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ニューズレター TARS, Tohoku Association for Romantic Studies TARS Newsletter 5

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TARS : Tohoku Association for Romantic Studies

東北ロマン主義文学・文化研究会 ニューズレター 第五号

TARS Newsletter No.5  

[April 1, 2017]

ケ ン ダ ル の 古 書 店

小田 友弥

カーは突然閉店してしまった。

この原稿を書きだしたら、ブライアン・ピートのことを 思い出してしまった。彼はかなりのヘビー・スモーカー だったので、送られてきた本からは紫煙と古書独特のにお いの混じったものが漂った。文学博士でもあった彼は博識 で、2000年に湖水地方の調査にでかけた折には、色々教え てもらうことができた。また、彼からは湖水地方を描いた 古い版画などもらったことがあるが、そちらの収集にも力 をいれればよかったなどと、今になって反省している。

私の手元には、1776年出版の湖水地方旅行記などかなり の古書があり、戦友とも言えるそれぞれに対して思い出と 愛着がある。だが、現在は大半の古書籍がインターネット でダウンロードして読める時代なので、こうした古書籍の 資料的価値は大幅に減じている。この傾向には、今後一層 拍車がかかり、本の役割も変わっていくものと思われる。 とすれば、私の古書籍は私とともにこの世から消えてしま うことになりかねない。これはとても残念なことだ。幾冊 かは日本にこれしかないのではなどと考えると猶更であ る。TARSの会員の皆様は、自分の蔵書のこれからに関し てどのようにお考えになられるだろうか。

 湖水地方関連図書の在庫が豊富な古書店ユーイン・カー (Ewen Kerr Books)は、湖水地方の東の玄関口ケンダルに あった。書店主はブライアン・ピート(Bryan Peet)という 名前であった。

私は1990年頃から古い湖水地方への旅行案内書を読み始 めたが、日本ではそうした書籍を収蔵しているところは殆 どなかった。そのために読みたい本は、ブリティッシュ・ ライブラリーからマイクロ・フィルム版を購入してい た。1997年の9月から98年の7月中旬まで文部省の在外研究 員としてオックスフォード大学に滞在する機会に恵まれた 際は、ボドレー図書館で古書をコピーしてもらったり、書 き写したりして資料集めに努めた。そんな私の資料収集法 が1998年に一変した。この年に私は、オックスフォードで の研修で世話になったジョナサン・ワーズワス教授に勧め てもらい、初めてワーズワス・コンファランスに出席し た。正直なところあまり気乗りがしなかったのだが、内外 のワーズワス研究者と知り合いになれたし、エクスカー ションに参加し湖水地方の景色を肌で感ずることができ た。そして、ユーイン・カーのなじみになれたので、とて も有意義なコンファランス参加であった。

 今となっては記憶も薄れたが、コンファランス後半の午 後の行事がなかった日曜日だったと思う。私は会津の近藤 哲先生と一緒に、ケンダルの路地に面するユーイン・カー を訪れたのだが、店に入ったとたんに驚いてしまった。 ワーズワスの『序曲』の時の点に関するくだりには「絞首 刑の地」のエピソードが収められているが、このエピソー ドにまつわる事件の真相を記述したThe History of Penrith, from the Earliest Period to the Present Time (Penrith, 1858) ど、欲しいと思っていた本が所狭しと陳列されていたから だ。私は興奮して、帰国の交通費が心配な程古本を買って しまった。その後、年に数回発行されるカタログを送って もらい、カタログが届くたびに古書を中心に数冊ずつ注文 した。古い書籍の実物を持つ喜びに惹かれ、金銭的に無理 もした。こうして私の古い資料の収集は、この書店に大き く頼ることになった。カタログを介しての付き合いはしば らく続いたが、ある日、ブライアンの共同経営者から彼の 死の知らせと、在庫書籍の購入依頼が届き、ユーイン・

