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数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究

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(1)Title. 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究. Author(s). 村上, 兼人; 橋本, 忠和. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 67(2): 229-244. Issue Date. 2017-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/8206. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第67巻 第₂号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 67, No.2. 平 成 29 年 ₂ 月 February, 2017. 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究 村上 兼人・橋本 忠和 北海道教育大学函館校学校教育学研究室. Basic-Research on the definition and effect of mathematical- communication MURAKAMI Kaneto and HASHIMOTO Tadakazu Department of School Education, Hakodate Campus, Hokkaido University of Education. 概 要 数学的コミュニケーションとは, 「数理的な事象に関わるコミュニケーションであり,また, 1) とされ,次回学習指導要 算数数学の表現を使用しているコミュニケーションのことである」. 領にむけての審議のまとめ2)にある「アクティブ・ラーニング」の視点の中の「対話的な学び」 を算数科で具現化するものとして注目されている。算数・数学の授業の中での数学的な表現を 使用しているコミュニケーションによって,課題解決力等だけでなく,いろいろな他者の考え を知ることにより,自らの考えの位置が明確になったり,他と関連づけることにより自らの考 えが豊かになったりする(思考の広がりが得られる)等の効果も指摘されている3)。しかしな がら,数学的コミュニケーションへの現場教員の認識については,小学校現場教員(53人)対 象のアンケート4)によると約11%(6人)であり,その概要・効果の理解と,現場での普及に 関しては不十分であると思われる。そこで,本研究では,先行研究・文献を資料に数学的コミュ ニケーションの定義や意義を整理すると共に,小学校現場教員(53人)対象のアンケートや筆 者の先行事例における児童アンケート,ノート記述等から,数学的コミュニケーションの定義 と意義に関する現状と課題について明らかにし,現場の教員がそれを活用できる手だてを見い だす手がかりとする。. ここでは,対話や議論などのコミュニケーション. 1 はじめに. 能力の活用が学習活動の中で学習目標に迫る主要. 現在,情報を他者と共有しながら,対話や議論. な手段の一つとして挙げられ,児童における主体. を通じて互いの多様な考え方の共通点や相違点を. 的な学び,または学習集団による高め合いを引き. 理解し,相手の考えに共感したり多様な考えを統. 出すための大きな構成要素になっていると考えら. 合したりして協力しながら問題を解決していくこ. れる。. 5). と(協働的問題解決)の重要性が叫ばれている 。. また,教育課程部会算数・数学ワーキンググ. 229.

(3) 村上 兼人・橋本 忠和. ループにおけるこれまでの議論のとりまとめ(案) では, 「対話的な学び」を実現するために,数学 的な表現を用いて説明することで,簡潔・明瞭・ 的確に自分の考えを表現できることを実感する活. 表1 21世紀に求められる資質・能力の内容イメージ10) 求められる力. な説明に高め合う活動を設けることの重要性が指. 生活や社会,環境の中に 自律的活動 問題を見い出し,多様な他 関係形成 者と関係を築きながら答 持続可能な社会づくり えを導き,自分の人生と 社会を切り開いて,健や かで豊かな未来を創る力. 深く考える (思考力). 一人一人が自分の考えを 持って他者と対話し,考 えを比較吟味して統合し, よりよい答えや知識を創 り出す力,更に次の問い を見付け,学び続ける力. 摘されている6)。つまり算数科においても,子供 一人ひとりが自分の考えや知識を持ち寄り,交換 して考えを深め,統合することで解を見い出して いくようなコミュニケーションによる学習活動を どのように展開していくかに関心が集まっている. 構成要素. 未来を創る (実践力). 動を設けることや児童一人一人の表現を教室全体 で数学的に洗練することにより,客観的で合理的. 具体像(イメージ). 問題解決・発見 論理的・批判的・創造 的思考 メタ認知・学び方の学 び. 道具や身体を 言語や数量,情報などの 言語 使う(基礎力) 記号や自らの身体を用い 数量 て,世界を理解し,表現 情報(デジタル,絵, する力 形,音等). と考えられる。 2016年8月に筆者が行った道南の小学校教員対. この数学的コミュニケーションが注目されてい. 象(53名)のアンケートによると約58%が算数の. る背景として,平成20年度学習指導要領における,. 授業の中で協同・協働的な学習を取り入れてい. 算数科の中に「表現する能力」が新しく位置づけ. た。また,数学的な表現について関心がある教員. られたように,表現力の育成が重要視されたこと. は数学的コミュニケーションにも関心を示してい. が挙げられる。関連して金本良通が著書『表現力・. 7). ることがわかった 。したがって,これからの算. 11) で コミュニケーション能力を育てる算数授業』. 数科教育における問題発見・解決のプロセスの中. 示しているように,数学的な表現力とコミュニ. には,数学的な表現力を用いて人々と交流し合う. ケーション力を相互に育成する必要性が出てきた. 8). ことが位置づけられている ことや,21世紀型能. こともその背景にあると考えられる。したがって,. 力(図1)とそれに求められる資質や能力(図2). 表1の中の,基礎力の具体像である言語・数量・. の育成を見据えると,算数科の授業の中に数学的. 情報等を身に付けるとは,それら用いて表現する. コミュニケーションを取り入れようとする小学校. 力であり,とりわけ算数的活動においては,表現. 教員の割合が増えてくることが予想される。. する活動を充実させることが求められている。. そして,これを受けるように算数の授業づくり. 加えて思考力育成に関する点も数学的コミュニ. で協働・協同的な学習を取り入れ,具現化する手. ケーションが注目される背景の要因になっている. 立てとして,数学的コミュニケーションが注目さ. と思われる。つまり,思考力と表現力は補完の関. れていると考えられる。. 係であり12),表1の思考力育成においても,自 らの思考を他者との対話,すなわちコミュニケー ションで高めていくことが求められている。特に, 根拠を明らかにし筋道を立てて体系的に考えるこ とや言葉や数・式・図・表・グラフなどの相互の 関連を理解し,それを用いて問題を解決したり, 自分の考えをわかりやすく説明したり,伝え合っ たりする指導13)を具現化する手だてとして,数 学的コミュニケーションの活用を促進しようとし ている。. 図1 21世紀に求められる資質・能力の向上一例. 230. 9). しかしながら,筆者が行った教員対象アンケー.

