付録1 原子炉等利用に関する共同研究報告書
20
0
0
全文
(2) 付 録1. 原 子炉 物理 ・ 原 子 炉 応 用 に 関す る研 究 研 究総 括責任 者 大 阪 大学 大 学院 工 学研 究科 教授 堀池 寛 原 子 炉 物 理 ・原 子 炉 応 用 に 関 す る分 野 で は、平 成23年. 度 は下 記 の研 究 提 案 が採 択 さ. れ 、実 施 され た。. (1)近 畿 大 学 原 子 炉 の 炉 特 性 の測 定 と利 用 (2)高 感 度 中 性 子 ラジオ グラフィの 実 用 化 に関 する研 究(XIV) (3)イ ンターネ ットによる原 子 炉 遠 隔 実 験 実 習 システムの整 備 と実 践 (4)制 御 棒 効 果 と中性 子 束 分 布 の精 密 測 定 (5)未 臨 界 体 系 で の中 性 子 束 分 布 時 間 変 動 測 定 実 験 (6)原 子 炉 中性 子 の精 密 計 測 システムの開 発 (7)UTR-KINKI炉. 内 γ線 の線 質 の評 価. (8)傾 斜 線 式 位 置 読 み 取 り法 による中 性 子 位 置 検 出器 の 開 発 (9)宇 宙 線 によるカル シウム化 合 物 の熱 蛍 光 特 性 の研 究 (10)ICの 放 射 性 廃 棄 物 管 理 へ の適 用 に 向 けた光 子 、中 性 子 に対 す る耐 性 評 価 に 関 す る 研究 (11)中 性 子 線 量 測 定 器 の応 答 特 性 試 験 (12)医 療 用 加 速 器 か らの漏 洩 中性 子 検 出 を想 定 した 中 性 子 イメージ ング法 の 開 発 及 び 関 連 放 射 線 検 出器 の校 正 (13)近 畿 大 学 原 子 炉 の出 力 過 渡 特 性 の測 定 と評 価 (14)高 い安 全 性 を有 す る原 子 力 エネル ギー のための人 材 育 成 この分 野 で は 、検 出 器 の改 良 ・開 発 に関 す る研 究 、原 子 炉 の特 性 評 価 に関 す る研 究 、 ラジオグラフィや 中 性 子 イメー ジング法 に関 す る研 究 、遠 隔 実 験 お よび 実 習 に関 す る技 術 開 発 および廃 棄 物 管 理 へ のICの. 適 用 に関 する研 究 が実 施 され ている。. 中 性 子 検 出器 の 改 良 ・開 発 に 関 す る研 究 は、今 後 の伸 展 が期 待 される中性 子 科 学 の発 展 の 上 に非 常 に重 要 な分 野 であり、研 究 課 題 数 も最 多 である。ここに報 告 されているように、 検 出 器 の 改 良 ・開 発 に 関 す る研 究 は多 岐 にわたってお り、今 後 さらに実 用 性 を考 慮 した検 討 も進 められ てい くことが期 待 され る。 原 子 炉 の特 性 評 価 では 、近 畿 大 学 炉 の特 性 を利 用 しな がら各 大 学 の特 徴 を生 かした実 験 と実 習 が行 われ 、原 子 力 の初 学 者 を含 めて実 習 兼 実 験 が行 われ て、研 究 開 発 の中 の教 育 用 原 子 炉 としての役 割 が活 か され ている。 以 上 、この分 野 では検 出 器 、炉 特 性 の評 価 、中 性 子 利 用 を中 心 に様 々な使 い方 で 実 験 が 行 わ れ 、照 射 場 の特 性 を把 握 す ることが重 要 となる他 分 野 の研 究 にも密 接 に関連 して お り、今 後 の 更 なる発 展 を期 待 す るものであります 。. 一96一.
(3) Vol49(2012). 近畿大 学原 子力研究所年報. (1)近 畿 大 学原 子 炉 の 炉 特性 の測 定 と利 用 代表 者:瓜 谷 章(名 古屋大学 大学院工学研 究科) [要 約]. 制御 棒校 正 、空間線 量率およびスペ クトル測 定、放射 化量測 定、中性子 ラジオグラフィ実験 を4年 生12名 とともに6月27日,6月28日. に行った。調整 棒およびシム安全棒 につ いては炉周期 法を、また. シム安全 棒お よび安全棒(#1、#2)に. ついては落 下法 を使 用し制御 棒価値 校正 を行 った。各 制御. 棒 の価値 はここ数年安定 していて、調整棒 以外の3本 の安全棒 の価値 はほぼ等 しかった。 炉 出力1W時. における炉室 内の γ線線 量 率を電離 箱型 サーベイメータで、中性 子線量 率を中性. 子 レムカウンターで測定した。中性 子保管 庫周辺等 多少 高い線量 率を示す 場所もあったが、安 全上 問題 となる線 量は認 められ なかった。また、炉運 転 時 と炉停止 時のバックグランドγ線 スペ クトルを HPGe検 出器 で測 定し、運転時 には炉 の構 造材の主成分 であるFeの即発 γ線 ピークが観察 されたが、 炉停止時 には特別なピークは認 められなかった。 1W運 転 時における中性 子ラジオグラフィ撮影 を中性子用イメージングプレー トを用い行 い、同じサ ンプル をX線 でも撮影 し、中性 子およびX線 ラジオグラフィの感度 の差 に関する検討 を行った。. (2)高 感 度 中性子 ラジオグラフィの実用化 に関する研究(XIV) 代表者. 谷 口 良一(大 阪府 立大学放 射線研 究センター). [要 約]. 高 感 度 中 性 子 画 像 装 置 に用 い られ る冷 却 型CCD撮. 像 素 子 の 白 点 ノイズ の 照 射 応 答 の 解 析 を行. った 。この ノイズ に は 、画 像 の 同 じ場 所 に現 れ る固 定 パ ター ンノイズ(FPN)と 、ラン ダ ム に 現 れ るランダ ム ノイズ が あ った 。どち らも外 見 は 同 じで ある。FPNは. 、検 出 部 で あ る光 ダ イオ ー ド部 分 の 放 射 線 損 傷. で あ ることが 、ほ ぼ 確 実 で あるが 、ランダ ムノイズ の 起 源 は 不 明 で あ っ た 。本 研 究 の 結 果 、FPNは 子 約1×105n/cm2の. 中性. 照 射 で1個 発 生 す ることを確 認 した 。ランダ ムノイズ は 、中 性 子 お よび ガ ン マ 線 の. どち らの 放 射 線 照 射 で も増 大 し、そ の 量 は 線 量 率 に 比 例 す ることが 明 らか とな っ て お り、放 射 線 誘 起 ノイズ で あ る。白 点 ノイズ の 形 状 を詳 細 に 解 析 した 結 果 、ランダ ム ノイズ で は 、白 点 が 隣 接 して 発 生 し た 例 が 見 られ た の に 対 して 、FPNで. は す べ て1画 素 ノイズ で あっ た 。た だ し、そ の 形 状 は 、横 並 び と斜. め 並 び に 限 られ て い る。この 現 象 を 、放 射 線 粒 子 の 飛 跡 で 説 明 す ることは 困 難 で あ る。ランダ ム ノイズ の 生 成 に 関 して 、伝 送 ライン等 の 寄 与 が 疑 わ れ て い る。. 97.
