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2. 前十字靭帯再建術後感染を合併した2例(第15回群馬整形外科研究会 主題I 整形外科感染症疾患(症例報告, 症例検討))

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第15回群馬整形外科研究会

日 時:2009 年 3月 14日 (土) 場 所:群馬大学医学部内「刀城会館」 代表世話人:高岸 憲二

主題

整形外科感染症疾患

(症例報告,症例検討)

座長:田中 宏志(伊勢崎市民病院 整形外科) 1.人工膝関節置換術後深部感染に対し Resection arth-roplastyを施行した2例 武智 瑠美,寺内 正紀,畑山 和久 斎藤 一 (群馬中央 合病院) 人工膝関節置換術後に深部感染のため Resection arth-roplastyを施行した例を 2例経験したので報告する. 【症例1】 81歳, 女性. 平成 15年 2月, 76歳時に他医で 左変形性膝関節症に対し左人工膝関節置換術施行した. 術後表層感染を併発し,MRSA が検出された.洗浄,デブ リドメントや持続還流を行い, 一時は細菌培養陰性とな るも, 術後 4ヶ月で再度 MRSA が検出された. VCM 局 注, 点滴静注や MINO内服にても改善せず, 加療目的に 当科紹介となった. 同年 7月, 人工関節抜去, セメント ビーズ挿入を行い, 約 1ヵ月後に人工膝関節再置換術を 施行するも, 術後 6ヶ月頃から疼痛再燃し, Xp上も loosening を認めたため, 平成 17年 10月, 79 歳時に脛骨 側の再々置換を行った. その後 経 過 良 好 で あった が, 14ヵ月後より左膝前面に腫脹を繰り返し, 穿刺液より MRCNS が検出され抗生剤の内服にて通院加療を行っ ていた. 三回の入院加療においても感染の寛解・増悪を 繰り返したため, 平成 19 年 12月, 81歳時に人工膝関節 抜去, 外固定を行った. 術中組織より MRCNSが検出 され,術後 4週間 VCM の点滴を行った.術後 5週で 外 固定を抜去し, LLC シャーレとし ROM を開始した. 術 後 8週で長下肢装具を装着し立位・歩行訓練を開始, 術 後 10週頃には pick up walkerにて歩行可能となった.そ の後,外出・外泊訓練等を行い抜去後約 4.5ヶ月で自宅退 院となった. 現在術後 1年を経過しているが, pick up walkerを用いて歩行できており, 近医にて経過観察中で ある. 【症例2】 87歳, 女性. 平成 13年 10月, 80歳時, 他医で関節リウマチにて右膝人工関節置換術を, 平成 14 年 8月, 81歳にて左膝人工関節置換術を施行された. 術 後 2年で左下 脛骨結節内側に発赤・腫脹出現し, 切開 排膿を施行した. 細菌培養は陰性であり, 処置にて改 善した. その頃より脛骨側の sinking がみられていた. 半 年後にも同症状出現し, 細菌培養は陰性であるものの 閉鎖が得られず, 平成 17年 3月, 84歳時に精査加療目的 に当科紹介となった. 入院し人工関節抜去を予定するも 閉鎖得られたため, 長下肢装具での保存的加療となり 退院となった. 前医で経過観察されるも, 時々再発し入 院加療にて軽快することを繰り返していた. 経過中に浸 出液より MRCNSが検出された. 徐々に滲出が増え, 脛 骨側の loosening も著明となったため, 平成 20年 4月, 87歳時に人工関節抜去, 外固定を行った. 術後 2週で 外固定を抜去し LLC シャーレとし, 3週より ROM 開 始した. 術後 5週にて長下肢装具装着下に荷重開始, 歩 行器歩行安定し, 術後 3ヶ月で退院となった. 現在術後 9ヶ月であるが, 感染の再発もなく経過良好である. 【ま とめ】 人工膝関節置換術後の深部感染例において, 人 工関節抜去を余儀なくされた 2症例を経験したので報告 した. 2症例とも, 長下肢装具と歩行補助具を用いて歩行 できており, 感染の再発を認めていない. 2.前十字 帯再 術後感染を合併した2例 生越 敦子,木村 雅 ,小林 保一 上村 民子,徳永 路,萩原 敬一 清水 雅樹,江黒美栄子,大澤 貴志 (善衆会病院 群馬スポーツ医学研究所) 【はじめに】 前十字 帯 (以下 ACL) 再 術後感染を合 併した 2症例を経験したので報告する. 【症例1】 39 歳女性. 2003年 1月左膝 ACL 再 術施行. 術後 2週で 再 帯を温存し, 持続還流を施行. 起炎菌は MRSA で あった. 3週で還流を中止するも, 抜去後 2日で再燃し, 約 6週で再 帯の抜去した. 2007年 10月 ACL 再再 術を施行. 現在, 経過は良好である. 【症例2】 18歳 女性. 2008年 9 月右膝 ACL 再 術施行. 再 後 12日で 鏡視下デブリードマン, 再 帯抜去, 持続還流を施行 した. 起炎菌は staphylococcus aurous陽性であった. 現 在, 診察では感染の再燃は認めておらず, 将来再再 を 371 Kitakanto Med J 2009;59:371∼374

