第4学年 理科学習指導案
1 単元名 とじこめた空気や水 2 指導観 ○ 本単元は、「粒子」についての基本的な見方や概念を柱とした内容のうちの「粒子の存在」に かかわるものである。空気の粒子を捉える学習は、小学校第6学年「A(1)ものの燃え方」につな がっている。本単元では、空気及び水の性質について興味・関心をもって追究する活動を通して、 空気及び水の体積の変化や圧し返す力とそれらの性質とを関係付ける能力を育てるとともに、そ れらについての理解を図り、空気や水の性質についての見方や考え方をもつことができるように することがねらいである。 この学習では、空気を圧し縮めた時の手応えや体積の変化を記録していくことで、体感を基に しながら比較できるようにし、体積変化と圧し返す力を関係付ける能力を育てることができるよ うにする。また、力を加える前後の空気の体積変化について説明するために、図や絵を用いて粒 子を表現させることができるという点においても、大変意義深い学習である。 ○ 本学級の児童は、理科の実験活動に意欲的である。実態調査では、80%の児童が「実験は好き」 と回答している。また、「予想をするのは好き」と回答した児童は56%であった。しかし、根拠 のない想像を予想とする児童が多く、既習学習や生活経験と結び付けて予想する力が、まだ十分 に身に付いていない。本単元に関わる生活経験として、空気鉄砲や水鉄砲で遊んだ経験を調査し たところ、68%の児童が「空気鉄砲で遊んだことがない」ということが明らかになった。そこで、 本単元の導入では空気鉄砲で遊ぶ時間を十分にとり、空気の圧し縮みや手応えの変化を繰り返し 体験させたい。この体験活動を通して、児童自ら単元の学習課題を設定できるようにする。 学習指導要領解説に示されている小学校第4学年で育成する問題解決の能力は、「自然の事物・ 現象の結果と要因を関係付けながら調べること」である。実態調査の結果から、2つの要因を比 較して考えることができている児童は88%であり、科学的な思考力と判断力が育ってきているこ とが分かった。しかし、考えたことを文章や図でまとめることに自信がないと回答した児童が、 約50%であった。このことから、児童が考えに対する自信を可視化して交流し、考えを深めて自 信を高める活動を仕組むことで、児童の科学的な思考力と判断力はさらに育っていくと考える。 ○ 本単元の指導にあたっては、閉じ込めた空気は圧し縮められて体積が小さくなり、圧し返す力 が強くなるが、水は圧し縮められないという性質を理解することができるようにする。そのため に、「つかむ段階」では、袋の中に閉じ込めた空気をクッションのようにして触ったり、空気鉄 砲や水鉄砲で遊んだりする体験活動を仕組み、単元の学習課題をつかませる。「解決する段階」 では、空気と水の体積変化と圧し返す力に着目させ、その変化や手応えの様子を捉えさせ、それ ぞれの性質に気付かせる。「生かす段階」では、空気と水の両方を閉じ込めた状態を考えさせる ことで、それぞれの性質についての理解を確かなものにさせる。また、ペットボトルロケットを 作成するものづくりの活動を通して、本単元の学習への興味・関心をさらに高めさせる。 一単位時間の学習過程では、導入段階で空気や水の性質をイメージ図で表現し、説明できるよ うにする。その際、自分の考えに対する自信を5段階のメーターに可視化する。 展開段階では、その自信を参考にして他者の自信を推測しながら交流活動を行うようにする。 自分の考えを他者と交流することを通して自他の考えを比較し、自分の考えをより根拠が明確な ものになるように整理したり、他者の考えを付け加えて改善したりする力を育てる。課題解決に 向けて共感的に学び合うことで、自分の考えを深め、自信も高めることができるようにする。 