不変式と調和多項式について
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(2) 目次 2. 0章 序. 1.1 基本対称式とニュートンの公式 .... 1.2 群の作用.. 1.3 次数付きベクトル空間とボアンカレ級数 1.4 ラグランジュの補間公式....... 1.5多項式の微分と偏微分一i..。.. 2章 対称式と調和多項式 2.1 対称式......,.... 2.2 調和多項式 2.3 C【ω1,_,Xn]とSのボアンカレ級数.. 2.4 dim”==n! ................. 2。5 7tのボアンカレ級数........... 3章 GL(2,C)不変式と調和多項式 3.1 CL(2,C)不変式 3.2 GL(2,C)の既約表現. 3.3 GL(2,C)調和多項式......... 参考文献. 1. 1 61 61 02 63 83 447 6 6 1 1 2 2 3 57 7. 1章 準備.
(3) 0章序 本論文では2つの群の作用について考察する.一つはn次対称群Snのn変数複素係 数多項式環C[Xi,_,Xn]への作用であり, Snの作用で不変な対称式と,その対極にある調. 和多項式を通して多項式環C[ω1,_,Xn]の構造の一端を明らかにする.今一つは2次の一. 回線型群CL(2, C)の作用であり,2変数多項式環への作用と,2次全行列環上の多項式環 への作用をとりあげる.特に2変数多項式環の斉次式のなす空間がGL(2, C)の既約表現 を与えることを示し,GL(2,C)の任意の既約表現がそれらの表現と行列式のべきとの積と して得られることを利用して,斉次部分空間をウエイト分布を利用して既約分解する.ここ でも不変式と調和多項式が重要な役割を演じる. 1章では,2章,3章で必要となる用語と定理について説明する.ただし,線形代数,群, 環,体についての基本事項は既知とした. §1.1では基本対称式とべき康和多項式を定義し,ニュートンの公式を証明する.§1.2で. は群の作用を定義し,n次対称群が自然にn変数複素係数多項式環に作用することを示す. §1.3では次数付きベクトル空間や次数写像を定義し,n変数複素係数多項式環が次数付き ベクトル空間であることを述べ,次数付きベクトル空間のボアンカレ級数を定義する.§1.4 ではラグランジュの補間公式を示し,§1.5では多項式環C[z1,...,蜀における微分・偏微分. について説明する.. 2章では,C[Xi,_,Xn]の任意の多項式が調和多項式を係数とする基本対称式e1,_,en. の多項式として一意的に表されること,すなわち,次のベクトル空間としての同型が成り立 つことを証明する. 71C [eb ..., en] bt C[Xl, …, Xn]. なお,調和多項式の全体Uが環構造を持たないため,左辺は通常の多項式環とは異なる.正 確には π[・・,…,・n]=:㊥究・・ゴ’・・ゴ2…・nゴn. ゴ1,..,ゴπ. なる直和であるが,参考文献[6]に従って,本論文では上のように表記することにする.上 の同型より,SnのC[Xl,_,x。]への作用は究への作用に帰着される.. 2.
(4) 0.序. 3. §2.1では対称式を定義し,C[Xi,_,ωn]の対称式全体Sが基本対称式e1,_,enを変数 と見なした多項式環qe1,...,en】と同一視できること,従って対称式が基本対称式の複素係. 数多項式として一意的に表されること,Sが次数付きベクトル空間であること,などを証 明する.§2.2では代数的偏微分∂iや∂を定義した後,調和多項式を定義し,調和多項式. 全体Uが∂i不変であること,次数付きベクトル空間であること,山積が調和多項式であ ること,究∩S=Cが成り立つこと,などを示す.§2.3では多項式環C[Xi,_,Xn],およ. び対称式のなす空間Sのボアンカレ級数を決定する.§2.4では基本対称式で生成された イデアル:τによる商空間C[Xi,_,Xn]/:τを考察することによりdim 7t=n!であること,. C[Xl,_,Xn]ニH㊥Tであること,Hが差積△を何回か偏微分して得られる多項式で生成 されること,集合としての等式究[e1,_,εn]瓢C囮,_,Xn]が成り立つこと,などを証明す. る.§2.5では究のボアンカレ級数を決定し,8のボアンカレ級数との積がC[Xi,_,Xn]の ボアンカレ級数になることを証明し,最後に冗[e1,_,en]における表示の一意性を示す.. 3章では一般線型群GL(2,C)の2次全行列襟上の随伴作用から得られるqMat2(C)】 への作用と,C[x,y]への自然な作用について考察する.特にC[x,y]の斉次部分空間が既約 であること,C[Mat2(C)]の多項式が調和多項式を係数とするGL(2,C)不変式trace, det. の多項式として一意的に表され,それを利用してqMat2(C)]の斉次部分空間の既約分解が 得られること,などを示す.. §3.1では2次行列の成分を変数とする4変数多項式環qMat2(C)]への一般線型群 CL(2, C)の作用について述べ,(}L(2, C)不変式を定義する. qMat2(C)]からC[x, y]へ. のある種の代入写像により・,GL(2,C)不変式環が2変数の対称式全体のなす環と同型,す なわちC[trace, det]に一致することを示す.また(?L(2,C)不変式環のボアンカレ級数を. 求め,GL(2,C)の1次元多項式表現が行列式のべき乗になることを示す.§32ではC[x,y] の斉次部分空間がGL(2,C)の有限次元既約表現を与えることを示す.また, GL(2,(C)の. 中心であるスカラー行列の固有空間と,特殊線形変換によるウエイト分布を用いて既約分 解を求める方法を説明する.§3.3ではqMat2(C)]の斉次部分空間の既約分解について考 察し,GL(2, C)の中心が自明に作用していることから,既約因子が奇数次元のもののみで. あることを導く.また調和多項式のなす空間πの斉次部分空間が既約であることを示し, 梶,不変式環,およびqMat2(C)]のボアンカレ級数を求める.最後にqMat2(C)]が究と trace, detで生成されたイデアルの直和であることを示し,それを用いて, qMat2(C)]の. 多項式が調和多項式を係数とするtrace, detの多項式として二意的に表されることを示す.. 最後に,本論文作成にあたり,3年間熱心にご指導頂いた松山廣先生を始め,ご助言い. ただいた自然系数学分野の諸先生方,さらに理数系教員養成特別プログラムの創始に尽力 された諸先生方に心より感謝申し上げます,.
