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各種口腔ケアの効果に関する検討 ―口腔常在菌を指標として― 第2報各種含嗽剤による含嗽効果の検討

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各種口腔ケアの効果に関する検討

口腔常在菌を指標として

第2報 各種含嗽剤による含嗽効果の検討

神 野 恵 治, 茂 木

司, 笹 岡 邦 典

根 岸 明 秀

要 旨 【背景・目的】 先に著者らは口内貯留による各種含嗽剤の薬剤効果を報告した. 今回は含嗽という機械的清 掃行為が加えられた場合の一般細菌, カンジダを減少させる効果について検討した. 【対象と方法】 常成 人 18名に対し,水道水,薬用リステリン (青色)原液,2倍希釈液,4倍希釈液,薬用リステリン (黄色)原液, 2倍希釈液,4倍希釈液,ポピドンヨード 30倍希釈液,ハチアズレ ,3%過酸化水素水,ネオステリン・グリー ン 50倍希釈液おのおの 30mlを含嗽後の唾液を検体とし, 一般細菌, カンジダの培養後, 含嗽剤作用前後の コロニー数を比較した. 【結 果】 一般細菌は, 含嗽前では全例から検出されたが, 含嗽後では 50.0∼100% で減少した. カンジダは, 含嗽前では 23.0∼38.0%に検出され, 含嗽後では 40.0∼100%で減少していた. いず れも薬用リステリン (青色) 原液, ポピドンヨード 30倍希釈液の減少率が高かった.【結 語】 含嗽剤を用 いて含嗽することにより, 一般細菌, カンジダを減少させる効果が認められ, 特に薬用リステリン (青色) 原 液, ポピドンヨード 30倍希釈液の効果が高かった.(Kitakamto Med J 2008;58:1∼7) キーワード:含嗽剤, 水道水, ポピドンヨード, 薬用リステリン , 口腔常在菌 は じ め に 先に著者らは第一報として含嗽剤の薬剤効果, すなわ ち口内貯留という機械的操作を加えない形での純粋な薬 剤効果としての口腔常在菌 (一般細菌およびカンジダ) を減少させる効果について検討し, 報告した. 今回は第二報として各種含嗽剤の薬剤効果に加えて, 含嗽といういわば機械的清掃行為が加えられた場合の口 腔常在菌, すなわち一般細菌, カンジダを減少させる効 果について検討し, 若干の知見を得たので報告する. 目 的 各種含嗽方法 (表 1) による口腔常在菌数を減少させ る効果を検討する. 対象と方法 対象:全身的に 康で, 口腔内はとくに歯周病などの疾 患のない成人で, 研究に同意した 18名とした. 方法:コントロールとして日中, 安静時に自然唾液を採 取する (検体 1). 表 1の 11種類の含嗽方法により含嗽 後, 含嗽液を吐き出し, 一度, 水道水で洗口の後, 自然唾 液を検体として採取する (検体 2). 一般細菌に対する効果の検討としては, 検体 1, 2をそ れぞれ滅菌生理食塩水で 10 倍に希釈し, これら希釈し た検体 0.1mlを, それぞれ血液寒天平板上に 一に塗布 する. その後, 37℃にて 24, 48時間, 好気的に培養し, そ れぞれの細菌コロニー数を肉眼的に観察, その数をカウ ントし,CFU (Colony Forming Unit)/mlとして表示,両 者間で比較する. カンジタに対する効果の検討としては, 検体 1, 2を希 釈することなく, その 0.1mlをそれぞれカンジタ GS培 地に直接, 一に塗布し, 一般細菌の場合と同一条件下 で培養後, それぞれの細菌のコロニー数を肉眼で観察, その数をカウントし, CFU/mlとして表示, 両者間で比 較する. 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻臓器病態制御系病態腫瘍制御学講座顎口腔科学 平成19年11月9日 受付 平成19年11月29日 採択 論文別刷請求先 〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院医学系研究科顎口腔科学 神野 恵治

