第2学年2組 道徳学習指導案 指導者 1 主題名 「適切な言動」 内容項目2-(1)礼儀・適切な言動 資料 「明日香の決断」(佐賀県教育センター発行 道徳を通して培う情報モラルより) 2 指導観 携帯電話やパソコンのインターネットなどの便利な情報ツールの登場で、生徒たちを取り巻く社会 環境や生活様式、コミュニケーションの方法が変化してきている。そのため、情報ツールを使ったコ ミュニケーションを取る場合の道徳的判断力、情報モラルが求められている。メールのやり取りにお いては、言葉の受け取り方の違いによって誤解が生じる場合があり、相手の立場に立ったコミュニケ ーションをとる必要がある。そこで、メールでのコミュニケーションにおいても相手を思いやる心が 大切であると気付かせるとともに、適切な礼儀について考えさせたい。 本資料「明日香の決断」は、携帯電話に夢中になっている中学生1年生の明日香が、友達に何気な く送ったメールの内容が誤解され、その解決のためにどうすればいいのかと悩む話である。塾の帰り の連絡用として携帯電話を購入してもらったはずが、いつしかメールにのめり込み、メールで使用す る言葉にも荒さが目立つようになる。そして,自分が伝えたかったことがメールで伝わらず、友達に 誤解を与えてしまったことにとまどいを感じ,メールでの伝達に限界があることを感じていくという 内容である。この話は、メールは文字による意思伝達であるがゆえに生じるトラブルを扱っているの で、教師の範読による紹介ではなく、文字を文字として見せる工夫として、プレゼンテーションを使 用して教材の提示を行いたいと考えている。そして、普段身近にある携帯電話というコミュニケーシ ョンツールによって、簡単に言いたいことを言うことができる反面、文面によっては誤解が生じると いう側面にも気付かせたい。また、明日香の決断した行動を空欄にしておくことにより、生徒の多様 な意見を出させ、そこから何がより良い言動なのかを考えるきっかけとしたい。 アンケートから見ると学級のほとんどの生徒が携帯電話を使用した経験があり、携帯電話でのメー ルも半数の生徒が経験しているという実態がある。本資料のようなメールでの誤解の経験は身近なこ とと考えられる。メールは文章による伝達手段のため、対面コミュニケーションと違い、相手がどの ように受け取っているかは分かりづらい。メールでの誤解がもとで人間関係が崩れることもある。相 手の顔や表情が見えないからこそ気を付けたい礼儀や言葉の大切さを考えさせたい。 導入において、以前行った携帯電話に関するアンケートの結果について触れるところから、携帯電 話が身近なコミュニケーションツールの一つであるということを認識させたい。また、教材提示では、 パソコンのプレゼンテーションソフトを使用し、実際にメールの送受信が展開されているような臨場 感を出していきたいと考えている。展開段階では、携帯電話のメールで言いたいことを伝えていたは ずが、伝わらなかったという壁にぶつかり、それを乗り越えようとして、適切な行動をとろうとする ことを決断する明日香の心情を共感させたい。最後に、自分のこととして、人とコミュニケーション を取る時に大切なことは何かということもしっかりと押さえ、直接会って話をするときにも、さらに 相手を思いやった話し方が必要であるということも考えさせたい。 3 本時の指導上の工夫 (成就感を味わわせるための)資料が生きる発問と工夫 板書・プリントの工夫 ①自分とのかかわりを意識化させる発問 ①グラフを使い、感覚的にわかりや 導 ・自分達の携帯電話の実態アンケートの結果を掲示し、使い すいようにする。 入 方やマナーの必要性を感じ取らせ、携帯電話も人と人を結ぶ コミュニケーションの方法の一つだと言うことを感じ取らせ たい。また、メールで自分の気持ちを正確に伝えることが出 来るかどうかを「心のものさし」にさし示し、その理由を考 えさせることで、本時の価値への方向付けをする。 ②人としての道徳性を認識させる発問 ②教材提示では,パソコンのプレゼ 展 ・メールを使っているときの明日香の心情を考えさせるた ンテーションソフトを使用し,実際 開 め、悪い言葉遣いをするようになったことも「大したことで にメールの送受信が展開されてい はない」と思うようになった明日香について問う。 