(4) 付 録1. (3)イ. ンター ネ ットによる原 子 炉 遠 隔 実 験 実 習 システムの整 備 と実 践 代表 者:山 本 淳治(摂 南大学理 工学部). [要 約]. 近畿 大学炉 を使 って実施 され ている原 子炉 の実 験および 実習をインターネットを介 して遠 隔 で実 施するために必要 なしくみと機器を検討す ること,またこれを使 用 した遠 隔実習 の教材 について検討 することを毎年継 続 して行 っている.今 年 度 は炉 内熱 中性子 束分布 の測 定を実験課題 として取 り上 げた. 近畿大学炉で は金 箔を用いた箔 放射化法 が熱 中性子束分布 の測定 によく利用されている.照 射 試料 片としての金 箔の長所 とカドミウム比から炉内の特 定位 置の熱 中性子フルエンスを精度 よく測 る ことができる.一 方,試 料 の照射 と照射後 の一連 の放射能測 定には相 当の時 間を要する.大 学生の 原 子炉 実習 は通常一 日か二 日間で行 われ,必 修である運転 実習 以外 の実験課題 に費やせ る時間 は限られている.このため,炉 内の中性 子束分布を知ることは原 子炉 の制御 を学ぶ上で重要である が,箔 放射化 法 による測 定は原子炉実習 の実験課題 のひ とっとして取り上 げにくい.そ こで,実 験と して理 解しやす くて短時 間で測 定できる方法を検討 した.そ して,遠 隔 実験としての可能性 について も調べた.. (4)制 御 棒効 果 と中性子束 分布 の精密 測定 代表者:北 村 晃(神 戸大学大学 院海 事科学研 究科) [要 約]. まず 、制御棒 効 果 の一側 面として臨界 時制御 棒位 置 の再現性 を調べ た。本 年度も研 究実験のほ か 、文系学生13名. を含 む低学年学 生19名. が参加 した見学・実習プログラムを実施 した。その運転. 時 に得 た臨界時制 御棒位 置 のデータを加 えた上 、過 去のものと比較 して再現 性を検討 した。2011年 度のデータは、04年 度を除く過年度 の平均値 に近い値 を示した。 次 に、金 箔放射 化反 応 率分布の精密測 定を行った。過年 度の一時期顕 著であった特 定の位 置 に お ける"くぼみ"やNW-MSに. おける異 常 に大きな放 射化反応率と特異 な分布形状も見られず 、統計. 誤差 の範 囲内で上下対称 性 が実現され ていることと約6%の 南北非対称性 が再確 認された。. 98.
(5) Vol.49(2012). 近畿大学原子力研究所年報. (5)未 臨界 体系での 中性 子束分布 時 間変動測 定実験 代表者:北 田 孝 典(大 阪大学大学 院工学研 究科) [要 約]. 臨海 体 系にお ける反応度 添加 量をリアル タイムで評価 する方法 をもとに、未 臨海 体 系での手 法を 開発 し、開発した手法の妥 当性検証を実施 した。本年 度では空間高次モー ド成分 に対す る検討 のた め、検 出器 の位 置依存性 について検 討し、反応度を正確 に評価 可能な検 出器位 置 について検討 し た。 反 応度変化 が大きい場合 には、反 応度 添加 により励起 される高次モー ドのゼロ点近傍 では反 応度 変化 を過小 評価す るものの、ゼロ点近傍であっても、0.3%△k/k程 度までの反応変化 であれ ば精度 良く反 応度 変化を追従できていることも確認 できた。つ まり正確 な反応度 変化 を得るためには、検 出 器 位置 を考えられ る高次モードのゼロ点近傍 を外して設置しておく必要があることが分かった。 本 実験データの解 析では、2つの検 出器 位 置で別 々に反応 度変化を評価しているが、複数 の検 出 器 位 置の結果から一つ の反応 度変化 を評 価す る手法 、つまり多 点炉での式 群を用いた評価も可能 であると考えられるため、今後 さらに検討を行 う予定である。. (6)原. 子 炉 中性 子 の 精 密 計 測 システ ム の 開 発 代表者:池 田 伸夫(九州大学大学院工学研究院). [要約] 九 州 大 学 及 び 徳 島 大 学 の 学 部3年. 生 を 主 対 象 とす る原 子 炉 実 習 の 一 環 として 、放 射 化 法 に よる. 原 子 炉 内 中 性 子 束 分 布 の 計 測 実 験 を行 った 。試 薬 炭 酸 ナ トリウム(Na2CO3)を に よっ て 生 成 した24Naの. 崩 壊 に伴 って 放 出 され るガ ン マ 線 をGe半. 用 い 、23Naの 放 射 化. 導 体 検 出 器 を用 い 測 定 した 。サ. ム ピ ー ク法 に よるガ ン マ 線 計 測 の 絶 対 効 率 の 導 出 に 着 目 しデ ー タ解 析 を 行 い 、コバ ル ト60線 源 で 簡 便 に 導 出 した24Nal.369MeVγ. 線 の 検 出 効 率 と比 較 した 。サ ム ピ ー ク法 に よ り得 られ た フル ピ ー ク効. 率 の 精 度 は 約5%で あ った 。この 精 度 内 で 、サ ム ピ ー ク法 及 び コバ ル ト60線 源 に より得 られ た 効 率 が 一 致 す ることを示 した 。さらに 詳 細 な 知 見 を得 る に は 、長 時 間 測 定 を行 い サ ム ピ ー ク法 に よる効 率 導 出 精 度 を 向 上 す る必 要 が あ り、今 後 の 課 題 とした い 。. 99.
(6) 付 録1. (7)UTR-KINKI炉 代表者:遠. 内 γ線 の線 質 の 評 価 藤 暁(広 島大学大学院 工学研 究院). [要約]. これ まで 、人 工 ニ ュ ー ラル ネ ットワー クを 用 い た 炉 内 中 性 子 スペ クトル の 評 価1)、 中 性 子 エ ネ ル ギ ー スペ クトル 及 び 電 離 箱 測 定 を用 い た 中 性 子 ・γ線 混 合 照 射 場 の 特 性 評 価2 例 計 数 管(TEPC)を. 用 い た 中 性 子 場 線 質 評 価4)を 行 い 、UTR-KINKI内. ,3)、組 織 等 価 ガ ス 比. の 中 性 子 及 び γ線 線 量 の. 評 価 や 照 射 場 特 性 を 明 らか に して きた 。しか しな が ら、炉 内 γ 線 の スペ クトル の 評 価 は 、測 定 や 評 価 の 難 しさか ら行 って こな か った 。本 研 究 で は 、UTR-KINKIの. 生 物 照 射 場 の 特 性 として残 され た 、炉 内. の γ 線 スペ クトル を推 定 し線 質 の 評 価 を行 うことを 目的 とす る。 本 年 度 に お い て は 、UTR-KINKI炉 で 、Ge検. 内 γ線 スペ クトル の 評 価 を行 う事 を 目的 として 、照 射 ポ ー ト上 端. 出 器 、シ ンチ レー シ ョン検 出 器 を用 い て γ線 の 測 定 試 験 を 行 った 。そ の 結 果 、現 手 法 を改. 良 す る事 で 炉 内 γ線 ス ペ クトル の 評 価 を行 え る可 能 性 を示 唆 した 。今 後 、改 良 を加 え 炉 内 γ線 ス ペ クトル の 評 価 を 目指 す 。. (8)傾 斜 線 式位 置 読 み 取 り法 による中性 子 位 置 検 出器 の開発 代表者:前. 多 信 博(福 井工業高等専 門学校 電気電 子工学科). [要約]. 平 成15年. 度の 「 近 畿 大 学 原 子 炉 等 利 用 共 同 研 究 」以 来 、陽 極 芯 線 に 沿 っ て2本. を 張 っ た 比 例 計 数 管(TSW-PSPC)の. の位 置 読 取 線. 、中 性 子 位 置 検 出 器 として の 特 性 を調 べ てきた 。(前 多,伊 藤,堀. 口,「傾 斜 線 式 位 置 読 取 法 に よ る 中 性 子 位 置 検 出 の 可 能 性 」RADIO-ISOTOPES. ,Vol.53,611-. 615(2004))(「 傾 斜 線 式 読 取 法 に よる 中 性 子 位 置 検 出 器 の 位 置 分 解 能 」ibid .vol.54,359-363(2005)) (「傾 斜 線 式 位 置 読 取 法 に よる熱 中 性 子 の 空 間 分 布 測 定 」ibid.voL56,431-435(2007))。 TSW-PSPCは. 極 め て 安 定 に 作 動 す るが 、位 置 読 取 線 に 誘 起 す る電 荷 計 算 が 難 しい 。また これ ま. で の 試 作 例 で は 、検 出 器 の 端 の 方 で ピー ク間 隔 が 狭 くな り直 線 性 が 悪 化 した 。平 成23年 した 矩 形 型TSW-PSPCで. 度 に試 作. は 、検 出 器 の 端 の 方 で ピ ー ク間 隔 が 広 くな り、簡 単 な誘 起 電 荷 見 積 もり計. 算 の 傾 向 と一 致 した 。この 両 者 の 一 致 に よ り、① 簡 単 な 見 積 もり計 算 に よる位 置 検 出 器 として の 特 性 推 定 の 可 能 性 、② 比 例 計 数 管 の 陰 極 構 造 変 更 に よるピ ー ク位 置 直 線 性 改 善 の 可 能 性 、が 明 らか に な っ た 。今 後 も 中 性 子 ラジ オ グ ラフ ィー 装 置 内 で の 測 定 に より、検 出 器 の 改 善 を進 め た い 。. 100.
