グローバル経済に対応した農林水産業の
産 地 体 制 及 び 生 産 基 盤 の 強 化 に 関 す る
要
望
書
本 県 の 農 林 水 産 業 は 、 地 域 の 経 済 ・ 社 会 を 支 え る 基 幹 産 業 で あ る と と も に 、 こ れ ま で 、 国 民 に 対 す る 食 料 の 安 定 供 給 や 、 国 土 及 び 環 境 の 保 全 な ど の 面 で 重 要 な 役 割 を 果 た し て き ま し た 。
一 方 、日 E U・E P A 交 渉 が 大 枠 合 意 に 至 り 、さ ら に 、 T P P 協 定 や 日 米 経 済 対 話 等 の 検 討 が 進 め ら れ る 中 、 今 後 、 関 税 の 引 下 げ や 関 税 割 当 枠 の 取 扱 い な ど に よ り 、 国 内 農 林 水 産 業 へ の 影 響 が 懸 念 さ れ る ほ か 、 農 山 漁 村 、 中 山 間 地 域 で は 急 激 な 人 口 減 少 と 少 子 高 齢 化 の 進 行 に よ り 、 地 域 活 力 の 低 下 が 懸 念 さ れ て い ま す 。
こ の た め 、「 農 林 水 産 業・地 域 の 活 力 創 造 プ ラ ン 」等 に 基 づ く 施 策 等 を 活 用 し な が ら 、 農 林 水 産 業 の 体 質 強 化 に 向 け た 取 組 を 進 め て い る と こ ろ で す が 、 今 後 、 多 く の 産 地 を 支 援 し て い く た め に は 、 事 業 の 充 実 ・ 強 化 が 不 可 欠 で あ る ほ か 、財 政 力 が 脆 弱 な 地 方 自 治 体 の 負 担 軽 減 な ど 、 万 全 の 対 策 を 講 じ て い く こ と が 重 要 で す 。
- 1 -
1 日EU・EPA交渉への適切な対応について
(1)畜産の生産基盤強化と生産者の収益性向上を図るた め、畜産クラスター事業等を中長期的に継続すること。
また、酪農及び養豚の生産者が安心して経営を継続 できるよう、酪農の経営安定対策については再生産が 可能となる水準を維持するとともに、養豚の経営安定 対 策 に つ い て は T P P 発 効 時 に 強 化 す る と さ れ て い る内容を前倒しで実施すること。
さらに、これらの対策の財源となる基金が枯渇しな いよう、必要な予算を確保すること。
- 2 -
2 農林水産業の産地体制及び生産基盤の強化について
<担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進> (1)農地利用の集積・集約の促進に必要な機構集積協力
金の予算を確保するとともに、安定的な仕組みとして 継続すること。
また、農業委員会が農地利用最適化業務を行うため の機構集積支援事業について、必要な予算を確保する こと。
(2)農地中間管理機構の運営等に必要な推進事業費につ いては、平成29年度と同様に各県の実質負担を認め、 地方に新たな負担を求めないこと。
(3)農地中間管理事業を利用する受け手に対して、拡大 初期の経営負担を軽減する交付金の新設や、売買によ る利用集積に対して、経営体育成支援事業におけるポ イント加算などを行うメリット措置を設けること。
- 3 -
(5)外国人技能実習制度について、通年で幅広い実習実 施を可能とするため、1つの受入先農家等となってい る現行制度について、複数の農家等を認める運用改善 を行うこと。
<水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施>
(1)需要に応じた米生産の実現に向け、水田活用の直接 支 払 交 付 金 制 度 の 恒 久 化 と 必 要 な 予 算 を 確 保 す る と ともに、全国的な需給調整に必要な環境整備を一層推 進すること。
