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小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明 : 大阪市小学校教育研究会社会部のVTR授業記録をてがかりに

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Academic year: 2021

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(1)学校教育学研究, 1994,第6巻, pp.37-54. 37. 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明 一大阪市小学校教育研究会社会科部のVT R授業記録をてがかりに社会系教育講座中村哲 大阪市立立菓小学校磨失明大 本論文では,従来の指導技術研究と異なり,小学校社会科授業実践のVTR授業記録を分析し, 授業実践に用いられている指導技術を抽出し,その意義づけを図ることで,これまでの社会科授業 実践の研究的意義を明らかにし,その改善の示唆を得ることをねらいとしている。 具体的には,昭和57年(1982)から平成3年(1991)までの大阪市小学校教育研究会社会科部 (大阪市社研)の授業実践で,学習指導案とVTR授業記録が兵庫教育大学学校教育センターに所 蔵されている48事例について,目標別,学習指導過程別に指導技術を抽出,解明している。このよ うな指導技術研究によって,社会科学習指導過程における指導技術を解明し,その一般化,体系化 を図ることが期待できる。 キーワード:社会科教育,指導技術, VTR授業記録,授業改善. 1はじめに 学校教育の場において,日々なされている授 業実践では,教師が自覚しているかどうかは別 にして,様々な指導技術が用いられている。し かし,教師自身は,それらの指導技術に関して, 自分の授業実践や参観した授業実践から主観的・ 経験的にとらえているに過ぎず, 「なにが指導 技術なのか」 「なぜその指導技術が有効となる のか」という問いかけによって,客観的に論拠 づけてとらえることはまれである。 また,授業改善を図るために設けられる学校 等における授業研究会においても,研究授業が いかにスムーズに進行したかに論議の中心が置 かれ,授業実践に対する個人的感想の発表で終 始してしまうことすらある。すなわち,授業実 践者がどのような意図を持って指導案を立て, 実際の授業はどのように展開したのかを,授業 実践者の立場から明らかにし,それについての 論拠を説明したり,是非を討議するような授業 研究会になっていないのである。従って,授業 研究会において,授業実践に基づいて共通財産 となるべき指導技術等の研究内容を導き出せな いという問題点が指摘できる。このようなこと が,数多い授業実践が次の新しい授業実践を創. 造するうえで十分に活用されない理由であると 考えられる。 このような授業研究における問題の改善を図 るためには,授業実践から共通財産となるべき 指導技術を抽出し,その指導技術の有効性や問 題性を授業実践の目標や内容に即して意義づけ ることが課題になる。 ところで,大阪市小学校教育研究会社会科部 (以下,大阪市社研と称す。 )では,児童の主体 的な追求を深め,基礎的な諸能力を育てること をねらいとして,これまで9次にわたる社会科 指導計画案(試案)をもとに,社会科の学習内 容をどのように構成するか,問題解決の過程を どう展開するかなど,社会科の根底に関わる問 題を研究対象として実践されてきている。具体 的には,児童による問題解決の学習過程と教師 による指導過程とを一致させることを目ざして, 「っかむ」 「調べる」 「考える」 「ひろめる」とい う4段階の学習指導過程を提唱し,多くの優れ た出版物,研究記録を発表してきている。1) しかしながら,これまでの大阪市杜研の研究 では,学習指導過程の改善や教材開発などが中 心とされ,授業実践に見られる指導技術を抽出 し,論拠づけ,一般化し,それらを共有財産とす.

(2) 38. る授業研究はなされていなかった。 そこで,本研究では大阪市杜研の社会科授業 実践において, 4段階の学習指導過程ごとに共 有財産となるべき指導技術を解明し,それらの 研究的意義を考察するとともに,今後の社会科 授業実践の改善を図る上での示唆を指摘したい。 その具体的な研究の手順と方法は,以下の通 りである。 (彰VTRによって記録した各授業実践を,言 語表現による授業記録表として作成する。2) ②授業記録をてがかりに各授業実践を授業目 標と学習指導過程の視点に基づいて類型化する。 (参類型した各授業実践に見られる指導技術を 各学習指導過程ごとに抽出し,検討する。 ④典型的授業実践をてがかりに,指導技術が どのように活用されているかを考察する。 なお,VTRによる授業実践の記録に着目し たのは, VTRの特性(授業の一過性の克服, 時間的・空間的制約の克服,児童や学級全体の 情意的側面の記録が可能,実践者の自己評価が 可能)から,学習指導過程に見られる指導技術 の抽出が容易であるからである。 考察対象としては,大阪市小学校社会科指導. 2. 1社会科授業実践の記録方法 各学習指導過程での指導技術を解明するた めに,VTRの特徴を生かしながら,表2のよう に授業記録表を作成した。 この授業記録表の各項目は,以下のように設 定する。時間は授業記録を再現する上で,不可 欠なものであるとともに,指導者が児童にどれ くらいの作業や思考時間を与えているかを知る 上で必要なものである。そして,次例のように 表記する。例.2435授業開始24分35秒 学習指導過程は,授業計画の段階で指導者が 学習指導案に記入しておいた4段階の学習指導 過程「っかむ」 「調べる」 「考える」 「ひろめ る」を転記する。その意図は,授業計画の段階 で,指導者が各学習指導過程をどのように構成 しようとしているかを明らかにすることにある。 なお,実際の学習者の活動場面については, VT Rの画面から,学習者の行動を関連的内容ごと に区切って表現する。これによって,授業計画 段階の指導者の意図が,実際の授業展開でどの ように反映されているかが明らかになる。また,. 計画(第9次試案) 3)をもとに実施された小学 校社会科授業実践(昭和57年度∼平成3年度) のうち,学習指導案とそのVTRによる授業実 践の記録が入手でき,授業の構成が明らかになっ ている48事例とする。なお,これらの授業実践 記録は,大阪成瑛女子短期大学小倉治夫教授が 収集され,現在,兵庫教育大学学校教育研究セン ターに所蔵されており,授業実践記録の学年,事 例番号,単元名,実践者名,在籍校,及び実施,年 月日は次頁の表1の通りである。. ここで授業計画と実際の授業展開とが対応しな い場合には,その原因を追求することによって 授業実践の改善視点を得ることができる。 教師行動は, VTR画面及び音声から,発問, 指示等の言語活動,資料提示,視聴覚機器の操作, 机間巡視,板書等の非言語活動とに分けて表記 する。その意図は,授業展開における教師行動 を再現するとともに,指導技術が言語活動のみ によるものか,非言語活動を伴っているものか を明らかにすることにある。 児童行動は, VT Rの画面及び音声から,応答, 質問等,言語活動と学習形態の変化,児童の移動. 2大阪市杜研の社会科授業実践における指導 技術の解明. 等,非言語活動とに分けて表記する。言語活動 では,発言者の特定できない多人数での発言,お よび,つぶやきについては, ( )で表記する。. 表2 VTR画面からの授業記録表. 学習 学習 実際の 教 師 時間 指導 活動 学習者 過程 計画 活 動 ○言語 場 面 活動. 行. 動. 児. △非言語 ○言語 活 動 活動. 童. 行. 動. △非言語 活 動.