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結 果 1.細菌検出率 (表 2, 3) 一般細菌については口腔ケア前に採取した唾液につい て, その検出率を検討した. 11種類の含嗽方法について の口腔ケア前のコントロール検体計 165例中 (表 2) 165 例全例 (100.0%) に細菌が検出された. カンジダについては口腔ケア前に採取した唾液につい て, その検出率を検討した. 11種類の含嗽方法について の口腔ケア前のコントロール検体計 181例中 (表 3) 55 例 (30.4%) にカンジタが検出された. これを各含嗽方法 シリーズ別に検討すると, 検出率は最高 38.0%, 最低 23.0% (平 30.2%) であった. 2.一般細菌に対する各種含嗽方法の効果 (表 2) 1) 水道水により 15秒間含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 18例 中 10例 (55.5%), 平 減少率は 1/1.65であり, 不変例 0例, 増加 例 8例 (44.4%) であった. 最大減少率は 1/2.7, 最小減少 率は 1/1.02であった. 2) 水道水により 15秒間 3回含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 17例 中 16例 (94.0%) と, 高い減少効果が認められた. 平 減少率 1/ 1.95, 不変例 0例, 増加例 1例であった. 最大減少率は 1/ 2.6, 最小減少率は 1/1.06であった. 3) 薬用リステリン (青色) 原液により 15秒間含嗽す る方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 15例 中 13例 (100%) と全例で,平 減少率は 1/5.74,最大減少率も 1/ 12.6と共に大きく, 最小減少率は 1/1.5であった. 不変 例, 増加例は共にみられなかった. 4) 薬用リステリン (青色) 2倍希釈液により 15秒間 含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 13例 中 12例 (92.0%), 平 減少率 1/4.92, 最大減少率は 1/12.8と大き かった. 最小減少率は 1/2.35, 不変例 0例, 増加例 1例 (7.6%) であった. 5) 薬用リステリン (黄色) 原液により 15秒間含嗽す る方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 13例 中 12例 (92.0%), 平 減少率 1/4.92, 最大減少率は 1/23.6と大き かった. 最小減少率は 1/1.6, 不変例, 増加例は共にみら れなかった. 6) 薬用リステリン (黄色) 2倍希釈液により 15秒間 含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 12例 中 10例 (83.0%), 平 減少率は 1/1.2, 最大減少率は 1/53.2と大 きかった. 最小減少率は 1/2.06, 不変例 0例, 増加例 2例 (16.6%) であった. 7) ポピドンヨード 30倍希釈液により 15秒間含嗽する 方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 15例 中 15例 (100.0%) と全例で, 平 減少率 1/6.81, 最大減少率は 1/ 38.3と大きかった. 最小減少率は 1/1.15, 不変例, 増加例 は共にみられなかった. 8) 薬用リステリン (青色) 4倍希釈液により 15秒間 表1 含嗽方法 1. 水道水 30ml 15秒間 2. 水道水 30ml 15秒間 3回 3. 薬用リステリン (青色) 原液 30ml 15秒間 (チモール、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル含有) 4. 薬用リステリン (青色) 2倍希釈液 30ml 15秒間 (チモール、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル含有) 5. 薬用リステリン (黄色) 原液 30ml 15秒間 (チモール、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル含有) 6. 薬用リステリン (黄色) 2倍希釈液 30ml 15秒間 (チモール、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル含有) 7. ポピドントード 30倍希釈液 30ml 15秒間 8. 薬用リステリン (青色) 4倍希釈液 30ml 15秒間 (チモール、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル含有) 9 . 薬用リステリン (黄色) 4倍希釈液 30ml 15秒間 (チモール、メントール、ユーカリプトール、サリチル酸メチル含有) 10. ハチアズレ 30ml 15秒間 11. 3%過酸化水素水 30ml 15秒間 12. ネオステグリーン 50倍希釈液 15秒間 (主成 は塩化ベンゼトニウム)

