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C. ザンディヒの他人資本調達論についての一考察

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(1),... ..... ,, i /._,:�-. t. .., (\'J '". ... ". .. 商経学叢 第44巻第l号 1997年7月. C. ザンディヒの他人資本調達論についての 一 考察 牧. 健. 浦. は. じ. さて, 通常の他人資本の導入では, ケ ー ス. め ・. バイ. に ・. ケ ー スでウエ ー トは移されるが, 一. 方で, 労働の機会を拡大し, より多く生産し, より多く販売すること, 他方で, 追加売上 による収益と費用との差額として, 利益をより多く獲褐し, 自己資本の収益性を増大させ ることが目標として追求されるが,すべてのケ ー スにおいて,他人資本のコストを上回る, 総資本利益率の増大が目指される。 その際, この総資本利益率の増大は, 前者のケ ー スで は, 広範囲な活動の可能性から期待できる副次的な成果とみなされ, この副次的な成果が 達成されなくても, 一時的には我慢されるのに対して, 後者のケ ー スでは, 主な関心事で あり, 最適な利益が獲得される, 自己資本と他人資本の比率(負債比率)が追求される。 この点, 他人資本の導入は自己資本の収益性の増大を直ちにはもたらさない。 偶発的な市 場好機ではなくて, 企業自身の販売努力による, 事業のあらゆる拡張は, まず費用の増大 をもたらし, しかる後に初めて利益の増加をもたらすが, この利益の増加があらわれなけ れば, 否応なしに, このような努力を企業は中断すぺきであるが, 発生した他人資本の負 担は少なくとも部分的には残る I) 。 ところで, 利子費用を上回って, 他人資本から獲得できる追加成果が自己資本利益率を 増大させるという事実は, 北アメリカの文献では, 財務レバレッジ効果(financia曰eve­ rage-effect)と呼ばれてきたが, 獲得される総資本利益率が利子率を下回れば, 効果はマ イナスとなり, 利子費用は自己資本に深刻な影響をもたらし, 破産することもある。 そこ では, まず, 資産が十分に換金されず, 新たな資金(Kredit)が供給されないため, 返済 されるべきではあるが, 返済できない, 債務があらわれる。 また, 大規模な損失が報告さ れると,他人資本は,即時回収,少なくとも保全(Sicherstellung)を強要し,自己資本は,. 1). Vgl. Sandig, C.: (Finanzierung) Finanzierung mit Fremdkapital, 2. Aufl., Stuttgart 1973. S.9.; Sandig, C.: (Fremdkapital) Fremdkapital, Finanzierung mit. in: Biischgen, H. E. (Hrsg.), Handworterbuch der Finanzwirtschaft, Stuttgart 1976. S.648. - 1 (1)-.

(2) 第44巻 第 1号 部分的に, 必要ならば完全に犠牲にされる。 そして, 生産装置と販売組織が見掛け上では 無傷であっても, 財務上の独立性を喪失すれば, 企業は自立できなくなる. 2)3). 。. この点から, C. ザンディヒは,「他人資本による資本調達は, 極端な場合, 2つの相対立 する作用を内包する。 つまり, 生産と販売の拡大は, 一方で収益性の増大を, 他方で企業 危険の増大, 破産の危険, 少なくとも企業政策での自立性の喪失をもたらす。 他人資本の 譲渡に対する反対給付としての, 共同質疑権 (Mitspracherecht)の承認は明らかに独立性 に対するダメ. ー. ジを意味する。 他人資本は長所と短所を企業にもたらしうる」4) と考え,. 他人資本の経済的な投人を制限するという問題 を検討した。本稿では,この問題を, C. ザ ンディヒ著『他人資本調達論』 (Sandig, C.:. Finanzierung mit Fremdkapital, 2. Aufl.,. Stuttgart 1973) を中心にして, 検討する。 ここで, 本稿の概要について述べれば, まず, 他人資本の提供者, つまり, 債権者の目標と企業に対する立場, とりわけ, 非利害関係 (Nichtinteresse) から, 他人資本調達の特徴を明らかにする。次に, 他人資本の導入を可 能にし, かつ, 制限する要因であるとみなされてきた, 自己資本額, 資本の転換速度 (Umschlagsgesch windigkeit), 取引き (Umsatz)や収益力 (Ertragskraft)を批判的に 検討して,「企業の十分な自己資本, 成果をもたらす取引き,給付と市場を条件とする収益 力が, 企業の信頼性 (Kreditfahigkeit) の承認を強化し,承認された信頼性によって規定 される, 他人資本による労働に対する上限を拡大するのに, 適している」5) ことを指摘す る。 反面, 債権者の非利害関係の拘束のための特殊な手段として, 時間上の拘束について の取り決め (契約期限. (Frist) についての取り決め) や, 担保の承認が注目されてきた. が 6l, C. ザンディヒによれば, 資本の循環, とりわけ, 資産の市場価値への接近 (Markt­ wertnahe)が甫視されるべきであり, 慎重な資金計画の必要性が強調される. 7 ) 。もちろん,. 2) Vgl. Sandig, C.: Fremdkapital. S.648-649.; Sandig, C.: Finanzierung. S.9-10.; Sand1g, C. u. Kohler, R.: (Finanzen) Finanzen und Finanzierung der Unternehmung, 3. Aufl., Stuttgart 1979. S.91.; Gutenberg, E.: (Finanzen) Grundlagen der Betriebswirtschaftslehre. Band 3.: Die Finanzen 3. Aufl.. Berlin-Heidelberg-New York 1969. S.184-187. 参照。 溝口 一雄·森昭夫・小野二郎訳「経営経済学原理 第 3 巻 財務論』千倉書房 1977年 203-206頁 ;参照。 拙著(経営財務概論)『経営財務概論』中央経済社 1990年 56-57頁;拙著(ドイツ資 金計画論)『ドイツ資金計画論』森山書店 1997年 385頁 3) なお, C. ザンディヒは,より広く,資本調達の課顕について,「資本の収益性と安全性が同程 度に達成されるように,資本の調達と,資産での資本投入, つまり,資本の使用について決定を 下すことが, 企業政策の課題である。 資本調達の問題は. 共通して, どの程度. どのような形式 (Form)でかつどのような様式(Weise)で特定の経済上の目的に対して資本が調達され, これ により,資本の維持を脅かすことなしに,できる限り大きな資本成果が生ずるために,どのよう に使用されるべきかという問題に規定されている」(Sandig, C. u. Kohler, R.: Finanzen. S. 6.)と述べている。 4) Sandig, C.: Finanzierung. S.10.; Vgl. Sandig, C.: Fremdkapital. S.649. 5) Sandig, C.: Finanzierung. S.56. 6) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.55. 7) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.57.. - 2 (2)-.

(3) C. ザンディヒの他人資本調達論についての. 一. 考察(牧浦). このような資金計画の提唱は, 貸借対照表を碁礎にした伝統的な資本調達規則 (Finanzie­ rungsregel)と, 英語圏で展開された最適資本構成論に対する批判的な見解に基づく。 こ のため, C. ザンディヒによるこれらに対する見解についても簡単に言及する。. 1. 他人資本調達の特徴. さて, 貨幣もしくは銀行預金, 企業への商品もしくはサ ー ビスの形式での貨幣価値の. 一. 時的な 譲渡と, これらの譲渡による企業での債権者の地位の発生は, 通常, 債権者にとっ ては. 一. つのものに融合しているが, 2つの目標を基礎にしている。 すなわち,. a)できる限り高い, 少なくとも, 市場並みで,協定された期限に正確に支払われる利子 報酬 (Zinsvergiitung)の獲得 b)協定された時点での提供した金額の完全な返還 そこでは,契約期限 (Frist)が短い程(たとえば, 即 時解約できる銀行預金),危険が小 さい程(たとえば, 郵便貯金),獲得できる利子報酬は 少ないが,利子報酬の支払いと契約 通りの返還をできる 能力を債権者は企業に対して期待している。 つまり, 信用 (Ver­ trauen)が基礎を形成しているが, 提供した資本が企業内に長期間拘束され, 企業に対す る将来の信頼 (Kredit) が僅かにしか判定できなければ, しばしば特殊な保全 (Sicher­ stellung)が要求される。また,債権者の共同質疑権が問題にされる所では,法律形態にお いてのみ他人資本の性格を有する,資本参加 (Beteiligung)の様式が検討されるが,特に, 高額の利子, 商品の所有権移転や 債権 譲渡に対する請求は欠陥のある信用を暗示してい る. 8)9). ゜. そこでは, 他人資本は. 一 —―. 企業間信用では価格に含められるが. 契約された利子と,. 協定された 時点での全額返還を請求するのに対して, 自己資本は, これら請求が充たされ ることを保証する代わりに, 請求を充たした後に残される資本成果, つまり, 利益に対す る請求権を有するが, 十分な資本成果がなければ, 無くなり, 必要ならば, 他人資本に対 するダメ. ー. ジを回避するために,犠牲にされる. 10)11. ) この点,株式会社では,このような状 。. 8) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.14-15 u. S.54.; Sandig, C.: Fremdkapital. S.649-650. 9) この点. 最良の保証は企業の繁栄にあり. 「補償 (Deckung)が要求される所では. 通常. 猜 疑 (Zweifel) は始まっている」といわれてきた (Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.54-55.; Seidel, K. (Das fremde Kapital) Das fremde Kapital im Unternehmen. in: Zeitschrift fiir Betriebswirtschaft, 1. Jg., 1924. S.225.)。 10) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.15-16. 11) この点, 企業内で使用される資本の無制限で, かつ, 他人資本の提供者によって影響されえ ない投入に対して, 彼らは保証(Garantie)を要求するが, その際, 保証の担い手 (Garantie-/' - 3 (3) -.