(3) 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明. 39. その意図は,授業展開における児童行動を再現て,指導者が用いた指導技術の有効性,問題性を するとともに,児童行動を考察することによっ評価することにある。. 表1研究対象とした授業実践一覧表 学 年 番 号 2 3 3 3 3 3 3. 単. 元. 名. 大橋. 光雄. 附属天王寺小. 岬町の人々のくらし. 丹羽. 孝昭. 弘. 17 18 19. 岬町の土地のよう す 岬町の漁業の仕事. 20 35. 岬町の漁家のくらし 岬町の人々 のくらし 学校の移り かわり 学校の歴史① 学校の歴史②. 3 3. 39 40. 学校の歴史④ 建物や設備の 移り 変わり. 3. 41. 3 3. 42 43. ′ ′ 学校生活の 移り かわり 学校生活の 移り かわり. 3 3. 44 65. 生活のう つり かわり デパI ト で 働く 人たち. 3 4 4. 66 1 2. 商店街と 働く 人々 高山の 冬の 生活と 人々の 努力. 4. 3 4. 4 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 6 6 6 6 6 6 6 6. 12 13 14 15 5 6. 土地の 様子によるくらし のち がい 山地での 米作り 山地の 野菜作り 人々のくらしと 電気 くらし と 電気 こ れから の 発電 〟 鉄道のあみ ① 鉄道のあみ ②. 〟 附属 平 野 小 ′ ′ ". ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′. ′ ′ 盤. 小. 84. 2.2 84.2.4 85. 10. 22. 東 淡 路 小 丸 山 小. 91. ll. 21 83.2.9. 常. ′ ′ ′ ′ 堀. ′ ′. 83. 2.10. ′ ′ ′ ′ 江. 83. 2.15 83. 2.17. 〟 " 東 淡 路 小. 空と 海の 交通のあみ いろいろなあみ. ! ′ ! ′ 〟. ll. 人口 分布のよう す かたよる 人口分布. ′ ′ 〟 ′ ′. 29 31. 彫物作り と 働く 人々 ① 彫物作り と 働く 人々 ②. 32 33. 彫物作り の問題点と 人々の 努力. 62 21 22 23 24 25 26 27 28. ′ ′ ′ ′. 小. 〟. ". 〟 貴夫. 84. 1.18. 84. 1. 26 84. 2. 1. ′ ′ 川野 喜代 馬場 正子 阪東 本得. 今西. 84. 1.12 84. 1.14. ′ ′. !′ ′ ′. 9 10. 82.12. 8 82.12.10. 84. 1. 19 84. 1. 25. ′ ′ ′ ′. !′ 長谷川和弘. 84.3. 82.ll.26. ′ ′ ". ′ ′ ′ ′. ′ ′ 〟. 年月 日. 82.12. 1 82.12. 3. 〟 ′ ′. 〟. ′ ′ 栗田 潔. 小. ′ ′. ′ ′ ′ ′ 〟 ′ ′ 山中 秀郎. 治. 道路のあみ. 7 8. 84. 5. 84. 6 84. 6 84. 6. ′ ′. 常. / ′ 盤. 小. 82.ll. 1 82.ll.12. ′ ′. ′ ′ 大賀 拓司 馬野 範雄. ′ ′ 〟 加 美 小 附属 平 野 小. 82.ll.15 82.ll.19. わが国の 輸出の様子. ". 〟. わが国の 輸入の様子 わが国の 貿易の特色. " ′ ′. ′ ′ 〟. 84.2.3 84.2. 7. こ れから の 伝統工業 宅配便とト ラック 輸送 日 本と つながり の深い 国. 今後の 貿易のあり 方 地球儀をながめて 貿易でつながり の深い 国 El本のまわり の国 (中 国). 6. 46. 自 然の破壊と 人間の 命. 6. 47 51. な自然をまも たい せつよ る. 6. 籍 校. バスで 働く 人たち. 36 36. 4 4. 在. 34 16. 3 3. 4 4. 実践 著 名. 東南アジアの国々. <注>・VTRの形式は8ミリビデオ形式である。. ′ ′ 志賀 由治. 〟 藤原 忠彦. 84.2.8 84.3.4. 大. ′ ′ 成. 小. 84.3. 1. 丸. ′ ′ 〟 山. 小. 84.3. 3 84.3.4 84.3.21. 甫. ′ ′ 代. 小. ′ ′ ′ ′ 深美 公策. 90.ll. 20 84.2.2. 84.3.22.

(4) 40. 2. 2授業目榎の類型視点. る。. 考察対象とした48事例から,指導技術を抽出・ 整理するために,授業目標と各学習指導過程を. (3)関連把握を目標とした事例 関連把握を目標とした事例は, 「建物,設備と. 視点に授業実践を類型化する。そして,授業目 標の視点としては,方法把握,事実把握,関連把 握,価値判断の4つに大別できる。 (1)方法把握を目標とした事例 方法把握を目標とした事例は, 「売り場の地 図を作ろう」 「見学の観点を決めよう」 「学習 計画をたてよう」というように,作業方法,表現. 行事,出来事との関連」 「電気使用量の増加と その原因」 「人口の過密化とそれを生む条件」 「自然破壊とその影響」 「鉄道輸送の問題点と その対策」というように社会的事実・事象を互 いに関連させながら把握させようとする授業実 践である。そして,社会的事実・事象の関連の 仕方によって,複数事実型,結果原因型,結果条. 方法,学習方法を把提させようとする授業実践 である。そして,把握する方法の内容によって, 作業・表現型と計画・立案型の2つに分けられ. 件型,結果影響型,問題対策型の5つに分けられ. る。. ①作業・表現型(2事例) 。この型の事例 は,地図作りなど,作業活動や表現活動などの活 動方法を把起させる授業実践である。 ②計画・立案型(6事例) 。この型の事例 は,見学の視点作りをしたり,中単元の導入時に 中単元全体の学習計画を立案させたりする授業 実践である。 (2)事実把操を目標とした事例 事実把握を目標とした事例とは, 「土地の様 子」 「工程の中で,伝統的な技術が生かされて いるところ」 「わが国の貿易の特色」というよ うに社会的事実・事象そのものについて把握さ せようとする授業実践である。そして,社会的 事実・事象の把投の仕方によって,事実並列型, 事実深化型,事実総括型の3つに分けられる。. る。. (彰複数事実型(3事例).この型の事例は, 「建物と設備は,行事や,出来事のたびに整備さ れていることを理解する」というように,複数 の独立した社会的事実・事象を互いに関連づけ ながら把起させる授業実践である。 ②結果原因型(4事例) 。この型の事例は, 「電気の使用垂が年々増加しているという事実 とその原因を関連づけて理解させる」というよ うに,結果としての社会的事実・事象とその原 因とを関連づけながら把握させる授業実践であ る。. ③結果条件型(1事例) 。この型の事例は, 「人口過密地帯があるという事実とその過密化 を生むための条件とを関連づけて理解させる」 というように,結果としての社会的事実・事象 とそれを支える条件とを関連づけながら把握さ せる授業実践である。. ①事実並列型(7事例) 。この型の事例は, 「土地の様子,主な施設,交通機関について理解 する」というように,複数の社会的事実・事象 について並列的に把握させる授業実践である。 ②事実深化型(3事例) 。この型の事例は, 「欄間作りで,特に伝統的な技術が必要なところ を理解する」というように,ある社会的事実・ 事象をさらに深化した形で把握させる授業実践 である。. ④結果影響型(2事例) 。この型の事例は, 「自然破壊の事実とそれが人間の健康に与える 影響とを関連づけて理解させる」というように, 結果としての社会的事実・事象とその影響とを 関連づけながら把握させる授業実践である。 ⑤問題対策型(10事例) 。この型の事例は, 「山地での困難な米作りとその問題点の解決策. ③事実総括型(3事例) 。この型の事例は, 「わが国の輸入品を調べることによって,輸入の 特色を理解する」というように,個々の社会的. ながら把握させる授業実践である。 (4)価値判断を目標とした事例. 事実・事象を総括的に把握させる授業実践であ. を関連づけて理解させる」というように,社会 的事実・事象の問題点とその対策とを関連づけ. 価値判断を目標とした事例とは, 「自然保護 のために個人がなすべき行動」 「わが国の今後.

