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北部チベット高原における河川流量の変動と気温との関係(1990年夏)

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Academic year: 2021

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(1)北部チベット高原における河川流量の変動と           気温との関係(1990年夏) 村山治太1)・弓.菜齢2). The relation between atmospheric temperature and now rate of river water at North Tibet plateau,               in China(1990 Summer).. Haruta MURAYAMAI)・Lailing MA2) Abstract:The scientific expedition was carried out from the Taklimakan desert(altitude 1000 m)to the Tibet plateau(4000∼5000 m)passing through. Kunlun mountains(over 5000 m)by the members of Japan−China Joint Project which name was Kekexili, China Region Science Expedition. Daily fluctuations were observed in且ow rate of river water at camp sites(altitude about 4700 m). This pheno土nena were explained from observations of atmos−. pheric and river water temperature:1)Melt water from frozen ground is re−frozen and constructed embankment by ice on surface ground at night. 2)Following melt water is Saved into unfrozen ground and flow latさof river. water is decreased slowly.3)When atmospheric temperature is rise up above O℃, ice embankment is melted and changed to water.4)This time, saved water is added melt water and flow rate is increased quickly.. はじめに.  1989年1月に中国科学探検協会が設立され,第一号事業として「日中共同カガシリ科 学探検(Kekexili, China Region Science Expedition)プロジェク.ト」が企画された。. カガシリ(Kekexili)地域はこれまで人跡未踏に近く,科学調査がなされていないため,. 総合自然科学調査の対象地:域として取り上げられた。平均標高4500mに達する山岳・. 峡谷・湖沼地帯の成立経緯と,動植物界の実態を明らかにすることが主な目的であっ. た。向こう3年間を目標として,第1回科学調査隊が1990年7月18日にウイグル 1)横浜国立大学・教育学部・化学教室  Department of Chelnistry, Fuculty of Education, Yokohama National University..  156,Tokiwadai, Hodogaya−ku, Yokohama 240 2)北京大学.・.生物学系.  The Biology Department, Peking University.  Beijing, China.

(2) 2. 村山治太・弓 菜齢. 自治区の首都ウルムチ(Urumqi)を出発した。ランドクルーザー3台を日本から持込 み,ジープ4台とトラック6台を中国側が用意した。タクラマカン(Taklimakan)砂漠 を越え,コンロン(Kunlun)山脈の東に位置するカガシリ山脈を含むチベット(Tibet). 北部の,標高4000∼5000mの高原地帯約3000 kmを調査し,9月14日にウルムチに もどった。第一回調査隊の責務は地域全般の予察を行い,以降の計画の進行を図ること にあった。隊の構成は日中双方から動物・植物・地質・地形・古環境・陸水等の調査隊. 員9名の他,報道・設営・車両関係者等も加えて,総勢40名であった。.  筆者等は陸水調査を担当しチベット北部の,標高4500mを越える高原地帯でキャン プしているときに,河川水の流量が一日の間に規則正しく,しかも急に増減する現象を 観察した。調査地域河川の夏季の主な水源は地中に存在する凍土からの寝水であるが,. 地表から数メートルの深さのところでは気温の変化や太陽からの輻射熱による地温の変 動はあまり大きくなく,河川水の流量を大きく変動させる要因は別に考えなければなら ない。気温と河川水の水温および河川流量の経時変化を観測し,流量を変動させる機構. について考察した。併せてチベット高原に登る途中の海抜2850m・3660m地点の気温 と河川水温の経時変化,およびタクラマカン砂漠南縁のオアシス2地点 (海抜約1000 m)の気温についても報告する。. 1.ルートおよび観測地点の地理的特徴  調査地域の概念図を図一1に,走破したウルムチからのルート図を図一2に示す。日中 両国の調査隊員は北京(Beijing)に集合し,先発した車両隊とウルムチで合流した。当. 初の計画ではテンシャン(Tianshan)山脈を越え,コルラ(Korla)からタクラマカン. 砂漠(標高1000m)の縁に沿って東から南に回り,チェモー(Qiemo)からアルチン. 90. ε0;奮踏. 1 5. 1Q. 、鵠. URUM I <0.  o BEIJIN. :「OKYO. Flg... σ. 3. o”. E・、,邑. 、一ノ. 2. 図一1調査地域の位置.