(4) 第 44 巻. 第 1号. 況下でも, 株式の売却により, 自己資本の所有者は企業から離脱することができ, 生ずる 相場の下落は,他の者が証券を引き受けるときには,終息するが, その他の企業形態では, 出資の肩替わりがむずかしいため, 自己資本の所有者の利害は, 企業経営者の利害と しており, 保証機能を発揮する自己資本と企業の維持に向けられている. 12. )13)。. 一. 致. 反面, 他人. 資本の所有者では, 既に述べたように, 利子報酬と提供した金額の期限 通りの返還が問題 になり, 彼らは, 自己資本の所有者や企業経営者とは異なる,企業に対する立場を有する。 そして, このような企業に対する資本提供者の異なる立場は両資本グル ー プの全協働期間 に亙って存在するが, 貨幣価値が存在しない, もしくは, 十分な額で存在しない場合に, 他人資本の法律上保証された特徴があらわれ, 債権者は契約期限前の返還を, 少なくとも 保全を要求し, これにより発生した困難な状況をより悪化させる. 14. )0. ところで, このような企業活動に対する相対立した資本提供者の立場の差異に従えば, 企業の全体資本は, a)他人資本=企業の維持に関心のない資本, 単純には利害関係がない資本と b) 自己資本=企業の維持に関心がある資本, 単純には利害関係がある資本 に区別されるべきである. 1. 1. 5) 6。 ) この点,. C. ザンディヒは, より広く, 表lで示されるよう. な,両資本間での差異についても言及して,「自己資本は, 個人企業家もしくは人的会社や 資本会社の社員から導人されたり, 彼らに帰属する企業の全体資本の部分であり, 他人資 本は, 所有権法上で拘束のない者(他人)から導入されたり, 彼らに帰属する部分である。 区分は, 資本の由来, 源泉もしくは所有権から生ずる法律上の請求権に基づいているが, 更に, これらに基づく, 企業の出来事に対する立場による。この点, 自己資本は, 基本的 には, 無期限に使用でき, 損失を負担すべきであるが, 反面, 企業経営者の方策(MaB­ nahme) から期待できる利益に対する請求権を有する。他人資本は, 純粋な形式では, 期. /'trager) は自己資本である (Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.16.; Sandig, C.: Fremdkapital. S.650.)。 12) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.16.; Sandig, C.: Fremdkapital. S.651. 13) この点, C. ザンディヒは, 「自己資本は, 基礎を形成する (grundlegende) 資本構成部分, 企業の存続を保証する (garantierende) 資本構成部分を意味する。 追加的に調達される他人資 本は労働の基礎の拡張に貢献する。 しばしば, それは, 当座の資本需要の極値 (Kapital bedarfs・ spitze) の不足を埋めたり, ただ追加された自 己 資 本 に よ り解 消 さ れ るまで利用される」 (Sandig, C. u. Kohler, R.: Finanzen. S.36 u. Vgl. S.49.) と述べている。 14) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.16.; Sandig, C.: Fremdkapital. S.65o--651. 15) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.16-17.; Sandig, C.: Fremdkapital. S.651. 16) この点, C. ザンディヒは, 「ここでは, 所有者としての人間に基づく作用が所有としての資本. を正当化している。利害関係という言葉はこの関係では 企業の目標設定, 成果と損失への関与を あらわす。 このような差異により対立が強調される。 その際, 対立が意識的に広げられる。 現実 には差異はしばしば少ししか解消されず, しかも基本的には それは常に至る所にある」 (Vgl. Sandig, C.: Fremdkapital. S.651.; Sandig, C.: Finanzierung. S.17.) と述べている。 - 4 (4)-.

(5) C. ザンディヒの他人資本調達論についての. 一. 考察(牧浦). 限付きで企業内での投入に用いられ, これに対して. 損益を考慮せずに.. 一. 定の利回り. (Verzinsung)を受け取り.確定された金額で返還されるべきであり,基本的には.経営管. 理 (Geschaftsfilhrung) に対して影響力を及ぼしたり.企業の内部状況を洞察したりはで きない 。 この確定された利子と返還は企業により保証されるべきである 。 保証資本. (Ga­. rantiekapital) としての 自己資本は, 他人資本の要求を充たすために, やもえない場合に. は秘密に保持される」 17) と述べている. 18) 。. その際, 他人資本の特徴として,「非利害関係」. を特に強調するために, 「利害関係がない資本は.. それが全体資本の. 一. 部分を形成してい. る.制度 (Einrichtung) の維持ではなくて,とりあえずは それ 自体の維持に努める 。他人 資本は それ自体と契約された代価の保証を求める 。 そこでは, 企業の維持に対立する. 観 点が検討され.このような他人資本の性質から生ずる抵抗 (Gegnerschaft) をダメ. ー. ジな. しに企業が克服することが問題になる 。 . . . その都度満期になる支払義務を期限 通りに 返済できる状態に企業がある限り, 他人資本の非利害関係は受け身の状態に抑制されてい る 。 これが. 度でも失敗すれば, 非利害関係は 能動的に前面に出てくる」 19) と述べられて. 一. いる点にわれわれは注目する. 20)0. 17) 18). Sandig, C.: Fremdkapital. S.646. Vgl. Gutenberg, E.: Finanzen. S.128-130. 参照。 溝ロ 一 雄• 森昭夫・小野二郎訳 1977. 143-145頁 19) Sandig, C.: Finanzierung. S.19.; Sandig, C.: Fremdkapital. S.651-652. 20) この点• C. ザンディヒは, また.「他人資本は. 第三者による承認された信頼性 (anerkannte Kreditfahigkeit) に基づいて. 企業に流人するが, 通常. 限定された期間内でのみ使用され.. 本質的な特徴として. 企業に対するある種の非利害関係にある。 すなわち, 他人資本は, それ自 体の維持と. 協働と引き換えにして契約される代価,つまり, 利子に主に関心があり. それが資 本の 一部分を形成している. 制度の維持には関心はない」 (Sandig, C. u. Kohler, R.: Finanzen. S.12.) と述べている。 - 5 (5)-.

(6) 第1号. 第 44巻 表1 基. 他人資本 と 自 己資本 の 差 異 21) 他. 準. 人. 資. 自. 本. 己. 資. 本. 係. 企 業 に 対 す る 非利害関係 の た め, そ れ 自 体 の維持に と り わ け 関心が あ る 資本. 企 業 に 対 す る 利害関係 の た め, 企 業 の 維 持 に と り わ け 関心があ る 資 本. 経営政策 に 対 す る 影響 力. 経営管理 に 対 し て影響力 を 有 し な い , 資本. 経営政策 に対す る 影響力 を基本的 に は 有す る . 資本. 企 業 状 況 の 公 開. 企 業 の 内部状況 に 対 す る 涸察が基 本的 に は 認め ら れ な い, 資本. 企業状況 の 公開 に 対す る 請求権を 有す る , 資本. 譲 渡 に 対 す る 請 求. 損 益 に 係 わ ら ず, 一定の利子を請 求す る , 資本. 他人資本の利子控除後の利益を請 求す る , 資本. 時間上限定 さ れ た 協働関係 厳格 に 期限 づ け ら れ た , 資本. 時間上無制限 な 使用 資本回収権が制限 さ れ た , 資本 例外的 に . 協働関 係 の 解約 は で き る が, 不都合 な 時 に は離脱で き な. 利. 害. 約. 関. 期. 間. し\. 保. 証. 関. 2. 係. 保証 さ れ た , 資本 自 己資 本に対す る 優先権. 保証す ぺ き , 資本 残存 し た 清算手取金 に 対 し て の み 請求権. 他人資本調達の可能性 と 限界 を 決定す る 要因. 既 に 明 ら か に し た よ う に , 他人資本の非利害関係 が 常 に 企 業 を 破滅 さ せ な い よ う に, 負 債比率 は形成 さ れ な け れ ば な ら な い 。 こ の点,. ま ず, 十分な 自 己資本額が存在す れ ば, 他. 人 資 本 の 獲 得 の 可能性が与 え ら れ る と と も に , 非利害関係 に あ る 他人 資 本 の 導入 を 同 時 に 制限 で き る 。. 反面,. 最適 な 負債比率 に 対 し て普遍的 に 妥 当 す る 規則 は存在 し な い が,. W.. リ ー ガ ー に な ら っ て , 「総資本が大 き い 程, 債権者 の危険 も 大 き く な る だ ろ う 」 と い わ れ て き た 22 ) 。. し か し な が ら,. こ の よ う に 企 業 の 資 本面 の み を 独立 し て 考察 し た の で は, 資産価. 値 と 資本 の 転換 ( Kapitalumschlag) 並 び に 企業 の 収益力 (Ertragskraft) に つ い て は 検 討 さ れ な い 23 ) 。 ま た , J. F. シ ェ. ー. ア は, 1 9 1 1 年 に , 「取引 き が迅速 に 行 わ れ る 程, 資本需要. は少 な く な る 」 と い う 基本原則 を 提唱 し た が. 24. ),. よ り 大 き な 資本 の 転換速度, つ ま り , 総資. 本回転率を有す る 経営 は, 他 人 資本で操業す る の に , 適 し て い る と も い え る 。 こ の た め , 21) 22). Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.17-18 Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.22.; Rieger, W. : (Einfiihrung) Einfiihrung in die Privatwirtschaftslehre, 2. Aufl., Erlangen 1959. S.178. 23) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.22. 24) Vgl. Schiir, J. F. : (Handelsbetriebslehre) Allgemeine Handelsbetriebslehre, 1. Aufl.. Leipzig 1911. S.14.; Sandig, C. : Finanzierung. S.24.. - 6 ( 6 )-.