(7) Vo1.49(2012). (9)宇. 近 畿大学原子力研究所年報. 宙線 によるカル シウム化 合 物 の熱 蛍 光 特性 の研 究. 代表者:福. 田 和悟(大阪産業大 学人間環境 学部). [要 約]. 原 子 炉 内 放 射 線 と6°Coの γ線 照 射 に対 す る熱 蛍 光 特 性 をCaF2:Tb,Gd単 結 晶 お よびCa5(PO4)3F:Tb,Gd焼 放 射 線 に 対 して180∼200℃ 対 して は200℃. 結 体 を用 い て測 定 した 。CaF2:Pr,Mn単 と307℃. 付 近 と319℃ にTLピ. 付 近 にTLピ. ー クが 観 測 されTLグ. ロー 曲 線 が ほ ぼ 一 致 す ることが 分 か った 。 ロー 曲 線 が 異 な ることを 改 め て 確 認. 結 晶 に お い て 、原 子 炉 内 放 射 線 に 対 して11g℃. TLピ ー クが観 測 され 、119℃ 付 近 のTLピ. クが あ ることが 予 想 され る。CaF2:Eu,Ce単. して 利 用 で きること. ー クが 観 測 され な か っ た 。今 回 、新 た に. 結 体 に つ い て 測 定 した結 果 、350∼360℃. れ 、感 度 も 良 い が 、照 射 時 間 に よってTLピ. 、216℃ 、273QC、333℃ 付 近 に. ー ク強 度 と照 射 時 間 の 関 係 か らTLDと. が 分 か っ た 。しか し、6°Coの γ線 に 対 して は 、主 た るTLピ Ca5(PO4)3F:Tb,Gd焼. 結 晶 にお い ては原 子 炉 内. ー クが 観 測 され ること、また 、60Coの γ線 照 射 に. な お 、単 結 晶 内 に お け る活 性 体 イオ ン濃 度 等 の 違 い に よりTLグ した 。CaF2:Tb,Gd単. 結 晶 、CaF2:Pr,Mn単. にか け て 単 一 のTLピ. ー クが 観 測 さ. ー クが 高 温 側 に シ フ トす るた め 、400℃ 付 近 にもTLピ 結 晶 に つ い て も調 べ た が 、TLDと. 炉 内 放 射 線 、60Coの. γ 線 に 対 して320℃. 付 近 にTLピ. Ca5(PO4)3F:Tb,Gd焼. 結 体 は 、原 子 炉 内 放 射 線 、6°Coの γ線 に 対 してTL反. ー. して は 感 度 が 悪 く、原 子. ー クらしきも の が 観 測 され るの み で あ っ た 。 応 示 した。今 後 、活 性. 体 の 仕 込 み 濃 度 、焼 結 温 度 お よび 時 間 を 変 え て 、原 子 炉 内 放 射 線 、6°Coの γ線 に 対 す るTL特. 性. を調 べ る必 要 が あ る。. (10)ICの. 放 射 性 廃 棄 物 管 理 へ の 適 用 に 向 けた 光 子,中. 性 子 に対 す る耐 性. 評 価 に 関 す る研 究 代表者:小佐古 敏荘(東京大学大学院工学系研究科) [要約] 原子力発 電所の解 体 ・撤去 により発生する放射性物質 は、大 量かつ 多種多様である。ICタ グを用 いることで、その放射性物 質 のデ ータベ ースを作業現場で参照 でき、信頼性 の高 い管理 を行うことが できると考えられる。本共 同研 究では、幅広い現場でのICタ. グの利 用 を考慮 して、光子 ・中性 子場. において詳細デ ータを取得 したいと考えた。そこで、光子 に対する検討 結果 を踏まえ、ICタグの中性 子及 び光子 ・中性子 混合放射線 に対する耐性 評価 を行 った。 東 京 大学 大 学 院 工学 系 研 究 科 原 子 力 国際 専攻 の放 射 線 照 射 装 置 により、EEPROM型 FRAM型. の2つ. のICタ. グに対する放射線特性試 験を行 い、EEPROM型. 及び. について γ線照射 に対. するしきい値 を得ている。同様 に中性子 照射 に対するしきい値 を求 めるため、EEPROM型. のICタ グ. を用いて近 畿大学原 子炉 の炉 内及 び炉 上 にて繰 り返し照射 実験 を行 った。今年 度の照射実験 では、 様 々な検討を行 った。その結果 、ICタ グの読み取 り性能 に変化が見 られた。ICタ グの読み 取り可能 距離 の変化 の原 因を考 察すると、放 射線 による性能 劣化及 び損 傷 によって読 み取り距離 が縮 まり、 放射化 によって読み 取り距離 が伸 びたことが考えられる。また、ある一定 量の光子 ・中性子 を照射す ると読 み取り性能 に変化 が見られなくなることが分かった。 -101一.
(8) 付 録1. (11)中. 性 子 線 量 測 定器 の応 答 特 性 試 験 代表者:西. 村 清彦(自 然科 学研 究機 構核融合科学研 究所). [要約]. LHDに. おける重水 素実 験 に向 けて、中性子線量 の測定器 を開発 中である。昨年 度までは、各検. 出器 の応 答特性 、検 出器 の 中性 子一ガンマ線の弁別性能 を評価 してきた。今 年 度 は、減 速材 ・吸収 材 の間 に複数 の中性 子検 出器を配置 する線 量計 を制作して、これ ら異なる3つ の応 答特性を測定し た。線 量をこれら異なる3つ の測定値 の線 形結合とすることにより、熱 中性 子か ら14MeVま. で平坦で. エネルギー依存性 が小 さい結果 が得 られた。レムカウンタとの比較でも、期待 される線量 に近い結果 となっていることが分かった。また、優れ た空間分解 能を有するも、高フルエンス率 の場所 において中 性子 一ガンマ線の弁別が困難であった原子核 乾板 において、AgBr結 晶の粒 子径 を制御す ることによ り入射 放射線 の線エネル ギー 一付 与率(LET)に よる感 度依存性 の制御 を試 み た。その結果 、AgBr結 晶の小 さい新型 乾板 において、従 来の乾板 ではガンマ線 によるとみ られる飛 跡 に埋 め尽 くされるよう な環境 においても、ガンマ線 への感度 の低下と、熱 中性 子起因 とみられる反 跳陽 子飛跡 を確認する ことができた。. (12)医. 療 用 加 速 器 か らの 漏 洩 中性 子 検 出 を想 定 した 中 性 子 イメー ジ ング 法 の 開発 及 び 関連 放 射 線 検 出器 の校 正 代表者:阪 間 稔(徳 島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部). [要約] 当該 年 度 で の 本 研 究 目的 は 、 中性 子 放 射 化 イ メー ジ ン グ法 の 基 盤 と な る箔 放 射 化 法 の 定量 性 を 正 確 に 評 価 す る た め に 、 近 畿 大 学 原 子 炉 心 内 の 熱 中 性 子 束 密 度 を 多 数 枚 の 金 箔 に よ る箔 放 射 化 法 で評 価 し、 さ ら に炉 心 内 の 中性 子 束 イ メー ジ ン グ化 を 図 る。 ま た 、 箔 放 射 化 法 に よ る 中性 子 束 分 布 の 特 性 結 果 か ら、 放 射 化 した金 箔 を 特 定 の容 積 な い し、 幾 何 学 的 な 配 置 を持 っ 校 正 線 源 と し て 活 用 し、 徳 島 大 学 医 学 部 保 健 学 科 に 設 置 さ れ て い るGe一. γ検 出 器 の 精 度 の. 良 い 厳 正 な 校 正 及 び 検 出 効 率 決 定 を 行 う こ と が 目的 で あ る。 そ の 結 果 、 近 畿 大 学 原 子 炉 照 射 孔 内 の 一 定 高 さ(今. 回 、 炉 心 か ら28cm)方. 向 の 熱 中性. 子 束 密 度 分 布 は 、 極 め て 安 定 し た 熱 中 性 子 場 で あ る こ と が 確 認 で き 、 そ の 範 囲 は 、7.10×106 -7 .33×106(cm-2s-1)の. 範 囲 で あ る こ と が 確 認 で き た 。 得 られ た 金 箔 試 料 を も と に 、 徳 島. 大 学 医 学 部 保 健 学 科Ge一 窓 型J字. タ イ プ)の. γ検 出 器(キ. ャ ンベ ラ 社 製GC-1018,ρ. 校 正 を 行 っ た と こ ろ 、Au-198か. 一type相. 対 効 率10%、. ら のEγ ニ411.08keVに. 対 して 、 自 己 吸. 収 補 正 な ら び に 幾 何 学 的 な 配 置 補 正 を 加 味 し た 正 確 な 検 出 効 率 は 、(5.21±0.02)%で 決 定 で き た。. 102. 同軸 端. あ ると.
