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魚肉の鮮度低下に伴う“チロシン値”の変化について - III : フェノール試薬法による測定値の意義

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(1)

魚肉の鮮度低下に伴う“チロシン値”の変化につい

て - III : フェノール試薬法による測定値の意義

著者

太田 冬雄, 西元 諄一, 城井 達夫

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要

5

ページ

140-147

発行年

1956-12-30

別言語のタイトル

On the Variation of “Tyrosine Value” in the

Decrease of Fish-Muscle Freshness-III :

Elucidation of Estimation-Value by Phenol

Reagent Method

(2)

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魚 肉 の 鮮 度 低 下 に 伴 う “ チ ロ シ ン 値 ”

の 変 化 に つ い て − Ⅲ *

− フ ェ ノ ー ル 試 薬 法 に よ る 測 定 値 の 意 義 一 一

太 田 冬 雄 ・ 西 元 諒 一 ・ 城 井 達 夫 OntheVariationof‘‘TyrosineValue,’inthe DecreaseofFish-MuscleFreshness-III -ElucidationofEstimation-Valueby PhenolReagentMethod-FuyuoOTA,Jun'ichiNIsHIMoToandTatsuoKII 先に著者らは,魚肉の鮮度指標としてのチロシン値の特徴を発展させる目的から,数種魚肉の 鮮度変化にこの方法を応.用し,初期腐敗以前の過程では,アンモニアよりも明瞭な段階的な変化 を示し,且つ初期腐敗時の数値とほぼ一定の範囲を:示すことから,初期腐敗以前の判定に役立つ であろうし,更にそれが蛋白分解の程度を示すならその意味での品質判定に有効であろう事を 報告したI〕、叉その後キサントプロテイン反応をチロシン値の測定に応‘用し,従来のフェノー ル試薬法による測定値との比較を行い,キサントフ.ロテイン法によった値(XV)は殆どがフェ ノール試薬法によった値(PV)より低く,従ってチロシン量としてはXVがより実際に近い事 を見,一方チロシン量を蛋白分解の目安とする限りPVは魚種その他によって蛋白分解度を 示さない場合のあることを指摘した2). そこで今回は,上述の推察に基きこのPVが事実どの程度,蛋白分解度としてのチロシンの 離脱を示すものであるか,且つその変化が主として細菌によるものか,或は肉質自身の作用によ るものであるか,そして叉XVと共に之らが実際に適用される為には,どの様な規準が必要で あるか等を知る目的でこの実験を行った.その結果,上述の諸点は,魚種によって相異し,従 ってその測定値の示す意義及び適用規準も自ら異なるべき事を明らかにする事ができた. 実 験 実 験 方 法 新鮮な各種魚類の肉質を細砕し,各半量はそのまま(自然区),他の半量にはクロロホルム・ト ルオール混液(1:4)を5%量加え充分混合防腐状態として密封(防腐区),秋から冬の室温に放 置,その間のアンモニア量をネスラー法3),チロシン値をフェノール試薬法'),及びキサントプロ テイン法2)で定量し,夫/ミ『の変化を追跡した. アンモニアを定量したのは,防腐が充分であるかどうか(魚肉組織の作用の承ではアンモニア は殆ど全く生成されないといわれる)を確かめる為と,一つにはチロシン値の変化の傾向に対比 し,同時にチロシン値の初期腐敗相当量を推定する為で,その規準量としては,従来の揮発性塩 基或はトリメチルアミンの場合の限界量4)叉は著者らの結果5)等から一応20mg%とした. *本報の大要は,日水学会(東京,1954.4)にて発表した.

(3)

