Moloney潮懸とSchick聖慮の併用に就て
(第1報)一東京女子二三專門學校生徒に行ひftる成績一
東京女子欝學專門当校耳鼻咽喉科藪:室(主任教授讐學博士 佐
サ助手。仁
(受付昭和19年3月5日う 内 容 費 …定 第E章 緒 言 第1章 實 施 方 法 第獲章 實施成績及び考察 第1節 Moloney反腱i成績 第2節 Schick反騰成績 第3節 Mo}oney反照とSchick反鷹の封照比較 第4節ヂフテリー経過者の1恥1011ey反回 第5節「ヂ」i脛過者のMyloney反慮とSchick反鷹 第6回線扁桃腺肥大者のMoloney反磨第7節
第N章 結 論 表 8 石原教授)蔭イク
杢壽隼
Moloney反鷹陽性者にAnatexin豫防接種上の注意第互章 緒
言 母子
コ Diphtherie・Anatoxinは1923年Ramonの創製にカ>xe) N Diphtherie lこ樹して優秀なる自働 冤疫元として現今廣く用ひられてるる。之は幼児には殆ど副作用を呈しないが、年長鬼より成人と 長ずるに随ひ局所の獲赤腫脹、三熱、頭痛等の副作用を呈する者のある事が歓黙である。我教室に 於ては昭和10年以來本校生徒及び看護婦にヂフテリー(以下「ヂ」と省略)豫防法としてAna toxin接種を行CA tS Schick反慮によって冤疫性の有無、獲得朕況を調査し、其成績は甑に2同報 告(14)(L’7)した如く可なり優秀であるが、遺憾乍ら副作用も樹相営現はれたのである。師ち第1同報告にて接種総数40エ名中敦れも一過性の稜熱であるが37℃皇36名、38℃憂16名、39℃憂
6名、計58名、14.47±エ.18%に獲熱を認めた。局所の腫脹疹痛を訴へたもの4.74%、頭痛其他 2。74%あil 、副作用は合計21.95±L39%に認められた◎ oe − oa 刷口舗Moloney反慮とは’1926年!吻10膨yがAnatoxin微量皮内注射法によってAnatoxin反慮
者を槍萬する方法として提唱したもので、其後の迫試者によってMoloney反慮陽性者殊に中等度 以上の陽性者はAnatoxin豫防接種に際し副作用を呈することを認められて居る。故にAnatoxln の副作用を避くる爲には、堅めMoloney反慮を検して中等度陽性以上の者にはAnatoxinの1陶の注射量を減量すればよいと云はれてるる。
Moloney反響陽性を呈する機序に就てZoeller, Lyon, Bδleer等はAnatoxinの含有する 「ヂ」菌蛋白質に甥するAllergieの状態を示すもので、既往に於て「ヂ」菌に接燭した讃左である と云ひ、北研の淺川氏は本反回陽性は一部は一一・一・般異種蛋白に封ずる非特異性過敏反慮に聾すべき も、六部分は認識性或は不認識性感染による「ヂ」菌膿或は三州生物に下する特異性過敏反慮なら んと云ってみる。而して以上の諸氏は執れもSchick反慮(以下S反回と省略)とMoloney反回 (以下M反鷹と省略)の併用を推奨し、之によって大寄次の事を知り得る、EPち 1)S反慮(÷)でM反慮(一)なるは極度の感受性ある者で重症「ヂ」に罹り易V’。 2)S,M爾反慮共(十)は感受性があ転遍敏性でN「ヂ」に罹かるが良性なる事が多く、冤疫 を得易v㌔ 3) S(一)、M(十)なるは免疫性はあるが過敏性あり0 4)爾反慮共(一)なるは発疫性を有して過敏性なきもの。 と解繹せられてるる。 Moloney反慮を集團的に施行した報告は本邦に於ては今井・’片桐氏(6)の小三見童及び女墨生に 行ったもの、木庭氏(のの海軍通億學校生徒に、淺川氏(2)の小児に、諏訪氏等:‘6)の小墨兇童に、池田 Ele(,3)の陸軍兵士に行へるもの等あるが、成人女子の集團に施行したものは見當らなV・。我教室に於 ては昭和16年5月豫科生徒186名にSchick, Moioney爾反慮を同時に施行したので其威績を 報告する。
第璽章 實 施 方 法
Moloney反鷹に用ひた反慮液は、使用直前に傳研製精製Anatoxinを生理的食踵水を以て20倍に稀目し たものを用ひた。胆液をツベルクリン注射器にとゴ、1/4注射針lcて左側前騨屈側に0・1ce皮内注射とする。 反鷹の検診は48關後に行った・耳聞ま注射部の嚇浸潤の醗1・m以下のものを陰性とし・1cm以上を 院性とした。陽性程度は1−2cmを(十)、2−3cmを(什)、3cm・以上を(惜)としたoSchick反訴は前2 同報告したと同様故詳細は省略するが、注射部位は右謂前回とし、加熱毒素を封照とした。判定は注射後4− 5日目に行ひ、獲赤浸潤の直健0.5cm以上を陽性反窓とし、 O.5cm以下を(±)とし、陰性反回は何等攣化 が無iいか又は極めて輕i度の襲赤のみで浸潤を俘はぬものと1した。陽性程度は⑪。5−1cm.を(十)、1・一2cmを (苔)、2cm以上或は水泡を形賭し,てるるものを(冊)とした。第皿章 實施成績友ひ考察
