<論文>会計上の原価と価値に関する諸概念の検討
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(2) 第61巻 第2号. Ⅰ は じ め に. いうまでもなく,わが国の企業会計原則にみられる会計のフレームワークは,歴史的原 価主義会計(取得原価主義会計)が基礎とされている。伝統的会計,すなわち歴史的原価 主義会計では,適正な期間損益計算を行うことが目的とされ,その目的から計算技術的に 資産概念が捉えられている。いわゆる動態論(動的論)にみられる資産概念は,計算的特 性アプローチ によって把握されるものである。 歴史的原価をベースとする会計を伝統的会計として位置づけるとき,現在の会計モデル は「原価と時価の混在スタイルとしての会計」あるいは原価・時価のハイブリッド会計 として表現されることができる。原価・時価のハイブリッド会計の意味するところは,金 融商品に関する会計基準をはじめとして,固定資産の減損処理に関する会計基準等により, 時価概念が歴史的原価会計のフレームワークの中に取り入れられていることを指すもので ある。資産概念についてみれば,伝統的会計の資産概念が計算的特性アプローチによって 捉えられるのに対して,現在の会計モデルとしての原価・時価ハイブリッド会計では,経 済的特性アプロ-チ によって捉えられる資産概念が重視されている。経済的特性アプロー チによる資産概念 は,サービス・ポテンシャルズ(用役潜在力)の延長線上に, 「発生の 可能性の高い将来の経済的便益」を包摂したものである。経済的特性アプローチによる 資産概念には,資産というストックをあらわす用語に便益というフローを意味する概念が 導入された点に特徴がある。 原価・時価ハイブリッド会計の背景については,会計上の 関心のおきどころが,プロダクト型市場経済からファイナンス型市場経済を前提とする理. 興津裕康『財務会計の理論』税務経理協会,平成8年,118119頁。 興津裕康『現代制度会計』森山書店,平成9年,8384頁。 興津裕康「取得原価と時価」 岸悦三編『近代会計の思潮』同文舘,平成14年,所収,132133 頁。 興津裕康「現代会計の論点―原価と時価の混在する会計を考える」 『企業会計』第5 8巻第11号 (平成18年11月),1011頁。 中野勲「時価―原価ハイブリッド会計の論理について」 『會計』第167巻第1号(平成1 7年1 月),92107頁。 中野勲『企業会計情報の評価』中央経済社,平成20年,6392頁。 興津裕康,前掲書,119120頁。 同上書,120頁。 FASB, Statement of Financial Accounting Concepts No.6Elements of Financial Statements, 1985, Statements of Financial Accounting Concepts, IRWIN,1993, par.25. 平松一夫,広瀬義州訳 『FASB財務会計の諸概念』中央経済社,平成6年,297頁。 興津裕康,前掲書,120頁。. 62( ) 356 ─ ─ .
(3) 会計上の原価と価値に関する諸概念の検討(山口). 論に移行したとみる見解があげられる。 プロダクト型市場経済は製造業重視の産業経済 を,ファイナンス型市場経済はデリバティブをベースとする金融経済をさすものである。 そして,知識創造,企業のイノベーションを背景としたナレッジ型市場経済のもとに,公 正価値評価を基礎とするナレッジ型会計理論が展開されることとなる。そこで原価・時 価ハイブリッド会計にみられる時価概念の意味・内容を考察するために,会計上の原価と 価値に関する諸概念を検討することは意義のあることといえる。 会計上の時価概念が問題とされるとき,価値なる用語が用いられ,価値概念が議論の対 象とされる。会計上の価値について単純に列挙すると,取替価値,売却価値,企業にとっ ての価値等がある。最近の例として,公正価値概念があげられ,公正価値とその測定が注 目されている。公正価値概念に関する定義については,財務会計基準審議会(FASB),国 際会計基準審議会( IASB )による会計基準にみることができる。 財務会計基準審議会は 2006年に SFAS 第157号『公正価値測定』を公表し,そこでは,「公正価値とは,測定日 における市場参加者間の通常の取引によって,資産の売却により受領するかもしくは負債 の移転のために支払う価格である」と定義されている。また,2011年に国際財務報告基 準(IFRS)第1 3号『公正価値測定』が国際会計基準審議会によって公表され,公正価値 概念が出口価値アプローチに基づく内容によって定義されている。この定義は SFAS 第 157号の公正価値概念と軌を一にするものである。公正価値とその測定をめぐる背景につ いては,会計領域で生じた新たな問題を解決するために,会計上の公正価値概念の定義が 行われ,公正価値の適用が主張されたと解することができよう。 本稿は,ソロモンズの所説等を検討することによって,会計上の価値概念の意義を考察 するものである。この考察に際しては,会計上の原価概念についても取りあげる。すなわ ち,会計上の原価と価値のうち,価値が原価よりも重視する見解が,何故に説かれるのか という問題に関する検討が行われる。. 武田隆二「会計学認識の基点」『企業会計』第53巻第1号(平成13年1月),46頁。 プロダクト型市場経済とファイナンス型市場経済については,下記の文献を参照した。 武田隆二『最新財務諸表論』(第11版)中央経済社,平成20年,680682頁。 古賀智敏『価値創造の会計学』税務経理協会,平成12年,76頁。 古賀智敏「経済的実質主義会計の認識基点」『商経学叢』 第55巻第1号(平成20年7月)5557 頁。 FASB, Fair Value Measurements, Statement of Financial Accounting Standards No.157, 2006. ここでは,上記の文献が,SFAS 第157号と記されている。 Ibid., par.5. IASB, IFRS 13, Fair Value Measurement, IASB, 2 011. Ibid., par.9.. 357 ─ 63( ) ─ .