(5) 1章準備 1章では後章で必要となる用語と定理について説明する.ただし,参考文献13] にあるような線形代数学の基本事項,参考文献[7],【8]にあるような群論の基本 事項,参考文献[4],[7]にあるような環と体についての基本事項は既知とした.な. お,この論文を通して次の記号を用いる. 一 {1, 2, 3, .”.}. (自然数全体). z C. = {0,=ヒ1,±:2,圭3,....}. (整数全体). C*. 一 c一{o}. Clxi, …, xn]. Sn. ==. oa+ib 1α, bは実数},ただしi2=一1とする.. (複素数全体). :x1,...,Xnを変数とする複素係数の多項式環. :n次対称群. (nk). k,(n!n−k),. (2項係数). ( niゴk). =論 (i+ゴ+k=n). (3項係数). A =〉 B. AoB. :AならばBである :AとBは同値である. また,多項式環は特に断らない限り複素係数,ベクトル空間も特に断らない限り. C上のベクトル空間であるとする.. 1.1 基本対称式とニュートンの公式 定義1.l tを変数として,次式で定まるele=eiC(Xl,_,Xn)∈C[x1,...,Xn](0≦k≦n) を絢,...,賜の基本対称式という. れ れ. n(t+勾一Σ・n.・tk i=1 k=0. 4.
(6) 5. 1.準備 x1,,..,Xnの基本対称式は次の通りである.. e1 = Xl 十X2一ト 。・・十Xn. e2 = XIX2十XIX3十’”十Xn−IXn. en = XIX2’”Xn. 定義1.2次式で定まる多項式Ple=Ple(Xl,_,Xn)∈C[Xl,_,Xn]をべき乗和多項式と いう. pk == xile 十 x21e 十 ・ 一 ・ 十 x.k. C[Xi,X2,X3,X4]においてe2p2を計算すると次のようになる. e2 p2 = (xlx2 + xlx3 + xlx4 + x2x3 + x2x4 + x3x4)(x? + x3 + xg + xZ). =X、(諺+環+¢葦)+卿§+飢§+X2)+X3(遺+魂+・・葦)+X4(魂+魂+姥) +X、X、(環+xZ)+X、X3(xl+履)+X、X4(魂+環) +X、X3(耀+岨)+X、X、(姥+魂)+X、X4(姥+媛). 一Σ銑毒+ΣXi、%鰐 (i,ゴ) (il,i2,」). ただし,和Σ(i、,_,諺。,ゴ)は相異なるi1,_,i。の組合せと,それらと異なる」すべてにわたる. 和を意味するものとする.r=Oのときは」についての和となる.上の等式は次のように一 般化される.. 補題1.31≦m<ic≦nのとき, C[Xi,...,ωn]において次式が成り立つ.. ・mPl・一m一ΣXi1…襟鵬+1+ Σ Xi1…鯨嬬鴛 (il,…,irn) (il,…,im+1).
(7) 6. 1.準備 【証明】 次の式変形より導かれる.. 一一. 戟E )(Σ袴一mJ). 一蔦凧(・」i……㍗虻う 一血黒(噂fm+’Xゴ、…Xゴm+Xゴ、・窒∫m+1…・ゴ。+…+解ゴ,…塩鵬+1). ㌔濡m(脇…%一、≠黒、∫う. ==Σ・i、…鑑m+1+Σ解、、…・、誘 . (11eH”tm) (ゴ1,_,jm,ゴ). 定理1.4(ニュートンの公式)C[x1,_,Xn]において,基本対称式eゴとべき乗和多項. 式Pkの間に次の関係式が成り立つ.ただしeo=1とする. ゐ. Σ(一1)ゴ・、P・.、・一 Pk 一・・Pk.・+…+(一1)kel・P・一(一1)k(n−k)・k(1≦k≦n) ゴ=o. Σ(一1)ゴ・ゴP・一ゴー Ph一・・Pk.1+…+(一1)ne。P・.n−0 (n≦k) ゴ=0. 【証明】 まず第1式が成り立つことを示す.kニ1のときは . Σ(一1)ゴ・、P・fP・一・・P・一(・一n)・・一(一1)(n−1)・・. ゴ=0.
(8) 1.準備. より成り立つ.以下2≦k≦nとする.補題1.3より れ. PドΣ碕 i=1n. 一・・Pk一・一一ΣヰΣ銑、吻1 盛=1 (il,i2). ・・P・一・一Σ解㌻1+Σ・・、Xi、畜2 (il,i2) (il,琶蜘). (一1)m・mP・一m一(一1)mΣXil…嬬㎜+1+(一1)mΣXi、…・無 (il,_,im) (il,_,im+1). (一1)k’1el・一・P・一(一1)’e−1ΣXi、…峨.、+(一1)’e−1ΣXi、…Xik. (il,…,ik.1) (il,・・”ik) (一1)kekP。=(一1)㌔・k. ここでΣ(歪、,_鋤鯛…へ篇南亀であることに注意して辺々加えると ゐ. Σ(一1)ゴP・一ゴ・ゴー(一・)k”11e・1・+(一・)hn・・一(一・)k(n−k)・1・. ゴ=0. が得られ,第1式が示された.次に第2式を示すために れ. 9ω一H(〃一勾一〃n+…+(一1)’e・〃”一’+…+(一・)nen. i=1. とおくと,任意の非負整数rに対して 0一鰐9(xゴ)一拶+「一・・鰐+「『1+…+(一1)nen・・互. が得られる.これを1≦」≦nで和をとると れ Σ(一1)ゴ・、Pn+r一・・一 Pn+r 一・・Pn+ ・+…+(一1)ne。Pr−0 ゴ冨0. が得られる.ここでkニn+r,r=k−nとおけば第2式を得る. ■ 定理1.4より次の系が導かれる(証明略)。. 7.