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含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 16例 中 15例 (93.7%), 最大減少率は 1/6.4, 平 減少率 1/2.46と大き かった. 最小減少率 1/1.15, 不変例 0例, 増加例 1例 (6.2%) であった. 9 ) 薬用リステリン (黄色) 4倍希釈液により 15秒間 含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 16例 中 14例 (87.5%), 最大減少率は 1/9.8, 平 減少率 1/1.92, 最小減 少率 1/1.02, 不変例 0例, 増加例 2例 (12.5%) であった. 10) ハチアズレ 4倍希釈液により 15秒間含嗽する方 法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 16例 中 14例 (87.5%), 最大減少率は 1/20.1, 平 減少率 1/4.45と大き かった. 最小減少率 1/1.02, 不変例 0例, 増加例 2例 (12.5%) であった. 11) 3%過酸化水素水により 15秒間含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 16例 中 8例 表3 含嗽効果の検討 (カンジダ) 方 法 n 細菌検出率 (%) (口腔ケア前 に検出された 症例について 算出) 減 少 減少例 平減少率 最 大減少率 最 小減少率 不 変 増 加 (口腔ケア前 は 0で, 口腔 ケア後に検出 された症例を 除く) 水道水 15秒間 18 5/18 (27.0%) 2/5 ( 40.0%) 1/1.71 1/1.87 1/1.55 0/5 ( 0.0%) 3/5 (60.0%) 水道水 15秒間 3回 17 6/17 (35.0%) 5/6 ( 83.0%) 1/2.0 1/2.55 1/1.5 1/6 (16.6%) 0/6 ( 0.0%)+ 薬用リステリン (青色) 原液 15秒間 13 3/13 (23.0%) 3/3 (100.0%) 0 ※ 1/20 0 0/3 ( 0.0%) 0/3 ( 0.0%)+ 薬用リステリン (青色) 2倍希釈液 15秒間 13 5/13 (38.0%) 5/5 (100.0%) 0 ※ 0 0 0/5 ( 0.0%) 0/5 ( 0.0%) 薬用リステリン (黄色) 原液 15秒間 13 3/13 (23.0%) 3/3 (100.0%) 1/1.95 1/7.4 1/2.5 0/3 ( 0.0%) 0/3 ( 0.0%) 薬用リステリン (黄色) 2倍希釈 15秒間 12 4/12 (33.3%) 4/4 (100.0%) 0 ※ 0 0 0/4 ( 0.0%) 0/4 ( 0.0%)+ ポビドンヨード 30倍希釈液 15秒間 15 4/15 (26.6%) 4/4 (100.0%) 1/5.94 1/8.25 1/2.9 0/4 ( 0.0%) 0/4 ( 0.0%) 薬用リステリン (青色) 4倍希釈液 15秒間 16 5/16 (31.2%) 3/5 ( 60.0%) 1/4.06 1/6.4 1/2.4 0/5 ( 0.0%) 2/5 (40.0%)+ 薬用リステリン (黄色) 4倍希釈液 15秒間 16 4/16 (25.0%) 