(9) Vol49(2012). (13)近. 近畿大学原子力研究所年報. 畿 大 学 原 子 炉 の出力 過 渡 特 性 の 測 定 と評 価 代表者;尾 崎 禎彦(福 井工業大学 工学部). [要 約]. 原 子 炉 各 出 力 で の 臨 界 状 態 確 認 実 験 、制 御 棒 反 応 度 校 正 実 験 、遅 発 中 性 子 先 行 核 確 認 実 験 、お よび 、原 子 炉 運 転 中 の 原 子 炉 室 内 空 間 線 量 率 測 定 実 験 を原 子 力 専 攻 学 生2年 17名 ととも に9.月14日. 、9月15日. 炉 出 力0.01W、0.1W、1W各. 生. に 実 施 した 。. 出 力 で 臨 界 状 態 を 達 成 す るた め の 各 制 御 棒(安 全 棒#1、#2、. シ ム 安 全 棒 、調 整 棒)位 置 は 出 力 に依 存 しな い ことを 確 認 した。 調 整 棒(RR)を. 対 象 に 正 ペ リオ ド法 に よる制 御 棒 反 応 度 校 正 実 験 を実 施 した 。調 整 棒 引 き. 抜 きに よる出 力 倍 加 時 間 か ら、RR(0→50%)とRR(0→100%)各 0.0722%△k/k、0.136%△k/kと. 々 の 反 応 度 を 求 め た 。各 々 、. 得 られ 、近 大 炉 で の 公 称 値 と比 較 して もほ ぼ 妥 当 な 結 果 を. 得 ることが で きた 。 原 子 炉 ス クラム 後 あ る程 度 十 分 な 時 間 が 経 過 した 出 力 変 化 か ら半 減 期 を 求 め ることで 、多 群 先 行 核 の 中 で 特 に 半 減 期 が55.6秒 炉 出 力1W時. と最 も長 い87Brの. 存 在 を 実 感 で きた。. にお ける原 子 炉 室 内 で の γ線 線 量 率 を 電 離 箱 型 サ ー ベ イメー タで 、中 性 子. 線 量 率 を 中 性 子 レム カ ウンター で 測 定 した 。炉 心 直 上 部 、中 性 子 保 管 庫 付 近 で 高 い 線 量 率 を示 す 場 所 もあ っ た が 、安 全 上 特 に 問 題 とな る点 は 見 られ な か っ た。. (14)高. い 安 全 性 を有す る原 子 力 エネル ギー のため の人材 育 成. 代 表者:金 邉 忠(福. 井大学大学院 工学研 究科). [要約]. 昨今,原 子 炉の構成 ・ 構造や 炉物理 の知 識 をベ ースとした高い安全性 を有する原 子力 発電 への 転 換のアプ ローチの期 待が高まっている。そのような基本 となる炉物理 の理解 を促進 ・高度化 させる ために,工 学 部の学部4年 生レベル を対象 とす る(1)保安教育や,(2)未 臨海 ・臨界 状態 の運転 実習, (3)中性子 ・ 放 射線 の計測 の実験実習を行った。若 き学生 時代での,原 子炉 でのリアルな体 験を通し て,高 いレベ ルの原子炉 や原 子力発電 の知識 取得 ・人材教 育や,原 子力 の次世 代を担 う人材 の発 掘・ 養成 を 目的 にした。このような人材育成 ・ 教 育のために,コンパクトで起動性 が良く,信頼性 が高く, また,比 較的近 傍で利便性が良い,近 畿大学の原子 炉を利用 した。. 使 用機 器:. 原子炉. 6時 間. 多重波高分析器. 6時 間. ポータブル多重波高分析器. 6時 間. Ge検 出器. 6時 間 103.
(10) 付録1 実 施 日時:2011年10月24日(月)9時 物 理 工 学科 電気 ・ 電子工学科. ∼17時 学 部4年. 生5名. 学 部4年. 生5名. ※参加 学生 は,原 子 力 ・ エネルギー安 全工学専攻 へ進 学予定である。 引率教員1名. 参加者合 計11名. 104.
(11) 近畿大学原子力研究所年報. Vo149(2012). 原 子 炉 化 学 ・放 射 化 学 に 関 す る 研 究 研究総括責任者 大阪大学大学 院工学研 究科 教授 原 子 炉 化 学 ・放 射 化 学 に関す る研 究 で は、平 成23年. 山 中 伸介. 度 は下記 の3件 の研 究 が採 択 、実施. され た。 (1)食. 品 中のナ トリウムと塩 素 の放 射 化 分 析. (2)気. 体 状 放 射 性 同位 元 素 の測 定 に関 す る研 究(4). (3)古. 代 エジプト遺 物 中微 量 元 素 の 中性 子 放 射 化 法 による分 析. (1)健 (Na)摂. 康 に 及 ぼ す 食 事 の 影 響 に つ い て は 、量 と質 の 両 面 か ら重 要 視 され 、過 剰 の ナ トリウム 取 は 、血 圧 を 上 昇 させ る 要 因 の 一 つ として 健 康 管 理 上 注 意 が は らわ れ て い る。そ こで 、. 極 抵 出 力 原 子 炉 を 用 い て食 品 中 のNaと 量 とClか. 塩 素(Cl)の. 同 時 測 定 を 行 い 、Naか. ら換 算 した 食 塩. ら換 算 した 食 塩 量 を 求 め 、各 種 食 品 中 の 値 に つ い て 比 較 検 討 して い る。本 年 度 は 、. 子 供 が 中 心 に 食 して い るお 菓 子 の 食 品(12種. 類)中 の 食 塩 量 に つ い て 検 討 し、以 下 の 結 果 を. 得 た。 12品. 中2食. 品 にNaとClが. 検 出 され た が 他 の10食. 品 に つ い て はNaの. み の 検 出 で あ り、2. 食 品 を 除 い て そ の 量 も わ ず か で あ っ た 。また 、前 回 ま で の 報 告 と同 様 にNa量 塩 量 の 方 がC1量. か ら算 定 した 食. か ら算 定 した 食 塩 量 よりも高 い 値 を 得 る傾 向 を認 め た 。しか し、今 回 資 料 とし. た 食 品 の ほ とん ど は 食 塩 の 使 用 は され て お らず 、Naを 含 む 添 加 物 に よ るNaが. わ ず か な量 含 ま. れ て い る ことが 認 め られ た 。これ らの 食 品 に お け る 一 日 に 摂 取 す る食 塩 量 は 微 量 で あ り、Na摂 取 量 も微 量 の 食 品 が ほ とん ど で あ った 。. (2)本 研 究 では 、トリチ ウムの化 学 形 弁 別 連 続 モ ニタリングの際 に誤 差 の 要 因 となったラドンを 利 用 して、原 子 炉 建 屋 内 の施 設 管 理 に有 用 な情 報 が得 られることを期 待 してラドンの濃 度 の 計 測 を行 った。 今 回 は炉 室 に隣 接 す るラドン濃 度 、温 度 および相 対 湿 度 の測 定 を行 った。室 内 のラドンは、 壁 か らの散 逸 に起 源 を持 っている。そして 、崩 壊 と換 気 による逸 失 によって濃 度 の減 少 がもた らされ る。測 定 室 は 常 に強 制 的 に換 気 している状 態 なので 、気 圧 な どの微 小 な変 動 による換 気 状 態 の 変 化 は 受 けにくいと考 えられ る。い ず れ の期 間 におい ても、気 温 と壁 表 面 の温 度 に 大 きな変 化 は なかった。測 定 期 間 中 にお い て、ラドン濃 度 のレベ ル と相 対 湿 度 の レベ ル に変 化 はなか った。しか しながら、ラドン濃 度 は 日変 動 を示 し、相 対 湿 度 も日変 動 を示 している。日 単 位 の変 動 に着 目してみ ると、ラドン濃 度 の増 減 と相 対 湿 度 の増 減 が逆 に見 える 日もある。壁 か らのラドンの 散 逸 が相 対 湿 度 の変 化 によって変 動 しているとも考 えられ る。. (3)今 年 度 ま で の 古 代 エ ジ プ ト遺 物 で あ る フ ァイ ア ン ス の 主 原 料 とな る シ リカ(石 英:Sio2)を 多 く含 ん だ 石 も し くは 砂 を 、上 流 か ら 下 流 に か け て の ナ イル 川 流 域 、ピ ラミッドの 存 在 す るサ ハ ラ 砂 漠 の オ ア シ ス 周 辺 等 々 、様 々 な 地 域 で の 砂 を 採 取 し 、分 析 を行 っ て き た 。特 に 近 代 炉. 105.