(9) 1.準備. 8. 系1.5C[Xl,_,Xn]において,べき乗和多項式Pkは基本対称式の整数係数多項式とし て表わされる.逆に,基本対称式はべき乗和多項式p1,...,Pnの有理数係数多項式とし て表される.. 1.2 群の作用 定義1.6群Gとベクトル空間γ,および写像G×V∋(g,v) e g(v)∈Vが与えら. れ,次の条件をみたすときCはVに作用するという. (1)写像γ∋vト→g(v)∈Vは線形写像である.. (2)Gの単位元1と任意のv∈Vに対して1(v)=vが成り立つ. (3)C∋g1,g2とv∈Vに対してglg2(v)=g1(g2(v))が成り立つ、. ・群Gがベクトル空間Vに作用するとき,条件(1)で定まる線形写像は全単射である. ・g(v)はgvとも表される,また,線形写像V∋veg(v)∈VをTg, Ad(g),ρ(g)など と表して,Tgv, Ad(g)v,ρ(g)vなどと表されることもある.. 定理1.7次の写像はn次対称群SnのC[Xi,_,ωn]への作用を定める.. 9 一・ ハ一㍗…→→面懸…騙・c一 【証明】 定義1.6の条件(1)が成り立つことは写像の定め方から明らかであ る.条件(2),(3)の成り立つことは次の計算で示される.. 惣門・・→一黒一噛…x・i?n)一黒噺・・x%n.
(10) 9. 1.準備 σ,、T∈Snに対して. 一(景繍…→一品一漏…騙 一Σ・・、,.擁峨。(、))…峨。@)) づユコ ヲづれ. 一・縣蝋…殉 一・c俵繍…→) が成り立つ, ■. Sn∋σを!(Xb ・”, Xn)∈C[Xi,_,Xn}に作用させた多項式をσf(Xl,_,Xn)と表す.. σノ(x・,…,Xn)=・ f(x。(・),…,x。(n)). である.. 1.3 次数付きベクトル空間とボアンカレ級数 定義1.8ベクトル空間γが部分空間Vk(le=0,1,2,_)の直和であるとき,すなわち. . v一㊥Vk le= O. が成り立つとき,Vを次数付きベクトル空間という.また砿をk次斉次部分空間, Vk一{0}のベクトルをk次斉次ベクトルという.. 次数付きベクトル空間Vのベクトルvは v= vo 十vl 十… 十 vr (Vk G Vk). と一意的に表される. 略).. Vkをvのle次斉次成分という.次の定理は容易に得られる(証明.
(11) 1.準備. 10. 定理1.9C[x1,...,Xn]のk次斉次式全体と0からなる部分空間をA=Pk(x1,_,Xn) とおくと. . q・・,…,Xn]一㊥CPiC ic==O が成り立つ.特にC[Xi,_,Xn]は次数付きベクトル空間である.. ・C[Xi,...,Xn]には乗法が定義されており,ベクトル空間としての斉次部分空間君と. P、に対して PrPs g Pr+s が成り立つ.一般に,次数付きベクトル空間が同時に環であって,上の条件をみたす とき次数付き環と呼ばれる(cf.[7, p.111]).. 定義1.10次数付きベクトル空間V=㊥le Vkから次数付きベクトル空間U=㊥k Uk への線形写像ノが次数を保つ,すなわちノ(琉)⊆Ukをみたすとき次数写像という.. 定義1.11複素数列αo,α1,α2,._が与えられたとき,tを変数とする形式的な式 F(t) == ao + ait+ a2t2 + a3t3 +・・・…. を複素係数の母関数という.. ・数列に特に意味がなく,式そのものに着目する場合は形式的べき級数という.. ・tを変数とする複素係数の母関数全体をC団]と表す. ・q固]には加法,乗法が自然に定まり,可換環をなす(c£[7,p.83D.. ・多変数の形式的べき級数全体q[x1,_,ωn]]も同様に可換環をなす.. 定義1.12次数付きベクトル空間y=㊦淫。琉においてale ・= dim(琉)<Ooが成り立. つとき,舌を変数とする母関数 Σ・・オた k= O をVのボアンカレ級数といい,P(y;t)と表す,.
(12) 1.準備. 11. 1.4 ラグランジュの補間公式 補題1.13高々n次の多項式ノ(z)∈C[z]が相異なるn+1個の根を持てばノ(z)=・O が成り立つ.. 【証明】 f(z)≠0と仮定して,相異なるn+1個の根をωo,_,Wnとする.こ. のとき因数定理から f(z) = c(z 一 wo)(z 一 wl) ・ ・ ・ (Z 一 Wn). と表されるが,!(z)が高々n次であることから,c=0でなければならない. ゆえにノ(z)=0が成り立つ. ■. 定理1.14(ラグランジュの補間公式)Wo,_,ωnを相異なる複素数として. 睦真岡とおく・蔑一票岡である・ このときn次式!(z)∈C[z]は次のように表される.. f(・)一書二一. 【証明】 π’(z)は7r(z)を変数zについて微分した多項式を表すものとし,. ノ¢)一暑畿1鶏、. とおく.ここで. 織鴇、畿鋤一吻 に注意すると,∫(z)は高々n次であり f一(wk)=:;1,IX:li(w.k,)),ut,(w,一一一iv」)=;1,IXIf2i(w.le,)Tt(w,)=f(w,). が成り立つ.従って,h(z) =・ f(z)一ノ(z)とすると, h(z)は高々n次の多項式. で,相異なるn+1個の根ωo,...,ωnを持つ.従って,補題1.13よりん(z)=0,. すなわちf(z)=∫(z)が得られる. ■.
(13) 1.準備 定理1.15任意の複素数α,bに対してf(α,b)==0となる多項式!(x,y)∈C[x,y] はノ(x,y)=0に限る.. 【証明】 ノ(x,y)をyについて整理して. ∫(・,〃)一Σ胴ゲ. i=o とおく.fo(x)=…=・ fm(x)=0ならばf(x, y)=0が得られるので,あるk. についてfk(x)≠0と仮定して矛盾を導けばよい.補題1.13より,ある複素数 αoに対して九(αo)≠0が成り立つ.このときノ(αo,、Y)≠0であるから,再び補. 題1.13を適用すると,ある複素数boに対して!(αo,bo)≠0が成り立つ.これ は任意のα,bに対してf(α,b)=0であるという仮定に反する. ■. 定理1.15と同様にして,次の系が得られる(証明略).. 系1.16任意の複素数α1,_,αnに対してf(α1,_,αn)=0となる多項式ノ(Xl,_,Xn)∈ C[x1,_,Xn]はノ(x1,_,Xn)=Oに限る.. 1.5 多項式の微分と偏微分 すでに前節でも用いているが,多項式 f(z) == ao + ai2 + a2z2 + ・ 一 ・ + a.z” E C[z]. の変数zに関する(代数的な)微分ノ’(z)とは f’(z) = ai + 2a2z + ・ ・ ・ + na.z”一i. のことである.. 12.