(4) 第61巻 第2号. Ⅱ 歴史的原価会計. 1 原価即価値説と原価即事実説 歴史的原価は,過去時点において,独立した当事者間における交換取引に基づき成立し た実際取引価額によって測定される。通常の市場取引を通じて購入された資産の評価額は, 資産の取得のために犠牲となった貨幣支出額によって測定されることになる。 資産の取得に要した対価によって測定する測定対価主義について,二つの異なる論拠が みられるとする所説がある。 この所説では,異なる論拠として原価即価値説と原価即事 実説があるとされる。そして, 原価即価値説の論者としてペイトンを, 原価即事実説の 論者にリトルトンをあげることができるとする。 原価即価値説によると,資産の取得原価は価値を表現するものであり,原価と価値は対 立するものではないとみる。 すなわち, 原価即価値説は, 原価が取引財貨の価値をあら わすものとするのである。これに対して,原価即事実説にあっては,取得原価は経験的事 実そのものをあらわし,取得原価は価値を表現するものではないとする。すなわち,取得 原価による継続的記録をもって,過去の取引事実を客観的な取引記録として示すことがで きるとするのである。原価即事実説においては,名目的投下資本の回収計算が行われ,原 価は収益によって回収されるべき投資額としての意義をもつとされる。 ちなみに,わが国の先行研究についてみると,資産評価基準に取得原価を適用する根拠 に関しては,貨幣価値不変の前提,投下貨幣資本の回収計算および計算の確実性の三つに. 新井清光「取得原価主義会計の再検討」『會計』第103巻第1号(昭和48年1月),1821頁。 同上稿,1920頁。 新井清光『新版 財務会計論』(第4版)中央経済社,平成10年,66頁,7680頁。 下記の文献では,原価即事実説を取りあげて,原価の規範的意味が考察されている。 藤井秀樹「Littletonの会計理論―原価主義会計論の2つの潮流と A. C. Littleton―」 , 方久 編『近代会計と複式簿記』税務経理協会,平成15年,104112頁。 藤井の所説では,「原始記録が取引実施後も維持されるのは, 原価回収にかかわる取引時点の 期待がその後も企業経営者によって維持されているからである。言い換えると,企業経営者は 取引時点の期待にもとづいて後続期間の原価回収計算=成果計算を実施しつづけているという ことである」(109頁)とされ,後続期間の原価回収計算=成果計算の基礎としての利用に原価 の規範的意味が見いだされるとする。 原価即事実説の特徴は,原価が価値をあらわさない場合には,時価論に向かう可能性をもつ考 え方であることにある。ペイトンの時価論に関する論文として下記の文献があげられる。 W. A. Paton, Measuring Profits under Inflation Conditions: A Serious Problem for Accountants, The Journal of Accountancy, Vol.89 No.1, January 1 950, pp.1627. なお,ペイトンの時価論については,下記の拙稿を参照されたい。 山口忠昭「会計上の価値概念に関する考察―ペイトンの所説を中心として―」『商経学叢』第 53巻第3号(平成19年3月)。. 358 ─ 64( ) ─ .
(5) 会計上の原価と価値に関する諸概念の検討(山口). 求める所説がある。 また, 取得原価評価の根拠を「全体価値から個別価値への移行性の 仮定」,「一致の仮定」,「パラレル経過の仮定」という三つの仮定に基づき説明する所説を あげることができる。 さしあたり前者の所説は原価即事実説として,後者の所説につい ては原価即価値説として整理されることができるであろう。. 2 歴史的原価会計に関するソロモンズの所説 歴史的原価は,通常,交換取引に基づくという事実から客観的な測定値であるとされる。 交換取引という事実は, 「交換の瞬間における買手と売手相互の評価」を意味する。そし て,取引事実をあらわす歴史的原価こそが,客観的で検証可能な証拠を提供するとされる のである。確かに資産取得のための購入取引にみられるような場合には,交換取引に基づ く対価の測定はたやすいものであるが,現物出資として受け入れた有形固定資産,自己所 有の有形固定資産との交換によって受け入れた資産の評価等については,個別資産の原価 を容易に決定することは難しいものとなる。ソロモンズの所説によれば,資産の保有のプ ロセス及び資産をその他の別な資産に転換するプロセスにおいて,歴史的原価のもつ客観 性に疑問を投げかけている。たとえば,棚卸資産の評価方法(先入先出法,後入先出法, 平均原価法等) ,製造間接費の配分,連産品の原価計算等に関する問題が指摘されている。 ソロモンズは,このような問題によって歴史的原価の客観性が揺らぐとみる。 利益測定の観点から歴史的原価を捉えると,歴史的原価に基づく会計のフレームワーク の考え方は,実現原則(realization principle)と結びつけられている。この考え方は投 下資本の回収計算に繋がるものである。ソロモンズは,スプローズ・ムーニッツの所説を 引用し,歴史的原価と実現原則の関連を検討している。すなわち,スプローズ・ムーニッ ツの所説においては,「棚卸資産あるいは有形固定資産のような個々の項目についての個 別価格の変動は,『実現』されるまで記帳されることはない。 利益総額は実現した期間に 反映され,利益が発生した各期間に配分されない。貸借対照表と損益計算書は,棚卸資産 及び有形固定資産の時価(current cost)が上昇していても,これらを歴史的原価で記帳 することによって,強制的に結びつけられている。したがって,このような棚卸資産及び. 山下勝治『会計学一般理論』千倉書房,昭和46年,6669頁。 武田隆二『会計学一般教程』(第7版)中央経済社,平成20年,278280頁。 W. A. Paton and A. C. Littleton, An Introduction to Corporate Accounting Standards, American Accounting Association, 1940, p.12. 中島省吾訳『会社会計基準序説』森山書店,昭和47年, 19頁。 D. Solomons, Economic and Accounting Concepts of Cost and Value, in M. Backer,(ed.), Modern Accounting Theory, Prentice-Hall, Englewood Cliffs, New Jersey, 1966, p.120.. 359 ─ 65( ) ─ .
