ダイブストラドルの研究
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(2) . 第7 巻 第1号. 北海道学芸大学紀要 (第一部増補). 1和年7月 昭3. ダイ ブ ス ト ラ ドル の 研 究 波. 滝. 武. (北海道学芸大学札校分校体育研究室). Ta 1 くeShi TA.dNAムー.: The Research 。n the Dive St radd1 e Sty1 e. 目. 1 虹 旧 ▽ 1. 次. 序 走高跳と踏切 ストラ ドルスタイルの助走と踏切 振挙脚の考察. 電 孤. 1. 序. ▽. 〆イ ブ ス トラ ドル の レイ ア ウ ト. ダイ ブス トラドルの優位性 結 語 参考女献. (D 走高跳の技術指導は既に多くのコーチ、 選手によって紹介されているが、 その内容を良く 観察するときに、 同一の基礎的問題に対する意見の相違の多い事に気がつく。 そ-の理由として次の. 如きものが挙げられる。 1 . 判定基準と ・して横木を落さなければ良いという規則 2 助走の方向 . 、 助走範囲の広さ、 踏切地点に殆んど制限のない事実. 1がもたらしたフオームの多様性、 並に各フオームについての有利性の 研究不充分のために 伝統的習慣によって正面跳を主張している事実. 3.. 4 . 優秀選手の外形上の模倣 5 . 選手個人の体験、 及びコーチの経験だけの主張 等のような事が、 競技者の資質や練習経験、 コー チのコーチ経験 の中心となって混乱を生じ、 万人. 共通の原理から納得のしかねる方法 が、 指導 される所以であると考える。 此処に各コーチの経験不 統一のま >に、 それ等が個々に主張され、 いわゆる運動学的理論の裏づけがなされなかった。 特に. 優秀選手の外形上の模倣は、 競技に於て多く行われ易いが、 如何なる競技に於ても云える事である が、 特に走高跳に於ては、 自己の特徴を見つめ、 自己に最も適した方法を見出さなければならない と考える。 それは、 あく迄原理に沿うて、 可能性の許容範囲の中で、 自己の特 質を生かしたスタイ ルを作り出さなければならない事を意味するものではな かろぅか。. 確立 した理論は、 欠の発展段階の重要な基礎であり、 亦指導と練習のメー をも つ も の で あ っ て、 そのために理論の確立が要求される。 経験は貴重である。 然 し乍ら経験の蓄積だけが存在して理論. .ざる .に長時間を要 し、 亦は当を得 的空白の場合に試行錯誤の連続である。 そのために、 それの体得 のである事を我々は常に練習の場に於て経験するも 練習となり、 時間と労力の無用の消費を伴 .うも のであり、 亦メ ドをもたぬコ【チ振りに困惑する事を常に反省する。 練習はコーチの理論とメ ドを. 競技者が納得 .するものでなければならない。 そこに理論の重要性があり、 目的への最短距離にもつ な が る も の と 考 え る。 -138-.
(3) . ダ イ ブ ス ト ラ ド ル の 研 究. 競技者を原理への (精神、 身体) の可能性の範囲に於てそれを近づけ、 一般的原理を把握し、 確 信をもって指導 し、 練習する事 が必要である。 競技の技術向上の理論的な、 追求こそは、 競技の特 質である。 此の追求 が、 一般原理と身心の協調によって、 より高度のものが可能とされて行く。 一 般原理とは広範な内容を有する運動学である。 此の体系 のもとに研究 されつつある走高跳 のスタイ ルに於て、 最も合理的、 経済的跳躍方法はストラ ドルスタイ ルであると云われる。 (u) ス トラ ドル スタイ ルは、 走 高 跳 の スタイ ル の 中 で 最 も 新 しい、 最も 経 済的 跳 躍 方 法 と して 秋間、 織田、 金原氏等の常々主張される所のものであるが、 我が国跳躍界の実情は、 戦後取り入れ られたスタイ ルとして未だ賛否両論の中にあるが、 既に世界的傾向として各国の最も多く使用され て い るも の で あ る。. 1895年 に マ イ ク ・ ス ウィー ニイ が正 面 跳 で、 (lm97) の世 界 記 録 を作 りあ げ た 時 に、 陸 上 競 技 界. は、 此のスタイ ルの走高跳を進歩させる役割をする事を認めたと云われる。 その後正面跳が、 世界 的 傾 向 と して、 各 国 に 採用 さ れ、 これ か ら変 化 した ラ ル ソソ、 ス タイ ルが 出 現 した り し た が、 日 本. では、 現在に至る迄も此れを採用しているのを見ても、 その影響の大きかった事を知る事が出来 る。 そ の 後、 ジ ョ ー ジ・ ホ ー リ ン・ ハ ロ ル ド・ オ ス ボ ー ソ、 デ ー ヴ・ ア ル ブ リ ッ トソ、 レス ・ ス チ. アース等の出現は、 コーチや競技者に、 技術の変革と改良を明確に印象づけ、 同じ根本原理をもつ 走高跳の技術面に於て多様のスタイルの可能を知らしめるに至った。 走高 跳 の ス タイ ルの 歴 史的 変 化 は、 跨 ぎ越 眺、 正 面 跳 (イ ー スタ ン スタイ ルの意 でラ ル ソ ソを 含 む)、ウ ェ スタ ンロ ー ル (ロ ー ル オ ー バ ー の 意)、ス トラ ドルの 順 に 変 化 して 来 た が、 今 日 で は ウ エ ス タ ンロ ー ル と ス トラ ドルだ け しか跳 躍 場 に 見る 事 が 出 来 な い と 云 われ て い る。 例 え ば、 西 ドイ ツ に 於 て 正 面 跳 を 禁 止 し、 上 述 の 二 つ の スタイ ル だ け を 採用 し、 アメ リ カ の 著書、 論 文 に 於 て、 イ ー ス タンの語句は完全に姿を消し 僅かにソ連邦の G. B カラ ブコ フ と ホメ ンコ フ の 著書 に 見 出 す だす. 、 である。 それも明らかに正面跳の不利を主張し、 今後のスタイルは上述のものを 採 用 している事 1 1 104 (日本 記録 2m02) に 対 して、 上 述 の スタ イ ルの を見出す。 亦記録的に正面跳の世界記録 2 o c m以上の高 さを 征服しつつある事は、 競技者の増加のみでなく、 規約改正 に伴う最大限の 人々が1 応用 か ら ス トラ ドル スタイ ル の 出現 した も の と 見 る 事 が 出 来 る。. 此処に (1) と (=) の事から一応の技術考察を理論と経験を通して試みるものである。 =. 走高跳と 踏切. 走高跳は、 規則から見れば、 重心を如何に高く保つか、 云わぱ、 どれ程高く跳び上る事が出来る かを競うものではなく、 或る高さの横木を落さずに眺越す事が出来るかと云う事を競うものであっ て、 横木に身体の部分が接触しても落ちなければ良いという極めて微妙な競技で、 跳躍力と精神的 圧迫の極めて大きい競技である。 此の事から考察出来る事は、 此の場合重心を高くあげる事は、 大きい効果をもたらすと共に、 第 1の重要要素であり、 此の点から踏切の重要性が最も強く叫ばれるものである。 自己の重心を如何 に高く引きあげるかについては、 各スタイルに於て同一の原理である。 もし重心の高 さを競うものであれば、 スタイ ルの優劣論は起らないが、 実際の競技の勝敗の決定. は、 横木を落すか否かによって分岐点となってスタイルの優劣論が生ずるものであるが、 此の重心 の高さと技術によって走高跳の勝敗が決定される。 切に於ける地面の反機力の大き さと 止 ヒの走高跳に於ける決定的要素をもつ重心の高さ、距離は、踏‐ (走中跳の空中動作によって距離を伸ばすと云う事は間違いであって、 方向によって決定される。 ( -1 39-.