(14) L準備 定理1.17C[z]からC[z]への写像Dを D:C[z]∋f(z)ト→ノ’(z)∈C[z] (1.1). と定めると,次の3条件をみたす.逆に次の3条件をみたす写像は式(1.1)で与えられ るものに限る. (1) D(z)=:1. (2) D(af・+ 6g) =: aD(f) + 6D (g) (a, fi E C, f, g E C[z]). (3) D(fg)一D(f)g十fD(g) (f,gEC[z]) 【証明】 式(1,1)で定まる写像Dが3条件をみたすことはよく知られたところ である.逆に写像D:C回→C[z]が3条件をみたすと仮定してD(ノ(z))=ノ’(z). が成り立つことを示すそのために,まずD(♂)= nzn−1をnについての帰納. 法で示す ・n・・1のときは条件(1)より成り立つ.. ・n==kのとき成り立つと仮定する.このとき条件(3)より D(zk+i) = D(z ・ zle) = D(z)zle 十 zD(zk) = zk 十 z ・ kzk−i = (k 十 1)zk. となり,k+1のときも成り立つ. 以上でD(zn)=・ nzn−1が示された.これより任意の f(z) = ao + aiz + a2z2 + ・ ・ ・ + a.z” E C[z]. に対して,条件(2)より D(f(z)) = D(ao + aiz + a2z2 + ・ ・ ・ + a.z”). == D(ao) + aiD(z) + a2D(z2) + ・ ・ ・ + a.D(z”) : ai + 2a2z + ・ ・ ・ + na.z”一i == f’(z). が成り立つ. ■ 一般に!(Zl,_,Zn)∈C[Zi,_,副をZlの多項式として整理して ノ(Z、,_,Zn)=f。(Z2,...,Zn)+ノ、(Z2,_,Zn)Z、+f2(Z2,_,Zn)Z2+…+fm(Z2,_,Z。)零. 13.
(15) 14. 1.準備 と表し,z1に関する(代数的)偏微分考ノ(Zl,_,Zn)を zlf(Zi, ”’, zn) = fi(z2, ”’, zn) + 2f2(z2, …, zn)z + ’ ’ ’ + mfm(z2, …, zn)z.M−i. と定める.他の変数Zleに関する偏微分毒も同様に定義され,次が成り立つ(証明略).. 定理1.18C[z1,...,z。]からC[z1,_,Zn]への写像Dkを. a. Dk:C[Z・,…,ゆル・,…,Zn)→可ル・・…・Zn)∈q之・,…・Z・]. (1.2). と定めると,次の3条件をみたす. (1) Dk(zk)一1. (2) Dk(af+5g) =aDk(f)+6Dk(g) (a,6EC, f, g e¢[zi,…,z.1). (3) Dle(fg) =Dk(f)g十fDk(g) (f, g E C[zi,…,z.]). 定理1.19多項式に偏微分を施した結果はその順序によらない.. 【証明】. 轟=識(ゴ≠k)を示せばよいが,これは次の計算から導か. れる.. 02 dat.azle 2 aii,...,i.z{i. …考ゴ. a2 …・か…鋤一Σ・i・,…,・n∂ゆ、(・・4…・か…蜜) zli .. o Σ・i、,.而一(z{・… 考ゴ… (ileZ2k−1)…・の ∂zゴ (zl’ … (i,・ z;i’ 一i) … (ikzkk 一’) … z:n ) = 2 aii, Cin .... == 2 ai a ・論颪@・・(嘱ゴー1)…・か…・の. ン島紛 == 2 aii, (媛1… 考ゴー・zkh一・) ’h…廓 …,・n. iゴ. . 02. ∂。幽Σ・i・…詞…ろ ■.
(16) 1.準備. 15. 定理1.20f(x,y)∈C[x,y]が次の等式をみたすとする.. a” . O 孫∫(x,y)+砺ア(x,〃)=o このときノ(x,y)はx−yの多項式として表される.すなわち!(x,y)=g(x−y)とな る多項式g(z)∈C[z]が存在する.. 【証明】 次のような変数変換を行う.. {に孝一{;:溜 このとき,x,yの多項式はu,vの多項式として表される. ル,y)一ノ(u+v, u−v)一Σ・n,m・u”vm一ん(u,v). n:m とおく.このとき. 晶姻一晶(茶曜→一濡隔押 出ノ伽)一濡鰍(号(学)n’1(㌢)m+(禦)η号(㌢)つ. zi}f(x,y)一齋(9(禦)n’1(㌢)m一(禦)駅㌢)つ となることから. O−J L O一. L a 茄ん@)=∼海∫(x,〃)+砺ノ(x,〃)=o が得られる.これよりh(u, v)はuの多項式としては定数,すなわちv=旱 のみの多項式となる.よって定理の主張が証明された. 、 □. ・逆にf(x,y)がx−yの多項式として表されるとき,定理の微分方程式を満たすこと は明らかである..
(17) 2章対称式と調和多項式 2章では,CIXi,_,婦の任意の多項式が調和多項式を係数とする基本対称式 e1,...,enの多項式として一意的に表されること,すなわち,次のベクトル空間と. しての同型が成り立つことを証明する. 7t [ei, ..., en] at C[xi, ..., xn]. なお,調和多項式の全体刃が環構造を持たないため,左辺は通常の多項式環と は異なる.正確には H[ei,…,en] = (ID ”ei2”e2」’2…e.J’n. ゴ1,..,jn. なる直和であることに留意されたい.. 2.1 対称式 この節では対称式を定義し,C[Xi,_,ωn]の対称式全体がC[Xl,_,ωn]と同型な. 部分環であること,従って対称式が基本対称式の複素係数多項式として一意的 に表されることを証明する.なお,SnのC[Xi,_,婦への作用は定理1.7(p.8). で定めた通りである.. 定義2.1任意のσ∈Snに対して σf(X・,…,Xn)累ノ(X。(・),…,X。(。))=ノ(X・,_,Xn). をみたす多項式f(x1,_,Xn)∈C[x1,_,Xn]を(n変数の)対称式という.. 基本対称式(p.4),べき乗和多項式(p.5)は対称式である.以下,対称式の全体をS= S(Xl,_,Xn)と表す.対称式の和と積は明らかに対称式であるから, SはC箇,...,Xn]の. 16.
