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フランソワーズ・サガンの Le miroir égaré についての一考察 : サガンの最後の小説作品を読む

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Academic year: 2021

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(1)23. フ ラ ンソワ ー ズ ・ サ ガ ンの. Lι. についての一考察. Jr ttα だ. 所. “. ― ― サ ガ ンの 最 後 の 小 説作 品 を読 む― ―. 西. 岡. 杏. 奈. が,後 半生 ではと りわけバ イセクシユアル と薬物依存 は. め. とギャンブルが取 りざたされてい る。 しか し私生活 で. に. はさまざまなことが変わっていった ものの,彼 女が作 (1996)『 失 われた鏡』 2004 “ 年に この世 を去ったフラ ンソワーズ・サ ガンの現在出. 風 を極端に変えるとい うことはつい になかった。. 版 されてい る最後 の小説作品である。. 生活 と作品 との間に密接 なかかわ りを持 たせ る,い わ. 小説,Lι. j“ jr ttα だ. 1)は. 本稿 で取 り上げる 『失 われた鏡』 を読んでみると私. (1954)か ら 40年 あまりの時 を経たのちに出版 された. ば私小説 のようなものでは一切 ないことが分かる。サ ガンは 『ス ウェーデ ンの城』 とい う戯曲の続編 として. この小説はどのような物語なのだろうか。ちなみに こ. 『心 の青あざ』 とい う作品 を書 い てい るが,こ れは一. の作品は 日本語ではまだ出版 されてい ないため,本 稿. 章 ごとに物語 と自分 の独 自が交互 に展開す るとい う形. における使用テクス トか らの引用の 日本語訳は著者 に. 態 の ものになってい る。 これ以外 の小説作品で彼女が. よるものである。なお,サ ガンの 『失われた鏡』 の執 筆時の私生活 の様子や,文 体分析 についての箇所 は今. 直接 自分 の考えをあか らさまに出す ことはなか った。. サ ガ ンを一躍有 名 に した 『悲 しみ よこんにちは』. θαJJ“ rθ 『サガ ン 疾走する生』 を大 い 回 Sα gα んa″ θ′ “ に参考にさせていただいたことをここに明記 してお き たい。. 『失 われた鏡』 にはサ ガンの好 きだ った演劇 の世界 が背景 として使 われてい る。彼女 自身,戯 曲をい くつ か発表 してい る し実際上演 されてい る。映画やテ レビ 用 のシナ リオも手掛けていた。以前私 はサガンの作品. サ ガンの死後,フ ラ ンスでは続 々 と彼女に関する著. と賭 けの遊 びについて論文を書 いたのだが,サ ガンに. 作が出版 されてい る。それはお もに「サ ガン伝説」 と. とっては演劇 を上演するとい うことも一種 の賭けなの. いわれるものを追究するとい うものが多 い。つ まり作. だ。チームで長 い時間をかけて熟考 し,作 り上げた も. 品その もの よ りもサ ガンの伝説の始 ま りとなった 『悲. のであ って も観客 の気分次第で幕が開いた瞬間に,労. しみ よこんにちは』 以前の彼女の人生 と,こ の処女作. が報われるのか水 の泡なのかわかるとい うのは賭け と. 以降 どのような人生 を送ったのか,と い うことに焦点. 同 じだ とい うのだ。その瞬間の ドキ ドキ感はそれを味. が当て られてい る。サガ ンとい えば作品よりもまず彼. わった者 で しか分か らない。サ ガンはそ ういったライ. 女 の私生活が「商品」 として価値 のある物だった とい. ブ感のある演劇 とい うものに惹かれていた。. うことはよ く知 られてい る。富 と名声 を一気 に手に入 れた十代 の女 の子が歩む人生 に人びとはどのような波. これまでにもサ ガンは演劇界や映画界に身を置 く人 物 を数多 く作品 に登場 させてい る。オペ ラ歌手だった. 乱が待 ち受けてい るのか興味津津 で,メ デイアはこぞ. り俳優 だつた り,演 出家だった り,映 画音楽 の作 曲家. ってサ ガ ンの破天荒 な享楽的 とみえる生 活 を取 り上. だった りと様 々なパ ター ンの「芸能界」で活躍するひ. げ,本 人の意思 とは関係 な く「サ ガン伝説」 を作 り上. とび とを主人公 に して きたのだ。今 回 の 『失 われた. げてみせた。. 鏡』 もそういったサガ ンお得意の世界を中心 とした恋. それは生前か ら顕著 な動 きであ ったが,サ ガンの死. 愛 も絡めた悲劇 で もない喜劇 で もない,パ リの演劇界. 後 にはその後半生 をクローズアップする本が出て きた. を舞台 に展 開す るとあるカップルと一 人の大金持 ちの. わけだ。破天荒な人生 を送った ことで有名なサ ガンだ. 未亡人が織 りなす物語 だ。.

(2) 甲南女子大学大学 院論集 第 9号. 24. 今 回 この作 品 を取 り上 げるの は,サ ガ ンの作 品 の な. 言語 ・文学研 究編. (20H年 3月. ). 間に合 わせの よ うにイ ンタビュー集 をだす ものの. ,. かで もあ ま り注 目され る こ とが な い ため ,た だ読 んで. 売上は思 うほど伸 びなかった。新 しい「保護者」であ. み るだけではな く少 し整理 してみた い と考 え,こ の場. るイ ングリッ ドとい う女性 は大金持 ちの年老 いた男 の. を借 りて書 かせ て い ただ くことに した。深 い論考 には. 妻だった。 しか しイ ング リッ ドはペ ギーの ようにサガ. 達 して い な い か も しれ ない が ,こ の小説 の紹介 と 自分. ンを規律ある生活に導 くタイプではなかった。彼女 に. 自身に とつての今後 のサ ガ ン研究 へ の足掛 か りになれ. 借金を重ねていたサガ ンは イングリッ ドのために 『愛. │ゴ. をさが して』 を書 き,そ の印税 で借金を返すが,1994. と思 う。 これか ら,ま ず は じめ に この小 説が書 かれた背 景. ,. 年 にはそれで も埋め合わせで きないほどサガ ンの経済. つ ま りこの作 品が 出版 された当時 のサ ガ ン 自身 の様子. 状態 は悪化 していたのだ。『失われた鏡』が出版 され. が どの よ うな ものだ ったか を少 した どってみ る。それ. た 1996年 には彼女 は家賃 を切 り詰 めるために小 さい. か ら作 品そ の もの に移 り,あ らす じを紹介 させ て い た. アパ ー トヘ とヲ│っ 越 し, コカインのかわ りにメタ ドン. だ き,次 に主要 な登場 人物 につい ての 考察 を試 み ,最. とい う薬 を服用するようになる。骨粗藤症 を患 い,外. 後 に この作 品 の 文体 につい て考 えてみ た い。. 出 も困難になっていった。 J“ jr ttα だ 『失われ た鏡』が出版 “ されたのは奇跡に近 い。今回主に参考にさせていただ. とい うわけで Lι. 第一章. 奇 跡 的 な 出版. いた 『サ ガン 疾走す る生』 を見 る と,1996年 当時 1989年 にサ ガ ン と常 に一緒 に い た兄 の ジ ャ ックが. サガ ンは相当に心身 ともに相当参 っていたことがわか. 亡 くな り,そ の一 カ 月後 には母 マ リー も亡 くな った 。. る。若 いころの「 ウイスキー,車 ,夜 遊 び,カ ジノ」. そ して この二 人の死 に前後 してサ ガ ンの二 番 目の 夫 で. とい うキー ワー ドは「薬,ド ラッグ」に変わって しま. あ る ウエ ス トホ フ も亡 くな った 。 