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IRUCAA@TDC : 一巡した歯科医学教育改革

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

一巡した歯科医学教育改革

Author(s)

石井, 拓男

Journal

歯科学報, 115(1): 1i-1i

URL

http://hdl.handle.net/10130/3554

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一巡した歯科医学教育改革

学会副会長

石 井 拓 男

平成27年(2015年)は,歯科医学教育の改革が始まって12年目となる。厚労省で歯科医師臨床研修の 必修化に向けた検討会が発足し,文科省の指導により共用試験の本格的なトライアルが始まったの が,共に平成15年(2003年)であった。十二支の未年が一巡したことになる。 歯科医師の臨床研修と共用試験は,それまで歯科界にはなかった制度であった。このことで,特に 歯科大学・歯学部は大きな影響を受けた。その意図するところは,国民に信頼される歯科医師の養成 と歯科医療の提供であった。歯科医師法を改正し,診療に従事する歯科医師の臨床研修を義務化し, 一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう,基本的な診療能力を身に 付けることとした。また,卒前の教育において,歯科医師の資格のない学生が患者に接して診療参加 型の臨床実習を行うために,必要不可欠な知識・技能・態度が備わっているかについて,事前に学生 の評価を行うためにコアカリキュラムが提示され,共用試験が実施された。歯科大学・歯学部は各々 カリキュラムプランニングのワークショップを行い,学内の教育体制を大きく変えることとなった。 共用試験,臨床実習,臨床研修という一つの流れが作られた。それから十年以上の年月が過ぎた が,この間により強い衝撃を歯科医学教育に与えたのが,歯科医師国家試験の変革であった。 平成16年(2004年)3月の歯科医師国家試験から相対評価が導入された。その結果平成16年3月の歯 科医師国家試験の合格率は74.2%となり,前年平成15年の91.4%を大きく下回った。驚くべき急変, 急下降である。この後,歯科医師国家試験の合格率は60%台となることはあっても90%台となること は無く,70%ほどの合格率で推移してきた。 4年毎に出される歯科医師国家試験の出題基準と,その根拠となる歯科医師国家試験制度の改善委 員会の報告は,改訂される度に合格基準を厳しい方向に導いて来た。歯科大学・歯学部の学生は,入 学当初から難度の高い国家試験をめざし歩まざるを得ないものとなっている。 歯科医師国家試験に右往左往している歯科医学教育に対し,マスコミや実情の分からない方面から は批判が出ているようである。確かに,日本の歯科医療に求められている課題は大きく変わってきて いる。特に,医科疾患患者・要介護者に求められる歯科医療は質量ともに十年前とは別世界の様相を 呈している。これに対応できる,歯科医師の養成が急務となっている。しかしながら,現行の共用試 験,診療参加型臨床実習,臨床研修がこれに応えることができるかは甚だ疑問である。歯科大学・歯 学部は,難関の国家試験に立ち向かいながら,国民に応える歯科医師を養成しなくてはならない。制 度としてのコアカリキュラム,共用試験そして臨床実習,さらには臨床研修を,再び国家レベルで見 直す努力を望みたい。 幸い東京歯科大学は,国家試験合格は周知の成果を上げている。この高い学習成果を基に,市川総 合病院という全国で他に類のない施設を用いて,今後求められる医科と連携した歯科医療の提供がで きる学生の教育を試みている。十二年前に始まった歯科医学教育の改革が,本校の進む道と軌を一に することを期待したい。

参照

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