第6学年〇組 理科学習指導案
1 単元名 水よう液の性質 2 指導観 ○ 本単元のねらいは,いろいろな水溶液の性質や金属を変化させるようすについて興味・関心をも って追究する活動を通して,水溶液の性質について推論する能力を育てるとともに,それらについ ての理解を図り,水溶液の性質やはたらきについての見方や考え方をもつことができるようにする ことである。子どもたちは,「水溶液の中には物が目に見えない大きさになって溶けている」とい う見方・考え方を身につけているが,本単元で「気体が溶けている」「金属を溶かす」という現象 に出合うことで,水溶液の概念を広げ,深めることができると考える。 本単元では,重さの保存の見方・考え方,粒子概念を習得している上で,水溶液には酸性・アル カリ性・中性のものがあること,固体や気体が溶けているものがあること,金属を変化させるもの があることという水溶液の性質や働きについての考えをもつことができるようにする。 このことを通して,自分の日常生活に見られる水溶液について興味・関心をもち,その性質につ いて調べたり,考えたりする態度を育てることができると考える。 ○ 本学級の子どもたちは,第5学年の「もののとけ方」の学習において,物が水に溶ける規則性に ついて条件を制御して調べる能力を育てるとともに,それらについて理解を図り,物が一定量の水 に溶ける量には限度があることや,物を溶かす前と溶かした後でその重さは変わらないことなどを 学習している。また,第5学年で学習した食塩やホウ酸のように固体が溶けた水溶液や,身近にあ る酢や炭酸水などが水溶液であるということは知っている。 しかし,その水溶液には金属を溶かすものがあると思っている子どもが56%と低くなっている。 また,溶かしたものの性質を変化させるものがあると思っている子どもは85%と比較的高い割合 になったが,はっきりとその性質をとらえている子どもは少ない。さらに,水溶液の性質に違いが あるということを知らない児童も多い。また,自然の事物・現象の変化や働きについてその要因や 規則性,関係を既習の学習や生活経験から推論することができる子どもは少ない。 ○ 本単元では,酸性・アルカリ性・中性の性質をもつ水溶液や固体や気体が溶けている水溶液を取 り扱う。(表1) そこで導入段階では,5種類(塩 酸・水酸化ナトリウム水溶液・食 塩水・炭酸水・酢)の透明な水溶 液を見分ける方法について話し合 い,本単元の学習課題をもたせる。 展開段階では,リトマス紙を用いて液性で分類したり, 水溶液を蒸発乾固して溶けているものを取り出して調べたり,金属を水溶液に入れ溶かし,その液 から溶けているものを取り出し,その性質を調べたりしながら,水溶液の性質とはたらきについて の考えを見出させる。 終末段階では,身の回りにある水溶液を適切な方法で調べ,同定できるようにする。また,その 際,自分の予想や仮説をもち,推論しながら追究することで科学的な思考・表現も高めることがで きる。さらに,単元で得た知識や考え方を活用し,本単元の理解を深めたり,身近な水溶液に触れ させたりすることで,実感を伴った理解を深めるようにする。 水溶液 食塩水 炭酸水 酢 水酸化ナトリ ウム水溶液 塩酸 液性 中性 酸性 酸性 アルカリ性 酸性 溶けている ものの状態 固体 気体 液体 固体 気体 【表1 5種類の水溶液の性質】3 目標 ○いろいろな水溶液の性質や溶けているもの,及び金属を変化させることに興味・関心をもち,進ん で水溶液の性質や働きを調べようとする。 【自然事象の関心・意欲・態度】 ○水溶液と試薬の性質や金属を変化させる働きについて予想や仮説をもち,推論しながら追究して自 分の考えを表現することができる。 【科学的な思考・表現】 ○水溶液に溶けている気体や試薬によるいろいろな水溶液の性質,金属を変化させる働きを適切に調 べ,その過程や結果を記録することができる。 