(4) 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究. ト14)では数学的コミュニケーションの認知は約. がら,それぞれの持っている可能性を引き出されて. 22%であり, 授業での実施に至っては8%だった。. いくものである。自己表現の能力とか他人を理解す. このように現場では,数学的コミュニケーション. る能力とかもつくられていくものである。 」15). についての教育的価値やその手法の理解が不十分. この文が示すように,斎藤は,人間と人間の接. であり,たとえ授業の中で行っていてもその意義. 触,すなわち課題解決に向けたコミュニケーショ. や授業での位置づけ等が意識されていないのが現. ンを充実することによって授業が成立すると説い. 状と思われる。したがって,その数学的コミュニ. ている。. ケーションを思考力やコミュニケーション力を高. また,授業におけるコミュニケーションに関連. める実践(ツール)として,現場教員はほとんど. して,1963年に発行された波多野完治編「授業の. 活用しきれていないようである。. 科学第4巻」においても,「集団学習」が紹介さ. そこで本研究では,先行研究・文献を資料に数. れている。この集団学習とは,単なる集合学習で. 学的コミュニケーションの定義や意義を整理する. はなく,一つの目標をもった〈集団〉の学習活動. と共に,筆者の先行事例における児童アンケート. である。換言すれば,子どもたち「みんな」の間. やノート記述等からその効果の様相を示す。その. に相互作用があり,互いにグループ・メンバーと. 上で,先の小学校現場教員(53人)対象にしたア. しての役割を担いながら学習活動に参加している. ンケートを軸に数学的コミュニケーションへの認. 状況である16),とされている。さらに,波多野は,. 識の現状と課題について整理し,現場の教員がそ. その学習効果として,①学習効果の向上,②社会. れを活用できる手だてを見い出す手がかりとする。. 性の育成,といったことを挙げている17)。そこ では場面に応じて集団学習を取り入れることでコ. 2 数学的コミュニケーションの定義とその 課題点. ミュニケーションを活発化し,学習効果や社会性 の育成を図る重要性を指摘している。これらのコ ミュニケーションの重要性や効果においては,. ここでは,数学的コミュニケーションの定義の. 1960年代から注目され,重要視されていた。した. 課題点を明らかにする。そのために,まず,定義. がって,当時から算数教育においてコミュニケー. の輪郭を明確にするために算数科においてコミュ. ションは算数科の授業を進める際や子どもの算数. ニケーションというという言葉がどのように注目. 的思考を形成する上で不可欠なものであったとさ. されてきたか,過去の学習指導要領から抽出し,. れてきたようである。. それを踏まえた上で先行文献等から本研究におけ. 次に,1970年代以降に焦点を当てて数学的コ. る定義を示す。. ミュニケーションの概念の出現とその変遷につい. 2-1 数学的コミュニケーションの歴史的考察. て整理する(表2)。この表2の「段階の設定」. 斎藤喜博は,1964年の著書において,授業にお. であるが,次のような背景で設定した。まず昭和. けるコミュニケーションの重要性を以下のように. 52年改訂学習指導要領では数学的な思考が後退し. 述べている。. 知識・技能だけを強調しているかのように受け取. 「学校教育は,またそのなかでもっとも中核となる. る向きもある18)など,授業づくり等の方向性も. 授業は,生きた人間と人間との接触,また人間と教. 模索されていたため,「模索期」と設定した。. 材との接触・衝突の中で,その機能を発揮していく. 続いて,平成元年改訂学習指導要領においては,. ものである。そういう相互の接触・衝突の中で衝撃. 情報化など社会の変化に主体的に対応できる能力. を受けたり,はっきりしたり,否定されたりしなが. の育成の観点から,算数を主体的に生活に活用で. ら,瞬間々々に創造が生まれ,目先が明るくなり,. きるようにするなど,平成10年改訂学習指導要領. そのことによって自己を拡大したり変革したりしな. 改訂へのつながりが強いため「揺籃期」と設定し. 231.

(5) 村上 兼人・橋本 忠和. た。. になっていることから,数学的コミュニケーショ. そして,成長期に至る段階として平成10年改訂. ンの「成長期」と設定した。. 学習指導要領においては,算数的活動を取り入れ. さらに協同性が重視される平成30年施行の次期. ることによって,算数の授業が教師による説明中. 学習指導要領においては,数学的コミュニケー. 心の授業から児童の主体的な活動中心の授業へと. ションが数学教育の根幹となる可能性が現在より. 19). 転換した時期である. ことから「萌芽期」とした。. もさらに増すことが想定されることから,「発展. また,平成20年改訂の学習指導要領で,筆者に. 期」と設定した。. よる教師対象へのアンケートが示していたよう. この5期の区分で数学的コミュニケーションの. に,現在は認知度においては高くないが数学的コ. 概念の出現とその変遷について考察してみた。 (表. ミュニケーションに関する書籍等も目にするよう. 2)。. 表2 数学的コミュニケーションの概念出現とその変遷 段階. 模索期. 揺籃期. 萌芽期. 成長期. 発展期. 232. 改訂年. 昭和 52年. 平成 元年. 平成 10年. 平成 20年. 平成 30年. ・目 標. ○主な資質や能力 ◎算数における特徴. □目標,資質や能力,算数科の特質から考えられる 数学的コミュニケーション . ・数量や図形についての基礎的 ○内容の精選,基礎・基本の重 な知識と技能を身につけ,日 視。 常の事象を数理的にとらえ, ◎基礎・基本の重視,数学的な 考え方や処理の仕方を生み出 筋道を立てて考え,処理する す能力と態度の育成(問題解 能力と態度を育てる。 決) 。. □基礎・基本の知識・技能は,問題解決において生かされると いう観点から,問題解決型の授業展開がなされた。授業の中 では一人一人の自力解決に重点があるゆえ,個人差が課題と して挙げられた。授業の中での個人差解消の手立てとして教 え合いなどの一方向的なコミュニケーション活動がされてい たと考えられる。. ・数量や図形についての基礎的 な知識と技能を身に付け,日 常の事象について見通しをも ち筋道を立てて考える能力を 育てるとともに,数理的な処 理のよさが分かり,進んで生 活に生かそうとする態度を育 てる。. ○自己実現に生きて働く基礎・ 基本を重視。 ○個性を生かす教育の充実。 ○情報化,国際化などの社会の 変化に対応し,論理的な思考 力,直観力の育成を重視。 ◎〈数学的な考え方〉 〈基礎的・ 基本的な知識・技能の習得と その活用〉〈算数のよさの感 得と活用する態度〉. □算数のよさの感得と活用する態度を育成する観点や,「個性 を生かす教育」と「自己実現に生きて働く基礎基本の教育」 を一体として指導・評価を推進したため,子供たちの多様な 表現を引き出す授業がなされた。授業の中では基礎的な知 識・技能の習得とその活用に重点が置かれていたため,教師 と子供の関係が重視され,クラスの中で自力解決された考え をたくさん発表し,聞き合うようなコミュニケーションが展 開されていたと考えられる。. ・数量や図形についての算数的 活動を通して,基礎的な知識 と能力を身に付け,日常の事 象について見通しをもち筋道 を立てて考える能力を育てる とともに,活動の楽しさや数 理的な処理のよさに気付き, 進んで生活に生かそうとする 態度を育てる。. ○「ゆとり」の中での特色ある □児童が目的意識をもって取り組む算数にかかわりのある様々 教育。 な活動である算数的活動が導入され,作業的・体験的な活動 ○基礎・基本の定着。 や問題解決の際の内面的な思考活動が重視された。徹底した ○自 ら学び自ら考えるなどの 基礎・基本の定着が図られたため,児童の主体性を中心とし 「生きる力」の育成。 た学習活動が展開され,個人の調査や探求活動や個人の中で ◎算数的活動の導入。 の対話により,資質能力の育成が図られたか考えられる。コ ミュニケーションにおいては,子供たち自らが他者の考えに 目を向けるよりは,個と教師,全体と教師といったやり取り によるコミュニケーションが展開されたと考えられる。. ・数学的活動を通して,数量や 図形についての基礎的・基本 的な知識及び技能を身に付 け,日常の事象について見通 しをもち筋道を立てて考え, 表現する能力を育てるととも に,算数的活動の楽しさや数 理的な処理のよさに気付き, 進んで生活や学習に活用しよ うとする態度を育てる。. □思考力,判断力,表現力等を育成するため,各学年の指導に ○生きる力の育成。 当たっては,言葉,数,式,図,表,グラフを用いて考えた ○基礎的・基本的な知識・技能 り説明したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったりする の習得。 などの学習活動を積極的に取り入れた。算数の知識をもとに ○思考力・判断力・表現力等の 発展的・応用的に考えたりする活動や,考えたことなどを表 育成のバランス。 現したり,説明したりする活動も算数的活動に含まれたため, ◎算数的活動が目標に位置づけ 授業の中に子供同士のコミュニケーションの場が設定され られ,内容としても示された。 た。そのような場で子供たちがどのようなコミュニケーショ ◎算 数的活動とあわせて,「話 ンをし,そこから引き出した考えを全体または個の中でどの 合い」,「かかわり合い」,「練 ように位置づけ,価値付けるのかといった課題が生じた。 り上げ」等の社会的相互作用 を合わせながら授業の充実を 図る。. (個別の知識・技能) ○「何を知っているか,何がで □習得・活用・探究という学習プロセスの中で,問題発見・解 決を念頭に置いた深い学びの過程や,他者と協働や外界から きるか(個別の知識・技能)」 ・各教科に固有の知識や個別の との相互作用を通じて,自らの考えを広げ,深める,対話的 ○「知っていること・できるこ スキル。 な学びの過程が重要である。算数科の見方や考え方(様々な とをどう使うか(思考力・判 (思考力・判断力・表現力等) 事象等を捉える算数科ならではの視点や思考の枠組み)を培 断力・表現力等)」 ・各教科の本質に根ざした問題 う観点から,数学的コミュニケーションの重要性が増してい 解決の能力,学び方やものの ○「どのように社会・世界と関 る。 わり,よりよい人生を送るか 考え方。 (学びに向かう力,人間性等) (学びに向かう力,人間性等)」 ・各教科に通じてはぐくまれる 情意,態度等。.