そ して 1991年 ,サ. い,さ んざんなお金の使 い方 を身 につ けて しまったサ. ガ ンは さらに とて も身近 な人物 を亡 くして い る。 それ. ガンは書かなければ生活で きない。書 くためには薬が. は一 緒 に生活 を共 に して きた元 モ デ ルで 自らの フ アッ. 必要。 しか もサ ガンに必要なのは違法な麻薬だ ったの. シ ョンブ ラ ン ドを立 ち上 げた ペ ギ ー ・ ロ ッシ ュで あ. で,手 に入れるにもお金が必要だった。 この悪循環 の. る。. なかで苦 しみなが ら出されたこの作品には,サ ガンが. サ ガ ンに とって彼女 は生 活 の リズム を正 しい もの に 導 い て くれ る必要不可 欠 な人であ り,同 じ感 覚 を共有. 以前エ ッセー集で もたびたび言及 していた「書 くこと の楽 しみ」はあったのだろうか。. で きる数少 ない 人だ った。サ ガ ン 自身 はバ イセ クシ ュ. 『サ ガン 疾走す る生』 なかで近 しい人たちへ の取. アルであ る こ とを公 表 して い なか った ものの ,サ ガ ン. 材 をもとに描かれるサガ ンの生活状態,健 康状態 か ら. の 死後 ,い わゆる暴露本 の よ うな形態 の評伝 が 多数 出. はデ ビュー当時 とは違 い次第に「書 くことの楽 しみ」. 版 され ,そ こでサ ガ ンの 私生活が公表 された の だ。サ. を噛み しめなが ら執筆活動 をする,と い う状態 ではな. ガ ン伝説 はつ ねにデ ビュー 当時 の ままで はなか ったの. くなっていったように思 われる。. であ る。『悲 しみ よこん に ちは』 の 直 後 に作 られ た伝 説 は ,ウ イ ス キ ー ,夜 遊 び ,ス ポ ー ッ カー だ と した. この結果的に最後の小説 となった 『失 われた鏡』 を 執筆中にもサ ガンは親友のフロー ラ ンス ・マルロー に. ら,新 たな もうひ とつ のサ ガ ン伝説 は,ド ラ ッグ とギ. 原稿 を託 して しまうほど,切 羽詰 まり書けない状態だ. ャ ンブル とバ イセ クシ ュ アル とい うものだ と言 えるか. ったようだ。 フロー ラ ンス も困 り,こ の原稿 を小説家 であ り共通 の親友 でったベ ル ナ ール ・ フラ ンクに託. も しれ ない 。 サ ガ ンは 1959年 に愛車 の ア ス トン ・マ ー チ ンで 九. す。彼はサ ガンが一度放棄 した この原稿 をサガ ンの文. 死 に一生 を得 た大 事故 の あ と,治 療 に使 われた薬 に依. 体 を真似 して書 こ うとしたようだが,結 局で きないこ. 存す る よ うにな って い た。 それ は処方 された薬 であ っ. とに気づ き,今 までサ ガンを作家 としてはそれほど評. たの だが ,次 第に違法 の麻薬 に手 を出 して い く。 ペ ギ. 価 して い なか った彼 もその文体 の個性 に気 づ き,驚. ー を失 った あ と,保 護者が い な くな ったサ ガ ンの心 の. き,尊 敬 したのだとい う。 とい うわけで結局サ ガンに. 空虚 は計 り知 れない が ,と にか くサ ガ ンは書 けな くな. しか仕上げることがで きない,と い うことが分か り彼. っていた。書 くた め に コ カイ ンを服用 し,コ カイ ンを. 女はおそ らく相当苦 しみなが らこの作品を仕 上げた。. 手 に入 れ るお金のため に書 かなければな らな い とい う. 人に途中で渡 して しまうほど不可能だと思われた自分. サ イクルの なか に入 り込 んで しまったの だ。. 自身が書 いた ものに再度取 り組む とい うのは,想 像以.

(3) 西岡 杏奈 :フ ラ ンソワーズ・サガ ンの Lι ガ jrを αだ についての一考察 “. 上に苦 しい ものだろ う。. クシー に も 『椿姫』 とい うこ とば を当てる こ とか らも. jr ttα だ を読 んでみる と,そ “ こにはサガ ンの持 つ魅力が変わらず発揮 され,ユ ーモ. サ ガ ンの車 に対す る愛情 や ユ ーモ アの よ うな ものが う. ア,軽 い皮肉,優 美 さなどは失われてい ない。サ ガン. そ して人物が登場す る。最初 に出て くるの は シ ビル. はこの作品 を最後に しようとは思 っていなかっただろ うが,こ の作品の前 にはサ ル トルヘ のオマー ジュか ら. とい う女性 であ る。 シ ビルはチ ェコの不遇 に して亡 く な った若 い無名 の青年劇作家 の作 品 をフラ ンス語 に翻. か今 まで触れて こなか った領域 であるレジスタンスや. 訳 し,パ リで上演 した い と思 って い る。彼女 と同棲 し. 第二次大戦 を背景 とした恋愛物語 をい くつか書 いてい. て い る 10年 来 の 恋 人 ,フ ラ ンソワ もそ の仕事 を手伝. た。それに戦争時代 を背景にした もの以外 は,主 人公. い ,こ の作 品 を上演す る ことが 目下 の二 人の 目標 であ. がガ ン告知 に悩む男性だ った りと,今 までのサ ガンの. る。 しか し二 人 には先立 つ ものが ない ため ,ス ポ ンサ. 作品か らは少 しアレンジを加えた新 しいサ ガンの作風. ー 的 な人物 を探 して い た。そ こに もう一 人の重要 な人. が見 られていた。. 物 ,ム ナが現 れ る。 ム ナ ・ヴ オジ エルはか つ てパ リで. しか し実際 に Lθ 所. かが える。. しか しこの 『失われた鏡』 ではサガ ンらしい といわ. 女優 を して い たが ドイツの ドル トム ン トの大金持 ちの. れる,パ リ,演 劇界,ジ ゴロのような男,強 く優 しい 女,現 代 でベ ルエ ポ ックを体現す る女,な どが登場 し. 実業家 に見染 め られ ,ド イツで暮 ら して い たが夫 の死 後 ,そ の 大 い な る遺 産 とと もにパ リに戻 って きて い. ていて昔なが らのサガ ンが好 きな人には「安心 して読. た。 演劇 に対す る情熱 が失 われて い ないの か ,夫 の遺. める作品」 ではないだろ うか。そ してやは り他 の作品. 産 をよ り増 やそ う と した のか ,パ リの とあ る劇場 の 共. のように,華 やかにみえる物語 の背景 にもサガ ンが常. 同経営者 になって い た。 そ こへ 夢見 るカ ップルが面会. に描 き出 して きた人間の持 つ孤独 ,喪 失感が軽 やか. に行 くのであ る。. ガンは. この往年 の女優 に面会す るため にシ ビル とフラ ンソ. エ レガンス とは軽 さだ と言 っていた。)描 き出 されて. ワの 二 人 は彼女 の所有す る劇 場 にや つて きた。 フラ ン. い る。た とえ生死 にかかわる重 々 しい主題であつて も. ソワの言 うが ままに劇場 に足 を踏み入 れた シ ビルは ま. そのまま字にするのではな く,軽 い皮肉,ユ ーモ アを. るでお化 け屋敷 ,も しくは迷路 の よ うな暗 い廊 下 を手. もって文章 にする ことがで きるのは 『悲 しみよこんに. を引 っ張 られ なが ら進 んで い く。突然彼 らの前 に鏡が. ちは』 です でに表 れていたように,作 家 としてのサガ. 現 れ る。その ごて ごて した装飾 の つい た古 めか しい鏡. ンの大 きな武器 とい える。. に映 る二 人 の姿 に見入 るシ ビルだが ,彼 女 はその鏡 に. に,つ まリサ ガンにとってはエ レガン トに. (サ. 次の章 では最後 まで小説の中では自分 らしさを失わ. 映 る 自分 たちの姿 に違和 感 を覚 える。