(7) C. ザ ン ディ ヒの他人資本調達論 についての. 一. 考察 ( 牧浦). 他人資本の導人に対する制限が資本の 転換にも存在するが, 完全に異 なる資産構成 と危険 内 容でも, 同 一の回 転率 はあ らわれうるため, 資本の 転換について 普遍的に 妥当する基 準 は見つけ られ ない. 25 ) 26). 。 そして . 法律上の 規定に基づいたり, 任意的に. 自己の状況を報告. する資本会社 は, 有限 責任であるにも 係わ らず, 通常, 個人会社や人的会社 な どの 公開義 務の ない会社よりも, より 容易に他人資本を調達できる。 この点, 基本的に は. 企業状況 の 公開に対する請求権 は 自己資本の 提供者に対してのみ 認め られているが. 大衆株式会社 で は, 第三者でも企業状況の 把握が 可能であり, 企業の 財政状態. (finanzielles Verhalt­. nis) がより 明瞭に なる程. このよう な企業に他人資本を 提供する者 はより 安全である と 感. ずる。このため, 資本会社の 公開に関連して, 第三者による企業の支払 能 力 (Bonitat)の 判定のための様 々 な 規則 が 展開されてきたが . 他人資本による活動を制限するための企業 ) 基準 は, 目下の所, 呈示されて はお ら ない 27。. ところで. ほ とん どの場合, 製品の 市場での 成 熟や 市場 への導入 の 成 功ま で は. 自己資 本のみで 行われ . 製品の 市場での 浸透後に 初めて, 販売の 拡大のために他人資本が 追 加 資 本 として 用い られるため, 製品の 市場での 浸透 は.企業が 既に 名 声 (Ruf)を獲得し. 信 頼 性があるもの (kreditfahig) として 認 知されているこ とを 意 味している. 28). 。 反面.販売で. き ない, もしく は, 十分に販売でき ない, 企業に は, 通常, 他人資本 は提供され ないため, 販売にも . た とい, 数量化されてお ら なくても,1つの制限が存在する。 そこで は, 他人資 本の導入 の制限 は債権者 側にあり, 追 加 支払手段の導入 に 債権者が プ レ ー キを 掛ければ . 企 業の独立性, 決定の 自立性 と 自 由 は即 座に 無く なる. 29 ). 。また . た とい . 「 直接的に は営 業. 売 上 げ ( Umsatzerlos) を 通 じてのみ企業に貨幣性手段 (liquide Mittel) が 流 人する 」 30) としても . 価格について 配慮 せずに . 販売するこ とが 重要であるので は なくて, 与え られ 25) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.24. 26) この点 ' C. ザ ン ディ ヒは, 「しかしながら, 一 つのことは 確かである。 つまり, 財が調達 市場 から 販売市場へ 連なる経営内での 経路 (Weg) を 通 過する. 時間 が 短い程. 短期間でのみ利用. で きる. 他人資本をこの ため に利用することがより 容 易 になる。 市場から 市場への 経路が 短 けれ ば. 財は 市場 に 長 く 留まらず. 市場価 値. つまり. 交換 価 値との 陽 たりはな くなる。 このような 場合. 価 値喪失の 危険は ほと ん ど他の 場合より もより少ない。 この ため, ほと ん どの 場合. 季節 変動する 販売機会を利用するよう な 事業の ための他人資本は, 長期的な需要より も, より 簡単 に 見つ けられる。 しかしながら . 導入 に対する 単独の (selbstandig) 制限は 転換 速 度から 生ず るのではない」 (Sandig, C. : Finanzierung. S.24.) と述べている。. 27) 28). Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.24-25. Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.25-26.. 30). Sandig, C. : Finanzierung. S.52.. 29) この点, C. ザ ン ディ ヒは. ま た , 「他人資本 による 活動において, 債権者が 追加の 支払手段の 提供を 抑制する, もし くは, 以 前 に承認し た 信 用 を 回収しようとするまで, 企業が 何んら対 処し な ければ. もっと も 重要な問題の解決は 企業 外部者の手に握られる。 このような 場合. 他人資本 の 導入 による 企業の 活動領域の 可能な拡大と 自 己資本の収益 性の 増大は. 企業 自 身の決定 頷域で はな くて, むし ろ 債権者の決定 領域 にある 」 (Sandig, C. : Finanzierung. S.31.) と述べている。 - 7 ( 7 )-.

(8) 第44巻. 第 1号. た販 売機会から. 利 益をもたらすものを見つけ , この ような機会に販 売努力を 集中し , 選 択的な販 売政策 を 実施することが , 合目的的である 。 このため , 他 人資本の投人に よる販 売の 拡大が 可能でも , 過少な 成 果に より , 他 人資本の 非利害関係が 能動的となり , 企業を 危なくさせないか 否かについて検討するために , 特殊な 費 用 , とりわけ , 利子 費 用をこの ような事 業に負担させるべ きである. 31). 。 しかしながら , C. ザ ンディヒに よれば , 「実際の. 販 売 (Absatz) と取引 き (Umsatz) と 潜在的な それらの 観点下でのみ他 人資本の導入を制 限しても , 問題の解決 はもたらされない 」 32\ いずれにせ よ , 他 人資本の導入で は, そうでなければ 自己資本にのみ権利が 認められた であろう , 成 果が他 人資本と分けられる 。 つまり , 利子支払義務が生ずるが , 他 人資本が 生産 能 力の 拡大のために導入されれば , かなりの 時 間の 経過後に 初めて全体給付の増加 , 更に その後で利 益の増加 を 新設備 はもたらしうる 隙をダメ 題になる. ー 34). 33 ). 。 この ような ケ ー スで は, この 時 間 間. ジなしに克服で きる程, 企業の それまでの収益力が 十分に 大 きいか どうかが問 。 そこで は, 収益状況が より 良好であると 呈示される程, それ 自体の維持に努. める他 人資本 は より 安全と 感ずるため , 他 人資本の本 質的な 非利害関係 は, 持 続的に 十分 大 きな 成 果が獲得されている限り , 抑制される 。 しかしながら. 他 人資本の導入の 可能 性 と制限のために 成 果と収益力についてのみ検討されるならば , 金 銭的な要 素のみが考察さ れる 。 また , 一定の 時 間 間隙後に獲得される. 調達市場と販 売市場での 諸関係と 諸条件に 収益力 は依存しており , 市場 側の 承 認に より 初めて , 持 続的な収益力を企業 は獲得で きる ため , 企業の 名声, 財務 単位としての 名声, 更に , 債 務者としての 名 声が問題になる. 35). 。こ. の点 , 明らかに , 「 ほとん どすべての ケ ー スにおいて , 信頼 , 承認された信頼 性が他 人資本 に よる活動に対する上限を形成する 。 しかも , 企業 は. 名 声の 育成に よ ってのみ. 債 務者 としての 名 声の形成と維持について 配慮で きる 。 しかしながら. この上 界 は数値化で きな い」 36) ものである. 3 ) 7. 0. 3 1 ) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.26-27. 32) Sandig, C.: Finanzierung. S.27. 33) このため, C. ザ ンディヒによれば, 多 くの 場合. 利子 率が収益予想よりも 小 さ ければ , 他人. 資本の 導入は 儲か るとい うよ うな , 単純な 計算は 役立たない。 これに 反して,他 人資本の利子を 支弁す る (aufbringen) のに 総資本の収益力が 十分であ るのか , それ 以上であ るのかは, 企業 の資本調達の 警告を形成す る。 この 時点まで . 利子は 成果を 食い 尽 くし, さもな ければ , 自己資 本に 寄与す る。 責任を自覚した 企業 経営者は, この 時点まで. 共同事業者 への 分 配を, 陰路が 克 服され るまで, 株主への 配当支払い を , 控え る (Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.29.)。 34) なお , 企業の収益力 (Ertragskraft) は . 成果を 持 続して 獲得す るための 能力であり (Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.27.) , 資本成果と投下資本の 比率で 評価され る (Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.28.)。. 35) 36) 37). Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.30. Sandig, C.: Finanzierung. S.56. Vgl. Sandig, C. u. Kohler. R. : Finanzen. S.66.; Schmalenbach, E.: (Beteiligungsfinan-/'. - 8 C 8 )-.