(4) . 滝. 波. 武. それは着陸の際、 脚の着地点を伸ばすための準備動作であって、 水平距離を伸ばすためには、 助走 スピー ドと踏切の強さと方向によって決定されるべきものである。 即ち並進運動に於て、 運動の途. 中から新たな力が加わらなければ運動量が一定しているので、 “ 七の場合、 助走と踏切によって決定. するものである。 ) ) 此の様に考察するならば、 跳躍競技に於ては、 跳躍の基礎の解明が根本的なもので、 重心に逆ら って身体を高く空中に跳 び上らせる走高跳に於ては、 力学的考察 が必ず行われなければならないと. 共 に、 それを支配する筋力、 巧敵性等の身体の生物的特徴を知らなければならない。 特に力を加え る事は生理的立場から一般的知識として是非必要である。 走高跳の力 学的原理は極めて簡単である。 秋間氏の説明によると、 次の如く云っているが一般的 にも此の様に解釈をしている。 (図1参照) 図. I. . 人間の質量 M. I. 助走速度. V. 踏切つた瞬間 (踏切足は地面 から離れていない) の重心の 位置を○とする。. OA の方 向 に 助 走 して、 OB の 方 向 に、 あ る 速 度 で 踏.切る と、 ( )A、 OB、 の 方 向に 力 を 生 じる、 . 此の踏切によって、 ベクトルの合成 による平方四辺形の法則から OC の 方 向と大きさをもった力 を得て、 その方向に重心が飛躍移動する事になる。 此の場合、 最も有効な飛躍とは、 0 (重心) の 位置が横木の垂 直面から適当の距離にあり、 OC と地面とのなす角度 α が 適当な角度になって、. それによって生ずる重心 ○ の運動の軌跡が要求される最良のコースをたどる事である。 従って重 心 ○ が、 此のコースをたどるためには、 実際時には、 横木垂直面から、 どれ位の距離から、 どの. 様な方向に、 どの様な力で踏切れば最良の d の コ ← スを た どる 事 が 出 来 る か と 云 う事 に な る。 以上の秋間氏の意見の場合は、 踏切が瞬間的に行われたものとしての考察であるが、 実際の踏切 時に於ては、 踏切脚の着地から離陸する迄には踏切の継続時間があるわけで、 そこにどの様にして 踏切ったならば最も大きな上昇力に切換えられるかと云う事が問題として出現する。 これが普通云 われるバネの事になるもので、 筋肉の収縮と地上の復原力との時間的一致が、 タイミングとして現 出されて来て大きな跳躍力を生む。. 此の場合、 踏切時間が復原力の固有周期の 1 / ご が最も効果があるとされているが、 人体の生理的 剛体と異って複雑な 機能は、 条件があって、 極めて難しい問題である。 踏切に於ける復原力は、 競 技者の助走ス ピ← ドや、 主と して下肢の筋肉自身のもつ弾性と地面の固有振動であろうが、 地面の 固有振動、 即ち復原力はどの程度のものかは競技界に於て、 全然研究されておらないし、 亦その資 料もない。 唯木を置いて跳躍すれば記録のよい事実やあまり軟い場合に力が吸収されて復原力の失 う事実から見て、 ある程度 固い地盤が宜しいと考えられる。. 筋肉の弾性についての収縮力については、 生理 的見解は行われているけれ ども数字の発表迄には. 至っておらないので、 持続時の事については、 筋肉と神経の協調によるタイミングによって自身の 40- -1.
(5) . ダイ ブ ス ト ラ ドル の 研 究. 練習によって体得するより外にない。 此 の d なるコースをたどる実際的角度 α の事は、 連続写真、 競技者の経験等から判断するなら ば、 体験的に身体の動作を説明すると、 助走を速く して、 踏切った瞬間に踏切脚で身体を後方に押. し戻す様にして突張るか、 助走速度を遅く して、 三歩位から歩巾を拡げて、.最後の踏切脚の歩巾を 幾分縮めて、 真上から叩きつけるのを両極端として、 その間に於てそれ ぞれの助走速度に応じて α を決定すべきではなかろぅか。 踏切は走高跳に於ける最も基本的なもので、 然もどのスタイルにも共通のものである。 踏切は、 勿論個人の身体的特徴と して膝の強さ、 筋の弾力性、 助走速度の遅速によってその方法 が変化する。 此の変化が踏切の強さ、 身体の後傾角度を規定 し、 重心点のコースが定まり、 上昇曲 見離する場合、 効果は半減す 線を決 定する。 扇形助走路の どの角度から助走しても此の原則から月 る。 個人的に此の範囲から脱離して、 それが好記録の出現を見ても何等の参考とはならない。. 助 走 角 度 は 一 般 に フ オ ーム に よ っ て 規定 さ れ る が 原貝 l iは同 一 であ っ て、 此 の 基 本上 に フ オー ム の 特質と身体の構造、 心理的傾向を加えて個人の助走方向が決定さるべき 生質 の もの で あ っ て、 他 の. 走跳投の基本的見解と同一のものである。 踏切に於ける身体後傾角度の一般的見解は4び 以内とさ れているのは世界各国コーチの共通意見である。 此の場合の踏‐ 切角度は横木と踏切脚の関係ではな く、 踏切地点と身体の後傾角度である。 助走中の競技者は、 普通上体を前傾し、 踏切に入る前に準 --3 歩前に身体を後領して踏切時に重心点を相当度に後方に置く 特に最後 備姿勢として、 総て 1 、 のストライ ドは完全に重心点を後方にすべきものであり、 これがなければ 図1 の d のコ ー スを た どれなし・ 。 表1は金原氏のものであるが、 踏切に入る瞬間の身体の後傾角度を示すものである。 表 l. 選. 手. 名 1 角 度. ス テ イ ア ース ヤル マ ソ エ テ ぐリ ツ 1 ア ルフ ・ソ ブ ラ ウ ン ト. 金 原. 勇. 芳. 最 高言 己窮ヨ フ ォ. 男 30 発 男. ←. ム. 6駅1 1吋 6駅酷 6駅8著 6駅5昌. ス ト ラ ド ル. 11 197 ・. ウエ ス タ ー ン. ウエ ス 夕 ← ン ス ト ラ ド ル ウエ ス タ ー ン. 此の後傾角度の理論は、 次の如き秋間氏の説明で理 解される。 但し此の説明は、 踏切方法である が、 後煩の事も含まれていると考える。 図. / // ′ ′′ ′ ′ / ′ / ′ ′ A2 A′. 2. 0. 今 C の方向に跳躍に跳躍を求める場合、 .O A の大小 (遅速) によって踏切方向、 例えば身体 の. 後傾が異って来る。 それは助走速度を速めれば速める程、 それだけ踏切に対して後方に大きな力 で 踏切らなければならない事を意味する。 図2によれば、 O AI のように遅ければ踏切 の 方 向 は、. O BI のように踏つけが真上から叩く様になり 、 身体の後領は殆ん どなされなくとも C の コ ← ス 1- -14.
(6) . 滝. 波. 武. を た どる。 O A2 の 様 に、 O AI より速度が大となれば、 踏切の方向と大きさは、 O B2 の如 き 身 体後傾及び脚の踏みつけが行われる O A3 の場合の如く速ければ O BR の方向と大きさで踏切. 、 。 らなければならない。 此の場合、 力学的に差は認められないが、 高さを競う場合、 当然定められた高さの O C の方 向 の大 き さ が 異 って 来 る も の で あ る。. 此の説明から身体後煩の必要と競技者の表の理論と実際の一致が見られる。 重心軌跡 の高さに影響を あたえるものとして、 助走のスピー ドの活用と踏切時の身体後顧角度の. 外に振挙脚 の膝の曲げる程度に多少の差が認められると考える。. ) 身体の纏りと、 ( c) パワーである。 これの詳述は回で ( ) それは、 脚の動作時間の差と、 (b a ) は、 振子のように振挙脚 a 行うので簡単に述べると図3のを B 膝、 耳 を足先とするならば、 (. の動作の振幅の大小の時間差で藤の曲げ方によって、 時間差が認め. られ正面跳に多用 される。 b)についても関係する と云うのは ( )の動作が (b ) a 此の事は ( の纏りを要求するからで、 此処に正面跳に多用される理由がある。. (c) は、 ス トラ ドル に 多用 さ れ る も の で あ る。 (a) や (b) よ り も、 パ ワ ー を 得 る た め に 振 挙 に 強 調 さ れ る も の で、 図 3 の B′ の. ′ 0. . . 振幅の大を利用 して上昇力を得ようとする。 走高跳の踏切時の振挙脚 の動作の際の一定不変の要として、 如何. なるフオ←ムの踏切に於ても、 踏切脚の離れる際の身体の重心は、 常に踏切脚の上にある事にある。 此の事は筋の収縮と関連して、 脚の関節構造上、 身体の挙上を助. 長するための緊張を此処に一層求めるためであり、 常に 0 上にあるが、 振挙脚の ○ 上 の場合、 最も力が大きくなるためと、 挙上Sための復原力を高度に利用するためである。 B′ を 後 方、 C′ を ′ に於て 復原力を最高度に利用し 0′ のつま先立 振挙のための踏切脚の離れる瞬間とすれば、 C 、 、 ′ に於て 最 高 度の抵抗 った復原力が最も体重の抵抗を受ける事なく、 (振挙脚の B′ C′ 移動中 B を受けてその反擬力) 身体を上昇させる結果となると考える。 此の場合の跨関節の構造は、 勿論問. )此れから推察して、 身体の地面より離 題となろうが、 (競技者の場合は、 問題としない事とする。 豪脚の力が加わる事になるもの れる瞬間は、 必ず足先で頑張り、 つま先立つ事になり、 それに振ろ き曲げの程度を問わず、 で、 此処に膝曲げの程度によって ( ) の差が認められると考える。 勿論瞬 c つま先立つ事は必要で殆んど無意識に実施しているものである。 カソハムが、 足先の頑張 りのない 事は、 成績の低下を示すものとしたのは当然であり、 前進力が、 足から離れた場合に於ては、 足先. の力を自然に失うものとなる事を意味するものと考える。 唯 此 処で考慮されなければならない事 は、 図 2 に 於 ける O B′ の場合の傾向として真上から叩く、 押す事は、 身体が助走スピー ドに負け て前方に流れる結果となり、 決して上方に眺躍出来ない。 初心者の陥る殆んどの欠点は此処に存す る。. クロムウェルの示唆の如く、 叩きつけを強調し過 ぎると、 助走の力を振挙、 蹴あげと踏切脚の跳 躍を媒介として上方への ドライ ブに転換させる事を忘却される恐れのある事で、 踏切は、 踏切脚の き 膝の深く曲がるのを押しこらえた突張、 振挙、 腰、 瞬 、 足の完全な突伸しの伴った結果のみが期待. されるもので、 当然身体後傾の必要は、 要求されなければならないし、 踏切脚は、 上体の後煩角度 より深く 4庁 迄位は、 可能と見られる が、 当然重心の踏切脚の真上では完全に身体は伸ばされて来 るものであって、 此処に身体協調の技術の困難さがうかがわれる。 -i42-.