(6) 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究. 2-1-1 模索期. な人間の育成を図ること」とし,「①心豊かな人. (昭和52年学習指導要領を手がかりに). 間の育成」「②基礎・基本の重視と個性教育の推. 昭和52年学習指導要領改訂の中で,算数科にお. 進」「③自己教育力の育成」および「④文化と伝. いては児童の学習負担の適正化を図り,基礎・基. 統の尊重と国際理解の推進」の4つの方針に基づ. 本を重視するとともに,数学的な考え方や処理の. いて行われた24)。. 仕方を生み出す能力と態度の育成が児童の発達に. その中の改訂の方針②と③は,総則の教育課程. 応じて効果的に行われるように学習内容が精選さ. 編成の一般方針において以下の文言に反映されて. 20). れた. 。. いる。. 続いて昭和57年から始まった「教育課程実施状. 「学校教育を進めるに当たっては,自ら学ぶ意欲と. 況に関する総合的な調査研究」によると,当時は. 社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を図る. 算数科の基礎・基本の内容はおおむね定着してき. とともに,基礎的・基本的な内容の指導を徹底し,. ていることが指摘されていた。しかしながら「数. 個性を生かす教育の充実に努めなければならな. 学的な考え方」についてはかなり不十分であるこ. い」25). とが当時も課題とされていた21)。そこで,基礎・. この中の「自ら学ぶ能力」の例示としては,思. 基本の知識・技能を生かしてこそ真価となるとい. 考力・判断力・表現力が取り上げられ,いずれも,. う考えが重視されるようになり,問題解決型の授. これから予想される社会の激しい変化に適切に対. 業展開がなされるようになった。この授業におけ. 応するために必要な能力とされていた26)。この. る指導のタイプは,方法型・特設型・設定型に分. ため算数科での「自ら学ぶ能力」育成への手立て. 22). 。その中でも方法型は1時間の. として,自力解決の場と時間の確保,集団解決の. 授業を問題解決的に行う場合の基本的なタイプと. 場 の 充 実, 評 価 観 の 見 直 し 等 が 述 べ ら れ て い. されており,以下のような構成で授業を展開して. た27)。. いく手法が示された。. さらに算数科学習における表現力育成のための. ①つかむ(問題の把握,理解). 観点については,図・表・式などの数学的な表現. ②みつける(解決方法の見通し,発見,実行). について,それらを「よむこと」・「かくこと」お. ③のべる(各自の解法の発表,確認). よび「いかすこと」がそれぞれ強調された28)。. ④ねりあげる(多様な解法の比較,練り上げ). これらのことから,この当時の算数科学習では主. けられていた. 23). ⑤まとめる(練習,まとめ). 体的に自力解決を行い,確かな理解のための集団. この展開手法の④にあるように,集団での思考. 解決の場で「書く」「話し合う」などの表現活動. が現場において「練り上げ」として定着したのは. が進められ,その活動により自分の考えに生かし,. この頃であると考えられる。. 確かな理解につなげていこうとする授業が展開さ. この構成の各要素と授業でのコミュニケーショ. れていたと思われる。. ンとの関係性を見てみると,③と④が深くかか. したがって,この「揺籃期」は,授業中におけ. わっていたと思われる。したがって,この「模索. るコミュニケーションの活性化と内容をどう関連. 期」において授業中におけるコミュニケーション. づけ,どのように確かな理解へと生かすか等,算. の必要性が再注目されてきた段階と考えられる。. 数科学習におけるコミュニケーションの方向性を. 2-1-2 揺籃期. 導き出そうとした段階と考えられる。. (平成元年学習指導要領を手がかりに). 2-1-3 萌芽期. 平成元年学習指導要領改訂は,基本的なねらい. (平成10年学習指導要領を手がかりに). を「生涯学習の基盤を培うという観点に立ち,21. 平成10年学習指導要領算数科の目標に「算数的. 世紀を目指し社会の変化に自ら対応できる心豊か. 活動」が加えられたことが大きな特徴の一つと言. 233.