(9) C. ザ ン デ ィ ヒ の他人資本調達論 に つ い て の 一考察 (牧浦). 3. 他人資本調連の基礎 と 条件 を 決定す る 承認 さ れた信頼性. 前章 までの検討で明らかなように, 他人資本の非利害関係は普遍的に存在するが, 他人 資本の利害はそれ自体の維持と, 譲渡と 引 き換 え に 契約された報酬の獲得に集中してい る38) 。 そこでは, 十分な自己資本の存在, 資本の大きな転換速度, 成果をもたらす取引 き と, 企業の給付と市場の条件により制約された収益力には, 他人資本の協働を獲得するた めの機会と制限が存在するが, 承認された信頼性, 企業の名声がもっとも重要な可能性と 制限をもたらす39) 。 このため, 労働の可能性の拡大と自己資本の収益性の増大のために他 人資本を自己に引 き人れる努力では, 企業は, 自動的ではな く て, む しろ他者の好意 (Berei twilli g kei t) にすが っ ている。 つ まり, 企業は信頼 (Kredit) を保ち , 信用 ( V er・ trauen) を受けるべきであり, 他人資本の提供者は, 企業に投入された貨幣が, 契約され. た時点で完全に, 契約された利子支払いを含めて, 自己に返還されることを確信できなけ ればならない。 この点,債権者という概念にはこのような信念 (Glauben) と信用があらわ されており, 信念と信用に,企業の資金力 (Finanzkraft) として検討されるべき, 実際の 根拠 (Hinterg rund) が無ければならないが,この 「資金力は,事業と交換の財務上の基礎 構造と, 経営に必要な投資を含めた, あらゆる財務上の課題を充たすための企業の能力」 と解されており, これには, あらゆる財務上の支払義務を整然と清算することも含 まれて いる40) 。 また, 他人資本の協働を獲得することが問題にされるときには, 信頼性 ( Kredit­ fahi g keit) についても言及されるが, そこでは,特定の資本提供者の恣意 (WillkOr ) に左. 右されずに,他人資本を自己に引 き入れる能力を与 え る,企業内での力 (Kraft) が検討さ れ4 1 ) , 「信頼性は,債権者から企業に引 き渡された資本を, 利益をもたらすように使用し, 維持し,利子を支払う,企業自身の能力である」 42) とみなされている。 このため,信頼性に は, 上記の資金力以外に, また, 経済上の素質 (wirtschaftliche Qualitat) , 成果をもた らすように給付するための能力も含 まれる。 しかしながら, 本来企業内部の力である, こ の信頼性が, 有効になるためには, 第三者, たとえ ば, 金 融機関, 取引 先や顧客など, 常. /'zierung) Die Beteiligungsfinanzierung, 9. Aufl., Koln-Opladen 1 966. S.19. 38) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.55. 39) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.55. 40) Vgl. Sandig, C. : Fremdkapital. S.654-655. ; Sandig, C. : Finanzierung. S.32. 4 1 ) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.32-33. ; Sandig, C. : Fremdkapital. S.655. 42) Sandig, C. : Finanzierung. S.33. - 9 C 9 )-.

(10) 第44巻. 第 1号. に 債権者 に な り う る 者 に よ る 承認 が必要 で あ り. 4. 3),. 他 人 資 本 の 管理者 と 保護者 と し て の 名. 声 を 育成す る こ と に よ り , 彼 ら と の 関係を獲得 し . 維持す る こ と が大切 で あ る 反面. だ れ に対 し て も常に言い な り に な る こ と な し に,. ど の 程度 ま で こ の よ う な 承認 を 実際 に 利 用 で. き る の か に つ い て 明確 な 考 え を 企業 は 持つ べ き で あ る. 44 4. ) 5) 。. い ず れ に せ よ , 承 認 さ れ た 信頼性 は. 他 人 資 本 の 全協 働 期 間 に 亙 っ て , 非利害関係 を も っ と も 強 く 抑制 す る も の と し て効 果 を 発揮 し . 経済活動 の 反 復 を 可能 に す る , 有効 な 力 (produktive Kraft) を も た ら す が 46 ) 4 7 ) , 信頼性 と 第三者 に よ る そ の承 認 は . 折 々 の 時間上. の 与 件 に 基づ き , 今 ま で の給付 と 経済 で の 定評 (Bewahrung) か ら 生 ま れ る た め 48) , 他人 資 本 の 全協働期 間 に 亙 っ て. 特 に . 契約期 限 の 終 わ り に . 新 た な 他 人 資本 に よ る つ な ぎが で き る よ う に , 承認 さ れ た 信頼性が有効 に 存在す る の か 否 か が問題 に な る 。 こ の た め, 経 済 的 な 観点 に 従 っ た 他人 資 本 の 調達 の み が検討 さ れ る の で は な く て, 承認 さ れ た 信頼性 の リ ザ ー プ (Reserve) , つ ま り , 信 用 準備 (Kreditreserve) の存在が問題 に な る 49 ) 50) 。 こ の. 43) 44) 45). 46) 47). Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.33.; Sandig, C. : Fremdkapital. S.655. Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.34. こ の点, C. ザ ン デ ィ ヒ は, 信頼 と 関連 さ せ て , 「企業の信頼 (Kredit) は 承認 さ れ た信頼性 (Kreditfahigkeit) で あ る 。 承認 (Anerkennung) の な い信頼性 と , 信頼性 の な い承認は, こ. の企業の信頼に該当 し な い。 両者は, 相 互 に 補完 し て い る 限 り で の み, 資本投人 に お い て収益性 と 安全性を 同 時 に追求す る , 責任を 自 覚 し た 企業経営者 の処置 に と り , 重要で あ る 。 承認 さ れ た 信頼性 と 解 さ れ る , 信頼 に は, ま だ交換取引 (Verkehrshandlung) が な さ れ て お ら な い が, 企 業が必要 と す れば, 直 ち に 交換取引 で き る , す べ て の事実関係が含 ま れ て い る 」 (Sandig, C. : Finanzierung. S.34-35.) と 述べ て い る 。. Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.35. こ の点, C. ザ ン デ ィ ヒ は, 「承認 さ れ た 信頼性 は, 有効 な 力 と し て, E. グ ー テ ン ベ ル ク の 意 味 で の 獲得 ポ テ ン シ ャ ル (akquisitorisches Potential) を, し か も こ こ で は企業の 金融市場 に 対す る そ れ を 形成す る 。 会社 に 対 し て 認 め ら れ る 信頼 (Kredit) は 企 業 の 名 声 の 一 部 で あ る 。 承認 さ れ た 信頼性 と し て の 信頼 文献 は 好 ん で信頼可能性 (Kredit wilrdigkei t) を 用 い , 承. 認 の み に ウ エ ー ト を 移 す が一ー は正確に は規定で き な い 。 そ れ は定性的 な 把握を免れ る こ と は で き ず, こ の た め, モ デ ル の 表示 (Modelldarstellung) で は 考慮 さ れ な い。 ま た そ れ は通常の 資 本調達規則 へ の関連を免 れ な い」 (Sandig, C.: Fremdkapital. S.655.) と 述べ て い る 。 48) Vgl. Gutenberg, E. : Finanzen. S.322-323 u. S.396. 参照。 溝 ロ 一 雄• 森昭夫・ 小 野二郎訳 1977. 365-367頁 455 頁 ; Schoppen, W. : (Finanzlage) Darstellung der Finanzlage mit Hilfe der KapitalfluBrechnung, Dilsseldorf 1982. S.41-43.; 参照。 拙著 ( ド イ ツ 資金計画論) 397 頁 注10. 49). Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.35-36.; Sandig, C.: Fremdkapital. S.655.; Gutenberg, E.: Finanzen. S.336 u. S.325-326. 参照。 溝 ロ 一 雄 · 森昭夫 · 小野二郎訳 1977. 384 頁 369370頁 50) な お, こ の信 用 準備 と 良 く 似 た 概念 と し て, 支払手 段準備 (Liquiditatsreserve) が あ る が,. こ の点, C. ザ ン デ ィ ヒ は, 「正確 に は 予 め 予想 さ れ え な い 財務経済上の 陰路 に 対す る 保証 の た め に , 支 払 手 段 準 備 が 計 画 に 組 み 入 れ ら れ, 準 備 さ れ る 必 要 が あ る 。 こ れ は 支 払 手 段 (Zahlungsmittel) も し く は非常 に 迅速 に 換金で き る 資産構成対象 (Vermi:igensgegenstand) の 形式で行わ れ る 。 更 に , ま だ利用 さ れて お ら な い 信用追加 (Kreditzusage) と , 万 一 の場合 ま た短期間で徴収で き る 自 己資本の提供者か ら の 出資金が問題に な る 」 (Sandig, C. u. Kohler, R.: Finanzen. S.24.) と 述べ て い る (Vgl. Witte, E. u. Klein, H.: (Finanzplanung) Finanzplanung der Unternehmung, 2. Aufl., Opladen 1981. S.26.; Gutenberg, E.: Finanzen. S.326. 参照。 溝ロ 一雄 • 森昭夫・小野二郎訳 1977. 369-370 頁 ; 参照。 拙著 ( ド イ ツ 資金計画論) 317 頁 ) 。 - 1 0 ( 1 0 )-.