(6) 第61巻 第2号. 有形固定資産の評価は,利益決定に適用される実現原則の副産物であって,資産それ自体 の独立した算定から生じたものではない」とし,利益測定のために適用される実現原則 の副産物として,資産の歴史的原価評価が位置づけられている。 ソロモンズの所説では,利益測定と貸借対照表の表示(balance sheet presentation) に関連する領域が会計上の重要な位置を占めているとする。ここにいう貸借対照表の表 示であるが,これは,企業の経済的実態を示すために,貸借対照表評価論の内容が含まれ るものである。歴史的原価会計に対する代替案の検討については,利益測定と貸借対照表 の表示の問題が重要な研究課題となる。. Ⅲ 会計上の原価と価値. 1 哲学上の価値概念 哲学上の価値概念を探ると,「哲学の歴史は特定の価値観を表明したい, いわば価値観 の宝庫である」とする所説がある。それゆえに, 価値という概念については, 多様な意 味・解釈が成り立つこととなる。上山の所説によると,価値の意味が捉えられる場合,価 値は選択の基準として機能することに着眼点がおかれている。すなわち,上山の所説では, 「たとえば, 私たちが,『この本はよい本だ』というとき,その本を,『くだらない本』と か『いけない本』と区別して,自らが択び,もしくは他人に択ぶことをすすめることを意 味している。また,『この蜜柑はおいしいね』というときも,『おいしい』という価値評価 を示す言葉によって,私たちは,その蜜柑が,自分の味覚の選択基準に照らしてプラスの 反応を示すことを表現している」とされる。善悪の判断や味覚の判断のように,これら の判断の内容は,対象の性質をあらわす形容詞と同様の外観を示すけれども,「対象の客 体的な性質を示すのではなく, 対象にたいする主体の選択を示す点」に着目することが 説かれ,対象の性質と主体の選択とは明確に区別すべしとの見方が主張されている。そ Robert T. Sprouse and Maurice Moonitz, A Tentative Set of Broad Accounting Principles for Business Enterprises, Accounting Research Study3, American Institute of Certified Public Accountants, 1962, p.16. 佐藤孝一,新井清光訳『アメリカ公認会計士協会 会計公準と会計原則』中央経 済社,昭和37年,130頁。 D. Solomons, op.cit., p.120. 山下正男「価値研究の歴史」粟田賢三,上山春平編『岩波講座 哲学Ⅸ 価値』岩波書店,昭和 46年,1 69頁。 上山春平「価値研究の課題」295頁。 粟田賢三, 上山春平編『岩波講座 哲学Ⅸ 価値』岩波書 店,昭和46年,所収。 上山春平『歴史と価値』岩波書店,昭和47年,14頁。 同上書,14頁。 同上書,14頁。. 66( ) 360 ─ ─ .
(7) 会計上の原価と価値に関する諸概念の検討(山口). して,上山の所説では,「『価値』という概念はさまざまに解されているが,私は,これを 対象の性質と見る説には反対であり,主観と対象の何らかの関係と見る説も,一見無難の ようでいて,問題の核心にふれることを回避する不毛な説にすぎないと考えており,私自 身としては,さし当たり,『価値』を,『主体の生存に必要な選択作用における選択基準と して機能する表象』と解することにしている」とする解釈が行われている。この解釈で は,選択の主体については個体の場合と集団のそれとの二つが考えられるとし,選択作用 には,好悪の選択のようにあまり思考をはたらかせる余地のない直接的な場合と,正・邪 や損・得の選択の場合のような理論的な裏付けや熟慮を要する媒介的な場合があげられる とする。そして,個体と集団の二つのうち,選択の主体がいずれであるか,さらにまた 選択作用が直接的になされるかあるいは媒介的であるかにより,選択基準としての表象は さまざまな特徴を示すとされる。 かかる表象としての価値の概念は多様性を示すものと して捉えられるのである。 人と財・サービスとの間の選択作用に基づく関係が,社会的に認知されると,財・サー ビスそれ自体のもつ性質にかかわりなく,財・サービスそれ自体に価値があるものとして 客体化される。 そして, ある主体がある客体を評価するという価値作用が成り立つ。さ らにまた,対象に対する主体の見方は,主体のおかれた立場によって異なるものとなる。 たとえば,会計の領域で財それ自体の資産価値を捉える場合,資産価値の評価にいかなる 評価基準を適用すれば,主体の立場にとって最善であるかということが重要な課題となる。 この課題についてみると,会計主体,会計目的等の会計上の根本的なものに対する問いか けにつながることがわかる。 かくして,上山の所説による価値概念は,普遍的な解釈として捉えられることができる。 ここで問題とすべきは,いかに価値概念を会計の研究領域のなかで捉えるかという点にある。. 2 原価と価値の関連 会計上の原価と価値について,経済学的概念を重視しながら検討したソロモンズの所説 がある。 ソロモンズは, 原価概念と価値概念の両者が, 会計において中心をなす概念で 価値という概念は,主体の生存にとって必要な選択行為の基準を意味するという見方が説かれ る。(同上書,15頁。) 同上書,72頁。 同上書,72頁。 同上書,72頁。 同上書,72頁。 山下正男,前掲稿,63頁。 D. Solomons, op.cit., pp.117140.. 67( ) 361 ─ ─ .