(5) 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明. の貿易のありかた」というように社会的事実・ 事象の理解をふまえ,さらに高次な社会的事実・ 事象に対して価値判断を求める授業実践である。 そして,判断する価値の内容によって,個人的 価値型,社会的価値型の2つに分けられる。 (D個人的価値型(1事例) 。この型の事例は, 「自然保護を進める人たちの行動を知り,今後個 人としてどのように行動すべきかを価値判断さ せる」というように,社会的事実・事象に対し て個人的価値判断を求める授業実践である。 ②社会的価値型(6事例) 。この型の事例は, 「貿易摩擦の現状を知り,今後の日本の貿易は どのようにすべきか価値判断させる」というよ うに社会的事実・事象に対して社会的な価値判 断を求める授業実践である。. 41. なる。 第2段階「調べる」 0 「つかむ」段階で設定 した学習課題を解決するために必要な事項につ いて詳しく調べる段階。社会事象について正し い理解を持ち,適切な判断を下すには,事実を正 確に理解することが大切となる。 第3段階「考える」 。調べた事実をもとにし て,社会的意味を考える段階。 第4段階「ひろめる」。わかったことがらを ひろめる段階。前段階において理解した事項を 同質の新しい場面に適用して発展的にふくらま す場合とか,次時の見通しにたって新しい問い を持っ場合,あるいは実践化を志向する場合な どがある。 2_ 4学習指導過程における指導技術の類. 2. 3学習指導過程の類型視点. 壁. 大阪市社研では, 「学習の主体者は子どもで ある」という主張をもとに,子どもが主体的に 学習に参加し,問題を解決していくための過程 を重視してきた。具体的には,児童の問題解決 過程と教師の指導過程を一致させることによっ て,児童の主体的な活動を重視した社会科指導 を目指し,研究に取り組んできている。そのた め,大阪市社研では,大阪市小学校社会科指導計. 研究対象とするVTR授業記録から,各学習 指導過程での指導技術を抽出し,その指導技術 が各学習指導過程でどのようなねらいをもって 使われているかを視点として,以下のように類 型した。 (1) 「つかむ」段階における指導技術. 画(試案)を作成し,小単元の学習指導過程に ついて研究を進めてきた。考察対象となった社 会科授業実践は,第9次試案の学習指導過程に 基づいて実施されている。 大阪市社研の第9次試案では4段階の学習指 導過程を提唱している。具体的な内容について は,大阪市杜研著『大阪市小学校社会科指導計 画第9次試案』でその解説がなされている。 4 段階の学習指導過程は以下のように設定されて いる。また各段階には, 「つかむ」 「調べる」 「考える」 「ひろめる」という名称がつけられ ている。 第1段階「つかむ」 。本時の学習課題をっか む段階。社会事象に出会って,感動や矛盾など を感じさせ,問いをもたせることが必要である。 この段階での問いが強ければ,子どもは学習意 欲を燃やして次の学習活動に立ち向かうことに. 習課題の設定を図る技術である。例. 「前の時 間は何について学習しましたか?」というよう に,前時の学習内容を再確認する技術。 イ現状に関する技術。これは,社会的事実・ 事象の現状を想起させたり,または資料提示す ることによって,学習課題の設定を図る技術で ある。例.現在の鉄道網の資料を提示し,鉄道網 の現状を把握させる技術。 ウ問題点に関する技術。これは,社会的事 実・事象の問題点を想起させたり,または資料 提示することによって,学習課題の設定を図る 技術である。例.自然が破壊されている資料を 提示し,自然破壊の問題点を把握させる技術。 エ過程に関する技術。これは,社会的事実・ 事象の過程を想起させたり,または資料提示す ることによって,学習課題の設定を図る技術で ある。例.自動車輸送量の変化を示す資料を提. ア既習内容の概略に関する技術。これは, 既習内容の概略を想起させることによって,学.

(6) 42. 示し,自動車輸送が増加している過程を把握さ せる技術。 オ相違に関する技術。これは,複数の社会 的事実・事象の相違点を想起させたり,または 資料提示することによって,学習課題の設定を 図る技術である。例.昔と現在の台所にあるも のを比較させ,その相違を把握させる技術。 カ他事例に関する技術。これは,既習内容と 同質の他事例を想起させたり,または資料提示 することによって,学習課題の設定を図る技術 である。例. 「大阪以外には伝統工業はないの だろうか」というように,同質の他事例を把握 させる技術。 (2) 「調べる」段階における指導技術 ア方法に関する技術。これは,学習方法に ついて調べさせる技術である。例.ワンマンバ スを詳しく調べるために,見学の視点作りをさ せる技術。 イ現状に関する技術。これは,社会的事実・ 事象の現状について調べさせる技術である。例. 自然保護運動の現状について調べさせる技術。 ウ過去に関する技術。これは,過去の社会 的事実・事象について調べさせる技術である。 例.昔の学校の様子について調べさせる技術。 エ問題点に関する技術。これは,社会的事 実・事象の問題点を調べさせる技術である。例. 山地での米作りの問題点を調べさせる技術。 オ過程に関する技術。これは,社会的事実・ 事象の過程を調べさせる技術である。例.道路 網が年々整備されてきた過程を調べさせる技術。 カ機能に関する技術。これは,社会的事実・ 事象の機能を調べさせる技術である。例.船舶 や航空機による輸送の機能を調べさせる技術。 キ構造に関する技術。これは,社会的事実・ 事象の構造を調べさせる技術である。例.漁家 のある一日の仕事の様子を調べさせる技術。 ク関連に関する技術。これは,複数の社会 的事実・事象の関連を調べさせる技術である。 例.自然破壊と人間の健康との関連を調べさせ る技術。 ケ特色に関する技術。これは,複数の社会 的事実・事象から,その特色を調べさせる技術. である。例.高山市の気候について個々の要素 を調べ,それらをもとに気候の特色を調べさせ る技術。 (3) 「考える」段階における指導技術 ア深化に関する技術。これは,調べた社会 的事実・事象の意味をさらに,深化して考えさ せる技術である。例.大阪欄間の生産工程の中 で,特に伝統的な技術が必要なところを考えさ せる技術。 イ原因に関する技術。これは,社会的事実・ 事象の原因を考えさせる技術である。例.大阪 欄間の生産が伸び悩んでいる原因を考えさせる 技術。 ウ問題点に関する技術。これは,社会的事 実・事象の問題点を考えさせる技術である。例. 鉄道輸送の問題点を考えさせる技術。 エ対策に関する技術。これは,問題点となっ た社会的事実・事象の対策を考えさせる技術で ある。例.人口の都市集中という問題を解決す るための対策を考えさせる技術。 オ関連に関する技術。これは,複数の社会 的事実・事象の関連を考えさせる技術である。 例.校名と当時の出来事との関連を考えさせる 技術。 カ相違に関する技術。これは,複数の社会 的事実・事象の相違を考えさせる技術である。 例.昔と現在の学校生活の違いを考えさせる技 術。 キ特色に関する技術。これは,複数の社会 的事実・事象から,その特色を考えさせる技術 である。例.わが国の輸出入の様子から,貿易の 特色を考えさせる技術。 (4) 「ひろめる」段階における指導技術 ア再確認に関する技術。これは,本時の学 習内容の再確認をさせる技術である。例.資料 を再提示し,学習内容の確認をさせる技術。 イ対策提起に関する技術。これは,学習内 容をもとに,問題点となった社会的事実・事象 の対策を提起させる技術である。例.船舶・航 空機輸送の問題点の対策について,実現可能か を観点として話し合わせる技術。 ウ問題点再提起に関する技術。これは,学.

