• 検索結果がありません。

接触型三次元デジタイザー計測システムの歯科領域への応用

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "接触型三次元デジタイザー計測システムの歯科領域への応用"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

〔原著〕 松本歯学22:283∼286,1996

     key words:三次元的計測一ロ腔石膏模型一二次元的計測

接触型三次元デジタイザー計測システムの歯科領域ヘの応用

林 干 昉   中 村 浩 志   宮 沢 裕 夫

松本歯科大学 小児歯科学講座(主任 宮沢裕夫教授)

A Study of the Applicability of 3D Digitizer and Modeling System to Dental Plaster Model Measurements

YU-FAANG LIN HIROSHI NAKAMURA and HIROO MIYAZAWA

Matsu〃zoto Dental College, DePa物zent()f Pedodontics.        (Chief :・Prof H.働a2awa)

Summary

    Morphological observation of dental plaster model has been studied in many methods. In measurement of dental plaster model, measurements are made using slide calipers or by taking moire photograph, with the recent ilnprovement in advanced data analysis using computers, instruments have been developed that enable both measurement and analysis of three−dimensional data as well as statistical analysis using various techniques.     However, the clinical application of these techniques in dentistry is not always easy slnce expenslve mstruments are required, their operation is too complicated, and three− dimensional measurements cannot be always performed. The present study used a newly developed contact−type three−dimensional measurement system(Space Arm, Faro Inc.)to evaluate the reliability of measurements from points previously set on dental plaster models in relation to a virtual plane, and the applicability of this instrument in dentistry.    The results indicated that this contact−type three−dimensional measurement instrument satisfies the various requirements for measurement in dentistry and demonstrated objectiv− ity, reproducibility and convenience, all of which are essential for measurement in den− tistry. Therefore, it was concluded that the instrument is practical for measurements in dentistry, especially measurements relating to three−dimensional virtual planes. 本稿の要旨の一部は,第33日本小児歯科学会総会(1995 (1996年10月16日受付 1196年11月13日受理) 鹿児島)において発表した.

(2)

284 林他:接触型三次元デジタイザー計測システムの歯科領域への応用 緒 言  口腔の正常な機能の育成を目的とする小児歯科 臨床では,口腔領域の成長,発達に伴う形態的な 分析,評価は重要である.特に口腔模型は口腔形 態の再現性に優れ,客観的な情報が得られること から,分析評価の対象として様々な検討がなされ ている.歯科領域における模型計測法は,通常, ノギスによる計測法やモアレ等高縞を用いた二次 元的解析方法1・2)が応用されているが,ノギスによ る計測では操作の煩雑さに加え,再現性に欠け, またモアレ法では非接触という利点はあるもの の,写真計測によるため,等高縞の深さの補正お よび中心投影補正を必要とするなど簡便性に欠け る面がある.近年,コンピュータの高度な情報処 理能力の向上の伴い,様々な手段を用いて三次元 的計測結果の解析および統計処理が精密に行える 装置が開発された3・4).しかし,これらの方法は高 価な機器,煩雑な操作あるいは三次元的計測がで きないものなど,歯科臨床への応用は困難な例も みられる.本研究の目的は,新しく開発された接 触型三次元的計測システム(Space Arm/Faro 社)を用いて,口腔石膏模型上に予め設定した計 測点から仮想平面までの計測値についてノギスに よる計測と比較し,信頼度および器機の歯科領域 への応用性を検討した. 材料および方法 1.接触型三次元的計測システム  Space Armの本体は自由自在に方向転換がで きる6本の長軸と6ヵ所の関節から構成され,計 測方向に制限がないため,あらゆる方向の計測が 可能である(図1).またSpace Armの先端は計 測物および計測方向に応じて,pitch, roll, jawの 3種類のtip(図2)に取り替えるだけで,金属を 含む,どのような材質の物体でも計測ができる.  本システムは三次元データを入力するための本 体とその座標値を認識するための解析ソフトであ るFaro Arm(Faro社製)を用いた.これらの計 測および計測値の処理は,計測器機本体に接続さ れたコンピュータ(Macintosh 9500/132 Apple Co.)に入力し,解析用ソフト(Excel/Microsoft Co.)により平均値,標準偏差値(SD)および変異 係数(V)を求めた. 2.資料および方法  計測対象は本大学小児歯科講座所蔵の正常と思 われる乳歯列咬合期の上顎石膏模型15例を用い た、計測点の設定は,先ず基準仮想平面を乳中切 歯間乳頭の最頂点と上顎左右第二乳臼歯口蓋側最 深点を含む面を基準仮想平面(図3)とし,さら に,正中矢状面と上顎左右第二乳臼歯口蓋側最深 点を口蓋に沿って結んだ線の交点から基準平面ま での距離を計測器機で計測した.次に,従来の二 次元的計測装置と精度を比較する目的で,前述の 図1:Space Armの本体 図2:Space Armの先端につける各種tip 図3:上顎歯列模型の仮想平面になる基準点

(3)