19世紀のケンダルとケンダル城址

Thomas Allom, The British Switzerland, or, Picturesque Rambles in the English Lake District (London, 1858, 60)より。ケンダル城は、 ヘンリー八世の最後の妃Catherine Parr (1512-48)の出生地である。

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◇◇◇◇◇◇ ご 報 告 ◇◇◇◇◇◇ 1. TARS 研究会

2016年度は下記の要領で開催されました。

<第 8回 東北ロマン主義文学・文化研究会>

・日時:2016 7 16日(土)13:3017:00

・場所:東北大学大学院文学研究科・文学部 811 教室

・参加者:臨時総会 : 30名(当日出席者 20名、委任状 10名)、シンポジュウム 22名(非会員1名含む)

*臨時総会 13:3014:10

*シンポジュウム 14:2016:50

「熱狂する主体」に注目し、bodysoul、sensibilityとキ リスト教の結びつきを検討する。このような分析を通し て、長い18世紀で、senseが「感覚」「思慮」「理解」

「審美眼」と多様な意味を抱え込んでいたことを確認 し、ChandlerWordsworthに確認した危機意識が、17世 紀末から19世紀初頭という長いスパンの社会構造の変化 に伴う文化状況の中で考え続けられてきた問題であるこ とを明らかにしたい。このような確認をした上で、フロ アからロマン派におけるsenseの問題などについて教えて いただくとともに、可能ならば、21世紀の現在という

「新たな」状況における「文学(研究)」が、「薬」と しての役割を担うことができるかも話し合うことができ ればと考えている。

川田 潤 ケンブリッジ・プラトニストとして名高いHenry MoreThe Immortality of the Soul (1659)において、soulbody 中間物としてsensoriumという概念を提示してい

る。sensoriumsoulvehicleとして定義され、それによ りsoulmaterialではないが、materialな影響を受ける存在 となる。このいわゆるvehicle仮説は、その後、様々な形 で受容され続け、18世紀において重要な地位を占めるこ ととなる。

本発表では、まず、The Immortality of the Soulより10 以上遡り、ネオプラトニズムと原子論的宇宙の複数性、 原子論的宇宙の無限性の肯定と(原子論により帰結され る)機械論的、偶然に基づく世界創造の否定を結びつけ ようとしたMoreの詩集Democritus Platonissans (1646) にお けるsense(s) に注目し、それがsoul / bodyといかなる関係 をもっていたかを明らかにしたい。とりわけ、このよう な議論が、キリスト教の概念と同時代の科学理論のすり あわせというMoreが生涯を通じて挑んだ課題とどのよう に結びついているのかに注目する。その後、このsense(s) がいかに、sensoriumという概念へと変化するのか を、Robert Boyleなどを含むConway CircleMoreとの書 簡を集めた、いわゆるConway Lettersを用いて辿り、More におけるcorporeal / incorporealの関係を分析したい。この ような作業を通じて、Moresense(s)が、いかに18世紀の 演劇に表象されるsense / taste、そしてmoralの問題に引き 継がれ、さらには、彼が追い求めた科学的かつ宗教的な 主体が、WesleySterneの主体とどのように断絶して/ 継承されているかを明らかにし、ロマン派へと至る sensibilityの形成の歴史の初期段階を捉えたい。時間に余 裕があれば、Chandlerも言及しているAbraham Tucker, The Light of Nature Pursued (1768-78)sensoriumMore sensoriumとの間の断絶/継承についても触れることがで きればと考えている。

テーマ:「長い18世紀におけるSense(s) の系譜」 講師・司会:川田 潤 氏 (福島大学教授)

講師:梶 理和子氏 (山形県立保健医療大学准教授) 講師:吉田 直希氏 (成城大学教授)

本シンンポジュウムは、長い18世紀におけるsense(s)と いうことばの多様な意味を手がかりに、ロマン派にいた るsensibilityの概念の生成変化の過程を多角的に再検討す ることを目的としている。

