整 し収める技 育ヒ なお

,現

在では

,キ

ャスタブル

,プ

ラスチック,ファイバ等あらゆる種類の耐火 物に関する知識 を必要 とし, しか も,それぞれに対 して

,施

工できる技能を身につ けておかねばならない。 細木繁郎 前掲論文。 実際に建設工事に従事できるレンガエの人数が

,経

験者総数の半分にも満たない理 由としては

,次

の点が考えられる。 ① メンテナ ンスエ事で張 り付け作業に従事 してお り

,す

ぐには配転できない ② 現在では監督業務に従事 し

,実

作業か ら遠 ざかっている ③ 他業種 に転出 し

,現

在そちらの作業 を主 としている ④ 高齢のため

,建

設工事に適合 しな くなっている 高炉 1基 分の改修 には 100人 程度の レンガエが必要であ り,10年 後の 120人 程度で は高炉各社の建設工事を希望 どお り出来な くなることが心配される。15年 後に至っ ては高炉 1基 分の改修工事すら難 しくなって くる。 鋼材倶楽部編『鉄鋼の実際知識 (第5編)』 東洋経済新報社 1980年

16ペ

ージ。 (注 10)

図 9  従事で きるれんが工の年令構成の変化 (今 後の推定 )
表 4  調査対象 の物流領域・ 職種 ,人 員 (1)調 査対象の領域・ 職種 (職 種の範囲)・ 機器運転工 :ク レーン運転工 ,点 検工 ,荷 役機運転工 。原料荷役の荷役下廻 り工は船内荷役 ,落 鉱処理等 ・原料荷役の管理工 は荷役進行管理 ,そ の他 ・構内輸送の管理工は粋量所 ,配 車指令他 ・製品倉庫の管理工 は管理 ,立 会い工 ・出荷岸壁の荷役下廻 り工は玉掛け ,玉 外 し ,合 図 ,荷 固め ,大 工等 ・ 出荷岸壁の管理工は荷役作業管理工 ・流通基地の荷役下廻 り工は玉掛け ,

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