(7) 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明. 習内容をもとに,提起した対策によって新たに 生じる問題点を再提起させる技術である。例. 山地の米作りの問題点解決のための対策が,節 たな問題点を生じることを話し合わせる技術。 エ一般化に関する技術。これは,学習内容 を同質の他事例へ転用を図らせる技術である。 例.ほうれん草栽培の工夫や苦労が,他の作物に もあてはまるかを話し合わせる技術。 オ将来予測に関する技術。これは,学習内 容から社会的事実・事象の将来予測をさせる技 術である。例.これからの発電方法についての 予想を話し合わせる技術。 カ行動決定に関する技術。これは,学習内 容から社会的事実・事象について行動決定をさ せる技術である。例.自然保護のためにとるべ き行動についていて,決定のための話し合いを させる技術。 2.5指導技術の類型枠 考察対象となった全48事例を,授業目標別に 分類し,さらに各学習指導過程に見られる指導 技術がどのようなねらいをもって活用されてい るのかを視点として設定した類型枠が,次頁の 表3のようになっている。 表3からわかるように,事例としては,問題対 策型の授業実践が多く,多様な指導技術も見ら れる。また学習指導過程が進むにつれて,指導 技術が少なくなり,特に「ひろめる」段階での 指導技術は,数及び質ともに不足している。 ところで,大阪市杜研では,社会科のめざす 能力として,社会に対する単なる認識力だけで なく,社会に対する見方,考え方,批判力や行動 的な態度を重視している。その意味では,授業 目標による類型では,価値判断型の授業実践が もっとも必要とされるが,事例数は少ない。ま た学習指導過程による類型では, 「ひろめる」 段階での有効な指導技術が不可欠である。 そこで,もっとも事例数が多く,多様な指導 技術が活用されている関連把握型の問題対策型 の事例を取り上げる。そして,その指導技術に ついて意義づけ, 「ひろめる」段階での有効な 指導技術を開発し,問題対策型の授業実践を価. 43. 値判断型の授業実践に転換することが,今後の 大阪市社研の社会科授業実践の改善の一方策と なると考える。その為,問題対策型の授業実践 における学習指導過程ごとに,指導技術を抽出 し,解明する。次に,典型事例として長谷川和弘 氏の授業実践第5学年「鉄道のあみ」における 指導技術の活用とその改善視点について考察す る。. 3関連把握(問題対策型)を目標とした社会 科授業実践における指導技術 先に述べたように,問題対策型の授業実践は 10事例あり,その事例番号は1, 3,5,6, 7,8, ll, 19,32,33である。 (1)学習指導過程の指導技術 問題対策型10事例から, 「つかむ」 「調べる」 「考える」 「ひろめる」の各学習指導過程での 指導技術の抽出,考察をおこなう。 「っかむ」段階での指導技術としては,既習 内容の概略に関するものが2事例,現状に関す るものが3事例,過程に関するものが2事例,問 題点に関するものが1事例,他事例に関するも のが2事例見られる。 既習内容の概略に関するものとしては,番号 10の事例では,日本の人口分布について「人口 が集まっている所はどこでしたか?」 「どんな 所でしたか?」という前時の学習のまとめとし た発間を提示している。この発問によって,前 時の学習内容が想起され,人口が集中している 所とその特色を正確に想起させている。番号19 の事例では,岬町で行われている漁業について 学習経験を自由に想起させる形で発問がなされ, 岬町の漁業に対するイメージを再現させている。 現状に関するものとしては,番号1の事例では, TP資料で山地の様子を提示し,地理的な距離 があり,児童が学習経験と生活経験も持ってい ない高山地方の山間部の様子を視覚的に把握さ せている。番号3の事例では,TP資料で山間 部にある水田や畑の現状を視覚的に把握させて いる。番号5の事例では,賀在の鉄道網を提示 し,鉄道を利用した経験を話し合わせることで, 鉄道網の現状を把握させている。これは,誰も.

(8) 5E. 表3指導技術の類型枠. 目標 に よ る 類 型. 事 学習指 例 敬 専過程. 内. 容. つ. か. む. 調. べ. 考. る. え. る. ひ ろ め る. ア イ ウ エオ カ ア イ ウエ オ カ 辛 1 ケ ア イ ウ エ オ カ 辛 ア イ ウエ オ カ 磨 覗 問 過 相 他 方 覗 過 ua 過 機 構 関 特 潔 原 問 対 関 相 特 再 対 問 習 題 内 策点 容 般 題 事 題 題 確 提再 の 揺 概 要状点程逮例法状去点程舵 追逮色化 因点莱逮逮負 認追追化. 作業 .表現型 2. 2. 計画 .立案型 6. 3 1 1. 1. 3. 1. 2. 1. 5. 1. 2 1 3. 将行 * 動 予決 測定. 2. 方法把撮. 計. 8. 5 1 1. 事実並列型. 7. 4 3. 3. 事実把握 事実深化型. 3. 3. 1. 事実総括型. 3. 3. 計. 13. 10 3. 4. 複数事実型. 3. 2. 2. 結果原因型. 4. 2 2. 関連把握 結果条件型. 1. 結果影響型. 2. 問題対策型 10 計. 20. 1. 1 1 1 1. 1. 1. 1. 3. 3 1 1 6. 1 1 1 1. 4. 1. 2. 4. 1. 1 1. 2 3 1 2. 2. 6 6 1 3. 3. 1. 2 3 7 2. 1. 個人的価値型 1. 3 3. 1. 1 1 4 3 1 1. 1 2. 2 1. 2 4 7 1 3 1 1. 1. 1 5 4. 1. 1 7 1 1. 5 5 4 4. 1. 1.. 1 5 7 3 4 1. 1. 価値判断 社会的価値型 6 計. 7. 総計. 48. 3 2. 2. 1. 1 1. 2 3. 3 2 1. 3. 1. 1 1. 2 3. 1 4 1. 1 5. 24 12 3 3 1 3 5 3 7 5 8 2 12 2 2 1 8 9 4 4 3 4 12 7 3 4 1 5.

