酸化ニッケルの摩砕効果
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(2) . 第17巻. 1年9月 昭和4. 北海道教育大学紀要(第二部A). 第1号. 酸 化 ニッ ケ ル の 摩 砕 効 果 貞. 嘉. 広. 和. 函館工業高等専門学校 徳. 治・清. 好. 永. 清. 水. 北海道教育大学函館分校物理学教室 de l ox i ing on Ni f ind Ef cke t of Dry Gr ec by. Yoshikazu SADAH・RO kd I Co l l i Hakodat ege ca e Techn , Ha o ate and. iharu TOKUNAGA and Kiyoshi sHIMIDZU YOSh i Department of Phys cs. i i do Univer i Hokka ty of Educat on, Hakodate s. S1, 緒 固 体物 質 はメ カ ノ ケ ミ カ ル な 処 理, 例 えを , 衝撃, 圧縮, 粉砕, 摩砕混練な どの操作をうけると. 機械的歪力によ り固体は変形だけでなく, 物質構造の不整化, 非晶化, 多形転移な どを生じ, さ ら 粘土鉱物や黒 ) に活性な どの物理化学的性質も変化する1 。 機械的摩砕による構造変化に関 しては, 3 ) ) 鉛な ど二次元構造をもつ物質について 多くの研究がある2 。 それらの特殊構造をもつ物質以外の. 4 ) 亜鉛の固相 F 0 一般無機化合物では, 摩砕による γ‐Fe 203 の α- e2 3 への転化 , 酸化チタ ン, 酸化 ) な どが良く知られている。 反応におよぼす摩 砕効果5 酸化ニッ ケルは, 着色原料, 水素添加触媒の原料な どに用い られるが, メカノ ケミカルな処理に よる物性の変化 は未だ十分に解明されていない。 本研究では, 酸化ニッ ケルの摩砕による諸物性の r ′ ZmB ) ′ l s o 7 i z z i r ed . cが晴雄′ Z Z !” d ) ,活 l S Oだす o i 変化を, 主と して結晶の格子不整 (函“ , 微結晶の大きさ ( 性な どについて調 べた。 あ わ せ て 比較のために酸化亜鉛の摩 砕による構造変化についても 報告す るo. S2.. 実. 験. 方. 法. 5mm,内容 2・1 摩砕方法:摩砕はポールミル で行っ た。 回転円筒容器は, 磁器部分内側 寸法 7 og. 量 l 00c 積4 cの日本化 学陶業 KK. 製 ssA ポ ッ トミ ル, ポー ル は 直 径 15mm, 高 さ 15mm, 重 約 の同社製 ssA ポールである。 摩砕過程におけるミル材料の混入量は無視できるo ミルの回転数は 5g, 酸 P材料の装入量は, 酸化ニッ ケルの場合14 毎分80回転である。 装入ポール は28箇と し, 被弾. 化亜鉛の場合60gである。. . 製試薬一級, 酸化 亜鉛が同社 ,K 2・2 試料:用いられた原 試料は, 酸化ニッ ケルが和光純薬 K (28).