(2)米の直接支払交付金の廃止に対応し、今後も水田農 業の経営安定化が図られるよう、野菜等高収益作物の 新規導入及び規模拡大の取組に対して、交付金を一定 期間、面積払いするなど、稲作農家の所得確保に向け た支援を行うこと。
<強い農林水産業のための基盤づくり>
- 4 -
(2)国土強靭化を図るため、農村地域の洪水被害防止対 策やため池等の農業水利施設の耐震化・長寿命化対策 な ど を 早 急 に 実 施 す る た め に 必 要 な 予 算 を 確 保 す る こと。
(3)農業水利施設の管理体制の整備・強化のため、平成 29年度までの実施期間とされている「国営造成施設 管理体制整備促進事業(管理体制整備型)」の継続・拡 充を図るとともに、基幹的農業水利施設について、老 朽 化 の 進 行 や 集 中 豪 雨 な ど に 対 応 し た 管 理 を 適 正 に 行うために必要な予算を確保すること。
- 5 -
<農林水産業の輸出力強化と農林水産物・食品の高付加価値化> (1)ベトナム向けりんごについて、無袋栽培りんごの輸
出を可能とする科学的根拠を得るため、県が行う調査 研究に助言・指導を行うこと。
また、低温処理等により無袋栽培の輸出が可能な日本 産なしと同等の検疫条件の導入や、合計で4回必要な 園地検査については、重複する検査の省略や抽出検査 の導入で産地の負担が軽減できるよう、ベトナム政府 へ働きかけること。
(2)GAPの普及拡大を推進するため、GAP指導者の 育成や認証取 得経費等に必 要な予算を確 保すること。
<食の安全・消費者の信頼確保>
(1)本県への火傷病とコドリンガの侵入を阻止するため、 韓国政府に対する侵入経路の早期解明等と、米国政府 に 対 す る 日 本 向 け 米 国 カ リ フ ォ ル ニ ア 産 さ く ら ん ぼ に お け る コ ド リ ン ガ 混 入 の 再 発 防 止 を 要 請 す る と と もに、輸入検疫体制及び国内検疫体制を強化すること。
- 6 -
(3)野菜に使用できる無人航空機用農薬の登録を拡大す るとともに、農産物の高品質・安定生産に向けた病害 虫の発生状況の把握、防除技術の導入及び農薬抵抗性 の確認など、防除対策の確立に向けた予算を確保する こと。
<林業の成長産業化と森林資源の適切な管理>
(1)適切な森林整備と国産材の安定供給を担う林業事業 体等の人材育成・確保に向けて、現場技能者の知識・ 技 術 向 上 や 若 者 等 の 新 規 参 入 と 定 着 を 図 る 取 組 に 対 して支援を強化すること。
(2)将来にわたり森林資源の循環利用を図るため、再造 林 へ の 支 援 に 要 す る 森 林 環 境 保 全 直 接 支 援 事 業 予 算 を安定的に確保すること。
- 7 -
(4)松くい虫被害及びナラ枯れ被害の先端地域における 被害拡大を確実に防止するため、森林病害虫防除対策 に必要な予算を確保し、本県に対して優先的に配分す るとともに、被害監視の効率化に向けた技術開発や防 除技術者の育成支援を行うこと。
<漁業の成長産業化と資源管理の高度化>
(1)水産業の新規就業を促進させるため、次世代人材投 資 事 業 に お け る 漁 業 学 校 等 の 認 定 基 準 を 緩 和 す る と ともに、長期研修支援の要件を関係者の三親等以内も 対象とすること。
(2)水産物の生産・流通拠点となる漁港の耐震化や、老 朽 化 し て い る 漁 港 施 設 の 長 寿 命 化 を 計 画 的 に 推 進 す るための防災・減災対策に必要な予算を確保すること。
- 8 -
(4)公海での外国船によるサバなどの資源の乱獲防止に 向け、関係国への働きかけを強化すること。
(5)我が国の排他的経済水域における本県のスルメイカ 操業船の安全確保と資源管理のため、国の関係機関が 連携し、違法操業の監視・取締りを強化すること。
(6)クロマグロの資源管理については、定置漁業におけ る 操 業 の 継 続 と 資 源 管 理 が 両 立 で き る 小 型 魚 の 再 放 流技術を速やかに開発すること。
平成29年9月14日
青 森 県 知 事 三 村 申 吾