(3) 北部チベット高原における河川流量の変動と気温との関係(1990年夏). ’. 吻・,%       量 盈・・。心z。OQ ・言挙・.           o sIへ.訂9き1浄 . ュク晩 る 魅.・ @       、 o. 3. σ  o  《o      ◎  、. 2000. ム⑪(〉. O070%. 総ZO N明。ρ0. @ ノ. 毎ノざ  … @      %. 1000. 講1蝶擦軽ii嚢i饗. 繋嚢. ハ・・  r   % lllll・1}:∵・’㌦:…♂・…綬編ll・. 、=….ごソ’・・一’. C’. E∵...∵∵・’  ,,  .伊. P塵≒:,TAKLIMAKANご・、 」’. 珊’㌃・. ’1鵬. @「曝.・.・..ジ’9幽1ζ: . r ,’. /、、. s)()o. @♪,’. 一’. @ ρ. メ.  くD. 慕㌃溝P眞SERT鷺∫1・.  5∴IR い響,. 懸青竜 ・∴∴ζ’36   「 承4N マ. 製薯∫;二. 〃. 創. G)証. HEN. 600. 31697ム鋤.  4饅。. P麟い〉憾. 勉. W壁翌. S. 00. E粘_@i. O    b. A酬 、 ●■膨 ■■■騨 ■■験. @ごメFig.3 巳ク。・. % 84’E @100,. 86   88  Q Q00  300  400㎞. noO NO. @6 Ob 90   9 2. 図一2 ルート図. (Altun)山脈を越えて,コンロン山脈の東に位置するカガシリ山脈を含むチベット北部. の,標高4000∼5000mの高原地帯を西から東に調査する予定であった。しかし,チェ モー南東80kmに位置する集落カージ(kazi)の先(図一2・3で×印の地点)で,川の. 水が多くてチェモー河の支流すら渡河出来ず,計画を変更した。一度ルオチャン (Ruoqiang)迄戻り,帰りのルートに予定していたやチクアン〈Yaziquan)経由でアル. チン山自然保護区を通過してカガシリ山地に入り,時問とガソリンの許す限り南進し た。シンヤン(Xiangyang)湖を南限として同じルートをたどり,ーウルムチに戻った。.  観測を行った7地点を図一3に示す。河川流量の大きな規則的変動はチベット高原の. キャンプ地C−1∼3の地点で観察された。何れの地点も海抜高度4600mを越えてお り,川の流路以外は10cm位の草が地表面を覆う,ゆるい起伏の続く草原である。川の 傾斜もゆるく流路は蛇行しており,流水は流下の途中で澗れてしまうかまたは湖沼に達 して終わる。.

(4) 4. 村山治太・昌 菜齢. il螺灘;甥66齢翻_ }博尉聯1三隠三鎚1∫∴1・・’  (  ノ,. コ                      ご け  ち ド. :・●・’・lQIEMq瑚」;●.’ 38●●’’”・’.●. YAZIQUAN). 黙. MANGNAI. 瓜贔. :::’”轟㌦・’0.  2000  、乏.. ZHEN   ). 4000. TIBET PLATEAU 6973. 362N 86。E 、⑰   1 0. C−1 C−3 お⑰櫨一2. 婁. ぐ. 88qQLXIANGYANG.  100   200㎞        ㍉  glO 図一3観測地点.  ヤチクワンは「七子泉」という地名が示すように,高原からの伏流水が湧出している. 海抜3660mのルオチャン河の源流部である。観測は湧水群から500 m降った地点で 行った。湧水群の上部は幅300∼500mの広い澗れ谷が緩い傾斜で20 km以上も続き, やがて高原部の草原に移行する。アルチン山自然保護区の入り口で,ウイグル自治区の 役人が夏だけ駐在している。富士山の頂上と同じ海抜高度であるが,湧水群より下流・. 河川の付近など水分が多く供給されるところには草が密に生えている。ここより奥には 人家はない。.  カージはチェモーの南東80kmの小さな集落である。アルチン山脈の一部である峠 二っ(海抜2880m,2940 m)を越え,チェモー河の小さい支流(川幅約30 m,流量は およそ毎秒5t)を渡って枝沢を少し登った,海抜2850mの谷間に位置する。川の流れ. 方もやや急で勢いがある。カージから南に10km進んだところ(図一2・3で×印の地 点)にあるチェモー河の大きな支流が増水していて渡河することができず,計画は大幅な 変更を余儀なくされた。.  ルオチャン,チェモーは標高約1000mのタクラマカン砂漠初縁のオアシスで,古く からシルクロードの交易都市として栄えてきた都市である。われわれも物資補給の基地 として利用した。気温観測のみを行った。.