(8) 第61巻 第2号. あるとし, 原価と価値の概念は経済学的概念であるとみる。 いうまでもなく, 原価と価 値は密接に関連した概念であるが,原価に関する基本的な考え方としてスプローズ・ムー ニッツの所説をあげることができる。彼らの所説によると,原価は,便益の獲得のために 支払われた犠牲であり, 交換価格によって測定されるものであるとする。すでに述べた ように,価値は多様な意味・解釈が成り立つ幅広い用語である。ここで,上山の所説にみ られるように,価値を「主体の生存に必要な選択作用における選択基準として機能する表 象」と解したとしても,会計の領域で用いられる価値概念の意味・内容が,把握されなけ ればならない。ソロモンズの所説では,ボンブライトの見方を引用し,役立つこと(worth) あるいは望ましいこと(desirability)に力点を置いて価値が解釈されている。便益の獲 得のための犠牲をあらわす原価については,主体にとって役立つこと,あるいは望ましい ことが期待されているので,原価は価値をあらわすと考えられる。しかし,その逆は成り 立たず,あらゆる価値は原価ではない。なぜなら,予期せぬ需要の変化によって,コスト の発生なくして価値が生ずる場合をあげることができるからである。かくて,価値はコス トで測定されるが,価値とコストを混同すべきではない。価値の測定は,価値それ自体の 理解の仕方とその理解の仕方に基づく測定概念によって異なるものとなる。 会計上の原価と価値の関係に関して,ソロモンズはペイトンの所説を取りあげ,検討し ている。すなわち, ペイトンによると,「会計上の原価と価値は対立し,互いに相容れな い用語ではない。財・サービスの取得日において,原価と価値は実質的に同一である。少 なくとも,財・サービスの取得に関する大部分の取引において,原価と価値は同じである。 前述したように,現金以外の財産が支払手段である場合には,取得資産の原価は,支払手 段とされた財産の公正な市場価値によって測定される。事実上,原価はおおむね重要であ る。 なぜなら,原価は取得日の公正価値に近いものをあらわすからである」とする。 こ イ 財・サービスの取得日時点においては,原価と価値が こにみられるペイトンの見解は, ロ 現金支出を伴う購入取引以外の取引により財産を受け入れた 実質的に同一であること, ハ 資産取得時点において,原価 場合には,公正な市場価値をもって取得原価とすること,. は公正価値に近いものを示すこと,これら三つに整理されることができる。この三つの整 イ は原価即価値説をあらわすものである。さらにペイトンの所説 理された内容のなかで,. Ibid., p.117. Robert T. Sprouse and Maurice Moonitz, op.cit., p.8. 佐藤孝一,新井清光訳,前掲訳書,120 頁。 D. Solomons, op.cit., p.118. W. A. Paton, Cost and Value in Accounting, The Journal of Accountancy, March 1946, p.193.. 68( ) 362 ─ ─ .
(9) 会計上の原価と価値に関する諸概念の検討(山口). では,現在価値(present value)について,ドーアの所説が引用されている。すなわち, 「財産の財務的な重要性は,過去の事実から決定されるというよりも, むしろ現在の事実 と予測から決定されることが明らかである。過去の事実が将来において起こりうることを 示す場合においてのみ,過去の事実は一般的に重要性をもつのである。結果として,財産 の現在価値は, 一般的に述べると, きわだった重要さをもつ測定である」とするドーア の見解である。ここにペイトンの所説においては,財産の財務的な重要性を判断する場合, 過去の事実よりも,むしろ現在の事実と予測から決定されることが行われるので,財産の カレント・バリューが重視されることになる。したがって,ペイトンは,原価をベースと する会計が,不適切で根拠のないものとなる場合には,原価主義からの離脱が検討される べきであると主張されている。 なぜなら, 財・サービスの取得日時点において, 実際支 出額(原価)は価値と同一であると捉えられるが,実際支出額たる名目原価が合理的に公 正価値をあらわさないときには,公正価値を示すべく適切な修正が認められるべきである とされるからである。かくて,ペイトンの所説において,価値は原価よりも重視されるべ きであるとする見方がとられている。なお,ここにいう公正価値の意味・内容は,SFAS 第157号の公正価値概念と同一のものではない。 ところで,ソロモンズは,原価が価値をあらわすとともに,原価が価値よりも重視され る見解として,ペイトンとリトルトンによる所説をあげている。 すなわち,「『測定され た対価』という用語は,会計の対象を構成する資料の特色を表現するのに『価値』の語よ りも適切である。会計が『価値』を記録するという表現は誤解を生じやすい。交換の対価 または価格総計は,交換の瞬間の買手と売手相互の評価をあらわすものであり,この価格 総計の記録は,限られた意味で,またその瞬間としては,価値の記録と解されぬこともな い。その交換の瞬間以後に価値は変わろうとも,記録された価格総計は変わらない。会計 にとって,価格総計が,多種多様な取引を同質的な尺度であらわすのに利用可能な最上の 手段なのである」とし,価値よりも歴史的原価(価格総計)が前面に打ち出されている。 ソロモンズの所説においては,財産の現在価値(present value)を重要性のある測定と して,価値に重きをおく立場がとられている。価値は原価よりも重視されるべきであると. Ibid., p.197. J. L. Dohr, Cost and Value, The Journal of Accountancy, March 1944, p.193. W. A. Paton, op.cit., p.198. D. Solomons, op.cit., p.119. W. A. Paton and A. C. Littleton, An Itroduction to Corporate Accounting Standards, American Accounting Association, 1940, p.12. 中島省吾訳『会社会計基準序説』森山書店,昭和47年, 19頁。. 69( ) 363 ─ ─ .