(11) C.. ザ ン デ ィ ヒ の他人資本調達論 に つ い て の 一 考察 (牧浦). 点 「企業に対する貨幣 ・ 資本市場での特定評価において,他人資本により資本を拡大する ために潜在的に存在する可能性」 と解されてきた, 信用準備, つ まり, 未使用の信用は, 決 し て確定されたものではなくて,企業での状況,債権者による その判定,並びに,貨幣 ・ 資本市場での状態により, 変動するが5 1 ) 52), 信用準備と し て決定的な意義を有する, 有効 な ポ テ ン シ ャ ルが大きい程, あらゆる種類の財務処置はより簡単に下せる。 そこでは, で きる限り安い利子の他人資本の導入により 自 己資本の収益性を増大させる試みは, 信用準 備の有効な存在という必要性により, 限定されており53). 信用準備が, 適切な規模であれ ば, 他人資本の非利害関係を抑制できる54) 。 し か し ながら, このような意味で信用準備が 機敏にかつ強力に効果を発揮できないようなケ ー スでは, 非利害関係を抑制するための他 の手段が必要となる。 このため, 特定期間に亙って非利害関係を抑制するために, たとえ ば, 他人資本の投入に対 し て契約期限 (Frist) を協定することや, 危険が大きくかつ 市場 価値から隔離された財で資本を運用することに対 し て一 定の制限を設け, 十分な量で市場 価値に接近 し た財が存在するように配慮されてきた55) 0 なお, C. ザ ン デ ィ ヒ は, 以上の検討の結果を纏めて, 「あらゆるケ ー スにおいて承認さ れた信頼性が, 他人資本の回収時と同様に, 導人時, 協働期間にも, 他人資本による経済 的な活動に対する上限を形成する。 この上限は, 正確に決定できるものではなくて, 企業 自 体の信頼性の側面と, 信頼性の承認の側面とにより絶 え ず変化させられるが, ここで説 明 し た意味での有効な信用準備は企業の経済的とみなされるべき財務政策の基本的な要件 である。 個 々 のケ ー スにおいて, 企業経営者の独立性についても考慮 し た上で, 企業の維 持の立場から極限でまだ要請できる, 他人資本の引き人れと協働を, どの程度, そ し て, 自己資本に対 し て どのような割合で,求めるのかは,企業経営者の自己査定の問題である。 し かも, それは また代理可能者 (Vertretbare), 責任を負うべき者という自覚に基づく 自 己規制の問題でもある。 このように, 慎重な自己査定と自己規制は企業の維持に対する責 任から生 まれる」 56) と述べている57\ 51) 52). Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.36. こ の点, E. グ ー テ ン ベ ル ク も . 財務上の能力 の 一部分の保留 (Freihaltung) を操業準備 (Operationsreserve) と 呼 び. 「計画的に利用 さ れ る 財務上の能力 と 計画 的 に 利用 さ れ な い財務. 上 の 能 力 の 割 合 を 決定 す る と い う 問題 は, 目 下 の と こ ろ , 普遍的 に は 答 え ら れ て は お ら な い」 (Gutenberg, E. : Finanzen. S.338 u. Vgl. S.336. 参照。 溝 ロ 一 雄 • 森昭夫 ・ 小野二郎訳 1977. 386-387 頁 384 頁) と 考 え て い る (Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.37.; Sandig, C.:. 53) 54) 55) 56) 57). Fremdkapital. S.656.)。 Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.37. ; Sandig, C. : Fremdkapital. S.656. Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.37. Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.38. Sandig, C.: Finanzierung. S.38. Vgl. Gutenberg, E. : Finanzen. S.142-143. 参照。 溝 ロ 一 雄 • 森昭夫 ・ 小野二郎訳 - 1 1 ( 1 1 )-. 1977./'.

(12) 第 44巻. 第 1号. 4 他人資本の非利害関係を抑制す る ため の方策 さて, 企業が困難なしに支払義務を期限通りに果たせるし. 果たすな ら ば, 他人資本の 非利害関係につ いて気を使う必要はない58) 。 この点. 前章でも少し述べたが. 他人資本の 譲渡に対して, 長期的な契約期限の協定により, 非利害関係の抑制は獲得できる59) 。 とこ ろで. このような契約期限の協定による非利害関係の抑制 では, 単純な前提を無視した技 術が問題にされるので はなくて. 非常に深く洞察された観点に注意が払われるべきであ る60) 。 このため. たとえ ば, 長期社債 (Anleihe) の返済条件と設備の計算上の利用可能期 間とをしばしば相互に一致させるように試み ら れてきたが. 「たとい. すべての資産を契約 期間 (Fristenkalender) に合わせて構築し. 他人資本と対比できたとしても, 単純な契約 期限の一致 (Fristenentsprechung), 契約期限の均衡 (Gleichgewicht der Fristen) , E. グ ー テ ン ベ ル ク の契約期限の一致 (Fristenkongruenz) では,. 問題は解決されないだろ. う。 他 人 資 本 に 対 する 契 約期 限 の 確 定— そ の 延 長 と 短 縮. は財務技術上の手段. (Mittel). を形成し. 利子率の確定―. ―. ーー. その 引 上 げと 引 下 げ. は同様に財務政策のその. 折 々 の目的に役立つ用具 (Instrument) ではあるが. 他人資本による活動のための基礎で はありえない」 6 1 ) 。 反面. すぺての経営活動の基礎には価値循環 ( Wertumlauf) が存在し, 貨幣形式で開始 され, 貨幣形式で終了する62) 。 つ まり, 投入された原材料と労働給付は, 製品の販売におい て対価が見つ け ら れる まで. 経営により逐次的に還流するが, 対価は帳簿債権もしくは手 形債権を経て, 銀行預金もしくは現金として回収され, 新たな循環を可能にする63 )64) 。 そ こでは, 各資産部分は. 市場において交渉相手の取り決めの対象である場合にのみ, 交換 能力のある価値という意味での市場価値を有するが65) , 本来, 内 部経営目的, 経営事象 /'158-159頁 Vgl. Rieger, W.: Einfiihrung. S.278. Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.39. Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.40. Sandig, C. : Finanzierung. S.41.; Vgl. Tbndury, H. u. Gsell, F.: (Finanzierung) Finanzierung. Das Kapital in der Betriebswirtschaft, Zurich 1948. S.37f.; Gutenberg, E. : Finanzen. S.278-280. 参照。 溝ロ 一 雄 • 森昭夫 ・ 小野二郎訳 1977. 304-307 頁 ; 参照。 拙著 ( ド イ ツ 資金計画論) 382-383頁 62) Vgl. Sandig, C. u. Kohler, R. : Finanzen. S.27 u. S.106-107. 63) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.41 -42. 64) こ の点, C. ザ ン デ ィ ヒ は, 「資産への貨幣投入の管理 (Steuerung) は, と に か く , 資産での 58) 59) 60) 61). 65). 連続 し た 変換過程に よ り 貨幣性手段 の再準備 (抽象的 に は, 資本 の解放) が行わ れ る と き に は 資本調達 に 含 ま れ る 」 (Sandig, C. u. Kohler, R. : Finanzen. S.4.) と 述べて い る 。 Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.42.. - 1 2 ( 1 2 )-.

(13) C. ザンディヒの他人資本調 達論についての. 一. 考察 ( 牧浦 ). (Betriebsgeschehen) , 生産 過程 (ProduktionsprozeB)に 適している限りでのみ, 経営上 の 適正価値 (Eignungswert) を有し , たとえば, 倒産の ケ ー スのように, 製造の 突然の 停 止では, 半製品,しばしばまた,完成 品も ほとん ど無価値になる. 66. 。 ) このため,資産 財 自体. の引 渡しによるのか, たとえば, 機械の利 用のように, 給付による価値の 移転によるにし ても , 経営上の 適性価値を 市場価値に 転 換することにあら ゆる販売努 力は向けられてい る。 また, 市場価値への接近もしくは 隔離が問題にされ, 資産の 市場価値への接近を検討 するときには, 各資産部分が, どの程 度かつ どの 時点でこれらから貨幣性手段が 多分引き 出されるのかにおいて, 考察される. ) 8) 。 特に,. 67 6. 労働の機会を 広 げ, 利 益を増大するため. に, 他人資本を利 用する者は, 他人資本の協働について限定された期間のため, 長期的な 支払義務の返済を含めて, 折 々に返済のために満期にな った他人資本を ス ム ー スに返還で きるように, 市場価値に接近 した資産部分により, 資産の全体価値の ように , 配慮しなければならない. 一. 定量が構成される. 69). 。 この点 , 市場価値への接近と貨幣性手段への 転換は. さま ざまな基礎に基づいているが, 以下のものが 区別されるべきである。 1.. 交換価値, すなわち, 貨幣と貨幣価値の形式での, 最高度の 市場価値もしくは 市場. 価値への接近 2.. 【現金 ・ 預金 】. 即 時の売却の 可能性により 与えられる, 市場価値への接近. 【完成 品】. 3 . 価値の 熟成 (Wertreifung) により 与えられる, 市場価値への接近. 【生産 過程 での. 生産要 素】 4 . 価値の 熟成と 追 加 的な信用の承認 ( 割引き) により 与えられる, 市場価値への接近 【売 掛債権 】 5.. ( 企業の立場からは金融 市場と 呼ばれる)貨幣 市場もしくは資本 市場への接近によ. Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.43. Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.43. ; Sandig, C. u. Kohler, R. : Finanzen. S.6 1. そこでは. 市場価 値への 接近から流動性 (Liquiditat) に 至る 問隙は あまり広くはない 。 「流 動 性は , 簡単にかつ 迅速に 現金価 値 (Barwert) に 移転さ せら れうる, 資産の特 性」と解 さ れる (Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.44. ; Nicklisch, H. : (Betriebslehre) Wirtschaftliche Betriebslehre, 6. Aufl., Stuttgart 1922. S.249. ; 参照 。 拙著 ( ド イ ツ資金計画論 ) 128頁)。 こ の点, C. ザンディ ヒは , 「 あら ゆる ケ ー スで 成 立するが, 貨幣の流 入までの 時間間 隙が 大きい 程, 見積計算に 誤りが 含ま れる 可能性は 益 々 多くなる 。 市場過程 に対する 時間 上の間 隙が 大きく なる程, 市場への 接近は 益々 失わ れる 。 見積計算は, 見積開始 時点から 離れる程. 不正確にな り. 予想できない 可能性が 益 々 入り 込む。 ここに流動性という テ ー マを 考えるものとの 一致が あ る 。 (商 業 で は , 商 品 仕 人 費と 営 業 経 費と 営 業利 益か ら 構 成 さ れる) 最小 現 金収 入 (Mindestkasseneingange) が流 入する. 債権と 商品有 高の 一部分が 実際には流動的 (iiquide) で あり, 現金の流 入が 直接予想さ れる 。 しかしながら, 流動性の 洞察 では, このような 価 値の 成 熟過程 に ある, 資産 価 値も, 既に流動的なものとみなさ れる」 (Sandig, C. : Finanzierung. S. 46.) と述べている 。 69) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.53.. 66) 67) 68). - 1 3 ( 1 3 )-.