3/4 ( 75.0%) 0 ※ 0 1/2.5 0/4 ( 0.0%) 1/4 (25.0%) ハチアズレ 15秒間 16 6/16 (37.5%) 5/6 ( 83.3%) 1/3.83 1/7 1/1.35 0/6 ( 0.0%) 1/6 (16.0%)+ 3% 過酸化水素水 15秒間 16 5/16 (31.2%) 4/5 ( 80.0%) 1/7.94 1/16.5 1/2 0/5 ( 0.0%) 1/5 (20.0%)+ ネオステリン・グリーン 50倍希釈液 15秒間 16 5/16 (31.2%) 2/5 ( 40.0%) 0/5 ( 0.0%) 3/5 (60.0%) ※ : 口腔ケア後の減少例が複数あるも, 口腔ケア後のコロニー数が 0の症例があるため, 減少率が算出不能である場合を示す. + : 口腔ケア後に検出された症例の存在を示す. 表2 含嗽効果の検討 (一般細菌) 方 法 n 細菌検出率(%) 減 少 減少例 平 減少率 最大減少率 最小減少率 不変 増加 水道水 15秒間 18 18/18 (100.0%) 10/18 (55.5%) 1/1.65 1/2.7 1/1.02 0/18 7/18 (38.8%) 水道水 15秒間 3回 17 17/17 (100.0%) 16/17 (94.0%) 1/1.95 1/2.6 1/1.06 0/17 1/17 (5.8%) 薬用リステリン (青色) 原液 15秒間 13 13/13 (100.0%) 13/13 (100.0%) 1/5.74 1/12.6 1/1.5 0/13 0/13 (0.0%) 薬用リステリン (青色) 2倍希釈液 15秒間 13 13/13 (100.0%) 12/13 (92.0%) 1/4.92 1/12.8 1/2.35 0/13 1/13 (7.6%) 薬用リステリン (黄色) 原液 15秒間 13 13/13 (100.0%) 12/13 (92.0%) 1/4.92 1/23.6 1/1.6 0/13 0/13 (0.0%) 薬用リステリン (黄色) 2倍希釈液 15秒間 12 12/12 (100.0%) 10/12 (83.0%) 1/1.2 1/53.2 1/2.06 0/12 2/12 (16.6%) ポピドンヨード 30倍希釈液 15秒間 15 15/15 (100.0%) 15/15 (100.0%) 1/6.81 1/38.3 1/1.15 0/15 0/15 (0.0%) 薬用リステリン (青色) 4倍希釈液 15秒間 16 16/16 (100.0%) 15/16 (93.7%) 1/2.46 1/6.4 1/1.15 0/16 1/16 (6.2%) 薬用リステリン (黄色) 4倍希釈液 15秒間 16 16/16 (100.0%) 14/16 (87.5%) 1/1.92 1/9.8 1/1.02 0/16 2/16 (12.5%) ハチアズレ 15秒間 16 16/16 (100.0%) 14/16 (87.5%) 1/4.54 1/20.1 1/1.02 0/16 2/16 (12.5%) 3%過酸化水素水 15秒間 16 16/16 (100.0%) 8/16 (50.0%) 1/4.45 1/9.11 1/1.21 0/16 8/16 (50%) ネオステリン・グリーン 50倍希釈液 15秒間 16 16/16 (100.0%) 13/16 (81.2%) 1/2.49 1/6.11 1/1.18 0/16 3/16 (18.7%)