Andrew Bennet, ed. William Wordsworth in Context (2015) 所収の“Sensibility, sympathy and sentiment”で、James Chandlerは、近代(modern)の「新たな」社会情勢の 下、「仕事の単調化」によってもたらされる「心のマ ヒ」に対して、詩が果たす「薬」としての役割を Wordsworthが考えていた、とする(このような

Wordsworthの危機意識を19世紀後半にMatthew Arnold 共有し、「教養」の重要性を主張する)。Wordsworthが 問題にしたのは、繰り返される刺激によって感覚がマヒ し、より強い刺激が求められてしまう状況で、いかに少 ない刺激で「感じる」(feel)力を取りもどすことができ るかということであった。このような、「感じる力」

(sensibility)をめぐる問題の系譜をChandler18世紀の David HumeAdam Smithにさかのぼり考察する。Noel Jacksonも、同じくWilliam Wordsworth in Contextに収録の

“The Senses”で、Wordsworthsenseの意味の揺らぎに注 目しつつ、18世紀の科学言説、美学言説との結びつきを 強調する。また、このような<senseとsensibility>の系譜 を考える研究では、G. J. Baker-Benfield, The Culture of Sensibility (1992) が大きな影響力をもち、18世紀の生理 学・神経学のコンテクストが重視されてきている。  本シンンポジュウムは、このような研究動向を踏まえ た上で、17世紀後半から18世紀前半におけるsense(s)の系 譜を、詩、演劇、小説というジャンルで捉え、sensibility 研究を多角的に再検討する。まず、川田がケンブリッ ジ・プラトニストで王立協会フェローでもあったHenry Moreを取り上げ、その詩におけるsense(s)の重要性を確認 し、「科学的」な感覚とキリスト教的な理解とのすりあ わせの(不)可能性を検討する。次に、梶が、ジェン ダー論の観点も踏まえ、Susanne Centlivreを初めとする17 世紀末から18世紀初頭の演劇において、senseがいかに当 時のグローバルな物流環境の中での美意識(taste)と結 びつき、fair playmoralの形成と関連していたのかを取 り上げる。最後に、吉田が、John Wesleyのメソディズ ム、Lawrence Sterneの説教、Sentimental Journeyにおける

魂は物質か非物質か – Henry MoreSensorium

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Sense と/あるいはTaste –女性の消費願望とモラルの問題

梶 理和子 17世紀後半、18世紀にむかうイギリスでは、マーケッ トのグローバル化に伴い、新たな消費文化が始まろうと していた。国内での生産が、コスト的に難しい、あるい は技術的に不可能な商品が、海外から、時に遥か遠い東 洋から届き始める。これらの輸入品には、服飾品から動 植物、果実、陶器や茶、砂糖、香料などがあり、そのよ うな「贅沢品」を「味わう」人びとが生まれることとな る。

 本発表では、上流社会の風習を描く喜劇に登場する、 あるいは言及される贅沢品の表象に焦点を当てて、その ような商品を所有・蒐集・消費したいという(とりわけ 女性の)欲望を考察することで、sensetasteの多様な意 味の形成や変遷を確認することを目的としている。主 に、18世紀を代表する女性劇作家Susanna Centlivreの作品 を中心に扱う予定だが、17世紀から18世紀にかけての sensetaste の意味の多様化と変化を探るため、17世紀後 半の作品とも比較しながら考察する。その際に、以下の 5点に注目したい:(1)性的欲望(の対象)のメタ ファーとしての果実や陶器、(2)果実や花のマーケッ トが果たす情報発信源としての役割、(3)「ティー・ テーブル」を囲む女性たちをめぐる問題と可能性(4)経 済力とその行使の自由をそなえた女性のsexualitymoral の問題、(5)新興勢力の存在感が増す消費文化における ルールやマナーのせめぎ合い。

このような点に注目することで、Henry Moreでは扱わ れなかったsenseの意味の登場を確認しつつ、女性主体に 求められるmoralを明らかにすることで、次の発表のエロ ティシズムの検討の基盤を確認したい。また、時間があ れば、その多様性が18世紀後半に向かい、どのように展 開していくのかを、Alexander Gerard, An Essay on Taste (1759) をはじめとする一次資料も参照しながら、当時の 演劇作品に確認したいと考えている。