(7) . ダ イ ブ ス ト ラ ド ル の 研 究. m. ストラ ドルスタイルの助走と踏切. サ ー ジエ ソ ト ジャ ン プ の 60cm の記録は、 その人の垂直方向への跳躍力の相当大きい事を示す。. じに於ても、 おそらくは、 これと相関を示すであろう。 立高跳の日本記録は lm46、 走 高 跳 立高膨 は 2m02 で あ る。 資料 は な い が 立 高 眺 の世 界 記録 は.ln160 位の筈である。 立高跳と走高跳の差は 50cm. 以上になる。 両脚の立高跳と片脚の走高跳の差は、 明らかに助走の有無の差である。. 助走 に つ い て ス タイ ル の 相違 が あ っ て も、 踏 切 時 の差 は、 個 人 差 に 基く。 ス トラ ドル とロ ー ル オ. ー バ ー は、 殆 ん ど同 様 の形 式 で 行 う と さ れて い る が、 此 の見 解 は、 必 ず しも 当 を 得 て お ら な い。. 助走距離とスピー ド. 走高跳の助走距離は、 他の跳躍競技に比較して、 その性質上長い距離を必要と しない が、 ストラ ドルについては、 一般に他のスタイ ルより短い助走がとられている。 例えば正面眺に於ては 20m. 以上 ある の が珍 ら しく な い が、 ス タ イ ル全 般 に 云え る 事 は、 上 昇角 度 α を 得 る た め の最 適 の ス ピ ー. ドと、 跳躍の心理的傾向 (跳ぶ意欲の充実感) によって決定されると考える。 例 え ば、 ス テイ ア ー ス は 6m (4歩)、ダイ ヤ- は、 約 8m とされ、 表2に見る如く助走距離の長 い競技者は、 短距離者の3 倍以上となっている。 これは、 個人差によるものでスピー ドにも影響す る が、 ス ピ ← ドは 殆 ん どス タイ ル によ っ て 決 定 され て い る。 一般 的 に15m位、 歩 数 に して、 7ー9歩 と考 え られ て い る。. 日本女子競技創如以来始めてのストラ. 表. ドル ジ ャ ン パ ー と して 注 目 さ れて い る渡. 記 録. 助走距離. ス テイ ア ー ス. 6駅=吋. ダイ ブ ス ト ラ ドル. ダ イ. 2n n ′. 6m前後 8m. ダイフ ス ト ラ ドル. 選 手. 秋 笠. 名. ヤ -. 間 松. 渡 辺 (女) 山 田 (女). フ. オ. ー. ム. ln l92. 15~17i n. 正面跳 正面跳. ln n53. lon ・前後 lom前後. ダイ フ ス トラ ドル. 2n r l02. lm51. 15n l. ダイ ブ ス トラ ドル. 向が見られる。. 辺、 山田の助走の短いのを女性共通の現 象 と して 見 る のは、 必ず しも 正 しい とは 云 え な い。 ス トラ ドル ジ ャ ン パ ー の 助 走. / は、 比較的遅いが自己の疾走力の 2 3以 内迄に最後の三歩を高めると云うプレス ナ ー ンの 意見 も ある が、 踏 切 の関 係 か ら. 個人差のあるもので、 一般に次の如き領. 1 , ス ピ ー ドの 遅く す る も の は、 踏 切に 腰を 下 げ て 上 昇力 を得 る た め に ス ピー ドよ りも、 足、. 腐 さ 、 腰の意識的動作に重点を置く。 2 , スピー ドを利用するものは、 踏切脚や身体の後傾度を深くして、 反射的に上昇力を狙う。. ス トラ ドルの 助 走 方 法 と して、 ス タ ー トを遅 く、 次 第 にス ピー ドを 高 め て 行 く リ ズ ミ カル な 助 走. から最後の三歩の歩巾を広く、 速くすると云う実際的の描写の中に体得するもので、 走高跳の助走 は、 ス ピ← ド以 前 に 助 走 に よ る力 の 貯蔵 に 重 点 を 置 く べ きも の で、 そ れ は ダイ ナ ミ ッ ク な、・と 云 う よ り は、 リ ズ ミ カル な 表 現 に な っ て 来 る も の と 考 え る 此 の 私 見 は、 跳 躍コ ー チと して、 当 然 考 慮 き. れ て い る も の で あ る。. 助走スピー ドは、 高さによって変化するものではなく、 高さへの変化は踏切脚の踏みつけの強さ. の 変化 を 主 体 と して 考 え る べ き も の で な かろ ぅ か。 即 ち ス ピー ドア ッ プ の 殆 ん どが、 タイ ミ ン グを. 失わせている現況から、 此の事は大きく考慮されて然るべきものと考える。 助走は、 リラックスする自然の走法であると共に着眼点 (どの点をみつめるか) が問題となる。 金原氏は、 着眼点に関して、 踏切のタイミングが合えば問題ないとしているが、 私見として、 助 走中踏切を注視し、 二、 三歩 手前で横木に向ける方法が一般的に取 られる事が望ま しいと考える。 43 -1.
(8) . 滝. 波. 武. その理由として、 踏切地点に完全に合致すること、 上体の後傾が確実に販られ、 正しい上昇角度の 得られる事、 があげられる。 秋間氏は、 此の動きを適確に説明しているが、 織田氏は、 始めから横木を見つめる事は、 上体の 早 く 起 き る事 で 失 敗 す る と して い る 事 か ら私 見と 同様 と解 して い る。 亦 クロ ム ウ ェ ルも 同 意 見で あ. る。 此の点に関して、 北海道陸協コーチ、 ▼富田友治氏は、 恐怖感と踏切地点の遠くなる事を指摘 し、 上昇角度を得るための身体後頗の立場から私見と同様とされている。 ス タ ー トの 意 見 と して、 シェ ル ワイ ンと 織 田 氏 コ ー チは、 対 立 して い る。 前 者 は (錘 を あげ る 事. は、 勝腸筋と腿筋を緊張させるため不可と し)、後者は (スタートに於て腫をあげ、 腰を高くして、 上体を前傾して気持の充実と共に走り出す) としているが、 生理的見解として、 前者の一応の正し さ を 認 め る が、 リ ン バ ー ア ッ プと 疲 労 の関 係 も あ り、 後者 の 心 理 的見 解 も 亦 正 しく、 私 見 と して、. 心理的充実から織田氏の意見を採用 したい。 事実 ダイ ヤ-の助走に此の点が充分見られ、 競技の特. 質からして、 織田氏の意見を 重視したい。 助走の方向・角 度 助走は、 原則として一直線上を真直に走る事により効果ある上昇角度と上昇力を得る。. 但し習慣によって、 助走途中に於て曲る人も見受けられるが 4-5 歩手前が跳躍方向に真直の場. 合は大勢に影 響はない様である。 それ以上の悪条件は、 踏切脚の難挙脚の側に入り込む事で明かな 上昇力の減退と、 廻転力の増加のみだけになる事である。 これはストラ ドルに見られる欠点の一つ で も ある。. 助 走 角 度 の 意 見 は 多 い が、‘一 般 に ス トラ ドル並 にロ ー ル オ ー バ ト で は、 4庁 位 とさ れ て い る が、 0一60 0の 範 囲 に あ っ て 決 定 さ る べ きも の と 考 え る そ の理 由 と して ス トラ ドル ジャ ン 私 見 と して 30 、 。. 0の 0一8 0 0 パーの助走角度調査をすると、横木とスタイルの関係、 身体構造上から、 成功の角度は、 3 o 0 前後が成功率が多い。 範囲であり、 横木上の力学から此の点がなされて来るが、 平均として4 0以下の角度の小なる場合 身体の傾斜度と跳躍方向が 横木に対して制限を受け 踏切時の失 40 、 、 、 敗から着地距離が長くなり結果として距離跳躍に近づく欠点を持つ。 然し角度を小にして横木に対. して垂直上昇の可能なものについては、 レイアウ トの技術と落下地点の方向転換の可能性を巧技的 0 位で最も大きな上昇曲線をもって成功する人々があるが 此 の場合 助走 に実施出来る時には30 、 、 0 角度45 で踏切に近 づくに随って3α 位に変化させているのは本質的に好ましくない。 0 位の場合に心理的な面で踏切に力強さを与える有利な条件を呈するが 横木上の動作に身体 45 、. 構造上の困難さを与える欠点をもっとの意見も あるが、 ストラ ドル競技者の大半は此の程度の角度 を 用 い て い る。. 以上の事から4び を中心として各人の方向決定に従って、 角度の深浅は競技者の心理的安心感と 好スタイルを示す限りに於て矯正すべきでないが、 競技者として、 競技会を考慮して助走角度を大. 0一60 0 位の中をもつ練習が必要とな 中に変えても跳躍の 可能の如く努力すべきで、 そのために 30 図. 〆。. 4. 踏. AIス ト ラ ドル 1 31 ス トラ ドル C/ ロ ト ル オ ー バ ー. 切. 助走の踏切前数歩は、 ストラ ドル. にも 重 要 で ある。 此 の スタイ ル の助. 走方法は、 歩く如き速さから相当の 速さをもつもの迄広範囲であるが、 僅少 な 我国 の ス トラ ドル ジ ャ ン パ ー. 0 『0. は、 殆 ん ど後 者に 属 して い る。 44一 -1.