太田冬雄・西元諒一・城井達夫:. 魚肉の鮮度低下に伴う“チロシン値,,の変化について(Ⅲ) 141 尚前述した様に,夫々の方法によったチロシン値はPV,XV,叉その防腐区の値はPV,XV として路示した. 結 果 1−イワシ,アジ,ボラを用い,8∼20℃の室温に放置した場.合の結果が,Figs、1∼3で ある. 先ず,イワシの場爾合について見ると,PV,XV,PV及びXVの変化は,いずれも同様の傾 向で,鮮度低下の当初より段階的に増加し,アンモニアのそれよりも急激であるが,初期腐敗以 後では反対にアンモーアが急激となる.且つ之を量的に見ると,Pv,Pvの初期腐敗時相当 量(以下相当量と略称),従ってそれまでの増加量(増加量と略称)は殆ど全く等しく,一方XV, xvでは前者の増加量が後者より幾分高いが,共にPv等のそれに近い 吹にアジの場‘合は,Pvのアンモーアに対する傾向は,イワシの場・合と同様であるが,その当 初量及び相当量はかなり低く,叉他のPV,XV,XV等の変化も大部異なり,鮮度が低下しても 遥かに緩漫な増加をなすに過ぎない 即ち,PVの当初量,増加量は前のイワシの場合とほぼ同様であるが,他のPV,XV,XVの増 加量はいずれも少なく,Pvの増加量の半ばにも達せずイワシの場合とは著しく異っている. 叉ボラでは各値のレベルは幾分低いが,その傾向は殆どアジの場合に似て,PV,XV,XVの 増加量はPVの半ば以下に過ぎない II−サバ,タイ,イカを用い,7∼17℃の室温に放置した場"合の結果がFigs、4∼6である. 即ちサバの場葱合の各数値は夫々多少の差はあるが,いずれも放置時間と共に段階的に増加し, しかも各値の増加量も殆ど等しく,前実験のイワシの場合に似ている.叉タイの場合では,夫々 の傾向は大凡前述のボラの場合に似,各値の量的関係も殆ど同様である.孜にイカの場・合では, m 9 % m g 影

傷雲忍= Storagetimeindavs Fig、1.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofS”。j”α”g/α"Cs〃cメa duringstorageat8-20°C. 60 (型aajl) 5Ⅱ ・10 _ ハⅡ 20 10 1 2 3 . & Storagetimeindays Fig、2.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofTγαc〃γz‘sノα加"jcz‘s duringstorageat8-20℃.、Each symbolisthesameasinFi9.1.

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30 鹿 完 島 大 学 水 産 学 部 紀 要 第 5 巻 創 基 十 周 年 記 念 号 一 コ 142 アンモーア,PVは共に急激な増加を示すが,他はそれよりもかなり緩漫で,特にPVは変化が 少なく,タイ等に似ている.が,一方各値のレベルはかなり高く,イワシ等に似,全体としてはい ず れ と も つ か な い III−キハダマグロ,ブリを用い,6∼14℃に放置した場・合の結果がFig.7及び8である.之 によると前者では,PVは段階的に増すが,PVはやや緩漫で,一方XV,XVもかなり腐敗 するまでは殆ど同様の数値で比較的緩漫に増加し,PVの増加量も他のそれよりは遥かに多く, m 9 % 廷 二 二 コ − − 80 (00唾a8aba) m貨妬 70 2 3 4 01(Ⅲ…ra)ノ 4 60 の⑪ 0 50 [ ア ー 一 ⑨ 40 ] 1 2 : 1 4 5 Storagetirneindays Fig、5.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofPagγCs獅認s”の”● duringstorageat7-16.5℃・Each symbolisthesameasinFig、1. Storagetimeindays Fig、6.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofD”タノ”Z〃s6ノecル〃# duringstorageat7-16.5℃・Each symbolisthesameasinFig、1. 4 20 Ⅱ 10 Storagetimeindays Fig、3.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofM沈gjノceP加ノz‘s duringstorageat8-20℃・Each symbolisthesameasinFi9.1. 1 2 洲 ・ も 6 〕 Storagetimeindays Fig、4.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofSco加6〃TaPgj"oceP加ノ"s duringstorageat7-17℃・Each symbolisthesameasinFi9.1. m 質 % (uatal) m R % 0 ⑫ ⑨

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太田冬雄・西元諒一・城井達夫: 魚肉の鮮度低下に伴う“チロシン値,,の変化について(Ⅲ) 143

且つXV,XVのレベルは共に低くボラ等に似ている.しかしPVのレベルが著しく高く,この

点ではむしろイワシ等に類似し,特徴的である.叉後者の場合は,各変化はやや急激であるが,

傾向としては前者に似ている.しかしXV,XVの増加量はPVのそれに殆ど一致し,この点

ではイワシ等に類似し,一方Pγの増加量が意外に少なく,且つXVのレベルがイワシ,サバ

等に比し遥かに低く,結局上述のいずれの魚種の場,合とも異なっている.