(5) 北部チベット高原における河川流量の変動と気温との関係(1990年夏). 5. 2.気温と河川水温の経時変化  気温と河川水温はガラス製棒状アルコール温度計(一20∼100℃)で測定した。目盛 りが1℃刻みであるため,目測で0.1℃の単位まで読み取った。そのため測定値は最後 の桁で±2の誤差が見込まれる。また現在の中国では全土で統一した時刻を採用してい るたあ,観測時刻は全て北京標準時でしかも夏時間である。日本と同じ時刻(東経135 度)に相当するため調査した地域(東経90度付近)では現地時刻が3時間遅れるが,以 下の記述には特に断わらない限り時刻は全て北京標準夏時間を用いている。気温と河川 水温の変化を示した図(図一4∼6)には全て現地の日出(上向き矢印)と日没(下向き 矢印)の時刻を記入してある。.  キャンプ地C−1∼3の地点で観測した気温と河川水温の結果を表一1∼3に示す。ヤ チクワンとカージでの観測結果を表一4と5に示す。チェモーとルオチャンでも気温の測 定を行ったので結果を表一6と7に示す。なお観測結果の表一1∼7は文末にまとめてあ る。.  表一1∼3をグラフ化したものが図一4の(a)∼(c)である。表1∼3および図一4で明ら. かなように北部チベット高原のキャンプ地C−1∼3付近(海抜高度約4700m)では, 8月末∼9月初めの晴れた日の気温と河川水温の変動には次のような特徴があった。.  1)気温は日の出頃一5。C位まで下がり,17時(現地時刻14時)頃15。C位迄上がっ た。.  2)昼間河川水の水温は気温より高くなり,20℃位になった。.  3)夜間流水の水面は結氷した。氷の下を0℃の水が流れていた。  4)水温が最高値を示した後で水量が急に増加した。 また,C−2で気温の日較差の最大値は22℃あった。 C−3では日中河は干上がってしま い,川の水が流れ始めたのは19時30分で,だんだん水量を増し,夜半には最高となり, 日の日頃にはほとんど流れなくなってしまった。.  表一4の一部をグラフ化して図一5(a)を作製した。ヤチクワンの観測は湧水群の下流. 500mのキャンプ地そばで行った。図一5(a)に一番大きな湧水の水温を5回測定した結 果も併せて示してある。湧水の水温は5.0。Cで一日中同じ値を示していた。湧出量もほ. とんど変化しなかった。500m下った観測地点では流水の水温は2.90Cから7.0℃まで 上下に2℃変動した。気温は一〇.80Cから17.2℃まで18℃も変動したが,ほぼ同じ海. 抜高度の富士山頂では同じ1990年8月20日∼21日の気温の変動は4.2℃から10.3℃ で,日較差は6.1℃であった。この日較差の違いは大陸内部と独立峰という地理的条件 の違いによる。.  表一5をグラフ化したものが図一5(b)である。カージでは河川水の水温の変化が気温の 変化に追従する普通のパターンが観測された。.

