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画像処理情報を用いた移動ロボットによる物体搬送に関する研究

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Academic year: 2021

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画像処理情報を用いた移動ロボットによる物体搬送に関する研究

2015SC033伊藤誠也 指導教員:中島明

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はじめに

物流業界での課題として, 少子化等による深刻な人手不 足や重量物搬送による労働災害のリスクが高いことなど が挙げられる. こうした課題を解決するために自動搬送ロ ボットが研究開発されている.本研究では,視覚情報として Webカメラ,車体としてTETRIX,コンピューターとして myRIOを用いて, 物体に接近し目的地までその物体を搬 送することを目的としている.

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使用した実機

図1 車体(TETRIXとmyRIOとWebカメラ)

本研究では,図1に示した自動走行車両を用いて実験

を行う.これは文献[1]の米国のPitsco Education 社製 のTETRIX に文献[2]のNational Instruments 社製の myRIOとLogicool社製のwebカメラを搭載したもので

ある. TETRIXとは,アルミ製フレームやギアなどの多数

のパーツ,モーターなどを組み立てロボットを制作するも のである.myRIOとは3つのI/O コネクタやWi-Fi機

能,デュアルコアARMリアルタイムプロフェッサ,カス タマイズ可能なXilinx FPGAを備えた組込開発デバイス である.

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カメラの数式モデル

図2 カメラモデル 図2 にカメラ,観測物, 仮想的な画像平面の関係を示す. ΣC はカメラ座標を示し, 焦点距離f [m]である. ˜u, ˜v[m] は仮想的な画像平面上での観測物体の半径であり, また x, y[m]はカメラ座標系の観測物体の半径, zbは物体までの 距離である. 図2より,これらの関係式は [ ˜ u ˜ v ] = f zb [ x y ] (1) と な る. 仮 想 的 な 画 面 上 の 半 径 u, v[pixel] は, 定 数 α[m/pixel]を用いて, [ u v ] =f /α zb [ x y ] (2) と表すことができる.

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画像処理

4.1 色の検出 本研究では,物体の色と形を検出し,物体の認識と区別を 行う. 色の検出方法として, HSV値の範囲を指定し,Web カメラから取得した画像内でHSV値を満たす領域と満た さない領域を二値化する方法をとっている. HSVとは,色

を「色相(Hue)」,「彩度(Saturation)」,「明度(Value, Brightness)」の三要素で表現する方式である. RGB(赤, 緑,青による色の三原色を組み合わせて色を表現する方式) ではなく, HSVを採用している理由は,実験時に,光によっ て物体に陰影ができるため,色の陰影を指定しやすい方式 をとる必要があるからである. 4.2 パラメータ同定 式(2)の係数f /αを最小二乗推定法を用いて導出する. 測定方法として, Webカメラの前方にものさしを設置し, 0.05[m]から0.01[m]間隔の位置に物体を置き, 0.55[m]ま で物体の半径を測定した. 測定した画面平面上の物体の半 径は誤差があり高速で変化するので, 5[s]のデータから, 5 つの値を無作為に抽出し, その5つの値の平均をその距離 の物体の半径とした. 物体は半径0.025[m]のゴルフボー ルを用いた. 4.2.1 最小二乗推定法 式(2)より u = f /α zb x (3) と表すことができる.今回推定するパラメータはf /αで あり, 実験より得られるデータは仮想的な画面平面上の半 径u[pixel], ボールまでの距離zb[m], 物体の半径はx[m] である.パラメータ同定用のモデル式(4)に示す. 1

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x zb ·f α= u (4) x/zbA, f /αψ, uZとすると,上式はAψ = Z と表すことができ, Aψ− Zが誤差である. 誤差には正負が あるため二乗をとると,評価関数V (ψ)V (ψ) = 1 2(Aψ− Z) T(Aψ− Z) (5) と表すことができる. V (ψ)はパラメータψに依存する. V (ψ)が最小となるパ ラメータψを求めると ψ = (ATA)−1ATZ (6) となり,これを解くことにより最小のV (ψ)が得られる. (ATA)−1AT Aの疑似逆行列である.この時, 誤差の二 乗和が最小なので,最適 なパラメータf /αが得られる. 4.3 推定結果 以下に,係数f /αの推定結果を図に示す. 0 10 20 30 40 50 60 data numbers 389 390 391 392 393 394 395 396 psi = f/ 図3 f /αの収束 図3より, f /αは約396[pixel]に収束していると言える. 4.4 物体へのアプローチ Webカメラは固定されているので,画像平面上の観測物 体の中心座標(xc, ycとおく)の値のうち,高さのyc座標は 考慮せずに, xc座標のみ考慮し,物体と一定距離に近づく まで, 物体が常に画像平面上の中心(uc とおく)になるよ うにモータに値を入力する. 図4 画面上の物体 図4より, 画像平面の左端をu0, 右端をueとし, ucに 近い左側の値をu1,右側の値をu2とする.また,物体まで の距離をzb, zbの比例ゲインKm,物体中心xcと画像平面 の中心ucからの偏差の比例ゲインKnとすると,左モータ に与える入力L,右モータに与える入力Rとの関係式は以 下のように表される. ( i )u0 ≤ xcucの時, R = Kmzb+ 1 Kn · |u c− xc| (7) L = Kmzb (8) ( ii )uc ≤ xc ≤ ueの時, R = Kmzb (9) L = Kmzb+ 1 Kn · |u c− xc| (10)

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実験

車体のWebカメラの上部にマーカーを載せ, そのマー カーを原点とし, x軸方向に0.95[m], y軸方向に1[m]の 地点に目標物体を置いた. 車体と目標物体までの距離 0.11[m]まで近づいた時, 車体停止させ物体を掴むように 走らせた. 以下に車体が動いた時の軌跡を示す. 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 x[m] 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 y[m] orbit 図5 車体の軌道 図5より, 目標値までの差がx軸方向に0.07[m], y 軸 方向に0.10[m]あり, 三平方の定理からWebカメラと目 標物体との距離が約0.122[m]となった. また, 設定した値 と実験結果の目標物体までの距離の誤差は約0.012[m]と なった.

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今後の課題

本研究では目標物体に指定した距離まで近づき,物体を 把持することまで行うことができた. 今後は, 把持した物 体を目標地点まで運ぶ車体の作成を行いたい.

参考文献

[1]『PITSCO TETRIX MAX』.Pitsco Education 社, 米国.

[2]『LabVIEW で 動 か す myRIO × TETRIX ガ イ ド

ver.2』.株式会社アフレル,福井,2018.

参照

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