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PD-1およびPD-L1遺伝子多型は多発性骨髄腫の髄 外病変の合併および重症度に関与する

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Academic year: 2021

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11.PD-1および PD-L1遺伝子多型は多発性骨髄腫の髄 外病変の合併および重症度に関与する 金井 敬海 , 笠 哲光 , 粟田 真彩 村田 圭祐 , 井野 瑠美 , 北村 裕也 本間 和貴 , 後藤 七海 , 滝沢 牧子 横濱 章彦 , 半田 寛 , 齋藤 貴之 村上 博和 (1 群馬大院・保・生体情報検査科学) (2 群馬大医・附属病院・血液内科) (3 群馬大医・附属病院・輸血部) 【背景と目的】 Programmed cell death 1(PD-1)およびそ のリガンドである PD-L1は Cytotoxic T lymphocyte-ass o-ciated antigen-4(CTLA-4)と共に,がん細胞の免疫回避に 重要な免疫チェックポイント 子として注目されている. これらの一塩基多型 (SNPs)は,その発現や機能に影響し, 自己免疫疾患や悪性腫瘍との関連が示唆されている.今回, 免疫チェックポイント 子 SNPsと多発性骨髄腫 (MM) の関連性を明らかとするために,MM 患者における PD-1, PD-L1および CTLA-4 SNPs解析を行った.【材料と方 法】 MM患者 125名と 常者コントロール 219名の血液 よりDNAを抽出し,PD-1(−606G/A・7209C/T・A215V), PD-L1(rs2297136)および CTLA-4(49G/A・6230G/A) SNPsを PCR-RFLP法 を 用 い て 遺 伝 子 型 を 決 定 し た. 【結 果】 常者と MM 患者における各 SNPsの遺伝子 型頻度およびアレル頻度に有意差は認められなかった. MM患者において遺伝子型により臨床背景を比較したと ころ,PD-1 7209 CT&TT型 (低発現型)は CC型 (高発現 型) 患者に比べ有意に形質細胞腫合併の割合が高かった (p=0.039).また,PD-1 A215V AA型は AV&VV型患者に 比べ骨病変を有する患者が多かった (p=0.031). PD-L1 rs2297136 TT&TC型 (高発現型)患者では,TT型 (低発現 型) 患者に比べ有意に血清アルブミン値が低値であった (p=0.038).CTLA-4 SNPsにおいては臨床背景との関係性 は認められなかった.また,いずれの SNPsにおいても全生 存期間には有意差は認められなかった.【 察と結 語】 免疫チェックポイント 子である PD-1, PD-L1および CTLA-4 SNPsは MM の発症および予後には関与しない が,PD-1,PD-L1 SNPsが髄外病変の合併や MM の重症度 に関与することが示唆された. 12.Th1サイトカイン多型は骨髄異形成症候群の重症度に 関与する 高橋 佳子 , 齋藤 貴之 , 小島 裕里 黒岩 希美 , 相馬 佳奈 , 茂木美佑奈 簗島 由樹 , 井野 瑠美 , 北村 裕也 中村 瑠里 , 田美弥子 , 高橋 範行 後藤 七海 , 笠 哲光 , 半田 寛 村上 博和 (1 群馬大院・保・生体情報検査科学) (2 群馬大医・附属病院・血液内科) 【背景と目的】 骨髄異形成症候群 (MDS)は,造血幹細胞 に遺伝子異常が起こり造血障害を呈する血液悪性腫瘍であ る.ヘルパーT細胞 1型 (Th1)および 2型 (Th2)のバラン スは, 感染防御や抗腫瘍免疫で重要な働きをするとされ, MDSにおいても Th2サイトカインである IL-10多型の高 産生型は予後不良を示すなど免疫異常が報告されている. しかしながら,MDSと Th1サイトカイン多型である TNF -α-857C/T多型と IL-2-330T/G多型の関係は明らかで ないため,今回我々はこの 2つの多型と MDSの発症リス クや臨床像との関連について検討した.【材料と方法】 111名の MDS患者[年齢 :中央値 66.5歳 17∼105歳],と 202名の 常者を対象とした.遺伝子多型の解析は,PCR-RFLP法を用いて行い,遺伝子型と発症頻度及び臨床背景 の関連について統計解析を行った.本研究は本学の臨床試 験審査委員会で承認された (#770).【結 果】 遺伝子型 頻度と allele頻度の比較では 常者と MDS患者において TNF-α-857C/T多型と IL-2-330T/G多型の両者も有意 な差は認められなかった. MDS群の臨床背景の検討では TNF-α-857C/T多型を低産生型の CC群と高産生型の nonCC群に け比較したところ,低産生型の CC群で 7番 染色体関連 (73人 67.6%>vs 35人 32.4%>,p=0.008)と IPSS int 2以上 (75人 67.6%>vs 36人 32.4%>,p=0.008) が 有 意 に 少 な かった. IL-2-330T/G多 型 で は GG型 と nonGG型の比較では,nonGG型でヘモグロビン値が有意 に低かった (12±2.1 vs 9.2±2.4 p=0.048).全生存期間およ び白血病化までの期間の検討ではどちらの遺伝子多型でも 有意な差は認められなかった.【 察と結語】 遺伝子型 頻度と allele頻度の比較では 常者と MDS患者において 有意な差は認められなかったことから,TNF-α-857C/T 多型と IL-2-330T/G多型は MDSの発症に関与しないこ とが示唆された. TNF-α-857C/T多型の低産生型である CC型で 7番染色体関連異常や IPSS int 2以上が少ないこ とは TNF-α-857C/T多型が MDSの重症度に関与するこ とが示唆された. また, IL-2-330T/G多型においても nonGG型でヘモグロビン値が低かったことから,この多 型も重症度に関与することが示唆された. ―267―

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