(6) 6. 村山治太・巧 菜齢. 9』2(4660m). .Sunrise. 20.   ↑. Sunset. Sunrlse.  ↓.  ↑. H.   Cloudy.    Cloudy.     Sunset.     Rain  Su班ise. P、.  ‘・. 脚.  o I.  ‘. 1.  馳. ●.  ロ. l l   I   o.  ●  覧. 3.   「.      ♂ て.  ,  ,. 、. b.     ’     ’. ’        L. 0. \    9  、、!●’・げ. 、. ,●. 、. 「. 1. 、. 、. 唱5. 0. 、●・●.●・。.  ●’. 、●」●●. 5. 8.        覧        、        亀.        ●        、        、. 、           ,.  3. 、.     ロ ●●●■●. 1. ’. 、. 、            ,’. ①. 1. ’  1.   、.  ∫. P0. o.  ’     ○.  、.  ’. 自. ←. I.  b.  :. ロ.   ’    、  ’       も 、覧. 『. ●.  ●     、.  3. 5. ’.  ’.   ’  、.   ’   、. b 、’.  ,. ’. ’. a. ’. ● ’、. ’ 、. 、.  ●. ’.      「. b.   脚. 3. Φ. 15. l    噛. 竃.  l. 10一.      1. l. ●.  「. コ.      φ. ∼.  1. の. ’20. ’.  「. 15. ↓ ρ・℃       ’. 、.  l. ). げ」. 、.  l. Suhset.            ↑.  8覧      ・. ,  ●. (. −. 曾 ↓. 一5. Flood(Ph6to 2β). Be茸in Summel. 12.   Time. 12. 24. 12. 24.   8.29           8,30. DATE(1990). 12. 24. 9.01. 8.31. ←一〇’一一一〇Atm・・ph・・i・T・mp・・at・・e ●一一一一一一●一一一一一一●Water Teniperature. 図一4(b)気温ζ水温の変化一2.キャンプ地一2(C−2,4660m). 一⑭700m). 9=ユ(4780m).           卜一一一一→Water Flow. Sunfise. 20. ↑. Sunrise. Sunse重.  ↓. ↑. H. 20. 20. 9  15 ) Φ. ( 15. ). 20.      ,     1      ,     1. 15.      ’  1      ,      1. Φ.      1  .も      1       1. 10.   / 、  〆  覧. ’ 曹. 剃.  ↑.      6  ?. 15.    ,壇. づ 10. Sun【ise.  ↑       !’b↓.      1\. Cloud 5/10∼8/10.  . Sunrise   愈L  Sunset. 9. 10.     「      亀. 10.     ∫   l.     l  l     l   l.  ’      1 ,.     ’. 1. 」. ノ. Φ    5 q. 日.   ‘. t. . ’. 磯. 5.. Φ. 5. 目.       ’       ’. ①.       ’.   ほ   ‘.  ノ. Φ. ←  0. 、. 0. 、. ♂. 一一一. 恊o一●●●●. B萌in Summer.   Time. ←. .5. 一5. 12. 24. 12.     DATE(1990)    8.28      8.29.     9    ’. 0. ●一●_一●●一6. 5 ? ’. ’. 、 、. ヘ            ノ. .5. 一5. Be. 0.... \●一一_●’. b、魏mme「 12 24 12. 讐) DA宙(1990). 9.03. 9.04.         0一一一一Q一一一一一〇Atmospheric Temperature.        O一一一一っ一一一一〇Atmospheric Temperature.         ●曜一曽一一,4層一一一一一●Water Temperature.        ●『曽一一一一■一一一一一一●Water Temperature. 図一4 (a)気温と水温の変化一1.. 四一4(c)気温と水温の変化一3..            キャンプ地一1(C−1,4780m).            キャンプ地一3(C−3,4700m).

(7) 7. 北部チベット高原における河川流量の変動と気温との関係(1990年夏).   Σ△廻(366・m). KAZ【(2850m).  Sunrise      Sunset    Sunrise     Sunset. 20 ↑  ↓  ↑  ↓. Sunrise. SunseI    Sunrise.   ロ  ヒ. ↑. ↓  ↑. ↓. 20. 翁. β. 115. 15. ;. 暮. 蔦10. 10. ご. §5. ユ  ユヨ. 5. §.    b●●α    」      ・・●r●・. 0 Beilin Summer. 0 12. 24. 12. 24.  Time DATE(1990)    820            821. 一.  ノ曳. バ. 蔦20 き. A」翼!㍉.   Sand StOfm. ご箔.  10. バ 1 気. 難  ノ ㌧. 25. 20. 15.  ♂ \  1. 10.  2. B・麺i・S・mm。「12.  TIME DATE(lggo)    809. b’ 24.  12      24. 810.     0____O__一一〇Atmospheric Temperature     ●一一一一一一●…一一→ Water Temperature. O−H)一一一一一『O Atmospheric Temperature.     り〔:Sp血g Water Temperature(500m upPer). .一}一一一●一一『一●Water Temperature. 図一5(a)気温と水温の変化一4.. 図一5 (b)気温と水温の変化一5..      鴨子泉(YAZIQUAN 3660 m).      長子(KAJI 2850 m). 3.突然の増水.  海抜高度4700mの草原でキャンプしている時,川の流量が規則正しく増減する現象 が観察された。早朝少なかった河川水が日中流量を増し,夜半過ぎると再び減少するが,. 極端な場合にはキャンプ地C−3のように,特定の時間だけしか流れない場所もあった。 図一4(b)に「上向き二重矢印」および「Flood」と記してあるのは突然流量が10倍以上に. 増加したとき(8月30日16時40分)で,その様子を写真一2と3に示す。. 4.流量変動の機構について  調査地域(海抜高度4700m)河川の夏季の主な水源は地中に存在する凍土からの融水. である。凍土の融水が地表に浸出している様子を写真一1に示す。地表から数mの深さ のところでは日々の気温の変化や太陽からの輻射熱による地温の変動は余り大きくな く,凍土の浅水は昼夜の別なくほぼ同じペースで地表に浸出してくる。流量が大きく変 動するたあには水が貯留され,堰を切ったように流出する機構が必要である。水が貯留 される場所は凍土と地表との間の地中,堰として夜間の低温による浸出水の地表面での. 氷結による氷のダムを考えた。模式化して図一6に示す。図一6で左図のように,凍土か らの雪水の浸出量はあまり変動しないが,地表付近の気温がマイナスになると右図のよ うに,融水は地表への浸出面で氷結し,この凍った水がダムの役割を果たすことになる。. 低温の時間が長く続くとダムは高くなる。夜が明けて地表付近の気温が上昇すると,氷 結していた浸出水が融けて流れ出すだけでなく,氷のダムによって地中に貯えられてい.