(10) 第61巻 第2号. する見解を,ソロモンズの所説のなかにみることができる。. 3 市場価値 市場価値とは,一般的に現在の購入市場または売却市場で成立する価格を意味する。資 産の市場価値に与える状況・要因について,ソロモンズの所説では,次の五つの内容が, 主要なものとしてあげられている。 イ 市場価値は購入市場または売却市場に関連すること。 ロ 市場価値については,異なる市場が想定されること。異なる市場に関して,地理的 . に異なる市場,流通過程に存在する市場(卸売市場,小売市場等)をあげることがで きる。 ハ ほとんどの市場が不完全市場であること。 ニ 取引の形態は市場価値に影響を与えること。取引の形態については,現金取引,信 . 用取引等をあげることができる。 ホ 資産の取得に付随するコスト,資産の売却に伴うコストを含めるか否かによって, . 市場価値の測定値は異なること。 上記の五つの内容は,市場価値を捉えるうえで考慮されるべきものである。 会計上の利益測定についてみると,実現した収益と発生した費用との対応計算によって 利益が計算される。歴史的原価をベースとする会計においては,保有活動から生ずる保有 利得は認識されない。また,資産評価が歴史的原価にもとづいて行われ,評価額が原価に 拘束される。その結果,非貨幣資産のカレント・バリューは示されないこととなる。 資産の市場価値については,不完全市場を前提とする場合,購入価値と売却価値との間 には大きなギャップがある。市場の購入価値と売却価値の区別のもつ会計上の意義は,購 入価値と売却価値との間の量的差異ではなく,購入価値と売却価値という二つの種類の価 値のもつ適合性(relevance)に依存する。すなわち,購入価値は経営活動のインプットに 適合し,入口価値として表現される。他方で,売却価値は経営活動のアウトプットに適合 し,出口価値としてあらわされる。ソロモンズの所説は,エドワーズ・ベルの所説 をあ げて,インプットに関する現在的な入口価値(input current entry values)によるアプ ローチ,もしくはアウトプットに関する現在的な出口価値(output current exit values) D. Solomons, op.cit., p.119. D. Solomons, op.cit., p.121. E. O. Edwards and P. W. Bell, The Theory and Measurement of Business Income, Berkeley, University of California Press, 1961. 中西寅雄監修 伏見多美雄,藤森三男訳編『意思決定と利潤計算』. 364 ─ 70( ) ─ .
(11) 会計上の原価と価値に関する諸概念の検討(山口). によるアプローチのいずれかを基礎として,利益測定の理論を構築することが可能である とする。これら二つのアプローチのうち, いずれか一つのアプローチは, 歴史的原価を ベースとした利益測定のアプローチよりも,経営意思決定にとって適合性を有するとされ る。かくて,ソロモンズの所説においては,市場価値,カレント・バリューを重視する 見解が展開されることとなる。. 4 所有主にとっての価値 ソロモンズの所説によれば, 「所有主にとっての価値(value to the owner)」は,会計 上の重要な価値概念であるとされる。なぜなら,「所有主にとっての価値」が, 継続企業 にとっての価値(value to a going concern)に関連を有しているからである。会計上 の価値概念たる所有主にとって価値概念についてみると,この価値概念の原点は,1930年 代にボンブライトによって説かれた「所有主にとっての価値」に求められることができ る。ボンブライトによれば,「ある財産の所有主にとっての価値は,所有主がその財産を 奪されたと仮定された場合に,所有主が被ると予測される直接的および間接的なすべて の損失という不利な価値による金額と同一である」とされる。ソロモンズの所説による と,「所有主にとっての価値」は, 所有主の被る損失の評価という意味において主観的評 価に属するものとなるが,貨幣的計量可能性を備えた価値概念であるとする。そして,損 害の賠償額に関する訴訟において,裁判所は損害額の評価を行う手続を認めているとされ る。 したがって, 損害額の評価は, 財産の所有主が被った損失の評価を示すものである から,「所有主にとっての価値」は貨幣額によって計量化できる価値概念となる。 ソロモンズの所説は,事業用資産の価値に関して, 「資産の価値は,資産の用役潜在力(service potentials)の貨幣等価額である」とする見解を取りあげ,資産の用役潜在力の貨幣等価 日本生産性本部,昭和39年。 エドワーズ・ベルの所説は,歴史的原価に代えて,企業内部の経営管理者と企業外部の利害 関係者による評価のための有用な情報提供の観点からカレント・バリューに基づく測定を主張 する理論である。エドワーズ・ベルの所説については,下記の文献を参照されたい。 遠藤久夫「エドワーズ=ベル提案の位置」江村稔編『変動期の現代会計』中央経済社,昭和44 年,所収,121160頁。 峯村信吉『財務諸表の基礎理論』中央経済社,昭和52年,174197頁。 山口忠昭「会計上のカレント・バリューの測定をめぐる諸問題」 『商経学叢』第56巻第2号 (2009年12月),239312頁。 D. Solomons, op.cit., p.122. Ibid. J. C. Bonbright, The Valuation of Property(Vol.1), The Michie Company, Virginia, 1937, Reprinted 1965, p.71. Ibid. D. Solomons, op.cit., p.123. American Accounting Association, Accounting and Reporting Standards for Corporate Financial. 71( ) 365 ─ ─ .