(12) 付 録1. の よ うな 低 中 性 子 フ ラ ッ ク ス(<108n/cm2/sec)で 24Na(1368. .60keV)、28A1(1778.99keV)の. の 主 に 検 出 さ れ た56Mn(846.81keV)、. γ 線 ピ ー クの ピ ー クエ リア ネ ットカ ウ ン ト率 を 冷 却 ・測 定. 時 間 か ら補 正 し、照 射 終 了 直 後 の 放 射 能 相 当 量 として 、単 位 重 量 当 た りに 換 算 した カ ウン ト率 (cps/9)を 用 い て 、砂 中 の 検 出 され た 構 成 元 素(Mn,Na,Al)量. の 評 価 値 か ら特 徴 的 な 点 を 見 出. す ことが で きた 。次 年 度 より、これ らを 基 本 デ ー タ として 、実 際 の フ ァイ ア ン ス で の 放 射 化 分 析 に よる 定 性 ・定 量 的 な 分 析 か ら 地 域 的 、さら に は 時 代 的 な 特 徴 の 存 在 を 確 認 して い く予 定 で あ る。. 以 上 のように、原 子 炉 化 学 ・放 射 化 学 に関す る研 究 は3件. あるが、研 究(1)は 放 射 化 分 析. 法 の食 品 科 学 へ の応 用 と正 確 なデ ータの蓄 積 という観 点 から、研 究(2)は ラドンによる環 境 影 響 を正 確 に評 価 す るため に動 態 を把 握 しようとす る点 、研 究(3)は. 中性 子 放 射 化 法 による非. 破 壊 分 析 の考 古 学 分 野 へ の応 用 という点 から、す べて重 要 な研 究 である。これ らの今 後 のさら なる発 展 を期 待 す る。. 106.
(13) 近 畿大学 原子力研究所年報. Vol.49(2012). (1)食. 品 中 の ナ トリウムと塩 素 の 放 射 化 分 析 代 表 者:山. 本. 忠 志(兵. 庫 教 育 大 学 大 学 院 学 校 教 育 研 究 科). [要 約]. 健 康 に 及 ぼ す 食 事 の 影 響 に つ い て は 量 と質 の 両 面 か ら 重 要 視 さ れ 、過 剰 の ナ トリウ ム (Na)摂. 取 は 血 圧 を 上 昇 させ る 因 子 の 一 っ とし て 健 康 管 理 上 注 意 が 払 わ れ て い る。そ こで 、. 我 々 は 極 抵 出 力 原 子 炉 を 用 い て 食 品 中 のNaと した 食 塩 量 とClか. 塩 素(Cl)の. 同 時 測 定 を 行 い 、Naか ら換 算. ら換 算 した 食 塩 量 を 求 め 、各 種 食 品 中 の 値 に つ い て 比 較 検 討 して い る。. 今 回 は 子 供 が 中 心 に 食 して い る お 菓 子 の 食 品(12種. 類)中. の 食 塩 量 に つ い て 検 討 し 、以. 下 の 結 果 を得 た。 1)12食. 品 中2食. 品 にNaとClが. 検 出 され た が 、他 の10食. 品 に つ い て はNaの. み の検 出 で. あ り、2食 品 を 除 い て そ の 量 も わ ず か で あ っ た 。 2)前 回 ま で の 報 告 と同 様 に 、Na量. か ら算 定 した 食 塩 量 の 方 がC1量. か ら算 定 した 食 塩 量 よ. りも 高 い 値 を 得 る 傾 向 を 認 め た 。し か し、今 回 資 料 とし た 食 品 の ほ とん ど は 食 塩 の 使 用 は さ れ て お らず 、Naを 含 む 添 加 物 に よるNaが. わ ず か な 量 含 ま れ て い るこ とが 認 め られ た 。. 3)こ れ らの 食 品 に お け る 一 日 に 摂 取 す る食 塩 量 は 微 量 で あ り、Na摂. 取 量 も微 量 の 食 品 が. ほ とん ど で あ っ た 。. (2)気. 体 状 放 射 性 同 位 元 素 の 測 定 に 関 す る研 究(4) 代 表 者:太 田. 雅 壽(新 潟 大 学 工 学 部). [要 約]. 本 研 究 で は、トリチ ウムの化 学 形 弁 別 連 続 モニタリングの際 に誤 差 の要 因 となったラ ドンを利 用 して、原 子 炉 建 屋 内 の施 設 管 理 に有 用 な情 報 が得 られ ることを期 待 してラド ン濃 度 の計 測 を行 った 。 今 回 は炉 室 に隣 接 す るラドン濃 度 、温 度 お よび相 対 湿 度 の測 定 を行 った。室 内 のラド ンは、壁 からの散 逸 に起 源 を持 ってい る。そ して、崩 壊 と換 気 による逸 失 によって濃 度 の減 少 がもた らされ る。測 定 室 は 常 に強 制 的 に換 気 している状 態 な ので、気 圧 などの微 小 な変 動 による換 気 状 態 の変 化 は受 け にくい と考 えられ る。いず れ の 期 間 にお いても、 気 温 と壁 表 面 の温 度 に大 きな変 化 はなかった。測 定 期 間 中 にお い て、ラドン濃 度 のレベ ル と相 対 湿 度 のレベ ル に変 化 はなか った。しかしな がら、ラドン濃 度 は 日変 動 を示 し、 相 対 湿 度 も 日変 動 を示 している。日単 位 の変 動 に着 目してみ ると、ラドン濃 度 の増 減 と 相 対 湿 度 の増 減 とが逆 に見 える日もある。壁 からのラドンの散 逸 が相 対 湿 度 の変 化 によ って変 動 しているとも考 えられ る。. 107.
(14) 付 録1. (3)古. 代 エ ジプ ト遺 物 中 微 量 元 素 の 中 性 子 放 射 化 法 に よる分 析 代 表 者:吉 田 茂 生(東 海 大 学 工 学 部). [要 約]. 今 年 度 ま で の 古 代 エ ジ プ ト遺 物 で あ る フ ァイ ア ン ス の 主 原 料 とな る シ リカ(石 英:Sio2)を. 多. く含 ん だ 石 も し くは 砂 を 、上 流 か ら下 流 に か け て の ナ イル 川 流 域 、ピ ラミッドの 存 在 す る サ ハ ラ砂 漠 の オ ア シ ス 周 辺 等 々 、様 々 な 地 域 で の 砂 を 採 取 し 、分 析 を 行 っ て き た 。特 に 近 大 炉 の よ う な 低 中 性 子 フ ラ ッ ク ス(〈108n/cm2/sec)で の 主 に 検 出 さ れ た56Mn(846.81keV), 24Na(1368 .60keV),28Al(1778.99keV)の γ 線 ピ ー ク の ピ ー クエ リア ネ ッ トカ ウ ン ト率 を 冷 却 ・測 定 時 間 か ら補 正 し 、照 射 終 了 直 後 の 放 射 能 相 当 量 として 、単 位 重 量 当 た りに 換 算 し た カ ウ ン ト率(cps/9)を. 用 い て 、砂 中 の 検 出 さ れ た 構 成 元 素(Mn,Na,Al)量. の 評 価 値 か ら特. 徴 的 な 点 を 見 出 す こ と が で き た 。 次 年 度 よ り、 こ れ ら を 基 本 デ ー タ と し て 、 実 際 の フ ァ イ ア ン ス で の 放 射 化 分 析 に よ る 定 性 ・定 量 的 な 分 析 か ら 地 域 的 、 さ ら に は 時 代 的 な 特 徴 の 存 在 を 確 認 して い く予 定 で あ る 。. 108一.