幸せ なカ ップル. なかったサ ガンの 『失 われた鏡』 のあ らす じを見てい. とい う感 じが しなか つたのだ。 そんな シ ビルの気持 ち. くことにする。. は知 らない ままフラ ンソ ワは後 ろか らその まま シ ビル を押 し倒 して しま う。 そ の とき鏡 の奥 でぼんや りと し. 第 二 章 「 失 わ れ た作 品 」. た人影 が見 え,そ の何者 か に よつて ,フ ラ ンソ ワに と って は都合 よ く明か りが消 され る。 (フ ラ ンソワに は ム ナ の 仕業 で あ る こ とが の ちに分 か る。)そ の よ うな. この物語 のは じまりはパ リの描写 である。サ ガンは 今 までの作品のなかで も頻繁にパ リの街 を描 いてい る. 「寄 り道」 を経 て ,シ ビル とフラ ンソ ワは劇場 の 古 株. のだが ,年 を経 るごとにその描写 の仕方 は よ り複雑. 支配 人 ベ ル トミゥー氏 の待 つ リ ビングル ーム の よ うに. に,よ り深 く,時 には難解 になって きたように思 われ. 作 られた事務所 に到着 し,ベ ル トミゥー を介 して ム ナ. る。. に出会 う。 しか し実 は,フ ラ ンソワはす で に この未亡 人 に一 度. 独特 なパ リの描写 を通 り過 ぎる と,次 はタクシーの エ ンジ ンが「咳 き込 んで」止 まる瞬間を,オ ペ ラ作品. 会 って い た。 フラ ンソ ワが世話 になって い る出版社 と. である 『椿姫』 になぞ らえるとい うサガ ンらしい一節. の昼食会 で偶然顔 を合 わせ た とい う程度 の ものだ った. に出会 う。サガ ンは車に関 しては他 の作品のなかで も. が ,な ぜ 自分が シ ビルに そ の こ とを言 わないの か彼 自. 実に様 々な描写の仕方で単 なる機械 ではないのだ とい. 身分 か らなか った。 この なん とな くう しろめた い よ う. うことを繰 り返 し強調 して きた。車 とい うよ りもス ピ. な フラ ンソ ワの気持 ちは,の ちに フラ ンソ ワ とムナが. ー ドに魅せ られていた彼女 はアス トンマーチ ンやフェ. 恋仲 にな って しま う こ とへ の予感 か もしれ ない 。会談. ラー リなどのスポーツカーがお気 に入 りだったが,タ. の結果 ,ム ナは二 人が持 ち込 んだ作 品 をとて も気 に入.

(4) 甲南女子大学大学院論集第 9号. 言語 。文学研究編 (20H年 3月. ). ってはい るのだ けれ ども,フ ラ ンソ ワ,シ ビルの 共 同 ン 作 品 『にわか雨』 の上 演 は今 の段 階で は難 しい とい う. 残 して旅立って しまっていた。一人残 されたフラ ンソ. こ とになる。 この作 品 に真剣 に取 り組 んだ シ ビルはが. 余 りある時間だけが残った。. ワにはシビルを忘れるのに も,ム ナの帰 りを待 つ にも. っか りす るが ,昨 年か ら彼女 には発 行部数 の 多 い女性 誌 の 記事 を書 く とい う実 入 りの 大 きい 仕事 が あ った。. 以上が この作品のあ らす じである。おそ らくあ らす. この ことについ て フラ ンソ ワは 自分 よ りも稼 ぎが良 く. じになったか らとい うわけではな く,こ の作品には物. な ってい くシ ビル に対 して いい気分 で はい られ なか つ. 語 の山場 のようなものが見当た らない。最初か ら最後. た。 フラ ンソ ワ も出版業 界 に 身 を置 い て い るの だが. まで同 じような流れの中で進んでい く。恋愛のスキャ. ,. なん とか ぎ りぎ り食 べ て い く,と い う レベ ルで あ っ. ンダルはあ って も三角関係 な ど,驚 くには値 しない。. た。 シ ビルは二 人で生活 して い るので ,お 金 を稼 ぐの. それでは この作品の特徴 とは何 なのか。. は どち らで もいい こ とで ,大 切 なの は二 人が一緒 に何. サガンの作品に恋愛はほぼ必要不可欠な要素である. か をす る こ とだ と言 うが, フラ ンソ ワは シ ビル を素晴. が ,そ れが常 に一番大切 な要素であるとは限 らない。. ら しい女性 だ と思 う し,愛 して い るのだが ,同 じ業 界. たとえば 『悲 しみ よこんにちは』 では主人公 セシルは. にい て シ ビルが 自分 よ りも成功 を収 めて い る こ とが 何. 出会 った男の子 シリルと「恋に落ちる」 ことはあ って. とな く納得 で きな い。 このチ ェ コの作 品 に して も二 人. もその関係 を持続 させ ようとは しない。二 人の関係 を. の共 同作業 とい う体裁 だが実 際 の ところ,シ ビル しか. 築 くとい うような考えはないのである。 これを恋愛 と. チ ェ コ語 は分 か らなか ったので フラ ンソ ワは手伝 い を. 呼べ るのか どうか疑間である し,何 よ りこの作品のひ. した くらいの もの なの だった。 しか しとにか くこの作. とつ の大 きな要素は「若 さゆえの残酷 さ」にあると思. 品 を成功 させ るこ とがで きれば,賭 けに勝 つ よ うな も. う。父親 の婚約者 を罠 にはめ死 に追 いや る とい うの. ので大金 と名声が手 に入 り,す べ て うま くい くのだ と. は,「 恋 に落ちる」 ことよ りも相 当 スキャ ンダラス だ. フラ ンソ ワは思 っていた 。. と思われるが,当 時のブルジ ョワ的な批評 は若 い女 の. 突然 ,ム ナの劇場が 『にわか雨』 を上演 して もいい とい う知 らせが届 く。 フラ ンソ ワはムナの気 ま ぐれ に. 子が結婚 を考 えずに,つ まり二 人の関係 を築 こうとせ ずに肉体関係 を持 って しまうことを非難 した。. 説明 を求め る とい う口実 で こっそ り彼女 を訪 ね るのだ. 時 は経 ち「スキャンダラス」 だと思われる事が ら自. が ,ム ナの勧 め る ドイツの カクテル「 ビスマ ル ク」 に. 体が少な くなって きた時代に年上の女性だろ うが何だ. よって 感覚が麻痺 した よ うにな り,ム ナ と一 夜 を過 ご. ろ うが浮気する男 の物語に社会的非難 も何 もないだろ. して しまう。浮気 は フラ ンソ ワに とって初 めての こ と. う。 もちろんサガ ンは 『悲 しみ よこんにちは』 を非難. で はない に して も自分 よ りか な り年上 の女性 との 関係. されるために書 いたのではないのだが,た だ若 いブル. は初 めてだった。. ジ ョワの「お嬢 さん」が書 いたとい うことが人びとに. この上 演 で きる とい うニ ュー スは シ ビル を歓喜 させ. 驚 きを与えたのだ。二番 目の作品 『ある微笑』 では大. た。 フラ ンソ ワは契約 したお金で シ ビル に車 を買 って. 学生の女の子 とその同 じ年 のボー イフレン ドとい うカ. あげ た りす るのだが ,上 演 には条件が あ って ,深 刻 な. ップルが登場するが,こ の主人公の女の子は彼氏 の叔. 物語 で あ った 『にわか雨 』 を笑 い あ る もの に手直 しし. 父 さんに恋 して しまう。若 い女 の子 と中年 のオジサ ン. なければな らなか った。 そ の仕事 をフラ ンソ ワが受 け 持 った。 シ ビルは真摯 に作 品 を翻訳 して い たので この. の恋愛 も非道徳的だった として も,珍 しい話 ではな い。人は非道徳なものにこそ魅力 を感 じる,と い うこ. 手直 しの作業 は彼女 には苦痛 になるだろ う と思 ったか. ともあるものだ。その後 もサ ガンの作品には色 々な組. らだ。 