(8) 8. 村山治太・弓 菜齢. 写真一1凍土の融解  写真中央部黒っぽく見えるところ  は水が浸出しているため土が濡れ  ている。. 写真一2増水一1. 写真一3増水一2.

(9) 9. 北部チベット高原における河川流量の変動と気温との関係(1990年夏). 夢. DAY. 一. 羨. NIGHT. 一. Gras 1. Gras. 0。C. 0。C.  罫 。・●.     ,,つで1==Fr。zen.  ’  ”!, ’  〆 ’1’. Stream. ノク多/. Ice.   縛’づ’二=・   Ground  ロロ   ノ  ノ        . ,うつ・’. C’つ’”1’. ’劣つで’ ’  ,   ’     ,”. ’  !  ’  ,’. Fr6zen. Ground. Stream  under Ice. 昼:気温がプラスの状態が続いていると,浸   出量はあまり変動しないため,河川流量   も安定している。. 夜:気温がマイナスになると浸出面で凍結   し,氷のダムが出来る。流水の表面も凍  結し,河川流量は減少する。. マイナスだった気温が上昇してプラスになると氷が融けて河川水となり,ダムはなくな る。内部に貯留されていた凍土の融水も加わるため,河川の流量が急に増加する。.             二一6 流量変動の機構 た凍土の融水も加わり,河川水の流量はより多くなる。同様の現象があちこちで起こり,. 合流を繰り返して流量が増加し,流量が増加すると流速も増すため,遅い流れに追いつ いて更に流量を増やし,突然の増水になる。. 5.結. 言.  海抜高度4600mを越える北部チベット高原で河川水の流量が一日の間に規則正し く,しかも急に増減する現象を観察したζ気温と河川水温を観測し流量増減の機構は 1)気温低下に伴う地表面での浸出水の凍結および凍土融水の貯留 2)気温上昇によ る氷のダムの崩壊と貯留水の流下 3)合流による流量増加,が組合わさって起こるも のと考えた。. 6.おわりに 平均標高1000mのタクラマカン砂漠南縁のオアシスで,気温の観測をする機会が あった。本報告には直接関係ないが,観測結果を表一6と7に,表一6の一部から作製し た気温変化を図一7に示す。8月3日にルオチャンで,最低気温21.0℃,最高気温41.20C. でわずか10時間の間に20.2℃も変化した。日本の内陸盆地旭川でも同年8月に日較差 が最も大きかったのは4日で最低気温18.5℃,最高気温33.3℃で10時間で14.8℃変化 した。風が強くなって砂漠の砂が吹き上げられると日射が遮られるため,雲がなくても.