(9) 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明. が持つ生活経験を意識化させることで,学習問 題に対する児童の興味・関JLlを高める効果があ m 過程に関するものとしては,番号6の事例で は,大阪中央卸売り市場への品物の輸送手段の 推移を,年代ごとに部分的に提示することによっ て,輸送手段に占める鉄道の地位が徐々に下がっ てきていることを把握させている。番号7の事 例では,自動車の輸送量の変化についての資料 を提示し,資料の見方を確認し,輸送量の変化を 数量的に把握させ,数値変化の解釈を求めてい る。この活動は,統計資料の見方を育てる上で 有効であり,事実を数量として把握させること で,児童の事実認識を数量的に客観的なものに している。 他事例に関するものとしては,番号8の事例 では, 「自動車以外の交通機関にはどのような ものがありますか?」番号33の事例では, 「大 阪欄間以外に,どのような伝統工業があります か?」という発問がなされ,生活経験や学習経 験を想起させ,他事例をあげさせることによっ て学習問題の設定を図っている。 以上のことから,問題対策型の「つかむ」段 階での指導技術として,次の5方法が指摘でき る。 a前時の学習のまとめとした発問をおこな い,既習内容を想起させる。 b距離的に隔たりがあり,児童の既習経験が ない内容について視聴覚資料を活用して, 現状を正確に理解させる。 C誰もがもっている生活経験を意識化させ る。. d既習内容と相反する資料を提示する。 e生活経験,学習経験を想起させることで, 同質の他事例をあげさせる。 「調べる」段階の指導技術としては,問題点 に関するものが4事例,過程に関するものが3 事例,機能に関するものが1事例,構造に関する ものが1事例,特色に関するものが1事例見ら Iimm. 問題点に関するものとしては,番号3の事例 では,山地に囲まれた水田では,米作りが困難な. 45. ことを「ここでは,簡単に米作りができるだろ うか?」という反語的な発問をすることで,潤 べてみようという児童の意欲を高めている。番 号10の事例では, 「人口がこんなに集まって何 か困ったことはないのかな?」という発問をす ることで,事実の問題性に気づかせ,調べさせよ うとしている。番号32の事例では,大阪欄間の 売上高と職人数を示したグラフを提示し,売上 高と職人数ともに減少傾向にある事実を数量的 に調べさせ,その解釈を求める発問がなされて いる。番号33の事例では, 「大阪欄間のように, 各地の伝統工業も問題点があるのだろうか?」 という発問がなされている。これらの発問によっ て,大阪欄間で得た学習内容の一般化が意図さ れている。 過程に関するものとしては,番号5の事例で は鉄道整備網がT Pの画面上に年度を追って重 ねられるオーバー・レイの手法によって,番号 7の事例では,80年前と40年前の道路網とを比 較させることによって,それぞれの変化が年代 ごとに調べられるように,また視覚的に理解さ れるように意図されている。番号6の事例では, 大阪中央卸売り市場に搬入される品物の輸送手 段について,指導者が資料を自作し,搬入方法に 占める鉄道輸送の割合低下を調べさせている。 機能に関するものとしては,番号8の事例で は,船舶と航空機の輸送機能について,輸送量・ 全輸送量に占める割合・割合の変遷などの観点 を設定して調べさせている。このような観点設 定の調査によって,児童の思考の焦点化と作業 の効率化を図ることができる。 構造に関するものとしては,番号19の事例で は,岬町の典型的な漁家の一日の仕事を資料化 し,漁家の生活構造を調べさせている。これは, 児童が理解しやすいように資料を自作したこと で,児童の理解が容易になっている。 特色に関するものとしては,番号1の事例で は,高山市の気候の個々の要素について調べさ せた後, KJ法の手法を用い,気温と降水量の二 つに整理し,気候の特色をとらえさせている。 特に,KJ法の手法を用いたことによって,児童 の思考の整理が図られている。.

(10) 46. 以上のことから,問題対策型の「調べる」段 階での指導技術として,次の6方法が指摘でき m a反語的な発問を取り入れる。 b資料を提示し,社会的事実を数量の変化と して把握させる。 C時代変容を正確に把起させるための資料 提示の仕方(オーバー・レイや比較等)を 工夫する。 d指導者が学習内容に必要なものに絞って 資料を自作し,提示する。 eあらかじめ調べる観点を設定する。 f調べた個々の事実をKJ法の手法で整理 する。 「考える」段階の指導技術としては,原因に 関するものが1事例,問題点に関するものが5 事例,対策に関するものが4事例見られる。 原因に関するものとしては,番号32の事例で は,大阪欄間の抱えている問題点について生産 工程を復習する発問をすることで,生産工程に 内在する原因を考えさせている。これは,問題 点の原因を単に予想させるだけでなく,生産工 程を意識づけることで,客観的な原因説明を求 めているものである。 問題点に関するものとしては,番号5の事例 では, 「このように鉄道の網が広がるのに苦労 はなかったのだろうか?」という発問で,鉄道 建設の苦労について児童の意識を導いている。 番号6の事例では鉄道輸送,番号7の事例では 自動車輸送,番号8の事例では船舶と航空機輸 送の長所及び短所を関連づけて発表させること で,問題点について総合的に考えさせることを 意図している。番号19の事例では,資料「漁家 の人の話」を提示し,漁業の問題点を資料化し た文章で端的に考えさせている。 対策に関するも.のとしては,番号1の事例で は厳しい冬の生活,番号3の事例では山地の米 作り,番号10の事例では人口の都市集中という 社会的事実・事象を問題点ととらえ,それらの 解決のために「あなたなら,どう解決しますか?」 という自己関与を求める発問をしている。これ によって,児童が問題点の対策について,興味を. もって取り組めるようにしている。また,その 対策の是非を話し合わせる活動を取り入れ,対 策がより客観的なものとなるように意図されて いる。番号33の事例では,大阪欄間の問題点を 調べた後,それらを原因ごとに整理し, 「大阪欄 間に携わっている人々は,問題点を解決しよう としていないのだろうか?」という反語的な発 問をし,人々の努力や工夫に目を向けさせてい る。これらの一連の活動で,問題点を原因ごと に整理することで,問題の因果関係が明らかに なり,考えられる解決策も論理的なものにする ことができる。 以上のことから,問題対策型の「考える」段 階での指導技術として,次の5方法が指摘でき る。. a問題点の原因予想の際,既習内容との関連 を意識させる発問をする。 b事実の長所,短所を互いに関連づけて発表 させ,問題点を総合的に考えさせる。 C問題点の対策について,自己関与を求める 発問をする。 d問題点の対策について,妥当性を話し合う 活動を組み込む。 e問題点の対策について,原因ごとに整理し て発表させる。 「ひろめる」段階の指導技術としては,再確 認に関するものが1事例,対策提起に関するも のが7事例,問題点再提起に関するものが1事 例,一般化に関するものが1事例見られるo 再確認に関するものとしては,番号33の事例 では, 「つかむ」段階で使った資料を再提示し て,学習の結果,感想がどう変わったか,またそ の理由を発問している。これは,学習内容の定 着度を知る上で有効なだけでなく,児童がこの 段階まで意識していなかったことに気づかせ, 学習内容の理解を深める点でも意義のあること である。 対策提起に関するものとしては,番号6の事 例では,鉄道の輸送力を高めるためのアイディ アが出され,実際に行われている対策を資料で 確認する活動が組まれている。これによって, 予想されたアイディアについて検証させている。.