(15) Vol.49(2012). 近畿大学原子 力研究所年報. 生物 の放 射 線 影 響 に 関す る研 究 研究総括責任者 広島大学大学院理学研究科 准教授 谷口 研至 平成23年. 度 の生物 の放射線 に関す る研 究 は、7件 の課題 で実施 され た。 生物 系の課題 は. 次 の とお りで あ る。. 3-1谷. 口研 至ほか3名. 速 中性 子による植物 細胞の突然変異研 究XV.キ. クタニギクの. 突然変異誘導 3-2吉. 田茂 生ほか3名. 低線量放射線 照射 による細胞 損傷 ・ 修復機構 と刺激 効果 に関す る基礎研究. 3-3高. 井 明徳 ほか2名. 中性子線 による魚 類細胞 にお ける小核誘発 に関する研 究. 3-4根. 岸 友恵ほか2名. ショウジョウバエ体細胞 の放射線誘発傷 害における酸化 傷害 に 関する研 究. 3-5河. 井一 明ほか4名. 放射線 被1曝による生体過酸化物 質生成 とその防 除. 3-6野. 村大成 ほか4名. 核分裂放射能 によるマウス、ヒトの臓器 ・組織障害の発 生機構. 3-7松. 本義 久ほか2名. 中性子線 によるDNA損. 傷 とその修復の分 子機構. これ らの 生 物 系 の 研 究 課 題 は 、(1)放 射 線 の 生 物 作 用 の 解 明 、お よび(2)放 射 線 の 生 物 モ ニ ター 系 の 開 発 に 大 別 され るが 、以 下 に 平 成23年. (1)放. 度 の 研 究 成 果 の 概 要 を示 す 。. 射 線 の 生 物 作用 の解 明. 谷 口 ら(研 究 計 画3-1)は. 、キ ク属 植 物 は 同 質 四 倍 数 体 の 分 配 機 構 を解 明 す るた め に 、突 然 変 異. 系 統 を 作 成 し、人 為 的 に 倍 数 体 を作 成 し、そ れ ぞ れ の 突 然 変 異 の 分 離 を調 べ ようとして い る。今 回 、 実 生 苗 にX線. を 照 射 し、放 射 線 量 と発 生 ステ ー ジ の 違 い に つ い て 突 然 変 異 誘 導 の 最 適 条 件 の 検 討. を行 った 。突 然 変 異 の 指 標 として 「 斑 入 り」と「 非 対 称 性 本 葉 」の 発 生 頻 度 を調 べ 、播 種 後18∼21時 間 後 に 、25.8GyのX線. 照 射 線 照 射 が 最 適 で あ ると決 定 した。. 吉 田 ら(研 究 計 画3-2)は. 、低 線 量 照 射 に よる有 益 な 効 果 も しくは 刺 激 的 な 効 果 をもた らす とした. 「 放 射 線 ホル ミシ ス 効 果 」の 存 在 に つ い て の 検 証 を行 って きて い る。今 回 は 、これ まで に 生 長 促 進 効 果 の 見 られ たDT中. 性 子 照 射 実 験(線 量:10mGy-10Gy、. 線 量 率:0.1・Gy/h-0.1mGy/h)で. の照 射 条. 件 で 、熱 中 性 子 とγ線 混 合 場 で あ る原 子 炉 内 で の 照 射 実 験 を行 い 、成 長 促 進 効 果 を検 討 した が 、原 子 炉 照 射 で の 放 射 線 で は 発 現 しな い ことが 明 らか とな った 。そ こで 、高 エ ネ ル ギ ー 中 性 子 の 線 質 特 有 の 効 果 の 可 能 性 を 指 摘 してい る。 根 岸 ら(研 究 計 画3-4)は. 、X線 の 生 物 影 響 に つ い て 、体 細 胞 突 然 変 異 誘 導 に 対 す る尿 酸 の 欠 損. とミス マ ッチ 修 復 の 影 響 に つ い て 、昨 年 の 結 果 を 確 認 す るとともに 、DNA二. 本 鎖 切 断 の 指 標 とな るヒ. ストン リン酸 化 の 検 出 を試 み た 。尿 酸 欠 損 株 で は 、X線 照 射 に 対 して 野 生 株 より高 い 致 死 感 受 性 を示 した が 、致 死 作 用 が 見 られ な い 線 量 で も欠 損 株 の 方 が 有 意 に 高 い 変 異 を示 した 。ミスマ ッチ 修 復 欠 損 株 で はX線. 誘 発 変 異 が 野 生 株 より低 い ことを 示 した 。X線 に よるDNA傷. 109. 害 は 、尿 酸 で 抑 制 され る.
(16) 付 録1. 酸 化 傷 害 で あ り、ミスマ ッチ 修 復 の 存 在 に よっ て 促 進 され る傷 害 で あ ると考 え た 。 河 井 ら(研 究 計 画3-5)は. 、発 が ん と関 わ りが 深 い とされ て い る酸 化 的DNA損. 関 係 、特 に傷 害 が 現 れ る閾 値 の 検 討 を行 っ た 。マ ウス にX線 8一ヒドロキ シデ オ キシ グア ノシ ン(8-OH-dG)の し、低 線 量 の 照 射 で 、肝 臓DNAと DNA損. 組 織DNAと. 尿 中 の8℃H-dGの. 照 射 を行 いDNA損. 傷 の 指 標 で ある. 尿 中 レベ ル をHPLC-ECD法. により測 定. わ ず か な 増 加 を認 め た 。そ こで 、酸 化 的. 傷 に 対 す る閾 値 の 存 在 が 示 唆 され ると考 えた 。. 松 本 ら(研 究 計 画3-7)は. 、中 性 子 線 のDNA損. 傷 の 特 徴 とそ のDNA修. とを 目 的 に 、原 子 炉 放 射 線 照 射 に よ っ て 生 じたDNA損 XRCC4遺. 傷 と照 射 線 量 との. 伝 子 欠 損 マ ウス にXRCC4遺. XRCC4とM10-CMV)を. 傷 の 修 復 に つ い て 調 べ て い る。本 年 は. 伝 子 とコン トロー ル ベ クター を導 入 した マ ウス細 胞(M10-. 用 い て 、放 射 線(原 子 炉 放 射 線 と60Coγ. 然 変 異 を検 出 した 。M10-XRCC4細. 復 機 構 を 明 らか に す るこ. 線)照 射 に よるHPRT遺. 伝 子 の突. 胞 で は 照 射 後 に 突 然 変 異 頻 度 が 上 昇 した が 、M10-CMV細. 胞. で は 上 昇 が なか った 。また 、原 子 炉 放 射 線 照 射 の 方 が γ線 照 射 より高 頻 度 で あ った 。以 上 の 結 果 より、 突 然 変 異 の 上 昇 はXRCC4遺. 伝 子 が 関 与 す るNHEJに. よるDNA二. 重 鎖 切 断 修 復 の 誤 りに よって 生. じることが 示 唆 され た 。. (2)放. 射 線 の 生 物 モ ニ ター 系 の 開 発. 高 井 ら(研 究 計 画3-3)は. 、メダ カ の 腎 臓 細 胞 の 小 核 出 現 に対 す る特 性 を 明 らか にす るた め に 、X. 線 の 全 身 照 射 を行 っ た個 体 に つ い て 、線 量 及 び 時 間 依 存 特 性 を 分 析 した 。X線 と誘 発 され た 小 核 頻 度 の 関 係 は 線 量 に 関 わ らず24時. 照 射 後 の経 過 時 間. 間 に ピー クをも つ 二 相 性 を示 し、小 核 の 頻 度. と線 量 の 関 係 は 直 線 的 で あ ることを確 か め た 。 野 村 ら(研 究 計 画3-6)は. 、宇 宙 で の 通 常 飛 行 、軌 道 上 、宇 宙 基 地 で 浴 び る放 射 線 の 人 体 に 及. ぼ す 影 響 を 調 べ るた め に 、宇 宙 放 射 線 の 主 た る成 分 で あ る 中 性 子 に つ い て 、被 爆 雄 マ ウス と正 常 雌 マ ウスの 交 配 に よる次 世 代 へ の 影 響 を調 査 した 。近 畿 大 学 原 子 炉 放 射 線(0.1Gy中 ガ ン マ 線)を 精 原 細 胞 期 に 照 射 した 雄 マ ウス と正 常 雌 マ ウスのF1マ 後6週. か ら12ヶ. 性 子 線+0.1Gy. ウス に 、フェノバ ル ビター ル を 生. 月 まで 経 口 投 与 し、ヘ バ トー マ の 増 加 が 認 め られ た 。これ まで の 結 果 と併 せ 、発 が. ん や 突 然 変 異 等 を高 感 度 に 検 出 で きる ように な っ た ことか ら、宇 宙 放 射 線 の 影 響 を解 析 す ることが 可 能 とな っ た 。. 110.