(12) 第61巻 第2号. 額の測定には,資産から生ずることが予測された将来収入の割引額が適用されるとする。 個別の資産の主観価値と客観価値は等しいとする仮定をおく場合,「用役潜在力=取得原 価」の関係が成り立つとみる見解がある。ソロモンズの所説にあっては, 「用役潜在力= 所有主にとっての価値」とする見方がとられ, 予測された正味収入の現在価値( PV )が 重視されている。しかし,予測された正味収入の現在価値の測定は,その測定に主観的判 断を伴うことから,必ずしも容易なものではない。 企業の事業活動は,通常,単独で単一の資産を使用するのではなく,複数個の資産を用 いて遂行されている。そこで,相互補完的な形態で集合する資産全体についてみるとき, 資産の個別的な取替調達によって,事業活動を行うために資産全体が維持されることにな る。したがって,「所有主にとっての価値」に関する上限は,取替原価(RC)によって測 定される。「所有主にとっての価値」に関する下限については,予測された正味収入の現 在価値(PV)と正味実現可能価値(NRV)のうち,どちらか低い方が,所有主にとって の価値となる。 ソロモンズの所説では,所有主にとっての価値について,次のように整理が行われてい る。なお, 「所有主にとっての価値」を VO,取替原価を RC,正味実現可能価値を NRV, 予測された正味収入の現在価値を PV とする表記がなされている。 RC>NRV>PV の場合には,資産は売却される。したがって,VO=NRV という 関係が成り立つことになる。 NRV>PV,NRV>RC の場合には,資産は再売却のために購入される。したがっ て,VO=RC という関係が成り立つのである。 NRV<PV の場合,資産は売却されることなく,利用のために所有される。 PV>RC の場合には,資産は取替調達される。 NRV<PV を所与とするとき, PV<RC の場合,資産は取替調達 したがって,VO=RC という関係が成り立つ。. されない。したがって,VO=PV という関係が成り立つことになる。 NRV<PV を所与とする場合,VO=RC あるいは VO=PV のうち,いずれか低い 方が VO である。 上記のからまでの内容を,図表1を用いて説明してみよう。図表1において,各測 Statements, 1957 Revision, American Accounting Association, Evanston, Illonois, 1957, p.4. 中島省吾訳編『A.A.A. 会計原則』中央経済社,昭和46年,133頁。 D. Solomons, op.cit., p.123. この見解については,下記の文献を参照されたい。 武田隆二,前掲書,278280頁。 D. Solomons, op.cit., p.125.. 366 ─ 72( ) ─ .
(13) 会計上の原価と価値に関する諸概念の検討(山口). 定概念に基づく資産評価額の大小関係として六つのケースが示されている。 そして,「所 有主にとっての価値」は,六つのケースごとにあらわされている。. 図表1 ケース . 各測定概念に基づく 資産評価額の大小関係 NRV>PV>RC NRV>RC>PV PV>RC>NRV PV>NRV>RC RC>PV>NRV RC>NRV>PV. 所有主にとっての価値. . RC RC RC RC PV NRV. 上記のの内容は 図表1ののケースである。の内容はとのケースであり,「所 の内容は 図表1のとの 有主にとっての価値」が取替原価によって測定される。の の内容はのケース ケースをさし,「所有主にとっての価値」は取替原価となる。 の. であり,「所有主にとっての価値」が現在価値によって測定される。の内容については, 図表1の,,のケースが該当する。 ソロモンズによる「所有主にとっての価値」の解釈については,1960年代の後半にパー カー・ハーコートの所説 のなかで「企業にとっての価値(value to the firm) 」として 取りあげられ, 注目されることになる。 バクスターもまた, ボンブライトの「所有主に とっての価値」に着目した。バクスターはカレント・バリューを資産評価に導入する考 え方として, 「所有主にとっての価値」を奪価値(deprival value)と命名したのである。 かくて, 物価変動会計に関する研究領域のなかで,「所有主にとっての価値」に基づく資. R. H. Parker and G. C. Harcourt, Readings in the Concept and Measurement of Income, Cambridge University Press, 1969, pp.1719. W. T. Baxter, Accounting Values: Sale Price versus Replacement Cost, Journal of Accounting Research, Vol.5, No.2, Autumn 1967, p.212. W. T. Baxter, Depreciating Assets: the Forward-looking Approach to Value, The Accountant’s Magazine, April 1 971, p.160. W. T. Baxter, Depreciation, Sweet & Maxwell, London, 1971, p.30, pp.3236. W. T. Baxter, Accounting Values and Inflation, McGraw-Hill, London, New York, 1975, p.126. W. T. Baxter, Inflation Accounting, Philip Allan, Oxford, 1984, pp.200201. 英国の会計実務基準書第16号『カレント・コスト会計』では,バクスターによる奪価値で はなく,「企業にとっての価値( value to the business )」という用語が使用された。「企業に とっての価値」は,1975年のサンディランズ・リポートにおいても主張されているが,奪価 値と「企業にとっての価値」は,その用語の名称こそ異なれ,同一の内容を意味する資産評価 の考え方である。. 73( ) 367 ─ ─ .