(7) 村上 兼人・橋本 忠和. える。この「算数的活動」について,次のような. ると考えられる。. 活動例を挙げている29)。. 2-1-4 成長期. ①作業的な算数活動. (平成20年学習指導要領を手がかりに). ②具体物を用いた算数的活動. 平成20年学習指導要領では,平成10年学習指導. ③調査的な算数的活動. 要領と同様に,算数科の目標に「算数的活動」が. ④探究的な算数的活動. 位置づけられ,さらに各学年の内容において「算. ⑤発展的な算数的活動. 数的活動」示されるようになった。例えば,第3. ⑥応用的な算数的活動. 学年においては「整数,小数及び分数についての. ⑦総合的な算数的活動. 計算の意味や計算の仕方を,具体物を用いたり,. 加えて, 「活動の意味を広くとらえれば,思考 30). 言葉,数,式,図を用いたりして考え,説明する. 活動などの内的な活動を主とするものもある」. 33) ,第5学年においては「小数についての 活動」. との例も示してあった。この「算数的活動」を取. 計算の意味や計算の仕方を,言葉,数,式,図,. り入れることで,算数科の学習を「①子どもの主. 34) というよ 数直線を用いて考え,説明する活動」. 体の学びとする②創造性の基礎を育てる学びとす. うに,算数的活動の一層の充実を図るために,各. る③楽しい学びとする④分かりやすい学びとする. 学年の中に「説明する活動」すなわち,コミュニ. 31) の場に変 ⑤実生活とかかわりある学びとする」. ケーションに関わる活動が例示されていた。. 換することがねらいとされた。. また,これに関して平成20年小学校指導要領算. すなわち,算数的活動を取り入れることによっ. 数科解説では, 「算数的活動」とコミュニケーショ. て, 算数科の学習が教師からの一方的な教授法(受. ンとの関わりについて以下に述べられていた。. 動的な学び)から,児童の主体的活動を中心とす. 「算数的活動には,様々な活動が含まれ得るもので. る授業展開がめざされるようになった。いわゆる. あり作業的・体験的な活動など,身体を使ったり具. 「ゆとり」の中で特色ある教育の展開と「生きる. 体物を用いたりする活動を主とするものが挙げられ. 力」の育成を見据えた算数学習が構成された。そ. ることが多いが,そうした活動に限られるものでは. こでの算数科授業は,一人一人の子どもが主体性. ない。算数に関する課題について考えたり算数の知. をもって学習に向かう姿勢づくりを図り,子ども. 識をもとに発展的・応用的に考えたりする活動や考. の問いを中心に据え,その問いに対して一人一人. えたことなどを表現したり説明したりする活動は具. が考え,自分の力で解決することを重点に置くこ. 体物などを用いた活動でないとしても算数的活動に. とで,子どもたちの創造性の基礎を培うことをね. 含まれる」35). らいとして展開されていた。. すなわち解説に「算数的活動」には「考えたこ. また,個々人の「算数的活動」をさらに充実さ. となどを表現したり,説明したりする活動」が含. せるために, 「話合い」・「かかわり合い」 ・「練り. まれると明記されていることから,コミュニケー. 上げ」等の社会的相互作用が以前より重視され,. ションが授業の根幹の一つとして位置付けられる. コミュニケーション能力向上とともに児童の興味. ようになったと思われる。さらに, 「算数的活動」. 関心や理解を高める上での役割が再認識され. を取り入れることで,以下の算数の授業改善が期. た32)。. 待できると考えられていた。. したがって,授業の形態も一斉学習,グループ. ①算数の授業を子どもの活動を中心とした主体. 学習,個別学習,一斉指導等の形態を適宜組み合. 的なものとする。. わせて行われた。この「萌芽期」は, 「算数的活動」. ②算数の授業を児童にとって楽しいものとする。. に取り組み,さらにその効果を高めるためのコ. ③算数の授業を児童にとって分かりやすいもの. ミュニケーションの重要性が認識された段階であ. 234. とする。.

(8) 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究. ④算数の授業を児童にとって感動のあるものと する。. る。そして,そのアクティブ・ラーニングにおい て子どもの学びへの積極的な関与と深い理解を促. ⑤算数の授業を創造的・発展的なものとする。. すような指導や学習環境を設定することで,主体. ⑥算数を日常生活や自然現象と結びついたもの. 的な学びも実現しようとしている。加えて「対話. とする。. を通じて他者の考え方を吟味し取り込み,自分の. ⑦算数と他教科,総合的な学習の時間とを関連 36) させる活動を構想しやすいものとする。. 考え方の適用範囲を広げることを通じて,人間性 を豊かなものへと育むことが極めて重要であ. したがって, 「成長期」においては,算数的コミュ. 39) と学習プロセス等の重要性を踏まえた検 る。」. ニケーションは情意面,認知面を高める上でも有. 討もなされている。このことから,「発展期」に. 効なものであると考えられ,以上の①~⑦のいず. おいては,算数科の学習プロセスの中にも算数的. れの観点にもアプローチ可能なものとして,授業. コミュニケーションをしっかり位置づけ,対話の. で積極的に取り入れられることとなった。. 中から個々の思考の深まりを促すような指導の重. 2-1-5 発展期. 要性がより増すと考えられる。. (次期学習指導要領改訂を見据えて). 以上の算数の授業におけるコミュニケーション. 平成27年度全国学力・学習状況調査の各教科に. の歴史的変遷を見ていくと,次の5つの視点で各. おける調査結果では,中学校数学科において数学. 期において授業の中にコミュニケーションが位置. 37). 的な表現を用いた理由の説明に課題がある. と. づけられていることが見い出せた。. 指摘されている。このことは小学校での算数的活. ①模索期…基礎・基本の知識や技能を生かす場の. 動の充実に向けた課題や算数的活動が中学校の数. 必要性が生じ,このことから問題解決型の授業. 学的活動の充実に生かされていない現状があるの. が展開されるようになった。その中で集団思考. ではないかという考えに基づくと思われる。確か. が「練り上げ」として授業の中に定着したと考. に「判断の根拠や理由を示しながら自分の考えを. えられ,児童の主体的なコミュニケーションを. 述べる力」は,算数科という教科に限らず教科横. 引き出す要因となった。. 断的に,もしくは学校教育全体で培うものではあ. ②揺籃期…集団解決と自力解決関係性が生まれ,. るが,その育成は算数科が担う部分も少なくはな. 集団解決の充実を図る観点から,相手に伝わる. いと想定される。. ように表現する必要性,すなわちコミュニケー. このような課題をふまえ,次期学習指導要領改. ション力の育成の重要性が認識されるように. 訂に向けて,平成27年8月に中央教育審議会教育. なった。. 課程企画特別部会から論点整理(以下「論点整理」) が出された。それによると,「判断の根拠や理由 38). ③萌芽期…算数的活動が授業で展開されるように なった。このことで算数的活動で生み出した思. を示しながら自分の考えを述べること」 の育成. 考を共有したり,練り上げたりする場面の必要. が次期改訂に向けての改善点の一つとして挙げら. 性が生まれ,コミュニケーション力の育成が重. れている。. 要視されるようになった。. これを受け,算数科の学習においても,習得・. ④成長期…算数的活動において,考えたことなど. 活用・探究という学習プロセスの中で,問題発. を表現したり,説明したりする活動にも注目さ. 見・解決を念頭に置いた深い学びを重視するこ. れ,コミュニケーションが算数的活動という授. と,他者との協働や外界からとの相互作用を通じ. 業の根幹として位置づけられるようになった。. て,自らの考えを広げ,深める,対話的な学びを. ⑤発 展期…資質や能力の中にコミュニケーション. 展開すること,というアクティブ・ラーニングの. 力が位置づけられ,算数・数学科の教科の特質. 視点に立つことが重要視されるようになってい. としてのコミュニケーション力=数学的コミュニ. 235.

(9) 村上 兼人・橋本 忠和. ケーション力が今以上に注目されると思われる。. が目的意識をもって主体的に取り組む算数にかか. 以上の変遷の概要から,今後,算数科の授業に. わりのある様々な活動を意味し,さらに目標の全. おける数学的コミュニケーションの注目度が増す. 体にかかっていることから,算数授業の軸となる. と共に,その各期で示した5つの段階は,数学的. とされる。すなわち,算数授業の中で算数的活動. コミュニケーションへの文部科学省及び現場教師. の充実を図ることで,数量や図形についての理解. の捉え方の変遷と考えられる。現段階では教科の. や基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着だけ. 特質をふまえた授業づくりの中でコミュニケー. でなく,数学的な思考や数学的な表現力を高める. ションが位置づけられており,そのことが数学コ. 手立てとされている。. ミュニーションが注目される要因の一つになって. それを裏付けるように『数学教育の理論と実際 . いると考えられる。. 41) では「数学的コミュニケー 数学教育研究会編』. 2-2 数学的コミュニケーションの定義の検討に. ション」を算数的活動の一つとして位置づけてい. むけての視点の整理. る。. ここでは,関連文献や先行事例を資料に,数学. そこでは算数授業を子ども一人一人がいわゆる. 的コミュニケーションの定義の検討にむけての視. 数学的活動を通して主観的な知識を構成する場で. 点の整理をおこない,次節の定義を考察する手が. あるとともに,それを教室集団において公表し,. かりとする。その軸にするものとしては,ここで. 共有された知識へと発展させる場であるととらえ. 取り上げる視点のうち①算数的活動としての視点. ている42)。したがって算数の授業の設計にあたっ. ②社会的領域との関連③言語活動の視点④数学的. ては算数的活動から派生した主観的知識を教室で. な表現としての視点という4点を想定している。. 共有し,客観的知識に変容させるための手立てを. 2-2-1 算数的活動としての視点から. 講じることを重視し,その手だてとして個と集団. 児童個々の課題解決や能力向上だけを目標にし. の相互構成を図る「数学的コミュニケーション」. た授業構成は,教師による教え込みやドリル学習. を位置づけている。. 等,教師とそれぞれの個による一方向的な授業構. また,数学は記号の学問であるといわれるよう. 成になりがちであり,発展的・応用的に考えたり,. に,数学の発展は優れた表記法の創出とその洗練. 考えたことを表現したり説明したりする活動も皆. によって支えられてきた。一方,認識とその表現. 無になりがちである。例えば「上位の子は応用発. は表裏一体の関係にあるから,子供の認識発達は. 展的な内容を, 低位の子はひたすら計算練習を」,. 適切な表現の習得と不可分の関係にある。つまり,. といった学級における算数能力の二極化を推進し. 主観的知識から客観的知識への変容とインフォー. てしまう授業である。その様相は表現したり説明. マルな表現からフォーマルな表現への変換とは不. したりする能力の育成に時間がかかり,授業の中. 可分であり密接な関係にある,とされている43)。. で十分に保障できない課題点が見え隠れする。し. この考えを背景に,算数的活動から派生した主観. かし,認識とその表現は表裏一体の関係であり,. 的知識を教室で共有される客観的知識に変容させ. 子供の認識発達は適切な表現の習得と不可分の関. る教授・学習の設計が重要視され,その有効な. 係にあるため,授業の中に思考力・判断力・表現. ツールとして数学的表現力が注目されている44)。. 力等を総合的に育む学習活動を位置づける必要が. この点からも数学的活動としての「数学的コミュ. あることは有効な手立てと思われる。こうして「算. ニケーション」を個人領域における主観的知識と. 数的活動」の充実を図ることに視点を置いた授業. 社会的領域における客観的知識をつなぐ過程とと. 構成が重要となると考えられる。. らえ,算数授業に位置づける意義と可能性が見い. 現行の学習指導要領算数科の目標. 40). のはじめ. に位置づけられている「算数的活動」とは,児童. 236. 出せる。 このことから,算数の授業設計にあたっては,.

(10) 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究. 算数的活動の一つである数学的コミュニケーショ. の重要性を指摘している。. ンや数学的表現は不可欠の要因であり,ゆえにそ. 2-2-3 言語活動としての数学的コミュニケー. の能力の育成が「算数的活動」の理念に盛り込ま. ションという視点から. れていると考えられる。. 算数の学習の中で使用される表現は,日常の言. 2-2-2 社会的領域(学級というコミュニティ構. 語をはじめ,数,式,図,表,グラフなどの様々. 成)との関連した視点から. な方法を使用して行われており,表現の多様性に. 金本良通はその著書『数学的コミュニケーショ. 特徴があるといえる。このことについて,平成20. ンを展開する授業構成原理』において子供たちの. 年度学習指導要領解説算数編では「算数科の指導. 数学的コミュニケーション能力の育成を図る授業. では,言葉による表現とともに,数,式,図,表,. 構成原理の検討・考察を行っている。そこでは,. グラフといった数学的な表現の方法を用いること. 学級というコミュニティにおける学習者の数学的. 50) としている。そこで,言葉(言語) に特質がある」. コミュニケーションに焦点(コミュニティ特性に. による表現と数学的な表現との関係性の理解に関. 依存することからコミュニティの構築も視野に入. して,日本教科教育学会編『今なぜ,教科教育な. 45) をあてている。この項では彼の数学 れている). のか』での,数学的コミュニケーションを算数科. 的コミュニケーションの定義の背景を社会的領域. における言語活動の位置づけが参考になる。. の視点から整理する。. その位置づけのポイントの1つとして「児童の. 授業におけるコミュニケーションに関して金本. 主体的な算数に関わる算数的活動の充実を図るた. は, 「共有するだけでなく,公共的なものを創り. めに,数学的な思考・表現とコミュニケーション. 46). 出す行為でもある. 」と述べていることから,. 51) の関係及び言語の役割を明確にとらえること」. コミュニケーションを位置づけた授業を展開する. が示されている。そこでは,言葉や数,式,図,. ことと,学級を育むことが不可分の関係であり,. 表,グラフなどを言語(数学的表現)であるとと. このような協同性の創造を見据えた数学的コミュ. らえる52)ことで言語活動の充実を数学的コミュ. ニケーションを以下のように規定している47)。. ニケーションで具現化する概念が提案されてい. 「数学的コミュニケーションとは,数理的な事象に関. る。図2は,数学的な表現の過程の中で言語を介. わるコミュニケーションであり,また,算数数学の表. して思考と表現を一体化させる流れ(縦の関係). 現を使用しているコミュニケーションのことである。 」. と,同じく数学的な表現の過程で言語を活用して. ここで彼は数学的コミュニケーション能力を育. 表現と思考をコミュニケーションによって共有し. 成するためには,刺激し合い高め合い助け合える. たり,広げたり,深めたりする関係(横の関係). ような学習共同体の形成や学びのルールの形成を. を示している。. 行う必要がある48)と指摘している。そして,話 し合いを成立させる要素として以下の3点を挙げ ている49)。 ①交流のための能力の習得 ②他者の視点を得ることによって自らの視点が 高まっていくという実感 ③学級のもつ雰囲気 以上金本は,数学的コミュニケーションを学級 コミュニティという共同体の視点の中でとらえ, 数学的コミュニケーションの育成に関しても,学 級コミュニティにおける「相互構成=社会的領域」. 図2 数学的な思考・表現とコミュニケーションの 関係及び言語の役割53). 237.

(11) 村上 兼人・橋本 忠和. この図では,表現に関するコミュニケーション を表層とし,深層に思考に関するコミュニケー ションを位置づけていることに特徴がある。すな. 進する ⑦集団思考的機能…集団内に分化,対立を起こし, 合意,協定へと導く. わち,表層での数学的な表現のやり取りをするこ とで深層の数学的な思考も同時進行しているとい う思考と表現が一体となったコミュニケーション の様相から,言語活動と密接に結び付いた数学的 なコミュニケーションの概念と活動が見い出せる。 2-2-4 数学的な表現を体系化しコミュニケー ションに活用するという視点から 中原忠男はその著書『構成的アプローチによる 算数の新しい授業づくり』において,算数の学習. 図4 中原による数学教育における表現体系59). を「学習者が主体的活動を通して,算数的知識を 構成し,批判し,修正し,そして合意に達したも 54). 中原はこの5つの表現様式(記号・言語・操. のを協定し,選択していく過程」 ととらえてい. 作・現実・図)を体系化することも試みている(図. る。その過程では,構成的相互作用55)を中心にし,. 4)。そして,子供たちの表現を意図的に活用さ. 中でも構成的討議. 56). を軸に授業を展開していく. 構造を示している(図3)。. せることで「練り上げ」の過程の充実と表現力の 育成双方を関連付けようとしている。 この図4により,数学的な表現をどう関連させ るかの見通しが立ち,算数科の授業において表現 やコミュニケーションが主体となった構成的討議 を充実させる手立てとなる表現様式の利用が明確 になると思われる。したがって彼の数学的な表現. 57). 図3 構成的相互作用と構成的討議の包含図. における体系化は,数学的コミュニケーションと 数学的な表現の関係を把握する際の視座になると. その構成的討議においては,子供の考えが分化,. 思われる。. 対立し,合意へ向けての考えの交流がなされる場. 2-3 本研究における定義の分析. として,主に授業における「練り上げ」の過程と. ここでは,数学的コミュニケーションの定義に. して位置づけられており,コミュニケーションが. ついて,その現状と課題点を前節までに整理した. その主体とされている。さらに中原はそのような. 4つの視点から整理する。. 過程において以下の7つの機能があるとしてい. 2-3-1 数学的コミュニケーションの定義の現状. る. 58). 。. 数学的コミュニケーションの定義に関わるもの. ①認知的機能…自分の考えを明確化し,表現する. としては,著作及びネット上の文献から筆者が先. ②伝達的機能…自分の考えを行為化し,発信する. 行事例として確認しているのは,以下の4点であ. ③結合的機能…他者の考えを受信し,同意,不同. る。. 意の契機とする. ①杉山吉茂による定義60). ④構成的機能…知識の構成を喚起し,促進する. 数学的コミュニケーションとは,数学的に表現. ⑤反省的機能…自分の考えを反省し,整合性,機. する力と数学的に表現されたものを読み取る力で. 能性,効率性などの視点から検討を促進する ⑥再構成的機能…自分の考えを変容,再構成を促. 238. ある。 ②数学教育研究会による定義61).

(12) 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究. 個人領域における主観的知識と社会的領域にお. 2-3-2 数学的コミュニケーションの定義の課題点. ける客観的知識をつなぐ過程である。. そこで算数的活動としての視点,表現としての. 62). ③江森英世による定義. 視点,言語活動としての視点で,その定義を分析. 数学学習におけるコミュニケーションは,問題. してみる。. 解決,推論,情報伝達,ならびに数学的知識を関. ①算数的活動としての視点から. 連付けるという数学学習の場で展開されている諸. 個人領域における主観的知識と社会的領域にお. 活動を統合する活動である。. ける客観的知識をつなぐ過程ととらえた算数的活 63). ④日本教科教育学会による定義. 動からの視点から見ると,金本の定義は, 「コミュ. 言葉や数,式,図,表,グラフなどの言語(数. ニケーションは共有するだけではなく,公共的な. 学的表現)を用いて考え,考えたことを表現した. 66) という定義を基 ものを作り出す行為でもある」. り分かりやすく説明し,互いに自分の考えを表現. にしている点において同様なものであると考えら. し伝え合ったりするなどの学習活動である。. れる。. 64). ⑤金本良通による定義. ②数学的表現としての視点から. 数学的コミュニケーションとは数理的な事象に. 数学的表現としての数学的コミュニケーション. 関わるコミュニケーションであり,また算数数学. の視点から見ると,金本の定義はとりわけ表現力. の表現を使用しているコミュニケーションのこと. の育成に重きがあるように思われる。思考力と表. である。. 現力は表裏の関係にあるとはいえ,数学的な思考. 以上の定義を概観してみると,江森は,問題解. に関しての視点は薄いように思われる。. 決,推論,情報伝達,ならびに数学的知識を関連. ③言語活動としての視点から. 付ける等の数学的思考とコミュニケーションとの. 金本は「コミュニケーションとは適切な言語的. 関連性を重視しており,数学的な表現とコミュニ. コンテクストを探り自己組織しながら行われる行. ケーションとの関連性までは言及してない。他の. 67) と言うように,言語活動の大切さは 為である」. 杉山・研究会・学会の定義は,社会的領域等を含. 指摘している。しかしながら,数学的コミュニケー. め,表現かコミュニケーションのどちらか一要素. ションの定義においては,算数数学の表現の使用. について言及しているのにすぎない。. が位置付けられているため,言語活動そのものの. その点において,数理的な事象や数学的な表現,. 重要性は見えづらい点がある。. さらにそれらを活用したコミュニケーションにま. ④社会的領域としての視点から. で言及している金本の定義であると思われる。. 金本は学級というコミュニティにおける学習者. この定義の設定に加え金本は,定義を授業で活. の数学的コミュニケーションに焦点を当ててい. 用する意義を以下のように説明している。. る68)。しかし,それはコミュニケーション能力. 「数学的コミュニケーションを展開するための授業. の育成を図ろうとするときにどのようなコミュニ. 構成原理を明らかにし,数学的コミュニケーション. ティを構築していくか,という視点であるために,. 65). 能力の育成のための視点を提案する。」. 数学的コミュニケーションが学級というコミュニ. したがって本研究において,金本の定義は数学. ティに及ぼす影響については十分には言及されて. 的コミュニケーションの授業活用のあり方を探る. はいない。. うえで土台として活用していく。しかしながら,. 以上の視点からみると金本の定義は算数的活動. その定義が先のアンケートで示した教育現場の数. と数学的な表現の視点からはその中に位置づけら. 学的コミュニケーションの現状を改善する道を示. れていると思われる。しかしながら,その定義の. し,活用できるものであるかは,その具現化する. 中には言語活動や社会的領域の視点の表記がない. 手だての検討を含め,考察の余地がある。. ため,そのことに数学的コミュニケーションがど. 239.