(9) . ダイ ブ ス ト ラ ドル の 研 究. 踏切前数歩の要領は、 助走距離が長く、 ス ピー ドをもつも のは、 此処で加速の必要を認めない。 助走距離の短かく、 スピー ドのないものは、 此処で加速すると同時に歩巾を広める。 最 後 の 一 歩 は、. どの コ ー チも身 体 後 傾 の ため 広 く 取 っ て い る。. ス トラ ドルも 助 走 の 遅 連 に よ っ. て、 踏切前散歩に核術的変化が要求される。 即ち速度を活用する場合身体後傾を幾分早めるため数 歩前から順次歩中を広くし、 速さの活用を重視しない場合は、 最後の一歩で充分起して踏切れる可 能性があるを助走の項で述べたが、 私のコーチ経験で明らかに助走の遅速でこれが見出される。. 以上の踏切、 助走の関係は、 身体後顧と跳躍力に関係するもので、 長く速い助走からの踏切の動 作は踏切前数歩から僅かに広まり乍ら後傾に際して踏切足を相当な力で突張り、 その反機力と脚の 弾力性を加えて上昇する事を意味 し、 短い助走の遅い場合、 歩巾を広げ速さを増し、 最後の踏切に ついて、 膝を僅かに曲げて突張り、 脚の弾力性と振挙脚を大きく利用する。 此の場合、 膝曲げは相 当に大きいものも認められるのは、 一般に踏 切の (うずくまり) と云われ、 後傾を膝曲げで補う方 法上の差も認められる。 踏切地点及び足の動作. 踏切地点について、 秋間氏は、 次の如く云う。 (身体の最適な上昇角度 α は、 横木の高さに無 関係に一定である筈であるからバーが高くなればそれにつれて踏切地点も遠くならなければならな い。 そ れ は、 踏 切距 離 は、 バ ーの 高 さ に対 して い わ れ るも の で ある か ら で あ る、 と して い る。) 図 5 で P′ は、 横木 B′ に対して踏切った時の重心の位置、 従って P′ から 地面に下した垂線の 脚 M′ は、 大体踏切脚のつま先辺に来る。 その時の踏切距離は OM′で之を L′ で示 して い る。 此 れ は、 正 面 跳 の 意 見 と して 正 しいが ス トラ ドル に は 適 用 さ れ な い。 図 5 の 如 く ス トラ ドル に 於 て、 高さによって踏切地点に差が認められない 常に N′ に於て踏切られるもので 垂直上昇の 可能性を. 。 辰挙脚 の方向の変化を 意 味するものであっ 物語るもので、 スタイル上の差による助走角度の差とき て、 常に正面跳に比して大巾に、 ロールオーバに比して僅か乍ら距離は短縮している。 此の事は、 ソ 連 の カラ ブコ フ の 見 解 と して 2m に対 す る 80cm-lm との事からも理解出来る。. 猶 プ レス ナ ー ソを 姶 と する 踏切 地 点 は、 ス トラ ドル に 於て 腕 を 伸 して 横 木 に 触 れ る4庁 の 地 点、. と云っているが、 正 しい踏切地点は最高点が横木の真上になる位置に於て発見すべきである。 図. 5. ′′ ′. 選 手 名ー 踏切地点 1記 録i 渡 辺(女) 山 田 (女). ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′. ・ シエソレト ソ カ ラ ブコ フ によ る. 秋. ′ N 0. . }正 跳 8旋情 匝 ON 』 ド. ス トラ ドル. A 正面眺の助走方向 C ストラ ドルの助走方向 BI B 2 は横木. ・ Aミ・・. 間. ス. タ. イ. ル. 60一 一70. ln 153. 65- -70. lr l 【 ・51. ス ト ラ ドノレ. 21 108 1. ス ト ラ ドル. 2n n. ウエ ス タ ンロ ーノレ. 80cm--1l n hm30. 2n n02. ス ト ラ ドル. ス タ ンス タイ ル. 踏切足の動作については、 連続写真や多くの意見か. ら次の如く考える。. ウ ェ スタ ンスタイ ル の 踏 切足 の 着 地 方 向 は 助 走 角 度. に 等 しい が、 ス トラ ドル の場 合 横 木 上 の レイ ア ウ トの. ために左脚踏切の際 (以後総て左脚とする) 僅かに左 に入る。 此の事は、 上昇角度と池物線の事から ベクト. ルに関係して助走方向に (左) に対して有利なベクト ルを得るために必要な事である。 (カンハムが踏切か.
(10) . . 滝. 武. 波. ら最大の上昇力を得た後に回転動作を始めて然も経済に横木を越すとして回転と踏切を別個に考慮 しているのは原理 的にうなずけないが、 ストラ ドルの共通の欠点たる回転のための上昇力の犠牲を 意識的に注意すべきであるとのコーチの方法であろうと考える。. 方法的に横木に対して直角に踏切る事は、 可能であるが、 足が離れる迄出来るだけ回転しない様 に努力する事は必要である。 特に踏切の際、 左足が右側に踏込む傾向は、 必ず矯正 されなければな らない。 それは、 回転力増加が上昇力を犠牲にするからである。. 踏 切足は、 重心が真上に来た時に完全に伸ばされ、 振挙脚の協同動作によって最高度に有効にな されるのでなければならない。 金原氏等は離陸瞬間 の膝の屈曲は不可としているのは正しい。 踏 つ け の 方 向 と して ス トラ ドル に は 三 つ の 方 法 が. 6. 図. 砂場. 助. ′ 多/. ノ ′ ノ. /. 向 /. 行われる。 (図6) A, 助走方向と同一角度に着地跳躍する。. β. 0 角 ′ / ′ ′ / / ′ ノ / ′. ′ /. B, 横 木 に 直 角 に 着 地 跳 躍 す る。 C. 横 木 に対 して 幾 分 向 き 乍 ら離 陸 瞬 間 に 腫 を. 捻って、 横木に直角に向きを変え る。 の 方 法 は、 個人感 個 人′ の 着 地 か ら 跳躍 へ の 足 の 動 作 の方法は 此 の着地から跳躍への足の動作 覚と技術上の特異性を有するが、 施物線の描く最も. /. / ′. ′ ′. 良い方法と して、 力学と身体の特異性の協調 から可. 能 な範 囲 と して、 理 論 的 に も、 実 際 的 に も、 ス トラ ドル には、 B. C, の 方 法 が 採用 さ れ て い る の は 正 しい と考 え る。. W. 振拳脚の考察. 振挙脚の運動学的根拠には、 次の様な考察が 可能で あると考える。 (左脚踏切). 図 7 に 於 て、 右 脚 の運 動 は、 重 心 G を支点とする 円運動の一部と見る事. 図 7. が出来る。 右脚の後方の場合、 遠心力だけであるが、 右脚が、 後方から振り 出され重心の真下迄来ると一致し、 此処で重心に働く力は最大となる。 それ. 故に重心 G をのせた踏切脚に最大 の力が加わり、 その反作用として同じだ けの力が加えられる。 脚の振挙が水平に達すると、 これ迄の運動による切線. ノ. 方向の加速度は重心の方向と丁度逆向となり、 G に対 して回転運動をさせる 様 に 働 く。. 振挙脚について云えば、 脚の重力に反対する様な加速度が加わって来る事. 図. に な り、 脚 の 重 さを 著 しく減 少 さ せ て い る。. 8. 即 ち 一 方 の 脚 の 分 だけ 重 心 に 働 く重 力 は 軽 く. こ. “. な っ て い ると も 云 え るoi 1 七の事は次の如くも. テc. 考察可能である。 (図8) 物. バ. 邦. 坪 声. 脚 は、 ほ ゞ 円 運 動 をす る と 考 え る。 叉、 脚 の 質 量 の中 心 (腐さ ) を P とすれば、 此の 運. 動は P に全質量が集った時の 運動と考える. 金屋警誇霊 r高鷲蓄蔵喜義掌 る. m き. のカ ム、 それ に 垂 直 なカ ム′ とに 分けて 考 えると、 重心 G に作用する力は fA だ け で あ り、 乙BGA =グ とす れ ば、 f・= mgcosひ と な. -!” -.