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(50.0%), 平 減少率 1/4.45, 最大減少率は 1/9.11, 最小 減少率 1/1.21であった. 不変例 0例, 増加例 8例 (50. 0%) と増加例が多くみられた. 12) ネオステリン・グリーン 50倍希釈液により 15秒 間含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 が 減 少 し た 症 例 は 16例 中 13例 (81.2%), 平 減少率 1/2.49, 最大減少率は 1/6.11と大き かった. 最小減少率 1/1.18, 不変例 0例, 増加例 3例 (18.7%) であった. 3.カンジダに対する各種含嗽方法の効果 (表 3) 1) 水道水により 15秒間含嗽する方法 含嗽後, 細菌数が減少した症例は 5例中 2例 (40.0%), 平 減少率 1/1.71, 最大減少率 1/1.87, 不変例 0例, 増加 例 3例 (60.0%) と増加例が多くみられた. 2) 水道水により 15秒間 3回含嗽する方法 含嗽後, 細菌数が減少した症例は 6例中 5例 (83.0%), 平 減 少 率 1/2.0, 最 大 減 少 率 1/2.55, 不 変 例 1例 (16.6%), 増加例はなかった. 3) 薬用リステリン (青色) 原液により 15秒間含嗽す る方法 含嗽後, 細菌数が減少した症例は 3例中 3例 (100%), 不変例, 増加例は共になかった. 4) 薬用リステリン (青色) 2倍希釈液により 15秒間 含嗽する方法 含嗽後, 細菌数が減少した症例は 5例中 5例 (100%), 不変例, 増加例は共になかった. 5) 薬用リステリン (黄色) 原液により 15秒間含嗽す る方法 含 嗽 後, 細 菌 数 の 減 少 し た 症 例 は 3例 中 3例 (100.0%), 平 減少率 1/1.95, 最大減少率は 1/7.4, 最小 減少率は 1/2.5, 不変例, 増加例は共になかった. 6) 薬用リステリン (黄色) 2倍希釈液により 15秒間 含嗽する方法 含 嗽 後, 細 菌 数 の 減 少 し た 症 例 は 4例 中 4例 (100.0%), 不変例, 増加例は共になかった. 7) ポピドンヨード 30倍希釈液により 15秒間含嗽する 方法 含 嗽 後, 細 菌 数 の 減 少 し た 症 例 は 4例 中 4例 (100.0%), 平 減少率 1/5.94, 最大減少率は 1/8.25, 最小 減少率は 1/2.9, 不変例, 増加例は共になかった. 8) 薬用リステリン (青色) 4倍希釈液により 15秒間 含嗽する方法 含嗽後, 細菌数の減少した症例は 5例中 3例 (60.0%), 平 減少率 1/4.06, 最大減少率 1/6.4, 最小減少率 1/2.4, 不変例 0例, 増加例 2例 (40.0%) であった. 9 ) 薬用リステリン (黄色) 4倍希釈液により 15秒間 含嗽する方法 含嗽後, 細菌数の減少した症例は 4例中 3例 (75.0%), 不変例 0例, 増加例 1例 (25.0%) であった. 10) ハチアズレ により 15秒間含嗽する方法 含嗽後, 細菌数の減少した症例は 6例中 5例 (83.3%), 平 減少率 1/3.83, 最大減少率 1/7, 最小減少率 1/1.35, 不変例 0例, 増加例 1例 (16.0%) であった. 11) 3%過酸化水素水により含嗽する方法 含嗽後, 細菌数の減少した症例は 5例中 4例 (80.0%), 平 減少率 1/7.94, 最大減少率 1/16.5, 最小減少率 1/2, 不変例 0例, 増加例 1例 (20.0%) であった. 12) ネオステリン・グリーン 50倍希釈液により 15秒 間含嗽する方法 含嗽後, 細菌数が減少した症例は 5例中 2例 (40.0%), 不変例 0例, 増加例 3例 (60.0%) と, 含嗽後の細菌減少 例は少なく, 増加例も多くみられた. 察 1.対象に関して 細菌検出率に関し, 対象を 165例としたが, 実際は対 象が 18名のため, 同一対象が複数回検査に加わってい ることになる. 2.一般細菌に対する細菌数減少効果について ⑴ 各種含嗽方法の比較 水道水による含嗽実験は含嗽剤による含嗽に対するコ ントロールとして計画したが, 15秒間含嗽後, 一般細菌 数の減少率は 55.5%と, 約半数強の例で細菌数減少がみ られた. 水道水による含嗽を 15秒間 3回に 長すると, 減少 率は 94.0%と, ほとんどの症例で減少がみられ, 大きな 効果が認められた. この効果は薬用リステリン 青色 4 倍希釈液の効果と同等で, 薬用リステリン 青色 2倍希 釈液, 同黄色原液, 2倍希釈液, 4倍希釈液, ハチアズレ , 3%過酸化水素水,ネオステリン・グリーン 50倍希釈液 に勝り, 薬用リステリン (青色) 原液, ポピドンヨード 30倍希釈液の効果に次ぐものであった. 従って, 機械的 含嗽効果は含嗽剤による薬剤効果に匹敵するものと え られた. 薬用リステリン (青色)と同 (黄色)の比較では,一般 細菌に対する効果の間にはとくに差はみられなかった. ⑵ 各種含嗽と,薬剤口内貯留との効果の比較 含嗽剤を口内に 15秒間貯留させた場合の細菌数を減 少させる効果は, 一般細菌についてはポピドンヨード 30 倍希釈液 69.2%, 薬用リステリン (青色) 原液 93.3%, 薬用リステリン (黄色) 原液 86.6%であった. これらの結果を含嗽の場合と比較検討すると, 一般細