一36一
第1節 Moloney・反麗賊績(第1表) 稔一入員186名の内、陰性陽性相嘱し50・QO±3・67%であった。陽性者中(÷)が大部分を占 め33。87%b豫防接種に際し其過敏性に注意を要する(卦)以上のものは16・13%に認められた。 文献によると本二丁は年齢と共に陽性率を壇す◎淺川氏ωの調査(昭和4年)によれば、當歳見 には殆ど陽性なし、5歳迄は稀に認められ、年長児となるに從ひ陽性率大となり、大入に於ては過 孚数陽性反癒を呈すと。今井N片桐氏㈹は20倍稀繹液にて陽性率は7−8歳の小二見童152%勤 i 13−15歳の高等小一兇童42.4%、16−17歳の實科寸意校生徒60.5%。木庭氏:”)は海軍通信墨 佼生徒(17−35歳の男子)に行ひ66.67%陽性であったと云ふ◎之等に比較すれば本校豫科生徒 の陽性…肇50.00±3.67%は高くない。 第2節 Schick反歩成績(第2表) 陰性が大多数にて80.65±2.90%を占め、疑陽性以上㊧陽性率は珍・35±2・90%を示し例年よ饅 第1表モロ ・一ネ反篠成績 第2表 シック反鷹成績
マ・・一反倒
陰 性陽i +
i 甘
顕
性 1 小 計1
計 實 数i % 93 . 5egつ{〕±?。6ア 63 33B7±3.47 19 1 le22±2.・:72 [一一.一一一一一・一一 11 1 5.91±1.了3 93 1 50.00±3.67 186 1 10e.Oe シック反心 }實 藪・ % 陰 ・性 i 150 5 9G.65±2Φ90∵詔⇒±議:∵
’ 計 186 10[}.00 第3表モロネー反慮とシック反鷹との饗駅比較 \\シック 陰 性 陽 ・・_圃
± 十性 1
緩細越
1一’一1
計ネ % 人細 %
]一一一 1一一一一一」一1憶191一::蝿:鑑樗:;響
1幕.瞬酬認鋸
性逐亙巫瀬瀬75±・21
Et 11501 80.65±2.901 31i 16.66±2.73ii Ll ii器 2.69 1”5iTA−o一 入敷1 一’ 盾 一壱11.08−k,
魯 5i,鰐 人細 %,
}、、尾9笠士、濾・’臨齢。±3.67 へ 113…6.98±1.87 163,.33.87±34? _.i_I L.一il5i2.69 }翻聰±二
塁i;{畿 譲瀦
最土棚・1%
M’一r..一ii3.,,. liigi.z”1’1 36.s6% iG[ :144.og%一37一
手躍かに低率である。 第3.節Moloney反懸とSchlck反癒の業撫比較(第3表) (1) Schick陽性でMoloney陰性、「S十, M一」11名、5,91:tL73%あり、’之は極度の感受 性あるものとして注意を要し、充分なる潔癖接種を行はねばならぬ◎ (2>爾累算とも陽性「S+,M+」は25名、13・44±2。50%で、之は感受性はあるが罹患して も良性の事が多いと云はれる、豫防接種に樹し過敏であるから其方面に注意を要すts e (3)Schick陰性でMoloney陽性「S一, M十」は68名x 36・56±掴53%、之は抗毒免疫抗菌 常識共に有り、感受性はないが過敏性が淺ってみる。 (4)爾反鷹共陰性「S一,M一」は82名、44.09±3。64%で之1は感受性無弧過敏性を克服し 得たもので安全なものと解繹せられる。 第4節 「ヂ」経過者のMoloney反癒(第4表) 第4表「ヂ」輕遇者のモ・ネー反癒
\乏・劉陰 性
rJ f’」mema”’〉・.r:1 一悪下天一怐Di ll
I h.meV[ 42.難 過 1 % 1奮咽82
測%i 51・25
陽 二 十9
34.62 e54 33.75 赫 : 冊4 1 2
15・38 1 7e6915 9
9・ss 1 5e62
レi・ 謙
叶
{ 玉5
i 57e69 計26
goo.oo 78 (4.8s了5 X60 100.eo 第5表 「ヂ」輕過年数によるモPネ陣反鷹 モ 輕 ロネ 陰 過年藪 尚 玉 年 以 内1−3年以内
3−5年以内
ξ一1⑪年以内 10 年 以 上 性 陽 性 十 ・ 柵. 1 冊1 1 / i l
i ・1
:,II) …2 1i 2! 1
3 1 3 i 2
j 1 4 1/ 2 !