(11) . ダ イ ブ ス ト ラ ド ル の 研 究. る。 fA は運動の切線方向の力であり、 単に速さを増すだけのものである。 B に来た時、 脚の重心に作用する力 f Rは、 その角速度を w とすれば、 2 1十 〆打 fR = mg十γの2mg=mg ( ) と な る。. 即ち重力 の方向と遠心力の方向が一致して重心に働く事になる。 C の時は ‘CGB=9ぴ とすると、 重力は真下に働き、 此の運動を妨げる様に働く。 C に於ける角速度を のcとすると切線方向の速度は γのc であり、 その時の加速度は、 α (γのc) =γの ( ;と な る。. 従って mg と、 m・γの とは そ の 符 号を逆 にす る か ら、 PU に働 く力 fc は、 fc = m・γのc -mg =ln tγαc 一g) と な る。. γ.のじ 一g>0 ならば f c>0 、 即ち真上に向う力を有 し、 且 γ が大なる程、 即ち質量の中心から. 重心 G より遠い程 (膝を伸ばす程)f cの力は大きくなる。 o で踏切脚が離れれば良いわけ 此の点から理想的には、 振挙脚は真直に振られるべきであり、 9o. である。 但し剛体の観察は身体動作にそのま 、 適用されないので、 一連動作として助走のスピー ドと身体の回転基礎の踏切や身体支配や更に脚筋の収縮等から経験的なものが生み出されて身体運 動の特徴が生かされて来るものであるが、 如上の事は、 考察 の根拠や方法として許されるべきもの. と考える。 以上の事から振挙脚の動作は膝を伸ばしながらの振子運動が効果があると考えるが、 実 際面は、 スタイルの関係から意見の対立が見られる。 A, 振挙脚は膝から曲げて胸に引きつける。 B. 振挙脚は膝を伸して遠心力を利用して振りあげる。 きから下を伸す意識をもってはいけない。 A に関して秋間氏は、 (振りあげる瞬間は、 決して聴. 脚 を胸 に つ け る 様 な つも り で 挙げ る の である。. 故に振挙脚の振挙と云う言葉は不適当である。 むしろ上体は振挙脚を追う様に して振りあげ、 胸 ) とし、 織田コ チも、 (反対脚は際から強く振りあげ……) と説 と脚を離れない様な気持が良い。 さを伸す振挙に現在でも批判的である。 明して居り、 日本の代表的コーチを始めとして我国に於て腐 これは、 正面眺の強い影響である。 然もストラ ドルに於ても日本人の特徴を生かして、 此の様な振 挙をす べき で あ る と して A の 動 作 を推 奨 して い る。 そ れ は、 1 .助 走 の キ ック した 膝 が 疾 走 フ オ ー. ムと同様に膝を前上方に引挙る事によって脚は自然に上昇する事。2 .身体が纏り、 踏切脚との協調 が容易である点と踏切時の時間的速さが助走効果を高めるものとの意見であると考える。 B に 関 して シラ ーは、 (足 先 の蹴 り が 遅れ て 時 間 を 要 して も、 そ こ か ら大 な る パ ワ ー が 得 ら れ. る。 膝が曲る場合、 時間的に短縮されてもパワーが犠牲になるが、 踏切と助走との協調が出来る。 競 技者 は、 二つ の方 法の どち らか を と って いる。)と 云 う。. ) ドーティは、 (膝曲げを出来るだけ少くして殆ん ど垂直的向に出来るだけ強く振るべきである。. と して、 力 学 的 に 有 利 の 方法 を主 張 して い る。. 秋間氏は、 上述の正面跳の説に加えて、 (ベリーロールについては、 或る程度膝を伸す) として. い る。. 以上の如く両意見の対立があるが、 これに対してプレスナ←ソは、 (力強い真直な振挙脚を採用 する競技者は、 踏切脚が僅かに曲っている。 反対に振挙脚を強張しない競技者は、 踏切脚の膝の曲 )として、 これを競技者の特徴としているのは、 着地からの移 動途次の説明である り方が大きい。 が、 金原氏は、 これを認めているけれども、 私見として此の動作は反対になると見ている。. 力学的根拠をもつ振挙方法は、 ストラ ドルに多く、 膝曲げを強調する場合正面跳に多い。 ソ連コーチ、 カラブコフは、 (振挙脚を僅かに曲げて、 蹴球の球を蹴る様な動作をする。 振挙は 一147一.
(12) . 滝. 武. 波. 敏速でなければならないが 同 時に中広いものでなければならない。 ) としているのは正 しいと考え. る。 ホメ ソコ フ も 亦、 U ・ イ リ ヤ コ フ の 連 続 写 真 か ら、 ウ ェ ス タ ンロ ー ル の 膝 の 充 分 伸 び て い る事 に. 注意 し、 (通常の競技者の振挙運 動は藤を曲げているが、 膝を伸して行う振挙運動は強力な踏切を 行う好条件を作り上昇力を増大させる。 )とし、 金原氏は、 自身の連続写真から、 (膝を曲げた私の. 振挙は、 過去の技術と見倣す。 )としている。 以上の如き力学的根拠と各コーチの意見等から次の如く考察出来そうである。. 振挙脚の膝曲げして胸に引つける正面跳の動作を強調する事はストラ ドルに適当でないと見る。. 此処では、 膝曲げを最小限に して自然の態勢にする事で特に膝曲げを強調、 指摘する事なく、 大き く速く動作するべきと考える。 踏切脚との協調から片方の動きのみを強調する事なく、 動作の協調. の範囲に於て、 タイミ ングを失う事なく膝を伸すべきと考える。 o としているが 上体の運動や加速度 身体支配 の関係から ・ 振挙の高さは、 力学的考察から9o 、 、 、 固定した角度はないが、 図9にその角度を一応示すとして、 今後の問題とする。 0一1 0 此の場合踏切足が離れる瞬間となる 0 10 仮定として、 振学角度7 、 。 振挙脚の方向は、 垂直 跳躍と横木上の技術に大きな影 響を与える。 特にストラ ドルは助走の方向にするか 横木に平行す 、 るかは大きな問題となる。 図 、、 、\</◇。. 9. ス ト ラ ー ルの場合. 、 横木に傾く欠点をもつ。 踏切地点が横木の垂 有利性となるのであるが、 傾き過ぎ. ^ = 〜線に近くなるのが特徴であり 十 、 I. るとすれば助走角度からして上昇時に横木に衝突をする。 此処に振. 挙の方向に角度差を生じて来る。 更に踏切瞬間の傾斜のために回転 0一10 0の方向 増加による上昇力の削減を防 ぐために支柱に対して40 角度の範囲をもって振挙られて来ると考える。 (図1 0 ) 此の事は、. 適当な回転力と上昇力を生むものとして多く採用されていると考え る。. 此処で踏切の自然の前傾と振挙との関係から欠点矯正のための肩 の動作が論議される。 ストラ ドルの助走方向、 横木上の技術に関連. して、 回 転 過 度 に よ る上 昇 力 の 犠 牲 の大 き. 図. 10. 多ね 雷 豊麗響 き夢 霊 な原因は、 踏切時の横木側に肩 が傾くもの. 好キU. ダ メメ匁グ. ーリ れ塞於ゞ. 嶋。. 両腕を上方にもって行く事は、 踏切を強める利点より身体支配のコントロールを失う面が大きいの で反対である。 V ダイ プストラ ドルのレイアウト ス トラ ドル に は、 二 つ の 型 が あ る、 正 統 派 ス トラ ドル と して 横 木 上 にi 腹這 に一 線 に な る も のと、. ダイ ブス トラ ドルとして横木上を胸亦は腹で越え/ Eら重心を纏めて人体の回転運動を有効に利用す る も の と に 分 け られ る。 既 に正 統 派 ス トラ ドル は、 規則 の 改 正 に 伴 い ア ル ブリ ッ トソを 代 表 と して フ オ ←ム 革 命 を な した ス タイ ルも 既 に 姿 を消 し、 こ れ に 代 る シェ ル トソ等 を 代 表 と す る ダイ ブス ト -148-.