そ してその作 業 は シ ビルは何 も知 らない ままに. み 合 わせの カ ップルが登場す るので,『 失われた鏡』. ム ナ の部屋 で 少 しず つ 進 め られた。 シ ビル に隠れて フ. の男女関係 もサ ガンにおいては「普通」なのである。. ラ ンソ ワは懐 か しい香 りのす る年 上 の女 に会 う こ とを. この作品の内容は特 に社会的メッセージもな く,恋. やめ なか った。 そ して愛す るシ ビルの喜 ぶ ,作 品 の上. 愛における甘美な気持ちの高ぶ りで読者 を泣かせると. 演 まで こ ぎつ けるので あ る。. い うこともな く,一 見作者が何 を伝 えたいのかまった. しか し結 局最後 にフラ ンソワ とムナの 関係 は シビル. く分か らない ように思 われる。 出版 された当時,フ ラ. に知 られて しまい,フ ラ ンソ ワは二 人で住 んで い た モ. ンスの文学に関するテ レビ番組 で批評 されてい るのだ. ンパ ルナスの 家か ら出て い く。 そ の足 でムナの 方 へ 行. が,そ れを見てみると,そ の批評家はス トー リーに関. くが ,彼 女 は ドイッヘ 「休養 のため に」 とい う理 由 を. しては深入 りしてい ない。サ ガンが有名人だか ら取 り.

(5) 西岡. 杏 奈 :フ ラ ンソ ワーズ ・サ ガ ンの. L`雨. jrを αだ につ い ての一 考察. 27. “. 上げてみた,と い う感 じだ し,恋 愛 における人間の心. large bouche et une aisance du corps qu'expliquait une. 理描写 とい うのは何 もサ ガンだけが得意なものではな. h6r6dit6 Ⅱli― poitevine, Ini…. い。そ こでス トー リー にめぼ しい ものがなかったか ら. son pass6 1e plus r6cent, ni dans ses sottises les plus. か,注. lointaines, elle n'avait us6 des charmes et du temp6ra―. 目しているのはその描写の仕方などの技術的な. ところだったように感 じた。. tchё quc.. Et pourtant, ni dans. ment slave qu'on lui reconnaissait si volonticrs.4). サ ガンは 1998年 に 『Dι rrj′ ″ ″クα 』 とい う本 を “ 出版 してい るが,こ れはサガ ンが出版 した小説作品 に. 彼女 の性格 とそ の評判 はず っ と前 か ら度の過 ぎた も. 作者 自身が コメン トす る とい う本 で ある。 この なか. トゥー 地方 の ,半 分 チ ェ コの 遺伝 的体 質 か らな る. で,唯 一 『失われた鏡』 だけが コメ ン トされて い な. のびのび とした体 つ きに よつて強調 されて い た。. Jι. ので ,そ れ らはその高 い頬骨 ,大 きな口,半 分 ポ ワ ,. い。 これは 『失われた鏡』が 1996年 に出版 されたの で,こ の コメン ト集 に間に合わなかったためなのか. ,. Le tailleur de Sybil, beige sur un chenlise plus fonc6,. 事情 は分か らないが,と にか く「仲間はずれ」にされ. faisait ressortir le hale de son visage acquis lors d'une. てい ることは間違 い ない。. r6cente et modeste semainne en Tourainc.5). そ して 日本でサガ ンの小説作品は コンス タン トに翻. シ ビル の ス ー ツ は ベ ー ジ ュ色 だ った 。 ブ ラ ウ ス はそ. 訳 されて きたにも関わ らず ,『 失 われた鏡』 は今 の と. れ よ り濃 い 色 だ ったが ,そ れ は最 近 トゥー レー ヌ で. ころ翻訳 されてい ない。出版に関するさまざまな事情. 過 ご した 一 週 間 で 焼 け た ,彼 女 の 顔 を際 立 たせ て い. があるのか もしれないが,と にか くサガ ンの最後の作. た。. 品 となったこの小説は色 々な意味 にお いて,「 失われ た」作品である といえよう。. Ses cheveux blonds brillaient dans la denli―. ただで さえサガ ンの作品は文学的な研究対象になる ことが少ないために先行研究な どの資料 が少ないのだ. obscurit6,. (...)6). 彼女 の金髪 は薄間の 中で輝 いていた. (… ). が,こ の 『失われた鏡』 は他 の作品に比べ てよ リー層 手がか りがないので考察に独 りよが りと偏 りが出て し. この ようにシ ビルは描かれてい る。 ここで彼女 には. まうと思われる。今回はこの作品を取 り上 げる ことに. チェ コの血が流れてい ることがわか り,チ ェコの気 の. よって少 しで もサ ガンの作品の再発見になれば と考え たので,あ らす じや登場人物 につい ての考察 に限 っ. 毒 な死 を遂げた青年の作品をフランス語に翻訳す ると い う仕事 に納得がい く。それに顔 の細部の描写か ら受. た。. ける印象 はいわゆるはっきりとした顔立ちの女性 であ. 第三章. 主 要 登 場 人 物 た ち の 描 写 につ い て. り,強 い意志 を持 った女性 だ。髪の毛は金髪で今現在 は 日焼 け してい る。そ して服装 はシ ンプルであるが ,. 流行 よ りも自分 の特徴 をうま く引 き出せ る もの を選 ここではこの小説 の主人公たちが どのように描 かれ てい るのかをみてい くことに しよう。 この小説はス ト ー リー 自体 に大 きな特徴がないために,登 場人物 たち の存在が重要 だ。 どのような人物設定 で どのような役. ぶ,と い う女性像 だ。つ まり「 自分 とい うものを持 っ てい る女性 」 として印象づ けられてい る。 次にそ んな現代的な女性 と 10年 間一緒 に生活 して きた男, フランソワの描写 を見てみ よう。. 割 を呆たすのか,登 場人物同士の人間関係 はどのよう に展 開 されて い くのか,と い う ところをみてい きた. Fran9oiS,lui si chatain,tellement chatain,du regard aux. い。 まずは最初 にシ ビルはどのような女性 として描写. cheveux, Fran9oiS, avec sa peau mate, ses gestes. されてい るのか,本 文か らの引用 を用 い なが ら見てい. gauches malgr6 1'aisance qui en 6mergeait finalement,. くことにす る。. Fran9oiS 6tait autrement exotiquc. . .7). フラ ンソ ワは栗色 の髪 で ,ほ ん と うに視線 か ら髪 の Elle n'avaitjamais 6t6 une tete bn16c(.…. )3). 彼女 は決 して無鉄砲であ ったことはない. 毛 まで栗色 で ,そ の くす んだ肌 と,ぎ こちな い仕草 (結 局 は そ こか ら自然 さが 出て くるの だが )の お か. げ で ,別 な風 にい えばエ キゾチ ックだ。 Son caractё re comme sa r6putation 6taient depuis tou―. jours outr6s,renforc6s par ses pommettes hautes,sa. フラ ンソ ワは とにか く目か ら髪 の毛 か ら茶色 だ とい.