(18) 2.対称式と調和多項式. 17. 部分環である.次に対称式が基本対称式の複素係数多項式として一意的に表されることを 示すのであるが,そのために単項式¢{1姥2…靖∈C[X1,...,Xn]の対称化Sゴ、..森(X1,_,Xn). を次式で定義する.. 概繭(x・,…,Xn)一毒Σσ(堵確…靖)一下Σ峨、)峨,)…塩) aESn aESn 例えば Si,2,0(xi, x2, x3) = i (xix3 + xixg + x2x? + x2x3 + x3x? + x3x3). 1 Sl,1,0(xl, x2, x3) == g (xlx2 + xlx3 + x2x3) Si,2(x2,x3) = i (x2xg + x3x:). となる.ただしSl ,2(X2, X3)は¢[X2,X3】における対称化を意味する.. 補題2.2対称式!(Xl,_,Xn)∈q∬1,_,∬司は単項式の対称化の複素係数1次結合と して表される.. 【証明】 ∫@、,_,Xn) ・Σゴ1,...伽αゴ1,_認{1碕…幣とおく.このとき. ノ酔臥一嫁嘱一勾一端% (櫨爾…動 一Σ砺、,.論、,.血(・・,…,・。) ゴ1,_,ゴπ. が成り立つ. 圏. 補題2.2で,!の係数αゴ、,_轟がすべて有理数であるとき,証明中の式からわかるように,!. は単項式の対称化の有理数係数1次結合として表される(整数係数の場合も同様). 補題2.3単項式の対称化Sj、,_,」。 (Xl,_,Xn)は基本対称式e1,_,enの有理数係数多項. 式として表される.. 【証明】 ゴ1,_,jnのなかで0でないものの個数をkとおく. Sゴ、,..森(Xl,_,xn). が基本対称式e1,_,enの有理数係数多項式として表されるこζをkについて の帰納法で示す..
(19) 2.対称式と調和多項式. 18. (1)k=1のとき,e=ゴ1≠0として示せばよい. S・,・,...,・(・・,…,Xn)一画(n一・)!(・1+…+媛)読P・. となるので,系1.5より補題の主張が成立する.. (2)k≧2として,h−1以下では成り立っていると仮定する.一般性を失うこ となくゴ1,_,姦≠0,ゴド0(t>k)としてよい.このとき 亀融(xl, … ) Xn)一二Σσ(酔堵…姥). σ∈Sn である.一方, P」、Pゴ、…Pゴ、一(∬{1+…+媛・)(Cgi2+…+確)…(砕+…+堵). は堵…墳なる項の和であるが,銑、,_,η海を相異なるように選んで加 えた部分は整数bを用いてわ8ゴ、,_,」n(Xb…,諮n)と表される.従って Pゴ、Pゴ、…Pバ63ゴ、,...あ(X・,_,X。) ゾ ゴ. は堵…壕(t<k)なる単項式の対称化の整数係数1次結合であるから, 帰納法の仮定より基本対称式e1,...,eπの有理数係数多項式として表され る.ゆえに,系1.5よりSゴ1,...孤(Xl,_,xn)も基本対称式e1,_,enの有理数. 係数多項式として表される.よってんの場合も成り立つ. ■ 補題2.2と補題2.3より次の補題が得られる.. 補題2.4¢[Xl,_,Xn]の対称式は基本対称式el,_,enの複素係数多項式として表さ れる.. 補題2.4より,Sは基本対称式e1,...,enで生成された部分環qe1,_,en}と(集合として) 一致する.. 定理2.5C[Xi,_,Xn]の対称式全体Sはe1,_,enを変数と見なした多項式 環C[e1,_,en]と同一視できる.特に任意の対称式は基本対称式el,_,enの複素係 数多項式としてただ一通りに表される.. 【証明】 n変数Yl,_,Ynの多項式環C【Yi,_,Yn]からSへの写像qを 9:q〃1,_,Yn]∋F(Yl,_,Yn)ト→F(e1,_,θn)∈S.
(20) 19. 2.対称式と調和多項式 と定めると,gは環準同型である.また補題2.4より全射である.次にqが単射 であることを示すために,単射でないと仮定して矛盾を導くことにする.単射で ないことから,9(F(Yl,_,Yn))=・F(e1,_,en)=0かつF(Yl,_,Yn)≠0とな る多項式F(Yl,_,Yn)∈¢[Y1,...,Yn]が存在する. F(Yl,_,Yn)≠0より複素数. α1,_,anが存在してF(α1,、...,an)≠0となる.一方, tを未知数とする方程式. t”・一α、tn『1+a、t””2一…+(一1)nαn=0. が代数学の基本定理より重複を許してn個の複素数解α1,_,αnを持つことか ら,等式. れ t”・一・・tn−1+・・t”’2一+(一1)nα。 ・= ll(t一α∂ i= 1 が成り立つ.これより al == al + a2 + ・・ ・ + an = el(al, …, an). a2 == alor2 + ・ ・ ・ + ornor1 = e2(al, …, orn). an = ala2 ・ ・ ・ an = en(al, ...) an). が得られるが,これから O 1 F(ai, ..., an) = F(ei(ori, ・..7 an), …, en(aii …r an)) = O. が導かれ,矛盾が生じる.ゆえにpは単射,すなわちgはq〃1,_,Yn]からS への同型写像である.特にSは翫→e蛋なる対応によりC[yi,_,Ynlと同型と なるので,Sはe1,_,e冊を変数と見なした多項式環qe1,_,en]と同一視でき る.これよりSの元を基本対称式e1,...,enの多項式として表す方法もただ一. 通りであることがわかる. ■ 系2.6Sk=S∩AとおくとS ==㊥le Skが成り立つ.なおAは定理1.9(p.10)で定 めた通りである.. 【証明】 S⊇㊥kSkは明らかであるからS⊆㊥た亀を示せばよい.任意の f∈Sに対して,定理2.5より, ∫㍉黒輪酔…鋤一耳( Σ・、、,.詞1…確ゴ1+2ゴ2+…+ηゴn;海).