(14) 第44巻. 第1 号. り 与え ら れ る , 市場価値 へ の 接近。 加 え て , 即 時 的 な 担保提供可能性 に 基づ く , 市場 価値へ の 接近 6.. 【売却可能 な 金融資産 ・ 担保可能物件】. 計算上 の 減価償却 の 対価 に よ り 有効 に な る が, 固定資産の連続 し た 流動 化 に よ り 与 え ら れ る , 市場価 値 へ の 接近. 【固定資産 で の 減価償却】. い ず れ に せ よ 最後 に , 現金取 引 に よ り , 連続 し た 給付過程 か ら 貨幣性手段 は流入す る. 70. )71). と こ ろ で, こ の よ う な 経営内 で の 価値循環か ら 見 れ ば, 「貨幣 と 貨幣価値 自 体 と し て 市場 価値を示 し た り , 市場価値 に な る 時点 に 接近 し て い る , 従 っ て, 市場価 値 に 接近 し た も の と み な し う る , 財が よ り 大 き い 程,. よ り 大規模 に 他 人 資 本 を 資 本調達の た め に使用 で き る. 状態に あ る 。 十 分 な 規模で市場価値 に 接近 し た 資産価値が存在す る 限 り , 他 人 資 本 の 本質 的 な 非利害関係 は抑制 さ れ る 」 で き な い,. 72. )。. 反面, 信頼性 の 承認 の 側面で, 企 業 に よ り コ ン ト ロ. ー. ル. ま た ほ と ん ど影響力 を 行使 し え な い 作 用 に 対 す る 名 声 の 弱点や, 資本の投入の. 側面で, 市場価値 に 接近 し た 資産価値 と 市場価値か ら 隔離 さ れ た そ れ に 対 し て綿 密 に 配慮 す る よ う に 強要 さ れ る. 7. 3) 。. こ の 問 題 に 対 し て, 通常, 一 方 で の 他 人 資 本 の 契約期限 の 経過. と 有効 な 支払義務 と , 他方で の 市場価 値 へ の 転換 と 給付過程か ら の 貨幣性手段 の流入 と の 間で, 貨 幣 へ の 変換, 貨幣性手段 の 側 面 を 菫視 し て , し か も,. こ の よ う な 一 致が確保 さ れ な い 所 で も ,. 一. 致 が資金計 画 に よ り 目 指 さ れ る 。. ま だ利用 さ れ て お ら な い , 信用 準備 の 時. 期 を 得 た投入や, 承認 さ れ た 信頼性 の有効 な 部分が準備 さ れ る べ き で あ る た め, 慎重 な 資 金計画が検討 さ れ る が 74) 75 ), 経営の特殊 な 状況 に 対応 し な が ら , 承認 さ れ た 信頼性 に よ る 70). Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.53-54. ; Rieger, W. : Einfiihrung. S.263. ; Witte, E. u. Klein, H. : Finanzplanung. S.34-37. 7 1 ) こ の 点, C. ザ ン デ ィ ヒ は, 「資本調達 目 的 の た め, 資産部分 は , 市場への接近 も し く は 市場価 値への隔離, 換金 さ れ る 時点 の短 さ か ら 検 討 さ れ る べ き で あ る 。 そ の際, 市場への距離上 で の 短 さ は 問 題 に は な ら ず, 市場価値, つ ま り , 流通 可能な 価値が発生す る 時点 へ の 接近 が 問 題 に な る 。 そ こ で は個 々 の 資産部分 に お い て か な り の 差異が示 さ れ る 。 つ ま り , 債 権 は , 短 期 間 に 貨幣 性手段 に な る こ と も あ る し , 数 力 月 か数年間 に 亙 っ て 固定 さ れ う る 。 商品有 高 は , 急速 に 転 換 さ れ う る し , 棚 ざ ら し 品 に も な り う る 。 簡単 な 売却 可能性 も し く は担保可能性が重要で あ る 。 固定 資産 は決 し て固定 さ れ て は お ら な い。 そ こ か ら は計算上 の 減価償却 費 の 対価 の形 で 企 業 に 継続 し て貨幣性手段が流入す る 。 貸借対照表 か ら 見れば, 全 く 固定資産の構成 に よ り 一 定 の パ ー セ ン ト が市場価値 に 接近 し た も の と み な し う る 」 (Sandig, C. : Fremdkapital. S.652-653.) と 述ぺ て い る。 72) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.54. 73) V gl. Sandig, C. : Finanzierung. S.57. 74) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.57. 75) こ の点, さ ま ざ ま な 程度, 形式で の市場価値への接近 と 市場価値 へ の 隔離が同 一 の 資産勘定科 目 に お い て相 互 に 存在す る 。 こ の た め, 資 産 の 種 類 に 従 っ て 構成 さ れ る 貸借対照表 は 資産 の 財務 上 の 効果を検討す る た め に必要な描写を与え な い (Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.53.)。 そ こ で. C. ザ ン デ ィ ヒ は, 「貸借対照表 は, そ の 資産 の 種 類 に よ る 構成で は. 企 業 の 財政状態 (finanzielles Verhaltnis) に つ い て の慎重な か つ 正確 な 判定 に は適 当 と は み な し え な い。 資金 計画 の 形式 で の 時 間上 の 予想 の み が正確な 洞察 を も た ら す」 (Sandig, C. : Finanzierung. S.4 1 u Vgl. S.45.) と 述べ て い る (Vgl. Gutenberg, E. : Finanzen. S.296. 参照。 溝ロ 一 雄• 森昭 夫・小野二郎訳 1 977. 329-330頁 ; Liicke, W. : (Finanzplanung) Finanzplanung und/'. -1 4 (1 4)-.

(15) C. ザ ンディヒの他人資本調達 論 についての. 一. 考察 ( 牧浦). 限 界内に企業が常にある ように 処理する ことは, すべての企業経営者の 責任である. 76) 。. そ. こでは, あら ゆる ケ ー スに対して 他人資本に よる経済活動に関する限 界 を, 理論 上でも, 実践上でも見つける ことはむずかし い。 このため, 全協働期間に 亙って 他人資本の 非利害 関係を抑制するために,かなりの 不均衡が企業に対して強要され, 財務 上の 均衡 (E. グ ー テ ンベ ル ク) への要 請は 修正されなければならな い 77)。また,抑制のための手段は, 常に, 非利害関係が 能動的にならな い 程, 強力であるべきであるが, 非利害関係の 能動化の動機 と時点が, 企 業経営者ではなくて, 他人資本の提供者の手に 握られて いる点に, 特殊な危 険が存在する。 このため, 非利害関係の 能動化を 回避し, 自 己の 阻 止力 (Abwehrfront) を強化する ことに, 企業経営 者は 自 己の努 力を 集 中する. 5. 78). 。. 資本調達規則 に対す る 批判 的 な見解. と ころで, 外部者に よる企業への資本投入の 安全性につ いての 判定のための要求から, 文献で資本 調達規則. (Finanzierungsregel) と 呼ばれる, 規 則 は 生 じたが,. この ような 規. 則 は, 貸借対照表に基づく 第三者に よる 企 業の 財政状況 ( Finanzverhaltnis) の 判定に関 係して いる. 79. ) 。 この点,. F. シ ュ ミ ッ トに より提案された, 「貸借対照表での価値 均衡の 原. 理」 (Prinzip der Wertgleichheit in der Bilanz) は,たと い, 貸借対照表から 開 始され るとしても, 例外的なもので, 資産と資本の間での 相互関係から 「 自己資本と 他人資本の 間で 当然前提となる限 界」 (Die nattirlich bedingte Grenze) として, 「 借 方側でのあら ゆる 実物資産. ( Realgiiter) は 自 己資本で, 借方 側でのあら ゆる貨幣性 債権. rung) と手元貨幣有高は貨幣性 負債. (Geldforde­. (Geldschuld) の 導 入に より, 資金 供給される こと. が, 貨幣価値の 変動 下では, 唯一の確 実な方法である 」 と 主張する. 80). 。 しかしながら, 通. 常, 長 い経験から引き出され, 貸借対照表 規則 (Bilanzregel) と 呼ばれるものは,「長期 的 /'Finanzkontrolle in der Industrie, Wiesbaden 1965. S.228. 参照。 溝ロ 一雄 · 後藤幸男訳 『資金計画』 税務経理協会 1970年 268 頁 ; 参照 。 拙著( ドイツ資金計画論) 276頁 386-387頁) 。 また, 貸借対 照 表と資金計画を 比較して , 「基 本的 に は, 財務的な 考察 (Finanzbetrachtung) と 貸借対 照 表考察は 2つの 異 なる 事象 (Dinge) である。 前者は収入と 支 出 に関係するの に対し て. 後者は資産と資本 に関係している」 (Sandig, C. u. Kohler, R. : Finanzen. S.13.) と 主張. している。. 76). Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.57.; Gutenberg, E.: Finanzen. S.306 u. S.382. 参照。. 溝 ロ 一雄 •森昭夫 ・小野二郎訳 1977. 344頁 438頁. Vgl. Gutenberg, E. : Finanzen. S.272-277 u. S.288-289. 参照。 溝ロ 一雄 •森昭夫・小野二 郎訳 1977. 296-302頁 319頁 78) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.57-58. 79) Vgl. Sandig, C.: Fremdkapital. S.652.; Sandig, C.: Finanzierung. S.58. 80) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.60.; Schmidt, F.: (Die organische Bilanz) Die organische Bilanz im Rahmen der Wirtschaft, 2. Aufl., Leipzig 1922. S.102-113. 77). - 15 C 15) -.