終末段階では、全体交流を通して多様な考えを広げるとともに、共通点を確認することで閉じ3 単元の目標 閉じ込めた空気及び水に力を加え、その体積や圧し返す力の変化を調べ、空気及び水の性質につ いての考えをもつことができるようにする。 4 評価規準 A 自然事象 ① 閉じ込めた空気や水に力を加えたときの現象に興味・関心をもち、進んで空 への関心・ 気と水の性質を調べようとしている。 意欲・態度 ② 空気と水の性質を使ってものづくりをしたり、その性質を利用した物を見つ けたりしようとしている。 B 科学的な ① 閉じ込めた空気や水の体積と圧し返す力の変化によって起こる現象とそれぞ 思考・表現 れの性質を関係付けて、それらについて予想や仮説をもち、表現している。 ② 閉じ込めた空気や水の体積や圧し返す力の変化によって起こる現象とそれぞ れの性質を関係付けて考察し、自分の考えを表現している。 C 観察・ ① 容器を使って閉じ込めた空気・水の体積や力の変化を調べる実験をしている。 実験の技能 ② 空気や水による現象の変化を調べ、その過程や結果を記録している。 D 自然事象 ① 閉じ込めた空気を圧すと、体積は小さくなるが、圧し返す力は大きくなるこ についての とを理解している。 知識・理解 ② 閉じ込めた空気は圧し縮められるが、水は圧し縮められないことを理解して いる。 5 単元指導計画(総時数 6時間) 段階 時数 主な学習活動 教師の支援 評価規準 つ 1 とじこめた空気や水には、どのような ○手応えに着目させて遊ばせる。 A① か ひみつがあるのか調べよう。 ○空気と水では圧し返す力の手 【 行 動 ・ む 応えが違うことを確認させる。 観察】 ○空気や水をビニル袋や筒の鉄砲などに ○遊びを通して気付いたことを B① 閉じこめて遊ぶことで、学習課題を設 交流させることで、学習課題 【 予 想 ・ 定する。 をもたせる。 図】 解 2 とじこめた水に力をくわえたら、体積 ○水を圧しても体積が変化しな C① 決 はどうなるのか考えよう。 い様子をイメージ図を使って 【表・ す 表現させる。 実験活動】 る ○遊びの体験をもとに予想を交流し、実 ○無理矢理押し込むとケガをす B② 験から得た結果から、考えを図や文で る危険があるので、安全に注 【 記 述 内 表現し、確かめる。 意させて適当なところで実験 容 ・ 話 合 を止めさせる。 い活動】 3 とじこめた空気に力をくわえたら、体 ○水の学習と比較して、予想さ C② 積はどうなるのか考えよう。 せる。 【表・ ○閉じ込めた空気の体積の変化 実験活動】 ○閉じ込めた空気の体積変化を考察し、 を記録・整理させる。 文とイメージ図を使って表現する。 ○どうして体積が元に戻るのか 次時に向けて予想させる。
4 ○閉じ込めた空気の体積を、だ B② 本 とじこめた空気の体積は、どうしても んだん小さくした時の手応え 【 記 述 内 時 とにもどるのか、他のものを使って説 の変化を体感させる。 容 ・ 話 合 明しよう。 ○空気の体積がもとにもどる様 い活動】 子を他のものと関連させて説 ○閉じ込めた空気の体積が小さくなっ 明させる。 た時の様子を他のものを使って説明 ○空気の体積変化と圧し返して することで、もとにもどる力を体積 もとにもどる力の関係を整理 変化と関係付けて考える。 させる。 生 5 空気と水の両方が入っているときにお ○学習してきた内容を振り返ら D① か すと、体積やおし返す力はどうなるの せることで、根拠のある予想 【 実 験 ・ す か考えよう。 をさせる。 話 合 い 活 ○予想のイメージ図では、圧し 動】 ○既習の学習内容をもとに予想して話し 返す力も表現させる。 D② 合い、実験して考えを確かめる。 ○空気が圧し返す力によって、 【 考 察 ・ 水が勢いよく飛び出る様子を 話 合 い 活 確認させる。 動】 6 空気がおし返す力を使って、ペットボ ○ペットボトルの膨らみやポン トルロケットをとばそう。 