(21) 20. 2.対称式と調和多項式 と表される.ここで. Σ ・」、,.詞1…・身∈Sle ゴ1十2ゴ2十…十πゴπ=南. 一. となるのでf∈㊥kSk,従ってS⊆e, S,が示された. ・Sは次数付きベクトル空間である.. 2.2 調和多項式 この節では調和多項式を定義し,差積が調和多項式であることを示す.. ・C[Xl,_,ωn]の多項式に対する変数Viについての代数的偏微分巌をOiと表すこと にする. ・Oi : C [x,,_,Xn]∋fNa,(f)∈C[Xl,_,Zn]は線形写像である.. ・r≠tのとき定理1.19より,任意の多項式ノに対して∂。∂t(!)=∂t∂r(f)が成り立つ. ・ノ(・・,…,・n)=Σゴ。..伽・ゴ、,.認1…鎗に対して. ∂(f)一∂(f(X・,…,Xn))==・f(∂・,…,∂n)一Σ・ゴ、,.伽房1…∼塗. ゴ1,_,ゴη. と定める.例えば れ れ. ∂(・・)■ΣO・,∂(・・)一Σa,O」,・・…,∂(・n)一∂・∂・…∂n,∂(Ple)一Σ砂 i :1 i<ゴ i;1. である.∂(!)はC[Xi,_,堀の線形変換のなす環の元として定まることを注意して おく. ・∂(ノ):C[Xl,_,Xn]∋g→∂(ノ)(g)∈C[Xi,_,Xn]も線形写像である..
(22) 21. 2.対称式と調和多項式 ・定数0∈C⊆q」1,_,Xn]は調和多項式である. ニュートンの公式の系1.5と定理2.5より,次の定理が導かれる(証明略), 定理2.8C画,..,Xn] D f(Xl,...,Xn)について次の3条件は同値である. (1) f(xi, .一, x.) E 7t. (2) a!pk)f(xi, ..., x.) = O (1 〈一 k S n). (3)g(0,_,0)=0となる任意のg(Xi,...,Xn)∈Sに対して∂(g)f(x1,_,Xn)ニ0. 定理2.9究について次が成り立つ.ただし7tk=H∩ア為は究に含まれるk次斉次 式全体を表す.. (1)%はC上のベクトル空間C[Xi,. CXn]の部分空間である. ... (2)HはOi不変である(i=1,_,n). (3)冠=㊤窪。?乱が成り立つ.. 【証明】 (1)線形写像∂(ek)(1≦k≦n)の核の共通部分がUであること から,Hは部分空間である.. (2)任意のf∈Hに対して o(ek)(oi f) == aia(ek)f = o # oi f E 7t. が成り立つことから,刃はai不変である.. (3)H⊇㊥7tleは明らかであるから,究⊆㊥叛を示す.任意にノ∈?{を選 び,そのk次斉次成分を九とおく.!漏Σた九と分解できる.ここで. O−0(ei)f =2a(ei)fk (2.1) k となるが,∂(ei)fkはk−i次斉次式であることから,上式の右辺は∂(ei)fの. 斉次式への分解である.ゆえに∂(eの九=0が成り立つ.iは任意であるか. らfk∈7tkが成り立つtゆえにf∈㊥籏が得られる.以上でH⊆㊥孤が 示された. ■ ・Hは次数付きベクトル空間である..
(23) 2.対称式と調和多項式. 22. 差積が調和多項式であること 補題2.10任意の置換σ∈Snと任意のノ, g∈C[Xl,...,Xn]に対して次式が成り立つ. a(a(g)f) =0(ag)(af). 【証明】 ノ,gを次のようにおく. f(X・,…vX・)一Σ・・、,.擁碑…xk・,9(X・,…,Xn)一Σ b,、,.調1…晴 il,,..,in ゴ1,_,jn. このとき. σ(∂(9)ノ)一σ(儒扁・…砂)(黒届…→) 一、黒黒幅癌紹((碑…硝)(尋・…脅)). となる.ここで(δ望1…磁・)(ωzii…xS・)ニCk、,_,k。 X午1・・’ xilnとおくと,. (姥t、)…殆。))(峨、)…xZkn))一・・、..濡1、)…喚。)となることより. 一、黒黒四一σ@瀦…・の 一ΣΣb,、,.孤・i、,.,・n(cki,...,ic.x2ti)…喚。)) ゴ ア リゴれゴ ジコのウな. 一船幅鱗)∴・鑑))(三幅蜘…殉 =∂(σ9)(σf). が成り立つ. ■ 定義2.11次式で定義される△=△(Xl,_,Xn)を(n変数の)差積という.. A= ll (xi−x」) 1≦kゴ≦n 次の補題ではC[Xl,_,Xn]が素元分解面忘(一意分解整域)であること,すなわち1次以上. の多項式が既約多項式の積に分解されること,その分解が定数倍を除いて一意的であるこ とを用いる(cf.[4,系2,35],[7,定理4.8])..
(24) 23. 2.対称式と調和多項式. 補題2.12ノ∈C[x1,_,Xn]とする.任意の2≠ゴに対してXi一%がノを割りきるな らば△は!を割りきる. 【証明】 ノ=0のときは明らかに成り立つので,以下’ノ≠0とする.仮定より ノの次数は1以上となるので,ノは既約多項式の積に分解できる.一方Xi.一、xゴ は1次式であるから既約多項式である.また{i, 」’} # {k,e}のとき簸一吻は. Xk.一.Xeの定数倍でない.ゆえにノの既約分解にXi.一xゴ(i≠」)がすべて表れ. るので△はノを割り切る. 口 定理2.13△=△(Xl,,,Xn)は調和多項式である、. 【証明】 基本対称式ek(k=1,。..,n)に対して. O(ek)A = o. が成り立つことを示せばよい.そのために!=∂(ek)△とおき, f≠0と仮定 して矛盾を導くことにする.このときfの次数が確定することを注意しておく. 任意に1≦乞≠ブ≦nを選び,(i,」)∈Snを互換とすると (i, o’)A 一 一A. が成り立つ.(i,のεた=eたに注意して補題2.10を適用すると (i,1’)f 一 (i,」) (0(ek)A) 一 O(ele)((i,」’)A) == 0(ek)(一A) 一 一f. となるので ノ(_,劣ゴ,_,Xi,..)=一f(_,Xi,…,∬ゴ,_). が得られ,これより f(’. Cxi,,..,xi,...)= O ・・. が導かれる.一方 ∫(xl) .・・, Xn)=(¢ゴー勾9(Xl,_,Xn)+ r(Xl,。,あゴ,_,Xn). と表される.ここでr(Xl, ・・, Xe’) ・・, Xn)は賜を除いたn−1個の変数の多項. 式であり,賜=Xiとおくことにより0多項式であるこ.とがわかる.ゆえに ノ(Xl,_,Xn)はXi.一、X」で割りきれる. i≠」は任意であったから,補題2.12よ.