(6) 甲南女子大学大学 院論 集第 9号. 28. 言語 。文学研 究編. (20H年 3月. ). う こ とが わか る。 そ して フラ ンソ ワについ ては 身体 的. つ なが つたの か も しれ な い 。『失 われた鏡』 の なか の. 特 徴 よ りも,そ の 性 格 描 写 の ほ うが 長 く書 か れ て い. フラ ンソ ワは 自分が ム ナ と浮気す ることを 『肉体 の悪. る。 それは しば ら くシ ビルの 目線が基本 となって物語. 魔』 や 『危険 な関係』 の物語 とリ ン クさせ て考 えるの. が進 んで い くためであ るが ,そ こか らわか る フラ ンソ. だが ,実 際 の フラ ンソ ワはその どち らの主 人公 とも似. ワの性格 は どの よ うな もの なの だろ うか。. て い ない 。それほ ど魅 力 の あ る男 として描 かれて い な. フラ ンソ ワは「笑 ってはい る ものの 本 当 の 笑 い では. いの だ。 しか しフラ ンソ ワに こ うい った こ と超 有名作. な い」笑 い 方 を し,シ ビルは ま った く無鉄砲 な ところ. を引 き合 い に出 して語 らせ る こ とで よ りい っそ う フラ. が ないの に対 して フラ ンソ ワは無鉄砲 な ところがチ ャ. ンソ ワの ナル シス トっぽ い気 質や ,思 い 上 が り気 質. ー ムポ イ ン トだ と 自負 して い る。 そ して シ ビル は 10. ロマ ネ ス クな性 格 な どを滑 稽 に浮 か び上 が らせ て い. 年 の 間 フラ ンソ ワに対 しては 自分が正 しい と思 って き. る。. たが ,次 第 に 自分が正 しい と思 う こ とが 間違 ってい る の だ と思 う よ う に な って い た。 lo年 間 で シ ビル が フ. ,. 次 に三 人 目の主 要 人物 で あ る元女優 の ム ナ ・ ヴ ォジ ェルは どの よ うな人物 なのかみてみ よ う。 まず ム ナが劇場 の 中 の フラ ンソ ワ とシ ビル,ベ ル ト. ラ ンソ ワに対 して拒絶 した ことは一 度 もなか った。 こ うい った フラ ンソ ワに対す るシ ビルの姿 は「恋 す. ミゥーが待 つ 応接 室 へ 入 って くるや否や ,そ の入 って. る女 性 」 の もの とは違 う よ うに思 われ る。恋 に盲 目に. きた時 の動作 や部屋 の なか の様子 ,他 の人物 た ちの行. な ってい るあ い だは相手 のいい ところ しか見 えな い も. 動 な どは さてお き,ム ナの観察が始 まる。 これ はシ ビ. の だか らだ。 一 方 で現代 的 ではっ き りと した性格 の 強. ルの 目線 で 描 か れ て い る とい う こ とが 強調 され て い. い イメー ジの女性 とも違和 感があ る。 とい うの もシ ビ. る。 ム ナに対 して注 目す る点が ,女 性が初対面 の女性. ルは フラ ンソ ワの無邪気 なわが ままに文句 を言 わず. に投 げかける視線 と して意識 して書 かれて い る よ うな. ,. 逆 らう こ ともせ ず にい るの だ。一 見 この相 反す る よ う. 印象 を受 けるか らだ。. な二 つ の もの は ,ど の よ うに理解 で きる の だろ うか。 私 は これは強 さゆえの忍耐力 で はな い か と考 える。 そ. Mouna Voge1 6tait une felnme que l'on dit bien con―. れ に一種 の あ きらめの よ うな もの もあ るだろ う。大 人. serv6e dё s l'age de trente ans, une feⅡ. になって再 び見知 らぬ 人 と出会 い ,は じめか ら自分 を. myope qui se trompait dans ses pr6sentations et remer―. 知 って もらい ,相 手 の こ とを理 解 して い くとい うのは. ciait trop longucment ses invit6s au moment de leur d6-. とて もエ ネ ルギー を要す るこ とで あ り,シ ビルは そ う. part,une de ces fcⅡIInes apparemment pi6ton6es par le. い った こ とに時間 と労力 を使 うこ とは しない ,現 実 的. monde entier,mais,inalement,tottOurs prOt6g6es a. な考 えを優先 させ る タイプの よ うに描 かれて い る。 シ. fond par un honllne et g6n6ralement un honllne tout―. ビルは フラ ンソ ワの子供 っぽ さに 自分 にない もの を見. puissant.8). 出 した のか もしれ ない 。 人は 自分 とは違 うもの に惹 か. ム ナ ・ ヴォジ ェルは三 十歳 の ころか ら人び とが 「年. れ る こ とが よ くあ る。. の わ りに は若 い 」 と言 って きた よ うな女性 だ った 。. IIne d61icate et. この よ うな フラ ンソ ワに対す る冷静 なシ ビルの 日線. 繊細 で視野が狭 く,人 の紹介 を間違 え,客 が帰 る と. は二 人の関係 をよ く物語 ってい る。す で に二 人は十年. きに は延 々 と礼 を述 べ る よ うな女性 で ,表 面 的 には. も一 緒 に生活 して きた ,と い う歴 史が読み手 にそれ と. 世 界中 か ら踏み に じられて い るのだが ,結 局 の とこ. な く伝 わるのだ。. ろ いつ もひ と りの 男性 ,た い て いの場合 ,権 力 を持. そ して この作 品 の なかで フラ ンソ ワの描写 にサ ガ ン は,ラ デ イゲの 『肉体 の悪魔』 の主 人公 ,そ して ラク. った 強 い男性 に しっか りと守 られて い る よ うな女 た ちの中の一 人だ った。. ロ の 『危 険 な関係 』 の主 人公 ヴ ァルモ ン を重 ね て い る。 この作 品 で はないの だが ,サ ガ ンは 自身 の小説 に. この 描 写 で 分 か る こ とは まず ,シ ビル との 違 い で あ. ス タ ン ダー ルの 『パ ルムの僧 院』 の 映画製作 を背景 に. 、 る。 しっか りした 自立 ′ があ り,現 代的 な強 さを持 つ 亡. 使 った こ ともあ り,私 には名優 ジェラール ・ フ イリッ. 女性 で あ るシ ビル に対 して ,ム ナはお つ ち ょこち ょい. プを思 い起 させ る。 ジェラール ・ フ ィリップは映画の. で ベ ルエ ポ ックを街彿 とさせ る よ うな生活 を送 る,男. 『肉体 の 悪 魔』 で も 『危 険 な関係 』 で も主 人公 を演 じ. 性 か ら守 られて生 きて きた女性 と して登場 す るの だ。. て い る。『肉体 の悪 魔』 の 映画 で は主 人公の名前 は フ. この こ とはシ ビル に とって若干皮 肉 を こめて表現 され. ラ ンソ ワ となって い る,と い うこ とも想起す る こ とに. て い る よ うに受 け取 る ことが で きない だろ うか。男 に.

