第7回群馬血栓症研究会
日 時:平成 21年 2月 6日 (金)
場 所:群馬ロイヤルホテル
代 表:野島 美久(群馬大院・医・生体統御内科学)
当番世話人:森 昌朋(群馬大院・医・病態制御内科学)
一般演題>
座長:野島 美久(群馬大院・医・生体統御内科学)
1.抗凝固療法の中断により下肢急性動脈閉塞を繰り返
し再発した発作性心房細動の一例
佐藤 達也,八木 宏明,根岸 一明
富田 智之,中野 明彦,新井 昌
倉林 正彦
(群馬大院・医・臓器病態内科学)
81歳女性. 2004年に左下肢急性動脈閉塞症を発症し,
当院にて Fogarty血栓除去術を施行. 発症時, 心房細動
(Af) であり, 心原性血栓による動脈閉塞と えワーファ
リンの内服を開始. その後, 洞調律に復帰したが洞不全
症候群もあり永久的ペースメーカーを植え込んだ. 発作
性心房細動に対してはソタロール 80mg/日の内服を開
始.以後は外来時に Afが認められたことはなく,2006年
4月に痔核からの出血がありワーファリン内服を中止し
たが, 2007年 5月に左下肢の急性動脈閉塞を再発. 動脈
閉塞発症時は Afであった. Afは自然停止しワーファリ
ン内服も再開した. 2008年 9 月の受診を最後に drop out
し内服が中断. 12月に脳梗塞を発症し当院を受診. 来院
時は Afで心エコーで左房内血栓を認めた. ヘパリンに
よる抗凝固療法を開始したが, 第 3病日に突然左下肢の
痛みを訴え, 血管造影にて両下肢動脈の血栓閉塞を認め
た. 再々度血栓除去術を行った. 心エコー上, 左房内血栓
は消失していた. 本症例は, 抗凝固療法が行われなけれ
ば Af発作時の短期間に容易に血栓を形成し急性動脈閉
塞を繰り返した. Af例に対する抗凝固療法の重要性を再
認識した 1例である.
2.肺動脈血栓内膜切除術を行い軽快した慢性肺血栓塞
栓症の一例
齋藤 章宏,金古 善明,柳沢 三郎
関 秀格,新井 昌 ,倉林 正彦
(群馬大院・医・臓器病態内科学)
55歳, 男性. 主訴 : 労作時息切れ. 既往歴 : 10歳時よ
りてんかん, 49 歳時より甲状腺機能低下症. 現病歴 : 47
歳時, 深部静脈血栓症と診断され, ワーファリンを 2年
間服用したが中断した. 55歳時, 半年間労作時息切れを
自覚したため来院した. 心音は, IIpの亢進, 胸部 X-Pに
て CTR48%, 肺血管陰影が軽度増強, 動脈血 析 pH
7.447,Po2 73.7,心電図にて肺性 P波,V1-4で陰性 T 波,
心エコーにて右室径 41mmと著明な右室拡大, 胸部 CT
にて両側肺動脈主幹部に血栓像, 肺血流シンチにて両肺
野の多発性欠損像, 右心カテーテル検査にて肺動脈圧
85/26(49)mmHg, 心係数 2.24 l/min/m であった. 重症型
の慢性肺血栓塞栓症と診断し, 国立循環器病センターに
て肺動脈血栓内膜切除術を施行した. 術後は, 肺動脈圧
25/6mmHg, 心係数 2.88と著明に改善した. 慢性肺血栓
塞栓症の外科治療の著効例である.
3.ダナパロイドナトリウムが著効した門脈血栓症の1
例
佐藤 賢,高田 大,山田 俊哉
田中 良樹,解良 恭一,土屋 天文
市川 武,柿崎 暁,高木
森 昌朋
(群馬大院・医・病態制御内科学)
【症 例】 69 歳, 男性. 【現病歴】 2007年当院泌尿器
科で膀胱癌に対し膀胱全摘, 回腸導管を施行した際肝腫
瘤を認めたため肝 dynamic CT を施行した.その結果,肝
S4に動脈相で早期濃染し, 遅 相で wash outされる
18mm大の SOL を認め, 肝細胞癌を疑われ, 膀胱癌術後
の化学療法追加前に加療する目的で当科紹介入院となっ
た. 【入院後経過】 肝腫瘍が門脈左枝に近接し, ラジオ
波焼 療法では門脈血栓症を生じる危険があると え,
301
Kitakanto Med J
2009;59:301∼302