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菌に対して水道水 15秒間 3回の含嗽は, 薬用リステリ ン 青色原液 15秒間口内貯留 93.9%と同等の効果で あった. 他の薬用リステリン (青色)原液,同 (黄色)原液での 含嗽は口内貯留より高い効果を示した. 3.カンジダに対する減少効果に関して ⑴ 各種含嗽方法の比較 水道水による 15秒間の含嗽は, 含嗽剤に対するコン トロールとして計画したが, カンジダの減少率は 40.0% と半数に達しない結果であった. しかし, 15秒間 3回の 含嗽では 83.0%と高い効果がみられた. このように, 単 なる水道水による含嗽という機械的方法も大きな効果の あることが示された. 水道水 15秒間 3回の含嗽では減少例は 83.0%と 15秒 間の場合の 2倍以上の効果を示し, 3%過酸化水素水含 嗽にやや勝っていた. 薬用リステリン 青色, 黄色共に原液, 2倍希釈, ポピ ドンヨード 30倍希釈, ハチアズレ は, 水道水 15秒間 3 回の含嗽を上回る効果を示した. 以上から, 薬用リステリン 原液, 2倍希釈液, ポピド ンヨード含嗽はとくにカンジダに対して効力が高いと えられた. しかし, 水道水 15秒間 3回の含嗽は大きな効 果を示したため, 含嗽時に薬剤を用いるべきであるとい う必然性あるいは利点は特に見当たらず, これらの結果 からでは, あえて含嗽剤を含嗽に 用する必要のないも のと えられた. しかし, 含嗽後には細菌数が減少して も, 時間経過と共に細菌数は次第に増加してくると え られるが, その経時的変化に対しては何らかの薬剤効果 を期待できると えられ, 今後, この点についての検討 が必要と思われた. カンジダに対する効果の検討に関しては, 常者の口 腔ではカンジダが検出される頻度は平 30.4%と少ない ため実験例数が少なく, 実験の精度面で問題があると えられ, また, 大きい対象での実験が必要と思われる. 実験結果についてそのまま検討すれば, 水道水 15秒 間含嗽とネオステリン・グリーン 50倍希釈液 15秒間 の含嗽後の減少率には共に 40.0%と同等の効果であっ た. 薬用リステリン (青色)原液,同 (青色)2倍液,同 (黄 色) 原液, 同 (黄色) 2倍液, ポピドンヨード 30倍希釈液 はすべて 100%の効果を示し, 薬剤の効果は顕著であっ た. しかし, 薬用リステリン (青色) 4倍液は 60%, 薬用 リステリン (黄色) 4倍液は 75%と効果が少なかった. 薬用リステリンの 用は説明書では原液とされている が, 青色, 黄色ともに 2倍, 4倍液でも検討した. 味, 臭い の個人の好みを えると, 青色, 黄色は 2倍希釈も有用 と思われるが, 青色, 黄色 4倍液は目的にもよるが, あま り適当とはいえない結果であった. ⑵ 各種含嗽と, 薬剤口内貯留との効果の比較 含嗽剤を口内に 15秒間貯留させた場合の細菌数を減 少させる効果は, カンジダについてはポピドンヨード 30 倍希釈液 75.0%, 薬用リステリン (青色) 原液 87.5%, 薬用リステリン (黄色) 原液 25.0%であった. これらの結果を含嗽の場合と比較検討すると, カンジ ダに対しては, 水道水 15秒間 3回の含嗽は 83.0%であ り, 薬用リステリン (青色) 原液口内貯留の 87.5%の方 がやや高い効果を示した. 薬用リステリン (青色) 原液, 同 (黄色) 原液, ポピドンヨード 30倍液含嗽は全て 100%の効果で, ポピドンヨード 30倍希釈液, 薬用リス テリン (青色) 原液, 薬用リステリン (黄色) 原液口内 貯留より良好な結果であった. 4.一般細菌, カンジタ両者に対する減少効果に関して 以上から, 水道水 15秒間 3回の含嗽法は一般細菌, カ ンジタの数を減少させるために有用であり, とくに一般 細菌に対してはこの方法でも十 と えられた. しかし, カンジタに対してはやや効果が低く, 83.0%にとどまっ ていた. 薬用リステリン (青色) 原液を含嗽剤として用いる と, 15秒間の含嗽でも一般細菌, カンジタ共に効果は 100%を示し, 薬用リステリン (青色), (黄色) 共に 2倍 希釈までにとどめる場合にも有用な方法と えられた. ポピドンヨード 30倍希釈液は一般細菌, カンジタ共 に非常に良好な成績を示した. とくに, 薬用リステリ ン (青色) 原液, ポピドンヨード 30倍希釈液の高い効 果は細菌数の平 減少率の高さからみても明らかであっ た. 従って, 一般細菌, カンジタ両者の減少を目的とする 場合には, 水道水での 15秒間 3回の含嗽もよいが, でき れば上記 2剤いずれかの含嗽がよいものと えられた. これに対し, ハチアズレ , 3%過酸化水素水, ネオステ リン・グリーン 50倍希釈液による含嗽はいずれも一般 細菌に対して効果が低く, 3者の中ではハチアズレ , ネ オステリン・グリーン 50倍希釈液,3%過酸化水素水の 順に効果が低下した. 従って, これらの薬剤での含嗽は, 前記 2剤が えない場合, あるいは水道水のみでなく, 口内常在菌減少以外の何らかの薬剤効果を期待する場合 に用いるべきと思われた. 検討した含嗽方法の中で, 薬用リステリン では (青 色) 原液, 2倍希釈液, (黄色) 原液, 2倍希釈液, これらす べてにおいてカンジタ数の減少効果が 100%であったこ とは特筆に値すると思われた. 一方, ポピドンヨード 30 倍希釈液も同様に高い効果がみられた.