IV−メパチ,メカジキについての結果(放置温度,8∼18℃)がFig.9及び10である.即ち

メパチの変化は,XVがかなり段階的に急激に増加する点を除けば,大凡前項のキハダマグロ

の場合に類似している.叉メカジキの場合は,一目他のこれまでの例と異なっている事が観察

される.即ち各値は極めて緩い変化をたどり,アンモニアの初期腐敗への到達もかなりおそ

m 9 % Storagetimeinhours Fig、7.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofⅣeoZ〃”""s"αcγoが”zJs duringstorageat6-14℃・Eachsymbol isthesameasinFig、1. m慎弔 Storagetimeinhours Fig、9.Developmentoftyrosinevalues inmusclesofPαγα#〃"""ssj6j duringstorageat8-18°C・Each symbolisthesameasinFig、1. m貨影 5Ⅱ (Burl) 4Ⅱ 郡) 20 10 4 0 B O I 2 0 1 6 0 2 伽 ) Storagetimeinhours Fig、8.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofS〃joγα9””9W2α虚αノa duringstorageat6-14℃・Eachsymbol isthesameasinFi9.1. mg妬 ‘ 0 1 判I 30 20 (Xekajlkl) r ・ 10

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狐 1 8 0 1 2 0 1 0 0 2 0 U Storagetimeinhours, Fig.10.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofXツカルrjasgノ”畑s duringstorageat8-18℃・Each symbolisthesameasinFi9.1.

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144 鹿児島大学水産学部紀要第5巻創基十周年記念号 叫御; ’11 IZt、yor1) 、 ◎

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聖 U ・ 0 0 、 6 1 1 3 0 1 , , l 2 I I 】 4 Ⅱ Storagetimeinhours Fig、11.Developmentoftyrosinevalues inmuscleofEz"〃oが”o"α""gα〃" duringstorageatl4-18oC・Eachsymbol isthesameasinFig.L’ いしかも各増加量は殆ど等しく,この点で

はイワシ,サバ等の傾向に似ているが,一方

夫々のレベルはいずれも甚だ低く,むしろボ

ラ等のそれに過ぎず,結局この魚種も他とは

異っている. V−イトヨリについての結果(放置温度,

14∼18°C)がFig.11で,その傾向は初期腐

敗後のXVがやや段階的ではあるが,全体と

して前述のボラ,タイの場合に似てをり,各値

のレベルも低く,PVの増加量に対する他の

それも半ば若しくはそれ以下に過ぎない

考 察

1)魚肉を自然放置した場.合の変化を見ると,その変化の程度は魚種によって相異するが,い

ずれも放置時間と共に漸増し初期腐敗頃より急激となる.しかし防腐状態ではいずれも殆ど全

く増加しない従ってアンモーアが,鮮度指標としての意義を持ち得る事はいうまでもなく,一

方従来組織作用のみではアンモニアは殆ど全く生成されないといわれる事.とも一致し,次項以

下記載の防腐区におけるチロシン値の変化は組織作用の結果と考えてよいと思う.

尤も鮮度指標としては量的な問題が重要であるが,本実験の結果から見ると,その当初量は

5∼16mg%,大部分は10mg%前後である.故に一般にこの程度がアンモニアの新鮮時含量

と見てよいであろう.叉初期腐敗量は,その生成状況や,先に実験方法の項で述べた様な点か

ら,20mg%とするのが適当ではないかと思われるが,漁獲直後でもかなりの量を含む場・合の

あり得る事が報告されの,叉本実験の結果でも一般に白色魚肉の当初量が赤色魚肉のそれより

も低い傾向が見られるので,之については,更に次の機会に検討したい

2)PV,XV共にいずれの魚種においても,鮮度低下に伴って増加するが,PVの方がより

段階的でXVでは魚種により緩漫な場・合があり,初期腐敗以前の鮮度の段階がアンモニアによ

るよりもPVに於て明瞭であろうとした前報'〕での推察と一致する.従って鮮度指標として

はPVがXVよりも適当な事になる.しかしその数値は殆どいずれの場合もXVよりも高く

種類によっては著しく差があり,この値にはチロシン以外のものの大きく加わっている事:が明

らかで,チロシンを対象とする意味では,XVがより実際量に近いものと考えられ,この点も前

報2)での結果と一致する.