(7) 西岡. 杏奈 :フ ラ ンソ ワーズ ・サ ガ ンの Lι ガ. 頼 って生 きてい くとい うのは,現 代的な女性像か らは 「すべ きではない」 ことだったはず だか らだ。そのた. jr々 αだ につ い ての一 考察. 29. “. ゆ る「 古 き良 き時代 」 の ま まで あ る女 性 とい う こ と だ。. めに女性 たちは女性 の権利 ,仕 事 の平等性 を求 めて き. も し くは よ り自然 な形 でチ ュー リ ップ な どの 花 の. たのだか ら。そ して この初対面の印象 に関す る描写 の. 色 ,こ の作 品 で もム ナ の 部屋 の絨毯が ピンク とグ レー. す ぐあ とに続 くのは,よ り具体的なムナの身体的特徴. とモ ー ヴ色 で あ った り と,人 物 以外 に用 い られ て い. に関す る描写 である。. る。 この 色 はサ ガ ンに とつては女 性 的 で あ り,成 熟 し て い て ,男 性 に対す るセ ックス ア ピール を持 った女 1生. Il y a du charme dans ses cheveux si doux, dans ses. に使 われ る色 なのだ。 これはプ ル ース トに通 じる考 え. grands yeux presque mauves et cette bouche trop bien. 方 で はない だろ うか。サ ガ ンの プル ース ト崇拝 は有名. dessin6e et un peu tremblante。. で あ るが ,と くにベ ルエ ポ ック とい う時代背景 に惹か. 9). 彼女 の とて も柔 らか い髪 の毛や ,ほ とん ど薄紫色 に. れて い る よ うだ。サ ガ ンが この色 をシ ビル に使 わない. 近 い大 きな瞳 には魅 力 があ り,日 は形が良 く,少 し. の は こ うい った背景 を踏 まえる と納得が い く。現代 的. 震 えて い た。. で独 立心 の 強 い イメ ー ジの女性 には必 要 の な い色 の形 容詞 なのだ。. 先 ほ どの ベ ルエ ポ ック的 な女性像 に続 き,ム ナの持 つ. そ して ム ナの観察 は続 く。雰 囲気 ,身 体 的特徴 の 次. 見 た 目の魅 力 の描写 で あ るが ,こ れ もまたベ ルエ ポ ッ. は彼女 が 身 につ け て い る装 飾 品 であ る。 これ はジ ゴロ. クを想起 させ る ものであ る とい える。. で もない か ぎ りや は り女性 ら しい注 目点で はない だろ. 薄紫色 とい うの はプル ース トも 『失 われた時 を求め て』 の なかで ,女 性 の描写 に用 い た色 で あ る崩。 この. うか。. 色 はプル ース トの 時代 に,つ ま り 19世 紀 末か ら 20世. Sybil ne s'attarda pas sur le collier de perles ni sur les. 紀初頭 にか け て流 行 した ,葵 (あ お い)と い う花 の 名. deux bagues accroch6es a des mains plus vicilles que le. 前が 由来 の 1856年 に人工 的 に発 明 され た染料 と して. visage.Le tout 6tait superbe.Et elle-lneme qui n'y con―. 知 られ る色 であ る。. naissait pas grand― chose en bttoux recOnnaissait la. こ こで は ム ナの瞳 の 色 の 形容 と して使 わ れ て い る. qualit6 de ceux― ci comine n'ilnporte quelle felnme de. が ,こ の色 は青 みがか った色 なのであ る。 青 い 瞳 とい. bien des Πlillicux ent pu le faire.H). うの は西 欧 で は もちろん実 際 に存在 す る ものであ り 我 々 日本 人 に とって も理解 しやす い の だが ,「 薄紫 色. シビルはす ぐに真珠 の ネック レス と,顔 よ り老けた 手にはめ られてい る二つの指輪に気付 いた。すべ て. の 瞳」 とい う もの は想像 しに くく違和 感 をお ぼ え る。. 極上の品だ。彼女 自身は宝石について多 くのことは. しか し実際青 い 瞳の人の 目を よ く見 てみ る と,人 に よ. 知 らないが,あ る程度の女性 なら誰で もで きる こと. って違 いが あ り,髪 の 色 と同 じで 一 色 の平 坦 な色で は. だろ うが ,そ れ らの クオリテ イー の高 さは分 か っ. ない こ とが わか る。 つ ま リモ ー ヴ色が瞳の色 の形容 と. た。. ,. して使 われ る と きは,青 色 のバ リエー シ ヨンの ひ とつ だ と考 えれば,理 解 しやす いの ではない だろ うか。 も. この女性 目線 で値踏み された宝飾品は素晴 らしい も. ちろん詩 的 な感覚 で一種 の比喩 の よ うな形 で この色が. のであ った として も,手 に関する くだ りが現実的であ. 瞳の色 に使 われた と考 える こ ともで きるか もしれ ない. る。一般的に も年齢 は手や首 にでやす い とい われる。. が ,私 は ここでは青 い 瞳の ニ ュ ア ンスの ひ とつ だ と捉. ムナは年齢のわ りに美 しいが,宝 石 の輝 きに幻惑 され. えて い る。 それ は presquc(ほ とん ど,ほ ぼ )と い う. ることな く手 を見ればやは り「老 い」 は隠せないのだ. ことばが伴 ってい る こ とか らもほん と うに完全 に薄紫. とい うことをシ ビルは冷静 に見てい る。. 色であ る,と い う よ りは 薄紫色 に近 い ニ ュ ア ンス を持 った 瞳 なのだ と理解 で きるか らであ る。. これ ら三人の主要登場人物 を見てみると,ま ず シビ ル とムナの違 いが著 しいことに気づ く。ひとことで言. サ ガ ンの他 の作 品 で もこの 色 は頻 繁 に登 場 し,私 の. うな らばシ ビルは現実的な女性 であ り,ム ナは非現実. 見 た ところ この色が用 い られ るの は「若 い 」 とは形容. 的な女性 であるとい えるか もしれない。そ して物語 の. され な くな った年代 の女性 ,し か も何 か しらベ ルエ ポ. なかで もシ ビル とムナの間をさまようフランソワはな. ックの 時代 を彿彿 とさせ る特徴 を持 った女性 に しか用. んとな く定 まらない,年 齢的 には充分大人 といわれて. い られて い ない。 つ ま り考 え方や生活様式 な どが い わ. もい まだに自分 とい うものを探 してい る途中であるよ.