【観察・実験の技能】 ○水溶液には,3つの性質や気体が溶ける働き,金属を変化させる働きがあることを理解することが できる。 【自然事象への知識・理解】 4 単元計画 (11時間) 学習活動 指導上の留意点 配時 1 5種類(食塩水・炭酸水・酢・水酸化ナトリ ウム水溶液・塩酸)の水溶液の見分け方を話 し合い,本単元の学習課題をもたせる。 2 リトマス紙を用いて,水溶液を酸性・アルカ リ性・中性に分類する。 (1)それぞれの水溶液は,リトマス紙を何色に 変化させるかを調べる。 (2)リトマス紙を用いて,5種類の水溶液を酸 性・中性・アルカリ性で分類する。 3 蒸発実験を行って,水溶液に何が溶けている か調べ,何も残らなかった水溶液について話し 合う。 4 炭酸水に溶けているものを調べる。 5 塩酸にアルミニウムや鉄を入れると,どうな るか調べる。 (1)塩酸にアルミニウムや鉄を溶かすとどうな るか予想する。① (2)塩酸にアルミニウムや鉄が溶けるか調べ る。① 6 塩酸に溶けたアルミニウムが,水溶液の中に あるか予想し,調べる。 (1)塩酸に溶けたアルミニウムが水溶液の中に あるか予想する。① (2)塩酸に溶けたアルミニウムが水溶液の中に あるか調べる① 7 水酸化ナトリウム水溶液に,アルミニウ ムや鉄などの金属を入れ,塩酸と同じよう な反応が起こるか調べる。 8 学習したことを活かして,身の回りの水 溶液について同定することができる。 ○ 学習課題をもたせるために,5種類の水 溶液を色やにおい,見た目で分類させる。 ※安全管理の面から,水溶液の臭いを嗅いだ り,触ったりすることの危険性や取扱い方 について説明する。 ○ 水溶液を分類するために,リトマス紙を 適切に使用させる。 ○ 水溶液を3つに分類させるために,実験 の結果の表と結びつけて考えさせる。 ○ 水溶液に気体が溶けていることを理解さ せるために,蒸発実験を行う。 ○ 炭酸水に二酸化炭素が溶けていることを 確認するために,出てきた気体を調べた り,二酸化炭素が水に溶ける実験をしたり する。 ○ 自分の予想をもたせるために,図や文を 使って書かせる。 ○ 結果と予想を照らし合わせて推論させる ために,図や文を使って分かりやすく整 理させる。 ○ アルミニウムが水溶液の中にあるか予想 させるために,実験方法も考えさせる。 ○ アルミニウムが別のものに変わったこと を理解するために,溶かしたときの様子 と比べさせる。 ○ 金属を溶かすか予想し,推論しながら調 べられるようにするために,塩酸の時の 様子を思い出させる。 ○ 水溶液の理解を深めるために,身の回り の水溶液を同定するときに,既習の考え方や 知識を活用する。 1 2 (1) (2) 1 1 2 (1) (1) 2 (1) (1) 1 1
5 本時 平成29年9月〇日(〇曜日) 第〇校時 理科室において 6 本時の目標 ○ 炭酸水にはどのような気体が含まれているか興味・関心をもってと進んで追究することができる。 【自然事象への関心・意欲・態度】 ◎ 炭酸水には二酸化炭素が含まれていることを,炭酸水内の気泡の様子やろうそくの火が消えるこ と,石灰水が白く濁ることなどの2つの実験結果から推論し,ノートに考察を書いたり発言したり することができる。 【科学的な思考・表現】 ○ 炭酸水の気体の正体を調べる実験を通して,炭酸水には,二酸化炭素が含まれているということ を理解することができる。 【知識・理解】 7 準備 【教師】炭酸水,安全眼鏡,水槽,集気びん,ガラス管付きのゴム栓,ゴム管,石灰水,ろうそく, マッチ,丸底フラスコ,アンモニア,ガラス管,フェノールフタレイン,二酸化炭素ボンベ 【児童】ぞうきん,筆記用具 8 本時指導の考え方 本時指導にあたっては,炭酸水に溶けている気体が二酸化炭素であることを,自分の方法で確かめ, 気体が溶けている水溶液があることを理解できるようにすることがねらいである。 