(13) . ダ イ ブ ス ト ラ ド ル の 研 究. ラ ドル が 採用 さ れ て い る。 現 在 日 本 の 代 表 的 ダイ ブス トラ ドル ジ ャ ン パ ー と して1955年度 日 本 選 手. 権に日本陸上競技 史上始めて此のスタイ ルで優勝に輝いた 渡辺を姶と し、 山田 明大有田 石部 、 、 (岡山) も完全な此のスタイ ルである。 此のダイ ブストラ ドルの横木上の技術は、 人体が地上を離 れた場合力学的支配を大中に受けるものである。 此の技術はフオームの如何を問わず跳躍力が一定 で あ る とす れ ば、 レイ ア ウ トの技 術の 差 によ っ て 優 劣が 決 定 さ れ て 来 る 。. ダイ ブス トラ ドル の レイ ア ウ トの力 学 的根 拠 は次 の如 く 考 察 が 可能 と考 える 。. 空中転回や水泳の飛込競技、 体操競技等に見られる人体の回転運動は 人間の重心 G は 力 の 、 、 方向及び途中で地球の重力に支配される一定の曲線を描くが 重心のまわりの回転運動は それに 、 、 あずかる力が、 一定 していても体をまるめてしまえば質量が重心 G に集中 して 慣性能率が小さく なり回転運動が早くなる。 此の様な回転形式をダイ ブストラ ドルは利用するが人間の場合 自身で 、 回転軸のまわりに力の能率を与えて 回転運動を新 しく作り出す特 異性も有しているので此 処に技術 上の問題が生じて来る。 此の回転運動を前提に更に横木上で踏切足を如何に横木に触 れずに越させ. るかについて考えて見ると、 横木を越える運動は重力の場に於ける人体の全質量が質量の中心に集 ったとみなすとその 重心の運動に他ならない。 叉体を重心を中心と して2分して考えると 今もし 、 上 体 が、 空 中 に於 て 屈 曲 した とす る と、 即 ち 図11 A か ら B に体位が変位したとすれ ば 、 図. A. 11. B. A 図に於て作用 していた力の平衡が破れる 。. 上体だけの質量の中心を a ) . 下半身のそれを 1 . 全 質 量 を 2M と す れ ば、 A 図 に於 て は、 12 図 図 12. ぬ. 三上; 、. 図 13. 埜 メ ド--\ b ,. i. i. 嶋. 崎. 図 14. 5 図 1 . ÷ し べ き表そ 」 に 』 - -\. B. . ≠“ #. . を 見 る に、 AG=γ と す る と、 重 心 G に 働 く力 の モ トメ ン トは 、 そ の 方向 が 逆 向 で ある か ら、 γMg-γMg=0 と な り、 重 心 G は平衡を保つのである。 b 図を考えれば 1 、 3図の如 くなり屈曲の 角度を β とすれ ば、 重心 G に は、 j f γM g- γcos“Mg= Mgγ (1-cos. となり平衡が破れてしまう。 49一 -1.
(14) . 滝. 波. 武. C 図に於ては b 図の変位による平衡e破れが脚を折り曲げる事によって是正される。 そこに働 14図) く 力 計 は、 MgxγCo綿 - Mgxγcos夕=0 となり、 重心は平行に達する。 ( 15図) 即ち Mgrcosヴー (ゑMg.γcosヴ+ゑMg. 脚の一方をあげても平衡を得ている (. 叉此の場合. 。. cosヴ) =0 と な り、 C 図 と全 く 同 じで あ る 。. 以上の事は、 横木を越す時に頭を砂場に突込む 様な、 或は横木を上体が越えてから踏切地点を見 る様な気持で上体を下に押す と同時に腰を浮かせて、 浮いた腹の部分で横木をクリーヤする事の可 能性を あらわすものである。 此の動作を各国コーチは、 肩、 頭の使用方法として述べているが、 腰 を中心として頭 と脚は逆 V 字形 が充分出来る位頭を突込む レイアウトが必要である。 腕の動作について各コーチの意見は統一 していないが、 私見として、 腕を斜上後方に保つ事は確. かに姿勢を作りモーメントを作り得るであろうが動作として不自然であるので、 横木を落さぬ様に 注意しさえすれば、 身体支配の協調から自然に最も有利 な姿勢になり得るものであって特に強調の 必要は認めないと考える。 金原氏の意見や筆者個人のコーチ経験から腕、 肩の動作を強調して失敗. した ことから、 個人差 があろうが、 身体の特殊部分に力を集中するとすれば、 腰について動作を集 中的に考える必要があると考える。 確かな腕の動作の悪いもののみ矯正すべきもので、 中心点は、. 腰の動きに観察さ れる べきである。 横木上に身体が来たならば、 上述の如く頭を横木の向うに下げて (手は、 踏切が左脚の場合、 右 手) 深く突込 み身体を横木上に乗せ、 後脚 (踏切足) は、 膝を曲げて引きあげ、 振挙脚は、 深く ド. ライ ブする様にして 横木上にス トラ ドルする。 此処から踏切脚をクリーヤするために特殊の技術を げ 0 M 必 要 とす る 此 の場 合15図 に 相 当す るも の で、 一 MgrcosヴーゑMg・γcos〃十登 gγcos ) = を応用 。. す る。. 当然横木上で平衡を保つために、14図の力計となるわけで、 此れを片脚で平衡を保ち、 力学上の 原理と身体協調 から片脚を 自由に出来る事になり、 15図の如く踏切脚を自由にして、 それと回転力 を 応 用 して 足 を ク リ ー ヤ す る。 此 の足 の ク リ ト ヤ方 法 に 二 通 り あ る。. 1 . 横木上で 真上に踏切脚をあげる。 させて補助し、 膝もこれに附随させ 2 . 膝、 足首を外側に捻り、 特に腫を内側 から外側に捻転 て 後脚 を ク リ ー ヤ す る。. 上方に腕上る際、 重心に変化は勿論な 1 . の場合、 正統派ストラ ドルに良く用いられているが、 下る 岡 (ストラ ドル長所3参照) 、そのために いが、 頭を挙げるため回転 が逆方向となって、月、 腹が 横木に衝突する傾向が大となり、 亦ダイ ビング姿勢が充分出来兼ねるのでコーチ方法として殆んど. 反対 される理由であり、 実際上不利である。 特に頭を挙げる事は良くない。 2 . の方法は、 多く採用され亦推奨される。 織田氏は、 (後脚の抜き方は膝を外に回し、 足先に力を入れて外に向ける様にする) として、(後 )と云う。 ド←ティもこれ 脚の膝を伸して脚を後に蹴ると胸が下り回転が難しくなり足が抜けない。 を指摘し、 金原氏も同様である事から当然 2 .が力学的有利 生をもっと共に、 身体的にも心理的に も可能であるが、 心理的に頭を挙げ勝なので特に練習する必要がある。 ダイ ブス トラ ドル の最 も 困 難 な 技 術 と して 踏 切 脚 の 動作 は、 回 転 力 と し レイ ア ウ トと して の足 の. 方向のタイ ミングが合って こそ更に有利 となるもので、 ダイ ブストラ ドルの横木上の失敗は総べて 此処にあるとも云えるので、 多くの練習によって体得する以外に方法がない。 此処でシェルワイ ン が着地の安全のため振挙脚を鋭く下に突隆す事は或る意 味で抜足を自由ならしめる力 が衝くもので あ る と して い る の は、 シ ェ ル ト ンや ホ ← ル の フ オ ← ム の連 続写 真 か ら 明確 に う か が う事 が出来 る。 50- -1.
(15) . ダ イ ブ ス ト ラ ド ル の 研 究. W ダイ ブストラドルスタイ ルの優位性 ダイブストラ ドルの優 位性について、 戦後の此のスタイルの席捲から論争が展開され、 織田、 秋 間、 金原氏等の替成の意見は漸く我が国に認められ実施されつつあるが未だそれに反対する『運の. グループが存在する。 その反対理由の多くは、 伝統的正面眺を固守し、 経験的 立場を主として根強 いものがある。 反対理由も亦理論的に正しい部面も多くあるが、 より走高跳の本質的部面に至れば 此のスタイルに長所が大きい事が認められる。 此処に ダイ ブストラ ドルの短所と長所を考察して優. 位性を立証したい。 ダイブストラ ドルの短所 L. 助走 が 短 い。. 2 , 踏切時に回転力が多く与えられ、 上昇力が犠牲になる。 3 , 振挙脚の時間が遅い。 4 , レイ ア ウ ト の際 の脚 の 操 作 が 難 しい。. 以上の四点に 集中される。 1 , に関しての反対理由は成立しないと考える。 助走が短か. ス ピー ドを利用出来ないと云う. 事 は、 スタイ ル上 の 差 に よ る も の で あ る。 ス ピ ー ドは 踏 切 に 入る 瞬間 の ス ピ ー ドが主 体 と な る も の. で、 助走全般のス ピー ドに重点を置く事は根拠にならない。 投榔競技の振出の時ス ピー ドを考えれ ば判然とする。 踏切時の遅速は、 ダイブストラ ドルの一般的傾向で、 跳躍時の身体支配と跳躍力に. 主眼を置くもので、 遅いもの程振挙脚と筋の弾力性を利用する事は既に述べた事でつきるものと考 える。 助走の長短は、 心理的充実感によって決定するもので個人的特徴から決定されるもので習慣 によるものである。 助走の長短は原則的にスタイルで決定されるものでないが、 必要以上に取る事. は身体の協調を失うものと考える。 2 . に関して。 跳躍力を生む踏切に関しての此の批判は当てはまる。 確かに横木側に傾き、 上昇. 力より回転力に移行し過る通弊を持つ。 然し力学的により有効に踏切時に重心軌跡の方向を変化さ 切時に肩が下っても重心が、 完全に踏切脚の垂直上にある場合、 その差は せる有利点もあるので踏‐. 認められないものであり、 更に振挙脚の方向を変えている事実、 シェ ルトソその他の成功者は総べ て此の如く動作している。 然し一般的傾向と して認 めなければならない欠点であるが、 踏切技術の. 体得によってその損失は償える。 力強い踏切の出来ないと云う反対は全然根拠をもたないもので、 方向を変えて弱い者と強い者があり、 更に体得出来るものである。. 3 . 振挙や踏切に時間を要 し、 身体が纏らないとする批判も亦根拠が薄弱である。 既に述べた如 く、 振挙はより良き パ ワーが得られて上昇を助けるもので、 考察の如く指導条件として膝を曲げる 指導は不可で ある。 身体の纏らぬ事は、 推論に過ぎない。 身体支配力のないものが高度の技術と記. 録は期待出来ないのは正面跳も同様である。 膝を曲げて効力を失するより可能な範囲で有効に利用 す るも の であ る。. 4 .と共に横木上の脚の動作について最も批判は大きい。 然し レイアウ トの技術上の問題は必 .2. ず しも ダイ ブス トラ ドル の み で な い。 正 面 跳 の レイ ア ウ ト技 術 の体 得 者 の 殆 どな い事 実 を 見て も 総 べて のス タイ ルに 共 通 のも の で あ る。 但 しイ ア ウ トの 技 術に よる 回 転力 と15図 の如 き脚 動 作 の力 学. 的根拠とタイミングの問題があって、 特殊な此の姿勢に於ける技術の可能な競技者は、 高度の技術 と身体支配力を要するが、 練習によって此の技術を体得する事はそれ程困難ではない。 も しタイ ミ ングが横木の最高点で一致 しない場合、 或は失敗の場合、 殆んど抜足で落す事実は、 日的を失った. ものとして此処に非難が 集中されるが、 多くは跳躍力が 限界に来たもので、 それ以外の場合は、 技 1- 一15.
(16) . . 波. 滝. 武. 術の未熟をあらわすが、 技術の体得が困難としているのは実施しないからで、 此の技術の体得は三 カ月で殆んど体得出来ると見ている。 事実成功させたが、 此の点正面跳より体得し易いと考える。 ダイ プス トラ ドル ス タイ ル の 長 所 ダイ ブ ス トラ ドル の 長 所 は 大 約 次 の如 く 四点 に 要 約 出 来 よ う。 、 1 hの 問題 . 身 体 のr. 2 . 横木に対する相対速度の差 3 . ダイ ビングの際の身体 重心位置の問題 4 . 重心軌跡の問題. I , 身 体の 中 の問 題 (16図 参 照). ,6図. . 陸上競技読本 pl18 秋間氏. . え ば ウ ェ ス タ ンロ ー ル の 身 体 を 横 に し た 場. . A 正 晦 弱g. 合、 或は正面跳の腰の部分は、 もし重心位置 が腰の中心点と仮定すれば、 横木よりも最 小. B ズトラ ド ル. 限腰の横中の半分 だけ高めなければならないのに対して重心位置の身体の厚みの半分を高める事に な る。 特 殊 な形 態 を 有す る 人 々 は 別 と し て 此 の場 合 明 らか に フ オ ー ム の 差 が ダイ ブ ス トラ ドル の 横 木 上 の 有 利 を確 定 す る 原 因 と な るも ウ エ ス タ ー ンロ ← ルの 完全 姿 勢 やラ ル ソ ンの フ オ 」 ム に対 して. 身体の厚み上の優位性は主張されないが、 ウエスターンの横向、 ラ ルソンの斜は常識で有利性が確 立し難い事からダイ ブストラ ドルと同一の有利性を主張出来ない。 秋間氏は此の点、 最小限5 mは c. ≦ 堅 守 」 馴q 経済的でぁるとしているが、 例えば、 身体の横「 f潮C m n 、 厚み 伽 とすれば、 警 の ダイ ブ ス トラ ル ドル の 有利 と して 考 える 事 も 出来 よ う。 正 面 跳 と の 比 較 も ウ エ ス 夕 ← ンと の比 較. も同様である。 但し戦前に見られる日本の高度の技術の体得者や、 オスポーソの如きフォームの場 合 は、 そ の レイ ア ウ トの技 術 か ら して 此 の 差 は 僅少 とな ろ う。. 2 . 横木に対する相謝速度の差 3 .のダイ ビング、 4 .の重心軌跡に関係するものであるが、 横木に対する身体通過の相対速度を考. え る に、 ダイ ブス トラ ドル は、 ウ エ ス夕 ← ソロ ー ル、 正 面 跳、 ラ ル ソ ソス タイ ル に 比較 して 身 体 の. 最下端の運動は横木に対 して遥に遅い事実である。 此の事実は、 横木に対して平行な回転軸として 回転しつつあるので身体の最下端は横木に対してそれ程、 動いていないので横木に触れても落す危 険は遥に少い。 北大監督、 村井氏は、 (身体の回転軸の速度は 横木に対して殆んど零に近いので 、 最 も 有 利 な 姿 勢) と 云っ て い る の は 此 の 事 で. 図 17. ある0 更に横木の構造佳渡に対する拠物線の 問 題 は、 3 ,4 と関連をもつが、 今、 秋間氏の. . ドルの ダイ ビングや横木角度 に対する勉 物線 の関係からの、 A. 正面跳や A, に 近 い ウ エ. A 等 夢 霧~ 」. . スタ ー ソロ ← ル は、 B. の ダイ ブ ス トラ ドル に 比 較 して不 利 で あ る。. B ズ お 酌』. . 3 . ダイ ビングの際の 身体重心の位置. ス トラ ドルの優 位 性 を 決 定 づ け る も の は ダイ ビ ン グで あ る。 ’ 夏這 式 の ア ル ブリ ッ トン型 か ら、 ダ 1. イ ブするシエル トンの形式に移行したのもイ 鰯魔ミではない。 腹這から横木を越えた頭、 肩を突込み、. 腹胸を引こめて、 力をまとめて回転して横木をクリドヤする事は、 重心の位置が同じでも、 身体に 於ける重心の占める位置が異って来る。 云えば、 回転力や身体の厚み、 相対速度の有利- 総に加えて -152.
(17) . ダ イ ブ ス ト ラ ド ル の 研 究. 此の様な姿勢にある時、 地物線が同じでも重心位置が身体の下の部分に位置するものである。 それ は、 或る意味では、 重心の位置が腹部の最底部、 即ち横木に最も近い所に位置する事になり 優位 、 性を完全に決定づけるものである。 此の事は、 勉物線と身体の重心位置に関する事を最高度に利用 した最も有効な方法で極端な表現形式をすれば重心位置が横木上にあればクリドヤが可能であると も云える。 即ち1 8図をもってすれば G 点 に 重 心 の 位 置 する も の で あ る。 ダイ ブロ ー ルす る。 ダイ. ブ ウ ェス タ ー ソも こ れ に近 く なる が 身体 構 造 上 ス ト ・ラ ドル に 遥 かに. 図 18. 及ばない。 正面跳に比するなら此の点のみで 1 o m 以上の決定的有 c 利性を主張出来得るものであると考える。 4 , 重心軌跡の 問題 ストラ ドルが助走方向や踏切角度を浅くして回転を利用 して跳躍. する場合、 重心の地 物線は明らかに合理的に移行して有利性を展開 する。 踏切地点が横木に近く踏まれる事は横木上 への垂直跳躍を可 能ならしめる方法であるが実際例や写真から見るに19図の如くなる 。 図. 19. . 踏切が遠い場合横木の. 助走速度の大きすぎる 場合. 手前で重心位置が最高 となる. ウ エ ス 夕 r ソロ ー ル. 6. ラ ル ソ ソ. 正. 面. 跳. 図 20. A′. 4. ス ト ラ ドル. 図. 21. A. 0から理解される。 即 此の事は、 秋間氏の図2 ′ ′ ち、 A C の勉物線を得る踏切の角度からダイ ブ ストラ ドルの場合、 力が同じであっても角度が得. られ れ ば、 A C は、 A′ C′ となる事は 可 能 で あ. る。 即ち踏切角度が拠物線を決定する。 此の事 1 は、 次の考察から同様の事が理解される(図2 ) 。 1図の如く 方向と強さを平面に投射して見ると2. な るo A の方向は助走の方向、 B は踏切に於ける方向をより有効にするための力の方向と強さを. 示 し、 C は実際の跳躍方向を指すとする。 A.B は 共 に ベ ク トル で あ る か ら、 C も ベ ク トル で 図の --153-「.
(18) . 波. 滝. 武. 様 に して 求 め られ る。. ベ ク ト ル A (助走方向の強さ) 、ベクトル B は、 任意に競技者によって替える事の出来るもので. あるから、 当然 C も自由に替える事が 出来る。 これを立体的に考えるならば、 助走の方向とその ス ピ ー ド (ベ ク トル A ‐) と 踏 切 時 に 加 え る力 の 強 さ と 方向 と 角 度 (ベ ク トル B) とに よ っ て C は. もとめられる。 即ちその方向と強さと角度が決め られる訳である。 これは、 C が短かくなれば明らかに施物線が横木に対して垂直に近くなる事を意味し、 競技者の ベ ク ト ルに 作用 す る 方 法 が 問 題 と な る も の で、 ダイ ブス トラ ドル の 技 術 であ り、 亦 レイ ア ウ トの方. 向を示すものである。 実際場面に踏切時の肩の下って来る事を上昇力の犠牲であるとして回転力の み増加するとの批判は必ずしも当らないもので、 踏切脚に完全 に重心が乗っている場合には充分可. 能を意味するもので適度の動作は明らかに池物線に有利性をもたらすとも云える。 此の場合決定的 要素は、 踏切方向が D の方向だけでなく B の方向、 云えば横木に平行に傾ける技術を必要とする 0 のベクトルを得るならば 最も高い ものでも し可能であれば、 横木に対して 90 、 最も有効の地物. 線 C′ が得られるであろう。 此の事実は、 踏切地点の近い事、 落下地点と踏切地点と結ぶ線で証明 2 に 当 るも の で、 これ を C さ れ る が、 実 際 は C と A の間にあって A に近いのが実情で云えば C ′に近づけるべく踏切脚の動作を横木に対 して直角亦は離陸する瞬間に 足首回転で直角に捻 亦は C って努力するものである。. 同じ初速度で踏切つた場合の高さの比較や. 図 22. 22図) 横木の落下危険率を見るに、 ( 同じ初速度 Vo でより高く達するためには. ′. ′′ ′ ′ ′. V o/. . ′/↑ . . \ . え ば β で あ る。. 、、、. . \. \ \ \ . 最高高度 h. i ( s nα) が大きければよい事を意味する、 云. . α 増ぎ. 0 云 い 換 え れ ば (α=90 )鉛. 直の方向に近づけば近づく程良い。 勿論此の 初速度なるベク トルは、 助走と踏切の時に作. 用する力との合成されたものである。 然も踏 切 点から横木に対 して直角に近づく程短くな る理由が成立する。 即ち踏切る方向が横木に 対 して直角ならばその点から横木迄最短距離. となる。 此の場合、 横木迄の距離の短い事は初速度 Vo の仰角が大きくなると云う事であり、 従っ て到達出来る高さが最大近くなり助走方向にその侭跳躍するよりも高さを越す事が可能になる。 此 2 ) に対 しても補助する考察が可能である。 処から優位性 (. 2 2図弧 1 .について見れば、 速さについて、 最高点に於ける水平速度は、 Vocosβ と な り、 そ の 運 動 量 M① は、 体の全質量 を (m) とすれば、 M ① =V,cosβ× m と な る。. 弧② について云えば、. M ②=Vo cosα× m で あ る。. M ① と M② を比較すれば β>α で あ る か ら Cosβ〈Cosα .・. V cosβ<V cosα. ) よりも大きい事に 即ち仰角 が小なる程水平方向の度が早い。 従って運動量も M① の方が M@ -154-.
(19) . ダ イ ブ ス ト ラ ド ル の 研 究. なる。 もし横木に触れるとすれば運動量の大きい程その力は大きくなり、 弧Pの様な運動を してい る時は、 弧②の様な場合に比べて横木に触れても落す割合は少いし、 亦高く跳躍出来る事になる。 ′ 以上の事から重心 ・の軌跡の問題は踏切に於て決定するものであるが、 20図 A′ C の施物線を版 る事は、 走高跳に於て最も有利性を立証するもので、 各種の条件に見られる事に最も近いフオーム は、 ダイ ブ ス トラ ドル に 於て の み現 在 可 能 で あ る と考 える。 V =. 結. 語. 以上走高跳の本質とダイ ブストラ ドル技術について多くの問題を考察したが、 恐らく多く疑問を. 残したかも 知れない。 然しより走高跳の根本問題とスタイルの関係から権威ある人々の適確な判断 と 私見 を 通 して 云 え る 事 は、 ダイ ブス トラ ドル に 過 ぎ るも の は ない と 云う事 実 で あ る。 確 か な 事 実 と して、 ウ エ ス タ ー ンロ ー ル を 含 め て、 ダイ ブ ス トラ ドル 以 外 の 跳 躍 方法を 禁 止 した西 ドイ ツ の 例. は極端かも知れないが、 既にコーチ理論や競技場から正面跳やラルソソに関する事項の姿を消 した 事実は我々に大きな反省を与えるものである。 跳躍は、 生物的基礎的能力と共にある確かな巧技で あり、 云わゆるカンと 呼ばれる現象と理論的根 拠を如何に合一させるかについて、 既に生理学、 物. 理学、 教育学、 社会学等の立場から研究が進められ、 これ等の研究結果に基いて練習計画や体育計 画の立案実施指導のなされている世界的傾向に対 して、 未だ正面眺に固執する事は、 その進展を阻 むものである。 漸く ダイ ブストラ ドルの台頭して来た今日の我国競技界に於て、 今後の課題は如何. にこれを普及させるかにあるもので、 外のフォームの持つ長所と共に欠点を熟視して、 ダイ ブスト ラ ドル、 亦 は ウ エ ス タ ー ンス タイ ル に 変 更 し、 日 本人 に 適 した フ オ ー ム を作 る事 が必 要 で あ る と し. て基本的事項について述 べたものであるが唯此処で述べたものは基礎的原理や方法で あり、 その原 理と優位性から個人と個人の特性が種目との関係から充分考え合せて自己に適したものを作らなけ ればならない事を強調したかつたのである。 ダイ ブス トラル ドは難しいと云われるが、 子供のゴム跳の変型である。 実施に戸迷う事が第一の 難点とされるが近い将来中学、 高校の正課指導走高跳のスタイルも亦ダイブストラ ドルが占められ. て来るであろうが、 練習方法や管理上の注意についての 論 述は次の機会に述べて見たいと考えて いる。 猶振挙脚の横木上の胸関節 との関係とその動作について解決点を見出せなかったので削除し たo. 55年度日本学生選手権、 及び日本選抜競技会終了後、 理論と実 (附) 〆 ず ブスー ラドルの実際について、19 際指導を賜った東京教育大学金原先生、 終始指導を賜った学芸大学札幌分校体育研究室、 原崎先生、 並 に同大 学物理学教室、 瀬川先生に厚くお礼申 し上げると共に、 御協力を戴いた札幌分校陸上競抜部並に尾下君に女末 ながら厚く御礼申し上げます。 参. 考. 文. 献. G.B . カラブコフ (丸川順助訳) L.S . ホメ ソコフ (大島鎌古訳) 秋 間 哲 夫 Don .Canham (織田幹雄訳) 紺 野 義 雄 大 島 鎌 吉. 陸上競技読本. ヱ955年. ソ連の陸上競技. 1955. フイ ール ド技術. 1953. 北海道大学部報 2.,. 1952 1953. 日本陸連普及部 (秋間哲夫). 陸上競技の科学 陸上競技練習法 陸上競技読本. 日本陸上競技連盟. 新しい陸上競技. 浅 川 正 一 吉 沢 不 吉 織. 田. 幹 雄. 1953 1949. 陸 上 競 技 陸上競技フイ ール ド. 1950 1954 1951. 陸 上 競 技. 1946. -155-.
(20) . 滝 日 本 陸 連 日 本 陸 運 秋 間 哲 夫 M.G.Sco t t(宮灯 =虎彦訳) 上 林 英 夫 秋. 間. 哲. 夫. 波. 武. 陸 上競技規則 陸上競技審判の仕方 . 体 育物理学 運 動 力 学 体育運動力学 (理論篇). TRACK AND FIBLD MAGAZINE ″. 織. 田. 幹. 雄. Don. Canham (織 田 幹 雄 訳) ・ 金 原 勇. 大. 島. 鎌. 吉. 19 55 54 53 .19 .19 19 53 19 49 19 53 1943. 欧州で見た侭 (スポ←ッ). -156-. ″. No,7 .8. Vol .2. No ,6 ,9 .7 VOI .3 .1 . No Vol .4 . No.4. Vol .4 . No .6 N VOI 4 o . . .6 l Vo .4 .No ll .12 VOL5.No l. 5. 19 4日 53年10月2.
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Jumpei Tokito, Hiroyoshi Miwa, Kyoko Fujii, Syota Sakaguchi, Yumiko Nakano, Masahiro Ishibashi, Eiko Ota, Go Myoga, Chihiro Saeda The Research on the Collaborative Learning