熱狂する主体の多層性 –小説的feeling-bodyへのアプローチ

吉田 直希  William Hogarth “Credulity, Superstition and

Fanaticism” (1762) は、メソディストに対する痛烈な諷刺 が鏤められた作品ではあるが、そこには「熱狂」

(enthusiasm) に対する作者と同時代人の両義的価値観が見 てとれる。性的興奮と宗教的熱狂の結びつきをあからさ まに強調することによって、この作品は18世紀における bodysoulの理想的な関係はどうあるべきか読者に問い かけている。John Wesleyのメソディズムは一般的に、

「聖書、理性、経験」を重視するthinking-mind志向の宗 派と考えられてきたが、実際は、自ら思考・認識ができ なくなる状態(a loss of cognitive control)の達成を目指 し、全く新しいfeeling-bodyを理想としていた。

本発表は、Wesleyの説教集で論じられている「熱狂」 の重要性を出発点とし、そこでの議論をLaurence Sterne の説教集と比較することにより、18世紀のfeeling-body 抱くsensibilityの両義性について検証することを目的とし ている。Wordsworthが考えた「いかに少ない刺激で感じ られるか」という問題は、WesleySterneの場合に は、bodyで神経的に感じることを重視するのではな

・日時:2016 12 3日(土)13:3017:10

・場所:東北大学大学院文学研究科・文学部 811教室

・参加者:定例総会 34名(当日出席 14名、委任状 20 名)、研究会 17

*定例総会 13:3014:30

*研究発表 14:4017:10 発表 114:4015:50

司会:佐藤 恵 氏(東北生活文化大学

短期大学部准教授) 発表者:小野寺 進 氏(弘前大学准教授) 発表2(16:00~17:10)

  司会:小田 友弥 氏(山形大学名誉教授) 発表者:中村 敏子 氏

く、soulで知的に「いかに永続的に感じていられるか」 という問題に読み替えることができ、sensibilityとキリス ト教のすりあわせが求められている。このような検討を 踏まえた上で、Sterneの、A Sentimental Journey (1768) おける「熱狂する」主体の多層性を明らかにし、この小 説が提示する人間機械論的思考のエロティシズムが、は たしてMoresensoriumと完全に断絶しているのか、ある いは、この時代の消費文化普及の中でどのような商業的 moralが要請されているのか、といった問題をジェンダー 的視点から整理し直し、18世紀のsensesに対する小説的 なアプローチの特徴を整理したい。

*第8回研究会夕食会(17:40~19:40)

・場所:エスカーレ(ホテルモントレ仙台1F)

・会費:3,000円

・参加者:13名

<第9回 東北ロマン主義文学・文化研究会>

ジェーン・オースティンと異質物語世界の<私> 小野寺 進 ジェーン・オースティンの小説は18世紀後半のフィー ルディング、スモレット、スターンなどの複雑なプロッ ト構成や多くの作中人物が登場するものとは一線を画 し、また同時代のゴシックロマンスに迎合することもな く、やがては19世紀リアリズムへ影響を与えることにな る文体で淡々と中上流階級の日常生活を描く。自由間接 話法という文体的技法は作中人物の内面を生き生きと描 写し、オースティンによって小説で用いられるよう発達 したと言われ、小説のリアリズムを構成する重要な役割 となっている。この自由間接話法を用いた作中人物の内 面描写はシャーロット・ブロンテ、ジョージ・エリオッ ト、トマス・ハーディといったような19世紀の作家に受 け継がれてく。しかしながら、『ノーサンガー・アベ イ』『高慢と偏見』『マンスフィールド・パーク』『説 得』などにおいて、この小さな世界の男女の恋愛感情を 女性の視点から近視眼的に見せてくれるはずの物語の語 り手は、<私>として自己を顕在化させる。語り手が自 分の所感を表明する物語内容レヴェルでの<私>の顕在 化による作中人物と自分の立ち位置との乖離を明確にす ることで、作中人物の意見や態度に読者が同一化を図る ことを回避しようとする。

