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保育における「自然」とのつながりに関する研究-5歳児の保育の実践分析から-

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Academic year: 2021

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(1)保育におけるr自然」とのつながりに関する研究      一5歳児の保育の実践分析から一 学校教育学専攻 幼年教育コース. M080301   藤原 照美. 1.問題と目的. 2.研究の方法.  保育の現場では、幼児の姿や生活に著しい変化 が見られる。現在、幼児は家の中で過ごす時間が.  研究方法としては、①r自然」に関する論文、. 長く、戸外で「自然」に触れて遊ぶ機会が少ない. 文献を読み、その内容をカード化して分析し、幼. 傾向がある。それゆえ自分自身の身体を通して得. 児教育における「自然」と保育内容のつながりや. る体験よりも、映像等の情報によって得る間接的. 「自然」による保育の在り方を探る。②H県H幼. な体験の方が大きな影響力をもつことがしばしば. 稚園の5歳児クラスにおける「自然」を活用した. ある。また人とのかかわりがうまくいかなかった. 実践記録をとる。実践記録を整理し、事例を分析. り、自分の気持ちを相手に十分伝えられなかった. することで、カード化して抽出したキーワードと. りするなど自分を十分に表現することができにく. つなげる。③抽出したキーワードに依拠しながら、. いように思われる。そこには、家庭の背景、希薄. 保育における「自然」と幼児の生活との関係性を. な原体験、周りの大人との関係などによる影響、. 考察する。その際、事例を基にした実践的検証に. 幼稚園での生活、友達とのかかわり、教師の存在. 加え、「自然」とつながった保育に関する文献の中. など様々な原因があると思われる。. で特に興味深いレイチェル・カーソンの論を参考.  本論ではこの傾向について、保育における「自. に実践を裏付ける。. 然」とのつながりという観点から、とらえ直して. 3.結果と考察. みようと試みた。そのために、日々の保育から、.  保育における「自然」について考え、A.r自然. 以下のことに着目し、それぞれを分析した。. 環境」B.「自然体験」C.「自然と生活」D.「自.  ①保育における「自然」. 然と感性」という四つの観点を導き出した。.  ②実践における「自然」.  取りあげた4つの事例を四つの観点からキー.  ③「自然」による保育の在り方. ワードを抽出して分析した結果、四つの観点に共.   「自然」は幼児にとってどのような意味をもち、. 通したキーワードとして、以下が挙げられる。. 幼児の育ちにどのように影響を及ぼすのか。この.     「身近な」 「つなぐ(つながる)」. 問いについて、具体的な事例を取り上げ、筆者自. r変化」 r工夫」. 身の実践におけるr自然」について振り返り、考 察する。それを踏まえ、今後の保育にどのように.  「自然」を活用した保育においては、「身近な」. 応用すべきか、r自然」とつながった保育の意義と. ごとや「つなぐ(つながる)」「変化」「工夫」とい. 今後の展望を明らかにする。. う土とが密接につながっていることが明らかにな. った。. 一60一.

(2)  次に、「自然」を中心にした保育の構造を分析し. 性」が共振し、響き合う関係を構築していくこと. ていくと、幼児の姿と教師の意図との関係性が、. が大切である。.  次に第三の「自然と生活」では、幼稚園を幼児. 次の図のように見えてきた。. が自分たちで生活を創る場にする。幼児から出て きた発想を核に、生活を創っていくような保育を. 懸ぎ∴\. 展開することが今後、実践には必須である。「自然」. とかかわりながら、生活の場を広げ、遊びを創り.  1柵)\{\. だすこと、r自然」とつながった生活を人との関係. の中で構築していくことは豊かなr表現」へとっ ながっていく。.  第四の「自然と感性」は、幼児が「自然」の中 に足を踏み入れると心と身体が一体となり自然に 動き出すような出会いを重ねることが大切である。. 図r幼児自らの活動」とr教師の意図」の関係性. このr心と身体が動きだす」ということが、r表現」   「幼児自らの活動」は「a.感性を育てる」「b.. の原点である。この原点が深まっていくこととつ. イメージをもって遊ぶ」「C.表現へつなぐ」「d.. ながるのが「感性」である。. 遊びを広げ、深める」というr教師の意図」によ.  「感性」が育まれ、r表現」が深まるとその幼児. るところが大きい。このa,b,c,dの四つのキ. 自身を豊かにしていくことにもなる。友達や教師. ーワードは「教師の意図」の柱であり、図のよう. とのかかわり、そのつながりのなかで自己を表現. につながっていき、循環するのである。. する喜びを感じ、r表現」への意欲となる。幼児が.  「幼児自らの活動」の根底には「教師の意図」. 自己への確かな自信をもち、r自分で立つ」という. が潜み、「教師の意図」が絡みながら幼児の活動が. たくましさも育まれる。r表現」は幼児が自立する. 展開されていく. 姿にも通じると考える。幼児の自立した姿が教師.  最後に、四つの観点についてまとめる。第一の. にもつながり、教師としての喜びを得ることがで. r自然環境」において教師は、幼児が自分で直接、. き、教師自身の感性も活性化されることとなる。. 環境にかかわり、様々な感覚を通して、感じたり. そのような幼児と教師との関係が、「表現」へと還. 考えたりすることができる環境を整えることが大. 元され、豊かになるのではないかと考える。. 切である。その際には教師の「感性」が求められ.  r保育における『自然』とのつながりに関する. る。. 研究」において、「自然」は幼児の「表現」と最も.  第二のr自然体験」では、日常の保育の中での. つながりが深く、そのr表現」を豊かにすること. 体験や仲間関係とのrつながり」や積み重ねが、. は、まさしく教師の「感性」によるところが大き. より充実した体験に結びつくようにする。最も大. いということが言えるのである。. 切なことは、その過程にしっかり向き合えるよう. に継続してr自然」とかかわることである。ここ. 主任指導教員  名須川知子. でも教師の「感性」が間われる。幼児と教師の「感.   指導教員  名須川知子. 一61.

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