(11) 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明. 番号6の事例では鉄道輸送,番号7の事例では 自動車輸送,番号8の事例では船舶・航空機輸 逮,番号10の事例では過疎・過密というそれぞ れの問題点の対策について実現可能かどうかを 観点として話し合わせている。この活動によっ て,対策案についてより客観性をもたせている。 番号19の事例では,資料「これからの岬町の漁 業」を提示し,新しい対策(養殖漁業)につい て調べさせている。ここでは,新しい対策を調 べさせるということで,児童の思考の広がりを 意図している。番号32の事例では,問題解決の ための人々の努力や工夫について,どのような ものが実際に見られるか,話し合う活動が組ま れている。デパートでの伝統工芸品の実演販売. 47. ているか,大阪市立東淡路小学校,長谷川和弘氏 の授業実践, 5年「鉄道のあみ②」を事例とし て分析する。研究の方法で示した記録方法によ り作成した, VTR画面からの授業記録は,次頁 の通りである。 ①授業の概要 本授業実践の目標は, 「鉄道輸送の抱える問 題点とその対策を理解する」もので,各学習指 導過程は,以下のように展開されている。 「つかむ」段階では,鉄道輸送を高めるため の人々の長年にわたる努力や工夫について,前. であることを理解させている。 問題点再提起に関するものとしては,番号3 2の事例では,山地の米作りの問題点解決のた めの対策が,時間的,経済的にも大きな負担増と なり,新たな問題点となることを資料から調べ させている。1これは,問題解決のために,児童の 考えに他の事実を与えることで揺さぶり,より 質の高い解決策を思考させている。 一般化に関するものとしては,番号1の事例 では, 「冬以外の季節でも高山の人々の生活の. 時の学習内容を想起させている。次にTP資料 で「大阪卸売り市場に入荷される品物の輸送手 段の推移」について提示し,野菜,果物,魚の何 れも,鉄道輸送の割合が低下し,自動車輸送が増 加していることをつかませている。ここでは, 「鉄道が負けた」 「がんばっている」等と鉄道 輸送に親近感を持った発言が出てきている。 「調べる」段階では,資料を見て気づいたこ とをノートに書かせる作業を通して,貨物輸送 が主に鉄道から自動車に変わってきている事実 を確認している。さらに,この貨物輸送の現実 が大阪という地域性に依拠するものか,また旅 客輸送ではどうかというように揺さぶりをかけ ている。次に指導者から提起された二つの問題 を解決するための資料の選択がなされ,選択さ. 苦労や工夫はないのだろうか?」 「冬と同じよ うなことが言えるのではないか?」という発間. れた資料によって,旅客輸送でも鉄道の占める 割合が減少していること,さらにこれは全国的. で,学習内容の一般化を図っている。 以上のことから,問題対策型の「ひろめる」 段階での指導技術として,次の4方法が指摘で きる。 a 「つかむ」段階での資料を再提示し,その 感想について発問する。 b話し合いの判断基準を明確にする。 C問題解決のための最新の資料を提示する。 d既習の内容では説明できない,新しい事実 を提示する。 (2) 「鉄道のあみ②」の実践事例における指導技 術の活用. に見られることを確認している。この活動の中 で「鉄道輸送量が多い所は工業がさかんな所」 という児童の発言に対して,指導者が「この二 つの資料だけで言い切れますか?」と反論し, あくまでも資料にある事実に即して調べること をねらっている。. 等の生活経験を想起させながら,それらの行動 が,問題解決のための人々の努力や工夫の一部. 問題対策型の10事例から抽出した指導技術が, 1時間の授業実践の中で,どのように活用され.

(12) 48. 問題対策型典型事例授業記録5年「各地を結ぶ交通一鉄道のあみ-」長谷川和弘氏実践 時間 学習 過程 0015. つ. 学 習 活 動 計 画. 実際の学習 者活動場面. 教 師 ○言 語活動. 行 動 △非言語活動. 教 師 ○言語活動. 行 動 △非言語活 動. . 各地 を結ぶ も 前時の学習 ○今 日はこの前 の続 きで, 各地 を結 の には, 主 に鉄 内容につい ぶ鉄道 について勉強 します0 道, 自動車, 船 て想起する0 △各地 を結ぶ鉄道 と板書。 などが あ る こ とを, つか ませ る0. ○ この前 の時間 に明 治40年 の鉄道 の 網 と比べ てどの よ うに発達 して きた か, どんな苦労 があ ったか, 今 で も どんな苦労が あるのかを見て きま し た0 一番最初 はどこを中心 に発達 し ま したか ? ○東 京 ○ (つけた し) 大 都市 ○大都市, 今で は ? ○ 日本全国 ○ そのために, トンネルを掘 った り 橋 を架 けたり, その よ うに努 力を し て きた国鉄なんですが0. 0202 か. 大 阪中央卸 売 り市場 に 入 る野菜 . 果物 . 魚の 輸送手段の 推移 につ い. △ T P を提示 す る0. て知 る0. ですか ?. ○ これ は, 大 阪中央卸売市場 に運 ば れて くる野菜 が何 を使 って運 ばれて いるかを示 した ものです0 緑 が トラ ック, 赤が鉄道 , 青が船 なんです0 野菜を見 ると, 19 65年 には何 が多 い ○ ( トラック, 鉄 道。 ). ○ (同 じくらいや0 ) ○同 じ くらいですね0 それが197 0年 ○ (鉄道 が だんだん減 って い には ? 1975年 に は 7 1978年 には ? △年代順 に資料 を提 出する0 る, 逆転 され た0 ) 035 1. ○ そうだね0 これ は野菜 だけだ ろう か ? 野菜の他 は どうなっているのだ ろう ? ここに果 物の資料 があ るか ら ○ (がんば ってい る, 勝 って 見てみ よう0 きつと果物 はちが うだ る0 ) (や っぱ り果 物 も負 け0 ) ろう 19 65年 は 7 1970年 は 7 1975年 は? ○確かに野菜 や果物 はそ うだ, 魚 は ○ (や っぱ り魚 も負 けや, どうだ ろう ? ラック, バ ンザイ0 ). む. 潤 0535 0543. . 輸送量 の変 化 輸送手段 と について調べ さ 輸送量の推 移 につ いて せ る0 気づ いたこ とを書 く0. 0932. ノ ヾ. ○ この資料か ら気 づ いた こと, 鉄道 の輸送 について0 △鉄道の輸送 につ いて と板書 0 ○今の資料で気 づ いたこ と, メ モ し な さい0 ○鉄道 は明治40年 に比 べる と大変が ん ばって きま した0 と ころがい ま大 阪 の卸売市場 の運ばれ て くるもの を 見 たら, こうい うふ にな ってい る0 △机間巡視0. 輸送が お も ○ じゃ鉛筆を置いて, 気 づいた こ と に鉄道 か ら を発表 しよう0 自動車 にか わ つて きた 事実を知る0 る. ト. ○ 野菜や果物, 魚 の輸 送 には お もに トラ ックが使 われて い て, 鉄道 はあま り使 われて い ない0 △拍手多数0 ○最初 は トラ ックと鉄道 は同.