(3) . 貞 広 嘉 和・徳 永 好 治・清 水. 清. 製試薬 特級である。 原試料をミルに装入し 回転開始後約3 0分で被砕 材料がミルの内壁に固 着しは , じめるので, 1 時間毎にそれをとりくずして再び摩砕を継続 し 定時間毎に数g程度を 採取 して測 , 定試料と した。 摩砕 の雰囲気は室温における空気中の乾式である 。 2・3 X 線分析:摩 砕による格子不整およ び徴結晶の大きさ の変化を決定す るため にX線分 析を 行っ た。 X線回折図形は理学電機 K,K, 製 Ge/geザ 迄じ に よ り 記 録 した 記 録 に は 35kv 15 A m 。. , , (酸 化 亜 鉛に 対 し), 1o mA (酸 化 ニ ッ ケ ル に 対 し) で Cu Kα=1 5418 A を用い, 各試料につい . , て, 総研鎚云 “ ed l0 2β/min, 効用e coi婚 姻’ g sDe ′ ?Z 1sec, γ8解 か‘z ′ ′ Z Z 0,2 m m, αれ卵‘/”γ αPerねびe gs lo 物 汀 dl i ” s pee cm/m n の 条 件 で, 酸 化 ニ ッ ケ ル に 対 し 2β= ~700 酸 化 亜 鉛 に 対 し 2β= , ~ , 700 の範囲を走査 した. 。 2・4 触媒能試験:摩砕による試料の化学的活性を求めるために 過酸化水素の分 解反応 の触媒 , と して用いたときの分解率を求め, 活性の相対的な値と した 初期濃度 0 1 = %の過 酸化水素 。. (和光純薬 K,K. 製 1 級 試 薬). 5cc 中 に, 測 定 試 料 1 g を 入 れ マ グ ネ チ ク ス タ ー ラ ー で 撹 梓 し , ッ. 5℃ で分解反応を行っ た。 反応 時間 Z n・in 後における過酸化水素の濃度 C %を測定す 乍ら1 ると おg Co /C= Kf が 成 立 す る。 こ こ で K は各試料につい て定数となる また 過酸 化水素 の分解量 。 , は溶液の濃度に比例すると 考えられる。 したがっ て 各測定試料につい て 反応 時間 Z=30~60分 , , の範囲で前式の関係を測 定し,Z=60分における ( C/Co oo%をもっ て過酸化水素の分解率と し )xl た。 過酸化水素の濃度 Co およ び C は, アッベ屈折計 (屈折率精度士00002 分散精度±000 , , . 05, ooW タングステ ン電球, プリズム面の恒温流水温 度95℃) を用い て 溶液 光源はl の屈折率を測 . , 定し, 屈折率と濃 度の関係から決定した。 205 比表面積測定:測定試料の比表面積を 水渡o荒川の空気透過比表面積 測定装置 で決定 し ,. た。. S3 , 実験 結果と 考察 3・1 粒状の変化:摩砕の進行に伴い 酸化亜鉛も 酸化ニ ケルも共に さらさ , ら, ふわふわ , ッ , した状態か ら密な状態と なり, みかけ上のかさが非常に減少 した Fi 1 。 g . および Fig,2 に, 摩砕 時間によるX線 回折図形の変化の状況を 示した いずれの 回折図形も摩砕 の経過と 。 共に回折線の幅 の拡大が生じ, 粒子の格子不整が 増大することを 示している また粉末の色相が 摩砕 の進行に伴 。 , い, 酸化亜鉛は白色からオ レンジがかっ た黄色に, 酸化ニ ケルは鮮やかな緑色か ら黒茶色 ッ に変っ た。 これは不純物の混入によるとするよりも, む しろ回折線 の幅の拡大に関連 して 粉末 の構造の , 点欠陥に対応 していると 考えられる。 3・2 粒径と格子不整の変化:×線回折線の積分幅およびその角度依 存性を測定 して, 摩砕過程 における結晶粉末の粒径の減少と格子不整 の増加 の様子を知ることが できる5 6 7 ) ) ) これら の方法を 。 適用 して, 回折線の積分幅の測定値から 結晶の格子不整と 微結晶の大きさを分離決 , 定した。 摩砕 時間の経過による徴結晶の大きさの変化を Fig 3 に示した 酸化ニ ケ ル 酸化亜鉛は . 。 ッ , , 共に, 摩砕の進行に伴い徴結晶の大きさ は減少 し 一定の飽和値に達するものと思われる Fi 4 , g 。 , に, 格子不整の摩砕時間による 変化を示した 何れも摩砕時間と共に格子不整は増大する 。 。 徴結晶の大 きさは飽和値に近づいているにも拘 らず格子不整は増大の傾向を 示す 。 3・3 触媒能の変化 り過酸化水素の分解反応により酸化ニ ケルの触媒能を調べ た。 初期濃 度1 0 ッ %の 過酸化水素 5cc に測定試料1gを 入れ 反応時間60分におい て 酸化ニ , ケルによる分 解率 , ッ の変化を測定 し Fig,5 に示した。 摩辞 ト時間と 共に分解率は, は じめ急増し, 間もなく 飽和値に達 (29).