プの手応えを観察させるため に、4人組で活動させる。 A② ○閉じ込めた空気と水の性質を利用した ○水や空気の量を調節しながら 【 行 動 ・ ペットボトルロケットを作成して遊び より遠くへ飛ばす方法を考え 観 察 ・ 交 学習した知識を確かめる。 させる。 流】 6 本時の学習 (1) 主 眼 ○ 閉じ込めた空気を圧すと体積は小さくなり、圧し返す力が大きくなって元に戻るという性質 を理解することができる。 (2) 準 備 学習の流れ図、ワークシート、自信のワークシート(自信を5段階で可視化する)、実物投影機、 プロジェクター、バネ、ゴム、スポンジ、発表用ホワイトボード、マジック (3) 展 開 学 習 学習活動と内容 学習 教師の具体的な支援 評価規準 段階 形態 〔*自信の可視化の活用〕 導 1.前時の学習を振り返り、本 全体 ◎前時の予想を基に、他のも 入 時の課題について話し合う。 のを使って空気の性質を説 ○前時学習の予想を振り返 明する意欲をもたせる。 り、空気がもとにもどる つ 様子を他のものに例える か ことを理解すること。 む とじこめた空気の体積は、どうしてもとにもどるのか、
め
2.空気と比べるものを決める。 ◎バネ、ゴム、スポンジから ○自分の予想と同じもの、説 全体 選択させ、人数が複数にな 明できそうなものを選択す るように声かけする。 ること。 展 3.手ごたえや変化の様子を比 ◎空気の体積を変化させる量 開 べて、自分の考えをまとめる。 を変えながら、その様子な (1)空気の体積の様子を詳し 個人 どをもとに比べさせる。 深 く調べ、選択したものと ◎机間指導の際、体積変化と め 比べる。 もとにもどる力をつなげて る ○空気の体積と選択したも 考えることを助言する。 のが、もとにもどる様子 を比べて考えること。 (2)自分の考えを説明できる 個人 *自分の考えに対する自信を ように、イメージ図にま 可視化させる。 とめる。 ○空気の体積がもとにもど る様子を整理すること。 ◎異なる考えの児童でペアを ・閉じ込めた空気の 4.異なる具体物を選択した児 ペア 編成し、交流活動をさせる。 体 積 と 圧 し 返 す 力 童で交流し、考えをよりよい を、生活の中のもの ものにする。 <交流活動> と関係付けて考え、 (1)ペアをつくり、互いの考 ①ペアをつくる。 説明をしている。 えを交流する。 ②「自信のワークシート」 B②【記述内容・話 ○互いの考えの共通点や相違 と自分の考えを見せなが 合い活動】 点を見つけ、表現のよさに ら互いの考えを話し合う。 気付くこと。 ③他者の考えと自分の考え を比べて、改善したり整 理したりして、自分の考 えを深める。 ◎可視化した自信を見ること で、相手のことを推し測り ながら交流できるように声 掛けをする。 (2)交流活動をして、自分の 個人 ◎机間指導し、説明がよく書 考えを修正したり、見直 けている児童に代表発表用 したりする。 のボードに記述させる。 ○閉じ込めた空気の体積変化 について、自分の考えを深 めること。
終 5.閉じ込めた空気の性質につ 全体 *「自信のワークシート」を 末 いて全員で話し合う。 見直させ、考えに対する自 ○体積が小さくなると、もと 信の高まりを表現させる。 ま にもどる力も大きくなるこ ◎全体交流を行うことで、も と とを理解すること。 とにもどる力があるという め 共通点を見つけさせる。 る 6.本時学習のまとめをし、学 個人 習内容を振り返る。 ◎閉じ込めた空気の体積とも ○閉じ込めた空気の性質を正し とにもどろうとする力の関 く理解すること。 係についてまとめさせる。 とじこめた空気の体積は、○○などのように小さくな るほど、もとにもどろうとする力が大きくなるので、 空気の体積はもとにもどる。 7 板書計画 8 資料 自信のワークシート(自信を5段階で可視化する)