JAIST Repository: 複素インピーダンス法によるHZSM-5型ゼオライト膜を用いたプロトンのモビリティー評価
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(2) 複素インピーダンス法による HZSM-5 型ゼオライ ト膜を用いたプロト ンのモビリティー評価 栗田 聡. (佐野研究室). 【1. 緒言】固体酸性を示すゼオライトの橋かけ水酸基 Si(OH)Al のプロトンの挙動は、IR および 1 H MAS NMR により検討されており、高温においては非局在化していると考えられている。当研究室においても橋 かけ水酸基 Si(OH)Al のプロトンは、スチーミング処理による脱アルミニウムの加水分解反応の触媒として ゼオライト細孔内を自由に動き回り、非局在化していることを指摘した。しかし、このプロトンの非局在化 を伝導度の測定から直接的に検討した報告は、ゼオライト微結晶を成型しその伝導度を測定したものを除 けば全くない。このゼオライト成型に際しては、500MPa 以上の圧力で成型されるため結晶構造の一部破壊 や結晶同士の密着性が問題となる。そこで本研究では、個々のゼオライト結晶がインターグロースしている ゼオライト多結晶膜を用いて、複素インピーダンス法によりプロトンのモビリティーを検討した。 【2. 実験】ZSM-5 型ゼオライト膜は、コロイダルシリカ、硝酸アルミニウム (硝酸ガリウムまたは硝酸第 二鉄) 、水酸化ナトリウム、テトラプロピルアンモニウムブロミド (TPABr) および蒸留水から調製した水 性ゲル混合物を、50ml のステンレススチール製のオートクレーブに仕込み、無撹拌下 443K で所定時間水 熱処理することによりテフロン板上に調製した。得られたゼオライト膜は 0.6M(mol・dm3 ) 塩酸水溶液を 用いて H 型にし、その表面およびバルク組成はそれぞれエネルギー分散型 X 線分析および蛍光 X 線分析に より求めた。ゼオライト膜の伝導度は複素インピーダンス法を用いて測定した。 【3. 結果および考察】図 1 には、SiO2 /Al2 O3 比が 170 の HZSM-5 型ゼオライト膜の水蒸気相対圧 0.45 で のコール・コールプロットを示す。伝導度は、コール・コールプロットにより半円と実軸との交点より算出 した抵抗を用いて求めた。なお、コール・コールプロットにおいて必ずしも明瞭な円弧の分離が見られな い場合もあるので、比較のため周波数 1kHz での抵抗成分と容量成分を含んだインピーダンスを用いても算 出した。なお、後者の伝導度は周波数 0Hz である直流の抵抗値から求めた前者の伝導度と比較して高い値 を示す。図 2 の SiO2 /Al2 O3 比が 170 のゼオライト膜の伝導度は、水蒸気分圧に大きく依存し、その増加と ともに急激に大きくなった。一方、Al をほとんど含まないシリカライト膜 (SiO2 /Al2 O3 =∞) の伝導度は、 水蒸気分圧には依存せず一定値を示した。また、HZSM-5 型ゼオライト粉末 (SiO2 /Al2 O3 =173) から作製 したペレット (50MPa )の伝導度も、水蒸気分圧に全く依存せず一定値を示した。これらの結果から、ゼオ ライト膜はゼオライトの伝導度を測定する有効な方法であることおよび HZSM-5 型ゼオライトの伝導性は、 骨格構造中のアルミニウムに基づくプロトンに起因していることが明らかとなった。なお、伝導機構の詳細 についてはまだ明らかではないが、プロトンがヒドロニウムイオンを形成しゼオライト細孔内をホッピン グ伝導しているものと思われる。. 図 1: HZSM-5. ゼ オ ラ イト 膜 (SiO2 /Al2 O3 =170) のコー ルコールプロト 水蒸気相対圧:0.45 温度:298K. 図 2: HZSM-5 型ゼオラ イト 膜 の伝導度の水蒸気圧依存性 (298K) ●:コール・コールプロットによる HZSM-5 型ゼオ ライト膜 (SiO2 /Al2 O3 =170) の伝導度 ○:周波数 1kHZ から求めた HZSM-5 型ゼオライト 膜 (SiO2 /Al2 O3 =170) の伝導度 △:周波数 1kHZ から求めたシリカライト膜の伝導度. keywords. 複素インピーダンス法, ZSM-5 ゼオライト , プロトンの運動性. Copyright c 1997 by Satoru Kurita.
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