(10) 10. 村山治太。巧 菜齢. 幽(960m).  ロ じ        り  セ    じ        ロ  セ    ド  . ↑   ↓  ↑   ↓  ↑ 40.  40 翁. 盗.  35. 35. 茎. 茎. 30.  30 詰. 墓25. 25. 20. 20 Be茸in Summ凱  12.  Time. 24. 12. DATE(1990)     801          802. 24. 12. 803.   0一一一一一〇 Atmosplleric Temperature. 図一7気温め変化 若完(RUOQUIANG 960 m). 気温はそれほど高くならなかった。表一7でチェモーの気温が余り高くなかったのは,強 風によって巻き上げられた空中の砂塵も影響していると思われる。. 7.謝. 辞.  本調査は中国科学探検協会の事業として行われた。数々の困難な状況をくぐり抜けて 科学探検を成功に導いた中国科学探検協会の皆様,あらゆる’協力を惜しまなかった中国. と日本の関係者の方々に深い敬意を表します。75日間の海外調査を許可して下さった横. 浜国立大学教育学部教授会の皆様に感謝します。富士山の気温データは気象庁富士山測 候所・旭川のデータは気象庁統計室のご好意によりました。.

(11) 11. 北部チベット高原における河川流量の変動と気温との関係(1990年夏) 表3 気温と水温の変化一3    キャンプ地一3(C−34700m). 表1 気温と水温の変化一1    キャンプ地一1(C−14780m). Date (1990). Time*. 8.27. 08 00. 0. 一5.9. 一〇.1. 09 00. 0. −4.5.  0.0. 10 00. 0. −3.6.  0.0. 11 00. 1. −1.7.  1.7. 12 00. 4. 8.28. C.A. A.T. W.T.. −0.9.  4.0.  4。2.  9.2. Time*. 9.03. 01 45. 4. 一〇.8.  0.2. 03 35. 0. −2.9.  0.1. 07 30. 0. −5.1. −0.1. 08 45. 0. −5.2.  0.0. 10 20. 0. −1.2.  0.1. 12 00. 2.  3.9.  6.0.  8.2. 16.0. 10.7. 20.8. C.A. A.T. W.T.. 14 00. 6.. 18 00. 7.  8.2. 11.4. 14 15. 1. 19 00. 8.  6.9.  8.9. 15 45. 0. 20 00. 7.  5.0.  3.0. 17 45. 0. 11.5. 19.0. 21 00. 6.  3.8.  2.1. 19 10. 0.  9.8. 16.4. 22 00. 3.  2.1.  0.2. 20 00. 0.  8.8. 12.1. 23 00. 0.  0.1.  0.0. 21 25. 0.  6.1.  7.2. 24 00. 0. −1.0. −0.1. 05 10. 0. −6.0.  0.0. 04 00. 0. −4.1. −0.1. 08 15. 0. −6.0.  0.0. 07 00. 0. −8.0.  0.0. 10 45. 0.  1..1.  0.9. 08 00. 0. −8.6. −0.1. 12 00. 0.  7.1.  3.2. 09 00. 0. −7。2.  0.0. 10 00. 0. −6.0. −0.1. Time*. Beijing Summer Time. C.A.. Cloud Amount(/10). A.T.. Atmospheric Temperature(℃) Water Temperature(℃). W.T.. Date (1990). 9.04. Time*. Beijing Summer Time. C.A.. Cloud Amount(/10). A.T.. Atmospheric Temperature(℃) Water Temperature(℃). W.T..