(13) 村上 兼人・橋本 忠和. う影響しているのかは不透明な部分がある。ただ, 金本自身は言語活動や協同性の数学的コミュニ ケーションにおける効果は実践事例の中で認めて おり,その点においても言語活動の視点や社会的 領域に及ぼす影響について,定義の中に盛り込む 必要があると思われる。. 3 数学的コミュニケーションの意義とその 課題点 3-1 先行研究に見る数学的コミュニケーション の意義. 図5 グループ学習の意義に対する意識 (アンケート結果の点数は5点満点). 図5からは友達と話し合うことが大切であるこ とや,友達に自分の考えを言うことや聞くことが. 金本は共同性・協同性と創造性とをつなげるこ. 大切であると感じている様子が窺える。それに関. とで算数の授業において自らの考えや集団の考え. 連する子どもの表記には,「初めて自分の考えが. を発展させることができるのではないかと述べて. いっぱい書けた」, 「やり方がわかって楽しかった」. いる。. といったことが挙げられていた。. そして,数学的コミュニケーションの効果とし 69). 一方,図6からは友達と学び合うことで自分の. て示しているのは以下の4点である。 。. 考えが高まる実感をもっている様子が窺える。表. ①算数数学の表現が使用できる。. 記に「たとえば6m+6m=12mとか,たしてい. ②数学的な考えや考え方についての話し合い活. けば道のり,きょりがわかった。わかるとやっぱ. 動などの交流ができる。 ③数学の記述的な表記としての表現のよさが理 解できる。 ④数学的な考えや考え方についての話し合い活. り楽しいことが分かった。そこがたのしいところ だった。」とあるように,学び合う活動によって 自分の思考が高まるところに楽しさを見い出して いることが分かった。. 動への適切な価値意識と態度が形成されてい る。 本節においては,以上の金本の4つの効果を自 らの授業事例にみるその効果の様相を見取る視点 や授業アンケートの分析等に用いることとする。 3-2 筆者による授業への児童アンケートから 筆者は,2016年の7月に3年生対象に算数科単 元「あまりのあるわり算」において,グループ学. 図6 グループ学習の意義に対する意識. 習における数学的な表現を使った話し合いの場 面,またクラス全体でのコミュニケーションによ. 図5と図6から,自分の考えを表現したり,友. る考えの練り合い,振り返り場面を設定した授業. 達の考えを聞いたりする協同的な学習に対する効. を行った。その授業後,友達との協同学習に対す. 力感が高いことが読み取れる。したがって,子供. るアンケートを男子9名,女子8名を対象に実施. にとっても授業における対話等によるコミュニ. した. 70). 。. ケーションは学習意欲・算数的思考の向上等に関 して正の効果をもたらすと考えられ,それらが数 学的コミュニケーションの意義の一面ととらえら. 240.

(14) 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究. れる。. ツール(自己の思考の整理ツールと他者への効果. 3-3 筆者の授業実践によるノート記述から. 的な表現ツール)と,求積の順序を表す図を活用. このノートは6年生の「円の面積」を求める単. して説明していた。続いて,児童Cも同じような. 元の授業におけるものである。10cm×10cmの正. ツールを活用しながら説明を行った。ただ,児童. 方形の中にある面積を工夫して求めることを学習. Cによる自力解決は児童Bの自力解決の方法と異. 課題とした授業での学習ノートと授業の様相を先. なったため,児童Bのノートには,児童Cによる. の金本の数学的コミュニケーション能力の構成要. 自力解決も考え2として記述されている。. 素を視点にその意義を読み解く。. 図8 協同学習後の児童Bのノート(他者=児童C) 図7 児童Aのノート記述. 以上のように3者が異なる解法で課題に迫りな 【児童Aのノート記述内容(自力解決)】 ま ず 正 方形の中のおおぎ形を2つ合わ せた上のような形の割合は57%な ので,正方形の面積に0.57をかけ ると面積が出ます。 つぎに 正方形の面積は10×10で100です。 そして 最後に100×0.57=57 だから 答えは57cm3です。 この児童Aのノート記述に並行して,協同的な 学習(3人によるグループ学習)が展開されてい た。まず,児童Aの発表は,児童B,児童Cと同 3. じ答え(求積して57cm )になったが,児童Aの. がらも,協同的な学習を通して同じ答えにたどり ついた。ノート記述から読み取ると,児童Aの思 考が児童Bと児童Cのノートに記述され,その思 考を足場に児童Bと児童Cのそれぞれの学び=思 考が拡張していた。さらに児童Aも,自分の知識 が有効だったことを裏付得ることができた。 以上の流れを金本の数学的コミュニケーション 能力の構成要素から分析してみると,協同学習に 関連する以下の活動が展開されていた。 「②数学的な考えや考え方についての話し合い活 動などの交流ができる。」 「④数学的な考えや考え方についての話し合い活 動への適切な価値意識と態度が形成されている。 」. 理由に議論が沸き起こった。 「 そして 最後に. また,ノート記述から彼らが「①算数数学の表. 100×0.57=57の場面」である。 「なぜこの式が成. 現が使用できる」ことが彼らの算数におけるコ. 立するのか, 」といったことに話題が集中した。. ミュニケーションと思考の広がり,そして思考の. そこでは, 周囲が児童Aにさらに説明を促したが,. 振り返りを促したことがわかる。このように,数. グループ内において児童Aによる解決方法の信憑. 学的コミュニケーションの構成要素で児童の協同. 性を得るまでにはいたらなかった。. 的な学習の様相を読み解くことは児童理解ととも. 次に児童Bの自力解決の交流場面を見てみる. に教師の授業力向上にも役立つと思われる。. と,まず・つぎに・そして・だからという表現. 241.

(15) 村上 兼人・橋本 忠和. 3-4 教師へのアンケートから. グラフから読み解いてみると,15年以下の教員は. 小学校現場教員(53人)へのアンケートによる. あまり数学的な表記を活用したコミュニケーショ. と,算数の授業をしやすいと思っている教師と,. ンを取り入れた授業づくりの仕方を理解していな. 算数の指導が好きな教師は,図8が示すように少. いようである。一方,経験年数が高いほど算数の. なくないのが現状である。ところが,数学的コミュ. 授業における児童間のコミュニケーションを活用. ニケーションに関してはそれを認知しているのは. し,成果を上げているようである。このことから. 約11%(6人)に過ぎなかった。. 教員の世代間のコミュニケーションに関わる授業 技術の伝達が巧くいっていないことが読み取れ る。その意義が分かっていながらも授業で活用で きない背景の一つといえる。. 4 まとめ 4-1 定義と意義の整理 4-1-1 定義に関して 数学的な表現を使ったコミュニケーションにつ 図9 教師の算数の授業に対するイメージ (数字は人数). いては位置づけられているが,言語活動や社会的 領域の表記がないため,その意図を教師が把握で. 教師の約58%が算数の授業の中で協同・協働的. きないと思われる。. な学習を取り入れている。また,先の筆者の授業. そこで,この改善点を具現化すると以下のよう. の授業事例のように算数における数学的な表記を. な数学的コミュニケーションの定義が考えられる。. 活用したコミュニケーションは協同的な学習を促. 「数学的コミュニケーションとは,数理的な事. 進し,児童の思考も深めるという意義があるのに. 象に関わるコミュニケーションであり,また,. もかかわらず,数学的コミュニケーションの理解. 算数数学の表現や言語を使用して個々の数学的. と授業実践への活用に教師が二の足を踏んでいる. 思考を深めるコミュニケーションのことであ. というのはなぜだろうか。. る。」 4-1-2 意義に関して 数学的コミュニケーションが及ぼす共同性,協 同性と創造性についての効果は認識されているよ うであるが,アンケート等によると授業での活用 までは至っていないのが現状である。したがって, 意義を授業の中で具現化するために,例えば,先 行事例で活用したノートによる数学的コミュニ ケーションの様相の読み取り,促進の手法等を整. 図10 経験年数と数学的コミュニケーション等に対 する認知度(数値は4段階 よく知っている= 4,まあまあ=3,少し=2,全く知らない=1). 理し教育現場の若手に伝えることは一つの手立て になると考える。 4-2 今後の課題 ただ,数学的コミュニケーションの意義を意識. その手がかりを図9の経験年数と数学的コミュ. しつつ授業の中で生かすようにするためには以下. ニケーション及び数学的な表記に関する認知度の. のような今後の研究への課題点が見い出せる。. 242.

(16) 数学的コミュニケーションの定義と意義に関する基礎的研究. ①発達の段階をふまえた数学的コミュニケーショ ンの設定 教員アンケートの中には,数学的コミュニケー. 12)文部科学省,2008『小学校学習指導要領解説』 ,p.9 13)中央教育審議会,2008「幼稚園,小学校,中学校, 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善につ いて(答申) 」. ションを授業に位置づけるにあたって, 「低位の. 14)前掲 『小学校における算数の指導に関するアンケート』. 子と上位の子に教育効果をもたらすことに不安が. 15)斎藤喜博,1964『授業の展開』 ,国土社,p.67. ある」 ,といった発達に応じたねらいや活用法を. 16)波多野完治編,1963『授業方法の科学4』 ,国土社,. 考慮した数学的コミュニケーションの設定が必要 になってくる。 ②数学的コミュニケーションへの評価 数学的コミュニケーションを効果的に授業に位 置づけるためには,どれだけのパフォーマンスを 期待するのか,それを読み解く手順=評価法が必 要となってくると思われる。 今後,この見出した課題解決に継続的に挑んで いきたい。. p.144 17)同上 18)数学教育学研究会,2010『新訂 算数教育の理論と 実際』 ,聖文新社,p.28 19)上書,p.31 20)数学教育学研究会,2006『算数教育の理論と実際』, 聖文新社,pp.32-33 21)文部科学省,2015『初等教育資料』,№930,東洋館 出版社,p.70 22)数学教育学研究会,2006『算数教育の理論と実際』, 聖文新社,pp.50-51 23)文部科学省,2015『初等教育資料』,№930,東洋館 出版社,pp.72-73. 註 1)金本良通,2014『数学的コミュニケーションを展開 する授業構成原理』,教育出版,p.52 2)中央教育審議会,教育課程部会,教育課程企画特別 部会『次期学習指導要領改訂に向けたこれまでの審議 のまとめ』,p.39 3)金本良通,1998『数学的コミュニケーション能力の 育成』,明治図書,p.19 4)2016年8月4日実施,北海道教育大学函館校免許更 新講習において実施された教職員53名対象とした『小 学校における算数の指導に関するアンケート』 5)教育課程企画特別部会,2015『論点整理』,p.11. 6)教 育 課 程 部 会 算 数・ 数 学 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ. 2016. 「算数・数学ワーキンググループにおけるこれま での議論のとりまとめ(案)」,p.10 7)アンケート項目の関連性を見るために相関係数を計 算した。その結果,「数学的コミュニケーションを知っ ている」と「数学的表現を知っている」の間には,有 意な正の相関が見られた(r=0.72,F=62.60,df1= 51,p<.01)。相関の強さは強い。 8)前掲書,教育課程部会算数・数学ワーキンググルー プ,資料3 9)国立教育政策研究所編,2016『国研ライブラリー 資質・能力理論編』,東洋館出版社,p.191 10)同上 11)金 本 良 通,2012『 板 書 & ノ ー ト 指 導 例 満 載! 表 現 力・コミュニケーション能力を育てる算数授業』,明治 図書. 24)上書,p.72 25)文部科学省,1989『小学校指導要領解説 算数編』, p.194 26)上書,p.179 27)同上 28)文部科学省,2015『初等教育資料』,№930,東洋館 出版社,p.73 29)文部科学省,1999『小学校指導要領解説 算数編』, pp.14-15 30)上書,p.14 31)上書,p.15 32)数学教育学研究会,2006『算数教育の理論と実際』, 聖文新社,p.170 33)文部科学省,2008『小学校指導要領解説 算数編』, p.91 34)上書,p.146 35)上書,p.19 36)同上 37)国立教育政策研究所,2015『平成27年度全国学力・ 学習状況調査の結果について(概要) 』 ,p.4 38)文部科学省,2015『教育課程企画特別部会論点整 理』 ,p.6 39)上書,p.8 40)文部科学省,2008『小学校学習指導要領解説』 ,p.9 41)前掲書,数学教育学研究会『新訂 算数教育の理論 と実際』 ,p.73 42)同上 43)上書,p.74 44)上書,p.75. 243.

(17) 村上 兼人・橋本 忠和. 45)前掲書,金本良通,『数学的コミュニケーションを展 開する授業構成原理』,p.3 46)上書,p.15 47)上書,p.39 48)前掲書,金本良通,『数学的コミュニケーション能力 の育成』,p.21 49)上書,p.18-21 50)文部科学省,2008『小学校学習指導要領解説』,p.188 51)日本教科教育学会編,2016『今なぜ,教科教育なの か―教科の本質を踏まえた授業づくり―』,p.50 52)上書,p.53 53)上書,p.54 54)中原忠男,1999『構成的アプローチによる算数の新 しい授業づくり』,東洋館出版社,p.23 55)同上 56)同上 57)同上 58)上書,p.27 59)同上 60)新算数教育研究会,1998『新しい算数研究1月号』 , 東洋館出版社,p.6 61)前掲書,数学教育学研究会,『新訂 算数教育の理論 と実際』,p.73 62)前掲書,江森,p.46 63)前掲書,日本教科教育学会編,『今なぜ,教科教育な のか―教科の本質を踏まえた授業づくり―』,p.50 64)前掲書,金本,『数学的コミュニケーションを展開す る授業構成原理』,p.39 65)上書,p.2 66)上書,p.15 67)上書,p.20 68)上書,p.3 69)上書,p.54 70)2016年7月21日(木)に函館市立の公立小学校3年 生17名に実施した「1学期の算数学習についてのアン ケート」. (村上 兼人 函館校大学院生) (橋本 忠和 函館校教授) . 244.

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参照

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