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本発表では、18世紀や19世紀の異質物語世界で登場する

<私>が主として物語言説レヴェルでの顕在化であるのに 対し、オースティンにおいては物語内容レヴェルでの

<私>の顕在化として語りの特徴の一つとなっており、そ れは同時に反ロマン主義と評されるように、ロマンティッ ク要素の少ないオースティンの小説のロマン主義的側面に なっていることを考察したい。

ジョン・キーツの『スティーヴン王』を読む

― 副題「悲劇の断片」の持つ意味

中村 敏子

・日時:2016 12 3日(土)13:30 14:20

・ 場所:東北大学大学院文学研究科・文学部 811 教室

・出席者:14名、委任状: 20

定例総会は佐藤恵氏の司会で、鈴木雅之代表のあいさつ に続いて、四つの議題について審議した。

議題①『東北ロマン主義研究』第3号及び規定について a)新しく発行された第3号の費用や配布について鈴木代

表より説明があった。

b)収録されている論文のページ数に違いがあるので、執 筆規定に上限をどのように記載するか(文字数かテンプ

レートの頁数か)に関して、鈴木代表より幾つかの案が 示された。

c) 4号の刊行は201712月とし、拡大編集委員会を 現編集委員と第3号の執筆者で構成することが了承さ れた。

議題② 会計報告及び会計監査報告

a) 会計担当の鈴木美津子氏より平成27年度決算報 告、竹森徹士氏より監査結果の報告があり、平成27年度 決算は承認された。

b) 鈴木美津子氏より平成28年度予算書(案)が示され、了 承された。

徒歩(かち)()ちで闘うスティーヴン王を置いて、貴 族と傭兵隊長の率いる騎兵隊は総崩れに敗退し去って行 く。真冬の嵐の後、リンカン城外の荒涼とした原野を遠ざ かって行く兵の群れに投げつける王の怒り悔しさ嘲りを綯 ()い交ぜた憤怒のモノローグで始まる『スティーヴン 王』(King Stephen, 1819)は『オットー大帝』(Otho the

Great, 1819)の共作者チャールス・ブラウンが劇の筋を提

供した。ブラウンがスティーヴン王の資料を基に長ながと 語るのを遮ってキーツは一気に120行ほどを書いた。この 作品には『悲劇の断片』(A Fragment of a Tragedy)とか

『戯曲の断章』(A DRAMATIC FRAGMENT)という副題 様の添え書きがある。

ヘンリー一世は、「白い船」で遭難事故死した皇子ウィ リアムに代わって娘マティルダを後継者と定め司教や諸侯 に忠誠を誓わせた。ヘンリー一王の甥、スティーヴンも宣 誓式で誓った最重要人物であったが、王の死後、ロンドン 市民達の承認を得て登位した。「正統性が問題視される」 即位の経緯故、彼は諸侯や対外(ルイ六世と教皇庁)に気 を遣い金を遣って王庫は空になるほど浪費された;揚句、 抵抗勢力の領地没収、教会財産を私(わたくし)する暴政に 諸侯は抵抗してマティルダ皇后派に加わり、双方が他方の 領地領民を略奪、略取;「キリストも聖人も眠っているの だ」、ブリストルは「イングランドの継母」と嘆かれる ほどに世はアナーキ状態となった。十数年に亘る双方の 争いはスティーヴン王の闘いに集約され、「若者が差し出 したノルウエーの戦闘斧」を手に群がる敵をなぎ倒し寄せ 付けない彼の勇猛な姿は戦闘におけるマクベスを髣髴さ せ、斧も刀も柄まで折れて「刀を、刀を!」と叫ぶ彼は リチャード三世を想起させる。誇り高く孤高の王の「生 涯」は麗しい夏が霜に覆われた鉛色の冬のイメージを喚起 する認識で完結する。場所はリンカンに留(とど)まり、舞 台上の時間は昼の戦いから夜の宴へと移る一日で終わる; 古典的伝統様式に自然に収まっているが;「断片」とか

