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防災・減災教育のための小学校社会科授業の開発研究 : 第5学年単元「自然災害を防ぐ」の場合

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Academic year: 2021

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(1)防災・減災教育のための小学校社会科授業の開発研究.   一策5学年単元r自然災害を防ぐ」の場合一   教育実践高度化専攻 小学校教員養成特別コース.  P10079F 広原 康平. 1研究報告書の構成 序 章研究の目的と方法. 対する知見を広げる必要性が高まっているとい. 第I章 学校教育における防災・減災教育の. える。東日本大震災では,気象庁の予報を上回る.     位置づけ. 津波や,岩手県日ヨ老市のスーパー堤防が津波で破. 第II章 小学校第5学年社会科単元「自然災. 壊されたことから「公助」に限界があることを目.     害を防ぐ」の授業モデルの開発. の当たりにしている。一方で,“釜石の奇跡”と. 終 章 研究の成果と課題. 呼ばれ市内の小中学生がほぼ助かったという事. 2研究報告書の概要. 例からr自助・共助」の重要性も痛感している。. (1)問題の所在と研究の目的. 下でも慌てず,柔軟に対応できるよう自然災害に. このことからr災害大国」日本にいる限り,災害.  1995年1月17目に起きた阪神・淡路大震災. を防ぎきれないことを意味すると同時に,「自然. で震度7の揺れを経験した。地震のことをよ. 災害の防止」の観点だけでは成り立たない。どの. く知らない筆者は,自分自身の命を守る行動. ような災害があろうと国や自治体の対策に依存. を考えることができなかった。2011年3月n. しきるのではなく,あるいはそれらを最大限に生. 日には東日本大震災が発生し,社会に大きな. かすためにも「自助・共助」の意識と行動が大切. 爪痕を残した。筆者が,今年3月にボランティ. であり,児童の危険予測・回避能力の伸長につな. アで石巻市,東松島市の小学校を訪間した際. げる防災・減災教育の必要性が指摘されている(2〕。. には,自然災害の時に最も大切なr一人一人 の迅速な判断と行動」が命を守ることにつな.  そこで,本研究では2011年9月4目に発生し た台風12号による北播磨地区での災害を含める. がると強く訴えられ,改めて一人一人が高い. 防災・減災教育についての授業開発を行い,児童. 防災意識を持っておくことの必要性を実感し. の危険予測・回避能力の伸長を図ることを目的と. た。今後,東南海・南海地震,首都圏直下型. する。. 地震の発生も危惧されており,前者は東目本. (2)研究対象と研究の方法. 大震災の被害をはるかに超えるとの想定も発.  研究の対象は平成23年度加西市立S小学校の. 表されていることから喫緊な課題といえる。. 第5学年(男子11人,女子10人,計21人)で. しかし,今日の防災教育は緊迫感に欠ける避. ある。その学級で行なった全5時間の自らの授業. 難訓練や総合的な学習の時間に行われている. 実践を分析する。研究の方法を以下に示す。. のが現状である。本年度は学習指導要領の改. ①各教科書会社の自然災害に関する単元を分析. 訂に伴い総合的な学習の時間が時間数を削減.  し,どのような問いでどのような知識を習得さ. されているため災害に対する子どもの危機意.  せようとしているのか記述分析を行う。. 識を充分に育てることは難しいのではないか. ②社会事象の事実となる知識(事実把握),社会. と考える。)。.  事象間の因果関係となる知識(関係把握),一.  平成20年版学習指導要領では,国民一人一人.  般化できる知識(概念把握)の3段階に分類・. が防災意識を高めることの大切さに気付けるよ.  整理する。. う’層重視すべきと示されている。つま. ③授業実践の際の発間と児童の発言・反応をプロ. り,今日の防災教育は東目本大震災の影響瀦.  トコル分析し,毎回の学習課題に沿った発問が. まえ,新教材や単元の開発を行い,どんな 状況.  なされているかを検証,再構築する。.

(2) 表1第5学年社会科単元「自然災害を防ぐ」の授業モデル 視. 日本全国. 日本全国. 兵庫県. 加西市. 日本の自然災. 日本の国土の特. 国や都道府県(兵. 台風12号による. 害の種類と特. 徴と自然災害と. 庫県を中心に)が. 北播磨地区の対. 点. 徴. の関わり. 講じている防災・. 処の違い. S小学校校区   日本全国. ハザードマッ. プづくしj,.   r    l.   I減災■ [□. R鮒灘篭. ね. 減災対. ら.     なりやすい.  自分で助かる  ように行動で  きる人間. 同本は災害が多いのか、 レ、. 日本の国土と災害との 関係性から捉える. 公助の必要性. 公助の限界  避難勧告が発令 防災意識の向上       されていないK市 共助・自助  で12人はなぜ避  『自分事』とし       難したのだろう の必要性          でとらえる. 知. 識. 事実把握. 概念把握. 関係把握.  ・日本と世界の標高の比較図. ・神戸新聞北播磨各市町の避難勧告と被害状況(9月6. 資. 過去の自然災 害のビデオ. ・日本と世界の河川の勾配の比較図. 日付).    ・「釜石の奇跡」.    ・台風12号による消防団活動状況図.    ・兵庫県の防災拠点.  ・加西市防災マツブ・兵庫県CGハザードマップ. 料. 3授業実践.   がわかった。.  例として表1の「台風12号による北播磨地. ⑤r自分事」としてとらえさせるために,教材. 区の対処の違い」を挙げる。9月4目深夜に北.   の規模の焦点化を図った単元構成。. 播磨地区を襲った豪雨を取り上げ,避難勧告.  徐々に自分の身近な事柄に触れていくにつれて. が発令されなかったK市と他4市町の対応の. 当時の状況や考えを織り交ぜながら発表する児童. 違いを避難勧告発令の基準から読み取り,公. が増えたので自然災害に対する危機感や切実性を. 助としての働きになることを理解させる。5市. 持つことができたと考えられる。. 町の中で,唯一K市は避難勧告が発令されて. 5註及び参考文献. いないにも関わらず12人の避難者がいた。こ. (1)寺本潔「教育の計画づくりと実践プラン」,『杜. れを中心発間に置き,周囲の状況や情報収集.  会科教育641号』,明治図書,2012年,p,104。. から身の危険を感じた場合,自分の命を守る. (2)堀畑仁宏r小学5年『自然災害の防止』の資. 行動や他の人と協力し合う行動,すなわち共.  料一とう読み取らせるか一『共助・自助』の意. 助・自助の働きを捉えさせる。.  味を噛み砕く一」,『社会科教育633号』,明治. 4研究の成果.  図書,2012年,pp.132−133。. 本研究の成果は5点ある。. ①学習指導要領の変遷過程で社会科におけ   る防災教育の存在が明らかになった。. ②我が国で自然災害が頻発していることを   ハザードマップの公表状況によって示す   ことができた。. ③災害事例にある行為理解をもとに自助・. ○賓馨,戸囲圭一,橋本学『自然災害と防災の  事典』,丸善出版,2011年,pp.272−276。. ○沼田能昌r単元『自然災害を防ぐ』を例に」,   『社会科教育631号』,明治図書,2011年,   pp.76−79。. ○岩田一彦『社会科の授業分析』,東京書籍,1993  年,PP.28−30。.   共助の重要性を理解させることができた。. ④ハザードマップの作成が共助を促すこと. 修学指導教員  關 浩和.

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