』 ..鼈黶D@一i『一 一. @一.『’ev 一「..11 i ・ 9 1 4 ! 2
“ 小 計計i
’一n撃獅魔窒 ユ 1 2 10 1 i」
;2 1 ,4
.5 11 8
7 1 鎗 計 1 15 26 「ヂ」繧過者は26名で槍査数の13.98%に怒る。其内再感染1例あり。「ヂ」経過者のM打率 陰性率42・31%・陽性率5Z69%・夢隠過者に於ては陰性率51・琴5%・陽性率48・75%を示し経過 .者の方に陽性i率が高率であった。 「ヂ」経過年激によって分けて見るとb10年以上の者12名vIO年以内8名、5年以内4名、3 年以内0、1年以内2名である。維過年数の長い者の方に陽性が梢々多いのは:奇異の感演ある。5 −38一ケ月前罹患の1例は血清注射のみを受けたものE’M三鷹は(珊)であったが、1ケ月前の罹患で 営科で治療した1例は血清注射後Anatoxinを併用したもので、 M反慮陰性を示した。之は歎燭 ・のAnatoxin注射により過敏性を克服し得た結果であらうと考へる。 第5節 「ヂ」繧過者のMoloney反帝とSchick反慮 rヂ」経遮者のSchick反慮陽性率15i38%、陰性率84.62%(但偽陽性のみで翼の陽性はなv・)。 第6馨 「ヂ」輕過者のモロネ陣反磨とシック反磨 .\・、、 モ
ロネ
ン . 一 一ツク
・一.一實転
回 性1%
陽±
1 陽
陰性
p・+ 卦
i)1一’i’1
_二二3L 23・081
性辮 1小 計
』性 ,Q. iF
li’1:i2LD412/ il l
77e69 42・31 計一+憤数1
031
11.54 i・II O
i
3.84 i4
15e38小計騨l
I%i
L−r一.一一一1 e ,o o 0 22 84e624
15e38 o ’ o3
1“t.54 1 3.84 c4
25,38 ・…實鑑i 11
計擁ヒ捌
9 4
34162 1 ls.38 2 ?.69 15 57.680
4
15.3826
100.00 ’ .第7表 編桃腺肥大者のモロネ陶反鷹マ∼昂.桃腺1
・ネ。\∵
正 常 者1
5g ii
…1
51・75「} 肥 大 者人数
陰 性 .O/o l「 人戴
旨+
wa 1 ’ 1 9/o i: 1三人lffr’T一一一”f
人数
1%
, 眠敷
1小計l
IH ”’,i %悌∵脚一∴塑、寧一二,、計
ほ44曾83 1 ’ 53.85 100。00 . 47。22
,還㌦露.「,∴一’ .「「一藷
土室「「.二一◎一コτ一二
e/
6 5.26 4 6.89 55 48e25 32 55.lrdIA藪1 1・4
計』 1 2
ド 1 % 1 1⑪O・⑪O l I D’一8 100.eO−……「「,ヨ 5
・7.69 i 6.95
・一..一一.一一一一一.・一一一一.1一 一一 一一6 。; 38
46・15@ 」_⊥…巨三{聖一
13P 1レ72
肌O⑪1玉0α00…: 1⑪0・⑪0._二29_
