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機械学習による浄水プロセスにおける凝集後濁度予測手法

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 82 回全国大会. 7C-06. 機械学習による浄水プロセスにおける凝集後濁度予測手法 鈴木 昭弘†. 川上 敬†. 山村 寛‡. Eryanti Utami Putri‡. 北海道科学大学†. 1. 中央大学‡. 緒言. 浄水場における浄水プロセスは原水に対し, 薬品の注入,混和,凝集,沈殿,濾過など多く のプロセスを経て浄水処理を行っている.これ らの中でも凝集プロセスは凝集剤を注入し原水 中の懸濁質を集塊させ,フロックと呼ばれる塊 を形成させるプロセスである.凝集による濾過 しやすい良質(沈降性が良く大きさが適切であ る)なフロックの形成は非常に重要である.フ ロック形成は凝集剤の多少により良し悪しが決 定するため,適切な注入量の決定が必要である. 凝集剤の注入量の決定は,ジャーテストと呼 ばれる,原水に対して複数パターンの量の凝集 剤を注入しフロックを形成させ,過不足の無い 結果が得られるまで繰り返し注入量を追い込む 試験が行われる(fig.1).しかし,ジャーテス トは所要時間が長く,さらに熟練技術者の不足 の問題もある.凝集中の水からその結果の予測 や注入量を制御する研究もなされている 1)が,現 在の手法を置き換えるには至っていない.また, 凝集剤の注入量と形成されるフロックの関係は 複雑であり,PH,温度,アルカリ度など様々な 要素で変動するため予測が困難である. そこで本研究では機械学習の一つであり深層 畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)を用い. 根本 雄一$. 大江 亮介†. 前澤工業$. ることにより,凝集剤を注入しフロックが形成 され始めた段階での凝集中の画像から最終的な 凝集後濁度を予測するモデルの作成を試みてい る.最終的にはこのモデルを利用することで凝 集剤の注入量を過不足なく決定し,凝集剤の注 入を制御するシステムの開発を目標としている.. 2. 河川水によるモデルの作成. DCNN モデル 本研究では DCNN には Alexnt2)と呼ばれる全 11 層からなるモデルを使用した.このモデルは層 の数が少なく,シンプルなモデルとなっている. 複雑な特徴を捉えるには適さないが,学習の所 要時間が短く済むメリットがある.実施済みの 人工河川水を用いた予備実験 3)において,教師デ ータで最大 97%程度,テストデータで最大 94%の 程度の精度で凝集後濁度が判定できることが判 明しているためこのモデルを利用した. 最適化手法には Adam を使用し,損失関数には Softmax Cross Entropy を使用した.学習はバッ チサイズを 500,エポック数を 100 にて実施した. データセット 2018 年 11 月~2019 年 3 月に河川から取水し, その水に対し 4 パターンの凝集剤を注入しそれぞ れジャーテストを行った様子を撮影した動画 148 本を用意した.1 つの原水に対して必ず同条件で 2 回のジャーテストを実施している.動画の長さ は約 23 分程度である.各動画を Table 1 のよう に凝集後濁度別に 3 つのカテゴリに分類した. カテゴリごとに教師データとテストデータは 7.5:2.5 に分けた.教師データは合計 112 本,テ ストデータは合計 36 本である. 動画は 5fps で画像化し,さらにビーカーの上 下中央付近かつ,パドルが写らない範囲を 200× 200px の画像に切り出して使用した.. fig.1 ジャーテストの様子. Table 1 データセット. A Study of Turbidity Prediction Method after Flocculation in Water Purification Process by Machine Learning †Hokkaido University of Science ‡Chuo University $Maezawa Industries. 2-37. 名称. 凝集後濁度. カテゴリ 1 カテゴリ 2 カテゴリ 3. 0.0-0.5 NTU 0.5-1.0 NTU >1.0 NTU. 教師 データ数 35 32 45. テスト データ数 11 10 15. Copyright 2020 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 82 回全国大会. 実験. fig.3 同一原水,同一凝集剤での凝集の様子 1. train:accuracy. 0.4. epoch. fig. 4 除外後:20 回試行. 