(14) 第61巻 第2号. 産評価の思考は,バクスター,ソロモンズ,イディ等によって主張されることになる。 会計の主要な機能の一つに,スティワードシップのための会計,つまり経営者の受託責 任の設定と解除のための報告をあげることができる。ソロモンズの所説によると,会計は 本質的に過去の事象を記録することであるとはいえ,過去事象の記録という点を強調しす ぎると,会計の有用性( usefulness )に限界を設けることになるとする。スティワード シップのための会計においても,物質的資源(財産)の保全というよりも,むしろ物質的 資源(財産)の価値の保全, 維持に重きがおかれるとされるのである。 ソロモンズの所 説は,過去の事象を記録するための原価に代えて,会計の有用性の観点から価値を重視す る見解が説かれるのである。 そして, ソロモンズの所説においては,「所有主にとっての 価値」に関する解釈を「企業にとっての価値(value to the business)」として説明し, 「企業にとっての価値」に基づく資産評価の思考が主張されるととなる。彼の所説におい ては,有用な情報提供の観点からカレント・バリューに基づく測定を主張する理論が展開 されたとみることができる。会計上の価値は,意思決定有用性と親和性をもち,会計の有 用性の関連において展開された概念といえるであろう。. Ⅳ むすびに代えて. 会計上の原価と価値は,古くから論じられてきた研究テーマの一つといえる。最近では, 公正価値に基づく測定等にみられるように,会計上の価値概念が重視されている。本稿で は,価値概念重視の見方の理由について,ソロモンズの所説を手掛かりに考察が行われた。 歴史的原価の論拠については,原価即事実説と原価即価値説をあげることができる。原 価即事実説によると,原価は経験的事実を表現し,価値をあらわさないとする。原価即価 値説では,原価は価値をあらわすとする考え方が説かれている。これら二つの論拠は,原 価と価値の関連を検討する上で示唆に富むものである。. G. Whittington, The LSE Triumvirate and Its Contribution to Price Change Accounting, in J. R. Edwards,(ed.),Twentieth-Century Accounting Thinkers, Routledge, London,1994, pp.252 273. イディの見解については,下記の文献があげられる。 Harold C. Edey, Deprival Value and Financial Accounting, in Debits, Credits, Finance and Profits, (eds.), H. C. Edey and B.S.Yamey, Sweet & Maxwell, 1974, p.75. D. Solomons, op.cit., p.127. Ibid. D. Solomons, Making Accounting Policy, Oxford University Press, 1986, pp.161163. 加藤盛 弘監訳『会計原則と会計方針』森山書店,平成2年,181182頁。 D. Solomons, Guidelines for Financial Reporting Standards, ICAEW, 1 989, pp.5253.. 368 ─ 74( ) ─ .
(15) 会計上の原価と価値に関する諸概念の検討(山口). 原価即価値説に関しては,ペイトンの所説があげられる。彼の所説では,価値は原価よ りも重視されるべきであるとする立場がとられている。したがって,実際支出額たる原価 が合理的に価値をあらわさないときには,価値を示すべく適切な修正が認められるべきで あるとする見解が説かれているのである。 ソロモンズの所説においては,現在価値,市場価値,所有主にとっての価値に重きをお き,原価よりも価値を重視する立場がとられている。そして,ソロモンズの所説において は,「所有主にとっての価値」に関する解釈を「企業にとっての価値」として説明し,「企 業にとっての価値」に基づく資産評価の思考が主張されることになる。したがって,会計 上の価値概念を重視する思考については,有用な情報提供の観点からカレント・バリュー に基づく測定に結びつくと考えることができる。. 参 考 文 献. American Accounting Association〔1957〕:Accounting and Reporting Standards for Corporate Financial Statements, 1957 Revision, American Accounting Association, Evanston Illonois. 中 島省吾訳編『A.A.A. 会計原則』中央経済社,昭和46年。 Baxter, W. T.〔1967〕:Accounting Values: Sale Price versus Replacement Cost, Journal of Accounting Research, Vol.5, No.2, Autumn 1 967. Baxter, W. T.〔1971〕:Depreciating Assets: the Forward-looking Approach to Value, The Accountant’s Magazine, April 1971. Baxter, W. T.〔1971〕:Depreciation, Sweet & Maxwell, London. Baxter, W. T.〔1975〕:Accounting Values and Inflation, McGraw-Hill, London, New York. Baxter, W. T.〔1984〕:Inflation Accounting, Philip Allan, Oxford. Bonbright, J. C.〔1937〕:The Valuation of Property(Vol.1),The Michie Company, Virginia, Reprinted 1965. Dohr, J. L.[1 944]:Cost and Value, The Journal of Accountancy, March 1 944. Edey, Harold C.[1974]: Deprival Value and Financial Accounting, in Debits, Credits, Finance and Profits,(eds.), H. C. Edey and B. S. Yamey, Sweet & Maxwell. Edwards, E. O. and P. W. Bell.〔1 961〕:The Theory and Measurement of Business Income, Berkeley, University of California Press. 中西寅雄監修 伏見多美雄,藤森三男訳編『意思決定と利潤計 算』日本生産性本部,昭和39年。 FASB〔1985〕:Statement of Financial Accounting Concepts No.6Elements of Financial Statements, Statements of Financial Accounting Concepts, IRWIN, 1993. 平松一夫,広瀬義州訳『FASB 財務 会計の諸概念』中央経済社,平成6年。 FASB[2006]:Fair Value Measurements, Statement of Financial Accounting Standards No.157. IASB[2 011] :IFRS 1 3, Fair Value Measurement, IASB. Parker, R. H. and G. C. Harcourt[1969]:Readings in the Concept and Measurement of Income, Cambridge University Press. Paton, W. A. and A. C.Littleton[1 940]:An Introduction to Corporate Accounting Standards, American Accounting Association. 中島省吾訳『会社会計基準序説』森山書店,昭和4 7年。 Paton, W. A.[1 946]:Cost and Value in Accounting, The Journal of Accountancy, Vol.81 No.3,. 75( ) 369 ─ ─ .