(13) 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明. 49. じくらいだったけど,時がた つとトラックが増えてきた。 ○ (同じの声多数。 ) ○鉄道の貨物輸送料は年々減 ってきている。 ○拍手多数. 前段階で調 べたことが 大阪だけの ことか,ま た旅客輸送 でも言える のかを調べ る検証方法 を考える。. ○みんなは鉄道が減ってきていると 言うけれど,これは大阪だけのこと かもしれないよ。大阪中央卸売市場 に入ってくるもののことだった。じ ゃ人はどうだろう? ○ものを運ぶのは,トラックでいい けれど,人を運ぶのは? ○(バス,乗用車,タクシー や。) ○じゃ人はどうなっているか,資料 集から資料を探してみよう。 ○ (あった, 98,99ページ。 ). 検証計画に 従って,派 客輸送と, 貨物輸送の 手段の推移 について調 べる。. ○そこは大阪だけじゃなく,全国の 貨物について書いてありますね。貨 物についてどんなことが,言えます か? △挙手一人。 〇人を運ぶのは旅客輸送と言います ね。気づいたことをカードに書きな さい。 △机間巡視。 ○先はどの資料は大阪のことだけだ ったけれど,全国を見ると貨物の輸 送や人の輸送はどのようになってい ○旅客輸送量全体では年々増 るのだろうか,発表しよう。 えてきている。 ○ (それと)自動車の方が旅 客も貨物も輸送量が多い。 ○ (それと)鉄道輸送量が多 い所は工業の盛んな所を結ん でいる。 ○拍手多数。 ○ちょっと待ってください。それは この二つの資料からだけで言い切れ mmm ○前に書いてあった。 Oこの資料からだけでは,言い切れ ないね。 01969年を境にして,旅客輸 送は自動車の方が多い。 ○貨物について言えることはありま せんか? ○自動車と船が増え,鉄道は 減ってきている。. 輸証したこ ○じゃ,まとめていきます。旅客と とをまとめ 貨物に分けることにして。 ann △旅客,貨物と分けて板書。 ○旅客は鉄道は年々減ってきている のに対して,自動車は増えてきてい m △旅客鉄道輸送が減る。 貨物自動車輸送が増えると板書。. ・鉄道輸送の抱 えている問題点 について考えさ せる。. 自動車輸送 が増えてき た理由を考 えさせる。. ○鉄道は明治40年からいろいろ努力 をして,全国にのびてきたのに,ど うして旅客でも,貨物でも輸送量年 々が減ってきている。自動車の方が 増えている。どうしてだろう?その.

(14) 50. 考. (価格の安 理由をとなりの人と相談しよう。 さ) △机間巡視。 ○相談したことを自分でもう一度考 えて,メモしておこう。 △机間巡視。 ○さあ,発表しよう。 ○日本では,車を大量生産し. ているから,車を使ったほう がいい。 ○ (つけたしの声多数。 ) ○車の値段が安いので,車を 買ったほうが便利。 自動車輸送 ○でも車は混雑したら困る。 の不便なと ○それは車の不便なところだね,で ころを考え も車での輸送は増えているよ。 ○高速道路をいっぱい作れば る。 nn O (反対)自動車事故が起き ると,困る。 ○でも増えているよ。 ○鉄道も事故はあるよ。. 自動車輸送 ○それ以外にありませんか? が増えてき た理由を考 えさせる。 ○なるほど,それに対するつけたし はありませんか? (乗り降り 自由). 自動車輸送 が増えてき た理由をま 'asm. (その1). ○船や鉄道だと乗り換える場 所が決まっているけれど,車 は好きな所へいける。 ○車以外は自分の降りたい所 で降りれない。 ○ (反対)高速道路は好きな 所で降りれない。 ○どこで降りるかは問題と違 って,速さが違う。 ○宅急便など専門に自動車で 荷物を運ぶ仕事ができた。. ○じゃ,まとめていこう。. △自動車安いと板書。 ○自動車は大量生産されていて安い から,買った方がいい。しかも便利 m △便利と板書。 ○便利という中味は?鉄道だと駅で しか乗り降りできないけれど,自動 車は好きな所でできる。 ○ (反対)自動車は免許を取 らなければいけない。仕事が 忙しい人は免許を取る余裕は aw. 自動車輸送 ○高速道路ができて速く運べるよう が増えてき になっている。 た理由につ △速いと板書。 いて考える。 ○車はだめだということ? (速さ). ○車は近くまで運んでくれる けれど,鉄道は駅までしか運 んでくれない。. ○いま宣伝しているね。. ○でも道に迷ったら,遅くな る。 ○宅急便だと普通の郵便より 速い。 ○貨物だと運べないものがあ る。 ○小さい船でも,高くつく。.

(15) 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明. 自動車輸送 が増えてき た理由をま とめるe (その2). 51. ○運ぶのに安い。 宅急便だと,安い。 △輸送費が安いと板書。 ○自動車は大量生産するから安い, どこでも乗り降りできる,速い,安 い,しかも専門の人もいる。こうい うことから,鉄道と比べて,自動車 輸送が増えてきているんですね。. ・鉄道輸送を増 鉄道輸送の ○ところで,鉄道には鉄道の良さが やすための工夫 良さを考え あると思うのですが,トラックに比 べて? について話し合 る。 ○たくさん運べる。 ○大きいものを運べる。 ○新幹線は車をアッという問 に抜かしてしまう。だから速 ira O自動車が遠回りしなければ いけないところでも,鉄道は まっすぐに進んでいる。 蝣S3S. 鉄道輸送を 生かすため の方法につ いて考える。. ○このままいくとせっかく苦労して 作ったのに,なくなってしまうね。 ○鉄道の良さを生かしてものを運ぶ ためには,どんな工夫をしなければ いけないだろう?自動車に対抗でき るだろう。 ○グループで相談しよう。 △机間巡視。 ○じゃ,発表しよう。 ○値段を安くする。 ○ (反対)赤字になる。 ○スピードを遠くする。 ○今の意見はどうですか? ○拍手多数。 ○ (反対)速すぎるとかえっ て景色が見えないから,乗る 人はない。 ○ (反対)貨物では景色は関 係ない。 ○たくさん乗ったり,運んだ りできるように電車を大きく する。. (大量輸送) (自動車との 協力) ○反対の意見は?. ○自動車と連絡して,途中は 鉄道を使うようにする。 ○ (反対)そんなことをする と,自動車は儲けがへるか ら,しないと思う。 ○ (反対)その分は鉄道が払 ○じゃ,いまみんなが考えた努力を えばいい。 していけば鉄道の輸送も続けられる ということですね。 ○じゃ,これで勉強を終わります。. 「考える」段階では,鉄道輸送が減少している という事実の原因を追求するために,自動車輸 送が増加した原因を考えていくような展開となっ. 三つの仮説から説明させている。 「ひろめる」段階では, 「鉄道には鉄道の良 さがあると思うのですが」という発問から鉄道. ている。自動車輸送の増加原因を児童が立てた 価格の安さ,乗り降り自由の便利さ,速さという. 輸送の特性を考えさせている。そして,その特 性を生かした鉄道輸送の増加の工夫として,価.