(8) 甲南女子大学大学院論集第 9号. 30. 言語 。文学研究編 (20H年 3月. ). うな,ふ わふわとした,地 に足のついていない印象 を. か もしれ ない 。 しか し昨今消滅 しそ うな「文学」 とい. 受ける人物 として描かれている。. う分野 が幅 を広 げて よ り多 くの もの を受 け入 れ る余裕. そ の ことはシビル ロ線で物語が進 んで い るあ い だ も,さ まざまな描写か らうかがえるのだが,フ ラ ンソ. があ る とすれ ばサ ガ ンの作 品 もよ り評価 されて よいの で はな い だろ うか。. ワの 目線で物語が進め られるように変わって もそれは. サ ガ ンの評伝 の なかで ,こ こで 主 に参 考 に して きた. 変 わらない。 とい うことは客観的にも主観的 にもフラ. 『サ ガ ン 疾 走す る生 』 の なか で ,著 者 であ るジ ャ ー. ンソワは一語 で表す と「適 当」な男なのだ。だか らフ. ナ リス トの マ リー =ド ミニ ク ・ ル リエ ー ヴ ルはサ ガ ン. ラ ンソワが ムナと浮気 した として も読者はまった く意. の作 品 の文体分析 をソルボ ンヌ大学 の教授 に依頼 して. 外1生 もない。 シビルを愛 してい るのにも関わらず, ど. い る。サ ガ ンは有名 人でその作 品 もた くさんの人に読. うして浮気なんか して しまうのだろう,と い う本人の. まれて きた ものの ,そ の よ うに分析 され るこ とは今 ま. 「苦1歯 」が描かれるのだが,そ れは結 局 フラ ンソ ワの. で なか った よ うに思 われ る。常 にサ ガ ンの 私生活 と結. 男 としての器 の小 ささを強調 して い る よ うに思 われ. び付 け て解釈 され るのがサ ガ ンの作 品 の特徴 だ とい え. る。その うえシビルがほぼ一 人で仕上げた重 々 しい悲. るほ どに,そ の 文体 そ の もの に迫 ることは少 ない。. 劇作品を浮気相手 の部屋 で喜劇作品のように書 き変え. 文法学者 で あ るジ ャ ン=ル イ ・ ド 0ボ ワシ ュー教 授. て しまうあた り,フ ラ ンソワの厚かましさには驚か さ. はル リエ ー ヴル氏 に依頼 を受 け,大 学 の研 究 テ ーマー. れる ものの,「 いい男」 とは思 えない。 さいごに「二. 覧 を調 べ てみ たが ,サ ガ ンに関す る論文 は「 な い はず. 兎追 うものは一兎 も得ず」 とい う状態になって も「か. は な いの だが 」 見 当 た らなか ったの だ とい う。「 大 学. わいそ うなフランソワ」 だとは思えない。それはフラ ンソワとい う男が この小説 のなかで非常 に魅力あふれ. の研究者 に とってサ ガ ンとは,雑 文 ,大 衆文学 ,テ イ ー ンエ イジャーの 読 み物 で しか な い の だ。」口と著者 は. る男 とい うふ うに描かれ きれてい ないか らか もしれな. 書 い て い るが ,彼 女 が この 評伝 を出版 したの は 2008. い。 ともか く物語 の最後の最後で うまく立ち回 って き. 年 1月 で あ る。 そ の 年 の 12月 に私 はパ リ第 7大 学 に. たフラ ンソワが一 人になって しまうのは気 の毒 と取 る. てサ ガ ンに関す る修士論文 を提 出 したのだが ,参 考 の. か痛快 と取 るかは読み手 の好みにゆだね られてい る。. ため に大学 で調 べ て もた しか にサ ガ ンに関す る論文 は 一 つ も見当た らなか った。私 の論文 のテーマ はサ ガ ン. お. わ. に. の作 品 と賭 け の 関係 につい てだつたので ,文 体分析 で はな い か ら,ど ち らにせ よお 役 に立 てた とは思 えない. サガ ンは 1970年 代か ら,作 品を口述 で作 って きた。 助手 を使 い思 いつ くままに口に出 し,書 きとらせ る。. ものの ,文 学研 究 にお け るサ ガ ンの ポジシ ョンが分 か っていただ けるだろ う。. その原稿は形容詞や表現 を少 し変える程度で,ほ とん. ル リエ ー ヴル氏 は さらに ド・ ボ ワシ ュー教授 の机 の. ど直す ことな く出版 されて きた ようだ。 とい うわけで. 上 にあ るサ ガ ンの 本 を見 て ,「 い か に も大 衆 的 な装 丁. 『失 われた鏡』 も口述 によつて書かれた もので あ る。. のサ ガ ンのポ ケ ッ ト版 2冊 が載 ってい る。確 か に,ソ. フランス語 は話 される ことばと書かれる ことばに違 い. ルボ ンヌ には不似 合 い だ。 僧侶 のポケ ッ トか ら女 性 の. がある。話 した ことば をそのまま小説にする とい うこ. 下着が覗 い て い る よ うな,カ ール ・ ラガー フェル ドの. とはそれ自体が ひとつ の特徴 とい えるものである。ひ. キ ャデ ィ・バ ッグに ヌテ ラ (チ ヨコ レー トペ ース ト). とつ にはリズム感が出て くるだろ うとい えること,そ して読む ときにすんな りと頭に入るだろ うと思 われる. の ボ トルが 入 ってい る よ うな,(あ りえな い 〉取 り合 )と わせ なのだ。」日 書 い て い る。 これ を読 んで 私 はパ リ. ことだ。 フランス語 で考 えてみるとネイテ ィブスピー. 第 7大 学 の私 を担 当す るこ とになって しま った不運 な. カーでない限 り,そ の微妙なニ ュアンスは味 わうこと. 教授 に ,今 更 なが ら私 の 研 究 テ ーマ を受 け入 れ て く. がで きないか もしれない。 しか し日本語で考えてみて. れ ,指 導 して くれた こ とを感謝 した い と思 った。. も同 じことが言えるのではないだろうか。口承文学 は. 本題 に戻 る と,こ の ド・ ボ ワシ ュー教授 の専 門 は 17 世紀 文学 ,と くに ラ 0フ ォ ンテ ー ヌで あ る。 17世 紀. それ自体が語 り継がれた ものであるだけに,読 み物に 形 を変えて もそのニ ュア ンスを残すだろうとい うこと. 文学 ,18世 紀 文学 を対 象 と した 『文体研 究』 の 著 者. は想像がつ く。サ ガンの小説にはそ ういった流れが感. で もあ る権威 で あ る こ と,そ して彼 は大 のサ ガ ンの フ. じられるために良 く言えば「読みやす い」そ して純文. ァ ンで あ る とい う こ とを強調 してお きた い 。 この よ う. 学 の立場 か ら見れば「読 むに足 りない」 ものであ った. な権威が どの よ うな条件 の もと分析作業 を進 めたのか.