(17) Vol49(2012). (1)速. 近畿大学原 ア力研究所年報. 中性 子 に よ る植 物 細 胞 の 突 然 変 異 研 究XV. キ ク タ ニ ギ ク の突 然 変 異誘 導 代 表 者:谷. 口. 研 至. 広 島 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科). 〔要 約 〕. キ ク属 は 二 倍 体 か ら十 倍 体 ま で の 同質 倍 数 体 に よ る種 分 化 を して き た 世 界 中 で 最 も多 く利 用 され て い る栽 培 ギ ク を含 み 、育 種 上 も重 要 な グル ー プ で あ る。 しか し、 細 胞 遺 伝 学 的 に は多 くの 研 究 が な され て い る が 、 自家 不 和 合 性 を もつ こ と、 お よび 栽 培 ギ ク が 六 倍 体 で あ る こ とか ら、 遺 伝 学 的研 究 は ほ とん どな され て お らず 、 連 鎖 群 も作 成 され てい な い。 最 近 、我 々 は二 倍 体 キ クタ ニ ギ クの 自殖 系 統 を発 見 した こ とか ら、 キ ク タ ニ ギ ク を 用 い た モ デ ル 実 験 植 物 化 が 可能 とな っ て き た 。 現 在 、 幼 苗 の時 期 に識 別 で き る外 部 形 質 の収 集 にカ を入 れ て い る。 す で に交 配 に よ っ て い くつ か の変 異 株 を 分 離 して い るが 、 さ ら に効 率 的 に集 め るた め に は突 然 変 異 処 理 に よ る突 然 変異 株 の 分 離 が効 果 的 で あ る。 我 々 は培 養 細 胞(組. 織 培 養 苗 条 原 基)に. 突 然 変 異 処理 を行 い 、 キ. メ ラ細 胞集 塊 が 、均 質 な細 胞 集 塊 に な る過 程 の詳 細 な 追 跡 を 行 い 、効 率 的 に ク ロー ン 化 す る技 術 を確 立 して い る。 そ こで 、 この技 術 を応 用 して 、 キ ク タ ニ ギ クの 突 然 変 異 の 分 離 を始 め る こ と に した 。 前 回 、予 備 的 に行 った 突 然 変 異 条 件 の 検 討 を も とに 、今 回 は 変 異 形 質 の解 析 基 準 を作 成 し、 照射 線 量 と播 種 後 の最 も効 率 の よい 時 期 の決 定 を 試 み た。 解 析 基 準 は と して 、形 態 的 に 、第1葉 び 第1葉. と第2葉. と第2葉. が 対 称 型 的 な正 常 葉 、 斑 入 り、 お よ. の 大 き さの 異 な る非 対 称 葉 、全 く本 葉 を生 じな い 無 本 葉 を区別 した 。. 以 上 の 区 分 に 基 づ い て 放 射 線 量 と播 種 か ら照 射 ま で の 時 間 に つ い て頻 度 変 化 を調 べ た 。 以 上 の結 果 か ら、 キ ク タ ニ ギ ク の 突 然 変 異 誘 導 の た め の 条 件 と して 、播 種 後18∼21 時 間 後 に、25.8GyのX線. (2)低. 照 射 線 照 射 が最 適 で あ る と決 定 した 。. 線 量 放 射 線 照 射 に よ る 細 胞 損 傷 ・修 復 機 構 と 刺 激 効 果 に 関 す る基礎 研 究 代 表 者:吉. 田. 茂 生(東. 海 大 学 工 学 部). 〔要 約 〕 こ れ ま で の 実 験 に お い て 、DT中 量 ・線 量 率 の 照 射 領 域(線. 性 子 照射 に よ っ て の み 成 長 促 進 効 果 の 見 られ た線. 量:10mGy∼10Gy,線. 量 率:0.1μGy/h∼0.1mGy/h)で. 、中. 性 子 ・ γ 線 混 合 場 で あ る 原 子 炉 内 で の 照 射 に お い て も 、 こ れ ま で の 約1/10000程 あ る こ の 線 量 率 領 域 で の 照 射 実 験 を 行 っ た 場 合 に 、DT中. 度で. 性 子 照 射 と同様 な成 長 促 進. 効 果 を観 察 す る こ と が で き る か 否 か を 実 験 、 検 討 し て き た 。 し か し な が ら 、 原 子 炉 照 射 で の 放 射 線 線 質 で は 発 現 し な い こ と が 明 ら か と な っ た 。 そ れ ゆ え に14MeVの ネ ル ギ ー 中 性 子 と い っ た 線 質 特 有 な 効 果(し. き い 値 反 応 等 に 由 来 す る)に. 高エ. 起因す るも. の と 考 え 、 再 現 性 の 高 い 照 射 実 験 を 繰 り返 し 、 様 々 な 要 因 を 考 慮 し な が ら 、 放 射 線 に よ る 刺 激 促 進 効 果 に 対 す る 細 胞 ・DNAレ を 明 らか と し た 。. ベ ル で の メ カ ニ ズ ム 解 明 を行 っ て い く必 要 性 -111一.
(18) 付 録1. (3)中. 性 子 線 に よ る魚 類 細 胞 に お け る 小 核 誘 発 に 関 す る研 究 代表 者. 高井. 明 徳(大. 阪 信 愛 女 学 院 短 期 大 学). 〔要 約 〕. 本 研 究 は 、腎 臓 細 胞 の 小 核 出 現 に 対 す る 特 性 を 明 ら か に す る た め に 、原 子 炉 放 射 線 の 全 身 照 射 を 行 っ た 個 体 に つ い て 、線 量 及 び 時 間 依 存 特 性 を 分 析 し た 。X線 ら ず24hに. 照 射 後 の 経 過 時 間 と誘 発 され た 小 核 頻 度 の 関 係 は 線 量 に 関 わ ピ ー ク が あ る 二 相 性 で あ っ た 。線 量 と 誘 発 さ れ た 小 核 頻 度 の 関. 係 は直 線 的 で あ っ た 。. (4)シ. ョ ウ ジ ョ ウバ エ 体 細 胞 の 放 射 線 誘 発 傷 害 に お け る酸 化 傷 害 に 関 す る研 究 代表者:根 岸. 友恵(岡 山大学 大学院 医歯薬 学総合研究科). 〔 要約〕. X線 の生 物 影 響 の うち 、体 細 胞 突 突 然 変 異 誘 導 に 対 す る尿 酸 欠 損 な らび に ミス マ ッ チ 修 復 欠 損 の 影 響 に つ い て の 昨年 度 の結 果 の 確 認 と、DNA二 ス トン リン酸 化 の検 出 を試 み た。 尿 酸 欠 損 株 の方 が 、X線. 本 鎖 切 断 の 指 標 とな る ヒ 照射 に 対 して 野 生 株 よ り致. 死 感 受 性 が 高 い が 、 い ず れ の株 で も致 死 作 用 が 見 られ な い線 量 に お い て も 、尿 酸 欠 損 株 で は 野 生株 に比 べ て 有 意 に 高 い 変 異 が観 察 され た 。 ま た 、 ミス マ ッチ 修 復 欠 損 株 を 用 い た 変 異原 性 試 験 にお い て 、 昨年 度 とは違 う株 を用 い て 、X線. 誘発 変異 が野生株 よ. り低 くな る結 果 を得 た 。 これ らの こ とか らシ ョウ ジ ョ ウバ エ に お け るX線. のDNA傷. 害. は 、尿 酸 で 抑 制 され る よ うな酸 化 傷 害 で あ り、 ミス マ ッチ修 復 の 存 在 に よっ て促 進 さ れ る傷 害 で あ る こ と が示 され た。 ミス マ ッチ修 復 が 染 色 体組 換 え を促 進 して い る報 告 もあ り、組 換 え に はDNA二. 本 鎖 切 断 の 関 与 が 考 え られ るの で 、 そ の 指 標 で あ る ヒス ト. ン リン 酸化 の 検 出 を試 み 、シ ョウジ ョウバ エ 幼 虫 に対 す る方 法 が確 立 で き た と考 え る。. 112一.