上記の①および②に該当する動画は学習時の ノイズとなってしまうことが想定されるため外 れデータとしてデータセットから取り除いた. このデータセットを用いて,3.2 節と同条件で教 師データとテストデータの組みを毎回ランダム にして 20 回学習の試行を行った.その結果を fig.4 に示す.破線で囲ったデータがテストデー タで最も予測精度が良かったものを表しており, 最大 0.94 の精度で予測可能となった.また,20 回学習した最大の精度の平均値は 0.84 であった. 以上のことから凝集結果の予測においては, ①および②の観点で外れ値を除外しデータを整 理することが有効であることが明らかになった.. 4. 結言. 本論文では,浄水処理における凝集剤を注入 しフロックが形成され始めた段階での凝集中の 画像から最終的な凝集後濁度の予測を行うモデ ルの作成を試みた.実験の結果,凝集剤の注入 開始後 400 秒~500 秒の画像群をデータセットと して用いるのが適していることを明らかにした. また,凝集中の画像の特性から除外すべき特徴 を持つデータを明らかにし,その結果,最大で 予測精度が 0.94 のモデルが作成可能であること を明らかにした.今後は冬期間以外の河川水や 異なる水系における実験を進めていく. 参考文献. 2). 3). 2-38. 0.6. 0.2. 1). fig.2 時間帯による実験結果. test:accuracy. 0.8. 1 8 15 22 29 36 43 50 57 64 71 78 85 92 99 106 113 120 127 134 141 148. 実験の概要 実験はまず,(1)凝集後濁度の予測に適した時 間帯はジャーテストより何秒経過後であるのか を把握する実験を行った.これは,ジャーテス ト開始から 100 秒経過後から,動画を 100 秒区間 で区切り DCNN へのデータセットとすることで, DCNN にて予測可能な最も早いタイミングを調査 するものである.その後,(2)凝集後濁度の予測 モデルの学習実験を実施した.(1)の実験結果か ら調査を行い,明らかにした観点を基に外れ値 となるデータを削除したのちに学習を実施した. (1)予測に適した時間帯の把握 ジャーテスト開始後 100 秒から 800 秒までのデ ータにおいて,100 秒区間で区切りそれぞれ学習 した結果を fig.2 に示す.教師データについては 破線で囲った範囲の通り,いずれの区間におい ても精度はおよそ 1.0 に達する結果となった.テ ストデータにおける精度は赤丸で囲った箇所が 最大値である約 0.76 前後となった箇所である. これは 400 秒から 500 秒までの画像群であった. 500 秒以降でも 0.76 前後に達することも確認でき たが,最も早い 400 秒の区間を予測に用いるのが 適していることが明らかになった. (2)凝集後濁度の予測モデルの学習実験 3.2 節の結果 0.76 の精度で予測可能であること が明らかになったが,精度は高いとは言えない. そこで上記実験にて分類に失敗した動画データ の特徴について調査し,以下の知見を得た. ① 同一の原水に対し同量の凝集剤を注入した結 果,凝集後濁度は同程度であるが,その凝集過 程の様子が大きく異なる場合がある(fig.3 原水 A):原水 A-1 では 400 秒からフロックが表れる が,A-2 では 400 秒,600 秒ともにフロックが現 れていない.このような動画が 1 ペア存在した. ② 同一の原水に対し同量の凝集剤を注入した結 果,途中経過は同一だが凝集後濁度が異なる場 合がある(fig.3 原水 B):原水 B-1 の凝集後濁 度は 0.76NTU,B-2 は 0.44NTU となっており,カ テゴリを跨ぐほど濁度が異なっている.このよ うな動画が 6 ペア存在した.. accuracy. 3. 有村良一,黒川太,毛受卓,横山雄:画像処理型凝集センサに よる水質制御システム, 第 52 回日本水環境学会年会講演集, p.28, 2018 鈴木昭弘,川上敬,山村寛,根本雄一,大江亮介:ディープラ ーニングによる浄水過程における凝集画像判定の検討, 第 18 回複雑系マイクロシンポジウム論文集, pp.15-18, 2019 A. Krizhevsky,I. Sutskever, GE. Hinton : Imagenet classification with deep convolutional neural networks, Adv. Neur. In., vol.25, pp.1106-1114, 2012. Copyright 2020 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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