(16) 第44巻. 第1号. な 固定資産は, 自 己資本で, や むを え な け れば, 長期的な他人資本で補償されるべきであ る」 と い う 補償規則 (Deckungsregel) である8 1 ) 。 また, たとえ ば, 「他人資本の投入を手 元の 自 己資本額に制限する」 と い う l 対 l の規則 (Die 1 : 1 Regel) は資産の構成を考慮 し な い 。 そ し て, 資本に対する特定資産部分の添 え付け(たと え ば, 固定資産= 自 己資本 ; 流動資産=他人資本)は資産価値の危険内容と換金化度を無視 し て い る。 このため, 財務 政策上の方策の正当性の証明は, あらゆる経営上の事態 (Tatbestand) の 全 体関係と, 具 体的な 決定状況の特殊 な 状況とからのみ, 引 き出され う るにも係わらず, このよ う な 全体 関係と特殊 な 状況を根本から把握するのには, このよ う な 規則は適 し ておら な い 82 \ なお, C. ザ ン デ ィ ヒ は, このよ う な 資本調達規則につ いて総括 し て, 「あらゆる規則, 処 方箋 (Rezept) と基準 (MaBstab) は, たと い , だれにより展開され, 適用されても, 資 本調達の 出来事につ いて解明でき な い 。 常に, これらは補助機能のみを有 し , 外部者を完 全 に誤 っ た結論に導き う る。 どのよ う な ケ ー スでも, これらは関係を根本から把握するの には不適当である。 他人資本により企業の活動の機会を拡大 し , 自 己資本に流入する利益 を増大させるべきである場合に, このよ う な 資本調達から企業に対する欠点 (Nachteil) を増大させるべきで な ければ, 継続 し て, 信用準備が承認された信頼性の範囲内に存在す るよ う に, 配慮することが大切である。 更に, 企業に対 し て生ずる総支払義務, つ まり, 満期の他人資本の返済だけではな くて, む しろ同様に, 賃金, 報酬と他の支 出も, 慎重な 資金計画で, 市場価値に接近 し て い る資産の貨幣への転換 (Zu-Geld-Werden) と, 短期 的な 観点では高 い 確率で期待できる販売も し くは現金取引と引 き換えでの サ ー ビ スの提供 に一致させる必要がある。 し か し な がら, も っ とも重要な ことは, 信用の育成と, 未使用 の信用, つ まり, 信用準備の維持と拡大である」83 ) と述べて い る84) 0. 81). Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.61--62.; Schar, J. F. : (Bilanzstudie) Eine Bilanzstudie, in : Zeitschrift ftir handelswissenschaftliche Forschung, 4. Jg., 1 909/10. S.475.; Drukarczyk, J. : (Finanzierung) Finanzierung, 5. Aufl.. Stuttgart 1991. S.45-46.; Schoppen. W. : Finanzlage. S.43-46.; 参照。 拙著 ( ド イ ツ 資金計画論) 383頁 82) Vgl. Sandig, C.: Fremdkapital. S.652.; Sandig, C. : Finanzierung. S.63--64 u. S.65. , Sandig, C. u. Kohler, R. : Finanzen. S.90. ; Harms, E. : (Finanzplanung) Die Steuerung der Auszahlungen in der betrieblichen Finanzplanung, Wiesbaden 1973. S.18-19.; Harle, D.: (Finanzierungsregeln) Finanzierungsregeln und Liquiditatsbeurteilung, in : Jan berg, H. (Hrsg.), Finanzierungshandbuch, 5. Aufl., Wiesbaden 1970. S.110.; Witte, E. u. Klein, H.: Finanzplanung. S.34-37.; 参照。 拙著 ( ド イ ツ 資金計画論) 280頁 320頁 83) Sandig, C. : Finanzierung. S.65--66. 84) こ の点, 貸借対照表 に よ る 判定 の た め の す べて の規則 を基本的 に は 否定 し て, E. グ ー テ ン ベ. ル ク は, 「近代的な 経営経済学は, 貸借対照表 の状態や比率を基礎 に し た , 財務政策上の決定を 合 理 的 で か つ 適 切 な も の と は み な さ な い。 . . ・ 近 代 的 な 企 業 の 財 務 構 造 (finanzielle Struktur) が 多 様 な 状 況 に よ り 左右 さ れ て い る こ と を , 財務構造 に つ い て の す ぺ て の経営経済 学 的 な 研究 は指摘 し て い る 。 . . . こ れ ら 状況は非常 に 多様 で か つ 同 時 に特殊で あ る た め, 具/ - 1 6 ( 1 6 )-.

(17) C. ザンデ ィ ヒの他人資本調達論についての. 6. 一. 考察 ( 牧浦). 最適資本構成論 に対す る 批判 的 な見解 ”. ところで, 北 ア メ リ カの 文献によれば, "最適資本構成 という 専門 用 語の 元で,資本 コ ス トと負債比率を 中 心にした問題が論 じられてきた。 そこでは, 著者達は, 普遍的な 答 え を強引に引き出すために,経験 (Erlebnis) から 始めるのではなくて, 意識して 演繹的に 振 る 舞い,「完全な 情報の 元で , 企業は利益 極大化という目標を 追求する 」という特殊な 仮定 から 始めている. 85. )。この点,. E グー テ ンベ ル クは, 「最適な 債務度 (Verschuldungsgrad). は, 危険への作用と収 益性への作用が 均衡している, 状態である 」86) と定義し, 少し 誤解 して ド イ ツ 語に 翻訳したが, 資本 コ ス トという概念―. ― ー. ア メ リ カの (cost of capital) と. いう 表 現が, 決定的な 役割を果 たしており, 他人資本の収 益性と, 危険への作用と 自己資 本の利益 予想は計算上の 数値にまで 整理され, 理論上, 問題は計算上で獲得可能な 結果に まで 還 元されている. 87. )。. また,(企業の存在危険による 割増 を 有する) 他人資本の コ ス ト. は, 個 々の形式を 無 視すれば, 直ちに決定でき, 自己資本 コ ス トとして (発券 能 力のある 会社では) 資本提供者により 要求される有 効利 回り 率が 設定される。 そして, 増加する 債 務度とともに増大する危険が, 特定時点より, 持ち分価値の 圧倒的な売却と 低減する相場 値をもたらすという 行動 仮定のみが 主張されているが, この 低減する相場値には, 引き受 けられる危険に 比例して要 求される, より 大きな 有効利回り 率が 表 現されている。 更に, この 仮定に従って, 社 債権者は, 彼らが それ 以上の負債増加 を 過度に危険なものと 評価し たときに, 同様に 行動するかもしれないが. BB). ,. 最適なものとして, 総平均資本 コ ス トが最. /体的な 貸借対 照 表の 数値において 普遍的に 妥当する. まして や最適な 財務構造をは っ きりさ せえ. な い 」 (Gutenberg, E. : (Gewinnverwendung) Ober den EinfluB der Gewinnverwendung auf das Wachstum der U nternehmen, in : Zeitschrift fi.ir Betriebswirtschaft, 33. Jg., 1963. S.202.) と述べている (Vgl. Gutenberg, E. : Finanzen. S.280-285. 参照 。 溝ロ 一雄 • 森 昭夫 ・ 小 野二郎訳 1977. 307-315頁 ; Gutenberg, E.: (Untersuchungen) Untersuchungen i.iber die Investitionsentscheidungen in der lndustrie, Koln-Opladen 1959. S.18lf.) 。 85) Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.66-67.; Waldmann, J. : (Unternehmensfinanzierung) Optimale Unternehmensfinanzierung. Madelle zur integrierten Planung des Finanzie­ rungs- und Leistungsbereiches, Wiesbaden 1972. S.14. 86) Gutenberg, E. : (Verschuldungsgrades) Zurn Problem des optimalen Verschuldungs・ grades, in : Zeitschrift fi.ir Betriebswirtschaft, 36. Jg., 1966. S.692.; Vgl. Gutenberg, E. : Finanzen. S.225. 参照 。 溝ロ 一雄 • 森昭夫・ 小 野二郎訳 1977. 247頁 87) Vgl. Sandig, C. : Fremdkapital. S.653.; Sandig, C. : Finanzierung. S.67.; Sandig, C. u. Kohler, R. : Finanzen. S.93.; Gutenberg, E. Finanzen. S.247. 参照 。 溝ロ 一雄 • 森昭夫・ 小 野二郎訳 1977. 270-271頁 88) この点 , C. ザンデ ィ ヒは, 「最適な 債務度についての モデルは. 明らかに 増大した利子要 求の. 考慮に,他人資本に対する 企業の 逓増的な 依存関係に よる 危険を 含める 。 しかしながら, 他人資 本の提供 者では. 資本 参加ではな くて , 企業の 出来事への 参加 (Teilhabe) のみが問題になる 。 所有までの. 異 なる形式 が問/ このため. 参加的な 貸付 金 (partiarisches Darlehen) から 株式 - 1 7 C 1 7 )-.