(12) 村山治太・巧 菜齢. 12. 表2.気温と水温の変化一2     キャンプ地一2(C−24660m). Date (1990). Time*. Date. C。A.. A.T.. W.T. (1990). Time*. C.A.. A.T.. W.T..  0.8. 8.31. 02 00. 4.  3.2.  0.2. 8.28. 24. 0.  1.0. 8.29. 06. 0. −5.8. −0.1. 06 00. 10.  2.1.  0.8. 07. 0. −6.0.  0.0. 09 00. 10.  2.0.  1.1. 08. 0. −7.8. −0.1. 10 30. 10.  4.0.  2.2. 09. 0. −3.0.  0.0. 12 00. 10.  4.1.  4.1. 11. 0.  2.1.  0.1. 15 00. 10.  6.9.  8.3. 12. 0.  3.8.  3.0. 18 00. 4..  7.2. 11.2. 13. 0.  7.0. 12.4. 21 00. 1.  4.2.  7.3. 15. 0.  8.9. 19.2. 22 45. 0.  1.2.  3.2. 16. 0. 01 30. .0. −1.0.  0.2. 17. 0. 14.2. 18.5. 03 00. 0. −0.9. −0.1. 18. 1. 14.2. 17.8. 04 30. 0. −1.1.  0.0. 19. 1. 12.3. 15.0. 08 00. 0. −4.0. −0.1. 20. 1. 11.2. 12.0. 09 00. 0. −2.1.  0.0. 21. 2.  8.1.  8.0. 10 00. 0.  0.9.  0.0. 22. 1.  5.1.  5.0. 11 45. 0.  6.3.  9.9. 8.30. 12.0. 18.9.. 9.01. 23. 0.  3.8.  2.2. 13 00. 0.  6.0. 12.9. 05. 0. −1.8.  0.0. 14 00. 1.  6.2. 16.9. 07. 0. −1.9. −0.1. 15 00. 2.  8.7. 20.2. 08. 0. −3.2. −0.1.. 18 00. 5. 12.1. 19.7. 09. 0. −0.1.  0.0. 10. 0. Time*. Beijing Summer Time.  2.0.  0.1. C.A.. Cloud Amount(/10). 11. 0.  6.2.  0.9. A.T.. 13. 0.  8.5. 10.0. Atmospheric Temperature(℃) Water Temperature(℃). 14. 0. 11.3. 17.5. 15. 5. 12.5. 18.2. 16. 7. 14.1. 20.0. 17. 9. 17.0. 16.5. 18. 10. 15.0. 13.0. 19. 10. 12.8. 11.0. 20. 10. 12.0.  8.8. 22. 2.  7.4.  5.9. W.T..

(13) 北部チベット高原における河川流量の変動と気温との関係(1990年夏) 表4 気温と水温の変化一4    二子泉(YAZIQUAN 3660 m). Date. Date. Time* S. T.. 8.20. 15 10. 5.0. 22 10. 5.1. 08 15. 5.0. 3.0. 17 30. 5.0. 3.0. 20 50. 5.0. (1990). Time*. 8.19. 22 00. 9. 12。1. 4.3. 24 00. 1. 10.1. 3.9. 03 00. 1.  6.9. 3.2. 06 00. 2.  3.2. 08 00. 1.  0.1. 09 00. 0.  3.2. 3.1. 10 00. 0.  8.2. 3.9. 0. Time*. 11 00. Beijing Summer Time. 10.9. 4.9. C.A.. Cloud Amount(/10). 12 00. 0. 12.8. 5.6. A.T.. 13 00. 1. 13.9. 6.1. W.T.. 14 00. 0. 14.9. 6.9. Atmospheric Temperature(℃) Water Temperature(℃) Sprig Water Temperature(℃). 15 00. 0. 15.2. 7.0. 16 00. 0. 16.3. 7.0. 17 00. 0. 16.7. 6.3. 18 00. 0. 17.2. 6.0. 19 00. 0. 17.2. 5.9. 20 00. 0. 16.9. 5.0. 14.0. 4.1. 8.20. 8.21. 8.22. C.A. A.T. W.T.. 21 00. 0. 22 00. 0. 11.1. 3.5. 23 00. 0.  9.1. 3.5. 24 00. 0.  8.0. 3.4. 01 00. 0.  4.1. 3.2. 02 30. 0.  2.9. 3.0. 05 00. 0.  0.1. 3.0. 07 00. 0.  0.0. 3.0. 08 00. 0. −0.8. 2.9. 09 00. 1.  1.0. 3.0. 10 00. 1.  5.9. 3.3. 11 00. 1.  8.9. 4.4. 12 00. 4. 10.3. 5.6. 13 00. 6. 12.0. 6.1. 14 00. 3. 14.6. 6.8. 15 00. 7. 15.2. 7.0. 16 00. 10. 16.8. 7.0. 17 00. 9. 16.8. 6.2. 18 00. 10. 15.9. 5.0. 19 00. 10. 15.0. 4.9. 20 00. 10. 13.8. 4.2. 21 00. 10. 13.0. 4.0. 01 00. 1.  6.1. 3.4. 8.21. S.T.. 13.