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5.含嗽剤について 薬 用 リ ス テ リ ン (青 色) は ア メ リ カ 歯 科 医 師 会 (ADA) 歯科治療委員会によってプラークと歯肉炎を抑 制する洗口液と認定されており, 殺菌効果は含有成 で あるチモール, メントール, ユーカリプトールとサリチ ル酸メチルによると えられている. 薬用クールミント リステリン (黄色) も同様に抗菌作用を有するとされ ており, 著者らの研究からも効果がみられた. ポピドンヨードに関しては, ヨード製剤は高い殺菌力 を有し, 今回の実験でも高い効果が認められた. しか し, ヨード過敏症の人, 甲状腺機能亢進症の人には 用 できないという問題があり, また, 味に関しては個人に より不快感を生じることや, 粘膜刺激の問題も存在する ため, この点を 慮しての 用が適当と思われた. ネオステリン・グリーン の主成 は塩化ベンゼトニ ウムであり, 歯科用液は塩化ベンゼトニウムが 0.2%含 まれるとされている. 副作用は, 過敏症状, 刺激感とされ ている. 今回の実験ではとくに副作用はみられなかった が, 本剤 用は何か特別な目的に特に 慮されるべきで あると思われた. 塩化ベンゼトニウムは, 芽胞のない細 菌や真菌に抗菌力を有し, グラム陽性菌には低濃度で効 果がある といわれている. ハチアズレ は, 含嗽として用いられている. 咽頭炎, 扁桃炎, 口内炎に対して優れているとされ, 副作用とし ては口腔粘膜の荒れが挙げられている. 今回の実験で は特に副作用はみられなかった. 6. 合評価 含嗽は口腔内の清潔を保持する手段である. 水道水 による 15秒間 3回の含嗽方法は, 一般細菌, カンジタ両 者に対し, 高い有効率を示した. ポピドンヨード, 薬用リ ステリン (青色) 原液は薬剤の効果もあると えられ るが, 含嗽によって高い有効率を示した. 以上から, 高齢者などの誤嚥性肺炎予防の目的で含嗽 を行う場合には, 個人の含嗽剤の味, 臭いなどに対する 好みの問題が全く生じない水道水 15秒間 3回含嗽は簡 で有用な方法と えられた. 欠点としては, 15秒間 3 回の含嗽では, やや口腔諸筋の疲労が生じるが, これも 口腔諸筋の筋力リハビリテーションと えれば一石二鳥 の好ましい方法と えられる. 一方, カンジダに対する効果の検討では薬用リステリ ン (青色)原液,同 2倍希釈液,同 (黄色)原液,2倍希釈 液, ポピドンヨード 30倍希釈液の効果がとくに目立っ ていた. 従って, 目的, 個人の好みによって水道水による かこのような含嗽薬剤による含嗽を選択することがよい と えられた. 謝 辞 本研究に関し, 細菌培養を担当していただいた臨床検 査技師, 都丸まゆみ氏に深謝致します. 本論文作成にお 手伝い頂いた小澤果梨氏に御礼申し上げます. 参 文 献 1. 茂木 司, 笹岡邦典, 口有香子ら. 各種口腔ケアの結果 に関する検討−口腔常在菌数を指標として−第 1報 含嗽 剤の薬剤効果 Kitakanto Med J 2007; (57): 239-244. 2. Witt JJ,Walters P,Bsoul S.et al. Comparative clinical