①㌧「S十,M一」は無い。 (2)「S+,M+」は4入b 15 .38%あり、強ち感受性ある者はあるが極度の感受性を有する危 瞼なものは無い。、 (3)「S一,M十」はエ1人M 4231%でb(4)「S一, M一」は11人、4231%である。 第:6節 扁桃腺肥大者のMoloney反慮 槍査入員186名申扁桃腺肥大なき者114名、61・29%,肥大者72名、38・71.%あり。肥大程度 に分てば第1度肥大58名、31.18%tS・第ll度肥大13名tS 6.99%、第鞭度肥大1名0。54% である。肥大者に於けるM反慮陰性率47.22%、陽性率52.78%。肥大なき者に於ては陰性率 51。75%、陽性率48。25%tS帥ちM反慮陽性率は肥大者の方に三々高率な躯 第7節 Moloney反慮陽性者にAnatoxin豫防接種上の注意 M(+)63入中、初同注射G.05ccにて局所の嚢赤腫脹と37.5℃三熱者1名、0。1cc初同注射・ 後380C 1名あり、局所の輕度の獲赤腫脹者はあったが他に嚢熱者はなかった。 M(醤)19人に は初回OIOscc注射し獲熱者なし。 M(柵)11人中9人には初同0.⑪2cc、次同0。05cc乃至0.1cc とし獲熱者なし。最強反慮を示した3人には初同0.01cc注射したが2人ば無熱tS 1入は局所の中 等度腫脹と38.6℃の獲熱を見た。以上の経験によ如Anat◎xinに興し最敏感なる成入女子の Anatoxin注射法は次の如くすれば安全であらふと信ずる。帥ちM(一)者には興部0。1cc,1遽 間隔にて次同0.3一一一〇.4cc第3鳳0.7−1。Occ、(第4同1cc)全量15∼2。ccとする。 M(十)は男子や小児はM←)とft 一一量で差支ないと言はれる癬、成入女子は過敏なるためs M(十)は(督)と同様に取扱ふが安全と思ふ。邸ちas 8表の如く分割しM陽性程度に鷹じて注 射すれば過敏者にも安全に行ひ得る。殊に姫嬬や盧弱者に豫防接種を行ふ場合にはMoloney反慮 を必ず試みて後に行ふべきであると信ずる。 第8表 成人アナトキシン豫防接種量 ミー. 向 !
㍉霜\琳…第1
}一@闇一一ゴー一1 十 卦 柵 注射間隔昨・畔・隙・聯・瞬陥
glalpu.一。.a O.3−O.4 0.1 (O.05 i, O.1−O.2
ド 。.02 1 g.Qs o.oi 1 o.02 c.G 銀¢
en−ko ’ ao)
O.3−D.4 i .e.5−O,7 0.1 ・ O.3 0.⑪5 ⑪詮 。豆 Oe7 0.5 0.3 c舷 ee7−lsftu O.5−O.rzr 1遇問第w章結
論
.1)昭和16年5腺京女子馨騨P野海路翻生徒186名にM・亘・n・y熊鼠と・S・hi・k鴨を
同時に施行した。M反慮は陰性陽性椙回し50%、 S反慮は陽性…肇1935%(±を加算)、陰性牽一4Q一
80.65%であった。 2)雨反慮を併用する時はDiphtherieに封ずる感受性の強、弱、無を理論上選別し得る。 本調査容は「ヂ」豫防上最注意を要する感受性強き「S十,M一」群5.91%、感受性弱き「S十, M十」群13。44%、感受性無き「S一,M十」群36。56%、「S一,M−」群44.09%であった。 3)Moloney反慮陽性者はAnatonxinに甥する反慮が彊V・爲h Anat6xin豫防接種上陽性程 度に慮じて微量分割注射とすれば安全である。妊婦、虚弱者等には必ず豫め醗oloney反慮を試み て後Anatox㎞接種を合理的に行ふべきであると信ずる○ 摺筆に臨み本硯究にウき繕大の御援助、御鞭捷を賜った吉陶稜長、吉思副校長、並に御佼閲を恭ふした石原 歎授に深く感謝の意を捧げ、御協力下さった教室員各位に厚く御禮を申し上げる。 (本稿の大要は昭和16年10月東京女讐學曾第8同総會席上獲表した) 引 用 交 i酸 第2報末尾に附した○