(18) 第44巻 低 に な る , 債務度が成立す る. 89). 第1号. 。 従 っ て, 最適な 債務度 は 市場 の 偶然 の 出 来事 と は 全 く 無. 90. 関係で あ る \ し か し な が ら,. こ こ で は概観 の み 行 い , 不完全 に 描写 し え た ,. 動仮定 に 基づ い て , 財務理論上 の モ デ ル が展開 さ れ た が, を最適な も の と し て受 け取 る こ と と ,. こ の よ う な 目 標仮定 と 行. モ デ ル が特定時点で の 負債比率. モ デ ル が企 業 の 静態的 な 理 論 に 属 す る こ と に 対 し て. 異議が唱え ら れ る べ き で あ る 91 ) 。 資本調達 問 題 は 全 く 動態 的 な も の で あ る 。 そ れ は 資 本 の 導入か ら 返済 ま で の 期 間 を 含み, 返 済 の 時点 で 資本構成が実際 に 示 さ れ る 92 ) 。 こ れ に 対 し て 予 め 用 意 が な さ れ る べ き で あ る た め, 最適 な 資本構成 に つ い て の 解 明 の結果が, 資本調 達決定が実際 に 下 さ れ る べ き , 条件 を 正 当 化 さ せ る か ど う か は非常 に 疑 わ し い 。 こ こ で は , 既存の企業 の維持 と 拡大 を 目 指す, 企業政策 的 な 観点が先ず優先 さ れ る 93) 。 ま た , H リ ッ ペ ル ト は, 他 の 方法で, 財務経済 的 な 最適 を 目 指す 。 彼 は, 限界分析 を 基 礎 に し て , 限界資本調達 コ ス ト が限界資産収益 力 に 等 し い と き に , 最適 な 資本額 と 最適 な 資本構成 は 同 時 に 獲得 さ れ る と 主張す る 94 ) 。 そ の 際, 彼 は, 量 的 な 他 人 資本 コ ス ト と し て , /題 に な る 。 他 人 資 本 の 提 供 者 で は, 卒 直 に い っ て, 貨幣が問題 に な る 」 (Sandig, C. : Fremd­ kapital. S.654. ; Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.68.) と 述べて い る 。 89) こ の点, C. ザ ン デ ィ ヒ は, 「E. グ ー テ ン ベ ル ク の 研究 に 従 っ て, 『最適 な 』 債務度で は な く て, む し ろ 安 い 契約上の 債務度 を 企業が実現す る 場合, 私 の 考え で は, 大 き な 信用 準備が常 に 有 効 に 存在 す る と い う 事実 に 左右 さ れ る 。 財務政 策 で は, 収益性 の 前 に , 安全性が位置 づ け ら れ る 」 (Sandig, C. : Finanzierung. S.69 u. Vgl. S.70.) と 述べ て い る (Vgl. Gutenberg, E. : Finanzen. S.299 u. S.300. 参照。 溝ロ 一 雄 • 森昭夫 ・ 小野二郎訳 1977. 333-334頁 336頁)。 90) Vgl. Sandig, C. : Fremdkapital. S.653. ; Sandig, C. : Finanzierung. S.67 u. 68-69. ; Sandig, C. u. Kohler, R. : Finanzen. S.92-93. ; Gutenberg, E. : Finanzen. S.2 1 1-213. 参照。 溝 ロ 一 雄 • 森昭夫 ・ 小野二郎訳 1 977. 233-235頁 ; 参照。 拙著 (経営財務概論) 1 95-204頁 9 1 ) Vgl. Gutenberg, E. : Finanzen. S.2 1 6. 参照。 溝ロ 一 雄 • 森昭夫・小野二郎訳 1 977. 238頁 92) こ の点, C. ザ ン デ ィ ヒ は, 「他人資本に よ る 資本調達 で は , 期間問題が検討 さ れ る が, そ こ で は, (全体 と 個 々 の ポ ジ シ ョ ン で の ) 他人資本 の投入の終了 で の 状態が, 開始で の 状態 と 同様 に , 重要で あ る 。 導入時点で, 支払義務の後続期 間 で の 解 消 (Wiederauflosung) と い う 課題が設 定 さ れ る 。 こ の た め, 労働の可能性の拡大 と , で き る 限 り 高 い レ バ レ ッ ジ効果の享受 と い う 努力 で は, 利子支払 い と 返済の 可能性の保証 に お い て, 他人資本の投入 に 対 す る 上限が生ず る 。 他人 資本の投入 に 対す る 上限 は , 担保 も し く は共同質疑権の提供な し に, 利 子 を 含 め て , そ の 都度満 期 に な る 他人資本額を解消で き る , も し く は必要な ら ば, 困難な し に 他 の 他人資本額に よ り 取 り 替 え ら れ る 所 に あ る 。 信用準備 は こ の場合で も 存在 す ぺ き で あ る 」 (Sandig, C. : Fremdkapital. S.656. ; Vgl. Sandig, C. : Finanzierung. S.7 1 .) と 述べて い る 。 93) Vgl. Sandig, C. : Fremdkapital. S.654. ; Sandig, C. : Finanzierung. S.68. ; Gutenberg, E. : Finanzen. S.308-309 u. S.310. 参照。 溝 ロ 一 雄 • 森昭夫 ・小野二郎訳 1 977. 347頁 348-349頁 ; Gutenberg, E. : (Absatz) Grundlagen der Betriebswirtschaftslehre, Band 2. : Der Absatz 2. Aufl., Berlin 1 956. S.10. 参照。 溝 ロ 一雄 • 高 田馨訳 『経営経済学原理 第 2 巻 販売論』 千 倉書房 1 958年 1 2頁 ; Witte, E. u. Klein, H. : Finanzplanung. S.27-28. ; Busse v. Colbe, W. : (KapitalfluBrechnungen) KapitalfluBrechnungen als Berichts- und Planungsinstrument, in : Jacob, H. (Hrsg.), Schriften zur Unternehmensfiihrung, Band 6/7, Wiesbaden 1968. S.12. ; Liicke, W. : Finanzplanung. S.39. 参照。 溝ロ 一雄 ・ 後藤幸男訳 1970. 36頁 ; 参照。 拙 著 ( ド イ ツ 資金計画論) 389-390頁 94) Vgl. Lipfert, H. : (Unternehmensfinanzierung) Optimale Unternehmensfinanzierung, 3. Aufl., Frankfurt a. M. 1969. S . 10-1 1 u. S.108 -1 1 1. ; 参照。 拙稿 (H. リ ッ ペ ル ト ) 「H リ ッ ペ ル ト の最適企業資金調達論 に つ い て 」 近畿大学商経学叢 第 28 巻 第 3 号 1982. 461462頁 - 1 8 C 1 8 )-.

(19) C. ザンデ ィ ヒの他人資本調達論についての. 一. 考察 ( 牧浦). 信用受取者の支払 能 力 (Bonitat) の 判定 と手元の 担保 (Sicherheit) の 判定を. 9. 5),. 質的な. 他人資本 コ ス ト として, 他人資本額 と ともに 逓増し, 評価危険 ( Scha tzungsrisiko) の考 慮下で 把握される, 非 延期危険 (Nichtprolongationsrisiko) を,計算に 加 える が 96) , 彼の 検討 は, 資本調達領域に限 定されているた め, 資本調達以外の活動 領域による資本調達の 最適値に 対する作用 が把握されておらないた め, 算定される最適値 は, 常に, 部分最適値 (Suboptimum) である. 97 ). 。 しかも, このような決 定 は 「評価危険」を 基礎にしており, 現. 実的な 開 始状況に 基づいた, 有 効な決 定手段で はなくて, 記述的な 試みの み が行われてい る 。しかしな がら, 評価危険の決 定で は,資本構成についての決 定に 対して,「活 力 と信頼 」 が重要な 役割をするこ と は示されている. 98. )。. と. ま. め. C. ザンディ ヒ は, 「 経営内での 諸過程を批 判的に考察して, 経済 上の 諸関係を洞察し, 一方で他人資本の投入による長 所を利 用し, 他 方で そこから 潜在 的に発 生するダメ. ー. ジを. 慎重に回 避する という, 意思決 定者」 の立場から, 他人資本による資本調達問題を検討し た. 99 ). 。 ところで, この問題に関して, 目下の 所, 「な ぜ他人資本を導入するのか 」 について レ バ レ ッ ジ 効果の 追求 というlつの明 白な 根拠が呈示されている が 100) , 「な ぜ他人資. は,. 本 が導入できるのか 」 とか, 「 どこまで他人資本を導入すべきなのか」について は, 積極的 な検討 はなされてこなか った 。 本 稿で検討した, C. ザンディ ヒの問題 意識 は後 二者に ウ エ ー ト が置かれており, ド イ ツ 語圏でも,. ユニ. ー クなものである. 101. \. ここで, 検討の 結果を簡単に 纏 めれば, 彼 は, 「 非利害関係」 と 呼ばれる, 「他人資本の 95). 96). Vgl. Lipfert, H. : (Theorie) Theorie der Optimalen U nternehmensfinanzierung, m : Schmalenbachs Zeitschrift flir betriebswirtschaftliche Forschung, 1965. S.63--65.; Lipfert, H.: Unternehmensfinanzierung. S.46- 52.; 参照。 拙稿 (H. リ ッ ペ ル ト) 457 頁 463. 頁. Vgl. Lipfert, H.: Theorie. S.65-66. ; Lipfert, H. : Unternehmensfinanzierung. S.35-36 u S.42-52 u. S.71 u. S.102.; 参照。 拙稿 (H. リ ッ ペ ル ト) 457-458頁 97) Vgl. Lipfert, H.: Unternehmensfinanzierung. S.39. FuBnote 1. ; 参照。 拙稿 CH. リ ッ ペ ル ト) 478頁 98) Vgl. Sandig, C. : Fremdkapital. S.654. ; Sandig, C. : Finanzierung. S.70-71. ; Gutenberg, E. : Finanzen. S.373. 参照。 溝ロ 一雄 • 森昭夫 ·小野二郎訳 1977. 428-429 頁 99) Vgl. Sandig, C.: Finanzierung. S.66. 100) Vgl. Gutenberg, E.: Finanzen. S.287. 参照。 溝ロ 一雄 •森昭夫 ・ 小野二郎訳 1977. 316317 頁 もしくは 貨幣価 値の目的に規定 101) この点, C. ザンディ ヒは 「資本調達 (Finanzierung) は 貨幣. された調達 と使用 と解される。 抽象的な資本の 考察 では,資本の維持 と 増大を目的 とした, 自己 資本 と他人資本の調達 と, 資産 への投入 ( その使用)の 管理 (Steuerung) を目指した, 活動が 検討される 」 (Sandig, C. u. Kohler, R. : Finanzen. S.4.) と 述べている。 - 1 9 ( 1 9 )-.

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