(16) 第61巻 第2号 March 1 946. Paton, W. A.[1 950]:Measuring Profits under Inflation Conditions: A Serious Problem for Accountants, The Journal of Accountancy, Vol.89 No.1, January 1 950. Solomons, D.[1966]:Economic and Accounting Concepts of Cost and Value, in M. Backer, (ed.), Modern Accounting Theory, Prentice-Hall, Englewood Cliffs, N. J. Solomons, D.[1 986]:D. Solomons, Making Accounting Policy, Oxford University Press. 加藤盛 弘監訳『会計原則と会計方針』森山書店,平成2年。 Solomons, D.[1 989]:Guidelines for Financial Reporting Standards, ICAEW. Sprouse, Robert T. and Maurice Moonitz[19 62]:A Tentative Set of Broad Accounting Principles for Business Enterprises, Accounting Research Study 3, American Institute of Certified Public Accountants. 佐藤孝一,新井清光訳『アメリカ公認会計士協会 会計公準と会計原則』 中央経済社,昭和37年。 Whittington, G.[1994]:The LSE Triumvirate and Its Contribution to Price Change Accounting, in J. R. Edwards,(ed.) , Twentieth-Century Accounting Thinkers, Routledge, London. 新井清光[1973]:「取得原価主義会計の再検討」『會計』第103巻第1号(昭和48年1月)。 新井清光[1998]:『新版 財務会計論(第4版)』中央経済社,平成10年。 上山春平[1971]:「価値研究の課題」粟田賢三,上山春平編『岩波講座 哲学Ⅸ 価値』岩波書店,昭 和46年,所収。 7年。 上山春平[1972]:『歴史と価値』岩波書店,昭和4 遠藤久夫[1969]:「エドワーズ=ベル提案の位置」江村稔編『変動期の現代会計』中央経済社,昭和 44年,所収。 興津裕康[1996]:『財務会計の理論』税務経理協会,平成8年。 興津裕康[1997]:『現代制度会計』森山書店,平成9年。 興津裕康[2002]:「取得原価と時価」岸悦三編『近代会計の思潮』同文舘,平成14年,所収。 興津裕康[2 006]:「現代会計の論点―原価と時価の混在する会計を考える」 『企業会計』第5 8巻第11 号(平成18年11月)。 岸 悦三編[2002]:『近代会計の思潮』同文舘,平成14年。 古賀智敏[2000]:『価値創造の会計学』税務経理協会。 古賀智敏[2008]:「経済的実質主義会計の認識基点」『商経学叢』第55巻第1号(平成20年7月)。 武田隆二[2001]:「会計学認識の基点」『企業会計』第53巻第1号(平成13年1月)。 武田隆二[2008]:『会計学一般教程』(第7版)中央経済社,平成20年。 武田隆二[2008]:『最新財務諸表論』(第11版) 中央経済社,平成20年。 中野 勲[2005]:「時価―原価ハイブリッド会計の論理について」 『會計』第167巻第1号(平成17年1 月)。 中野 勲[2008]:『企業会計情報の評価』中央経済社,平成20年。 藤井秀樹〔2003〕:「Littleton の会計理論―原価主義会計論の2つの潮流と A. C. Littleton―」 方 久編『近代会計と複式簿記』税務経理協会,平成15年,所収。 峯村信吉〔1977〕:『財務諸表の基礎理論』中央経済社,昭和52年。 山口忠昭〔1994〕:『物価変動会計論』同文舘,平成6年。 山口忠昭〔2007〕:「会計上の価値概念に関する考察―ペイトンの所説を中心として―」『商経学叢』 第53巻第3号(平成19年3月)。 山口忠昭〔1996〕:「物価変動下における奪価値説の検討」『會計』第150巻第2号・第3号(平成8 年8月・9月)。 山口忠昭〔2009〕:「会計上のカレント・バリューの測定をめぐる諸問題」『商経学叢』第56巻第2号 (平成21年12月)。 山下勝治〔1971〕:『会計学一般理論』千倉書房,昭和46年。 山下正男〔1971〕:「価値研究の歴史」粟田賢三,上山春平編『岩波講座 哲学Ⅸ 価値』岩波書店,昭 和46年。. 76( ) 370 ─ ─ .
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