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自然環境と開発ポテンシャルB : 環境保全型自立産業としての農業生産

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Academic year: 2021

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自然環境と開発ポテンシャルB : 環境保全型自立産

業としての農業生産

著者

菅沼 俊彦

雑誌名

奄美ニューズレター

1

ページ

9-10

URL

http://hdl.handle.net/10232/17442

(2)

No.12003年12月号 ユーズレター 奄美

■特集:研究プロジェクト:研究グループ紹介

自然環境と開発ポテンシャルB

-環境保全型自立産業としての農業生産一

研究グループ代表 菅沼俊彦(鹿児島大学農学部)

奄美諸島などの鹿児島県離島地域は、本土として残る種子島紫などのような新しい機能

をもつサツマイモ、早期出荷用ジャガイモ、

軽薑用ダイジョなどの根菜類について、環境

に優しい生産方法を通して、かつ安全な食糧

の供給が達成できるよう技術開発する計画で

ある。すなわち、従来の病害虫を一括殺傷す

る散布型の農薬ではなく、成熟期のオス虫を

標的とする』性フェロモンによる捕獲を手段と

する周囲の環境を汚染しない栽培管理法など の評価を試みる。そして、安全で健全なサツ マイモなどの根菜類を供給できる技術を提供 または推奨することを目的とする。具体的に は以下の3分野について連携をとりながら進 めていく。

とは異なる温暖な気候を持ち、美しい海岸線

など離島特有の優れた景観があり、世界自然

遺産に登録された屋久島に代表されるように 生物多様性保全の視点からも世界的に重要な 地域として認められている。したがって、そ の中で人々の暮らしを支える産業としては、 これらの優れた自然や景観の調和や保全を図 るものでなければならない。自然と共生する 環境保全型農業が期待される所以である。 従来、サトウキビは、奄美にとって重要な 基幹作物である。インドからベトナム、中国を 経て、慶長15年(1610)に奄美大島に渡ってき た。それ以来、奄美諸島や琉球は地理的条件 がサトウキビ栽培に適していたことから、主 な産地となった。そして、幕末の島津藩の軍 事力を財政面で支えてきた。しかし、現在で は、生産原価が高くつき、精糖原料としては 国際競争力がないので、差額が政府によって 補助される典型的な保護型農作物になってい る。近年、サトウキビにかわる栽培植物とし て、マンゴーなどの果樹栽培が普及しつつあ るが、奄美諸島は台風に頻繁に襲われるので、 サトウキビと同様に倒木や潮風害の被害を受 けやすく、主要産業とはなっていない。 すなわち、従来の保護型農業サトウキビ生 産にかわる自立型農業生産が期待されている が、上記のサトウキビ、果樹それにコメのよ うな地上作物は、台風や干ばつなどに対して 被害が甚大になりがちである。しかし、収穫 物が地下に成る根菜類(イモ類)にはそれら 天災に対して抵抗』性があり、島唄圏に適した 栽培植物である。そこで、島喚地域に在来種 ①奄美大島における塊根、塊茎作物栽培 (分担遠城道雄) 奄美大島では近年、その温暖な気候を活かし て、熱帯果樹やスモモなどの栽培が盛んにな りつつある。一方で、台風被害を最小限に抑 える必要』性も回避できない問題である。この 観点から、早期ジャガイモ栽培やダイジョ栽 培などの可能,性が考えられる。そこで本研究 では、同島におけるサツマイモ、ジャガイモ、 サトイモ、ヤムイモなど塊根・塊茎作物の栽 培の現状を調査し、その問題点を明らかにす るとともに、今後の可能』性を検討する。その ために、まずこれら作物の栽培状況データ(品 種名、具体的栽培方法など)を、聞き取りと 圃場視察などにより収集し、併せて栽培土壌 のサンプリングを行い、それを分析する。ま たサトイモ、ヤムイモなどは、家庭菜園規模 でも栽培されていると考えられる。この場合 9

(3)

奄美ニューズレター No.12003年12月 号 1土地域に適応した系統が選択されている可能 `性が高いため、これら系統も収集し、その特 `性を調査する。 できない場合がある。当研究室では、フラノ テルペン類の定量法並びにイポメマロン標品 を持っているので、まず、傷害サツマイモが

生成するそれらファイトアレキシンを指標と

してサツマイモの品質評価を行う。 ②脱農薬型の根菜類の栽培管理(分担 津田勝男) サツマイモは根菜類ではジャガイモ、キャ ッサバに次ぐ世界第3位の栽培面積がある。 高温適応'性が強く栽培も容易で収量も多いう えに栄養価が高いにもかかわらず栽培は拡大 していない。この阻害要因は害虫、特にアリ モドキゾウムシおよびイモゾウムシである。 これらの害虫に食害されたイモは苦味物質を 産生するため、生食はもちろん飼料、加工原 料にも利用できない。食料難に苦しむ発展途 上国で普及が進まないのはゾウムシの被害に よるところが大きい。これらの被害を防ぐた めには頻繁な農薬散布が必要であるが、十分 な効果は得られていない。また、頻繁な農薬 散布は生態系の攪乱など環境に対する悪影響 が懸念される。一方、農薬に代わる方法とし て、フェロモンの利用、不妊虫放飼による遺 伝的防除が試みられている。本研究では、こ れらの脱農薬型の新しい害虫防除法について、 その有効`性を評価し安全かつ安定した食料生 産の確立をはかる。 奄美諸島で見られる害虫アリモFキゾウムシ と被害サツマイモ ③島喚根菜類の品質評価(分担菅沼俊 彦) サツマイモは一般にアリモドキゾウムシな どの虫害や、黒班病菌などの病原菌に感染す ると生体防御反応を生じ、イポメアマロンに 代表されるフラノテルペン類など二次代謝物 (ファイトアレキシン)を生成する。そのよ うな被害サツマイモは独特の臭気を持ち、強 烈な苦味を呈するために商品価値がゼロにな る。また、収穫後の取り扱いも大切で、打撲 や擦り傷を受けると品質劣化の引き金となり やすい。健全イモかどうかの判断は外観だけ では限界があり、化学分析に供しないと判断 10

参照

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