(4) . 酸化ニッケルの摩砕効果. 62. 64. 66. 68. アO. 40. 35. 45 29. f f i i l et er ・ f on act Fig ay d ed Xーr a ,1, Det d Z no, t r o u n son g r ace. 80. /60. 55. 60. 65. 「d egr eeノ. I Nio, 2. Ground 72hour igi s 1, or na , d1 r s 3, Gr s ound l06 hour , , 4, Groun 50hou 5, Ground 206hour s .. IZno,2 r s igi ound 42hou 1 na , , Gr . or 4 d8 4h s G 3 our s , oun , , Ground207hour , r. 0. 50. f f Fig omet ert r acesonground Nio. r act r aydi ,2, ×-. 240. 力″ 6r加d ′ ”▽ “me r l i i t t h e h s a h i nc ry Fig rve ss ow ng t e c ange i ,3, Cu he pr i oce s s he t i l i ・ ein t imens n th t ons・ v ( ( ) ー ー di i . ng or Nio and z , ー of dr y gr. 0. 80. ′60. 240. i t t ce nl a Fig rve s showing the change i ,4, Cu h i h i ht o c s s i t e r l nt i t e e m p e t o「non w (s ( d z も i o N f n d i a i n o n r n g of dr g y i i ve espect r y ,. l i t ec r e ) ve s y l .. (30).
(5) . 貞 広 嘉 和・徳・永 好 治・清 水. 清. 0. 3. 6. 9. / 2. 9. ′ 2. . 〆 o / /o /. ;. …/ . 0. 80. /60. 240. 0. 6ば″d / ′ ノ “9 ′ ′ 刀e r力 ′. 3. LO ′ ′Q′”◇“ ′ ′ ′ cβ d s. Fig l t t ・pos t I on r e of H202 p I a ot ed ,5. Decon i he t ime i tt aga n n the1 s oce ) r s sofd ・y i i nd ng of Nio, gr. 6. ′ ′ 6ノ わ〃′ ro′ o′y u“. Fig f i i i l t t t ectofl ce d t ‐ at s or on and e r s a .6. Ef y l i i he decon t i i ed 1 nen ons on t t s I ・pos on i r e of H202i at n the pr oces sofdr I r ygr di ng of Nio,. o ミ ロ書 b t a た ≦ 、 轄 Q も き 、 ミた り o R ミ o S 〇 ・ N 、 .○. β○ .. /60. 240. Fig f i f i i i t csur ea′anddecompos ace ar on ,7, Spec l i t t the ed aga ea p e perumt ar ot ns r at i tu l l e ofgr ndi ng .. 0. 4 2 ′ ′ ′ ′ “ 乙o〃 / s o ′ ○ c ad. 6 ′ sノ が ′ yリメ′ o ′ r r o. Fig i f t t t sur on r s ・ ・ a e per un ace ,8, Decompo l l ag i i t r the . t t tか ea l ) ot e ar ( モ ー ce d ー n s ぞ ー s t r o ー l 1 ・.
