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15i0003j 【タイ石油公社】据置・見通し変更:A /ネガティブ→安定的,A/ネガティブ→安定的

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15- I- 0003 201 5 年 4 月 2 日

株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。

石油公社

(証券コード:−)

【見通し変更】

外貨建長期発行体格付 A−

格付の見通し ネガティブ → 安定的 自国通貨建長期発行体格付 A

格付の見通し ネガティブ → 安定的 【据置】

債券格付 A−

■ 格付事由

(1) 格付は、タイ政府のエネルギー政策におけるタイ石油公社(PT T )の重要性、ならびに、法的地位や資本、 人的関係に見られるタイ政府との強固な関係などに基づき、タイ政府の格付(発行体格付:外貨建 A - / 安 定的、自国通貨建 A / 安定的)を強く反映する。また、格付はこれらの要因を背景としたPT T の十分なキ ャッシュフロー創出力や健全な財務状況なども考慮している。格付の見通し変更は、4 月2 日に公表した タイ政府の格付の見通し変更を反映している。

(2) PT T は、01 年に前身であるタイ石油公団の株式会社化により設立、上場された上中下流の一貫操業を行 う石油・ガス会社。タイを中心に子会社や関連会社を通じて、探鉱、開発、生産、輸送、精製、販売等の 幅広い業務を行なっている。PT T は、タイ政府のエネルギー政策上極めて重要な存在であり、タイ財務 省が 51%を直接出資しているほか、政府が 03 年に設立したワユパック基金1が 15%を出資している。加 えて、PT T の現在の取締役13 名のうち9 名が行政府出身者で占められている。また、PT T は 1959 年予 算手続法や 2005 年公的債務管理法で規定される国営企業の地位にあり、その債務は公的債務の一部とさ れ、財務省がその財務状況を監視している。

(3) PT T の事業のうち、石油ガス探鉱・開発・生産事業および天然ガス事業は、14 年の E BIT DA のうちそれ ぞれ 70%、22%を占める中核事業である。PT T が資本の 65%を保有する石油ガス探鉱・開発・生産を担 う子会社であるタイ石油開発公社(PT T E P)は、14 年末時点での確認埋蔵量が 7. 77 億BOE 、可採年数が 同 6 年、14 年の埋蔵資源の再調達率は 5 年平均ベースで 0. 45 倍、採掘成功率は 58%となっている。なお、 コンデンセートを含む石油と天然ガスの比率は、販売量で 33:67、確認埋蔵量で 24:76 である。タイ国 内における天然ガスの需要は、これまで一貫して増加している。14 年、PT T が独占的に供給する天然ガ スを燃料とする発電は、総発電量の 67%に達しており、PT T は安定的な電力供給を行う上で重要な存在 となっている。天然ガス事業では、長期売買契約が締結されている。購入する天然ガス価格は石油価格の 変動を一部反映するものの、販売する天然ガス価格は平均購入ガス価格にパイプライン通過料金およびマ ージンを上乗せした価格に設定されており、影響は基本的に最終需要者に転嫁される。需要の減退に対し ては、新規投資の抑制や、プロジェクトの生産開始時期の延期による生産調整、天然ガスの長期売買契約 上の引取り義務の一部繰延べ条項に基づく繰延べ等により、一定の対応が可能と考えられる。

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準に抑制されているため、一定のマージンは確保できる見込みである。PT T は、これまで継続的に収益 の多くを内部留保として積み上げており、14 年末の連結ベースの自己資本比率は 48. 7%にまで上昇して いる。純有利子負債の自己資本および E BIT DAに対する比率は 0. 3 倍、1. 0 倍と、PT T の財務目標である 1. 0 倍、2.0倍を下回っている。PT T は生産量の拡大に向け多額の投資計画を有しており、2015年からの 5 年間で248 億ドルの投資を予定している。このため、今後一時的に財務レバレッジが上昇する可能性は あるものの、潤沢な手元流動性と営業キャッシュフローにより、財務の健全性は維持されると考えられる。

(担当)田村 喜彦・利根川 浩司 ■ 格付対象

発行体:タイ石油公社(P T T P ublic C ompany L imited) 【見通し変更】

対象 格付 見通し

外貨建長期発行体格付 A- 安定的

自国通貨建長期発行体格付 A 安定的

【据置】

対象 発行額 発行日 償還期日 利率 格付

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格付提供方針に基づくその他開示事項

1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 3 月 30 日

2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本 幸一

主任格付アナリスト:田村 喜彦

3. 評価の前提・等級基準:

評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類

と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。

4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:

本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、

「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)、「都市ガス」(2011 年 12 月 7 日)、「石油」(2013 年

5 月 21 日)として掲載している。

5. 格付関係者:

(発行体・債務者等) タイ石油公社(PT T Public C ompany L imited)

6. 本件信用格付の前提・意義・限界:

本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。

本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性

の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので

はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外

の事項は含まれない。

本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま

た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入

手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。

7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:

・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表

・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明

8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:

J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、

独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、

当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。

9. J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし

■留意事項

本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また

はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、

的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また

は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、

金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因

のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ

って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも

のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として

発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ

を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。

■NR S R O 登録状況

J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。

■ 本件に関するお問い合わせ先

参照

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