「断章」と呼ばれるのは何故であろうか。ブラウンはキー ツ死後知り合ったEJ・トレローニーの『弟息子の冒険』

Adventures of a Younger Son)の草稿を整理編集し、キー ツの未発表の詩行をモットーとして使ったが、当作品の数 か所の詩行も使われている。キーツが筆を置いた理由と、 当作品に対するブラウンの認識の間には隔たりがあるので はないか。

*第9回研究会懇親会(18:0020:00

・場所:Bikini TAPA+

(エスパル仙台店)

・会費:3,000

・参加者:13

第8回 東北ロマン主義文学・文化研究会 臨時総会 議事録

・日時:2016716日(土)13301410

・場所:東北大学文学部/文学研究科 811教室

・出席者:20名、委任状:10

臨時総会は佐藤恵氏の司会で、鈴木雅之代表のあいさ つに続いて、三つの議題について審議した。

議題① 東北ロマン主義文学・文化研究会ホームペー ジについて

ホームページ担当の竹森徹士氏より、資料に基づ き、ホームページの内容や運営の方針等について詳し い説明があった。大筋は了承されたが、次のような点 について質疑があった。

a)ホームページ管理者への謝礼についてどのように考 えているのか。

b)『東北ロマン主義研究』に収録された論文のホー ムページ上での公開は、公開時期を機関誌発行より遅 らせるなどして、会員に限定せず公開してはどうか。 c)国会図書館はISSNを発行している逐次刊行物を公 開しているのではないか。

 以上の点については、運営委員会で実情を調査 し、適切に対処することになった。

議題② 今後の運営方針について

20163月の運営委員会での検討をうけて、鈴木代 表より、委員の役割分担をできるだけ公平にしたい、 会員に分担を依頼する時にはお受けいただきたい、と いう方針が示され、了承された。

議題③ その他

 今井裕美氏(事務局)より、本年度の「会員名簿」作成 が少し遅れる(後日郵送予定)旨、連絡があった。 第9回 東北ロマン主義文学・文化研究会 定例総会 議事録

(5)

<ご連絡・お問合わせ先>

990-2316 山形市片谷地 515 東北文教大学短期大学部 総合文化学科 阿部(裕)研究室内 東北ロマン主義文学・文化研究会事務局

℡:023-687-8512(直通) e-mail: [email protected]

◇◇◇◇◇◇◇ 今後の予定 ◇◇◇◇◇◇◇ 1. 10 TARS 研究会について

10 TARS 研 究 会 で は 、 以 下 の 要 領 で シ ン ポ ジ ュ ウ ム を 行 い ま す 。

日 時 : 2 0 1 7 年 7 月 1 5 日 ( 土 ) 1 3 時 3 0 分 よ り 場 所 : 東 北 大 学 大 学 院 文 学 研 究 科 ・ 文 学 部 ( 予 定 ) タイトル:イギリス・ロマン派の想像力と古事物研究 司会・講師:小田 友弥 氏 (山形大学名誉教授) 講師:鈴木 雅之 氏 (宮城学院女子大学特命教授) 講師:竹森 徹士 氏(宮城教育大学准教授)

内容:キャムデンの『ブリタニア』(1586)出版以来、 イギリスの古事物研究熱が高まった。こうした研究 の成果は地方史書などの形をとって発表され、文学 者の想像力を刺激したので、17世紀英文学の研究な どにおいては、古事物研究と文学者・作品の関連が 文学研究のテーマになってきた。しかし、18、19世 紀においても古事物研究が盛んであったにもかかわ らず、ロマン派の研究においては、古事物研究との 結びつきが重要な論点となってこなかった。これは ロマン主義文学と古事物研究の関係が希薄なことを 示すのであろうか。それとも両者の関係が未開拓の まま放置されているということであろうか。このシ ンポジウムでは、以上のような問題意識を持って、 ブレイク、ワーズワス、ハーディの古事物研究との 接し方が、どのようなものであったかを取り上げる。 2. 11 TARS 研究会について:発表者募集中!

11 TARS 研究会は、2017 11 25日(土) 例年12月開催の研究会ですが、日本英文学会東北支 部大会が12月2日(土)開催と決まったことにより、 今年に限り例外として11月末に行います。

13 30 分から、東北大学大学院文学研究科/文学部に て開催の予定です。

研究発表(40 分程度)をご希望の方は、5 月末日ま で にご発表の意思を事務局までご連絡下さい。

なお、レジュメ等はその後にご提出をお願いすること になります。

3. TRS 4号投稿論文募集中!

7月末日までにWord 文書データを事務局までお送 りください。

◇◇◇◇◇◇ ご連絡とお願い ◇◇◇◇◇◇ 1. 会員名簿について最新の会員名簿につきまして

は、 7 月の研究会ご参加の会員の皆様に直接お渡し する予定です。なお、ご欠席の皆様には別途ご連絡 いたします。

2. TRS をもう 1 部追加希望の方、また、電子媒体版 TRS をご希望の方は、下記のアドレス

[email protected])までご相談下さい。 3. 新入会員のご紹介

2016 年度は以下の皆様が新たに入会されました。名 前と所属を掲載させていただきます。

桐ケ窪 牧子 氏(宮城県大河原教育事務所 教育班主幹) 南 隆太 氏(東京経済大学 教授)

4. 2017年度会費納入のお願い

2017 年度会費の納入につきまして、以下の口座宛て に会費のお振込みをお願いします。なお、郵便局備え 付けの払込取扱票はご利用できませんのでご注意下さい。

①金額:一般会員 3,000 円、学生会員 1,000

*金額のお間違えにご注意ください!

②金融機関:ゆうちょ銀行

③口座の種類:普通口座

④宛先:トウホクロマンシュギブンガクブンカ ケンキュウカイ

⑤口座番号:18160-11746181

⑥口座番号[ゆうちょ銀行以外からの入金用番号]

:1174618【7ケタのみ】

⑦金融機関コード:9900

⑧店番:818

⑨店名:八一八店(ハチイチハチ店)

*ゆうちょ銀行の口座(送金機能付き)をお持の場 合は、手数料無料で口座間での移動が可能です。

*ゆうちょ銀行以外からの振り込みの場合は、

⑥~⑨の項目をご利用下さい。 5. 新規会員大募集中です!

TARS にご入会希望の方は、大変お手数ですが、以 下の内容を下記事務局まで電子メールまたはハガキ でご連絡下さいますようお願いいたします。

1) 御芳名

2) 所属および職位

3) 連絡先住所・電話番号・E メールアドレス 4) 専門・関心分野

〔研究発表・シンポジウムでご担当可能なテーマ などをお書き添え下さい。

議題③ 研究会の運営について

a) 鈴木代表より来年度も運営委員は同じ体制で臨む が、負担に偏りがないことが望ましいので、会員へ の協力依頼があった。

b) 竹森徹士氏より『東北ロマン主義研究』に収録し た論文のホームページ掲載に関して、また他学会等 へのリンクに関して説明があった。

c) 鈴木代表より、ホームページ企画の「私の一枚」 への多くの会員の参加を求める発言があった。 議題④ その他

a) 今井裕美氏より、平成29年度の2回目の研究会は、 会場の都合で11月25日になること、会員名簿は現在調 整中で、近日中に郵送する旨報告があった。

b) 新入会員桐ヶ窪牧子氏よりあいさつがあった。

6. ホームページ

TARSホームページを開設しております。研究会情報 や「私の一枚」企画等、会員の皆様積極的にアクセス してお楽しみ下さい。(アドレス https://

sites.google.com/site/tohokuromanticstudies/home

参照

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