まず導入場面では,炭酸水の容器を観察したり,振ったり,におったりと実際に炭酸水に触れるこ とで,本時学習への意欲を高め,学習課題を一人ひとりがもてるようにする。 次に展開場面では,二酸化炭素が溶けているという仮説を実証するために,「ろうそくの火を入れ る」「石灰水で確認する」方法を順番に行い,二酸化炭素が溶けていることを確認させる。また,二 酸化炭素が水に溶けることを確認するために,ペットボトルに二酸化炭素を入れ,水と混ざることで へこむ様子を見せる。この2つの実験を通して,炭酸水には二酸化炭素が溶けていることを実感させ, 水溶液には気体が溶けているものもあることを理解させる。 最後の終末場面では,水溶液には気体が溶けているものがあるということを一般化するために,ア ンモニアの噴水実験を行うようにする。そのことを通して,二酸化炭素だけでなく,ほかの気体も水 にとけるものがあることを知り,水溶液には気体が溶けているものがあるということを理解させる。 9 展開 主な学習活動と内容 指導上の留意点 形態 1 前時を振り返り,本時の学習問題や仮説をもつ。 (1)前時の振り返りから本時の学習問題を話し合う。 ○学習問題を明確にし,追究意欲を高めること (2)本時の実験の仮説を話し合う。 ○実験の見通しをもつこと ○本時の学習と仮説を確認させる ために,流れ図で前時までの学習 をふり返ったり,実際の炭酸水を におったり,触ってみたりする。 ○実験方法を考えさせるために,5 年生の「ものの燃え方」の学習を ふり返らせる。 全体 個人 グループ 【問題】 炭酸水には、二酸化炭素が溶けているのだろうか。 ➀ 気体を集める方法 → 水上置換法
2 問題の調べ方を考え,その方法を使って調べる。 (1) 2つの方法を使って,実験を行う。 ○自分の仮説を確かめること (2)実験結果を交流する。 ○実験結果を共有し,客観性をもたせること ろうそくの火 石灰水 大 き く なる 変化 なし す ぐ 消 える 白く 濁る (3)実験結果をもとに,考察する。 ○実験結果からきまりを見つけること (2) 二酸化炭素が水に溶けることを確かめる。 ○見つけたきまりをより実感すること 3 本時のまとめをする。 (1) 本時のまとめをする。 (2) アンモニアの噴水実験を見て,本時学習を振り返 る。 ○気体が溶けている水溶液があるということを一般 化すること ○気体の正体を調べるための実験 方法と予想される実験結果まで, 書かせ,実験の見通しをもたせ る。 ○仮説を検証するために2つの方 法を行わせる。 ○結果を導きやすくするために,グ ループで①→②の順番で行うよ うにさせる。 ○溶けている気体が二酸化炭素で あるということを確認させるた めに,各グループの結果を①→② の順番に結果が分かりやすいよ うな表にして可視化する。 ○考察が自分で書けるようにする ため,自分では書けない子どもに は,キーワードを提示する。 ○二酸化炭素が水に溶ける性質を 視覚的,感覚的に体験させるため に,グループごとに炭酸水をつく らせる。 ○気体が溶けている水溶液がある ということをより確かなものにさ せるために,アンモニアの噴水実験 を行い,一般化をはかる。 グループ 全体 個人 グループ 個人 全体 【仮説】 ○ 二酸化炭素が溶けているから、石灰水を入れると白く濁るだろう。 ○ 二酸化炭素が溶けているから、ろうそくの火を入れると消えるだろう。 まとめ 炭酸水は、二酸化炭素が溶けた水溶液である。 また、水溶液には気体が溶けているものもある。 ① ろうそくを入れる:すぐに消える。/火が大き くなる。 ② 石灰水:白く濁る。/変化なし。 ○ろうそくを入れると、すぐに消え、石灰水と混ざる と、白く濁ったので、やっぱり炭酸水には二酸化炭素 が溶けていた。 ② 気体を調べる方法 ○ろうそくの火を入れる ○石灰水