3)次に之らの変化の傾向を防腐状態のそれに比較して見ると,その関係は明らかに魚種に

よって相異するが,之が雑然としてではなくある程度の群別の特色をもっている事が分る.即

ちその顕著な一つは,イワシ,サバ等の赤色魚肉の場合であって,これらのPV,XV,PV及び

Xvはいずれも鮮度低下と共にかなり明瞭に,しかも殆ど同様の数値で増加し,且つ各増加量も

殆ど等しく,結局この事は之らの魚種におけるPVの内容がXVのそれと殆ど同様で,つまり

チロシンを主体とするものであり,しかも之が主として組織酵素の作用即ち自己分解によった

ものである事を意味すると考えられる.従ってこの場合のPvは自己分解による蛋白分解度を

示していると考えてよいであろう.

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太田冬雄・西元諒一・城井達夫: 魚肉の鮮度低下に伴う“チロシン値”の変化について(Ⅲ) 145

そしてもう一つの顕著なグループは,タイ,ボラ,イトヨリ等の白色肉の場圃合で,その変化は,

PVはかなり段階的に増すが,他のXV,Py,XVは共に緩漫な増加をなすに過ぎず,PVの増

加量に対する他のそれは半ば若しくはそれ以下で低く,結局この事は之らの魚種におけるPv

の示す内容が,XVとはかなり異なったものを含承,つまり過半はチロシンでなく,しかもそれ

が主として細菌の作用によったものである事を示すものと考えられる.そして同時に之らの群

別の差異が,主としてその自己分解作.用の強弱によるものである事が当然考えられる.

しかし他の大型の魚種では,必らずしも単純でなく,キハダマグロ,メバチの場合は赤色肉で

はあっても,この類の変化の傾向は前のタイの場合に似,従ってその鮮度低下におけるPVの意

義も同様に考えてよいのであるが,後述の様に之らグループのPvのレベルは共に前のタイ等

の場合に比し著しく高く,むしろイワシ等に似た数値を示し前述の群とは異なっていると考え

られる.尚イカの変化も之らに類似している様に思われる.叉ブリではPVの増加量がXV,

XVのそれより遥かに低く,XVを主としてチロシンとすることが不合理となり,それ以外の

ものを示すことが考えられ,叉メカジキにしても,PV,XV共に甚だしベルが低く,しかも変化

が著しく緩漫で,肉質が分解変化し難いものと考えられ夫々異っており,少くも之らの魚種にお

けるPVがチロシンを主体とするものでなく,且つ之が主として細菌作用によったものであろ

う事だけはいえそうであるが,単に白色肉,赤色肉といった程度では特徴づけ難く,夫々異なっ

た性状をもつものと考えられる.

4)更にPV,XVの当初量及び初期腐敗相当量は,共に魚種によってかなり相異するが,群

別にはほぼ一定の傾向が見られる.即ちボラ,タイ,イトヨリ等の白色系のものは,PVは当初

量10,9%以下,相当量20∼25mg%で共に他の魚種に比し低く,叉そのXVも5,9%以

下,相当量凡そ10∼15mg%で同様に他の種類より低い一方イワシ,サバ,キハダマグロ,メ

バチ,ブリ等の赤色肉,及びイカは当初量20∼30mg%,相当量35,9%以上で前のグループ

よりかなり高いただXVでは,イワシ,サバ,イカ等は当初15,9%以上,相当量40,9%

以上で共に高いが,キハダ,ブリ等の大型魚は当初5mg%前後,相当量は大凡20mg%で一

般に低く異なっている.叉メカジキは,PV,XV共に著しく低く,タイ等に類似している.こ

の様な傾向は,PVについての前報の結果にも見られたが'),その中でカマス,キス等がむしろ

イワシ,サバ等に近い数値として示されたのは,之らが白色魚肉ではあってもタイ等とちがった

グループとして考えられるべきものと思われる.

しかも之らの群別の相異が,前述のPV,XVの変化の傾向に基く群別と殆ど一致し,之ら群

別の性状の特徴が窺われる.