(6) . 酸化ニッケルの麻酔効果. するものと思われる。 微結晶の大きさおよび格子不整と分解率との間には, 相関性のあることが指 ) 摘されている8 。 すなわち, 酸化亜鉛による分解率についての同様な実験によれば, 微結晶の大き. さの小さい程, また格子不整の少い程触媒能が高いといわれ る。 われわれの酸化ニッ ケルでは, 格 子不整の程度または微結晶の大きさを同一条件に して比較できなか っ た の で, この点は明確にで. きないが, Fig,6 の結果によれば酸化亜鉛とは反対に, 格子不整の多い程活性が高い と推定でき ) らに よ れ ば, 酸 化 ニ ッ ケ ル に 3 価 の 金 属イ オ ンを 加 え る と, 酸 化 に 対 す る 触 媒 能 は る。 Schwab9. 増加 し, 1価の金属イ オンを加えると減少するのに対 し, 酸化亜 鉛では, 3価の金属イオンを加え ると酸化に対する触媒能は減少 し, 1価の金属イオンを加えると増加すると言われている。 過酸化. 水素の分解率に対する, 酸化 亜鉛と酸化ニッケルの触媒能が摩 砕により全く反対の傾向を示す事実 は, 摩砕の過程においても還元に対 し, Schwab らの説と類似の現象が生じているのではないかと. 思われる。 この点については, 後に詳細な報告をする予定である。 空気透過法により測定した酸化ニッ ケルの比表面積の摩砕時間による変化を Fi g ,7 の 曲 線‐1 に 示した。 これによれば, 摩砕初期にその比表面積は減少する が, その後増加 して, 再び著しく減少 3 な どでもみられる現象であるが 巨視的な二次粒 ) する。 これは, 酸化亜鉛8 , , , および粘土鉱物 ) 子の分 散・凝集の繰り返しが, 酸化ニッ ケルの混合にも生 じているものと見倣される。 この比表面 積を用いて, 単位面積当 りの分解率の摩砕時間に対する変化を Fig,7 の曲線-2に 示した。 摩砕時 g 間の増大に伴い, その分解率は増大する。 また, その格子不整に対する変化を Fi .8 に示したが. 触媒能に関 しては同様に格子不整の増大に伴い, 単位表面積当りの分解率は増大する。 巨視的な二 次粒子の凝集・分散による表面積の増減だけではなく, 凝集・分散の機構あるいは微視的なクラッ. クの生長な どの影響も考えられるが, 何れに しろ, 格子不整が増加すれ ば, 触媒能は増加するもの と推定できる。 S4.. 語. 結. 酸化ニッ ケルの摩砕による構造変化に おいて, その微結晶の大きさは摩 砕の経過と共に一定の飽 和値に達するが, 格子不整は増加する。 構造の不整化および一次粒子の粒径減少に伴い触媒活性は 増加する。 また摩砕の経過と共に 二次粒子の凝集・分散の繰り返 しをする。. この研究における化学分析に関 し, 御指導をいただいた函館工業高等専門学校教授鈴木昇博士に 深く感謝する。 献. 文. 1 965 )p ;粉末冶金協会, ( 1 ) 高橋 浩,“粉体セミナー” .45 , , 粉同 T 4 B 1942 h 6 1 9 5 L A l C 6 6 ( ) ); G. E J 4 v J t ・ s e m e a ; 2 ) Gregg,S , . Sha . Phy , Chem, , , ,j ,46, 1032 ( .. , . pp. , , , 3 ) 4 ) 5 ) 6 ) 7 ) 8 ) 9 ). 1952 Ba t ) a Cr con ys , . ,5, 392 ( , Act 1959 Takaha l l ) shi . ,Jap , , Chem.Soc ,32, 235 ( , H, , Bu ) taL, 工化, 65, 1767 (1962 久保輝一郎,e , l 1 963 ) ta 久保輝一郎,e , , , 工化,66,318(. 1949 l Ha l ) s , , Phy . Soc , , A 62, 741 ( , Proc , W. H.. 0 )p 196 仁田 勇 編,”×線結晶学, 上“ .375 , , 丸善 (. 1965 ) 堤 和男, 高橋 浩, 第三回粉体に関する討論会講演集, p ,90 (. - 1 t95 ‘ Sdwab ) 丁 Fkh oぐh m. , . EI , Rhぐk ,Z ,58, 75G ( , G. M,and・. (32).
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