(25) 2.対称式と調和多項式 り△は!を割り切る.これは!=∂(ele)△の次数が△の次数より小さいこと. に矛盾する. 巳. 究の基本性質 ノ(Xl,_,Xn)=Σゴ1,..擁αゴ1,_認{1…鎗に対して. f’(Xi,…,Xn)= ]E) 1(5’;iT:Tli;i,...,’. vlii’”nl.’”. ゴ1,_,ゴn と定める.ここでαゴ、,_,ゴnはαゴ、,…,」nの複素共役である.. 補題2.14f∈1?kのとき∂(f*)fは非負実数となり,∂(f*)f・=Oとなるのaホ f=0の ときに限る.. 【証明】 k=0のときは自明であるから,k≧1として証明する.仮定より ノ(x・,…,Xn)一Σ・、、,.調1…晴 ゴ1十…十ゴn=海 と表され,ノ*(x)は. f’(Xi,・”Xn)= 2 a」’1;:;X,.”,’. cl{’’”x9.’”. 」1十…十ゴπ=鳶. となる。これより 0(f’(Xi, ’・・, Xn))f(Xi, …, Xn) = (2 d」’1;:::1];i,...j’. 09ii ’ ’ ’ (}.7’”) (2 ai,,...i.x:’i ’ ’ ’ xk”). 一ΣΣ・ゴ、,...血・i、,...,・n(碑1…0孟・)(xzil…翻. が得られる.ここで伍,_,ゴπ)≠(il,_,in)のときは,あるrに対してjr>ir. となるので (碑1…∼考・)(媛・…鎗)==・O. が成り立つ.ゆえに ∂(ノ*(X・,…,・n))f(X・,…,・・) == 2Σ 1・、、,.,、。 12(房1…硝)(X’il…靖). 一ΣΣ1・」、,.山12ゴ・!…ゴ。1≧0. 24.
(26) 2.対称式と調和多項式. 25. を得る.これが0になるのはすべての係数αゴ、,..擁が0のとき,すなわち!=0. のときのみである. ■ 基本対称式e1,_,enで生成されたC[x1,_,刎のイデアル(el,_,en)をZとおく.この とき. れ Z一(・・,…,・n)一Σq・・,…,x・]・i (2・2) むコ と表される(cf.[4, p.35]).:τのll次斉次式全体に0を加えたものをZleとおく. Zkはベ. クトル空間Zの部分空間である.. [lptlZEQi! = == 【証明】 :τ⊇㊥le:Tkは明らかであるから,:τ⊆㊥ガ翫を示せばよい.任意 にノ∈:[を選ぶと,式(2.2)より f == 2 f(k) ek , f(k) E C’[xi, …, xn]. 海 1. と表される.また,定理1.9より. ノ(南LΣが) i と斉次成分の和に分解できる.従って. f一署が) 琴(Σがk十i=e)→. と表される.ゆえにノのe次斉次成分は 2 fik) ele E ze. k十i=e. をみたすのでノ∈㊥恥勾が成り立つ.以上で:τ⊆㊥ゼZkが示された. ■. ・Zは次数付きベクトル空間である.. 定理2.167t∩:τ・=Oが成り立つ..
(27) 2.対称式と調和多項式 【証明】 宥∩:τ∋h≠0なるhが存在したと仮定して矛盾を導くことにする.. hのある斉次成分飯は0でない.定理2。9,補題2.15より砿∈究∩Zが成り 立つので,ん=娠としてよい.さて h =: 2si ei (si E C[xi, ..., xn]). i と表されるので,eiが整数係数であることに注意すれば 6(h*) h == 2(0(s;・ )a(e;・ )) h 一 2) a(s;・ ) (O(ei) h). i i. となる.ここでh∈冗より,∂(ei) h=0となるので 0(h’) h = O. が得られ,補題2.14より,h=0となるので, h≠Oであるという仮定に矛盾が. 生じた.以上でH∩:τ=0が示された. ■ 系2.177dl∩S=Cが成り立つ 【証明】 定理2.5より,対称式は基本対称式e1,_,enの複素係数多項式とし. てただ一通りに表される.従って. s−co2sei i が成り立つ.これよりS−C⊆:τとなるので,定理2.16より. 彩∩s⊂c が得られる.一方,究∩S⊇Cは明らかであるから,究∩S=Cが成り立つ.■. 2.3 C[ω1,_,Xn]とSのボアンカレ級数 この節ではC[Xi,_,x。],8のボアンカレ級数(cf.定義1.12)を決定する.. 補題2.18C[Xi,..,x。】の斉次成分への直和分解C[Xi,_,ωn]=㊥たAにおいて, dim Pk=(k:2Ti)が成り立つ.. 26.