(16) 52. 格を安くすること,大量輸送を図ること,自動車 輸送と協力することを児童発言に基づいてまと めている。 ②指導技術の活用と改善視点 「っかむ」段階では,前時の鉄道網を拡大す るために,人々の苦労や努力を想起させている。 次にそのような努力や苦労にもかかわらず,秩 道輸送の占める割合が,近年低下しているとい う理解をねらいとして, 『既習内容と相反する 数値を含んだ事実提示をする』という,過程に 関する指導技術が用いられている。対応する児 童行動を見ると,鉄道輸送に親近感を持って接 していること,年ごとに鉄道輸送の占める割合 が減少していることを把握させているので,こ の指導技術は有効に機能していると言える。 さらに, 「つかむ」段階から「調べる」段階 にかけては,鉄道輸送の占める割合の減少とい う事実が,野菜・果物・魚という品物の種類を 問わないこと,大阪だけでなく,全国的なもので あること,旅客輸送にもあてはまることの理解 をねらいとして, 『事実の一般化を図るための 発問構成をする』という,過程に関する指導技 術が用いられている。この指導技術によって, 鉄道輸送の占める割合の減少という事実が,一 般的な事実として児童に理解させることができ ているので,非常に有効に機能していると考え られる。 「考える」段階では,鉄道輸送の占める割合 の減少という問題点の原因追求として,増加し つつある自動車輸送の特性を考えさせることを ねらいとして, 『相反する事実の増加原因を追 求することで,減少する事実の原因追求をさせ る』という,問題点に関する指導技術が用いら れている。一般に増加原因は児童にとって理解 しやすいのであるが,減少原因はなかなか理解 しにくいのである。その意味では,この技術は 鉄道輸送の減少原因と主に自動車輸送の増加原 因とを対応させ, 2つの交通機関を関連づけて 考えさせる上で有効である。 「ひろめる」段階では,自動車輸送の特性と 関連づけて,鉄道輸送を生かすための方法を考 えることをねらいとして, 『事実・事象の問題. 点を克服するための対策を話し合わせる』とい う,対策提起に関する指導技術が用いられてい る。しかし,その考察内容が鉄道輸送の減少と いう問題点の改善策を話し合うことにとどまり, 鉄道輸送を含めた今後の交通のあり方という方 向性をもっていないところに本授業実践の問題 点が指摘できる。 以上のことから,本授業実践の改善視点とし て,次の1点が指摘できる。 a 「ひろめる」段階で,問題点の改善策から, 今後のあるべき姿について考えさせるよう な活動を組み込む。 4おわりに 本研究では,大阪市社研の社会科授業実践を てがかりに授業目標と学習指導過程に基づいて 指導技術を解明し,それらの活用意義を考察し てきた。さらに,それらの授業実践の中で,関連 把握(問題対策型)の授業実践に見られる共通 の財産となるべき指導技術を抽出し,その意義 を目標と学習指導過程に即して関連づけた。 このような考察結果,社会科授業実践におけ る指導技術の具体的内容とそれらを共通財産と する体系化の手がかりが示された。このような 研究結果は,これまでの大阪市社研の社会科授 業実践に関する研究的意義と授業研究の改善方 向を示唆するだけでなく,社会科授業実践と関 連する指導技術についての授業研究のあり方を 示すものと意義づけられる。 今後は,本研究の成果を踏まえて,指導技術を 授業設計の段階から活用し,実験授業によって, 指導技術の検証とさらに有効な指導技術の活用 について検討していくことが課題となる。 <注> 1)大阪市杜研の研究成果をまとめたものとして, 以下の文献があげられる。 ・大阪市社研著『社会科の求める能力と評価』明 治図書, 1966年。 ・芥子芳雄編『現代の問いに応える社会科指導』 明治図書, 1976年。 ・芥子芳雄編『同和教育と社会科の課題1問題の.

(17) 小学校社会科学習指導過程における指導技術の解明. 追求』明治図書, 1978年。. 53. ・藤岡信勝者「授業記録をどう書くか1」 『授業. ・芥子芳雄編『同和教育と社会科の課題2低・中. づくりネットワーク』 Na8, 1989年pp.107-110.. 学年の実践』明治図書, 1978年。 ・芥子芳雄編『同和教育と社会科の課題3高学年. ・水越敏行著『授業研究の方法論』明治図書1987. の実践』明治図書1978年。 ・武田泉次編『社会科における基本の探求』明治 図書, 1980年。 ・小西克美編『わかる社会科授業づくりのキーポ イント』明治図書, 1985年。 ・堀公明編『体験的な学習活動を生かした社会科. 年。 ・坂元昂著『授業改造の技法』明治図書, 1980年。 ・西之園晴夫編『授業の過程』第一法規, 1981年。 ・日比祐・重松鷹泰著『授業分析の方法と研究授 業』学習研究社, 1978年。 3)大阪市社研作成『大阪市小学校社会科指導計画 (第9次試案)第1学年∼第6学年』 , 1980年。. 指導』明治図書, 1987年。 2) VTR授業実践記録の特徴を生かした文書によ る授業記録の作成にあたっては,以下の先行研究, 文献を参考にした。. <追記> VTR授業記録を収集,提供していただいた大阪成 瑛女子短期大学教授小倉治夫先生,並びに学習指導案,. ・西之園晴夫はか「教授方術析出のための授業分. VTR授業実践記録を提供していただいた大阪市杜. 析の方法論とその適用一小学校家庭科の授業を. 研の関係者の皆様にお礼を申し上げます。なお,本. 事例として-」京都教育大学『紀要』 No.58, 1981 年。. 論文は磨矢が中村の指導助言の下で執筆したもので ある。.

(18) 54. Explication of the Instructional Skills in Practice of Social Studies Tetsu NAKAMURA and Akito MAYA It is important work for teacher to practice valuable instruction for children. But they don't understand how to use instructional skills for doing valuable instruction. Especially instructions valuable for social studies are very difficult. It is the reason why we don t have common understanding of instructional skills for social studies. The purpose of. this study is to explicate instructional skills used in practice of social studies. We select 48 videorecording samples of social studies instruction and explicate instructional skills of them.. Key Words: social studies, instructional skills, video recording of instruction, instructional reform.

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