(14) 村山治太・弓 菜齢. 14. 表5.気温と水温の変化一5   長子(KAJI 2850 m). Date.    Time*  C. A. (1990). A.T. W.T.. 8.09    08:00. 7. 11.2.    10:00    11:00    12:0Q    13:00    14:00    15:00    16:00    17:00    18:00    19:00    20:00    21:00    22:00    23:00    24:00. 4. 13.0. N.D.. 0. 15.8.  9.0. N.D.. Q. 18.8. 11.0. O. 22.1. 14.0. 6. 23.9. 16.1. 3. 23.9. 19.1. 9. 26.8. 20.9. 7. 25.8. 21.9. 5. 25.0. 22.1. 8. 24.2. 22.0. 8. 23.9. 20.4. 3. 22.4. 18.8. 2. 20.5. 17.1. 1. 17.1. 15.6. 1. 15.2. 14.2. Time*:Beijing Summer Time C.A. :Cloud Amount(/10). A.T.:Atmospheric Temperature(℃) W.T.:Water Temperature(℃) N.D. :Not Determined. 繍Time*Cん. A.T. W。T.. 8.10  01:00. 0. 13.2. 13.0.    02:00    03:00    Q4:00    05:00    06:00    07:00    08:00    09:00    10:00    11:00    12:00    13:00    14:00    15:00    16:00    17:00    18:00    19:00    20:00    21:00    22:00    24:00. 3. 10.8. 12.0. 0. 9.2. 11.0. Q. 7.9. 10.1. O. 6.8. 9.5. O. 7.9. 9.0. O. 8.0. 8.2. O. 10.0. 7.3. O. 11.3. 7.1. O. 12.9. 7.5. 5. 15.3. 8.8. 5. 19.6. 11.7. 10. 21.4. 13.5. 10. 21.8. 14.5. 10. 23.9. 17.0. 10. 21。8. 17.9. 10. 23.0. 17.9. 10. 22.6. 17.0. 10. 21.2. 16.1. 10. 21.0. 15.3. 10. 19.9. 14.0. 10. 18.8. 13.1. 10. 17.0. 11.3.

(15) 北部チベット高原における河川流量の変動と気温との関係(1990年夏) 表6 気温の変化一1    若完(RUOQIANG 960 m). Date. Time*. C.A.. 表7 気温の変化一2    且末(QIEMO 1030 m) A.T.. (1990). 7.31. 8.01. 8.02. 8.03. 8.04. 8.05. Date. Time*. C.A.. A.T.. (1990). 07 00.  0. 25.0. 08 30. 10.  21.0. 09 00.  0. 24.4. 13 25. 10.  25.1. 12 00.  0. 29.5. 16 40. 10.  27.2. 03 00.  0. 27.1. 19 00. 8.  26.5. 09 00.  0. 22.5. 24 00. 0.  24.0   19.5. 7.23. 12 00.  0. 30.5. 06 40. 0. 16 00.  0. 38.0. 11 00. 10.   24.0. 18 00.  0. 40.1. 15 00. 10.  31.0. 20 00.  0. 40.2. 19 00. 10. 23.1(Rain). 21 30.  0. 34.9. 22 00. 10.   21.9. 22 30.  0. 33.1. 08 00. 0.   17.0. 07 00.  0. 22.0. 12 00. 0.   25.0. 08 00.  0. 20.2. 15 00. 0.   29.8. 14 00.  0. 32.5. 18 00. 0.   32.0. 16 00.  0. 39.5. 20 00. 0.   31.1. 17 30. ’0. 40.’5. 22 一士0. 6.  27.1. 22 00.  0. 36.5. 24 00. 7.   26.0. 09 00.  0. 21.0. 05 30. 0.   2L2. 15 00.  0. 38.1. 07』00. 0.   19.8. 19 20.  0. 41.2. 12 00. 0.   25.6. 21 30.  0. 36.9. 15 00. 0.   29.1. 06 15.  0. 27.0. 19 00. 0.   32.2. 08 00.  0. 27.0. 24 00層. 2.   24.9. 14 45.  0. 33.2. 07 00. 7.   22.0. 18 00. 10*. 36.0. Time*. 21 00. 10*. 37.0. Beijing Summer Time. C.A.. Cloud Amount(/10). 24 00. 10*. 32.0. A.T.. Atmospheric Temperature(℃). 08 00.  9. 26.2. Time*. Beijing Summer Time. C.A.. Cloud Amount(/10). A.T.. Atmospheric Temperature(℃) Sand Dust.  10*. 15. 7.24. 7.25. 7.26. 7.27.

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