(9) 西岡. 杏奈 :フ ラ ンソ ワーズ. サ ガ ンの Lι 雨 ″Jr々 αだ につい ての一 考察. を『サ ガンー疾走す る生 ―』から以下に引用する。. の ような心地 よさを実感 した とい う。 さらに教授 はそ. 期 の異なる 3編 の小説 とインタビュー集か ら無作為. の音節数 を数え,サ ガンの文体 の多 くは三拍子 である とい うことを発見 してい る。。 これ らの ド・ボワシュー氏に よる分析 をみると,サ. に 30ペ ー ジを抽出す る。使 ったのは,1996年 に刊. ガ ンの小説 には詩 に似 た美 しさがある とい える よ う. 行 されたサ ガンの最後 の小説 『失われた鏡』,異 色. だ。つ まり声 に出 して読んでみるとその美 しさが よく. の作品 『愛 の 中のひ と り』,個 人的に好 きな 『1年. 引 き立つ,と いった種類 の美 しさだ。サ ガンの作品に. ののち』,そ して 1992年 に刊行 されたイ ンタビュー 集 『愛 とい う名の孤独』 だ同。. 関 しては,洗 練 された,軽 い,音 楽 の小品の ような. 分析作業 は,厳 格 な手順 に則つて行われる。執筆時. ,. といったことばが よ く使 われる。 しか し実際には表面 的な流れのなかに,詩 作品のような奥深 さ,味 わいな. そ して ド・ボワシュー教授 は助手 にイ ンターネッ ト. どが控 えめに隠されてい るのだ。そ ういったことに気. で「サガン」 と「言語」 とい うキー ワー ドで検索 をか. づ くには作品 と向 き合 い,古 典的手法である文体分析. け,サ ガンの書評 に使われる ことば を集めたそ うだ。. に取 り組み,膨 大な文学的知識 と良例 と照 らし合 わせ. その なかで よ く使 われてい たことばは,「 軽 さ」,「 流. てみるとい う作業が必要になるだろう。. れるような」,「 透明感 のある」,「 簡素」,「 徹底的なシ ンプルさ」,「 気取 らない」 だそ うだ。 しか し教授 の分. 今回,最 後の小説作品だか ら取 り上げてみ ようとい 思い付 きか ら本稿 を書 いてみた ものの,こ う短絡的 な′. 析結果か らは,そ れ らのずっと昔か ら使 い古 されて き. れか らサガ ンの作品を研究す るにあた り,ま だまだな. たことばが実 は当てはまらないのではないか とい う結 論へ と進む。そ こで例 として挙げ られてい るのが この. されてい ないことがた くさんあるとい うことに改 めて 気づ か され,大 い に触発 された。今回はサ ガンの最後. 『失われた鏡』 である。先 に述べ た ようにこの作 品 は. の作品 を紹介 し,登 場人物 の描写に注 目する とい うこ. 「失われた作品」だといえるほどに手がかりが少ない のでこのように分析の仲間にいれてもらえたことに感 謝しつつ引用させていただ く。. とにとどまるが,そ の文体 の分析 とい う先行研究 を参 考 に しつつ,サ ガンの作品 と音楽性 とい う新 たな取 り 組みに向けての一試み としての可能性 も最後に加 えて 述べ ることがで き,サ ガンの作品を研究す る私には意. ボワシュー氏 は語 る。「『失われた鏡』 で ,私 は ま. 義 のあるものになった。. ず,面 白半分に執筆 の過程 をた ど りなお してみまし た。それか ら全体 を読み ました。不思議な体験で し た。最初 は,文 章が平面的で,世 間の人が言 うよう に三文小説のようだと思 い ました。で も,途 中か ら だんだんと上手 くなってい くんです。サ ガンはやは 6). り作家なのだと再認識 しました。 」. )王. 1)日. 本語 の 翻 訳 が 出版 され て い な い ため ,こ の 題 名 は ル リエ ー ヴ ル氏 の 著 書 Sα gα れaわ た αJJ“ ″ の 永 田千 奈 “ 氏 訳 に よる 『サ ガ ン 疾 走 す る生 』 の なか の 使 用 テ ク ス トに関す る記述 か ら引用 させ て い ただ い た。. 2)こ の. これはやは りこの 『失われた鏡』が ス トー リー よ り. の 『にわか雨 』 と訳 した Aソ. Lα. ttiss`,Julliard,1989。. (『. `浴. ι とい うの はサ ガ ン. 愛 は 東 縛 』,河 野 万 里 子. 訳 ,新 潮社 1991.)の 中で主 人公 の ビア ニ ス トが 映画音. もサ ガ ンの文体 のなかに魅 力がある とい うことだろ. 楽 の主題 歌 と して作 曲 し,大 ヒ ッ トとな った 作 品 と同 じ名前 で あ り,こ れが 『失 われ た鏡 』 の なか で は演 劇. う。 い くらス トー リーが ものす ご く面白い ものであ っ. 作 品 の題 名 と して登場 して い る。. て も,文 章にす る力量 によって,そ の魅力 は半減 もす るだろ うし,倍 増 もするのだ。それをうまくで きるの が作家 とい う人たちである。 私 はサガ ンの作品には独特 の音楽的側面があるので はないか と考 え,論 文 のテーマ に しようとしてい るの だが,や は りそれを語るにはこのような地道な作業が 必要なようだ。そのためには今 の ところ準備が足 りて いないので,今 回は音楽的な ことを主題 に しなか った. 3)Lι. j“ jr々 α tt. “. P10n,1996.PH. 4)乃 5)ル jtt p 20 6)乃 jtt p 20 7)乃 jtt p H 8)ル jtt p 28 9)乃 jtt p 28. jtt p ll. 10)阪 村 圭 英 子 『GALLIA』. Lι s yι. ι Sグ ι″ χ αソ “`ル “ ““. ,40号 ,2000,大 阪大学. のだが,こ の分析 で ド・ボワシュー教授 はさらにサガ. j“ jr々 α tt p 28 “ 12)『 サ ガ ン 疾走す る生』,p200. ンの初期 の作品 『一年 ののち』 を読んでい る間,奇 跡. 13)乃 jtt. 11)Lι. p 200. G“. `脇. αれ′ ι S,.

(10) 甲南女子大学大学院論集第 9号. 32. 14)乃 Jこ p200. 言語 。文学研究編 (20H年 3月. ). '4フ α ι Fran9oise Sagan,D`rrf′ ″ ′. 15)乃 jtt p 200. 0マ. 16)『 サガ ン 疾走する生』 を参照の こと。. “`,Plon,1998 リー=ド ミニ ク・ ル リエー ヴル,永 田千奈訳 ,『 サ ガ ン 疾走する生』,阪 急 コ ミュ ミケー ションズ,2009. Maric-lDorninique Leliё vre, Sα gα ′. 参 考 文 献 (使 用 テ ク ス ト〉 O Fran9oise Sagan,L`′ ηjrθ jr`ι gα r`, Plon, 1996. その他の参考文献〉 〈. 2007. Jean_Claude Lamy,F“. 4fθ Js`Sagα. France,2004. Annた. a. ′ θ夕′ ι α 夕r`, Denoel, J′. κ れ 々ι 4ル ,Mercvre de “ `′. k Geille,肋ι α θrル Sagα 4,Pauve■ ,2007. ““.

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参照

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