るような臨場感を出していきたい。 ③自分とのかかわりで道徳性を深めさせる発問 ③班の中で意見交流をし、どんな意 ・何気なく送ったメールによって、誤解された明日香の気持 見が出たかをまとめ、班ごとに発表 ちを考えさせ、明日香が「なぜ」と思ったことを問う。 させる。 ・明日香が最後どのような行動をとったかを考えさせ、なぜ 再度「心のものさし」に指し示さ そのように思ったかを問う。再度、メールで自分の気持ちを せ、級友の考えを視覚化する。 正確に伝えることが出来るかどうかを考えさせる。 ④自己の道徳性の成長を実感させる発問 ④プリントに自由にまとめさせる。 終 ・授業を通して考えたことを記述させ、本時の思考を振り 末 返らせる。 ・書いたことを発表したり通信で知らせたりすることで意 見の交流を促し、生き方の価値を深めさせたい。 (成就感、共存感)
4 ねらい メールのやり取りをする場面において、適切な言動があることを知り、話す言葉や文字による言葉も、 相手を思いやる心が大切であることを感じ取らせる。 5 展開 学習活動と主な発問 予想される生徒の反応 指導上の留意点 1 携帯電話に関する実態 ○コミュニケーションツールとして携帯 調査の結果を見て、感じ ・メールは便利だ。 電話を使われていること、また将来使 た事を発表する。 ・メールは伝えにくいこと う可能性があることを予感させる。 ○メールだけで自分の気 を伝えることが出来る。 ○「心のものさし」にメールで自分の気持ち 持ちを正確に伝えること ・メールでは自分の気持ち を正確に伝えることが出来るかどうかを示 が出来ると思いますか。 を伝えることが出来な させ、板書により考えを共有する。 い。 ○どうしてその位置なのかを尋ねることによ ・連絡はメールがいい。 り本時の価値への方向付けをする。 2 資料「明日香の決断」 ○明日香の気持ちを考えながら聞かせる。 の教師の範読を聞く。 ○プレゼンテーションソフトを使用し て、携帯電話のメールを表示すること で、資料の内容をつかませる。 3 メールを使っていると きに起こる明日香の心情 ○起こっているトラブルがメールの特性 を考える。 と関係していることに気付かせる。 ○明日香が悪い言葉でメ ・そういう性格だから。 ールを打つようになっ ・話すときに気を付ければ ても、「大したことでは 良いと思っていたから。 ない。」と思うようにな ったのは、なぜでしょう。 4 何気なく送ったメール ○何気なく送ったメールが原因で、明日 によって,誤解されて困 香と瞳の間に誤解が生じていることを っている明日香の気持ち 押さえたい。 を考える。 ○明日香の気持ちを考えさせることで, ○メールのことで瞳が怒 ・メールをただ送っただけ メールによって、自分の言いたいこと っているという話を聞 なのに誤解されたから。 が言えなかったこと,伝わりにくかっ いて、明日香が「なぜ」 ・仲が良い友達なのに誤解 たということに気付かせる。 という言葉を何度も心 されたから。 の中で繰り返したの ・自分が伝えたかったこと は、どうしてでしょう。 が伝わらず,誤解された から。 5 瞳に与えてしまった誤 ○メールでのコミュニケーションが中心 解をどうやって解くべき となっていた明日香がメールでは越え か決断した明日香の気持 にくい感情の壁にぶつかって、何が一 ちを考える。 番良い選択かを考える気持ちを感じ取 らせたい。 ◎明日香は「よし,そう ・瞳にメールを打ち直した。 しよう。」と言った後 ・瞳に電話した。 に,どんな行動をとっ ・翌日,朝一番に直接会っ ○なぜそのように思ったのかを質問して たのでしょう。 て話して,謝った。 いき、何が必要なのかを考えさせたい。 ○再度「心のものさし」にメールだけで 自分の気持ちを正確に伝えることが出 来るかどうかを示させる。 6 今日の授業の感想を道 ・コミュニケーションで ○自己の道徳性の成長を実感させるため 徳の記録プリントに記入 は,単に言葉や文字だけ に、授業を通して考えたことを記述さ する。 のやり取りではなく,相手を せ、本時の思考を振り返らせる。 ○授業で考えたことや授業 思いやる心が大切である。 の感想を書いてください。 導 入 ( 十 分 ) 展 開 ( 三 十 五 分 ) 終 末 ( 五 分 )