trial of two antigingivitis mouthrinses. Am J Dent. 2005; Spec No : 15A-17A.

3. Fine DH, Markowitz K,Furgang D.et al. Effect of an essential oil-containing antimicrobial mouthrinse on spe-cific plaque bacteria in vivo. J Clin Periodontol. 2007; 34 (8): 652-7.

4. Cherry M,Daly CG,Mitchell D.et al. Effect of rinsing with povidone-iodine on bacteraemia due to scaling : a randomized-controlled trial. J Clin Periodontol. 2007; 34 (2): 148-55. 5. 宮下芳枝, 池野めぐみ, 小野美栄ら. クエン酸水を用いた 口腔ケアの効果−口腔内細菌数と嗜好をイソジン水と比較 して−. 第 26回 日本看護学会集録 (成人看護Ⅰ) 1995; 21-23. 6. 徳永綾子, 高 みな子, 中村雅子ら. 水がもたらす含嗽の 効果 緑茶・イソジンとの比較,検討を行って.日本看護学 会誌 2005; 15 (1): 83-90. 7. 宮沢真弓,平沢きよ子. 康者に梅冷水を用いた含嗽の効 果−唾液と口腔内の pH と細菌数の変化から−. 第 29 回 日本看護学会集録 (成人看護Ⅱ) 1998; 138-140. 8. 横山晴子, 山田安彦, 山村喜一ら. プロピオン酸フルチカ ゾンドライパウダーインヘラー 用後の口腔内付着薬物の 除去に及ぼす含嗽方法の検討 (会議録). 日本薬学会 121年 会講演要旨集 3号 2001; 168. 9. 水島 裕 (編): 今日の治療薬 (2004年版).東京 : 南江堂, 2004: 927. 10. 伊藤正男,井村裕夫,高久 麿 (編): 医学書院 医学大辞 典. 東京 : 医学書院, 2003: 254. 11. 三宅浩之 (編): 医療薬日本医薬品集. 東京 : 薬業時報社, 1997: 32.

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The Study on the Oral Bacteria Decreasing Effect

of Various Oral Care M ethods:

The Drug Efficacy of Gargle Solutions

II. Studies on the Oral Bacteria Reducing Effect

of Various Gargles

Keiji Kanno,

Kenji Mogi,

Kuninori Sasaoka,

and Akihide Negishi

1 Department of Stomatology and Maxillofacial Surgery, Subdivision of Oncology, Division of Biosystem Medicine, Course of Medical Sciences, Graduate School of Medicine, Gunma University Graduate School

Background: In our previous study, we investigated the effect of various gargles in reducing oral bacteria. In the present study we investigated the effect of gargling with various gargles in reducing oral bacteria and Candida. M ethods: Eighteen healthy volunteers participated in the following experiment. Eleven gargles were used : running water, 2 and 4 fold diluted and undiluted Listerine , 2 and 4 fold diluted and undiluted cool-mint Listerine ,30 fold diluted povidone-iodine,Hachi Azule ,3% H O , and 50 fold diluted Neostelin green . A saliva specimen was harvested before and after gargling with 30 ml of each gargle and cultured,and the numbers of bacteria and Candida colonies that grew out were compared. Results: Oral bacteria were detected in all specimens before gargling and had decreased in 50-100% of the specimens after gargling. Candida were detected in 23-38% of the specimens before gargling, and had decreased in 40-100% of the specimens after gargling. The rates of decrease in oral bacteria and Candida were highest with undiluted Listerine and 30 times diluted povidone-iodine. Conclusions: Gargling with the gargles were effective in decreasing oral bacteria and Candida. Undiluted Listerine and 30 times diluted povidone-iodine had the highest efficacy.(Kitakamto Med J 2008;58:1∼7)

参照

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