(28) 2.対称式と調和多項式. 27. 【証明】 Pkは単項式ω{1…靖でゴ1+…+ゴ.=鳶をみたすもの全体で生. 成される.このような単項式の個数はXl,_,Xnから重複を許してk個選ぶ重 複組合せとなるので di. p, ,: (k X n一 一i). が得られる. ■ 定理2.19C[Xl,_,x。] ==㊥ゐAのボアンカレ級数は次式で与えられる. P(C【x・,…,・・];t) =: Sl(聖丁1ン・一(、17T.. k=O 【証明】 p.10で説明したC囮]において次の等式が成り立つ. 1 == (1 一 t) (1 +t+ t2 + t3 +・・・…) =>b ES.:一i : 1+t+ t2 + t3 +・・・…. 同様にq[Xl,_,Xn]]において次の等式が成り立つ. (it=lil15(i−rlts一=一(i一:一EE”一xi(1−x2)…(1−x.)==(1+Xi+X?+’”)(1+X2+x:+’”)’”(1+x.+xZ+…). 右辺を展開したときのk次の項は(k:2T1)個の単項式の和. Σ嬬1…婚 ゴ1十…十ゴn=k. である.従ってXl=x2=d一一=Xn =tとおくと. (、1−ir.一高(聖11)t・ k==O が成り立つ.補題2.18より,上式の右辺はP(C[Xi,_,Xn];t)である. ■. 定理2.20対称式のなす空間S ==㊥kSkのボアンカレ級数は次式で与えられる, 1 p(si t) =. (1 一 t)(1 一 t2) ・ ・ ・ (1 一 tn).
(29) 28. 2.対称式と調和多項式. 【証明】 dim亀はゴ1+2ゴ2+…+勿n=kをみたす単項式ε{1…碕の個数 に等しい.定理2.19と同様に (it一:一EI5fi=一ilb11−1一(i一=EJ−ei(1−e2)・・一(1−e.)=(1+ei+e?+’”)(1+e2+e:+’”)…(1+e.+eZ+…). が成り立つので,右辺を展開したときのk次の項は. Σ 41…鋤 」’1十2」一2十”’十njn=k. である.従ってe1 ・t, e2 = t2,...,en == tnとおいてtについてのk次の係数が. dim Skに一致する.ゆえに (itl一:一i5’(iTi一 t)(i 一 t2) . . . (i 一 t.) = ;. dim Sle tk = p(s; t). k が成り立つ. 璽. 2.4 dim 7t==n! dim究 == n!を示すために,まず商空間C[Xi,_,Xn]/Zを考察する.この商空間は環の 構造を持つが,ここではベクトル空間とみなす.ただし:τ=(e1,_,en)がC[Xi,_,刎のイ. デアルであることは適宜利用する.. 補題221商空間C[Xi,,Xn]/:τにおいて可≡…0(mod・Z)が成り立つ. 【証明】 定義1.1の基本対称式の定義式においてt=一Xiとおくと れ れ. 0一Σ・n−k(一Xi)’e 一(一1)饗+Σ←Xi)n”kek k=O 髭=1. が成り立つこれより かΣ(一1)k+1・1一’eek∈Z一Σq偲・,…,x。]・k k;1 南. 璽. が得られる..
(30) 29. 2。対称式と調和多項式 補題2.21より,任意の多項式は∫を法として. 幽12_瞭・ (0≦ki≦n−1) なる形の単項式の1次結合に合同である.これより dim C[xi, ..., x.] /Z S n”. が得られる.さて,変数Xの多項式で!V次以下のもの全体を7)N[X]とおく. p”[x] = {;;.llll?一. aix“ ai E (c}. i =o である.また κη=pO[X1]・pi [X2]・t・1)n−1[Xn]. はIPO[x1],_.,pn−1[Xn]のそれぞれに属する多項式の積全体で生成された部分空間とする.. すなわち. rc・ ={蔦輪碕…魏. OS ]’2 S 1, …,OS 」’n 一く n一 1). である.κπはn!次元の部分空間であり,K:nnPkニ(rcn)kとおくと rcn = e(rcn),. k が成り立つので,次数付きベクトル空間である. 補題2.22RをC[Xi,_,Xn]の次数付き部分空間でC[Xi,_,x。]ニR+:τをみたすと. する.こ。とき任意の多項式はπ係数の基本対称式の多項式として表される.すなわ ち,次の等式が成り立つ.. c㎞祠一. o蔦・繍…嬌. r」i,...,」. G 2). 【証明】 定理の等式の右辺を便宜上R【ei,...,en]と表すことにする. Rは一. 般に環構造を持たないので,通常の多項式環とは異なることに注意されたい.さ てC[x1,_,Xn1⊇R[e1,...,eπ]は明らかであるからC[x1,_,Xn]⊆R【ei,一.,en]. を示せばよい.任意にノ∈C[Xi,_,Xn]を選び,ノ∈R[e1,_,eh]を示せばよい..
(31) 2.対称式と調和多項式 R[e1,...,en]は¢[Xl,_,Xn]の次数付き部分空間であるから,ノが斉次式である. と仮定してよい.仮定より f= r(O) +2fkek (r(O) E R, fte E (C[xi,…,x.]). k と表される.ここで fk = r£’) +2gk,,・e,・ (r£i) E R, gk,」・ E (C[xi,…,xn]). ゴ と表して,整理すると f = r(O) +2 r£’)ek +2 f,・,le e,・ele (r(O), rY) E 7e, fik E C[xi, …, xn]). le ゴ,le. と表される.十分大きなm>degノまでこの操作を繰り返し,最終項以外のR 係数の部分を整理すると f= 2) 2 s」 e{i…e」.’”+ 2 fki,...,k.elei’”ek. 鳶 i十ゴ1十2ゴ2十… 十nゴn=ん 鳶1,..・,発7η. と表される.ただし8ゴ∈Rは」次斉次式,九、,_,km∈C[Xi,_,婦,極,_,編. は1,...,nの重複組合せである.右辺第2項の各項は0でないときはm次以上 となるので,右辺において,次数がdegノの斉次成分は第1項のk; deg fの項 となる.ゆえに. ノーΣ・、d1…e存 i十ゴ1十2ゴ2十…十ηゴπ=deg∫. となるので,ノ∈71[e1,...,en]が示された. 屠. 補題2.23商空間q∬1,_,Xn]/Zの代表元をκ”に属する多項式の中から選ぶことが できる.特にdim C[x,,_,Xn]/z≦n!が成り立つ.. 【証明】 nについての帰納法で示すことにする.κηは上述の通りとし, Zh == C[Xl, …, Xn]el + ’ ’ ’ + C[Xl, …, Xn] en. とおく.n=1のときん1=C :τ、=q伍、]e、=C圖¢、⇒q灘、]/:τ、鯉C. 30.
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