松本歯学 22(3)1996 模型を口蓋に沿って,上顎左右第二乳臼歯口蓋側 最深点を結んだ線で切断し,さらに計測の障害に ならないよう上顎左右第二乳臼歯冠を口蓋側最深 点まで削除した.計測は,鋼線を左右第二乳臼歯 口蓋側最深点におき,ついで模型断面と正中矢状 面の口蓋側交点から鋼線までの最短距離をデジタ ルノギスで測定した(図4).信頼度は両方の測定 結果,すなわち平均値とその標準偏差値について の差を検定(t−test)した. 結果ならびに考察 1.三次元デジタイザーによる計測の最大の利点 は,模型を破壊せず,計測点から仮想平面までの 計測が接触により行えることである.Space Arm の三次元デジタイザー計測システムを用いた場合 の計測平均値および標準偏差値については10.67 mm±1.26 mm,従来のデジタルノギスによる計

測値10.66mm±1.10㎜,と櫨差は認められ

ず,また変異係数はSpace Armによる計測では 11.8%,デジタルノギスによる計測10.3%と同じ ような精度が得られた(表1). 285 図4’ノギスによる計測の模型切断面 表1:Space Armおよびデジタルノギスによる計測値の比較       (mm) 症例No. Space Armによる計測値 デジタルノギスによる計測値 1 11.94 11.06 2 11.91 11.00 3 9.73 10.22 4 10.65 11.50 5 9.41 9.36 6 10.20 10.22 7 9.26 10.29 8 10.91 10.58 9 12.50 12.75 10 9.40 9.75 11 8.20 8.25 12 12.14 11.22 13 12.00 11.98 14 11.61 11.86 15 10.20 9.88 平均 10.67 10.66

SD

1.26 1.10

V

lL8%

10.3% N.S.

(4)

286 林他:接触型三次元デジタイザー計測システムの歯科領域への応用 2.Space Armの三次元デジタイザーを用いた 場合の模型計測法はtipを用いて,点として計測 することが可能であるため,従来の二次元的計測 に用いられるノギスやモアレ縞計測法の欠点であ るアンダーカット部の計測が可能であった. 3.現在使用されている歯科三次元計測方法は, レーザー式や表面形状測定器などがあるが,これ らは高価で,しかも計測器機自体の装置が大型で あり簡易性に欠ける点がある5).しかし,Space Armは小型で従来の取り込み装置より比較的低 価格で購入でき,しかもウィンドウズやマッキン トッシュ等のパーソナルコンピュータと簡単に接 続することができることから臨床応用にも適して いた. 4.計測値入力の簡素化;Space Armによって 得られたデータは,フットペダルによってコン ピュータへ入力することが可能であるため計測者 は,操作に際して,両手が自由に使えるため計測 操作が容易かつ簡便であった. 5.計測目的に応じて入力先端を替えることによ り,模型に対する損傷を避けることができた. 6.計測データの管理;模型計測データは接続さ れたコンピュータに入力され,三次元的メッシュ に変換することができるため,図示による成長, 発育の経年的観察も可能である.また,計測デー タをコンピュータ内に保存させ,必要に応じて取 り出すことが可能である.さらに計測対象物の相 関性,偏差値などの統計的処理も市販のソフトを 使用することにより可能である. ま  と  め  以上の各項目の利点から,歯科領域における各 種計測の条件を満たしており,歯科領域における 計測の具備条件としての客観性,再現性,簡便性 に非常に優れているものと考えられた.  したがって本装置は歯科領域における計測,特 に三次元的仮想平面に関連する計測には十分応用 できるものと考えられた. 文 献 1)刈谷至朗(1976)乳歯列期における口蓋の形状に  関する研究.小児歯誌,14:98−111. 2)前田隆秀(1977)モアレ等高縞による小児の口蓋  容積の研究.小児歯誌,15:180−188. 3)竹中 稔,山崎要一,緒方哲朗,小田 博,早崎  治明,阿部和久,中田 稔(1990)第一大臼歯萌  出前後における乳歯咬合小面の三次元的推移に関  する研究.小児歯誌,28:313−326. 4)友近 晃,石川博之,中村進治(1995)歯列模型  形状計測システムを用いた歯列歯槽部の三次元分  析法の開発.日矯歯誌,24:264−273. 5)松野昌展(1993)高精細レーザー三次元計測シス  テムによる下顎小臼歯の計測.歯基礎誌,35:89.

参照

関連したドキュメント

 接触感染、飛沫感染について、ガイダンス施設で ある縄文時遊館と遺跡、旧展示室と大きく3つに分 け、縄文時遊館は、さらに ①エントランス〜遺跡入

Osawa Takashi, 2017, The position and significance of the inscription and site of Dongoin Shiree of the Eastern Mongolia in the Archaeological and Historical research

一、 利用者の人権、意思の尊重 一、 契約に基づく介護サービス 一、 常に目配り、気配り、心配り 一、 社会への還元、地域への貢献.. 安

接続対象計画差対応補給電力量は,30分ごとの接続対象電力量がその 30分における接続対象計画電力量を上回る場合に,30分ごとに,次の式

接続対象計画差対応補給電力量は,30分ごとの接続対象電力量がその 30分における接続対象計画電力量を上回る場合に,30分ごとに,次の式

現状では、3次元CAD等を利用して機器配置設計・配 管設計を行い、床面のコンクリート打設時期までにファ

Abstract:  Conventional  practice  in  recording  information  on  archaeological  remains  is  to  take 

) の近隣組織役員に調査を実施した。仮説は,富