(19) Vo1.49(2012). (5)放. 近畿大 学原子 力研究所 年報. 射 線 被 曝 に よ る生 体 過 酸 化 物 質 生成 とそ の 防 除 代 表 者:河. 井. 一 明(産. 業 医 科 大 学 産 業 生 態 科 学 研 究 所). 〔要 約 〕. 100mSv以. 上 の放 射 線 被 曝 に よ る が ん の 増 加 が 、疫 学 調 査 等 に よ り明 らか と され て. い る 。 し か し 、 そ れ 以 下 の 低 線 量 曝 露 に よ る発 が ん 率 へ の 影 響 は 明 確 で な い 。 本 研 究 で は 、 発 が ん と 関 わ り が 深 い と さ れ て い る 酸 化 的DNA損. 傷 と照 射 線 量 との 関係 、 特 に. 障 害 が 現 れ る 閾 値 に つ い て 検 討 し た 。 実 験 は 、 マ ウ ス にX線 化 的DNA損. 照 射 を 行 い 、代 表 的 な酸. 傷 で あ る8一 ヒ ド ロ キ シ デ オ キ シ グ ア ノ シ ン(8-OHdG)の. 中 レ ベ ル をHPLC-ECD法. に よ り測 定 し た 。 マ ウ ス にX線. な ら び に 尿 中 の8-OHdGレ. 組 織DNAお. よび 尿. を 全 身 照 射 し た 場 合 、 肝 臓DNA. ベ ル は 、低 線 量 の 照 射 で わ ず か な 増 加 を 認 め た 。生 体 は 様 々. な 防 御 機 構 に よ っ て 酸 化 的DNA損. 傷 を 防 い で い る 。8-OHdGを. 放 射 線 被 曝 に よる放 射 線. 影 響 マ ー カ ー と 考 え れ ば 、 発 が ん と 関 わ り が あ る と さ れ る 酸 化 的DNA損. 傷 に対 す る閾. 値 の 存 在 が 示 唆 さ れ る。. (6)核. 分 裂 放 射 能 に よ る マ ウス 、 ヒ トの 臓 器 ・組 織 障 害 の 発 生 機 構 代 表者:野. 村 大 成(大. 阪 大 学 大 学 院 医学 系研 究 科 、 医薬 基 盤 研 究所). 〔要 約 〕 本 研 究 は 主 と し て 、 近 畿 大 学 原 子 力 研 究 所 原 子 炉(UTR{INKI)を. 用 い 、人 体影 響. が 殆 ど知 られ て い な い 核 分 裂 放 射 能 で あ り 、 通 常 飛 行 、 軌 道 上 あ る い は 宇 宙 基 地 で 浴 び る 宇 宙 放 射 線 に よ る 飛 翔 体 内 の ヒ ト被 曝 の 主 た る 放 射 線 で も あ る 中 性 子 線 に 被 曝 し た 雄 マ ウ ス と正 常 雌 マ ウ ス と の 交 配 に よ る 次 世 代 へ の 影 響 を 継 続 し て 調 査 し た 。 23年. 度 は 、近 大 原 子 炉 放 射 線(0.1Gy中. 原 細 胞 期 に 照 射 し 、正 常 雌N5マ に 生 後6週. よ り0.05%フ. 性 子 線+0.1Gyガ. マ ウス の 精. ウ ス と 交 配 し 、仔 マ ウ ス へ の 影 響 を 調 べ た 。F1マ ウ ス. ェ ノ バ ル ビ タ ー ル を12ケ. トー マ の 高 騰 が 認 め ら れ た(雌 マ ウ ス で 約9倍 画 は 、少 数 のN5雄. ン マ 線)をN5雄. 月 ま で 経 口投 与 し た と こ ろ 、 ヘ バ. 、 雄 マ ウ ス で 約2倍;中. 間 結 果)。 本 計. マ ウ ス を 宇 宙 に あ げ 、帰 還 後 被 ば く 雄 マ ウ ス と 正 常 雌 マ ウ ス を 交 配. す る こ と に よ り 、 多 数 のF1マ. ウ ス を 得 る こ と が 出 来 、発 が ん 、 突 然 変 異 等 を 高 感 度 に. 検 出 す る こ と が 可 能 な こ と を 示 し て お り 、 何 時 で も 宇 宙 実 験 を 実 施 で き る よ う準 備 で き て い る。. 113一.
(20) 付 録1. (7)中. 性 子 線 に よ るDNA損 代 表 者:松. 本. 義 久(東. 傷 とそ の 修 復 の 分 子 機 構 京 工 業 大 学 原 子 炉 工 学研 究 所). [要 約]. 本 研 究 の 目 的 は 、 中 性 子 線 のDNA損. 傷 の 特 徴 と そ のDNA修. 復 機 構 を 明 らか に す る こ. と で あ る 。 こ れ ま で の 結 果 か ら 、 近 大 原 子 炉 照 射 場 で 生 じ たDNA損 XRCC4の. 調 節 にDNA-PKとATMの. で き たDNA損. 傷 はX線. 傷 の修 復 にお け る. 両 方 が 相 補 的 に 関 わ っ て い る こ と、 さ らに 、原 子 炉 で. で で き た も の に 比 べ てDNA-PK、ATM、XRCC4の. 連 携 に よ る修 復 が. 難 し い 、 あ る い は 修 復 し て も 間 違 い を 起 こ しや す い こ とが 示 唆 され た 。 本 年 は 、 突 然 変 異 検 出 系 を 用 い て 、 こ の 可 能 性 に つ い て 検 討 し た 。 方 法 と し て 、 内 在 性 のXRCC4を 欠 損 す る マ ウ ス 白 血 病 由 来M10細 を 導 入 し た 細 胞(M10-XRCC4お し てHPRT遺. 胞 に 、XRCC4遺. よ びM10-CMV)細. 伝 子 あ る い は コ ン ト ロー ル ベ ク タ ー. 胞 を 用 い 、6-thioguanine耐. 性 を指 標 と. 伝 子 に お け る 突 然 変 異 を 検 出 し た 。 ま た 、原 子 炉 照 射 と6°Coγ 線 照 射 の 比. 較 検 討 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、M10-XRCC4細 ら れ た が 、M10-CMV細. 胞 で は 照 射 後 に突 然 変 異 頻 度 の上 昇 が 認 め. 胞 で は 認 め ら れ な か っ た 。 ま た 、M10-XRCC4細. 胞 で は 、原 子 炉 照. 射 後 の 突 然 変 異 上 昇 は γ 線 照 射 後 よ り大 き か っ た 。 さ ら に 、 リ ン 酸 化 部 位 欠 損 細 胞 (M10-KX)で. は 、 γ 線 照 射 後 で は 、M10-XRCC4よ. り突 然 変 異 頻 度 が 低 い の に 対 し 、 原 子. 炉 照 射 後 で は 逆 に 突 然 変 異 頻 度 が 高 く な る と い う興 味 深 い 結 果 が 得 られ た 。. 114一.
(21)
関連したドキュメント
4) は上流境界においても対象領域の端点の
まず, Int.V の低い A-Line が形成される要因について検.
こうした背景を元に,本論文ではモータ駆動系のパラメータ同定に関する基礎的及び応用的研究を
「系統情報の公開」に関する留意事項
ASTM E2500-07 ISPE は、2005 年初頭、FDA から奨励され、設備や施設が意図された使用に適しているこ
「海洋の管理」を主たる目的として、海洋に関する人間の活動を律する原則へ転換したと
電子式の検知機を用い て、配管等から漏れるフ ロンを検知する方法。検 知機の精度によるが、他
英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき