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子ども主体の協同的活動から自由保育へ : 広島女学校附属幼稚園の自由作業の取り組みから

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Academic year: 2021

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子 ども主体の協同的活動から 自由保育へ

一広島女学校附属幼稚園の自由作業の取り 組みから 一

From Child-led Collaborative Work to Unstructured Kindergarten Education :

Based on the Unstructured Work Initiatives of Hiroshima Girls' High School

Affiliated Kindergarten

橋 川 喜美代*

HASHIKAWA Kimiyo

本研究は, 2005年の中央教育審議会答申以来, 幼稚園教育と小学校教育と の接続の観点から注目 さ れてき た協同性 をい かに育むのかを広島女学校附属幼稚園の取り 組みから探 るこ と を目的 と す る。 研究結果から , 1913年に広島女学校附属幼 稚園が導入 し た自由作業におい て, 子 ども の社会的態度にも た らす協同性の意義が認識 さ れ始め, 1928年 よ り 始ま る ラ ン バス女学院附属幼稚園におけ る自由保育確立の神髄 と な っ た こ と が明 ら か と な っ た。 ク ッ ク や ピ ー ビー ら の努力 は, 見栄 え のよ い も のに目 を奪われる保護者や, 自由保育 を放任 と 解す る内外専門家の理解 を得 るのは難 し かっ たが, 協同的活動 を通 し て望ま し い社会的態度 を身 に付け てい く 子 ども の力 に励ま さ れなが ら , 教師の意識改革が進めら れてい く 。

This research examinees initiatives of the Girls' High School A f fi liated K indergarten to foster a collaborative attitude amongst children, a topic considered key to continuity between kindergarten education and elementary school education since a related report by the Central Council for Education was issued in 2005.

Our research results revealed that unstructured work implemented by the Hiroshima Girls' School A f filiated K indergarten in 1913 began to be recognized for its significance in conditioning children's social attitudes, particularly of collaboration. We have clarified that this became the essence of unstructured kindergarten education at the Lambuth Women's School A ffiliated K indergarten.

It was a challenge to foster acceptance of unstructured kindergarten education with parents who wanted something more tan- talizing, as well amongst specialists both inside and outside the field-who tended to view it as a shirking of responsibility. However, the ef forts of individuals such as Cook and Peavey, encouraged by the abilities of children who had acquired social attitudes appropriate to group living, resulted in a positive change in attitudes of teachers.

キーワ ー ド : 協同的活動, 広島女学校, 自由保育

Key words : collaborative work, Hiroshima Girls' High School, unstructured kindergarten education

は じ めに 2016 (平成28) 年 8 月26 日, 文部科学省は幼稚園教育 要領の改訂に向け, 「幼児教育部会におけ る審議の取り ま と め」 を発表 し た。 そ れに よ る と , 「幼児教育 におい て育みたい資質 ・ 能力は, 個別に取り 出 し て身に付け さ せ る も のではな く , 遊 びを通 し ての総合的 な指導 を行う 中で, 『知識 ・ 技能の基礎』, 『思考力 ・ 判断力 ・ 表現力 等の基礎』, 『学びに向かう 力, 人間性等』 を一体的に育 んで い く こ と が重 要で あ る」 と し てい る (

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)。 そ し て , 5 領域のねらい及び内容 を通 し て, 5 歳児修了までに育 っ てほ しい具体的な10の姿 を示 し た。 こ こ で 「友達と の関 わり を通 し て, 互い の思い や考え な ど を共有 し , そ れら の実現に向け て, 工夫 し たり , 協力 し たり する充実感を 味 わい なが ら やり 遂げ る よ う に な る」 姿 と し て示 さ れた のが協同性 で あ る (2)。 協同性については, 2005 (平成17) 年の中央教育審議 会答申 「子 ども を取り 巻 く 環境の変化 を踏まえ た今後の 幼児教育の在 り 方 につい て一子 ども の最善の利益のため に幼児教育 を考え る 」 で も , 幼稚園教育と小学校教育 と の接 続の観点 か ら 注目 さ れて き た。 そ し て, 教育内容 におけ る接 続の改善 と し て, 「幼稚園等施設におい て, 小学校入学前の主に 5 歳児 を対象 と し て, 幼児 どう しが, 教師の援助の下で, 共通の目的 ・ 挑戦的な課題な ど,

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つの目標を作り 出 し, 協力工夫 し て解決し てい く 活動 を 『協同的 な学 び』 と し て位置付け, その取組 を推奨す る 必要があ る」 と 明示 さ れた (3)。 * 兵庫教育大学大学院人間発達教育専攻幼年教育 ・ 発達支援 コ ース 教授 平成28年10月21 日受理

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さ ら に同年, 国立教育研究所 ・ 教育課程研究セ ンタ ー が発行 し た指導書 『幼児期から児童期への教育』 には, 「幼稚園教育の日的の一つは幼児の協同性 を育むこ と で あ る と 言え る。 教師は他者 と のかかわり を協同性 と い う 視点 で と ら え, 幼児同士が互い に学び合え る関係が築け る よ う に, かかわり 合 っ て学ぶ力 が育 つよ う に援助す る こ と が必 要 で あ る」(4) と し , 協同性 を育 む次 の 6 つの 視点 を挙げ てい る。 ①幼児同士 の交流が自然 に生ま れて く る環境 を構成す る, ②少人数での活動 を大切にす る, ③学級全体で活動す る, ④こ だわり を追求 し, 知的な広 がり のある協同的な活動 を行う , ⑤学び合いや話 し合い を援助す る , ⑥異年齢 と の学 び合い, の 6 点 で あ る (5)。 こ のこ と を踏まえ て, 2008 (平成20) 年に改訂 さ れた 『幼稚園教育要領』 の領域 「 人間関係」 の 「 ねら い」 で は, 「進んで身近な人 と かかわり , 愛情や信頼感 を も つ。」 が, 「身近 な人 と 親 し み, かかわり を深め, 愛情や信頼 感 を も つ。」 に改 め ら れ, かかわり を深め る過程が重視 さ れた。 ま た 「内容」 では, 「友達 と 一緒に物事 をやり 遂げよ う と す る気持 ち を も つ。」 が, 「友達と 楽 し く 活動 す る中で, 共通の目的 を見いだ し, 工夫 し たり , 協力 し たり な どす る。」 と な り , 「単に友達と一緒に活動 し てい る と い う こ と に と どま ら ず, 一緒に活動す る幼児同士が, 目的 を共有 し , 一人では得 ら れない も のに集中 し てい く 気分 を感 じ たり , その中で工夫 し合 っ たり , 力 を合わせ て問題 を解決 し たり し て, 自分 も 他の幼児 も 生き生きす る よ う な関係性 を築い てい く こ と」 が重視 さ れる よ う に な っ た。 「内容の取扱い」 におい ては, 「幼児 が互いにか かわり を深 め, 協同 し て遊ぶよ う に な る ため, 自 ら 行動 す る力 を育 て る よ う にす る と と も に, 他の幼児 と 試行錯 誤 し ながら活動 を展開す る楽 し さ や共通の目的が実現す る喜 びを味 わう こ と がで き る よ う にす る こ と」 が新 たに 加え ら れた (6)。 ち な みに, “協同す る経験 を積み重ねる” には 2 つの 重要な点 があ る。 ①人間関係の育 ち を入園時か ら てい ね い に積み上げ る こ と , ②そ れが教師主導で行われる も の ではな く , 幼児自身の自発性や主体性に基づ く も のであ る こ と , の 2 点 で あ る (7)。 現実的 に , 幼児 の自発性 を 大切 に し なが ら , 教師が一方的 に目的 を与え るのではな く , 幼児が一緒に活動す る中で幼児自 ら が目的 を見出す ま で ゆっ たり 寄 り 添 う こ と は難 し い。 さ ら に, 人間関係 の深ま り に沿 っ て, 幼児同士が共通の目的 を生み出 し , 協力 し, 工夫 し て実現 し てい く と いう 協同す る経験を重 ね る な ど, 一朝一夕 に で き る も ので は な い。 こ の “協同す る経験の積み重ね” にい ち早 く 着手 し た の が , 広 島 女 学 校 で あ る 。 広 島 女 学 校 で は ク ッ ク (Cook, M. M ) 指導のも と , 1913 (大正 2 ) 年から フ ル ト ン (Fulton, J ) が大型積木や廃物 を利用 し た自由 作業 を導入 し たが, そ れは子 ど も た ち が共通の日的 に向 け力 を合わせる機会を も たら し た。 1917 (大正 6 ) 年に は, マ ク ド ウェ ル (McDowe11, J ) が, 教師主導の保育 を子 ども 主体へ と 大き く 移行 さ せ る取 り 組みに着手 し始 める。 1919 (大正 8 ) 年11月, 広島女学校保姆師範科は 神戸のラ ンバス記念伝道女学校 と の合併が決議 さ れ, 神 学部 と 保姆専修科 と を も つ ラ ンバス女学院 と し て, 広島 を離 れ, 大阪 で の新 た な る出発 を目指 し た。 ク ツ ク ら が 目指 し た子 ども主体の活動に根 ざし た保育は, 第 1 期 : 恩物中心主義からの脱却 (1904年~ 1910年) , 第 2 期 : フルト ンによ る自由作業導入 (1913年~ 1928年) , 第 3 期 : ピ ー ビ ー に よ る自由遊 び を基底 と し た保育 の確立 (1928年~ 1941年) , と いう 3 期 を通 し て段階的に進めら れてい く 。 本研究は, 第 2 期 を中心に, ア メ リ カ人指導者によ っ て目指 さ れた子 ど も の協同性の実際 と , 教師主導から 子 ど も 主体の保育が確立 さ れるま での過程 を辿 る こ と を日 的 と す る。 そ れはま た子 ども の協同的活動に寄 り 添う こ と が一朝一夕 にはで き ない こ と の解明で も あ る。

1 . 自由保育への準備段階

井口の指摘によ れば, 進歩主義教育によ る自由保育導 入は1928 (昭和 3 ) 年頃か ら で あ る (8)。 し か し , その 準備段階は1913 (大正 2 ) 年, ク ツクが休暇後に連れ帰っ た フ ル ト ンに よ る指導法の取 り 組みか ら始 ま っ てい く 。 (1) フ ル ト ンによ る指導法改良 コロ ン ビア大学卒業後, 長 く 保育の経験 を積んだ フ ル ト ンは当時, 手技係であっ た山脇 (佐野) 小春を次のよ う な方法 で驚かせた (9)。 「手技は小 を大に, 材料 を豊富 に し て, 自由作製に と 指導 さ れるので, 木片, 紙片, 古 箱, 空き缶等何で も が作品材料に さ れる事にな り ま し た ので当時手技係で あ っ た私は毎度仰天 し ていま し た。 保 育時間割 を一切廃止 し て, 入門から左様な ら ま で子供の 動 き の儘に指導, 見守り 役の私達は当分はかなり と ま ど い続け で し た。」 図 1 梯子を作る

( 出 典 ) “Kindergarten Department-Hiroshima Girls' School”.

Seventh Annual Report of the Kindergarten Union of Japan, 1913, pp 44-45.

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こ の時期から図 1 や図 2 に示すよ う に, 教師の指導の も と 木工 が取 り 入 れら れ, 梯子が作 ら れた後 には, 消防 ご っ こ な どの協 同的 な 遊 びが登場 し て く る (

)。 広島女 学校附属幼稚園の保育は, 遊 びの材料や素材, 時間割の 廃止 と い っ た物的環境の改善 によ り , ダイ ナ ミ ッ ク で協 同的な活動が導入 さ れた。 ク ツクはこ う し た保育の改良 を踏ま え , 「日本におけ る私たち幼稚園の使命」 と 題 し た論文 におい て 「幼い子 ども の生ま れなが ら に も っ てい る本質的素質や行動 に応え ながら , 何が重要かを見極め, 価値あ るよ り 高い水準へ と引 き 上げ るのが先生の役目 で あ る」 と 述べ, 教師が果たすべき役割の重要性 を指摘 し た (

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)

メ:1 ' 'Fi i) 一 つ し. (. '

( 出 典 ) “Kindergarten Department-Hiroshima Girls' School”.

Seventh Annual Report of the Kindergarten Union of Japan, 1913, pp44-45. そ し て, 1914 (大正 3 ) 年に打 ち出 さ れたのが, 『保 育綱目』 であ る (

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2)。 ま ず, 「保育綱目組織上熟慮 ヲ 要ス ル事項」 の第一に 「家庭, 社会, 自然界= 存スル幼児 ノ 興味」 を掲げてい る。 ま た, 「保育綱目 ノ 指示 スベキ点」 の第一 に も , 「幼児 ノ 成長発達 ラ促サ ン ガ タ メ 是等 ノ 興 味 ヲ利用 スベキ事」 と 述べ, 成長発達に及ぼす興味の重 要性 を指摘 し てい る。 第二に, 「心身 ノ 発達 ヲ増長セ シ メ ン ガ為 メ ニ幼児 = 適当 セ ルモ ノ ト シテ精選サ レ タ ル談 話, 童話, 唱歌, 遊戯, 音律 ラ用 ヒ 及 ビ郊外遠足 ヲ ナ シ テ自然物 ノ 観察 ラ ナサ シム」 と 述べ, 観察がい ち早 く 保 育項目に含 ま れてい る。 第三には, 「普氏 ノ 恩物手芸及 ビソ レ ニ付属 セル材料 ラ用 ヒ テ幼児 ノ 工業的, 美術的, 構成的, 創造的, 能力 ノ 進歩 ヲ助 ク」 と あり , 木片や空 き箱 ・ 缶 な ど豊富な材料 を加え た手技が実施 さ れてい た こ と がわかる。 さ ら に 「幼児 ノ 有スル興味」 と し て家庭, 社会, 自然界の順に例 を挙げて説明 さ れる。 家庭におけ る興味では, 家族, 日々の仕事, 家屋や屋内の器具, 時 候の変化 に伴う 家庭の仕事。 社会におけ る興味では, 幼 稚園や近隣の店頭で働 く 人, 店頭におけ る時候の変化に 伴う 準備。 自然界におけ る興味では, 家畜, 幼稚園で飼 育 し てい る動物, 種子, 鳥, 葉 ・ 花」 ・ 木 な どが挙 が っ て い る。 子 ども の家庭, 社会, 自然界におけ る体験が週の 主題 と し て計画 さ れ, 内容に具体化 さ れる よ う にな っ た。 例え ば, 農家や店頭におけ る時候の変化は 9 月の第 3 週 日 から , 家庭の冬への準備 (火鉢, 炬健, 蒲団等) や, 昆虫の冬籠 り の準備は11月第 2 週日から主題と な っ てい る o こ のよ う に子 ども の興味 に寄 り 添 う 保育は どのよ う に 実践 にお い て具体化 さ れた の だ ろ う か。 そ れを知 る手 が かり がマ ク ド ウェ ルの年間指導計画である。 家庭, 社会, 自然界に見 ら れる時候の変化 を主題 と し た内容 を中心に, 指導計画に見 ら れる子 ども 理解の変容 を辿 っ てみよ う 。 (2) 年間指導計画に登場す る自由遊び 1917 (大正 6 ) 年, マ ク ド ウ ェ ルが来広 し , 附属幼稚 園では年間指導計画 と そ れに応 じ たスケ ジュ ール表が作 成 さ れ た (

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3)。 タ イ プ印 刷 に よ る 英文 の マ ク ド ウ ェ ルの 年間指導計画は1917年 9 月~ 1918年 4 月までと 短いもの であ る。 10月の 1 週から11月 4 週ま での週案 を例に取り ながら , 自由遊びを取り 入れた大胆な改革を見てお こ う 。 マ ク ド ウ ェ ルに よ る指導計画の重要性は表 1 に示す よ う に, 1 日の活動におい て自由遊びが位置づけ ら れた点 にあ る。 こ れだけ では, 自由遊びと 主題に基づい た導入 や表現, 作業な どと の関連性は見 ら れないが, マ ク ド ウェ ルが1917年 に, 「幼稚園の保育計画」 と 題 し て発表 し た 論文 と 照合す る と その関連性が見え て く る。 こ の論文 に よ る と , マ ク ド ウ ェ ルは 8 時か ら14時ま で を保育時間 と す る幼稚園では, 表 2 に示すよ う に, 1 日が朝の会集, 導入や話合い, 経験, 自由遊 び, ゲーム, お話の時間ま たは静かな時間, 恩物ま たは手技工作, 歌, レ ク リ エ ー シ ョ ンの順 に流 れて い く (

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4) ま ず, 導入や話 し合い では, その日の主題に そ っ た品 物 が実際に提示 さ れ, 子 ど も はそ れに直接触 れた り , 匂 い を嗅いだり す る。 10月 2 日 を例に取 れば, 帷子, 袷, 綿入 れ, 羽織と い っ た衣服 を机に置い て, 警官, 学生, 兵隊 さ んの衣替え につい て話す と い っ た具合 であ る。 こ の導入 に よ っ て, 子 ど も た ち は具体的 に衣服の違い を認 識 し そこ での生活体験 を踏まえ, 次の表現へと動機づけ ら れる。 つま り , 1 組の幼児はこ う し て教師が設定 し た 経験 を布 と 綿で人形の布団 を作 っ たり , 2 組の子 ども は 人形の服を洗濯 し外に干す活動へと動機づけ ら れてい く 。 注目すべ き点は, こ れが自由遊 びに どう 反映 さ れてい く のかにあ る。 自由遊 びの記述は特別 な行事が入 ら ない限 り 月曜日 に な さ れ, 先週の幼児 が どんな こ と を し たのか を記 し てい る。 自由遊 びこ そが自己活動 に対す る フ レ ーベルの主張の 唯一合理的 な解決法 だ と 考え てい たマ ク ド ウ ェ ルは, 幼 児自 ら が必要感 に基づ い て行え る よ う , 「 どんな こ と を す る のか」 を つぶ さ に観察 し , 教師はその思いや行為 を 見守 り , 提案や方向付け に留 ま る よ う 求めた(

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5)。 そ し て, 「遊 びの興味 に基づい た計画は, 教師が綿密に計画 し た も のよ り も は る かに子 ど も の生活 に、益れてい る」 こ

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と か ら , 「完 壁 に準備 さ れた計 画 に子 ど も を 従わせ る よ り も , 時間 をかけ て個人 と し ての子 ども を研究 し , 計画 の方 を子 ども の日々の興味 に合 わせ る よ う 」 改革に取 り 組 み始 め た ので あ る (

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6) 表 1 マ ク ド ウ ェ ルの年間指導計画 10月1 日 5 日 主題 : 家庭での冬の準備 月 本校の30周年記念, 火 衣替 え , 導入 一 昨日か ら の警官や学生, 兵隊 な ど の衣替 え を見 る, 感覚 ゲ ーム ーい ろ い ろ な種類 の衣服 を用 意す る (帷子, 袷, 綿入 れ, 羽織 な ど) 表現 1 組は布や 綿で 人形 の掛け布団 を作 る , 2 組は 人形の服 を外 に干 す, 自由遊び 先週は、 何人かの幼児が商店 を組み立て , 貨物船や汽車 を作 り , 人形 を利用 し て 遊んだ , 貨物船はあ る幼児がロ シア に荷物 を送 るた めに作 っ た , 他 児が貨物の荷札 を貼 り , そ れ を駅 まで 運ぶ子, 船に積み込む子が現れ, 荷物は ロ シ ア に届け ら れた , 荷物 を受け取 っ た日本人がそ れ を開け る と , 中には日本 で作 ら れたお皿 のよ う な貝殼が沢山入っ て いた ( こ の遊びは姉に読 んで買 っ た 子 ど も 向け 雑誌か ら得 た アイ デ ア に よ る も ので あ っ た) , 他の幼児た ちは家 を作 り , 人形 を使っ て お客様 ごっ こ を し た , 幼児 た ちは公 園に出かけ, そ こ で 聞いた楽 し い話 を人形 に話 し て 聞かせ た , 作業 1 組は 織紙 を し , そ れに絵 の具や ク レ ヨ ンで 模様 を描 く , 2 組 と 3 組はス テ ン シルで 服のデザイ ン をす る , 静かな時間 羊の話, 水 夏服 を片付け る準備 洗濯 をす る , 導入 私達が服 を し ま い込む も の (ダ ンス の引 き 出 し , 長持 ち, 箱, バ ス ケ ッ ト , ト ラ ン ク ) を使っ た感覚遊び, ま た, 洗濯の絵 を見 る, 表現 一 1 組は汚 く な っ た 人形の服 を洗 う , 3 組は自分た ち のハ ンカ チ を洗 う , 作 業 一 ダ ン ス を作 る , 静か な時間 一 イ エ ス が病の腕の良い織 り 手 を癒や し た話 木 冬服 を縫 う 導入 感覚ゲ ーム (針, メ ジャ ー, 、鉄, ヘ ラ , 糸巻 き な ど) 表現 1 組は糸 を積み木か厚紙 に巻 く . 3 組は赤 いアサ ガ オで 糸 を染め る , 作業 1 組は針箱 を組み立て る, 3 組は二つ折 り の針箱 を作 る, 静か な時間 ジ ヨ一少年 の話 金 夏の家具 を片付け る , あ る いは障子や換の修理 導入 一ブ ラ シ, ナイ フ , 板, メ ジ ャ ー, い ろ い ろ な紙 (障子紙, 唐紙, 壁紙) を 使っ た感覚遊び 表現 一 1 組は換紙や障子紙 を切 る , 2 組は糊 を作 る, 3 組は玩具 を洗 う , 作業 一 襖のデザイ ン 静か な時間 聖書の話 歌 洗灌, 兵隊, 掃除, 家族な ど ゲ ーム 洞 窟探検 , 洗濯, 競争, 手拍子 ダ ンス . ボールが弾む リ ズム 10月 8 日 12 日 主題 : 自然の中の秋の用意 月 山 に 遠足 に行 き , 木 の実や い ろ い ろ な葉 っ ぱ を集 め る, 火 木の実集め, 導入 一 い ろ い ろ な木の実や枝 を使っ た感覚遊び, 表現 一 木の実 を洗 っ て 蒸 し , お昼 に食べた , 2 組はすで に作っ て お いた封筒に種 を入れた , 自由遊び 先週は, 何人かの子 ど もが大型積木で 海軍兵舎や、 昼食時に話 し た い ろ ん な種類 の船や大砲 を作 っ た , 子 ど も た ちは 戦艦 につ いて 多 く のアイ デ ア を 表現 し たが、 そ れ ら は 9 月に呉港で見 た も のだ っ た, 数人の子 ど もは大型積木 で ホ テ ル を作 り 、 草で 噴水 をか た ど っ た , 他 の子 ど もが旅行客 に な っ た , 作業 一 紙で バ ス ケ ッ ト や, 色付 き の紙 で 木 の実 を切 り 、 大 き な紙 に貼 り 付け る, 静かな時間 一 木の実の坊や の話, 水 葉, 導入 一 感覚ゲ ーム (秋に落 ち る葉 と 緑の ま まの葉) 表現 グ レ ー プ で 大 き な紙 に葉 つば を美 し い形 に貼 る , 作業 ト レ イ の上の葉 っ ぱで作 っ た デザイ ン に絵の具 を塗 る , 静か な時間 枝 を用意 し 新 し い葉 つばの芽 を見せ, 神の守 り につ いて話す, 木 風 と 太陽が, 種 を落 と し 蒔 き散 ら す助け を し て い る, 導入 太陽 の絵, 種や葉が落 ち る絵 を見 る, 表現 一 子 ど も自身が羽飾 り 、 紙や軽 い も のに な っ て 飛ぶ, 作業 一 雲 を描 く , 静か な時間 一 風見 のお話, 金 き の こ 狩 り , 感覚 ゲ ー ム い ろ い ろ な種類 の き の こ 表現 き の こ のス ー プ づ く り , 作業 自由 な織紙. 静か な時間 き のこ の精のお話, 歌 風, 葉 つば, 秋, 果物, 太陽, ゲーム 木 の実採 り , き のこ 狩 り , 落 ち葉, 風, リ ス , 小鳥等 , 10月15 日 一19 日 主題 : 農夫の秋の仕事一 収穫 月 豆の収穫, 導入 一ピ ーナ ツ , 黒豆, 小豆, イ ンゲ ン, 黄色い豆等い ろ い ろ な豆, 表現 豆 を前 る , 年少児は豆腐のス ー プ を作 る , 自由遊び 先週, 何人かの子 ど もは大型積木で家や汽車 を作っ た , 人形やバスケ ッ ト や貝殼 を使っ て 遊んだ , きの こ 狩 り で母親 と 姉がお弁当 を作 っ た , 家族全員 が汽車に乗 り , 山へ出かけ た , 数人が栗の実集めや農夫 の活動で遊 んだ , 数人 は幼稚園 を作 り , そ の う ち の 2 人が先生, 他 の10人は 生徒 に な っ た , 先生役 の 子 ど もは彼女 の先生そ つ く り に演 じ た , 作業 一 水彩画 静か な時間 一 さ やの中の5つの豆粒のお話, 火 柿の収穫, 導入 柿やナ ツ メ な ど い ろ ん な果物の感覚ゲ ー ム, 表現 柿 を吊 し て干 し 柿にす る , 作業 恩物 : 恩物で 作 っ た も のにつ いて 話す, 静か なお話 イ エ ス によ る5000人の給食, 水 休日 木 お米 の収穫 導入 園外保育で田 んぼに出かけ, 脱穀作業 を見 る, 作業 園外保育で見て き た も の を自由に表現す る, 金 お米 の収穫 (続 き) 導入 一 お米 の粉か ら 作 ら れ る食べ物, パ ンは小麦粉か ら作 る こ と を話す 表現 一 お米 の粉か ら 団子 を作 り , 小豆 と 一緒 にお汁粉 を作 る , 作業 一 米俵 を縫 う , テ ー ブルの上に真で 編んだ マ ッ ト を掛け る, 静か な時間 幸せ な粉屋のお話, 歌 農夫, 小 さ な庭師, お米の収穫, 果物, ゲ ーム 農夫, 粉屋, 水車場, 果物屋. 10月22 日 26 日 主題 : 動物, 小鳥や昆虫の冬眠, 月 家畜 導入 一馬 と 牛, 犬, 鶏, 豚, 熊等 の絵 を示す, そ し て野生の動物は どのよ う に し て . に食べ物 を集 め る のかにつ いて 話す , 表現 一 家畜 を見に行 く , 自由遊び 一先週は子 ど も た ちが広島駅や商店, 汽車等 を作 り , 運送 ごっ こ , 旅行 ご っ こ , ピ ク ニ ッ ク ご っ こ を し て 遊 んだ , 数人がお 家 ご っ こ を し て 料理や縫 い 物, 洗濯 を し た. 他の者は, 農家 を作 り , 想像的 な収穫遊び を し た , また 他の 子 ど もは砂で丘や川 を作 り , 草 を植えた り 葉 つば を集め た り し て遊 んだ , 作業 1 組は 第 6 恩 物で 納屋 を構成す る , 2 組は厚紙で 柵 を作 る, 3 組は 粘土 と 竹 で 鶏の囲 い を作 る , 静かな時間 一 4 人の音楽家 のお話, 火 私た ち に慣れた 小鳥, 導入 一カ ナ リ ヤ, オ ウム, ア ヒ ル, 七面鳥, ツバ メ , ガ ラ ス 等の絵 を見 る , 表現 一 小鳥屋 を見 に行 く , 作業 鳥籠 を編む, 紙で カ ナ リ ヤ を作 り , 籠の中に入れ る, 静か な時間 神 と 人が小鳥 を守 る , 水 渡 り 鳥 導入 雁, ツバ メ , コ ウ ノ ト リ , ツル等の絵 を見 る, 表現 1 組は 鶏に餌 をや る , 2 組は遊具 を き れ いにす る, 作業 一水彩画 : 石鹸の泡, 静かな時間 一 ル ツ と ナ オ ミ のお話, 木 昆虫 の冬眠 導入 一蝶, 蜂, ス ズ メ バチ, ハエ, 蟻等 を見 る , 表現 蜂蜜, 砂糖, 酢, 塩等の味 を経験す る, 作業 粘土 ( 3 つ の物の中か ら選んで作 る, ) 静か な時間 3 匹 の蝶のお話 , 金 魚や力エ ル, 水の中に い る私た ちの友達, 導入 魚や カ エ ル の絵 を見 る, 表現 園外保育 作業 一恩物 橋 を作 る, 静か な時間 一 イ エ ス と 一晩漁 を し たが一 匹 も 捕れなかっ た漁師のお話, (略) 11 月19 日 22 日 主題 : 感謝祭の続き 月 ア メ リ カ の最初の感謝祭, 導入 鶏や孔雀, ア ヒ ル, 七面鳥の絵 を見 る, 表現 3 組は鳩 に餌 をや る , 2 組は 庭で 葉が出た春菊 を摘 み, そ れ を洗 う , 3 組 は春菊 を刻んで 卵ス ー プ を作 る , 作業 一組紙, 1 組は聽小屋 と 柵 を作 る, 2 組は聽小屋 を組み立て る , 3 組は柵 を 作 る , 静か な時間 一 最初の感謝祭のお話, 火 農夫 の感謝祭 と 家畜 導入 農場で 働 く 農夫の絵 を見 る , 羊, 豚, 牛, 馬, ウサギ等の絵 を見 る , 表現 牛乳, 砂糖, 卵, ベ ーキ ン グパ ウ ダー等で 小 さ なケーキ を作 る, 作業 粘土 : 幾つかの家畜 を作 る, 静かな時間 3 匹の子豚のお話, 水 贈 り 物は何か ? 家庭で のお父 さ んの話, 導入 一 子 ど も のお父 さ んの仕事につ いて話す , 表現 一 年長児は貧 し い人に持 っ て行 く 野菜 を庭か ら 収穫 し , 年少児は果物屋に行 き , 貧 し い人の た めの果物 を買 う , 作業 感謝 祭のた め の飾 り を作 る , 静か な時間 日本の感謝祭につ いて話す, 木 感謝祭のお 祝 い 金 休日 ゲ ー ム 農家 の内 庭 劇化 少年 と ラ ツ シ ー 階段 で の踊 り 歌 一感謝祭, 農家 の内庭, 農夫, 家族, 鳩, 踊 り 自由遊び 一先週, 数人の子 ど もが動物園ごっ こ を し て遊び, 紙で 柵, 虎, 象, 猫, 馬, 豚, 鶏、 七面鳥等 を作 る, 数人が大型積み木で兵舎 を作 り , 鞄, 旗, 兵士 を組み立て, 兵隊遊び を し た , 他の子 ど も た ちは太鼓, ラ ッ パ, 旗, 竹で作 っ たサ ーベル を利用 し て , 一人が将校に な り , 兵隊 を演 じ た , 数人が大型積み木で池 を作 り , 切紙で作 っ た 金魚で 金魚売 り に な っ た , 他の 子 ど も た ち はバ ス ケ ッ ト , ダ ン ス , 粘土 のヤ カ ン, 鍋, 力 ツ プ, 花瓶, 絵等 を 作 り . お家 ごっ こ で遊 んだ , 11 月26 日 30日 主題 : 家庭で の冬の準備 月 農家で の冬の準備 導入 一ハツ カ ダイ コ ン, サツマイ モ, 大根, カ ブ ラ, 人参, ゴボ ウ等 を見せ, そ れ ら が売 ら れて い る店につ いて話す , 表現 一 大根 を切 り 、 干す た めに糸に通す, 自由遊び 先週, 子 ど も た ちは真産 を広げ, 大型積み木で 門 と フ ェ ンス を建て , 人形 を使っ てお家 ごっ こ で遊 んだ , 彼 らは また ダ ンス, 机, 額, 掛け軸, 花瓶, 人形の服, 乳母車, 自分で作 っ た粘土の紅茶茶碗, 皿, 水 を入れ る瓶等 を利用 し た , 数人が フ ェ ン ス と 門 を 建て , 動物園 を作 り , 茶店, シー ソ ー, ブ ラ ン コ , 滑 り 台, 園の看板, 池 を作 り , 紙 と 粘土で作 っ た動物 を使っ て動物園 ごっ こ で 遊 んだ , 他の子 ど も た ちは太鼓, ラ ッ パ, 旗, 剣, 馬, 革包を使っ て兵隊の演習 を 演 じ た , 数人が八百屋 ごっ こ で地面に莫産 を広げて 籠, 果物, 野菜, 重量計, 物差 し を使っ て 遊んだ, 砂糖は砂で, 野菜は草, 皿や鍋, 袋には葉 つば を使っ た , 他の子 ど も た ちは魚屋 ご っ こ やレ ス ト ラ ン ご っ こ を し た , こ の子 た ちは八百 屋のそ ばに莫産 を広げた , 彼 ら は新 し い店が開店 し た こ と を知 らせ るた めに紙 を吊 し た ,

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作業 自由な切絵 : 様々な種類の野菜 と果物 を切っ た, 静かな時間 一 エ ジプ ト の聖家族の話 火 昨日の続き 導入 一干 し 柿, 干 し 栗, 干 し 芋, 椎茸, かんび よ う 等 表現 一 干 し 芋 を作 る , 作業 粘土で野菜や果物 を作 る, 静かな時間 何人かの子 ど も が昨日の話 を も う 一度話す, 水 海草の保存 導入 寒天, 海苔, ふの り , 昆布, ア ラ メ , わかめ, ひ じ き等 表現 上の食物で感覚ゲーム をす る, 作業 蝋燭づ く り 静かな時間 一 リ スのお話, 木 みん なの家 の冬の準備 導入 一火鉢, 炬健, カイ ロ, 炭, 石炭, タ ド ン等 表現 一 木で 炭 を作 る , 作業 恩物 : 家の家具, 静かな時間 昨日の話 を思い出す, 金 家庭で子 ど も た ち のた めに作 っ た準備 導入 手袋, カ バー, シ ョ ール, 首巻 き, ス ト ッ キ ング等 表現 着 る服の紐 を結んだ り , ボ タ ンやホ ッ ク を留め た り , 飾 つた り す る , 作業 一 火曜日に作っ た粘土の果物, 野菜に色 を塗 る, 静かな時間 一 聖書の一節 を思い出す, 歌 一冬, 農夫, 野菜, 木こ り . ゲ ーム 一農夫, 劇, 一週間の仕事, リ ス, 鉱夫等.

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2 . 子ど も主体の協同的活動 を求めて

(1) 「遊びによ る教育」 への模索 1921 (大正10) 年 9 月 に, ク ツクは保姆師範科生であ る上野 (間島) 光 ・ 立花富 ら 3 名 を連れて, 大阪のラ ン バス女学院保育専修部に移っ た。 翌 4 月, 広島女学校保 姆師範科は廃止 さ れ, ク ツク指導のも と 子 ども 主体の保 育が目指 さ れてい く 。 子どもの日々の興味に合う 指導計画は1923 (大正12) 年 に ク ッ ク に よ っ て作 成 さ れ た (

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8)。 手書 き の英文は判 読 しづ ら いが, 保育理念 と し ての聖句は 「 わた し が来た のは, 羊が命 を受け る ため, し か も 豊かに受け る ためで ある」 ( ヨハネ福音書10:10) を挙げてい る。 次 に 「目的」 は表 3 に示すよ う に, 「子 ども た ち と 共 に生き る」 と フ レ ーベルの言葉 を掲げ, キリ ス ト 教保育 を行う 幼稚園の姿勢 と教師の心構え を強調 し たものと な っ てい る。 そ し て, 適切 な環境のも と で行われる日々の経 験 を通 し て, 子 ども たち に生活 を理解 さ せ る。 幼稚園は 肉体的, 精神的, 霊的に個を発達させ, 家族や地域社会, 人類の一員 と し て成長 し得 る基礎 を家庭に据え る助け を す る こ と にあ る。 表 3 ク ツクの年間指導計画 目的 「子 ど も た ち と 共に生 き る」 こ と , 適正 な環境の も と で行われ る日 々の経験 を通 し て, 幼児た ちの生活 を解釈 し , 家庭の基礎 を築 く こ と , 幼稚園は (a) 個 人的に (肉体的, 精神的お よ び霊的に) (b) 社会的に (家族, 地域社会, 国家 さ ら に人類の一員 と し て) 教育 を実行す る , 方法 遊びによ る教育, 神が与え られた合自然的 な遊びの本能 を利用 し た り , 幼児 の興味や知 り た い と かや っ て みた い と い う 欲求 を刺激 し た り す る こ と , 幼稚園の 日々の活動は, 幼児の本性や他児 と の交わ り の中で日々成長 し つつ あ るニ ーズに 基づ いて 計画 さ れ る こ と , (1) 肉体 一 規則的な身体的訓練によ っ て, 脚や腕力, 感覚, 身体器官のあ ら ゆる 力 を保持 し , 発達 さ せ る, (幼児た ちは内科医の監督の下で守 られ るこ と) 自然の子 と し て (2) 料が与え ら れ る こ と によ っ て , 幼児の思考力は育 まれ る, 明 確な目的に向けて利用す る と き, 遊びの材料は幼児 を知的表現へ と導 く , 人 の子 と し て (3) 霊 非常に邪悪 な幼児の不道徳的 な段階 を理解 し , 幼稚園段階 を通 し て肉体 と 精神の正 し い基礎習慣 を形成 し た り , よ り 意識的 な道徳的目的や正 し い行 動 を保持す る , あ ら ゆ る真 な る生活 の基礎で あ り , 最高の神 と の意識的 な関 係は祈 り , 賞賛, 正 し い行 いによ っ て 確立 さ れ る , 神の子 と し て 材料 フ レ ーベルの恩物, 球体 と ブロ ッ ク (平た く て細かい教材は利用 し ない) フ レ ーベルの作業, 砂 ・ 粘土, 折 り 紙 と 切 り 紙, 造形, 幼児の目や神経 を痛 めな いよ う な廃物 を使っ た作品作 り , 裁縫用 の大 き な材料 描画 ・ 彩色, 自然物, 選択 さ れた玩具, 物語やお話 絵画 歌 体操 ゲーム 郊外への散歩 と 自由遊び そ の方法は, 「遊 びに よ る教育」 にあ る。 子 ど も の合 自然 な遊 びの本能 を利用 し たり , 興味や知 り たい, やり たい と い う 欲求 を刺 激 し た り す る ために, 幼稚園では, 子 ども の本性や他児 と の交 わり の中で日々成長 し つつあ る ニ ーズ に基づ い た活動 が計画 さ れてい く 。 そ し て, 幼稚園の物的環境 と し て, ① フ レ ーベルの恩 物 : ボールや積み木 (平た く て細かい教材は利用 し ない) , ② フ レ ーベルの作業 : 砂, 粘土, 折り 紙 ・ 切り 紙 (子 ど も の目 や神経 を痛 め る よ う な細かい仕事 は行 わな い) , 縫い取り 用の大き な教材, ③描画と彩色, ④自然の素材, 精選 さ れた玩具, ⑤物語やお話, ⑥絵画, ⑦歌, ⑧体操, ⑨ゲーム, ⑩園外保育, ⑪自由遊び (保育者の見守り の

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も と ) 等の材料が準備 さ れる。 フ ル ト ン以来の改革がこ う し た環境整備の中で結実 し てい く 。 こ の指導計画は, 表 4 に示すよ う な主題に基づ き進め ら れる。 家庭, 幼稚園, 地域社会, 自然が主題と し て取 り 上げ ら れ子 ども を中心 と し て同心円的拡がり を持 たせ る こ と で, 生活への理解 を図 ろ う と し た内容構成にな っ てい る。 マ ク ド ウ ェ ルの年間指導計画 を踏ま え , 子 ども の興味 に沿 っ た も のへ と 精選 さ れてい る。 主題は日 ご と ではな く 月 ご と に記 さ れてい る。 例え ば, 10月は 9 月の 続き で, 夏から秋への変化 を家庭の食事や衣服, 店先に 並 ぶ商品や畑で育つ作物から気づかせよ う と し ており , マ ク ド ウ ェ ルの年間指導計画よ り も 柔軟に幼児 の興味 に 合わせて計画で き る。 表 4 ク ッ クの年間指導計画におけ る主題 4 月 : 幼児は家庭か ら幼稚園にやっ て く る, そ の家庭 と 園の類似点 と 相違点 を話す, 家庭 も幼稚園 も共に, 規則的な習慣形成や義務 を担 う 役割がある, 幼稚園では, よ り 意識的 に家庭的 な義務が求め ら れ る. 戸外への興味 を育むた めに, 遊びや 本物の園芸 を始 め る , 太陽や雨 を関連づけ た り , 覚醒 し つつ あ る自然 を観察 し た り す る , イ ース タ ー 5 月 : 鳥, 花, 昆虫, 個々の家庭や幼稚園に制限 さ れた人間への興味 を, 地域社会 へ拡大す る , 多 く の家庭, 店, 農場が幼児の食べ物や衣服の供給に関わっ て い る , 6 月 : 人間界 と 自然 界におけ る仕事 の分担 を考 え る , 家 庭一父親の仕事, 母親の仕事, 幼児た ちの仕事 地域社会 一農夫, 商人, 教師, 銀行員, 牧師 自 然 一ミ ツバチ と 花, そ し て 人間 7 月 : 夏に向けて, 人間界 と 自然界と の関連 を見直す, 8 月 : 休暇 一 家庭は幼稚園が 4 ヶ 月間行っ て き た こ と を維持 し , 深め る こ と が求め ら れ る . 9 月 : 夏 の経験 の振 り 返 り , 秋への準備 をす る . 多 く の戸外で の時間, 自然 の中で 進んで い る変化に気づ き, 人間生活 と の関連 を意味づけ る , 太陽や雨同様風 と の関連に気づ く , 10月 : 9 月の主題の続き , 家庭で の食事や衣服の変化 を見 る, 商店や畑 も共に変化 し て い る , 11月 : 冬への準備 一住 ま い, 食事, 衣服, 必要 な供給物 の輸送, 人, 動物, 植物 を 用意す る, 感謝祭, l 2月 : 冬の生活や休養の意味の見直 し , よ り 充実 し た生活, 神から の最善の贈 り 物, ク リ ス マ ス , 1 月 : 冬の不思議. 霜, 雪, 氷 と 太陽, 雨, 風 と の関連, 2 月 : 自然や人の生活におけ る相互依存 と 有用 さ , 室内の植物や小動物への行 き 届 けた世話, 印象 を深めた り , 自覚 し た考え を保証 し た り す るための援助 を準備 す る , 3 月 : 1 年間の活動の振 り 返 り , 天候が許 す限 り , 戸外 で の多 く の生活や観察 , 人 や自然に対す る春 の意味, イ ース タ ーの準備, 桃の節句, 年長児 の卒園, こ う し た幼児への柔軟な対応は, 表 5 の予定表に も現 れてお り , グループと ク ラ ス全体の活動, 静的活動 と 動 的活動 のバ ラ ンス も考え ら れてい る。 し か し , こ の指導 計 画 に よ る具体的 試 みは, ク ツ ク が ア メ リ カ で の休 暇 を 終え て帰朝 し た1925 (大正14) 年以降にまで持ち越さ れ る こ と に な っ た。 表 5 予定表 教師は 8 : 30か ら責任 を持つ, ピア ノ によ る合図, 教師の挨拶, 時にお話 9 : 00 9 : 45 静か な音楽, お 祈 り , みん な に挨拶 力レ ン タ ー に印 を付け る , ス キ ッ プ 会話 一 ク ラ スで の新 し い経験に参加 し た こ と を話す, 行進 9 : 45- 10 : 30 グルー プに分かれて恩物あ る いは作業 10 : 30- 11 : 00 年少児一戸外での活動 年長児一ゲームあ るいは劇遊び 11 : 00- 11 : 30 年少児 室内でのゲーム 年長児 戸外での活動 l l : 30- 12 : 00 グループに分かれて恩物あ るいは作業 l 2 : 00- 1 : 00 昼食, 降園のための身支度 (2) 教師の意識改革 1925年, 休暇から戻 っ た ク ッ ク は本格的 な保育改革 を 実行に移し た。 保育者であっ た上野 (間島) は, 当時の 驚 く べ き 改革 を次 のよ う に回想 し てい る (

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9)。 「 1 年 の静 養休暇 を終へて帰朝 さ れた と き は特に内面的 に も外面的 に も 著 し い進歩 を示 さ れたのであ り ます。 今 ま での幼稚 園の カ リ キ ュ ラ ムが一変 し て, 教育 を児童心理の上に置 き , 大人が教え るのではな く , 子 ども の内 な る も の を子 ども自身の考え で発達成長 さ せ, 手技や遊びを通 し て表 現す るのです。 先生は一人一人の子 ども の相談相手と な るので, 始業, 終業のベルはな く なり , 子 ども は自由に 自分の考え を生活す る。 それが作業であ っ たり 遊びであ っ たり 遊戯で あ っ たり す るのです。」 と 語 っ てい る。 し か し , こ う し た ク ッ ク の取 り 組みは, 意識改革がな お進ま ない保育者の戸惑い と な り , 実現ま で には時間 を 要す る こ と と な っ た。 自由保育 への礎 を築 い たのは, 1923 (大正12) 年に来日 し, 翌年 ラ ンバス女学院教師に な っ た ピ ー ビ ー (Peavy, A ) で あ る。 コ ロ ン ビ ア大学 を卒業 し てい た ビー ビーは, 1928 (昭和 3 ) 年から , 本 格的な自由作業によ る保育 を実施 し始めた。 こ のピー ビー から指導 を受け, 実践を支え たのが, 主任保姆立花富で あ っ た。 立花は当時のピー ビー の教え方が具体的ではあ っ たが, 理論立 て て説明す る こ と がな く , 「後で デユ ー イ を読 んで みて , 初めて , あ あ な るほ ど先生の言 っ て い た こ と を理論づけす ればこ う ゆう 事なのだ」 と納得で き た と い う 。 し か し その一方 で, 「 あ く ま で も 子 ども が中心 で , 教師はよ く 子 ども を観察 し て, 子 ども の求め る も の を教育す る と 言う やり 方で, 今ま でのよ う に教師が立て た計画で進め るのではない。 こ の新 し いやり 方 で始 め る と 以前に比べ て, 子 ども が生き 生き し だ し た。 子 ども か ら , 絶え ず刺激があ る で し よう 。 子 ど も か ら 教え ら れる わけ です。 そ れがこ ち ら には と て も 楽 し い作業」 に な っ た と 述べ てい る (2

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) 自由作業によ る保育は, 次の 3 点に留意するよ う 求め ら れた。 その 3 つ と は, ①創造性や社会意識 を刺激 し 高 め る ための知識, ②創造性 を刺激す る材料の用意, ③結 果 と し ての成長 ・ 発達の確認, で あ る。 ピ ー ビーは自由 作業 や創作活動 が成功す るか どう かの鍵は, 教師にあ る と と ら え てい た。 そ こ で , ピ ー ビーが教師 に求めた こ と の第 1 は, 子 ども た ち の創造作業 に力 を与え ら れる だけ の知識 を も っ てい る こ と 。 子 ども に自由 に仕事 を 選ばせ る と い う こ と は, 何の考え も な く , た だ気の向 く ま ま に やらせ るこ と ではない。 1 つの活動に多様な変化 を与え る には, 教師が最 も 優 れた価値 あ る活動, ま たは豊富 な 活動 を 選 び, 子 ど も た ち を導 く だけ の明確 な考え を も っ てい なけ ればな ら ない。 さ ら に, 教師は社会意識 を強化 す る ために, 子 ど も の興味 を剌激す る よ う な社会生活 を 見学 させたり , 珍 し い本や絵 を見せたり , 子 ども自身に 自分の経験 を話 さ せたり す る こ と が求 め ら れた(2

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) ピ ー ビー は言 う 。 「 子供達には只見 た り 聞い たり し た 丈 では何で も其物が真 に自分の も のと し て し っ かり 這入 り ません。 ですから行 っ て後自分達の経験 し た事 を積木

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や其他の材料で造 っ て見たり , 絵 をかい たり , 劇的遊 を に着いて各々自分の仕事 を考え ます。 家から予定 をつ く っ て来た子供, 途中で暗示 を得て来た子供, 友達に 刺激 さ れた子供, みな何か目的 を抱いて居り , 各々好 む材料 を 選 んで , 日数 と 時数 を問わず, 完成す るのに 一生懸命努力す るのであり ます。 同一の製作が繰返 さ れて, 続 く 場合 も勿論あり ますが, 尚後から後から変 化 さ れて, 面白 く 新 し い も のがず んず ん発表 さ れて居 り ます。 殊にその動機, 進行, 過程, 結果等 を観察す る時, 一層興味深い ものがあり ます。 日々に一定 し て 居り ませんので断言出来ませんが, 木で作 ら れた舟, 帆 かけ 舟 , ク レ オ ン染 の テ ー ブ ル ク ロ ス , ハ ン カ チ ー フ, 人形の着物, 空箱, 粘土の動物園の積木等が最近 の仕事の例で, 新 し い子供達の間では粘土, 画, 切紙 類が喜 んで な さ れて居 り ます。 十時前室の整理 を し て 朝の輪に一同揃います。 こ れは極短 く 礼拝 を主 と し た も ので あ り ます。 次は ミ ルク。 手 を洗 っ た り , 机 を拭 い たり の準備か ら , 後始末 を し , 口 を洗 っ て休むま で 凡 そ四十分間, べ ピーク ラ スの子供達はそ れか ら 三十 分程同窓室 に床 を延べ てやす みます。 会話は各組で十五分位, 朝の仕事の批評, 話, 歌の 発表等, 後は陽の照る限り多 く 外遊 を させる様に致 し て居 り ます。 最後の二十分はゲーム, リ ズ ム, 金曜日 にはお弁当 なので ゆっ く り 音楽会, 楽隊の遊びを致 し ますが, 子供達は大喜 びで, 近来は ラ ジオの放送 を し き り に真似 て居り ます。 し た り 一緒 にその経験 を話合 っ た り す る事が大切です。 故に見てき た後は先生が気 をつけ て, 子供の心 を刺激す る様 な材料や話や絵 を用意 し て, 此等のも の を通 し て彼 等の経験を深め, 真の意味がわかる様に」 (下線引用者) と (22) o 見学は子 ども たち が興味 を も ち , し かも直接関係のあ る場所が選ばれる。 例え ば, 郵便局, ラ ジオ放送局, 停 留所, 車輌工場, 飛行場, 消防署, 果物店, 花屋, 靴屋, 下駄屋, 氷店, 製氷会社, 洗濯屋, ガス会社, 小鳥屋, 公園, 動物園, 電気器具店, 農場, 養鶏場, 池 (お たま じ や く し のい る所 ) な ど で あ る (23)。 見学 を終 え た子 ど も に, ピー ビー は さ ま ざま な協同的 な表現活動 を通 し て, 共通の目的 を生み出 し, 協力 し, 工夫 し て実現 し てい く と い う 協同す る経験 を重ね, 協同性や自治的精神 を理解 さ せ る よ う 教師 に求 めたので あ る。 第 2 に, 子 ど も がその観念 を発表で き る よ う 創造的 な 作業 に必要な材料 を, 数多 く 用意す る こ と が教師の責任 と さ れた。 木片, 紙, 粘土, 布, 絵の具, 空箱, 板片 な どが, 家庭や近隣の店か ら 揃え ら れた (24)。 そ し て最後 に, 目指すべ き子 ども 像が問 われる。 子 ど も各人の人格は, 次の観点から調査 さ れ, 望ま し い社会 的態度へ と 導 く こ と が求 め ら れた(25)。 「一 つ一 つの経験 を通 じ て, 果 し て子供達が価値 あ る知識 を得 てい るか, その現在の環境 に取入 れねばな ら ぬ価値 あ る活動 を し て い るか, 其技術及 び行為 に進歩発達があ るか, 亦は他の 子供 と 共同 し得 る程度, 自分の順番 を喜 んで守 る事等が 以前 よ り も 進 んで来 てい る か どう か, 他の者に頒つ事が 出来 るか, 秩序がわき まえ ら れるか, 材料の用い方扱い 方後始末等が発達 し てい るか等 を見, 尚こ れら の活動に よ り 他の者に対 し亦其環境に対する態度が如何に変化 さ れて行 っ てい るか, 他の者の喜 びと か満足 と か を助長す る時に起 る自分の喜 びを味 う 事が出来 てい るか」 であ る。 (3) 自由保育の実際 こ う し た保育 は , 当 時 のわが国の保育界 に あ っ て , 「分 か る人は分 か っ た と 思 う が, や っ てい る こ と 事態が, (一般の幼稚園 と ) あま り に も かけ離 れす ぎてい たか ら , 一般 には, あま り 理解 さ れる と こ ろ ま で いかな っ た」 の で あ る (26) o まずは保育の実際を1930 (昭和 5 ) 年の立花の報告か ら 見 て お こ う (27)。 保育改革の中心と な っ た自由作業では, 立花の報告や 図 3 の様子から, 子 ども たちが個別に製作 し たり , 協同 で 木工 に挑 戦す る様 子 が見 ら れ る よ う に な っ た (28)。 毎 日 3 ・ 4 種類の手技材料 (積木, 紙類, 粘土, 描画等) の中か ら 子 ど も が好 き な材料 を 選 び, 自由 な発想で 製作 を進めてい く 様子がわか る。 さ ら に, 目的 を も っ て園に や っ て く る子 ど も や友達か ら の刺激 を受け て作業が始ま り , 男児 か ら は ボー ト 作 り に使 う 木 ぎ れや, 女児 か ら は ま ま ご と のエ プロ ン作 り に使 う 布 き れな どの要求が出 て く る よ う に な っ た と い う (29)。 表 6 は1931 (昭和 6 ) 年頃の年長緑組 ・ 黄組の 1 日の 流れを藤田の報告 表 6 予定表 か ら ま と めた も の で あ る o 保育は 9 時から で 「朝はあま り 早 く 来ないで, 8 時 半から 9 時ま での 間 に来 る よ う に」 と 伝え て も , 子 ど

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登園 自由作業 ・ 遊び おやつ ・ 片付け 睡眠 戸外遊 び 歌 ・ リ ズム ・ ゲーム 礼拝 降園 毎朝お早 う がす み, 荷物の整理 を終え た小 さ い子供 達が, 第一に心 を奪われるのは砂場, 鶏小屋, 花畑等, 戸外 の も ので, 雨の降 ら ぬ限り , 小 さ い如露に飽き も せず, 池の水 を汲み入 れ丹念に草花 にかけ歩 き ます。 亦藤棚の下で一心に砂 を口 い て喜 んで居 り ます。 但 し大 きい組の子供達は, 登園す る と 直 ぐ テーブル も たちは 8 時頃には元気に顔 を出す。 朝登園 し た子 ども たちはす ぐに自由あそび, 自由製作の時間が 1 時間続く 。 10時か ら ミ ルク等のおやつ を摂 り , 30分程度の睡眠 を と る。 目が覚める と戸外 で ブ ラ ン コ や滑 り 台 , ゴザを敷い てママ ゴ ト 遊 びな どが展開す る。 12時20分前頃に鳴 らす ト ラ イ ア ン グルの音 を合図 に , 歌 ・ リ ズ ム, ゲ ーム等 ク

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ラ スの活動 が始 ま る。 礼拝 に関 し ては,

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日の反省 な ど の活動 の締め く く り の時間 と し て降園前に行われる よ う に な っ た (3

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) 図 3 自由作業 をする子ど も た ち (出典) 『聖和保育史』 151頁 こ う し た自由作業は徐々に園内に定着 し, 必要な設備 も 整備 さ れた も のの, 保護者や専門家 た ち から の批判が 殺到 し た。 例え ば, 自由作業によ っ てで き あがっ た も の は他園のよ う に美 し い も のばかり ではな く , 家庭から の 不満があ っ たり , 内外専門家 たち から の批判であ っ た。 母の会や父の会な どを開 く こ と で, 自由なやり 方への理 解 を促 し た。 こ う し た批判の中で保育者 を支え たのは, 子 ど も た ち の驚異的 な成長 で あ っ た。 「子 ど も を自由 に さ せ るこ と は真の教育ではな く , む し ろ教育 を し ないこ と で あ る と い う 立場か ら の反論」 も あ っ たが, 実際の現 場での子 ども たち の成長は驚異的 で あり , 「教師 たちは 子 ど も の力 のす ば ら し さ にみずか ら 教え ら れ」 た, ので あ る (31) o お わ り に 子 ども主体の協同的活動への取 り 組みは, 広島女学校 附属幼稚園での自由作業の導入 を契機に始めら れた。 自 由作業の導入は グループによ る協同的活動 を生みだ し , 思考力, 創造力に加え, 協同性や自治的精神の育成が求 めら れてい く 。 1913年, フ ル ト ンが実施 し た大型積木や 廃材の導入 と い っ た物的環境の充実か ら , 子 ども自 ら が 「今日は積木で遊ぶ。 僕は大工 さ んす る。 先生 ク レ オ ン で絵 かき ま す よ。 粘土 し たい等 と」(32) 言 っ て目的 を 決 め, 自由 に材料 を選択 で き るま で には15年 も の歳月 を要 し た。 その間 , マ ク ド ウ ェ ルは教師 によ る計画的 な主題 の導入や生活体験 を通 し て展開 さ れる自由遊 びの観察 を 基 に, 子 ども の創造力 や社会意識 を強化す る要因 を検討 し , カ リ キ ュ ラ ムの精選に取 り 組む。 そ れは教師主導で はな く , 幼児自身の自発性や主体性に基づ く 協同的経験 の積 み重 ね を 辿 る 試 みで も あ っ た。 施設や環境の整備, カ リ キ ュ ラ ム編成が整う 中, ピ ー ビ一指導のも と 教師の意識改革が進 んでい く 。 自己選択, 自己 決定が許 さ れる に連 れて, 子 ど も は明確 な目的 を目 指 し た活動への意欲 を発揮 し始 め る。 そ れはま た, 教師 が自分 た ち の予 想 をは るかに超え た子 ど も の力 のす ば ら し さ や子 ど も の学 びに気づ く 機会 と な り , その学 びに必 要な環境整備へ と 教師 を突 き動 かす契機 と な っ た。 「寝 つき方, 臥床状態等に, 各子供の健康状態が亦家庭の習 慣がよ く あ ら われる。 ・ ・ (略) ・ ・ ほんと う に無邪気 であり , 熱心である。 可愛いですねと人は云う 。 然 し じ っ と 子供 に接 し て み る と 可愛 い だけ では過 さ れぬ大 な る力 が教師 に迫 っ て く るの を覚え る。 特別 に も っ と 家庭 と 共 力 し も っ と 理 想 的 な 組 を 作 っ て み た い と 願 っ て い る」(33) と い う 立花 の言葉 に は , 保 育 の改善 を 進 め よ う と す る教師の思いが込 め ら れてい る。 家庭 と の連携は当 時から大 き な課題であ っ た。 2005年の中央教育審議会答申以来, 幼稚園教育 と小学 校教育 と の接続の観点から注目 さ れて き た協同性は, 19 13年の広島女学校附属幼稚園に導入 さ れた自由作業にお い てその重要性が認識 さ れ, 1928年 に始ま る ラ ンバス女 学院附属幼稚園の自由保育の神髄と な っ た。 ク ツクやピー ビー ら の努力 は, 見栄え のよ い も のに日 を奪われる保護 者や, 自由保育 を放任 と 解す る内外専門家の理解を得 る のは難 し か っ たが, 協同的活動 を通 し て望ま し い社会的 態度 を身 に付け てい く 子 ども の力 に励 ま さ れなが ら , 教 師の意識改革が進め ら れてい く こ と が明 ら か と な っ た。

【注】

(1) 文部科学省 「幼児教育部会におけ る審議の取り ま と

め」 2016年, 3頁。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/

057/sonota/1377007.htm (取得 : 2016年 9 月)

(2) 同上, 4 頁。 (3) 子 ども保育総合研究所 ・ 森上史期監修 『最新保育資 料集』 ミ ネルウ' ァ書房, 2016年, 504頁。 (4) 国立教育政策研究所 ・ 教育課程研究セ ンタ ー 『幼児 期から児童期への教育』 ひかり のく に, 2005年, 18頁。 (5) 同上書, 58-60頁。 (6) 文部科学省 『幼稚園教育要領解説』 フ レ ーベル館,

2007年, 90頁, 100頁, 112頁。

(7) 無藤 隆 ・ 柴崎正行編 「新幼稚園教育課程 ・ 新保育 所保育指針のすべて」 別冊 『発達』 29, ミ ネルウ' ァ書

房, 2009年, 54-55頁。

(8) 井口純子 「近代幼稚園教育の展開 婦人宣教師の歩 みと聖和大学 」 『大学時報』 2005年, 131頁。 (9) 佐野小春 「感謝の思い出」 聖和大学 『聖和80年史』

1961年, 214頁。

(10) Cook , M. M. , “Kindergarten department-Hiroshima

Girls' School , ” Seventh Annual Report of the

Kindergarten Union of J「 ,

apan, 1913, pp 44-45.

(11) Cook , M. M. , “Our kindergarten Responsibility in Japan, ” Seventh Anm ial Report of the Kindergarten

(9)

Union of Japan, 1913, p 2. (12) 広島女学校附属幼稚園 「保育綱日」 (1914) 聖和大 学歴史資料館所蔵。 広島英和女学院は1896 ( 明治29 ) 年に広島女学校 と 校名 を改称。 「保育綱目」 につい て は, 拙著 「広島女学校におけ る子 ども 本位の活動 に根 ざ し た保育 の確立 一 ア メ リ カ 人教育宣教師 M ・ M ・ ク ツク と 進歩的な保育の導入 」 (『兵庫教育大学研究 紀要』 第47巻, 2015年, 1-10頁) を参照。

(13) McDowell , J. , Kindergarten program Outline &

Daily Schedule, 1917. (聖和大学歴史資料館所蔵) 不

鮮明 な部分や誤植 も あ るため, 田中ま さ子 『幼児教育 方法史研究一 保育者と子 どもの共生的生活に基づ く 方

法論の探求』 風間書房, 1998年, 163-171頁 を参照 し

た。

(14) McDowe11, J. , “The Kindergarten Schedule , ” Eleventh Annual Report of the Kindergarten Union of

Japan, 1917, p i t. (15) ibid., pp.12-13. (16) ibid., p.14 (17) ibid., p.12.

(18) Cook, M. M., Program Outline for the Year, April

1923-March 1924. (聖和大学歴史資料館所蔵) 解読 し づ ら い部分は, マ ク ド ウ ェ ルの資料同様田中の文献の 176-179頁 を参照 し た。 (19) 広島女学院幼児教育史刊行委員会 『小 さ き者への大 き な愛 : ゲ ー ンズ幼稚園の歴史 と M ・ ク ッ ク の貢献 広島女学院創立120年 を記念 し て 』 2006年, 129頁。 (2a) 立花富の回想 (聖和保育史刊行委員会の1979年10月) , 2 頁。 聖和大学歴史資料館所蔵 l21) ピ ー ウ' イ ー 「現代 に於け る幼稚園教育の傾向」 『ラ ンバス女学院同窓会誌』 1931年, 13頁。 (22) ピ ー ビ ー 「 幼稚園 の見学」 『 ラ ンバ ス女学院報』 1932年, 第 1 号, 1-2頁。 l231 同上, 1 頁。 (24) ピーウイ ー, 前掲, 13-14頁。 (25) 同上, 14頁。 (261 立花富の回想, 前掲, 6 頁。 o 立花富子 「 ラ ンバス女学院幼稚園の近況」 『ラ ンバ ス女学院同窓会誌』 1930年, 47-48頁。 (281 聖和保育史刊行委員会 『聖和保育史』 1985年, 聖和 大学, 151頁。 l29) 同上書, 152頁。 (3a) 藤田かづの 「 ラ ンバス女学院附属幼稚園の近況 : 緑 組, 黄組」 『ラ ンバス女学院同窓会誌』 1931年, 56-57 頁。 (31) 聖和保育史刊行委員会, 前掲書, 152-153頁。 (321 藤田, 前掲, 56頁。 (331 立花富子 「 ラ ンバス女学院附属幼稚園の近況 : 紅組」 『ラ ンバス女学院同窓会誌』 1931年, 56頁。

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