従って,PV,XVを鮮度指標とする為には,この様な群別に対する規準に於て為されるべき

であり,同時にその値の示す意義に於て利用されるべきものと考えられる.この事は鮮度判定

指標としての不便さを示す事:にはなったが,一方之らの相異が,夫々の魚肉の性状の差異によっ

て表われたものとして注目され,特に大型魚の性状が,他とはかなり異なり且つその各々が叉異

なったものであり,従って鮮度変化にも影響していることが考えられ,関心が持たれる.

総 括 魚肉の鮮度指標としてのチ風シン値を,従来のフェノール試薬法及びキサントプロテイン法 によって測定し,夫々の変化を魚種別に比較検討し,その示す意義と実際に適用される場合の規 準を求めた.

(8)

146 鹿兇島大学水産学部紀要第5巻創基十周年記念号 1)PV,XVは共に鮮度の低下によって増加するが,その傾向はPVがより段階的である. しかしその値は,XVよりも高くチロシン以外のものの参加が考えられ,従ってXVは,より 実際のチロシン量に近いものと推察される. 2)PV,XVの変化の傾向及び夫々の値は,魚群別に特色が見られる.即ち,イワシ,サバ等 では,PV,XV及び夫々の防腐区の値も共に同様の傾向で増加し,従ってこの類のPVは,チ ロシンを主体とし,しかも之が自己分解によったものと考えられる.且つこの類のチロシン値 のレベルは,他のそれよりも高い. 叉タイ,イトヨリ等では,PVは段階的に増すが,他の値の変化はいずれも緩漫で,この場合 のPVの過半はチロシン以外のものと思われ,しかも之が細菌作用によったものと考えられ る.且つこの類のチロシン値のレベルは一般に低い. ヌマグロ類,ブリ等での変化は,タイ等の場合に似た傾向であるが,その値の程度は,PV,XV に於て,叉魚種によって夫々異なり,上述のいずれとも異なる‘性状をもつものと推察される. 従って,PV,XVを鮮度判定の指標とするためには,性状の類似する魚群別の規準において, 叉その値の示す意義において利用されるべきものと考えられる. 終りに,本実験の一部に使用した活性炭を提供された武田薬品K、K、,及びその御斡旋の労を 賜わった本学高田教授に感謝の意を表する. R6sumも Theauthorsexaminedonthevariationoftyrosinevalueduringspoilageof manyspeciesoffish,usingboththeusualmethodwithphenolreagentandthe methodbasedonxanthoproteinreaction,inordertoIelucidatethesignificanceof tyrosinevalueandthescalewithwhichthefish-qualityistobemeasured・Results Qbtainedwereasfollows: (1)BothP.V・andX.V・(showingtyrosinevalueestimatedbyphenolreagent methodandbythexanthoproteinmethod;thefollowingisthesame.)increased withtheloweringoffish-freshness,andtheincreasingrateoftheformerwas moregradualthanthatofthelatter,butthevalueoftheformerwashigherthan thelatterorwasnearlythesame・ Thus,X、V・wasconsideredtorepresentmoreapproximatetyrosine、quantityin fishmusclethanP.V、 (2)ThevariationandthevaluelevelsofP.V・andX.V・variedwiththe

groupsoffishspecies・Namely,

i)Inthecaseofredfleshfish(suchassardine,mackerel),bothP.V・and X.V・incrcasedsimilarlyineitherantisepticizedorun-treatedconditions・ Therfore,theseP.V・werepresumedtobeconsistedalmostwhollyoftyrosine producedbyautolyticaction・Andtheleveloftyrosinevalueofthesefishesat bothfreshandincipientspoilagestages,washigherthanthatoftheothers.

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太田冬雄・西元諒一・城井達夫:

魚肉の鮮度低下に伴う“チロシン値,,の変化について(Ⅲ)

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groupsoffishspeciessimilarinthenatureofmuscle.

文 献

1)太田冬雄,鯵坂比呂志:本誌.’3(1),98−102(1953)

2)太田冬雄,西元諒一:本誌,3(2),33−37(1954)

3)太田冬雄:日水誌,17,309−312(1951)

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5)太田冬唯,鯵坂比呂志:本誌,5,134−139(1956)

6)天野慶之,尾藤方通,河端俊治:日水誌.,19,487−498(1953)

参照

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