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予定している. 3.当院における人工膝関節置換術後 MRSA感染症の 一例 鈴木 秀喜,有田 覚 (群馬県立心臓血管センター 整形外科) 変形性膝関節症において人工膝関節置換術 (TKA) は 日常的な手術であるが, 一度感染を起こすと治療に難渋 する例が多い. 当院で TKA 後 MRSA 感染を発症した症 例を経験したので報告する. 【症 例】 患者は 79 歳の 女性.術後 12日目に 部の腫脹・発赤も認め関節穿刺を 施行, 40cc血漿性の液体が引けた. 後日培養の結果 MRSA と判明したため, 同日局所麻酔下に Pumping を 施行した. その後脛骨内顆部に溶骨性変化が著明になっ たため 31日目に洗浄・滑膜・脛骨内顆切除・浜野式灌流 装置挿入を施行した. 灌流は約 36時間で詰まり抜去し た.62日目には CRP陰転化し 部も乾燥し閉鎖した.93 日目の退院時は歩行可能で ROM0/80であった. 現在退 院後 2年になるが再発はない. 【結 語】 人工物に感 染した場合は長期的な戦いが強いられる. 今症例のよう に早期の対応が重要な治療となる. 4.体幹部まで波及したガス壊疽に対し 部のドレナー ジにて救命できた2症例 武智 泰彦,小林 亮一,反町 泰紀 中島 飛志,内田 徹,浅見 和義 (前橋赤十字病院 整形外科) ガス壊疽はガス産生を伴う壊死性軟部組織感染症の 称である. 近年糖尿病など免疫不全を呈する疾患に合併 する非クロストリジウム性ガス壊疽が増加傾向にある. 治療の基本的事項として, 1抗ショック療法 2起因菌を 推量し適切な抗生剤投与 3筋膜・筋層に壊死があれば広 範囲の外科的デブリードメンがあげられている. 外科的 デブリードメンに関しては, 患肢切断を要する場合が多 いが, 患肢温存を え切断範囲に苦慮する症例も少なく ない. 特に股関節離断は手術侵襲の大きさ, その後の ADL 制限を えると一期的に施行しにくい. 今回我々 は体幹部まで波及したガス壊疽に対し洗浄ドレナージに て救命できた 2症例を経験したので報告する. 5.小児化膿性股関節炎の治療経験 鈴木 隆之,柘植 和郎,小林 敏彦 小野 庫 , 原 圭介,原 和比古 加納 竜太,角田 和彦 ( 立富岡 合病院 整形外科) 小児化膿性股関節を 2例経験した. 【症例1】 1歳 2ヶ月の男児, 40度の発熱があり, 近医小児科を初診し, 抗生剤を投与された. 解熱したが歩行しないのを主訴に 近医整形外科を受診後, 当科紹介となった. 【症例2】 4歳 9ヶ月の男児, 先行する上気道炎後の右股関節の痛 みを訴え当院救急外来を初診となった. 37.6度の発熱, 強い可動時痛を認め, 当科に入院となった. 入院後は両 者 MRI を施行し, 関節水腫を認めていた. 発熱・局所の 熱感が強く, 股関節穿刺により黄白色・濁の液体が引け たため, 化膿性股関節炎と診断し, 全身麻酔下, 切開・排 膿・洗浄を行なった.術前・術中採取した膿の培養は陰性 であった. ドレーンは術後 1wで抜去した. 解熱し可動時 痛も消失した. 術後 2wで退院となり, 再発も認めていな い. 初期治療で抗生剤が投与されると起因菌がマスクさ れたり,症状が軽快するので,診断・治療には注意が必要 である. 6.発症初期の診断が困難であった化膿性椎間板炎の2 症例 喜多川孝欽,日尾 有宏,鈴木 涼子 小林 明,高柳 ,田中 宏志 (伊勢崎市民病院 整形外科) 我々は, 腰痛を主訴とし初診となった患者のうち, 経 過とともに化膿性椎間板炎と判明した 2症例を経験し た. いずれも発症初期の単純 MRI において明らかな化 膿性椎間板炎を疑わせる所見は認められなかった. 【症 例1】 (53歳 男性) 腎盂腎炎と腰痛症の合併と判断 し, 抗菌剤点滴と安静にて入院加療および外来経過観察 を行った. 初回 MRI においては特別な異常はなかった が, 30日 後 の MRI に て 化 膿 性 椎 間 板 炎 が 判 明 し た. 【症例2】 (45歳 男性) 腰痛による体動困難を主訴に 当院救急外来へ搬送される. MRI 上, 腰椎椎間板ヘルニ アを認めたため安静にて経過観察を行った. しかし, 発 熱や腰痛の増悪を認めたために MRI を再度施行したと ころ化膿性椎間板炎が判明した. これら 2症例の初診か ら最終調査時までの経過をまとめて報告し, 若干の 察 を加える. 【まとめ】 腰痛症を診察するにあたり, 化膿 性椎間板炎は常に念頭に置くべき疾患である. 発症初期 の化膿性椎間板炎は, 単純 MRI で異常が見出せない場 合があるので注意が必要である. 第 15回群馬整形外科研究会 372

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